第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2023年2月28日)現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は北海道の地元企業として、お客さまに頼りにされるお店づくり、人づくりを実現させるとともに、イオングループの北海道における小売事業を担う企業として、グループ基盤をフルに活用し、お客さまに安全・安心で魅力的な商品・サービスを提供し続け、北海道にこだわり、北海道の発展に貢献していくことが役割であると考えております。そのために、お客さまの視点に立った小売業を営むことを経営の基本とし、各店のエリア・マーケットに基づく地産地消を中心とする地域に密着した売場づくり・品揃え・販売を徹底的に推進してまいります。そして、『北海道でNo.1の信頼される「お店」にしていく』ことの実現に向け、更なる成長と発展を図ってまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社が目標とする経営指標としては、売上高営業利益率を重視しております。スケールメリットによる値入率の改善に加え、自社開発商品の強化や、道内各地域それぞれに合わせた商品・売場への見直しにより、売場効率と商品在庫効率を高めてまいります。また、デジタルテクノロジーを活用した売場や後方作業の自動化やオペレーション改革をすすめローコスト運営を追求することで、営業利益の安定的確保を目指してまいります。そして食を中心に新規出店や既存店の活性化をすすめ、成長戦略の推進を図ってまいります。併せてROEの向上を目指し、経営効率を高め、企業価値の向上を図ってまいります。

 

(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

新型コロナウイルス禍から徐々に経済社会活動の正常化が進んできており、外出関連を中心とした個人消費の回復が期待される一方で、ロシア・ウクライナ戦争や円安等の影響によるエネルギーコストや原材料価格の高騰、物価上昇などが、お客さまの家計の大きな負担となっています。そして、これらの価格高騰は、お客さまの商品購入価格に対する感度が更に高まることが予想されるとともに、当社においては、コストの増加基調に伴い経営環境が厳しくなることが懸念されます。

当社は、全国より早い少子高齢化と人口減少、市場の縮小や労働力の不足など、北海道における経営環境の本質的な課題に対する中長期的な経営戦略として、「食」を基軸に便利で楽しく、健康な毎日の暮らしをお手伝いする北海道のヘルス&ウエルネスを支える企業をありたい姿とし、中期経営計画をすすめております。その実現のためにも、この環境の変化に対応すべく収益構造の改革に注力し安定した収益基盤を確保して、事業基盤の強化に取り組んでまいります。

 

 

(4)対処すべき課題

当社は、中長期的な経営戦略を推進するために、中期5ヵ年経営計画(2021-2025)の4つの方針に沿って、施策をすすめております。特に、インフレ等当初想定を上回る環境変化が発生している現状を踏まえ、翌事業年度は収益力の向上につながる取り組みを強化してまいります。

 

①商品と店舗の付加価値向上

当社に対してお客さまが期待する価値を実現すべく、事業の核である商品と店舗の付加価値を上げ、地域一番の商品力、地域一番の便利な店の実現を目指します。

商品においては、食品の強化を最重点とし、安全・安心、鮮度、美味しさ、バリューを追求すべく、魅力ある自社商品の開発と、産地と連携した地場生鮮品を強化いたします。前事業年度に新設したイオン石狩PC(プロセスセンター)での開発商品の製造・供給によりサプライチェーンの強化を図るとともに、店舗作業の削減による効率化に取り組んでまいります。また、お客さまの生活防衛意識の高まりから、グループのプライベートブランドであるトップバリュ商品の品揃えを強化してまいります。また、翌事業年度は引き続き食品の強化をすすめるとともに、GMS店舗の改装等により衣料及び住居余暇商品の競争力と効率を高め、収益力を高めてまいります。

店舗においては、当事業年度にDS、SM、まいばすけっと各1店舗を新規出店いたしましたが、翌事業年度も品揃えや店舗機能を進化させながら新業態の開発もすすめ、SM3店舗を出店いたします。店舗機能ではお客さまの利便性と業務効率の向上を両立すべく、セルフレジをはじめとする店舗のデジタル化を加速してまいります。セルフレジは小型店を除く全店の7割以上に導入し、翌事業年度にはほぼ完了する計画です。Eコマースの店舗受取サービスの拡充などと合わせ、店舗機能を更に高め、引き続き便利でストレスフリーな店づくりをすすめてまいります。また、ネットスーパーでは、急激に高まるお客さまニーズにお応えすべく、引き続き品揃えと受注配送キャパシティ、地域ニーズ対応の店舗型拠点を拡充し、成長市場の取り込みを図ってまいります。

 

②顧客化の推進

お客さまニーズの変化やテクノロジーの進化により、販売チャネルの多様化や広告媒体の新旧交代が急激にすすむ中、お客さまと更なる絆を結ぶための新たな顧客戦略をすすめております。販売チャネルやキャッシュレス決済などの様々な顧客接点を強化するとともに、そこで得られるデータを利活用して一人ひとりのお客さまに最適な商品とサービスを提案・提供するためのOne to Oneマーケティング体制を構築し、イオンファンを増やしてまいります。当事業年度では、重要な顧客接点となるイオンのトータルアプリ「iAEONアプリ」会員の拡大と利用促進を図りましたが、翌事業年度は「iAEONアプリ」スマホ決済機能である「AEON Pay」の機能を拡充するなど、お客さまの利便性の更なる向上を図ってまいります。

 

③地域との連携

地域と共に地域課題の解決に取り組み、地域になくてはならない店と住み良いまちを実現するために、地域行政と協働し、防災・福祉・環境保全の推進や、「ご当地WAON」などを活用した商品・観光の振興など、双方が持つ資源を有効に活用するための協定を締結し、様々な取り組みを通じて地域経済の活性化や生活サービスの向上などに取り組んでまいります。また、有事の際も社会インフラの役割を果たし、地域のお客さまのくらしを支えるべく、当社店舗が所在するすべての市町村と防災協定を締結しており、今後も事業継続に備える取り組みを積極的に進めてまいります。環境保全においては、脱炭素の取り組みを最重点に、引き続きCO2排出削減、排出プラスチックの削減、食品廃棄物の削減に取り組んでまいります。

 

④収益構造の改革

成長を支える強固な経営基盤づくりとして、収益構造の改革をすすめております。グループのスケールメリットの活用や独自商品の開発・拡販等により値入改善をすすめるとともに、更なる成長が見込める高粗利部門の売上高構成比を高め粗利益率の改善を図ってまいります。また、デジタルテクノロジーを活用した省人省力化施策やプロセスセンターを活用し、人時生産性を高めるとともに、先行して実施した省エネ投資や省人・省力化投資の効果を最大化し、喫緊の課題である人件費や光熱費等の経費高騰に耐えうる収益構造を確立し、中期経営計画の実現を目指してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として以下のようなものがあります。当社はリスク管理の最高責任者を代表取締役社長、各本部の責任者を担当取締役とし、事業の継続と人命の安全を確保するための体制と環境を整え、危機の未然防止及び危機発生時の被害最小化を目的とした「リスクマネジメント規程」を策定し、リスクマネジメント委員会にてリスクにかかわる課題、対応策の審議を行うとともにリスクの減少及び被害の低減に努めております。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2023年2月28日)現在において、当社が判断したものであります。

(1) 同業他社との競争激化及び消費動向による影響について

当社は、一般消費者を対象とする店舗販売を主とする小売事業を営んでおり、個人消費の動向、天候不順により、また、営業基盤とする地域内における業態を超えた店舗間競争の状況により、当社の経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。

(2) 店舗の出店について

当社は、店舗の出店方法を土地または土地・建物を賃借する方式で出店した時に、敷金・保証金及び建設協力金として資金の差入れを行っております。

差入れした資金の保全対策として、抵当権または賃借権の設定を行っておりますが、土地及び建物の所有者である法人・個人が破綻等の状況に陥り、店舗の継続的使用や債権の回収が困難となった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、締結している土地及び建物に係る賃貸借契約のうち、当社の事情により中途解約する場合には、敷金・保証金等の一部を放棄する可能性があります。

(3) 法的規制等について

当社は、大規模小売店舗立地法や独占禁止法のほか、食品の安全管理、環境・リサイクルなどに関する法令等の遵守につとめております。

これらに違反する事由が発生した場合には、企業活動が制限される可能性があります。また、法令上の規制に対応するため、経営コストが増加する可能性があり、これらの法令等の規制は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 個人情報の保護について

当社は、個人情報に関する取扱いについて社内管理体制の充実と教育を推進し、その徹底を図っておりますが、不測の事故または事件によって個人情報の流出が発生した場合には、損害賠償による費用の発生や信用の低下による収益の減少などで、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) コンプライアンスについて

当社は法令・規制を遵守し事業展開を進めております。コンプライアンス委員会を定期的に開催し、その内容を取締役会へ報告、重点課題の共有を図ると共に従業員へ向けたコンプライアンス教育を実施し、意識の向上に努めておりますが、管理体制上の問題が発生する可能性は皆無ではなく、法令規制に反した場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 自然災害などについて

当社は、各店舗における販売が主であり、自然災害・事故等により、店舗の営業継続に悪影響を及ぼす可能性があります。災害や事故等に対しては、緊急時の社内体制の整備や事故防止の教育を行っておりますが、大規模な自然災害や事故が発生した場合には、当社の営業活動に支障が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 感染症の流行について

当社は、新型コロナウイルスの感染流行時における対策を講じておりますが、感染症の影響が想定を上回る事態に拡大した場合には、ご来店者数の減少、店舗の休業等による売上の減少、専門店の賃料減免の対応等により、当社の経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 気候変動に関するリスクについて

当社は、店舗運営におけるエネルギーの使用、冷凍・冷蔵ケースでの代替フロン冷媒の利用が多いことから、地球環境に大きな負の影響をもたらす地球温暖化問題に早くから取り組んでいます。脱炭素社会の実現を目指す「イオン 脱炭素ビジョン2050」に基づき、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーへの転換等に取り組んでいますが、環境に関する法的規制の強化や社会的要請の高まりにより想定以上のエネルギー費用や対策コストが発生した場合、また、気候変動に伴い農・水産物の品質・収量に著しい変化が生じた場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響が及ぶ可能性があります。

(9) 原材料等の価格変動について

当社は小売事業を主力事業としておりますが、原油価格の高騰等による電気料金の上昇など外部環境に変化が生じ、店舗運営における光熱費や商品・店舗資材等の調達価格が大きく上昇した場合、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(10) システムトラブルについて

当社は、想定外の自然災害により通信回線・電力供給に問題が生じた場合、また外部からのサイバー攻撃やコンピューターウイルスの不正侵入等によりソフト及びハードウェアにトラブルが発生した場合、情報システムが不稼動となることで、業務遂行に支障をきたし、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社では、これらの人為的災害及びコンピューターウイルス等による攻撃に対して各種対策を施すことで、当該リスクに対応しております。

(11) 中期経営計画について

当社は、経営ビジョンである「北海道のヘルス&ウエルネスを支える企業」の実現に向け、2021年度をスタート年度とする5ヵ年の中期経営計画を策定し、その計画に掲げた具体的諸施策を推進しております。しかしながら、中期経営計画は、策定時点における市場環境や経済情勢の見通しに基づくものであり、市場環境や経済情勢が想定を超えて劇的に変化し、事業環境の予測が外れた場合、経営数値目標が達成されない可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績等

当事業年度における国内及び北海道の経済活動は、新型コロナウイルス感染症の影響がみられたものの、行動規制の緩和や社会行事の再開、外出マインドの高まり、インバウンド需要の回復などで持ち直しの動きがみられました。一方、ロシア・ウクライナ情勢悪化の長期化や為替相場の急激な変動などにより、原材料価格やエネルギーコストが高騰するなど先行き不透明な状況が続き、生活防衛意識はさらに高まっております。

このような環境下、当社は経営ビジョンである「北海道のヘルス&ウエルネスを支える企業」の実現に向け、中期5カ年経営計画の2年目となる2022年度を事業の実験と検証の年度と位置づけ、「商品と店舗の付加価値向上」「顧客化の推進」「収益構造の改革」「地域との連携」に取り組んでまいりました。

 

当社は、当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。

当事業年度における経営成績は、売上高3,172億74百万円(前期比98.7%)となりました。なお、当事業年度において当該収益認識会計基準等を適用しなかった場合の売上高は3,288億46百万円(前期比102.3%)となり、過去最高となりました。営業総利益は、売上高の伸長に加えテナント収入が前期から回復し、1,022億57百万円(前期比102.1%)となりました。

販売費及び一般管理費は、水道光熱費の高騰による影響があったものの、省エネの取り組みによりエネルギーの使用量を減らすなど影響を最小限に留めるとともに、人件費や一般費を前期より削減し、939億9百万円(前期比100.5%)となりました。営業利益は営業総利益を改善したことで83億47百万円(前期比125.3%)、経常利益は85億1百万円(前期比127.1%)、当期純利益は47億5百万円(前期比123.0%)といずれも増益となりました。

以下の前期比に関しては、当事業年度に当該収益認識会計基準等を適用しなかった場合の数値との比較になります。

業態別の売上高は、GMS(総合スーパー)は1,800億37百万円(前期比102.2%、既存店前期比104.2%)、SM(スーパーマーケット)は973億52百万円(前期比100.0%、既存店前期比101.7%)、DS(ディスカウントストア)は442億63百万円(前期比107.3%、既存店前期比105.4%)となりました。ライン別の売上高は、衣料は前期比107.6%(既存店前期比108.9%)、食品は前期比101.5%(既存店前期比102.9%)、住居余暇は前期比102.9%(既存店前期比104.1%)となりました。なお、食品においては12期連続の増収となりました。

 

当事業年度において、当社が実施した取り組みは、次のとおりであります。

「商品と店舗の付加価値向上」については、3店舗新規出店したほか、8店舗の大型活性化を実施し、設備の一新、フローズンの売場拡大、デリカ商品や地場商品を拡充するなど展開強化を図りました。また、3年ぶりに行動制限がなかった年末年始においては、帰省に合わせたごちそうメニューの品揃え拡充や初売りセールを大々的に行い、第4四半期会計期間で既存店前期比106.3%と好調でした。

商品に関する取り組みでは、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」において、食料品・日用品の価格維持を継続するとともに、「プロのひと品シリーズ」をはじめとしたこだわりの逸品の展開を強化し、「トップバリュ」の売上高前期比は112.0%と伸長しました。また、食品において、当社ならではのおいしく、価値ある商品の開発を行いました。北海道産食材を使った商品開発に力を入れ、かぼちゃやコーンなど、北海道産の旬の食材を使用したコロッケやスープを開発するなど、独自商品を約800品目開発し、約140億円の売上の嵩上げに貢献しました。

衣料、住居余暇においては外出や社会行事関連の需要の高まりにいち早く対応し、当社オリジナル商品のアウター「パーフェクトフーディー +eco」が好調に推移したほか、ビジネス、学校行事関連の商品を拡充しました。また、キャリーケースや、アジアンコスメをはじめとしたビューティーケア商品などの拡販を行い、需要増に応える売場を構築しました。

インターネット販売事業は、ネットスーパーにおいて2店舗拠点を新設したことで受注件数が増え、売上高前期比120.6%となりました。インターネットショップ「eショップ」は、「アスパラガスギフト」「冬ギフト」クリスマスおもちゃを集めた「イオンのおもちゃ」などが好調で、売上高前期比125.5%となりました。

「顧客化の推進」については、2021年9月に開始したイオンのトータルアプリ「iAEON」において、従来のアプリ機能の移管が完了しました。また、電子マネーWAONやイオンカードなど、イオンの各種サービスのポータルとして役割を果たしており、利用者数は前期末と比較し約5倍となりました。

「収益構造の改革」については、生産性の向上を図るべく、当事業年度において6店舗に電子棚札を導入しました。また、セルフレジの導入を推進し、当事業年度において27店舗に新規・追加設置し、導入店舗数は累計で107店舗となりました。さらに、上昇基調にあるエネルギーコストについて、使用電力を削減すべくLED照明の更新や入替、冷蔵冷凍ケースの入替や空調機器の省エネ化など積極的に高効率の省力化機器を導入し、電気使用量は前年より5%以上削減しました。

「地域との連携」については、再生可能エネルギーの活用拡大に向け、新たに2店舗においてPPA「Power Purchase Agreement(電力販売契約)」事業者が太陽光パネルを設置し、自家消費分として購入・活用する取り組みを開始し、合計で4店舗となりました。また、地元北海道の意欲ある若者の海外での挑戦を応援するため、「ほっかいどう未来チャレンジ応援募金」を全店舗・事業所で実施し、北海道が運営する基金へ110万837円寄付しました。さらに、食品廃棄物削減の取り組みとして、「フードドライブ」の取り組みを開始し、今後の実施店舗拡大の足掛かりとなりました。

 

当社は、これからもヘルス&ウエルネスを推進し、お客さまの健康と安全・安心なくらしを推進するとともに、従業員と家族の健康サポートを行うなど、「イオンのあるまちに住みたい」と思っていただけるような取り組みを進めてまいります。

 

また、当社は小売事業及びその付随業務の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、期首に比べ1億32百万円増加し39億4百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は148億84百万円(前期は8億68百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額7億60百万円等により資金が減少したのに対し、税引前当期純利益70億50百万円、減価償却費61億64百万円、減損損失12億72百万円、預り金の増加額8億13百万円等により資金が増加したためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は88億11百万円(前期は135億31百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出86億11百万円により資金が減少したためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は59億40百万円(前期は101億31百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入60億円により資金が増加したのに対し、短期借入金の純減少額63億円、長期借入金の返済による支出39億60百万円、配当金の支払額16億67百万円等により資金が減少したためであります。

 

 

(2)仕入及び販売の実績

 当社は、小売事業及びその付随業務の単一セグメントであるため、「仕入及び販売の実績」については、商品グループ別に記載しております。

① 仕入実績

 当事業年度の仕入実績を商品グループ別に示すと、次のとおりであります。

商品グループの名称

 当事業年度

(自 2022年3月1日

  至 2023年2月28日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

レディス

2,051

68.5

服飾

2,806

103.6

キッズ

3,864

89.6

インナー

3,210

85.6

メンズ

1,966

71.4

衣料品その他

0

174.0

衣料品計

13,899

84.1

グロサリー

69,028

100.2

デイリー

45,052

102.1

生鮮

64,065

99.9

デリカ

16,143

109.0

インストアベーカリー

885

102.6

食品催事

60

7.0

食品計

195,235

100.8

ハードライン

6,712

104.2

サイクル

724

95.2

ホームファッション

3,682

88.2

ガーデニング

923

40.9

パンドラ

263

81.0

H&BC

16,171

104.8

住居・余暇計

28,478

96.9

その他

123

14.3

合計

237,736

98.9

 (注)1.商品グループの体系は内部管理に基づく区分であり、前年同期比については、前年同期実績値を当事業年度の区分に組み替えて表示しております。

    2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度の金額については当該会計基準等を適用後であり、前年同期比については当該会計基準等を適用前の前事業年度の金額との比較となっております。

 

 

② 販売実績

 当事業年度の販売実績を商品グループ別に示すと、次のとおりであります。

商品グループの名称

 当事業年度

(自 2022年3月1日

  至 2023年2月28日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

レディス

3,553

71.1

服飾

4,636

105.9

キッズ

5,881

89.2

インナー

5,463

90.2

メンズ

3,296

74.9

衣料品その他

0

167.8

衣料品計

22,832

86.4

グロサリー

86,276

100.3

デイリー

61,927

102.0

生鮮

81,339

100.2

デリカ

24,362

105.0

インストアベーカリー

1,688

103.2

食品催事

63

6.3

食品計

255,658

100.8

ハードライン

7,821

100.3

サイクル

1,114

99.5

ホームファッション

5,379

85.0

ガーデニング

1,405

44.2

パンドラ

488

85.4

H&BC

22,273

103.8

住居・余暇計

38,482

95.1

その他

300

30.3

合計

317,274

98.7

 (注)1.当社は一般顧客を対象に、主に現金による店頭販売を行っているため、相手先別の販売実績は省略しております。

2.商品グループの体系は内部管理に基づく区分であり、前年同期比については、前年同期実績値を当事業年度の区分に組み替えて表示しております。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度の金額については当該会計基準等を適用後であり、前年同期比については当該会計基準等を適用前の前事業年度の金額との比較となっております。

4.商品グループの主な内容は、次のとおりであります。

商品グループの名称

主な内容

商品グループの名称

主な内容

レディス

婦人用の衣料

インストアベーカリー

店内でのパン製造販売

服飾

靴、鞄、服飾雑貨

食品催事

季節催事

キッズ

子供用の衣料、玩具等

ハードライン

文具、家電、時計、携帯電話等

インナー

肌着

サイクル

自転車

メンズ

紳士用の衣料

ホームファッション

寝具、バス・トイレ用品、食器等

衣料品その他

上記以外の衣料品

ガーデニング

ガーデニング用品

グロサリー

米、酒、調味料、嗜好食品等

パンドラ

手芸用品

デイリー

卵、乳製品、麺類、パン等

H&BC

化粧品、医薬品、調剤、ペット用品、台所用品、日用雑貨、健康食品等

生鮮

野菜、鮮魚、精肉等の生鮮食品

デリカ

弁当、寿司、惣菜、サラダ等

その他

委託販売、学生服等

 

(3)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、開示に影響を与える見積りに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、第5「経理の状況」1「財務諸表等」(1)「財務諸表」「注記事項」「重要な会計方針」に記載しております。

② 財政状態の分析

当事業年度末の資産は1,529億66百万円となり、前事業年度末に比べ8億71百万円増加いたしました。

内訳としましては、流動資産が5億47百万円、固定資産が3億24百万円それぞれ増加したためであります。

流動資産の増加は、未収消費税等が7億31百万円減少したのに対し、未収入金が7億51百万円、商品が2億54百万円、現金及び預金が1億32百万円、前払費用が1億8百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。

固定資産の増加は、借家権等の無形固定資産が2億82百万円減少したのに対し、工具、器具及び備品等の有形固定資産が2億17百万円、長期前払費用が4億13百万円それぞれ増加したこと等が主な要因であります。

当事業年度末の負債は858億4百万円となり、前事業年度末に比べ22億14百万円減少いたしました。

内訳としましては、固定負債が13億50百万円増加したのに対し、流動負債が35億64百万円減少したためであります。

流動負債の減少は、未払消費税等が15億76百万円、未払法人税等が14億37百万円、預り金が8億13百万円、未払金が4億69百万円、電子記録債務が4億59百万円、1年内返済予定の長期借入金が3億94百万円それぞれ増加したのに対し、短期借入金が63億円、設備関係支払手形が16億26百万円、買掛金が8億71百万円それぞれ減少したこと等が主な要因であります。

固定負債の増加は、長期借入金が16億45百万円増加したことが主な要因であります。

当事業年度末の純資産は671億61百万円となり、前事業年度末に比べ30億85百万円増加いたしました。

これは主に、配当の実施により16億69百万円減少したのに対し、当期純利益の計上により47億5百万円増加したこと等が主な要因であります。

この結果、自己資本比率は43.8%(前事業年度末は42.0%)となりました。

 

③ 経営成績の分析

当事業年度の売上高は3,172億74百万円(前期比98.7%)となり、前事業年度と比べ43億30百万円の減収となりました。これは当事業年度より収益認識会計基準等を適用したことにより、従来の基準と比較して売上高が115億72百万円減少したことが主な要因であります。当該収益認識会計基準等を適用しなかった場合の売上高は3,288億46百万円(前期比102.3%)となり、前事業年度と比べ72億41百万円の増収であり、過去最高となりました。これは、店舗の活性化や品揃えの拡充等、「商品と店舗の付加価値向上」への取り組みによるものであります。

経常利益は85億1百万円となり、18億13百万円の増益となりました。この増益の要因といたしましては、売上高の伸長に加え、テナント収入が前事業年度から回復したことにより営業総利益段階で21億21百万円の増益となり、また販売費及び一般管理費については水道光熱費の高騰による影響があったものの、省エネの取り組みによりエネルギーの使用量を減らすなど影響を最小限に留めるとともに、人件費や一般費を前事業年度より削減したことにより4億35百万円の増加に抑制できたことによります。

特別利益として固定資産売却益54百万円、減損損失、店舗閉鎖損失引当金繰入額等の特別損失15億5百万円、税金費用23億44百万円を計上した結果、当期純利益は47億5百万円(前期比123.0%)となり、前事業年度と比べ8億78百万円の増益となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2〔事業の状況〕3〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載しております。

4【経営上の重要な契約等】

当事業年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

5【研究開発活動】

  該当事項はありません。