当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、物価上昇が継続するなか、雇用や所得環境の緩やかな改善による個人消費の増加基調及び企業収益の改善により、緩やかに回復しました。一方、米国の政策運営を巡る不確実性の意識や、地政学リスクに伴うエネルギー・資源価格の高騰等により、経済の不確実性が続いています。
当社グループにおいては、主要製品である貴金属のうち、金は米国の関税強化への不安感から安全資産として需要が高まり、ドル建て価格は過去最高値を更新する高い水準で推移し、円建て価格も前年同期を上回りました。銅の価格は、生産国からの供給不安や米国が銅に対して関税を課す動きが見られたことが影響し、ドル建て価格は高い水準で推移し、円建て価格も前年同期を上回りました。
このような事業環境の中、既存事業では当社の技術力を活かした独自性のある商品提供による取引市場の拡大及び収益力向上に努めました。また、製造工程の効率化によるコスト低減を強みとした新規開拓にも注力しております。
新規事業では、リチウムイオン電池(以下、LiB:Lithium-ion Battery)再生事業の事業化に向け、研究開発及び電池メーカーとの事業スキーム確立に向けた協業に注力しました。研究開発においては、CO₂排出量の削減とレアメタルの高回収率を両立するプロセスの構築を進め、当社いわき工場への生産設備の導入を開始しました。事業スキームの確立につきましては、電池メーカーの工場において排出される工程廃材リサイクルの一部を当社が受託する覚書(MOU)に基づくビジネスモデルの実現に向け、順調に進捗しております。
当中間連結会計期間の連結業績は売上高4,411,487千円(対前年同期19.9%増)、営業利益246,118千円(同195.7%増)、経常利益170,500千円(同175.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益130,060千円(同38.0%減)でした。電子部品の需要低下に伴う取引先の減産基調が継続するも、金及び銅の相場上昇等により前年同期比較で売上高は増収となり営業利益と経常利益は増益となりました。一方で前年同期に補助金収入による特別利益の計上があったことから、親会社株主に帰属する中間純利益は減益となっております。
各セグメントの経営成績は、次のとおりです。なお、売上高については、セグメント間取引の消去前の数値であり、セグメント利益については、セグメント間取引の消去後の数値であります。また、間接部門の経費負担には、LiB再生事業における研究開発費用を含んでおります。
(貴金属事業)
主要製品の金の価格が前期を上回ったことで、売上高は3,713,539千円(対前年同期21.2%増)、セグメント利益は108,707千円(同75.9%増)の増収増益となりました。
(環境事業)
主要製品である銅の価格が前期を上回ったことで、売上高は576,484千円(同9.6%増)、セグメント利益は23,193千円(前年同期は2,152千円の損失)の増収増益となりました。
(システム事業)
主力製品である品質管理システムの販売が増加したことにより、売上高は110,086千円(対前年同期39.9%増)、セグメント利益は18,266千円(前年同期は13,820千円の損失)の増収増益となりました。
(その他)
その他に含まれる運輸事業等は、連結グループ内の取引額の増加により、売上高は173,446千円(対前年同期3.9%増)、セグメント利益は20,332千円(同26.5%増)の増収増益となりました。
(2)財政状態の状況
当中間連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は、以下のとおりです。
(資産の部)
前連結会計年度末に比べて2,550,061千円増加し、11,093,757千円となりました。
主な要因は、現金及び預金が861,125千円、棚卸資産が774,953千円、その他(流動資産)が33,623千円、機械装置及び運搬具(純額)が99,408千円、建設仮勘定が870,638千円増加し、受取手形及び売掛金が90,301千円、投資有価証券が16,060千円減少したことです。
(負債の部)
前連結会計年度末に比べて2,462,270千円増加し、6,356,276千円となりました。
主な要因は、借入金が1,698,859千円、借入金地金が870,206千円増加し、買掛金が45,013千円、賞与引当金が42,423千円、その他(流動負債)が17,416千円減少したことです。
(純資産の部)
前連結会計年度末に比べて87,790千円増加し、4,737,481千円となりました。
主な要因は、利益剰余金が89,939千円増加し、自己株式が12,912千円、その他有価証券評価差額金が12,447千円減少したことです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ861,125千円増加し、1,751,488千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、309,537千円の収入となりました(前年同期は500,140千円の収入)。
この主な内訳は、税金等調整前中間純利益が168,875千円、減価償却費が156,672千円、支払利息が22,949千円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,028,130千円の支出となりました(前年同期は77,046千円の支出)。
この主な内訳は、有形固定資産の取得による支出が1,022,248千円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,579,358千円の収入となりました(前年同期は379,037千円の支出)。
この主な内訳は、長期借入れによる収入が1,800,000千円、長期借入金の返済による支出が101,140千円です。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、新たに発生した当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、347,394千円です。
主な活動の概要は、次のとおりです。
・レアメタルを含んだ廃棄物からの効率的な分離精製技術の開発
・レアメタルの加工技術の開発
・レアメタルの高純度化の開発
・レアメタルの回収率向上の開発
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。