当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
①マーケットの状況
当社のグループ会社である㈱レコフデータが集計し公表している統計データによると、国内企業が関係し公表されたM&A件数は、2024年(1-12月)の期間において、4,700件(前年同期比17.1%増)と過去最多を更新しております。2025年(1-3月)の期間においても、1,171件(前年同期比0.3%増)とこちらも過去最高を更新し、引き続き国内企業に関わるM&Aニーズは高いものと考えられます。
この他にも、中小企業庁が2023年3月16日に公表した資料「M&A支援機関登録制度実績報告等について」では、2021年度(2021年4月-2022年3月)の1年間に成約に至った中小M&Aの件数は3,403件と報告されております。また、中小企業庁のM&A支援機関登録制度ホームページ(https://ma-shienkikan.go.jp/)内の「登録支援機関を通じた中小M&Aの集計結果」によると、2022年度の中小M&Aの件数は4,036件、2023年度の中小M&Aの件数は4,681件と報告され、増加傾向がみられております。
これらのデータをふまえ、経営者の高齢化による事業承継ニーズを背景とする国内の中堅・中小企業のM&A案件数は引き続き増加し、今後も当面の期間にわたり堅調なニーズが続くと考えられます。
一方、拡大する未上場の中堅・中小企業のM&Aマーケットへの急激なM&A仲介会社の新規参入が相次いだ結果、不適切なM&A助言によるトラブルが発生しており、産業として定着したM&A仲介業界において課題ともなっております。中小企業庁は2024年8月30日に「中小M&Aガイドライン(第3版)」を公開し、仲介会社等に対して多面的な知識や総合的なスキル、高い職業倫理を備えるよう強く求め、2025年1月より、M&A支援機関登録制度に登録する全ての事業者において、同ガイドラインが適用されました。
このような中、当社グループでは定期的かつ多頻度な教育機会を設け、ガイドラインの適切な理解を含むM&Aに必要な専門知識の獲得のための教育を徹底しており、これらの取り組みは賞与制度にも紐づいた緊張感のある教育制度として定着しております。また、売り手と買い手で同様の報酬体系とする顧客本位の報酬体系や、前述の教育制度といった高品質なサービスの提供を実現するための様々な取り組みを10年以上も続けております。その結果、難易度の高い大型案件等の豊富な実績へと繋がり、ノウハウに裏打ちされたブランドの形成にもつながる好循環が形成されることで、当社の競争優位性は一層高まるものと考えております。
事業活動の面では、成約までのプロセス全体のKPI管理の徹底や、妥協せず最優秀のコンサルタントを厳選採用する方針を貫くことを継続し、成約を積み重ねつつ他案件も獲得・進捗させる体制の定着を図り、成果がでております。また、採用面においても良好な進捗が見られております。引き続き、良質かつ豊富な案件の創出のため、これらの取り組みを徹底してまいります。
②当社グループの状況
当社グループの経営成績は、売上高は前年同期比4,219百万円(58.2%)の増加となる11,466百万円となりました。これは主に、大型案件が多数成約したことで平均成約単価が上昇し、売上高の押し上げ要因となったことによるものです。
売上原価は、賞与及び賞与引当金繰入額が増加したことを主な要因として、前年同期比1,258百万円(44.2%)の増加となる4,109百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、租税公課、広告宣伝費、支払手数料、通信費が増加したことを主な要因として、前年同期比391百万円(14.3%)の増加となる3,122百万円となりました。
その結果、営業利益は前年同期比2,569百万円(154.3%)の増加となる4,234百万円、経常利益は前年同期比2,583百万円(154.9%)の増加となる4,251百万円となり、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比1,763百万円(158.5%)の増加となる2,877百万円となりました。
当社グループの成約案件状況、ならびに当社及び㈱レコフの成約案件状況の内訳は次のとおりとなります。
成約件数(連結)
成約件数(単体)
なお、当社グループにおける報告セグメントはM&A関連サービス事業の単一セグメントであるため、セグメントに係る記載は省略しております。
(2) 財政状態の状況
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比較して2,947百万円(7.2%)増加し43,639百万円となりました。これは、現金及び預金が3,723百万円増加したことによるものです。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末と比較して1,003百万円(15.6%)減少し5,444百万円となりました。これは主に、投資有価証券が時価の下落により1,237百万円減少したこと、商標権が16百万円及びのれんが96百万円、それぞれ償却処理のため減少したこと、繰延税金資産が451百万円増加したことによるものです。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比較して1,144百万円(20.4%)増加し6,747百万円となりました。これは主に、未払法人税等が1,017百万円増加したことによるものです。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末と比較して23百万円(2.0%)減少し1,104百万円となりました。これは主に、役員賞与引当金が23百万円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比較して821百万円(2.0%)増加し41,231百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が投資有価証券の時価の下落により849百万円減少したこと、利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益の計上により2,877百万円増加したこと、配当金の支払いのために利益剰余金を取り崩したことにより1,270百万円減少したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より3,723百万円(10.6%)増加し38,870百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,910百万円(前年同期比4,693百万円増)となりました。これは主として、税金等調整前中間純利益を4,412百万円計上したこと、売上債権の減少が862百万円あったこと、法人税等の支払いが625百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は46百万円(前年同期は50百万円の使用)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出が27百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,140百万円(前年同期は1,269百万円の支出)となりました。これは主として、配当金の支払額が1,269百万円あったことによるものです。
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間において、研究開発活動は行っておりません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。