(1) 成長拡大への取組み
当社グループを取巻く環境は、日本国内の少子化によるマーケット縮小、アセアン市場の成長、中国経済活動の低迷、更には原材料や人件費等のコスト増加、気候変動に対する時間消費価値の変化等、成長拡大に向けては、これらの対応が急務となっております。
当社グループは2024年度から「新中期経営計画」(2024年~2026年)を推進しており、同計画では、経営課題として「市場の変化に合わせた自らの変革」及び「自社の強みを生かした成長戦略の推進」を掲げ、こどもとその家族に向けた新たな提供価値を基盤とした事業及び業態開発を推進しております。
また「イオン生活圏」等を背景とした当社独自の強みを生かした成長戦略を推進し、セグメント別方針として国内事業では、企業成長を支える原資創出及び更なる市場領域の拡大を重視してまいります。アセアン事業では第2の成長ドライバーとなるべく新業態の開発とエリア開発をスピードと密度をもって進めます。中国事業では経済活動の低迷が長期間続く想定のもと、不採算店舗の閉店及び戦略の再構築を進めます。更にサステナビリティ方針及びマテリアリティにもとづく活動を継続し、持続可能な社会への貢献と企業価値向上の実現に向け邁進してまいります。
(国内事業)
国内事業では、顧客の新たな期待価値に対応した業態開発を推進してまいります。プレイグラウンド事業では、2023年初出店以来、自然環境を学べる屋内施設として高い支持を頂いている「ちきゅうのにわ」及びそのローカライズ版である「ちきゅうのにわ“ぽっぷ”」を出店いたします。また、様々な商圏や施設規模に柔軟に対応できる時間制遊戯施設「のびっこジャンボ」を初出店してまいります。
アミューズメント事業では、従来の「モーリーファンタジー」の出店に加え、Z世代対応の大型業態「Feedy Diner&Arcade」を出店してまいります。また、あそびの専門性に特化した業態である「カプセルトイ専門店」「プライズ専門店」についても、昨年に続き出店拡大してまいります。
そのほか、DXによる構造改革として、会員制度のデジタル化推進によるロイヤリティの拡大、イオングループとの会員IDの共通化等による集客拡大、本社及び売り場後方作業の効率化による人時生産性の拡大を図り、事業収益力向上を目指してまいります。
(アセアン事業)
アセアン事業では、コロナ以降のあそびへのニーズや需要は依然として高く、各国共に業績は拡大が継続しております。このような需要増加に対応し、主力業態である「キッズーナ」に加え、プレイグラウンドの新たな業態を開発し、地域所得と施設規模別に出店業態をパターン化することにより収益向上を図ります。また、商業施設の規模に応じた業態開発を推進し、ひとつの商業施設内に複数出店を図る事により事業収益性の密度と効率性を高めてまいります。エリア戦略としては、主要都市だけでなく、地方都市や小規模施設マーケットの地域にも積極的な出店を進めてまいります。国別には人口動態、経済成長、イオングループの出店戦略を踏まえ、経営資源の配分に優先順位と強弱をつけた成長戦略を推進してまいります。
(中国事業)
中国事業では経済活動の低迷が長期化する中、スリムな経営体制の構築に向け不採算店舗の閉店の継続及び管理コストの圧縮を図ります。同時に既存事業の効率性を高めるため、アミューズメントからプレイグラウンドへ業態転換を進めるとともに、立地や店舗特性に合わせた活性化を推進いたします。更に高ROI・ローリスクの「莫莉活力空間」を積極的に拡大し、収益力の強化を進めてまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下、「KPI」という。)は営業利益、ROE、自己資本比率であります。2025年度の目標値は売上高922億円、営業利益73億円、ROE31.7%、自己資本比率15.6%であります。
当該KPIの各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般に関する考え方及び取り組み
イオングループでは「イオンサステナビリティ基本方針」のもと、環境面では「脱炭素社会の実現」、「生物多様性の保全」、「資源循環の促進」、社会面では「社会の期待に応える商品・店舗づくり」、「人権を尊重した公正な事業活動の実践」、「コミュニティとの協議」を重点課題に設定し、「持続可能な社会の実現」と「グループの成長」の両立をめざしております。
当社では、2022年にこれまでの社是を昇華させた「パーパス」を制定、そしてサステナビリティ経営の方向性を示す「サステナビリティ方針」を策定いたしました。また、企業の持続的成長に向けた重要課題(マテリアリティ)を特定し、有価証券報告書提出日現在においては、S(社会面)で3つ、E(環境面)で1つ、G(ガバナンス面)で1つの合計5つの課題を設定しております。これらマテリアリティの実効性を高めるため、取締役・執行役員を含めた部署横断型チームをマテリアリティ毎に結成し、定期的な進捗管理を行いサステナビリティ経営の実効性を高めております。
「サステナビリティ方針」
https://www.fantasy.co.jp/company/sustainability/sustainabilitypolicy/
当社は、サステナビリティ経営の目標数値や取り組みの進捗を管理することを目的に、取締役会の諮問機関として「サステナビリティ委員会」を設置しております。委員会は、代表取締役社長を委員長として、委員の3分の1以上を社外の有識者から選任し、取締役会から諮問を受けた内容について協議、答申いたします。
「サステナビリティ委員会」の下部組織として、特定したマテリアリティごとに部署横断型チーム「サステナビリティ倶楽部」を設置し、具体的な取り組み内容を検討・実行いたします。各倶楽部は、次世代を担う人財がリーダーとして活動し、具体的な指標と目標を設定し取り組みを進めております。
当社が目指す社会価値及びマテリアリティ(重要課題)について、SDGsなどを参考に社会課題を洗い出し、自社としての重要度及びステークホルダーにとっての重要度という2軸で検討し、以下のマテリアリティを特定いたしました。サステナビリティ経営にあたっては、これらマテリアリティに沿った施策を立案し推進しております。
<イオンファンタジーのマテリアリティ>
・こどもたちの未来への貢献 ・従業員がいきいきと働ける組織づくり
・地域社会とのコミュニケーションの深化 ・脱炭素社会、循環型社会、生物多様性保全の実現
・コーポレート・ガバナンスの強化
<マテリアリティの特定プロセス>
また、当社は、持続可能な社会と企業成長の両立を目指し、2022年9月、TCFDの提言に賛同を表明いたしました。気候変動問題が当社の事業活動に対して及ぼす影響など、リスクと機会の分析を進め、その結果を経営戦略や取り組みに反映していくとともに、さらなる開示情報の充実に努めてまいります。なお、気候変動に伴う主なリスクと機会については次のとおり分析しており、これらのリスクと機会に対応するための施策を推進しております。
<リスク>
・炭素税等温室効果ガス排出規制政策の影響を受け、仕入原価や資材等コストの増加
・エネルギー利用の規制等の影響を受け、店舗の営業に関する制限(営業時間等)を受けることによる減収
・異常気象の頻度と規模の拡大がもたらす店舗・従業員等への補填補修コストの増加
・異常気象の頻度と規模の拡大がもたらす店舗の休業・時短営業の発生による減収
<機会>
・環境を意識した遊戯機械・遊具の開発・品揃えが増えることによる収益機会の拡大
・「プレイグラウンド事業」の接客力等オペレーションの競争力強化による収益の拡大
<対応>
・省エネルギー対応の推進 ・3Rの推進
・再生エネルギー調達の拡大 ・新たなビジネスモデルの展開
当社は、当社グループ全体のリスクマネジメント及びコンプライアンスの推進を目的として内部統制委員会を設置し、その下部組織としてリスク管理分科会、コンプライアンス分科会を設置しております。内部統制委員会の委員長は代表取締役社長、各分科会の委員長は、リスクマネジメント及びコンプライアンスを統括する管理部門責任者が務めております。同委員会は、人財リスクや情報セキュリティ、BCP等のサステナビリティ関連リスクを含む、国内外グループ各社における各種リスク評価の結果を集約し、グループの横断的なリスクへの対策立案と推進管理を行い、その結果を定期的に取締役会に報告し、必要な指示を受けております。
また、取締役会諮問機関として委員の3分の1以上を外部有識者から構成する「サステナビリティ委員会」を設置しております。半期毎に開催し、持続的成長に向けた長期的課題であるマテリアリティの進捗管理や計画の修正、最新動向の共有等を行い、その結果を定期的に取締役会に報告し、必要な指示を受けております。詳細は「
以下のとおり、マテリアリティごとに指標及び目標を設定しております。
(2) 人的資本に関する考え方及び取り組み
当社は持続的に成長していくための原動力は「人財」であり、人財育成は極めて重要であると認識しております。「日々の変化に自ら意思を持って対応し、周囲とともに成長しながらチームとして成果を出すことができる人財」を目指す姿とし、当社の「人財」であるファンタジーピープル(イオンファンタジーで働くすべての人々)の "えがお" はこどもとそのファミリーの "えがお" の源泉であると考え、従業員がいきいきと働ける組織づくりを進めてまいります。
従業員がいきいきと働ける環境づくりのために「すべてのファンタジーピープルが仕事もあそびも夢中になれる会社」を長期目標とし、「ダイバーシティの推進」、「えがおを支える専門人財の育成」、「意欲ある人が自ら成長していける仕組みづくり」、「経営者育成」を行ってまいります。
① 人的資本に関する戦略
<多様性の確保について>
当社は、成長の原動力は「人財」であると認識しております。この認識のもと、特に海外進出しているグローバル企業として、持続的成長のためには多様な価値観を活かす「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」の推進が重要な戦略であると捉え、積極的に取り組んでおります。
まず、当社では性別・国籍・年齢・キャリアを問わず、優秀な人財の採用・起用を積極的に行っております。現在、執行役員1名、海外子会社社長1名は女性で、内1名は外国籍でございます。また、事業の多角化に必要な専門人財(IT・クリエイター・コンプライアンス・経理など)の確保も強化しており、2024年度は計6名をキャリア採用いたしました。
一方、ダイバーシティ推進活動として、女性管理職候補育成のための研修派遣以外にも、両立支援の推進施策として2023年度に育児休業を支援する制度導入など、福利厚生を拡充しており、「プラチナくるみんマーク」を取得しております。2024年には今までの多様な人財への取組みと成果が認められ、第14回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の「経済産業大臣賞」を受賞し、女性活躍推進法に基づく、厚生労働大臣認定の「プラチナえるぼし」を取得しております。
このように女性、外国籍、様々なバックグラウンドを持つキャリア採用者など、多様な人財の確保はもちろん、全ての人がいきいきと働きやすい環境づくりに向けて引き続き取り組んでまいります。
<育成について>
当社は2019年度より教育体系の改革に取り組んでおり、「多様化する価値観を大切にしながら、各職位に必要なマネジメントスキルと各職務に必要な専門知識を習得する機会を提供し、自ら考え行動し、成長し続けられる人財を育成することで、会社の生産性と競争力の向上に寄与する」ことを当社の教育制度のあるべき姿とし、プログラムの拡充を図ってまいりました。会社主催の研修に加え、自己啓発に意欲をもつ従業員が職位や雇用形態に関係なく、自ら学べる制度(イオンファンタジー自己啓発プログラム)を構築しております。受講費用を全額会社負担とし、職務に必要なスキルの習得に向けて、多くの従業員が自ら受講に応募し、学んでおります。また、ストアマネジャーに続き、当社が運営するプレイグラウンド「スキッズガーデン」に勤務する保育士・幼稚園教諭等の資格保有者のうち、「スキッズマネジャー」または「スキッズトレーナー」職のパートナー社員を正社員化することで、人財確保をするとともに、お客さまにより良いサービスをご提供できるよう現場力の向上に取り組んでおります。
また、マテリアリティの一つである、従業員がいきいきと働ける組織づくりに向けて2022年度以降は当社ならではのモラールサーベイ(エンゲージメント調査)を設定および実施し、ファンタジーピープル一人ひとりのいきいき度向上と、働きがいのある職場の実現にむけて取り組んでおります。
② 人的資本に関する指標と実績
当社の各取り組み内容の指標と実績は以下のとおりです。
当社グループの事業展開、経営成績その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項、並びに必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。
なお、当社グループは、これらのリスクの可能性を認識した上で、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の施策などにより、発生の回避、発生した場合の対応に努める所存であります。
記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
当社グループは、日本、中国、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア及びベトナムにおいてショッピングセンター内遊戯施設の設置運営を事業とし、主に3才から7才の子どもたちを対象に展開しており、その収益は国内市場に大きく依存しております。日本のアミューズメント業界は2015年より市場規模は改善傾向であるものの、余暇市場の多様化や家庭用ゲームの普及、スマートフォンを使用したゲームアプリの人気などによりピーク時より約3割減少しております。さらに直面している少子化問題により、当社グループ施設を利用する子どもたちが減少する可能性があります。これらにより、当社グループの業績が低迷する可能性があります。
当社グループは、ショッピングセンター内に出店し、遊戯施設を運営しております。同じ出店形態を主体とする企業と競合しており、さらに最近では、単独の出店形態を主体とする企業もショッピングセンター内への出店を積極的に進めております。これら競合する企業は、当社グループの施設より広い面積で、子どもたちを中心とした家族も対象として、同一又は近隣ショッピングセンターへの出店を加速させております。このような競争の激化は、当社グループの出店戦略及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ショッピングセンター内に出店し主に3才から7才の子どもを対象とした遊戯施設を運営しております。感染症が発生した場合、子どもたちが多く集まる施設への来店が減少し、当社グループ施設への来店も減少することが考えられます。さらに感染が拡大した場合、当社グループ施設が臨時休業せざるを得ない状況となることが考えられます。2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大により、当社グループ施設は、国内、中国及びアセアンにおいて、臨時休業することになり、当社グループの業績に影響を及ぼしました。将来、このような感染症の流行が長期的に続く場合は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはイオングループの一員であり、グループ内外のショッピングセンターにおける遊戯施設の運営を行っております。2025年2月28日現在における直営店1,217店舗のうち、イオングループのショッピングセンター内店舗数は780店舗となっております。したがって、今後、イオングループの属する業界を取り巻く環境変化や業界再編等で、集客力が変動した場合には、当社グループの業績も影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、当該リスクの低減を図るため、イオングループ外の商業施設や駅前繁華街への進出を推進し、イオングループ外への出店を加速してまいります。
消費税率が引き上げられると個人消費が一時的に落ち込む可能性がありますが、とりわけレジャーや娯楽への支出は最優先で抑えられ、さらに税率が引き上げられた場合は、長期的に抑制される可能性があります。これにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、中国、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア及びベトナムにおいて事業を展開しております。海外における事業活動は、経済成長の動向や為替相場の変動に加えて、投資、貿易、外貨、税及び営業許可に関する法的規制の変更、生活習慣の相違、労使関係及びその他の政治的・社会的要因により、影響を受ける可能性があります。また当社グループの施設に類似したプレイグラウンド施設が増加しており、今後、さらに競争が激化することにより、当社グループの業績に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。
当社グループでは、当該リスクの低減を図るため、海外展開にあたっては、採算性、市場拡大余地、為替変動リスク、税及び営業許可に関する法的規制等を慎重に検討し総合的に判断することとしております。
国内のアミューズメント施設運営業務は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下、「風営適正化法」という)の第2条第一項第5号に基づき、都道府県公安委員会の営業許可を受けることが必要な場合があります。その内容は、施設開設及び運営に関する許認可申請制度、営業時間の制限、入場者の年齢による制限、遊技料金等の規制、施設の構造・内装・照明・騒音等に関する規制事項等であります。
当社グループは2025年2月28日現在、国内直営753店舗のうち116店舗で「風営適正化法」の許認可に基づき営業を行っております。許認可対象外の店舗は、「風営適正化法」第2条第一項第5号の政令で定められた対象外施設に該当する「大規模小売店舗内の区画された施設」であり、ⅰ)主に小売業に集来する顧客が利用するものであること、ⅱ)営業時間が小売部分と同一であること、ⅲ)当該施設の外部から当該施設の内部を容易に見通すことが出来ること等により、関係諸官庁より許認可対象外施設であると判断されたものであります。今後も、当社グループは「風営適正化法」の規制を遵守し、施設の設置及び運営をしてまいりますが、許認可店舗の営業活動は一部制限されており、対象外店舗であっても法的規制の変更により、許認可対象店舗となる可能性があります。
さらに、許認可対象店舗が増えていく場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが目指す「安全・安心な店作り」を行うために、子どもたちへのフレンドリーな接客や楽しいイベントの提供及び迅速正確なオペレーションができる人材を採用・育成することが重要な課題となっております。最近において、すでに人材確保が困難な雇用環境となっており、必要な人材を確保できない場合、店舗の運営に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、一部会員制度の情報など業務上必要な個人情報を保有しております。これら個人情報に関しては、社内規程を制定し必要な教育を実施するなど重要性を全員に周知し、その取り扱いには十分留意しておりますが、当該情報が外部に流出した場合には、当社グループへの信頼が低下することなどにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業内容に関連して、不当景品類及び不当表示防止法、食品衛生法等の法令による規制を受ける場合があります。これらの法的規制が変更された場合、店舗の営業活動に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
<連結業績>
当社は、「こどもたちの夢中を育み、“えがお”あふれる世界をつくる」というパーパスの実現に向け、新たなビジョンのもと新中期経営計画(2024年~2026年)を策定し、持続可能な社会への貢献と企業価値を高めるべく、事業活動を推進しております。
当連結会計年度(2024年3月1日~2025年2月28日)における当社及び連結子会社の連結業績は、売上高872億40百万円(前期比6.7%増)、営業利益43億44百万円(同21.2%増)、経常利益34億40百万円(同23.4%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は18億16百万円(前期親会社株主に帰属する当期純利益13億14百万円)となりました。各国為替レートが期首から円高に進んだ結果、営業外費用に為替差損4億57百万円(前期為替差益11億73百万円)を計上しております。また不採算店舗整理を加速させている中国事業の27億22百万円を含む、特別損失31億90百万円を計上しております。収益力実態を示す償却前営業利益は151億1百万円(前期差14億72百万円増)となりました。
国内事業は、従来から好調なプライズ部門・カプセルトイ部門に加え、時間消費型のメダル部門が順調に伸長したことによる既存店の好調及び、新業態・戦略的小型店などの新店が好調に推移した結果、当期は売上高・営業利益ともに過去最高を更新しております。アセアン事業は順調に新店の拡大が続く一方、中国事業は経済環境の低迷や競争環境の激化による売上回復の遅れが続いており、アミューズメントの不採算店舗を整理しつつ、競争力の高いプレイグラウンドへの変更を進めております。
当期は新業態を中心に195店舗を出店する一方、不採算店舗等134店舗(内、中国82店舗)を閉店いたしました。これらの結果、2025年2月末時点の店舗数は国内753店舗、海外475店舗の合計1,228店舗(直営店1,217店舗、FC11店舗)となりました。
<セグメント別業績>
(国内事業)
国内事業における当期の業績は、売上高694億68百万円(前期比7.7%増)、営業利益62億10百万円(同35.9%増)で前期から16億39百万円増となり、ともに過去最高を更新いたしました。
既存店売上高前期比は106.0%と計画を大幅に上回り、特にプライズ部門が同110.4%と全体を大きく牽引しております。メダル部門では、投資の実行と販促活動を継続した結果、同103.4%と順調に売上及び会員数の拡大が続いており、荒利益率の向上に寄与しております。
アミューズメント事業の新業態では、新たなエリア(駅前・繁華街など)への出店や飲食併設の大型店舗「Feedy Diner&Arcade」を出店いたしました。プレイグラウンド事業の新業態では、「ちきゅうのにわ」を当初計画から上回る6店舗の出店をいたしました。いずれも計画を大幅に上回り好調に推移しております。従来から拡大を続けている戦略的小型店は、プライズ専門店19店舗、カプセルトイ専門店54店舗の合計73店舗の出店をいたしました。
当期は85店舗を出店する一方、35店舗を閉店し、2025年2月末時点の店舗数は753店舗となりました。
(アセアン事業)
アセアン事業における当期の業績は、売上高131億81百万円(前期比19.8%増)、営業利益11億90百万円(同12.4%減)となりました。売上高は過去最高を更新する一方で、今後の規模拡大を想定した本社人員の拡充や、フィリピンにおける前期のオンライン授業(当期は対面授業再開)の反動などにより営業利益は前年から減少する結果となりました。
主力のプレイグラウンド事業においては、主要業態の「kidzooona」の他に、「Kidzooona Safari」や「KID’S BOX JUMBO」などさまざまな商圏に対応した業態を開発し、各国において新たな地域への進出をいたしました。国別の出店数は成長率を重視しているインドネシア16店舗、ベトナム10店舗と拡大を続け、シェア拡大を重視しているマレーシア24店舗、フィリピン11店舗、生産性向上を進めるタイは売上総利益率の改善を進めるとともに、11店舗の出店をいたしました。
当期は、72店舗を出店する一方、17店舗を閉店し、2025年2月末時点の店舗数は332店舗(直営店327店舗、FC5店舗)となりました。
(中国事業)
中国事業における当期の業績は、売上高48億29百万円(前期比26.0%減)、営業損失30億52百万円(前期営業損失23億43百万円)となりました。経済活動の低迷や、商業施設内へ他業種からアミューズメントへの新規参入が激増したことにより競争が激化し、売上高の回復が遅れております。そのため、当初計画を大きく上回る82店舗の不採算店舗を整理いたしました。また既存店・本社販管費の経費削減を継続強化するとともに、アミューズメント区画を縮小し、プレイグラウンド区画の拡大をするなどの店舗活性化を20店舗実施いたしました。また、出店コストがかからず初月度から利益を出せる小型店「莫莉活力空間」を34店舗出店し、2025年2月末時点の店舗数は143店舗(直営標準・大型店96店舗、小型店41店舗、FC6店舗)となりました。
(仕入及び販売の状況)
当社グループの主な事業は、ショッピングセンター内遊戯施設の設置運営であり、「仕入及び販売の状況」については、セグメントごとに品目別又は部門別に記載しております。
セグメントごとの品目別仕入実績は、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格で表示しております。
2.商品は、カード、菓子、玩具、飲食物等であります。
3.貯蔵品は、遊戯機械景品のぬいぐるみ、玩具、菓子、メダル等であります。
4.その他は、販売用遊戯機械、備品、景品等であります。
ⅰ) 部門別売上高
セグメントごとの部門別売上高は、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.遊戯機械売上高は、プライズゲーム機、メダルゲーム機、時間制遊具等の遊戯機械による収入であります。
3.商品売上高は、カード、玩具、飲食物等の販売による収入であります。
4.委託売上高は、飲料等自動販売機の運営委託に係る手数料収入等であります。
5.遊戯施設関係のその他は、温浴施設の入場料収入等であります。
6.その他は、遊戯機械・備品、景品等の販売収入、ロイヤリティー収入等であります。
ⅱ) 地域別売上高
販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
ⅲ) 単位当たり売上高
セグメントごとの単位当たり売上高を売場面積別及び従業員別に示すと次のとおりであります。
(注) 1.売場面積(平均)は、営業店舗の期中平均値であります。
2.従業員数(平均)は、パートナー社員(パートタイマー)及び受入出向者を含めた期中平均値であります。なお、パートナー社員の人数は1日8時間換算で計算しております。
(注) 1.売場面積(平均)は、営業店舗の期中平均値であります。
2.従業員数(平均)は、受入出向者を含めた期中平均値であります。
(注) 1.売場面積(平均)は、営業店舗の期中平均値であります。
2.従業員数(平均)は、受入出向者を含めた期中平均値であります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、121億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億39百万円減少いたしました。主な内訳は、現金及び預金の減少(13億49百万円)、貯蔵品の増加(3億16百万円)、売上預け金の増加(1億55百万円)であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、414億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億9百万円増加いたしました。主な内訳は、新店及び店舗活性化に伴う建物の増加(11億88百万円)及び遊戯機械の増加(11億42百万円)であります。
この結果、総資産は536億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億70百万円増加いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、307億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ68億94百万円減少いたしました。主な内訳は、国内短期借入金の長期転換に伴う短期借入金の減少(120億95百万円)及び1年内返済予定の長期借入金の増加(24億77百万円)、設備関係支払手形の増加(15億65百万円)であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は160億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ99億63百万円増加いたしました。主な内訳は、国内短期借入金の長期転換に伴う長期借入金の増加(102億72百万円)であります。
この結果、負債合計は468億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億69百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、68億42百万円となり前連結会計年度末に比べ16億98百万円減少いたしました。主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上(18億16百万円)、剰余金の配当による減少(1億97百万円)であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して13億50百万円減少し61億41百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動により得られた資金は123億53百万円となりました。その主な内訳は、減価償却費107億56百万円及び減損損失26億12百万円の計上による資金の増加と、法人税等15億2百万円の支払による資金の減少であります。
投資活動により使用した資金は108億58百万円となりました。主に新規出店や既存店活性化投資に伴う有形固定資産98億25百万円の取得によるものです。
財務活動により使用した資金は28億41百万円となりました。その主な内訳は、短期借入金の純減額121億52百万円、長期借入金33億71百万円及びリース債務27億52百万円の返済による資金の減少と、長期借入金162億5百万円の収入による資金の増加であります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用して 計算しております。有利子負債は、連結貸借対照表上に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いは、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、商品及び貯蔵品の仕入、店舗運営に係る人件費及び地代家賃等の営業費用であります。また、設備投資に係る資金需要の主なものは、新店及び店舗活性化に伴う遊戯機械の取得等であります。
(財務政策)
当社グループの事業活動に必要な資金については、営業キャッシュ・フローによることを基本とし、主として金融機関からの借入により資金調達しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。
当該見積りは、過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4. 会計方針に関する事項」に記載しております。
なお、特に重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。