当中間会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった項目は、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当社が当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目番号に対応するものです。
(8)訴訟について
当社は、再生 EV バッテリーを事業用ポータルバッテリーとしてリユースレンタルする環境配慮型の事業に関する取引において、株式会社ワンダーランド他5社から下記のとおり訴訟を提起されており、訴訟の動向によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
株式会社ワンダーランド
請求の内容:損害賠償請求
請求金額:20,680千円
株式会社プロスパーアセット
請求の内容:動産引渡請求
請求金額:16,229千円
株式会社ケイ・アイ・シー
請求の内容:損害賠償請求
請求金額:49,852千円
株式会社WEBLA
請求の内容:損害賠償請求
請求金額:294,671千円
日本粉末薬品株式会社
請求の内容:損害賠償請求
請求金額:53,900千円
城北ヤクルト販売株式会社
請求の内容:損害賠償請求
請求金額:182,704千円
当社としては、いずれの訴訟についても相手方の主張及びその根拠を精査した上で当社の責任が否定されるよう法的正当性を主張・立証していくとともに、当社の取り得る法的な手段等を検討し、対処してまいる所存です。
(継続企業の前提に関する重要事象等)
当社は、2019年9月期以降、継続して営業損失を計上しております。ヘルスケアソリューション事業においては、当社が以前より手掛けている医療IT商材について、新規需要が減少傾向にある中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による販売減少も重なり、業績に影響を及ぼしております。地球環境ソリューション事業では、ドローン関連製品等の拡販については堅調であるものの、太陽光発電所の売買等の再生可能エネルギー関連の案件は個別性が高く、案件の発生タイミングを見通しづらいことから、事業全体として安定的な収益確保には至っておりません。また、一部の新規事業では想定通りの成果が得られず、不採算事業の見直し等にも取り組んでおりますが、一定の費用負担を伴っております。こうした要因が重なった結果、営業損失の計上が継続する状況となっております。
前事業年度には、営業損失844,815千円、当期純損失889,625千円を計上し、当中間会計期間においても、営業損失160,132千円、中間純損失249,017千円を計上する結果となりました。
このような状況により継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象や状況が存在していると認識しております。
当該状況を解消又は改善するべく、当社は、以下の対応策を実行することにより、安定的な収益力の向上及び健全な財務基盤の構築に取り組んでおります。
1.安定的な収益力の向上
① 新規事業の安定的な収益基盤の構築
ヘルスケアソリューション事業において、競合他社との価格競争による売上の減少を課題としております。これまでの主軸である電子カルテ、周辺システム等を医療機関の幅広い部門に導入し、導入後も保守サービス等による安定的な収益を確保していくビジネスモデルは、競争激化により既に変革期にあることを踏まえ、これからの事業拡大に向けた取り組みとして、医療機関のニーズが高いシステム領域に絞り、採算重視の効率的な営業活動により販路拡大していくことを目指してまいります。そのひとつとして、医療経営管理システム「ONE Viewer」と支払代行サービス「ONE Payment」の販売を新規事業として開始いたしました。「ONE Viewer」は、経営データを一元化し、レセプト請求ファイルや財務情報の収集・分析を行い、結果の可視化を可能とする医療機関経営者の迅速かつ的確な意思決定を支援するシステムで、国内初の医療経営のための「セキュアクラウドシステム」です。このシステムにより医療機関への導入が見込まれ、当社の安定収益の確保に寄与するものと考えております。また、「ONE Payment」は、医療機関を顧客とする卸売企業に対しては売掛債権の早期回収と未回収リスクのゼロ化が図れ、医療機関に対しては資金の確保を提供する支払代行サービスとなり、医療機関がこのサービスを利用することにより医療機関を顧客とする卸売企業と医療機関の双方にとって経営の安定化が期待されるとともに当社の収益力向上にも寄与する事業であります。これらの新規事業を早期に収益基盤とするべく営業活動に取り組んでおります。
また、地球環境ソリューション事業では、当社と販売代理店契約を締結しているマッハコーポレーション株式会社製の耐放射線カメラを国際原子力機関(IAEA)に対して販売しておりますが、国際原子力機関(IAEA)から耐久テストの合格が得られれば、販売台数を大幅に増大させることが期待されるため売上拡大に向けて取り組んでおります。一方で当社と独占販売代理店契約を締結している一般社団法人新生福島先端技術振興機構のトリチウム連続計測器の実証化に向けて、放射線管理や環境保護のニーズに応え持続可能な社会の実現に取り組んでおります。
② 既存事業の収益力の向上
当社の地球環境ソリューション事業のGEOソリューション分野において、既存取引先と親和性の高い新たな商材として、株式会社マップフォーが開発した、低コストで高精度な地図作成を行うことが可能な3次元データ計測システム「SEAMS」の販売を開始し、売上拡大を図り営業利益の拡大に取り組んでおります。
③ 不採算事業の選別、事業性の判断
当社の既存事業のうち、将来の事業進捗等を鑑みて、手元資金も考慮した検証と見直しを行っており、現在の経営資源の選択と集中を図るため、収益を生み出すまでの事業に至っていないと判断されるものについては、撤退や事業売却も視野に入れて検討を進めてまいります。
2.健全な財務基盤の構築
① 積極的な資金調達
当社において保有している在庫商品の販売により一定の資金確保を見込んでいるものの、更なる事業の発展を実施すべくエクイティファイナンスによる資金調達及びデッドファイナンスにおいても視野に入れて、幅広い資金調達の検討、協議を進めてまいります。
② 販売費及び一般管理費の見直しによる経費削減
当社では顧問契約、業務委託契約及びその他の各種契約や経費の見直しを行い、当事業年度における販売費及び一般管理費について一定規模の経費削減を予定しております。これらの実現により固定費の削減が進み、利益率の改善による営業利益の確保しやすい体制にしてまいります。
③ 管理体制の確固たる強化
当社は、2024年10月に株式会社東京証券取引所に改善状況報告書提出しており、管理体制の強化を推進しております。今後も確固たる管理体制構築に向けて全社一丸となって推進していき無駄なコストを最大限に削減された態勢を目指すべく取組を実施しております。
これらの対応を踏まえ、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当社は前中間会計期間については中間財務諸表を作成していないため、前中間会計期間に係る比較情報は記載しておりません。
当中間会計期間(2024年10月1日~2025年3月31日)におけるわが国経済は、物価上昇の影響が続く中にあっても、雇用・所得環境の改善や訪日外国人需要の増加を背景としたインバウンド消費の拡大などにより、緩やかな回復基調を維持しております。一方で、欧米における高金利水準の継続に加え、中国経済の減速傾向や中東地域における地政学リスクの高まりなどが海外経済の先行き不透明感を強めており、金融資本市場の変動や国内金利の上昇など、経済全体への影響に引き続き注意が必要な状況が続いております。
当社を取り巻く事業環境といたしましては、主要事業であるヘルスケアソリューション事業において、政府・総務省が推進する医療ICT政策にて「ネットワーク化による情報の共有・活用」「医療等データの利活用」が挙げられております。また、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを踏まえた非常時に備えたサイバーセキュリティ対策の整備医療機関の対象範囲が広がり、医療情報システムのオフライン体制の確保、「医療情報システムの安全管理に関するガイドラインに基づく業務継続計画(BCP)」に対応可能な電子カルテ及び医療情報管理システムの重要性も高まっております。
地球環境ソリューション事業においては、COP26が終了した2021年11月時点で、154カ国・1地域が、2050年等の年限を区切ったカーボンニュートラルの実現を表明しており、日本国内でも2050年までに温暖化ガスの排出量を全体として実質ゼロにする政府目標が示されております。また、2023年11月に開催されたCOP28において、パリ協定の目標達成に向け、「化石燃料からの脱却」という文言及び「原子力3倍宣言」がCOP史上初めて成果文書に記載されており、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素エネルギー源の一つとして原子力エネルギーが重要な役割を担うという認識も高まっております。こうした環境下において、当社が手掛けるエネルギー分野への重要性は増しており、当社では、地域及び地球に優しい持続可能な環境配慮型事業創出に注力しております。原子力産業関連分野においては、日本政府はIAEAからの提言を受けて福島第一原子力発電所で貯蔵されているALPS処理水をこれまで11回にわたって海洋放出しておりますが、廃炉作業は事故から30~40年の長期にわたる見通しとされております。そのため、当社も創イノベーション株式会社及び慶應義塾大学理工学部大村研究室と共同で研究しておりますトリチウム分離除去技術を、関係団体と共に実用化に向けて引き続き進めてまいります。ESG分野においては、2024年1月16日付「(開示事項の経過)第三者委員会の調査報告書公表に関するお知らせ」にて開示いたしましたとおり、第三者委員会から受領した調査報告書において、再生EVバッテリーを事業用ポータルバッテリーとしてリユースレンタルする環境配慮型の事業に関する取引の実在性に関する指摘を踏まえ、今後本蓄電池取引を行わない方針のもと各社との契約の見直しを行っており、一部の顧客との間で締結した契約について解除を進めております。
当中間会計期間における当社の業績は、売上高590,687千円、営業損失160,132千円、経常損失162,141千円、中間純損失249,017千円となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりです。
ヘルスケアソリューション事業
ヘルスケアソリューション事業の当中間会計期間は、売上高479,464千円(前年同期比78.6%増)、セグメント利益5,416千円(前年同期は56,624千円の損失)となりました。
当セグメントの業況といたしましては、メディカルシステム分野を中心とした展開を行っておりますが、電子カルテシステムに付随する部門システムの大型案件の納品が完了したことや保守案件の増加、人員配置の見直しや外注費の削減に努めたことにより前中間会計期間と比べ、売上高は増収し、利益については損失から黒字転換となりました。
メディカルシステム分野においては、PACS(医療用画像管理システム)、電子カルテ、RIS(放射線科情報システム)、統合viewer・医用文書スキャンシステム等を継続販売しております。医療機関のDX化が注目を集める中、統合viewerは一画面で患者様の情報が俯瞰できるため情報を探す手間が省け、業務の効率が上がり、医療従事者の働き方改革にも役立つシステムになります。院内に紙媒体で散見する医用文書をファイリングできる医用文書スキャンシステムは、患者様の同意書や各種検査の検査結果用紙等の医用文書にタイムスタンプを付与し原本としてデジタル保存することで膨大な紙文書の保管から解放(ペーパーレス化)を実現いたします。また、セキュリティ対策としてアクセスログ管理システムを提供しています。当中間会計期間では、電子カルテシステムに付随する部門システムの大型案件の納品が完了したことなどにより、前中間会計期間と比べ売上高は増収し、利益については損失から黒字転換となりました。
一方、医療経営管理システム「ONE Viewer」と支払代行サービス「ONE Payment」の販売を新規事業として開始いたしました。「ONE Viewer」は、経営データを一元化し、レセプト請求ファイルや財務情報の収集・分析を行い、結果の可視化を可能とする医療機関経営者の迅速かつ的確な意思決定を支援するシステムで、これまでのシステムでは珍しい医療経営のための「セキュアクラウドシステム」です。このシステムにより医療機関への導入が見込まれ、当社の安定収益の確保に寄与するものと考えております。また、「ONE Payment」は、医療機関を顧客とする卸売企業に対しては売掛債権の早期回収と未回収リスクのゼロ化が図れ、医療機関に対しては資金の確保を提供する支払代行サービスとなり、医療機関がこのサービスを利用することにより医療機関を顧客とする卸売企業と医療機関の双方にとって経営の安定化が期待されるとともに当社の収益力向上にも寄与する事業であります。これらの新規事業を早期に収益基盤とするべく営業活動に取り組んでおります。
メディカルサプライ分野では、新型コロナウイルス感染症の症状軽減傾向にあり、抗原検査キットの需要は前期に比べ減少しているため、売上高と利益共に前年同期を大幅に下回りました。
地球環境ソリューション事業
地球環境ソリューション事業の当中間会計期間は、売上高111,223千円(前年同期比88.6%減)、セグメント利益213千円(前年同期は1,949千円の損失)となりました。
当セグメントの業況といたしましては、GEOソリューション分野、エネルギー分野、原子力産業関連分野を中心とした展開を行っておりますが、前中間会計期間と比べ、太陽光発電所の大型売却案件を獲得出来なかったことにより売上高が大幅な減収となり、利益については販売手数料や外注費の削減に努めた結果、損失から黒字転換となりました。
GEOソリューション分野においては、当社が販売するPix4D社製の三次元画像処理ソフトウェア「PIX4Dmapper」「PIX4Dmatic」、クラウド方式の三次元画像処理サービス「PIX4Dcloud」、スマートフォンやタブレット端末を用いた計測ツールアプリ「PIX4Dcatch」、並びにGNSS受信機「viDoc RTK rover」「EMLID Reach RX」の受注が引き続き堅調に推移し、一定の利益も確保できております。また、従来の取引先である測量・建築業界のみならず、土地家屋調査士、文化財発掘調査等の新たな市場の開拓が進んでおります。また、車載や手持ちで簡単に三次元計測が可能な「マップフォー社」製品の新規取り扱いを開始しており、今後インフラ管理分野への導入を進めてまいります。
エネルギー分野においては、再生可能エネルギー市場の動向に注視しつつ、太陽光発電所等のセカンダリーマーケットにおいて売買活動を継続してまいりましたが、当中間会計期間においては、太陽光発電所の大型売却案件を獲得するには至らず、売上高と利益共に前中間会計期間を下回る結果となりました。
原子力産業関連分野のトリチウム分離除去においては、創イノベーション株式会社及び慶應義塾大学理工学部大村研究室との共同研究で得られた内容を電力会社との間で質疑応答を重ねながら、実証に向けて進めております。IAEAにテストサンプルとして納入いたしました、高い耐放射線性能と小型・軽量・省エネの特長を持つマッハコーポレーション株式会社製の耐放射線CMOSセンサーカメラ2台は、既に、IAEAにおいて試験が行われており、引き続きIAEAと協議を重ね、IAEAの意向に沿った製品への改良を進めてまいります。また、一般社団法人新生福島先端技術振興機構(以下、「新生福島先端技術振興機構」)との間で締結した独占販売代理店契約に基づき、同一事象同時検出法を利用して、GAGG(※1)シンチレータを使用した2個の検出器による測定を行うことでトリチウムの信号とノイズを分離し、短時間で微量のトリチウム等が測定可能な連続計測器は視察いただいたIAEA各国代表からの高い評価を受け、IAEA及び国内電力会社とも実装のための環境整備等について、協議を継続してまいります。
※1 GAGGは近年新しく開発されたシンチレータ結晶で、シンチレータ結晶の中では最も発光量が高いとされている。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当中間会計期間末における流動資産は、928,158千円(前事業年度末比27.9%減)となりました。これは、売掛金が86,396千円増加したものの、現金及び預金が262,229千円、未収消費税が119,515千円減少したこと等によります。
固定資産は、327,344千円(同16.5%増)となりました。これは、投資有価証券が74,481千円増加し、長期預け金が22,414千円減少したこと等によります。
この結果、当中間会計期間末における総資産は、1,255,503千円(同19.9%減)となりました。
(負債)
当中間会計期間末における流動負債は、757,145千円(前事業年度末比8.2%減)となりました。これは、未払金が10,776千円増加したものの、買掛金が20,208千円、仮受金が42,512千円減少したこと等によります。
固定負債は、5,803千円(同31.4%減)となりました。これは、その他が2,662千円増加し、長期借入金が5,040千円減少したこと等によります。
この結果、当中間会計期間末における負債合計は、762,949千円(同8.4%減)となりました。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産合計は、492,554千円(前事業年度末比33.0%減)となりました。これは、その他有価証券評価差額金が6,033千円増加したものの、中間純損失249,017千円を計上したこと等によります。
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、291,593千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において、営業活動の結果使用した資金は180,892千円となりました。これは、税金等調整前中間純損失の計上246,779千円、契約解約益42,504千円、売上債権の増加90,344千円、棚卸資産の減少40,014千円、未収消費税の減少119,515千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において、投資活動の結果使用した資金は76,297千円となりました。これは、投資有価証券の取得による支出64,121千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において、財務活動の結果使用した資金は5,040千円となりました。これは、長期借入金返済による支出5,040千円があったことによるものです。
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当中間会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当中間会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
当中間会計期間の研究開発活動は、主に地球環境ソリューション事業における原子力関連分野のトリチウムの分離技術におけるプレパイロット装置を使った実験であり、当中間会計期間における当該研究開発活動に関わる費用の総額は3,776千円であります。
(8) 経営成績に重要な影響を与える要因
当中間会計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
(9) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当中間会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。