当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要な事項の発生はありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間におけるわが国の景気は、雇用・所得の改善やインバウンド需要の拡大等により緩やかに持ち直しました。一方で、米関税措置に伴う米中の貿易摩擦の再燃や政策の不確実性、地政学リスクの高まりなど、世界経済を下押し、国内景気が落ち込むリスクとなっており、先行きは依然として不透明感が拭えない状況が続いております。
建設コンサルタント業界では、自然災害リスクに備えた国土強靱化の推進や、老朽化が進む社会資本の維持管理・長寿命化・更新への対応が、引き続き重要な課題となっております。特に足元では、橋梁やトンネルなど構造物の健全度調査・診断業務の増加、気候変動を踏まえた治水・河川整備事業の拡充、さらには地域防災力強化に向けた都市インフラ再構築の取り組みが加速しております。加えて、情報通信技術(以下「ICT」という。)やAI等を活用したインフラサービスの高度化への対応、少子高齢化を見据えた地域創生支援、エネルギー政策に関連した再生可能エネルギーの需要など、当業界に求められる機能と役割は一層多様化・高度化しております。
このような状況の中、政府による防災・減災・国土強靭化対策に向けた公共事業予算が確保され、現在のところ国内の公共事業を取り巻く環境はおおむね堅調に推移しております。
こうした経営環境のもと、当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョン2030」(2019年10月~2031年9月)を公表しております。さらに、この「長期経営ビジョン2030」の実現に向けての第2フェーズとして、2022年11月に公表しました中期経営計画「持続成長プラン2025」(2022年10月~2025年9月)を策定し、当社グループのさらなる成長に向けた基盤づくりを行う重要なステージと位置づけ、より具体的な目標及び施策をとりまとめております。
当中間連結会計期間における当社グループ全体の業績といたしましては、受注高は、防災・減災に向けた国土強靭化への備えや、インフラの維持管理、長寿命化等の需要や、またICTの活用による建設産業全体の効率化、活性化の環境下にて、中央省庁からの受注が前年同期比を上回り、前年同中間連結会計期間比2.7%増加の192億19百万円となりました。
売上高は前年同中間連結会計期間比9.7%増加の238億18百万円となりました。当社グループの売上高は、受注の大半が官需という特性により、第2四半期以降に偏る傾向があり、当中間連結会計期間の売上高238億18百万円は、通期予想売上高430億円に対して55.4%の達成度になりました。
売上原価は前年同中間連結会計期間比14.2%増加の166億61百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前年同中間連結会計期間比6.3%増加の47億22百万円となりました。なお、売上高が第2四半期以降に偏る傾向があることに対し、販売費及び一般管理費は年間を通じ大きく偏る特徴はございません。
以上の結果、営業利益は24億34百万円(前年同中間連結会計期間比8.9%減)、経常利益は24億62百万円(前年同中間連結会計期間比8.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は15億63百万円(前年同中間連結会計期間比5.8%減)となりました。
セグメントごとの概況は次のとおりであります。
構造事業については、株式会社長大、株式会社ピーシーレールウェイコンサルタントが主に手掛けており、主軸である橋梁設計の他、維持管理や老朽化対策、耐震補強業務等を実施してまいりました。橋梁点検ロボット(特許取得済)の実用化など、次世代の橋梁管理の技術開発に積極的に取り組んでおります。
社会基盤事業については、株式会社長大、株式会社長大テックが主に手掛けており、道路構造物の維持管理、更新に向けた各種点検業務や道路管理データベース構築業務、交通需要予測や事業評価業務などに加え、自動車の移動情報、挙動情報に関するビッグデータ処理による渋滞や事故評価業務などに取り組んでまいりました。また 、多様なモビリティの導入、新たな都市機能の強化事業についても積極的に取り組んでおります。さらに、ITS・情報/電気通信事業では、新たな自動運転の社会実装に関わる業務に参画するなど、自社技術の展開による次世代移動支援の実現に向け、グループをあげて取り組んでまいりました。
社会創生事業については、株式会社長大が主に手掛けており、基幹である環境事業の他、PPP/PFIや建築計画・設計等のまちづくり事業に積極的に取り組み、安定的に売上を伸ばしております。環境・新エネルギー事業では、国内外における再生可能エネルギー事業でのコンサルティングに取り組んでまいりました。また、水力、風力、地熱、バイオマスなど再生可能エネルギー発電事業に多く取り組んでまいりました。さらに、デジタル田園都市国家構想に関連し、データ連携基盤を活用したシームレスな行政サービスの実現を支援するなど、地域のデジタル化推進にも貢献しております。その他、数年前から本格スタートした防衛関連事業においても、構造物設計、交通、環境分野から建築分野まで幅広く積極的な展開を図っております。
地質・土質事業については、基礎地盤コンサルタンツ株式会社が主に手掛けており、基幹の地質・土質調査関連事業を基軸に、売上高を安定的に推移することができております。既存の土木インフラに対する地質調査や地盤解析、災害からの復興に伴う地質調査・対策工設計、そして、再生可能エネルギー分野における複数の洋上風力発電事業や地熱発電事業、災害対策に伴う地質調査・診断などに幅広く取り組んでまいりました。
海外事業については、株式会社長大、基礎地盤コンサルタンツ株式会社が主に手掛けており、橋梁設計、施工監理業務、また地質調査などに積極的に取り組んでおります。
以上の結果、受注高184億59百万円(前年同中間連結会計期間比2.8%増)、売上高227億84百万円(前年同中間連結会計期間比9.5%増)となりました。
〔サービスプロバイダ事業〕
国内では、地元企業と連携した公用地活用事業の運営や自治体と連携したバイオマス発電事業の事業化など、地域創生に資する事業の推進に取り組んでまいりました。また、海外では、フィリピン国ミンダナオ島における「カラガ地域総合地域経済開発プロジェクト」が着実に進展しております。既に供用開始しているアシガ川小水力発電所やタギボ川上水供給コンセッション事業についても順調に稼動しております。今後は、フィリピン国内でのインフラ整備事業や、インドネシア国でのエネルギーマネジメント事業など、アジア諸国での展開を推進してまいります。
以上の結果、受注高2億74百万円(前年同中間連結会計期間比47.8%増)、売上高6億57百万円(前年同中間連結会計期間比38.4%増)となりました。
型枠リースシステムは、従来のコンクリート型枠を使用した際に発生する廃材について、循環型資材への転換を図ることで削減する商品であり、SDGsに対応し、継続的に顧客にご使用いただいております。またコンクリート用夜間反射塗料、バイオグリーンシールドなどオリジナル商品を拡充し、ラインアップの充実を図っております。
以上の結果、受注高4億85百万円(前年同中間連結会計期間比16.1%減)、売上高3億76百万円(前年同中間連結会計期間比11.8%減)となりました。
当中間連結会計期間末の資産合計は472億15百万円(前連結会計年度末373億17百万円)となり、98億98百万円の増加となりました。流動資産は356億31百万円(前連結会計年度末255億15百万円)となり、101億16百万円の増加、固定資産は115億83百万円(前連結会計年度末118億2百万円)となり、2億18百万円の減少となりました。
流動資産が増加となった主な要因は、現金及び預金が26億37百万円、受取手形、完成業務未収入金及び契約資産が72億55百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定資産が減少となった主な要因は、投資有価証券が1億82百万円増加したものの、繰延税金資産が1億3百万円、その他が2億60百万円それぞれ減少したことによるものです。
当中間連結会計期間末の負債合計は263億25百万円(前連結会計年度末171億64百万円)となり、91億61百万円の増加となりました。流動負債は191億64百万円(前連結会計年度末115億52百万円)となり、76億11百万円の増加、固定負債は71億61百万円(前連結会計年度末56億12百万円)となり、15億49百万円の増加となりました。
流動負債が増加となった主な要因は、未払費用が10億1百万円減少したものの、業務未払金が8億37百万円、短期借入金が76億40百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定負債が増加となった主な要因は、社債が10億円、長期借入金が4億56百万円それぞれ増加したことによるものです。
当中間連結会計期間末の純資産合計は208億89百万円(前連結会計年度末201億52百万円)となり、7億37百万円の増加となりました。
増加となった主な要因は、親会社株主に帰属する中間純利益を15億63百万円計上及び剰余金の配当を5億55百万円行ったことにより、利益剰余金が10億8百万円増加したことによるものです。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の53.9%から44.1%となっております。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は108億50百万円となり、前連結会計年度末と比べ26億58百万円の増加となりました。また、当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
営業活動の結果使用した資金は50億73百万円(前年同中間連結会計期間は49億29百万円の使用)となりました。
これは主に税金等調整前中間純利益の計上24億62百万円があったものの、売上債権の増加額72億56百万円、未払費用の減少額10億1百万円があったことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は3億69百万円(前年同中間連結会計期間は4億32百万円の使用)となりました。
これは主に保険積立金の解約による収入2億2百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出2億31百万円、貸付による支出2億75百万円があったことによるものであります。
財務活動の結果取得した資金は81億3百万円(前年同中間連結会計期間は83億98百万円の取得)となりました。
これは主に短期借入れによる収入76億40百万円があったことによるものであります。
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は61百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
該当事項はありません。