当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
近年における国内のBtoB卸売市場は300兆円規模と推定(※1)されており、非常に大きな市場にも関わらずEC化率は未だ37.5%(EDI(※2)による取引を含む)と、オンライン化されていないBtoB市場は約200兆円あると考えられます。また、海外市場に目を向けると、BtoB卸売市場規模は数千兆円以上と想定されます。
オークファングループはこの課題に真正面から向き合い解決すべく、コーポレートアイデンティティを「RE-INFRA COMPANY」と定義し、社会の様々な「RE」を統合した唯一無二の流通インフラを構築し、流通市場のDX化に取り組んでおります。
当社グループは、当社グループの各サービスを利用していただくSmallB(個人事業主)・副業・インフルエンサーのお客様をAppreciator(アプリシエイター)と定義しております。Appreciateは「真価を認める、感謝する、面白く味わう、価値が上がる、買う」などの意味を持ちます。当社が定義するAppreciatorとは「真価を見出し、価値に感謝できる人」と考えており、Appreciatorの皆様が活躍できる社会の実現を目指し事業を推進しております。
具体的には、創業来培った700億件を超える売買データとAI技術により商品の時価を可視化、価格と販路を最適化するソリューション事業、Appreciator(SmallB(個人事業主)・副業・インフルエンサー)を中心とした小売・流通業向けに流通を支援するプラットフォーム事業、投資事業及び新規事業に取り組むインキュベーション事業を展開しております。
2022年9月期からは、中長期的な事業拡大を見据え、海外BtoB卸売市場への展開が不可欠であると認識し、中国海南省に連結子会社「傲可凡(海南)网絡科技有限公司」を設立しました。この子会社を通じて、人口14億人以上の中国バイヤーをはじめ、世界各国への流通インフラ構築に向けた海外向けサービス展開に着手しています。今期も前期に引き続き、成長戦略を海外市場にシフトさせ、既存の国内事業での継続的成長を目指すとともに、海外向けサービスのシステム開発などに積極的に投資しています。
※1 経済産業省2024年9月25日発表 電子商取引に関する市場調査、BtoB-EC市場規模の業種別内訳より推察
※2 電子的データ交換(Electronic Data Interchange)の略称。受注や発注、出荷や納品などの流通に関わる一連の取引を電子データでやりとりする仕組み
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は2,412,048千円(前中間連結会計期間比1.9%減)、営業利益は95,179千円(前中間連結会計期間比58.0%減)、経常利益は122,290千円(前中間連結会計期間比47.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は50,868千円(前中間連結会計期間比68.4%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(ソリューション事業)
当セグメントは、データを基にAI技術を活用し在庫の価値を可視化することにより、企業が保有する在庫価値の可視化・最適化等を推進するソリューションを提供しております。主なサービスとしては当社が保有する流通相場データを活用した『aucfan.com(オークファンドットコム)』となり、主たる収益源は有料課金収入及びネット広告収入となります。その他、EC事業者向けマーケ支援サービス『aucfan marketing(オークファンマーケティング)』、ネットショップ一元管理サービス『タテンポガイド』の提供、専門知識がなくても直感的に操作できるRPAツール『オークファンロボ』、副業・複業として物販ビジネスを行なう事業主を対象とするスクール形式の副業支援サービス『good sellers(グッドセラーズ)』、Amazonセラー専用アプリ『Amacode(アマコード)』等を提供しています。
当中間連結会計期間においては、aucfan.com(オークファンドットコム)で2024年7月に実施した会員機能強化に伴う価格改定により、課金売上が好調に推移しました。また、aucfan marketing(オークファンマーケティング)においても広告運用サービス売上が好調に推移しました。なお、Amacode(アマコード)については収益性の改善が見込めない状況が続いたことから、事業の効率化及び収益構造の健全化を目的に、当該サービスを第三者へ譲渡し、2025年2月をもって事業から撤退いたしました。
これらの結果、売上高1,430,912千円(前中間連結会計期間比13.0%増)、営業利益335,945千円(前中間連結会計期間比33.8%増)となりました。
(プラットフォーム事業)
当セグメントは、企業の在庫・滞留商品等の流通を支援しており、オンライン及びオフラインにて複数のマーケットプレイスを運営しております。主なサービスとしては、BtoB卸モール『NETSEA(ネッシー)』、滞留在庫・返品・型落ち品などの流動化支援を行う『NETSEAオークション(旧 ReValueBtoBモール)』、オフラインの展示・商談会事業『OSR(オーエスアール)展示商談会』等がございます。主たる収益源は、NETSEAでは流通手数料収入及び有料課金収入、NETSEAオークションでは商品販売収入、OSRでは決済手数料収入及び出店料となります。
NETSEAでは2024年9月期に実施した流通手数料の見直しの影響で売上高が増加しました。一方、NETSEAオークションでは大手サプライヤーの返品商品の取り扱いが減少し、売上高が減少しました。なお、NETSEAオークションについては、収益性及び市場環境を総合的に勘案した結果、今後の成長が見込めないと判断し、成長戦略領域への事業資源集中を目的として、2025年3月をもってサービスを終了いたしました。
これらの結果、売上高813,965千円(前中間連結会計期間比4.2%減)、営業利益13,792千円(前中間連結会計期間比73.7%減)となりました。
(インキュベーション事業)
当セグメントは、事業投資及び投資先企業の支援を通じて、当社が中長期にわたり競合優位性を構築・維持していくための知見とネットワークを得ることを目的とした事業セグメントであります。主たる収益源は、営業投資有価証券の売却益・配当収益、投資先企業へのコンサルティング収益となります。なお、当セグメントでは将来成長の基盤となる海外事業等の新規事業開発等も実施しております。
当中間連結会計期間においては、営業投資有価証券の売却収入等がありましたが、前年同期水準の収益額には至りませんでした。
これらの結果、売上高252,226千円(前中間連結会計期間比34.7%減)、営業損失62,715千円(前中間連結会計期間は125,188千円の営業利益)となりました。
当中間連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況とそれらの主な変動要因は次のとおりです。
当中間連結会計期間末における総資産は、7,474,348千円(前連結会計年度末は7,692,978千円)となりました。
流動資産は、6,523,280千円(前連結会計年度末は6,805,834千円)となりました。主な変動要因といたしましては、商品が36,198千円増加したものの、営業投資有価証券が131,171千円減少、現金及び預金が102,125千円減少、売掛金が82,448千円減少した結果であります。
固定資産は、951,067千円(前連結会計年度末は887,144千円)となりました。主な変動要因といたしましては、ソフトウエアが45,339千円減少したものの、その他(投資その他の資産)が76,985千円増加、ソフトウエア仮勘定が39,128千円増加した結果であります。
当中間連結会計期間末における負債合計は、3,028,572千円(前連結会計年度末は3,284,732千円)となりました。
流動負債は、2,927,735千円(前連結会計年度末は3,181,146千円)となりました。主な変動要因といたしましては、買掛金が65,427千円増加したものの、短期借入金が160,000千円減少、未払法人税等が61,046千円減少、1年内返済予定の長期借入金が50,018千円減少した結果であります。
固定負債は、100,836千円(前連結会計年度末は103,585千円)となりました。主な変動要因といたしましては、繰延税金負債が11,517千円増加したものの、長期借入金が16,662千円減少した結果であります。
当中間連結会計期間末における純資産合計は、4,445,775千円(前連結会計年度末は4,408,246千円)となりました。主な変動要因といたしましては、その他有価証券評価差額金が86,269千円減少、資本剰余金が79,238千円減少したものの、自己株式が155,185千円減少、利益剰余金が50,868千円増加した結果であります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より102,125千円減少し、4,395,553千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
税金等調整前中間純利益108,081千円、減価償却費126,711千円、売上債権の減少額82,448千円、仕入債務の増加額61,825千円などにより資金が増加した一方で、法人税等の支払額86,928千円、棚卸資産の増加額40,885千円などにより資金が減少したため、営業活動の結果獲得した資金は249,973千円(前中間連結会計期間は414,626千円の獲得)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
無形固定資産の取得による支出113,297千円などにより資金が減少したため、投資活動の結果使用した資金は115,523千円(前中間連結会計期間は92,588千円の使用)となりました。
短期借入れによる収入480,000千円により資金が増加した一方で、短期借入金の返済による支出640,000千円、長期借入金の返済による支出66,680千円、自己株式の取得による支出34,756千円などにより資金が減少したため、財務活動の結果使用した資金は259,721千円(前中間連結会計期間は389,628千円の獲得)となりました。
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、56,746千円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。