名称 清水建設株式会社
所在地 東京都中央区京橋二丁目16番1号
普通株式
(1)本公開買付けに関する意見の内容
当社は、2025年5月14日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」記載の根拠及び理由に基づき、公開買付者による当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を対象とする公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)について賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により行われております。
(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社株式22,018,000株(所有割合(注1):50.11%)を所有し、当社を連結子会社としております。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年5月14日付で公表した「2025年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(43,946,340株)から、当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(3,826株)を除いた株式数(43,942,514株)に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載において同じとします。)をいいます。
この度、公開買付者は、2025年5月14日、当社の株主を公開買付者のみとして当社を完全子会社化することを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得するため、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を2,520円として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
公開買付者は、買付予定数の下限を7,277,000株(所有割合:16.56%)としており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(7,277,000株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいて、当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを企図しているため、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(7,277,000株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
買付予定数の下限(7,277,000株)は、本公開買付けが成立した場合に公開買付者が所有することとなる当社の議決権数の合計が当社の議決権総数の3分の2以上となるように、当社決算短信に記載された2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(43,946,340株)から、当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(3,826株)を控除した株式数(43,942,514株)に係る議決権の数(439,425個)に3分の2を乗じた数(292,950個、小数点以下切り上げ)から、本書提出日現在の公開買付者が所有する当社株式(22,018,000株)に係る議決権の数(220,180個)を控除した議決権の数(72,770個)に、当社の単元株式数である100株を乗じた数としているとのことです。このような買付予定数の下限を設定した理由は、本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社の株主を公開買付者のみとすることを目的としているところ、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できずに、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載する株式併合の手続を行う場合には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、公開買付者によって当該要件を満たすことができるようにするためとのことです。なお、上記のとおり、本書提出日現在、公開買付者は、当社株式22,018,000株(所有割合:50.11%)を所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者及び当社において、本公開買付けの公正性を担保するための措置を講じていることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。なお、本公開買付けの公正性を担保するために講じられた措置については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)の実施を予定しているとのことです。本スクイーズアウト手続の概要については、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
(ⅰ)本公開買付けの背景
公開買付者は、1804年に越中富山の大工であった初代清水喜助が江戸・神田鍛冶町で大工業を開業したことに始まり、1915年10月に合資会社清水組として会社組織に変更することにより設立した会社であり、その後、1937年8月に株式会社清水組が設立され、同年11月に合資会社清水組を合併し、1948年2月に現在の商号である清水建設株式会社に社名変更を行ったとのことです。公開買付者は、その株式を1961年4月に東京店頭市場に公開し、同年10月に東京証券取引所市場第二部、1962年2月に東京証券取引所市場第一部に上場し、同年10月には、株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)及び株式会社大阪証券取引所(現・東京証券取引所)の各証券取引所の市場第一部に上場したとのことです。その後、東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場区分見直しに伴い、2022年4月4日に東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場へ移行しているとのことです。
公開買付者は、本書提出日現在、公開買付者、子会社136社(当社を含みます。)及び関連会社22社からなる企業グループ(以下「公開買付者グループ」といいます。)を構成しており、1887年に相談役に迎えた、江戸の末期から昭和初期に実業家として多くの企業の設立やその育成に尽力し近代日本の産業経済の礎を築いた渋沢栄一氏の教えである、道徳と経済の合一を旨とする「論語と算盤」を社是として経営の基本に据え、建設事業では国内外における建築事業、土木事業を、非建設事業では不動産開発事業、エンジニアリング事業、グリーンエネルギー開発事業(注2)、建物ライフサイクル事業(注3)、フロンティア事業(注4)を展開しているとのことです。
(注2) 「グリーンエネルギー開発事業」とは、太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギー発電施設の開発・運営、及び、CO2「ゼロ」のグリーン電力小売事業をいうとのことです。
(注3) 「建物ライフサイクル事業」とは、公開買付者グループ全体による一貫したソリューションの提供と、今まで蓄積してきた建物に関するノウハウにより、建物の長寿命化と不動産価値向上を実現する事業をいうとのことです。
(注4) 「フロンティア事業」とは、宇宙開発事業・海洋開発事業・自然共生事業の3つの分野において、成長投資の継続とビジネスモデルの確立に向け、取り組んでいる事業をいうとのことです。
公開買付者グループは、2019年に策定し、2019年5月10日付で公表した長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」において、公開買付者グループが2030年に目指す姿として、建設事業の枠を超えた不断の自己変革と挑戦、多様なパートナーとの共創を通じて、時代を先取りする価値を創造(スマートイノベーション)し、人々が豊かさと幸福を実感できる、持続可能な未来社会の実現に貢献する「スマート イノベーション カンパニー」を掲げており、2030年度には連結経常利益2,000億円以上を目指しているとのことです。具体的には、ビジネスモデルの多様化とグローバル展開の加速、グループ経営力の向上を図る「事業構造のイノベーション」、建設事業の一層の強化に向けた生産技術の革新と、未来の社会・産業・インフラの変化に応える先端技術の開発を図る「技術のイノベーション」、そして、多様な人財が活躍できる“働き方改革”の推進と社外人財との“共創”による「知の集積」を図る「人財のイノベーション」という3つのイノベーションの融合により、新たな価値を創造し、また、安全・安心でレジリエントな(強くしなやかで復元力がある)社会の実現、誰もが健康・快適に暮らせるインクルーシブな(すべての人が社会の一員として参加できる)社会の実現、地球環境に配慮したサステナブルな(地球環境を保全しつつ持続的発展が可能な)社会の実現という3つの価値を提供することにより、SDGs(注5)の達成に貢献することを目指しているとのことです。
(注6) 「SDGs」とは、サステナブル・デベロップメント・ゴールズ(Sustainable Development Goals)の略称であり、持続可能な社会を実現するための国際社会における共通の目標を指すとのことです。
公開買付者グループは、「SHIMZ VISION 2030」の実現に向けて、2024年度から2026年度までの期間(以下「本中期経営計画期間(公開買付者)」といいます。)を「持続的成長に向けた経営基盤の強化期間」と位置付けて中期経営計画<2024-2026>(以下「本中期経営計画(公開買付者)」といいます。)を2024年5月13日付で公表しており、役員・従業員一人ひとりが新たなマインドセット「超建設(注7)」を共有し、本中期経営計画(公開買付者)を実践することとしたとのことです。以下の4つの基本方針として、経営基盤のコアである人財と組織力の成長を加速させるとともに、機能連携の強化によるサステナビリティ経営を推進し、持続可能な未来社会の実現に貢献することにより、公開買付者グループの企業価値向上に取り組んでいるとのことです。
(注7) 公開買付者グループにおいて大切にしてきた価値を基礎とし、既存の事業や組織の枠を超えて、お客様や社会の本質的なニーズや課題を積極的に探究しつつ、建設をはじめとするあらゆる事業を通じて、お客様や社会に新しい価値を提供し、その結果、公開買付者グループも共に成長していくという考え方を指すとのことです。
(a)経営基盤の強化
経営基盤のコアである「人財と組織力」の成長に加え、機能連携の強化によるサステナビリティ経営の進化を図り、戦略実行力を向上させているとのことです。
(b)事業戦略
①更なる収益力向上を目指す事業:建設事業(建築・土木)、②収益拡大と安定化を目指す事業:不動産開発事業、エンジニアリング事業、③スケール化を目指す事業:グリーンエネルギー開発事業、建物ライフサイクル事業、④ビジネスモデルの確立を目指す事業:フロンティア事業として、各事業の目指す方向性を示すとともに、それを実現するための事業方針を設定したとのことです。事業方針に基づき、各事業を成長させることで、事業ポートフォリオの充実を図っているとのことです。
(c)グローバル展開
拠点経営の自立化を重点的に推進し、進出国に根差した持続的・安定的な事業展開を推進するとのことです。そのために、人財・組織・ガバナンス・M&Aを柱としたグローバルプラットフォームの進化を実施するとともに、各事業に応じた戦略を着実に実施していくことで、グローバルプレイヤーへの飛躍を目指しているとのことです。
(d)資本政策・成長投資
経営数値目標の達成と資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた資本政策を実施するとともに、事業・人財投資等の持続的成長に資する投資を着実に進めることで、企業価値向上と持続的成長を図っていくとのことです。
公開買付者は、上記のとおり本中期経営計画期間(公開買付者)を「持続的成長に向けた経営基盤の強化期間」と位置付けており、その最終年度である2026年度の目標として、総売上高1兆8,900億円、経常利益950億円を目指しているとのことです。また、財務KPI(注8)としては、自己資本当期純利益率(ROE):8%以上、自己資本比率:35%以上、負債資本倍率(D/Eレシオ):1.0倍以下、配当性向:40%程度を掲げているとのことです。公開買付者を取り巻く経営環境は、本中期経営計画(公開買付者)の策定時より変化しているものの、長期ビジョンの実現及び本中期経営計画(公開買付者)の目標達成に向け、成長に向けた投資など必要な施策に取り組んでいるとのことです。なお、本中期経営計画(公開買付者)の初年度にあたる2025年3月期の実績については、総売上高1兆9,443億円、経常利益:716億円、自己資本当期純利益率(ROE):7.6%、自己資本比率:34.1%、負債資本倍率(D/Eレシオ):0.69倍、配当性向:40.1%となったとのことです。(詳細は公開買付者が2025年5月14日付で公表した「2025年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」をご参照ください。)
(注8) 「KPI」とは、キー・パフォーマンス・インジケーター(Key Performance Indicator)の略称であり、企業業績を評価するための指標を指すとのことです。「財務KPI」とは、財務会計データを参照したKPIを指すとのことです。
一方、当社は、1929年3月に日本ビチュマルス鋪装工業株式会社として創業され、1932年2月に日本道路鋪装株式会社、1947年6月に日本道路株式会社と改称、1961年10月に東京証券取引所市場第二部に上場、1971年8月に東京証券取引所市場第一部指定替、同年10月に株式会社大阪証券取引所(現・東京証券取引所)市場第一部に上場いたしました。その後、東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、2022年4月4日に東京証券取引所プライム市場へ移行いたしました。当社は、創業以来拠点網を整備し、本書提出日現在、国内においては、全国に10支店、103ヵ所に営業所・出張所等、85ヵ所に合材センター・混合所・乳剤工場・リサイクル工場を設けております。
また、当社は、本書提出日現在、当社、子会社47社及び関連会社7社からなる企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)を構成しており、「道づくり」「街づくり」を通じて持続可能な社会づくりに貢献する企業として、建設事業(舗装・土木・建築工事、その他の建設工事全般に関する事業)、製造・販売事業(アスファルト合材・乳剤、その他舗装用材料の製造・販売・リサイクルに関する事業)、共創事業(当社が2024年5月13日に策定した「中期経営計画2024(2024~2026年度)」(以下「本中期経営計画(当社)」といい、2024年度から2026年度までの期間を「本中期経営計画期間(当社)」といいます。)において、従来の「賃貸事業」、「その他」から、セグメントの名称を変更したもの)を展開しております。
当社は、本中期経営計画(当社)において、2029年に迎える創業100年、その先の未来構想における事業環境を、①国内における建設投資は、官庁・民間を問わず、引き続き堅調に推移するものの、②建設業に従事する労働人口の減少、働き方改革への対応など人手不足が更に加速するとともに人件費が上昇し、③アスファルトや燃料の調達は、為替や海外の不安定な情勢の影響を受けやすく、製造・販売事業の根幹を成すアスファルト混合物製造の収益性はリスクを含み、④ヒトの暮らし方が変化し、多様性の尊重とともに心身の豊かな生活が一層求められると整理しました。そして、本中期経営計画(当社)では、これに対する成長戦略として、(1)人財を確保するため、継続的な採用活動を実施するとともに、教育の充実などにより働きがいのある企業を目指す、(2)世界的に関心が高まっている環境対策への積極的な投資を進めるとともに、環境商品の販売も成長事業の一つの柱として注力していく、(3)製造・販売事業においては、リサイクル事業の強化など新たな成長戦略を推進する、(4)海外における建設投資は成長の可能性を秘めており事業拡大のチャンスと捉える、(5)PPP(注9)のうち民間資金、経営能力及び技術的能力を活用して行うPFI(注10)事業は今後ますます増加し、内閣府「PPP/PFI活用アクションプラン(令和5年改定版)」において、空港、水道、下水道、道路、スポーツ施設、文化施設、公園など13分野で令和4年度から令和13年度までの10年間で30兆円規模の事業規模の達成が目標とされており、当社はこのうち「道路」、「空港」、「スポーツ施設」、「公園」などの分野を主体に事業拡大を図っていく、(6)健康意識の向上、高齢化による生活の充実化への需要拡大を受けてスポーツ関連事業、健康関連事業の拡大を目指す、という方針を打ち出しました。また、本中期経営計画(当社)において、重要課題とその施策を具体的に打ち出した企業価値向上に向けた取り組みとして、①「コンプライアンスの徹底(法令等順守)」、②「提供サービスの品質と収益性の向上」、③「働き方改革から働きがい改革(注11)へ」、④「DE&I(注12)の推進」を掲げ、成長分野や2030年のカーボンハーフ、2050年のカーボンニュートラル達成に向けた環境負荷低減に対して135億円(期間累計)の設備投資、事業規模・領域拡大のために50億円(期間累計)のM&A投資を行うとともに、創業100年を迎える2029年、そして、その先の更なる発展を目指して新たな共創事業であるスポーツ関連事業、健康関連事業等にも積極的に挑戦し、「技術で社会を支え続け、ひとの豊かな生活・命を守る企業」を目指しております。
(注9) 「PPP」とは、パブリック・プライベート・パートナーシップ(Public Private Partnership)の略称であり、公共サービス提供に民間が参画する手法を指します。具体的には、従来の「請負」ではなく、行政と民間が連携して公共施設の建設や維持管理、運営などを行うことで、民間の資金や技術、ノウハウを活用し、公共サービスの質向上やコスト削減を目指すものをいいます。
(注10) 「PFI」とは、プライベート・ファイナンス・イニシアティブ(Private Finance Initiative)の略称であり、PPPのうち公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法をいい、PFI事業とはPFIの手法を用いた事業をいいます。
(注11) 「働きがい改革」とは、DXによる業務の効率化、DE&Iの方針に基づく多様性や公平性の教育などを通して、新しい働き方を確立するとともに、人事制度の見直しやAIの活用検討により働きがいを感じる企業を目指す考え方を指します。
(注12) 「DE&I」とは、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(Diversity Equity and Inclusion)の略称であり、組織や社会の中で多様な人々が公平に扱われ、誰もが安心して参加・活躍できる環境を目指す考え方を指します。
当社は、本中期経営計画期間(当社)の最終年度である2026年度(2027年3月期)の目標として、総売上高1,690億円、営業利益100億円、親会社株主に帰属する当期純利益66億円を掲げているところです。
その進捗については、直近決算期である2025年3月期は、建設事業において工事管理の徹底により採算性が向上したことなどにより、営業利益は期首予想の85億円に対し98億円、経常利益は期首予想の86億円に対し101億円、親会社株主に帰属する当期純利益は、期首予想の52億円に対し63億円と、いずれも4年ぶりに期首予想を上回る成果を計上するに至りました。2026年3月期の通期業績予想は、製造・販売事業においてアスファルト価格の高止まり、価格転嫁の遅れと製造数量減少傾向の懸念はあるものの、当社が2025年5月14日に発表したとおり売上高1,670億円、営業利益94億円、経常利益95億円、親会社株主に帰属する当期純利益61億円を予想しております。本中期経営計画期間(当社)の最終年度である2026年度は、2025年3月期の通期実績が本中期経営計画(当社)の達成ラインに乗っており、製造・販売事業の売上総利益は、アスファルト価格の高止まり、価格転嫁の遅れ及び製造数量減少により想定を下回る可能性があるものの、建設事業の売上総利益は計画の想定を超える見込みであり、両事業の合計では計画どおりの売上総利益を達成できる見込みです。
公開買付者と当社の資本関係については、公開買付者は、1954年3月に増資引受により当社株式51,000株(当時所有割合(注13):25.50%)を取得して以来、1956年7月から1972年4月までに19回にわたる当社による増資の引受けや当社株式の無償増資を通じて、合計8,272,320株の当社株式を取得し、1972年4月に当社株式8,323,320株(当時所有割合:20.81%)を所有するに至りましたが、1972年4月から1972年9月にかけて当社株式1,000,000株を売却した結果、その所有する当社株式は1972年9月に7,323,320株(当時所有割合:18.31%)となりました。その後、公開買付者は、1972年9月から1989年1月にかけて、24回にわたる当社による増資の引受けや当社株式の無償増資を通じて、継続的に合計11,410,480株の当社株式を取得し、1989年1月に当社株式18,733,800株(当時所有割合:20.78%)を所有するに至り、さらに、公開買付者が当時所有していた転換型新株予約権付社債を1989年2月3日及び1990年8月20日に転換し、それぞれ当社株式885,739株及び2,214,839株を取得した結果、1990年8月20日に当社株式21,834,378株(当時所有割合:22.40%)を所有するに至りました。公開買付者は、2006年11月に単元未満株378株(当時の当社の単元株式数は1,000株)を売却し、2017年10月1日に、当社が当社株式10株を1株に併合する株式併合を行ったことにより、公開買付者の当社株式の所有株式数は2,183,400株(当時所有割合:24.84%)となりました。
(注13) 「当時所有割合」とは、当該取得ないし所有の日を含む各事業年度に係る当社の有価証券報告書に記載の当該事業年度の末日時点の当社の発行済株式総数から、同日時点で当社が所有する自己株式数を除いた株式数に占める割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。なお、当社は2003年度以前は自己株式を所有しておりません。以下、当時所有割合の記載において同じとします。
その後、2022年公開買付け(以下に定義します。以下同じです。)の当時、一般財団法人建設経済研究所が発表した「建設経済レポート2021年3月」によると、当社がおかれている国内道路舗装業界の事業環境が、民間建設投資(建築・土木)はコロナ禍から企業収益の改善を背景に緩やかな回復基調が続くことが予想された一方で、中長期的には人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保障費の増大により、国や地方の財政状態は今後一層厳しくなる中で、公共投資は減少傾向で推移し、国内建設の需要拡大は見込めない状況となる可能性が高く、さらに、アスファルト合材・乳剤を中心とする製造・販売事業においても、原油等の原材料価格の上昇が製造原価を押し上げ、結果として事業利益が圧迫される可能性があるとされている等、将来の動向はますます不透明な状況となっていたとのことです。加えて、建設業界全体においては、生産年齢人口の減少による技術者・技能労働者不足が常態化することに対応して、生産体制維持のためにデジタル化やロボット導入等による生産性向上、省力化・省人化の必要性が強まり、国内道路舗装業界においても、同様の環境の変化が進む中、従来の価値観が変わり、生産性の向上や効率化を追求していく流れへと変化していくものと考えられ、当社においてもこれらの変化に対応していくことが急務であると考えていたとのことです。さらに、2022年公開買付けの当時、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)遵守等のコンプライアンスの徹底やESG(注14)経営の推進、SDGsの達成に向けた貢献等様々なステークホルダーに対する企業として果たすべき責任が大きくなっており、業界全体として対応すべき重要な課題として顕在化してきていると考えていたとのことです。
(注14) 公開買付者は「論語と算盤」を社是とし、その考え方を基に、経営理念「真摯な姿勢と絶えざる革新志向により、社会の期待を超える価値を創造し、持続可能な未来づくりに貢献する」を定め、公開買付者のみならず、社会・環境の持続可能性(サステナビリティ)を強く意識した上で、事業活動を行っているとのことです。
そこで、公開買付者は、建設事業、製造・販売事業、賃貸事業他といった幅広い分野で事業を展開している当社との資本関係を強化することで、公開買付者と当社との間の経営ノウハウ、経営資源及び技術力の一層の共有、人財交流等により公開買付者グループ及び当社の事業において、協働での案件取り組み強化による受注拡大、相互の顧客網・技術・拠点網等を活用した事業競争力の強化、コンプライアンス体制の更なる強化、人財採用での連携強化、研究開発体制の合理化、等のシナジーがより大きな規模で見込まれ、公開買付者グループ及び当社のいずれにおいても新たなビジネス機会が創出されるのではないかと考えたとのことです。そして、これらが実現されることにより、公開買付者グループ及び当社が中長期的に事業基盤を拡大し、更なる成長を実現することが可能となり、公開買付者グループ及び公開買付者グループの一員となる当社においても企業価値を大きく向上させることにつながると考えるに至り、2022年2月9日に、公開買付者が当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的として、当社株式を対象とした公開買付け(以下「2022年公開買付け」といいます(注15)。)を実施することを決議したとのことです。2022年公開買付けの結果、公開買付者は、2022年3月29日付で、当社株式を4,403,600株(当時所有割合:50.10%)所有するに至り、当社を公開買付者の連結子会社といたしました。その後、2023年10月1日に、当社が当社株式1株を5株に分割する株式分割(以下「本株式分割」といいます。)を行ったことにより、本書提出日現在の公開買付者の当社株式の所有株式数は22,018,000株(所有割合:50.11%)となっております。
(注15) 2022年公開買付けは、買付予定数の上限及び下限を2,220,200株、当社株式1株当たりの買付け等の価格を10,000円、買付け等の期間を2022年2月10日から2022年3月22日までとして実施いたしました。
(ⅱ)公開買付者が本公開買付けの実施をするに至った経緯・目的
2022年公開買付けによる連結子会社化以降、公開買付者及び当社は、グループ内で経営ノウハウ・経営資源を共有し、グループの企業価値向上に向け一体となって、高度成長期に建設された高速道路の大規模更新工事需要の取り込み、国内外における土木工事の受注拡大に向けて、相互の顧客網・技術・拠点網を活用していく体制を構築してきたとのことです。その結果、公開買付者としては、2019年度から2023年度を計画期間とした中期経営計画<2019-2023>の最終年度となる2023年度の公開買付者グループの連結売上高は、2兆55億円を達成し、目標としていた1兆8,800億円を上回り、公開買付者・当社間で組成した共同企業体(JV)での受注拡大、相互の顧客網・技術・拠点網等を活用することによる事業競争力の向上や当社の構造改革等、課題別の分科会を公開買付者・当社の間で開催する等の共同体制を構築し、分野により共通目標を設定して取り組みを推進してきたことを通じて、当社を連結子会社としたことの一定の成果が出てきていると考えており、連結子会社化以降、売上高・経常利益等に関しても続伸してきているとのことです。
その一方で、コロナ禍の影響や地政学リスクの顕在化、世界的なインフレ基調への転換と海外における急激な金利上昇、労働規制強化による担い手不足の急激な進行、サプライチェーンの混乱などによる資材納期の遅れ、建材・設備工事価格及び労務費の上昇といった急激な環境変化等により、様々な課題が顕在化しているとのことです。そのため、2022年公開買付けによる連結子会社化時点と比較して、今後、更にスピード感をもって公開買付者グループ全体の企業価値向上を図る必要性が高まったものと考えたとのことです。かかる状況の下、足元の事業・経営環境が厳しさを増しつつある中で、公開買付者及び当社は今後も外部環境の変化が加速していくと想定しており、公開買付者グループ全体が持続的に成長していくためには、当社を含む公開買付者グループの経営資源をこれまで以上に迅速にかつ柔軟に相互活用することにより、こうした変化への対応力をより一層向上させる必要が不可欠であると認識したとのことです。
また、公開買付者と当社がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状において、公開買付者から当社に経営資源を提供する場合には、経営資源の供与者と受益者が必ずしも一致するわけではなく、かかる状況においてさらに公開買付者が当社に対して企業価値向上に資する経営資源の提供を行うとすれば、利益の一部が公開買付者グループ外に流出するといった問題が指摘される可能性もあり、公開買付者としても、当社を含む公開買付者グループの企業価値向上を図るための機動的かつ効果的な施策を実行することに慎重とならざるを得ない面があったとのことです。
2022年公開買付けによって当社を連結子会社とした時点において、当社と公開買付者が上場企業としてそれぞれ独立して経営を行う中では、協業による事業拡大と目的が十分には達成できない可能性について認識していた一方、公開買付者は、同時点においては、当社の企業文化や経営の自主性を尊重することが当社の企業価値を向上させるために重要であり、当社株式の上場維持が適切と考えていたことから、当社の完全子会社化ではなく連結子会社化にとどめるという判断を行っていたとのことです。しかしながら、公開買付者は、インフラ工事案件の共同受注拡大に向けた取り組みにおいて、当社と公開買付者が上場企業としてそれぞれ独立して経営を行っているために、協業による事業拡大という目的が十分には達成できていない状況を改めて認識し、更にスピード感をもって協業による事業拡大を進め、ひいては公開買付者グループ及び当社双方の企業価値最大化を図るためには当社を公開買付者の完全子会社とした上で公開買付者と当社が一体となった経営体制をとることが必要であるという考えに至ったとのことです。そして、かかる考えに至ったことを契機として、2025年1月上旬に、公開買付者グループ及び当社双方の企業価値最大化を図ることを目的として、当社との最適な資本関係・提携関係の在り方について、改めて検討を行い、2025年1月9日に当社に本取引の実施に向けた検討を開始した旨の通知を行ったところ、2025年1月28日に当社においても本取引の実施に向けた検討を開始する旨の回答を受領したとのことです。公開買付者は、1月中旬から下旬にかけて、当社の競争優位性の維持と持続的な成長のためには、意思決定の機動性・柔軟性及び当社を含む公開買付者グループの経営資源の効果的な活用が必須と考え、完全子会社化によって、公開買付者と当社の構造的な利益相反の解消を図り、当社を含む公開買付者グループの経営資源をこれまで以上に迅速にかつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが、最善であると判断したとのことです。
なお、2022年公開買付けによる連結子会社化の際には、当社の上場維持には、当社による資本市場からの直接的な資本調達のパイプの確保や取引先を含む外部からの社会的信用の獲得、知名度の維持といった、当社が上場会社であり続けることによるメリットがあると考えていたとのことです。しかしながら、本書提出日現在においては、資金調達については公開買付者グループからの資金提供や金融機関からの借入れ等で賄うことも可能であることに加えて、当社と取引先の信頼関係は既に一定程度構築されており、上場廃止を理由に既存の取引関係が大きく剥落することはないと考えられること、当社においてこれまでの事業運営により積み重ねられてきた社会的信用や知名度は、上場廃止により直ちに失われるものではないと考えられることから、上場廃止に伴うデメリットによる影響は僅少であると考えているとのことです。さらに近年のコーポレートガバナンス・コードの改定、資本市場に対する規制の強化により、金融商品取引法上の有価証券報告書等の継続的な開示に要する費用や監査費用等の株式の上場を維持するために必要なコストは増大しており、今後、株式の上場を維持すること自体、当社の経営上の負担になるものと考えており、公開買付者としては、当社の上場を維持するメリットは上場を維持するコストを上回らない状況となっていると考えているとのことです。
公開買付者は、本取引により当社を完全子会社化することで、以下のような取り組みやシナジー効果を期待できると考えているとのことです。
(a)インフラ更新工事案件における協働での取り組み強化による受注拡大
公開買付者は、当社の連結子会社化以降、インフラ更新工事案件において、当社との共同企業体(JV)組成により、受注拡大を図ってきたが、当社と公開買付者がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状においては、両社間の連携や情報共有を行っているものの、公開買付者から当社に、案件や顧客等の営業情報や、DX・環境・生産プロセス等におけるノウハウ・技術等を提供するに際して、当該提供行為に伴って得られる利益の一部が、公開買付者グループ外に流出する可能性があることから、公開買付者としても、機動的かつ効果的な対応に慎重とならざるを得ない面がある等、一定の制約が存在する中で両社の強みを必ずしも効果的に発揮することができていないこと等から、当該分野における、協業による事業拡大という目的が、十分かつ早期に達成できていない状況にあると認識しているとのことです。
公開買付者による当社の完全子会社化により、公開買付者が主導して受注強化に向けた活動を行える環境を整え、両社の案件情報をより早期かつ緊密に共有することで、積算・見積等の協働面で見積精度を向上させ、また、両社がより一層協働して資材の調達や技術開発等を進めることにより、施工コストの低減、価格競争力の強化を図ることが可能と考えているとのことです。
このような活動を通して、取り組み案件を積み上げ、インフラ更新工事分野のノウハウを一体的に獲得していくことで、両社の実績・施工能力の向上を図り、更なる共同企業体(JV)での受注拡大が推進できるものと考えているとのことです。
(b)中長期的な成長戦略の共有の下での事業基盤強化・研究開発における協業
本取引を通じ当社が公開買付者の完全子会社となることで、両社による中長期的な事業戦略の共有に関しても、更に緊密な連携・開示を行うことが可能となり、また、当社と公開買付者との間で、営業案件・顧客・資材調達等に関する情報、及びDX・環境・生産プロセス等におけるノウハウ・技術などを相互に活用することで得られる利益を、公開買付者グループとしてすべて享受できる体制が整うことで、公開買付者から当社に対して公開買付者の経営資源(案件や顧客等の営業情報、DX・環境・生産プロセス等におけるノウハウ・技術等)をより一層積極的に投入することが可能になると考えているとのことです。
これにより、両社が中長期的な視点に立った事業戦略に基づいて、成長に向けた事業基盤の強化と研究開発の協業を推進することができるものと考えており、具体的な取り組みとしては以下を想定しているとのことです。
(ア)民間顧客への営業活動における協働
公開買付者の民間顧客に対して、両社協業のもとでの営業活動により、当社の民間案件の受注強化において一定の成果が出つつあると考えているとのことですが、当社が公開買付者の完全子会社になることにより、公開買付者から当社に対してこれまでより一層踏み込んだノウハウ(顧客等の営業案件やキーマン等の人脈に関する情報、土木専門分野における技術研修情報、個別工事毎の損益状況等)の共有を行うことができるようになると考えているとのことです。また、当社は公開買付者の連結子会社ではあるものの上場会社として独立した経営を行っていることから、これまで長年に亘って公開買付者に特命発注していただいている公開買付者の重要得意先からは、当社が公開買付者の一部門と同一視されていないと考えられる可能性があったものの、当社が公開買付者の完全子会社になることにより、公開買付者グループと当社の経営の一体化が図られることで、当社が総合建設事業者としてより社会的認知度が高いと考えられる公開買付者の一部門と同一視されることが期待できること等から、上記重要得意先に対する当社の信用力の向上が図られると考えられ、また当社の技術力向上に向けた公開買付者からの研究開発・人財育成に対する支援強化が図られやすくなること等を訴求することで、これを更に強化できる余地は十分あり、両社の協業を推進することにより、当社の民間顧客基盤の拡大と、技術・商品の販売を更に強化することが可能と考えているとのことです。
(イ)海外事業の拡大における協働
海外事業の拡大は公開買付者グループの成長戦略において重要な課題であり、公開買付者が東南アジア全般及びインド・アフリカ圏で有している営業・調達ネットワークなどを、当社が活用することで、当社の営業基盤拡充を図るなどといった中長期的な事業戦略を共有し、展開することが可能になると考えているとのことです。
具体的には、当社はこれまでタイ・マレーシアの日系企業を中心に海外事業活動を展開してきておりますが、日系企業以外の顧客の獲得及び新規国開拓にあたっては、プロジェクトの短期的な採算のみでなく、品質確保等を重視したサプライチェーンを構築し実績を着実に積み上げることで、新たな顧客からの信頼を得て地歩を築いていく必要がある中、上場会社である当社にとって採算が厳しい案件の受注には慎重にならざるを得ない面があり、また、公開買付者としても、上場会社である当社の自主性を尊重するという観点から、個別工事の受注について踏み込んだ関与には限界があり、効率的な連携が難しいことを認識していたとのことです。本取引を通じて当社が公開買付者の完全子会社になることにより、公開買付者において、グループとしての事業戦略を踏まえた、より積極的な助言等を行うことが可能になり、また、当社においては、短期的な採算面で躊躇していた工事案件の受注に関して、当社株式が非公開化されることにより、当社の少数株主の利益を配慮する必要がなくなることに鑑み、そのような工事案件の受注と実績の積み上げを推進することができ、当社の海外事業の業容拡大を図ることが可能になると考えているとのことです。なお、当社が東南アジア全般及びインド・アフリカ圏の新規の国・地域での工事受注を図る際には、公開買付者がこれらの国・地域で有している営業・調達ネットワークを活用することができると考えているとのことです。
(ウ)M&Aを含めた中期的な成長戦略における協働
当社の成長に向けた顧客基盤の拡大や技術力・生産体制の強化を、スピード感を持って進めるには、M&Aが有用な手段になると考えているとのことです。
完全子会社化により、両社が中期的な視点に立って成長戦略を共有し、これまで当社が進めてきた建設事業、特に地域舗装会社の強化に加え、道路舗装以外の分野として、アスファルト合材の製造・販売事業や共創事業に属する新規事業への進出に係るM&Aについても、成長の柱として検討し、協働することが可能になると考えているとのことです。また、当社が公開買付者の資金調達力やM&Aに関するリソース・ノウハウを活用し、成長に繋がる事業基盤を有する企業を買収することで、当社の効率的かつ迅速な成長を実現することが可能になると考えているとのことです。
(エ)研究開発における協働体制の強化
完全子会社化により、公開買付者の経営資源(案件や顧客等の営業情報、DX・環境・生産プロセス等におけるノウハウ・技術等)を当社に提供し、より踏み込んで研究開発テーマを共有して研究開発を推進することが可能となり、また、両社の研究開発部署の人財交流を活発にし、両社の技術力を結集して、効率的な研究開発を推進することができると考えているとのことです。脱炭素・環境分野の技術開発や、最新の情報通信技術を活用した建設に係る新技術の開発・導入を、より一層積極的かつ効率的に実施することが可能になると考えているとのことです。
(c)コーポレートガバナンス及び一体運営の強化
当社株式が上場しており、少数株主が存在する状況においては、親会社である公開買付者と当社の少数株主の利害衝突が生じうる資本構造にあるため、個々の施策について、逐一当社の少数株主の利益を害する恐れが無いか、慎重な検討が求められ、場合によっては、当社の少数株主の利益を害する恐れが否定できないことによって、両社の企業価値向上にとって有意義な施策を迅速に実施することができない事態も想定されると考えているとのことです。
これに対して、完全子会社化により親子上場問題を解消し、安定株主の下での当社の迅速な意思決定とコーポレートガバナンスの向上を図ることが可能であると考えているとのことです。また、当社と公開買付者との間で、経営リソースの最適化・人財採用強化・人的リソースの共有による機動的人員配置が実現され、更には公開買付者と当社の重複機能を統一していくことで、グループとして最適な人員配置や共通コストの削減を図ることが可能となり、コスト競争力の向上を図ることができるものと考えているとのことです。
(d)上場維持コストの削減・資金調達の効率化
当社が株式上場を維持することにおいては、上場維持に伴う各種費用(上場料、開示書類の作成費用、株式事務代行機関への委託費用、監査費用等)や対少数株主への対応等を含めた業務負荷等が経営上の負担になっている状況にあり、更には、近年のコーポレートガバナンス・コードの改定、資本市場に対する規制の強化等により、継続的に必要な開示に要する費用や監査費用等の必要なコストは増大していると認識しているとのことです。
これに対して、完全子会社化が実現した場合は、かかるコスト・業務負荷を削減することが可能と考えているとのことです。
また、完全子会社化によって、当社自身による外部資金調達に代えて、公開買付者によるグループファイナンスを活用することにより、当社の設備投資資金や運転資金をスピーディーかつ低コストで調達することが可能になると考えているとのことです。
なお、公開買付者は、本取引による公開買付者グループと当社グループとの間のディスシナジーについて、検討したものの、想定していることはないとのことです。
上記検討を踏まえ、公開買付者は、2025年1月下旬から同年2月上旬にかけて、公開買付者及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)並びにリーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所をそれぞれ選任し、2025年2月7日に、当社に対して公開買付けを通じた公開買付者による当社の完全子会社化の協議を申し入れるべく、当社に対して本取引に係るシナジーやスキーム、スケジュールに関する初期的提案書(以下「意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。なお、本公開買付価格等の本公開買付けの条件については意向表明書における提案には含まれていないとのことです。
そして、2025年2月中旬、公開買付者と当社は、本取引のスキームやスケジュール等に関する具体的な協議・検討を開始したとのことです。その後、公開買付者は、本公開買付けの実現可能性及び公開買付者として見込むシナジーの精査のため、2025年3月上旬から2025年4月上旬にかけて当社グループに対してデュー・ディリジェンスを実施したとのことです。また、公開買付者は、2025年3月13日に、本特別委員会(下記「④ 当社における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」において定義します。以下同じです。)より上記意向表明書を受けて、本取引の提案の背景、本取引の目的(本取引によって創出が見込まれるシナジー効果を含む。)、本取引の想定ストラクチャー、本取引後の当社の経営方針、本取引における公正性担保措置、その他本公開買付けの諸条件等に関して書面による質問を受領し、同年3月19日に、当該質問事項についてのインタビューにて、本取引の提案の背景、本取引の目的(上記「(a)インフラ更新工事案件における協働での取り組み強化による受注拡大」から「(d)上場維持コストの削減・資金調達の効率化」のシナジー効果を含む。)、本取引の想定ストラクチャー、本取引後の当社の経営方針、本取引における公正性担保措置、その他本公開買付けの諸条件等について回答を行ったとのことです。
また、公開買付者は、公開買付者が当社グループに対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてフィナンシャル・アドバイザーである野村證券が実施した初期的な当社株式価値分析内容、及び当該情報を前提として公開買付者において実施した初期的な当社株式価値分析内容を総合的に勘案し、2025年4月8日、本公開買付価格を2,200円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値1,780円に対して23.60%のプレミアム(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの数値(%)について同じとします。))とすることを含む本取引に関する提案(以下「第1回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月10日、公開買付者は本特別委員会より、第1回提案における本公開買付価格は、当社の少数株主の利益に対して十分な配慮がなされた水準とは認められないとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月17日、公開買付者は、本公開買付価格を2,320円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値1,950円に対して18.97%のプレミアム)とする再提案(以下「第2回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月21日、公開買付者は本特別委員会より、第2回提案における本公開買付価格は、当社の少数株主の利益に対して十分な配慮がなされた水準とは認められないとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月24日、公開買付者は、本公開買付価格を2,420円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値1,984円に対して21.98%のプレミアム)とする再提案(以下「第3回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月29日、公開買付者は本特別委員会より、第3回提案における本公開買付価格は、当社の少数株主の利益に対して十分な配慮がなされた水準とは認められないとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同年5月7日、公開買付者は、本公開買付価格を2,490円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値1,945円に対して28.02%のプレミアム)とする再提案(以下「第4回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月9日、公開買付者は本特別委員会より、第4回提案における本公開買付価格は、当社の少数株主の利益に対して十分な配慮がなされた水準とは認められないとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月12日、公開買付者は、本公開買付価格を2,520円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値2,056円に対して22.57%のプレミアム)とする再提案を行ったとのことです。その結果、公開買付者は、同月13日、本特別委員会から、本公開買付価格を2,520円とすることを応諾する旨の回答を受領し、合意に至ったとのことです。
以上のとおり、公開買付者と当社は、本公開買付価格に関する上記の合意に加え、2025年5月14日、公開買付者が当社を完全子会社化し、当社と公開買付者の利害をこれまで以上に高い水準で一致させ、経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが、両社の企業価値の向上に資するとの考えで一致したことから、公開買付者は、同日開催の取締役会において、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
③ 本公開買付け後の経営方針
公開買付者は、当社の完全子会社化後、当社及び公開買付者の連携を強化し、一体運営を行うことで、両社間におけるさらなるノウハウの共有と、両社の市場・技術・顧客等の経営資源の相互活用を推進して、成長戦略の実現を目指す方針とのことです。
本取引後の当社の経営体制については、本書提出日現在において、未定であり、かつ本取引後の当社の経営体制、役員体制、役員派遣などについて公開買付者として想定又は希望している事項はないものの、今後当社と協議の上で、非上場化に伴う組織体制・諸機能のほか、報告・連絡体制の見直し等を含めて、上記諸施策の実行や経営基盤のさらなる強化に向けた最適な経営体制を検討していく予定とのことです。
④ 当社における意思決定の経緯並びにその内容及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
当社は、公開買付者から、2025年1月9日に本取引の実施に向けた検討を開始した旨の通知を受けました。これを受けて、当社は、2025年1月28日に当社においても本取引の実施に向けた検討を開始する旨の回答をするとともに、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、公開買付者が当社株式の50.11%を所有する当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、2025年2月上旬に、公開買付者グループ及び当社グループから独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして外苑法律事務所をそれぞれ選任いたしました。その後、当社は、公開買付者から改めて2025年2月7日に本取引に関する意向表明書を受領しております。当該提案を受けて、当社は、本取引の公正性を担保するため、外苑法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり本特別委員会の設置に向けた準備を進めた上で、2025年2月7日に公開買付者から意向表明書を受領した後の同月21日開催の取締役会決議により、森村望氏(当社独立社外取締役)、松本拓生氏(当社独立社外取締役)及び小棹ふみ子氏(当社独立社外取締役)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の委員長には、委員の互選により森村望氏が就任しており、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。本特別委員会の検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(1)本取引の目的が合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(2)本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性が確保されているか、(3)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含みます。)の妥当性が確保されているか、(4)本取引(当社取締役会が本取引に関する決定を行うことを含みます。)が当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか、(5)当社取締役会が本公開買付けに対して賛同表明をすること及び当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行うことの是非(以下これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとすること、及び(ⅱ)本特別委員会が本取引に関する取引条件が妥当でないと判断した時には、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から、本取引の検討及び判断に必要な情報の提供を求めること、(ⅱ)必要に応じ、財務若しくは法務等に関する本特別委員会独自のアドバイザーを選任し(この場合の費用は当社が負担します。)、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名若しくは承認する(事後承認を含みます。)こと(なお、本特別委員会は、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求めることができます。)、(ⅲ)本取引の取引条件等に関する当社による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、本特別委員会が必要と認める場合には、自ら直接本取引の取引条件等の協議及び交渉を行うこと、及び(ⅳ)その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項について権限を付与することを決議しております(当該取締役会における決議の方法については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
なお、本特別委員会は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2025年3月5日、上記の権限に基づき、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自の第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)を、独自のリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所をそれぞれ選任する旨を決定しております。
また、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券並びに当社のリーガル・アドバイザーである外苑法律事務所について、公開買付者グループ及び当社グループからの独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
さらに、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
その上で、当社は、みずほ証券から公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言及び当社株式の価値算定結果に関する報告を受けるとともに、外苑法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってまいりました。
また、当社は、公開買付者から、2025年2月7日に本取引に関する意向表明書を受領して以降、公開買付者との間で、本取引に向けた具体的な協議及び交渉を行ってまいりました。
具体的には、本特別委員会は、2025年3月13日に公開買付者に対し、本取引の提案の背景、本取引の目的(本取引によって創出が見込まれるシナジー効果を含む。)、本取引の想定ストラクチャー、本取引後の当社の経営方針、本取引における公正性担保措置、その他本公開買付けの諸条件等に関して書面による質問をしたところ、2025年3月19日に、公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受けるとともに、同日開催の本特別委員会において、公開買付者から当該質問事項への回答に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行いました。
本公開買付価格については、当社は、2025年4月初旬以降、公開買付者との間で複数回にわたる協議・交渉を重ねてまいりました。具体的には、当社は、同月8日、公開買付者が当社グループに対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてフィナンシャル・アドバイザーである野村證券が実施した初期的な当社株式価値分析等を総合的に勘案した結果として、公開買付者から、本公開買付価格を2,200円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値1,780円に対して23.60%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,892円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対して16.28%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,861円に対して18.22%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,775円に対して23.94%のプレミアム)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けました。しかし、本特別委員会は、2025年4月10日、本公開買付価格は当社の少数株主の利益に対して十分な配慮がなされた水準とは認められないとして本公開買付価格の再検討を要請しました。これを受けて、公開買付者から、2025年4月17日に、本公開買付価格を2,320円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値1,950円に対して18.97%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,898円に対して22.23%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,878円に対して23.54%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,789円に対して29.68%のプレミアム)とする再提案を受けました。しかし、本特別委員会は、2025年4月21日に、本公開買付価格は、当社の少数株主の利益に対して十分な配慮がなされた水準とは認められないとして本公開買付価格の再検討を改めて要請しました。これを受けて、公開買付者から、2025年4月24日に、本公開買付価格を2,420円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値1,984円に対して21.98%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,912円に対して26.57%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,893円に対して27.84%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,805円に対して34.07%のプレミアム)とする再提案を受けました。しかし、本特別委員会は、2025年4月29日、本公開買付価格は当社の少数株主の利益に対して十分な配慮がなされた水準とは認められないとして本公開買付価格の再検討を改めて要請しました。これを受けて、公開買付者から、2025年5月7日に、本公開買付価格を2,490円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値1,945円に対して28.02%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,919円に対して29.76%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,906円に対して30.64%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,826円に対して36.36%のプレミアム)とする再提案を受けました。しかし、本特別委員会は、2025年5月9日に、本公開買付価格は、当社の少数株主の利益に対して十分な配慮がなされた水準とは認められないとして本公開買付価格の再検討を改めて要請しました。これを受けて、公開買付者から、2025年5月12日に、本公開買付価格を2,520円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値2,056円に対して22.57%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,963円に対して28.37%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,916円に対して31.52%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,837円に対して37.18%のプレミアム)とする最終提案を受けました。これに対して、本特別委員会は、2025年5月13日、「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅲ)判断内容」の「(b)答申理由」のⅲに記載の各事項を総合的に勘案し、本公開買付価格を2,520円とすることに応諾する旨の回答を行い、合意に至りました。
以上の検討・交渉過程において、当社は、本公開買付価格に関する公開買付者との協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びにみずほ証券及び外苑法律事務所からの助言を踏まえて検討を行っており、その際、本特別委員会においては、随時、本特別委員会のリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から助言を受けるとともに、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってまいりました。具体的には、当社が公開買付者に対して提示し、また、みずほ証券及びプルータス・コンサルティングが当社株式の価値算定において基礎とする本事業計画(以下に定義します。以下同じです。)の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けております。また、当社のフィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券は、公開買付者との交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。
そして、当社は、2025年5月13日付で、本特別委員会から、①本取引は当社の企業価値向上に資すると認められ、本取引の目的は合理的である旨、②本取引においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続は公正である旨、③本公開買付けにおける買付け等の価格も含め、本取引の条件は公正でありかつ妥当である旨、④本取引は当社の少数株主にとって不利益なものでなく、当社の一般株主にとって公正であるといえる旨、⑤当社の取締役会が本公開買付けに対して賛同表明をすること及び当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行うことについては、首肯できる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております(本答申書の概要については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。なお、本特別委員会は、2025年5月13日付でプルータス・コンサルティングから当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり2,520円が当社の一般株主にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の提出を受けております(本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの概要については、下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。
(ⅲ)判断内容
以上の経緯の下で、当社は、2025年5月14日開催の取締役会において、フィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券から受けた財務的見地からの助言、リーガル・アドバイザーである外苑法律事務所から受けた法的助言並びに2025年5月13日付でみずほ証券から提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(みずほ証券)」といいます。)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。
その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の完全子会社化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
当社グループが置かれている国内道路舗装業界を巡る状況については、2025年4月1日付国土強靭化推進本部(第22回)の資料である「第1次国土強靱化実施中期計画(素案)」によると、政府が2025年6月の策定を目指している「国土強靭化実施中期計画」(2026年度から2030年度)において、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」(2021年度から2025年度)の予算である15兆円を上回る、20兆円強の予算が確保される見通しもあり、今後5年間(2029年度まで)は、外部環境に変化はないものと認識しており、また、2023年10月31日に国土交通省社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会によって「高規格道路ネットワークのあり方 中間とりまとめ」が公表されたことを受けて国土交通省が掲げた「WISENET2050」に基づくシームレスネットワークの構築や自動物流道路の整備、防衛力抜本的強化における施設の強靭化計画等が期待されます。当社の業績も同様に5年後まではある程度の予測は可能であるものの、少子高齢化に伴う人口減少の影響で日本の財政状態は今後厳しくなり、公共投資の先行きは減少傾向になる可能性があること、原油価格上昇やインフレ基調の継続による原材料の高騰により利益が圧迫される可能性があること等から、10年、20年後の市場環境は不透明な状況であり、当社としては、10年、20年後の市場環境に適応するために、事業領域の拡大と収益性の向上を行っていく必要があると考えております。また、技術者や労働者不足の常態化に対応する生産性向上や省力化・省人化への対応が急務であり、さらに近年の時代の潮流に沿った品質の確保、コンプライアンスの徹底、働き方改革による職場環境改善及びDE&Iの推進が必要であると認識しているところです。
当社は、上記の当社グループを取り巻く経営環境を踏まえ、本取引を通じて当社が公開買付者の完全子会社となることにより、公開買付者と当社の少数株主との間の構造的な利益相反関係を解消し、公開買付者による当社グループへの更なる経営資源の投入が可能となり、以下のような各施策を実施し、シナジーを実現することができると考えました。
(a)インフラ更新工事案件における協働での取り組み強化による受注拡大
公開買付者の連結子会社となって以降、当社は、公開買付者と共同企業体(JV)を組成し、造成工事やインフラ更新工事に取り組んでまいりました。しかしながら、当社と公開買付者それぞれが上場会社としての独立性を保って経営を行っている現状においては、案件や顧客等の営業情報を両社間で連携・情報共有することにより、これらの情報が当社グループ外に流出することになるため、提供の可否を判断し又は提供可能な情報の範囲を策定するにあたっては慎重とならざるを得ない等の一定の制約が存在することから、両社の方向性の相互理解や意思決定のスピードに課題があり、受注機会の喪失に繋がっておりました。完全子会社化によりそのような制約がなくなることに加え、決裁権限等の見直しをすることで、緊密かつ迅速なコミュニケーションが強化され、共同企業体(JV)の組成を通じた受注機会の拡大に繋がると考えております。
(b)中長期的な成長戦略の共有の下での事業基盤強化・研究開発における協業
海外事業については、上記の(a)インフラ更新工事案件における協働での取り組み強化による受注拡大同様、両社間の連携や情報共有の制約を主要因として、当社がタイ・マレーシアの日系企業を中心に展開してきた海外事業活動に対する日系企業以外の顧客の獲得及び新規国開拓、ODAをはじめとした事業領域拡大の検討が十分にできませんでしたが、完全子会社化により公開買付者との案件情報の共有や、協働での顧客営業を一層強化することが可能となり、これらの事業領域拡大を図ることが可能になると考えております。また、M&Aについても、完全子会社化により情報共有が強化され、公開買付者の資金調達やM&Aに関するリソース及びノウハウを活用することが可能となり、当社グループの成長に繋がる事業基盤を有する企業をスピード感をもって買収することで、当社グループの効果的かつ急速な成長を実現することが可能になると考えております。これらの取り組みにより、公開買付者との情報共有を通じて民間営業網の活用の幅が広がり、民間顧客からの直接受注に向けた営業を強化することで当社グループの受注・売上高の増加が想定され、質の良い直接受注の増加により当社グループ全体の収益性の向上が見込まれます。
官庁工事の入札においては、独立性の観点から積算ノウハウや技術提案ノウハウの十分な連携ができず、高い競争力を持った提案が困難であることから受注機会の喪失に繋がっておりましたが、完全子会社化により公開買付者の持つ官庁積算・技術提案ノウハウの習得が可能となり、受注機会の創出に繋がると考えております。また、資材調達においては、公開買付者と独立した購買体制とする必要があったため、原則として当社の単独購買となっていたところ、完全子会社化により公開買付者の購買体制の活用が可能となり、現状よりもロットが増加することによる低単価での仕入を通じて、工事原価のコスト削減に繋げていくことができると考えております。
研究開発においては、今後、省力化・省人化、効率化、高耐久化、環境負荷低減に積極的に取り組んでいく必要があるところ、情報共有に制約がある中では共同研究の範囲が十分に拡大できず、当社グループ単独での推進には限界がありましたが、完全子会社になることで、公開買付者の経営資源(案件や顧客等の営業情報、DX・環境・生産プロセス等におけるノウハウ・技術等)を活用し、より踏み込んでテーマを共有して研究開発を推進することが可能となり、2050年のカーボンニュートラルの達成、省力化・省人化を含むコスト削減及び働きがい改革に繋がると考えております。
(c)コーポレートガバナンス及び一体運営の強化
完全子会社化により親子上場問題が解消されることで、迅速な意思決定とコーポレートガバナンスの向上を図ることが可能になると考えております。また、一体運営という観点からは、人財確保において、公開買付者ブランドを活用し、公開買付者と協働で新卒採用やキャリア採用の取り組みが可能になると考えております。
そして、働きがい改革及びDE&Iの推進の観点では、従来より、2024年問題をターゲットとして、残業時間の短縮や休日の確保について働き方改革を進め、2025年4月より多様性・公平性への配慮、女性活躍推進を目的に人事制度改革を実施したところです。完全子会社化することで、公開買付者の持つ最先端のDXやAI技術を活用した業務のさらなる効率化、さらに、公開買付者が積極的に推進しているDE&Iの方針に基づく多様性や公平性の教育を通して、よりスピード感をもって新しい働き方を確立するとともに、働きがいを感じられる企業を目指すことが可能になると考えております。
(d)上場維持コストや業務負荷の削減・資金調達の効率化
上場維持コストや業務負荷の削減という観点では、完全子会社化により、上場維持に伴う各種費用(上場料、開示書類の作成費用、株式事務代行機関への委託費用、監査費用、決算説明会費用等)や少数株主への対応等を含めた業務負荷が削減され、繁忙な生産拠点への人員配置を含め、最適な人員配置とコスト削減が可能となります。
資金調達の観点では、必要に応じて、公開買付者のグループファイナンスを活用することで、より低コストでの資金調達が可能になると考えております。
なお、当社は、本取引を通じて非公開化されることによる、上場企業としてのブランド力の低下に伴う取引先その他のステークホルダーを含む外部からの信用力への影響、従業員のモチベーション低下の可能性、人財確保が困難になる可能性、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達ができなくなるといったデメリットについても検討いたしました。
公開買付者及び当社はいずれも業界内において既に一定の知名度を確立しており、かつ、上場会社として社会的信用を確立していることから、本取引により当社が公開買付者の完全子会社となることが当社の取引先その他のステークホルダーを含む外部からの信用力に悪影響を与える可能性は低いと考えております。また、当社の現在の財務状況等を考慮すると、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれない上、公開買付者グループにおけるグループファイナンスを活用することも可能であるため、資金調達が困難になることはないと考えております。また、公開買付者は、本取引後の当社の経営体制について、当社の社名は変更せず、当社の経営の独立性を尊重する現状の運営・経営方針を継続しつつ、今後当社と協議の上で、非上場化に伴う組織体制・諸機能のほか、報告・連絡体制の見直し等を含めて、諸施策の実行や経営基盤のさらなる強化に向けた最適な体制を検討していく予定であること、本公開買付け後の当社従業員の雇用は維持する予定であり、待遇は原則現状維持を予定していること等を踏まえ、当社としては、完全子会社化されることについて、当社グループの取引先、従業員、その他のステークホルダーにおいて受け入れられると考えております。
また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件(いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)が設定されていないこと、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)など)は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(ア)下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、みずほ証券による当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価基準法に基づく算定結果の上限を上回っており、また、類似企業比較法に基づく算定結果のレンジの範囲内であり、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果の範囲内の価格であること。
(イ)下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータス・コンサルティングによる当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回っており、また、類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの範囲内であり、かつ、DCF法に基づく算定結果の中央値を超える価格であること。また、本特別委員会がプルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり2,520円が、当社の一般株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得していること。
(ウ)本公開買付価格である1株当たり2,520円は、当社株式の2025年5月13日の東京証券取引所プライム市場における終値2,169円に対して16.18%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)において同様とする。)、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,990円に対して26.63%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,926円に対して30.84%、直近6ヶ月間の終値単純平均値1,845円に対して36.59%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であって、そのプレミアムは類似案件75件(経済産業省によって「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日以降の支配株主による完全子会社化を意図した公開買付け事例(ただし、MBO事例、TOB後に少数株主排除措置を行わない事例、2段階TOB事例を除く。))(公表の前営業日を基準日として、同日の終値並びに同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるそれぞれのプレミアム率の中央値(それぞれ、41.40%、43.00%、40.00%、38.77%)と比較した場合、いずれも下回る水準にある。もっとも、プレミアム水準の評価については、次のようなことを考慮すべきであると考えられる。(ⅰ)①当社の株価変動率は、直近1ヶ月間において12.97%であるところ、その直前の6ヶ月間(2024年10月から2025年3月まで)における当社の月ごとの株価変動率の平均値は6.80%であるため、直近1ヶ月の株価変動率は非常に高いといえる。また、②公表日直前の4営業日の間において当社の市場株価は9.82%急激に上昇しているところ、当該期間の市場における当社株式の取引数量は1日平均187,225株である。これに対し、当社の直近1年間の1日当たりの取引数量の平均は60,129株であることから、公表日直前の4営業日において市場における取引数量が大幅に増加しており、この期間に当社が新たに適時開示を行った情報はないことからすると、当該期間において何らかの投機的な思惑により通常の取引数量を超える取引が行われ、それにより当社の市場株価が急激に上昇したことが合理的に推測される。上記①②からすれば、短期的な市場株価、特に、公表日の前営業日における市場株価や直近1ヶ月平均の市場株価や、当該水準の影響が反映されやすい3ヶ月平均の市場株価との比較を過度に重視すべきではなく、より長期の指標である過去6ヶ月間の終値単純平均値との比較を重視することが適切であると考えられる。そして、類似案件における過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるプレミアム率の中央値は38.77%であるのに対して、本公開買付価格は直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,845円に対して36.59%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であるところ、その乖離幅(2.18%)は小さいと言える。(ⅱ)①日経平均株価及び当社株式は2025年4月7日以降大きく上昇しているところ(具体的には、日経平均株価は、2025年4月7日の終値(31,136円)と公表の前営業日の2025年5月13日の終値(38,183円)の比較で7,047円(22.63%)、当社株式は2025年4月7日の終値(1,780円)と公表の前営業日の2025年5月13日の終値(2,169円)の比較で389円(21.85%)の上昇が認められる)、②新聞等で報道されているところによれば、当該株価の上昇は米国において相互関税を導入すること及びその後の停止の公表の影響を受けたものである可能性が高いと考えられる。そして、③2025年4月7日以降当社が新たに適時開示を行った情報はなく、当該当社株式の株価変動は少なくとも当社の特定の公表を反映したものではないことを考慮すると、当社株式の公表の前営業日時点の株価や過去1ヶ月間の数値については、上記の相互関税に関連する公表の影響を受けた一時的なものである可能性がある。そこで、かかる株価上昇の直前の営業日である2025年4月4日を基準日としたプレミアム率も参照すると、同日の終値並びに同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるそれぞれのプレミアム率はそれぞれ、39.23%、32.49%、35.48%、41.97%であり、過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるプレミアム率は類似案件における過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるプレミアム率の中央値を上回っている。以上のことから、本公開買付価格には上記の類似案件と比較しても遜色のないプレミアムが付されていると考えられること。
(エ)当社の上場来最高値である2,410円(2024年1月4日の取引時間中の最高値)を上回る水準であること。
(オ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、当社の少数株主の皆様の利益が確保されていると認められること。
(カ)当該措置が講じられた上で、当社グループ及び公開買付者グループから独立した本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯に交渉を重ね、当初の公開買付者からの提案価格である2,200円から引上げられた価格であること。
(キ)当社における独立した本特別委員会から取得した本答申書において、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付けにおける買付け等の価格も含め、本取引の条件は公正でありかつ妥当であると判断されていること。
加えて、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に該当する買付予定数の下限が設定されていないものの、その他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置が十分に講じられていると解されることに鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、適切な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではないと考えており、また、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑩ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置」に記載のとおり、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日としていること等に鑑みれば、本取引に係る本公開買付価格以外の取引条件についても、本公開買付けの公正性の担保に配慮したものであり、妥当なものであると考えています。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年5月14日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
当該取締役会における決議の方法については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けを含む本取引に関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に関する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社及び公開買付者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券に対して、当社株式の価値の算定を依頼し、2025年5月13日付で、本株式価値算定書(みずほ証券)を取得いたしました。
なお、みずほ証券は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は公開買付者の株主たる地位を有しているほか、当社及び公開買付者に対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等を実施しており、また、みずほ証券のグループ企業であるみずほ信託銀行株式会社(以下「みずほ信託銀行」といいます。)は、当社及び公開買付者に対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等を実施しておりますが、本公開買付けを含む本取引に関して当社及び公開買付者との利益相反に係る重要な利害関係は有しておりません。なお、みずほ証券によれば、みずほ証券は金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)第70条の4の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行及びみずほ信託銀行間の情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の株主及び貸付人の地位、並びにみずほ信託銀行の貸付人の地位とは独立した立場で当社の株式価値の算定を行っているとのことです。当社は、みずほ証券とみずほ銀行及びみずほ信託銀行との間において適切な弊害防止措置が講じられていること、当社とみずほ証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているため本取引におけるフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての職務を行うにあたり十分な独立性が確保されていること、みずほ証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、当社がみずほ証券に対して当社株式の株式価値算定を依頼することに関し、特段の問題はないと判断しております。また、本取引に係るみずほ証券の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、2025年2月21日開催の本特別委員会において、みずほ証券の独立性及び専門性に特段の問題がないことを確認した上で、当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任することを承認しております。
(ⅱ)算定の概要
みずほ証券は、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価基準法、当社と比較的類似する事業を営む上場会社が複数存在し、類似企業との比較による株式価値の類推が可能であることから類似企業比較法及び当社の将来の事業活動の状況を算定に反映させるためにDCF法の各手法を用いて当社株式1株当たりの価値算定を行い、当社は、2025年5月13日付でみずほ証券より本株式価値算定書(みずほ証券)を取得しました。なお、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」及び「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載した措置等、十分な公正性担保措置が取られていることも踏まえ、みずほ証券から本公開買付価格が当社の公開買付者以外の当社の株主にとって財務的見地から公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
本株式価値算定書(みずほ証券)によると、上記各手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価基準法:1,845円から2,169円
類似企業比較法:2,491円から3,099円
DCF法 :1,996円から3,135円
市場株価基準法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年5月13日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日の終値2,169円、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,990円(円未満を四捨五入。以下、単純平均値の計算において同じとします。)、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,926円、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,845円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,845円から2,169円までと算定しております。
類似企業比較法では、当社と比較的類似する事業を営む類似上場会社として、東亜道路工業株式会社及び世紀東急工業株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて当社株式の株式価値の算定を行い、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,491円から3,099円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した当社の2025年3月期から2030年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第4四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,996円から3,135円までと算定しております。なお、割引率については、6.3%から7.3%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長法及びEXITマルチプル法を採用し、永久成長法では永久成長率を-0.5%から0.5%、EXITマルチプル法では企業価値に対するEBITDAの倍率を6.1倍から8.1倍としております。
DCF法による分析において前提とした財務予測値は以下のとおりであり、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないものの、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。2025年3月期においては、複合施設の設備投資の減少及び運転資本の増加幅の減少により、同事業年度のフリー・キャッシュ・フローについては、前年度から11,551百万円の増加を見込んでおります。
また、本取引の実行により実現することが期待される相乗効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味しておらず、これを算定の基礎としたみずほ証券による算定にも盛り込まれておりません。なお、当該財務予測については、本特別委員会が、その内容及び作成経緯等について当社との間で質疑応答を行い、当社の少数株主の利益に照らして不合理な点がないことを確認しております。
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(単位:百万円) |
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2025年3月期 (3ヶ月) |
2026年3月期 |
2027年3月期 |
2028年3月期 |
2029年3月期 |
2030年3月期 |
|
売上高 |
42,457 |
167,000 |
169,000 |
172,500 |
177,000 |
180,000 |
|
営業利益 |
2,480 |
9,400 |
10,100 |
10,800 |
12,000 |
13,000 |
|
EBITDA |
3,850 |
13,538 |
13,835 |
14,328 |
15,400 |
16,220 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
▲1,228 |
4,760 |
5,747 |
4,204 |
5,251 |
6,121 |
みずほ証券は、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの情報等がすべて正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて当社及びその関係会社の財務予測その他の将来に関する情報(将来の収益及び費用に関する予想、費用節減の見通し並びに事業計画を含みます。)については、当社の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に準備又は作成されたことを前提としており、独自にそれらの実現可能性の検証を行っておりません。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(金融派生商品、簿外資産及び負債その他の偶発債務を含みます。)又は引当について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自の評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。みずほ証券の算定は、2025年5月13日までにみずほ証券が入手した情報及び経済条件(ただし、財務情報については、2024年12月末(第3四半期)まで)を反映したものです。なお、みずほ証券の算定は、当社取締役会が本公開買付価格を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
本特別委員会は、本諮問事項の検討を行うにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自の第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対し、当社株式の価値算定及び付随する財務分析、並びに本公開買付価格の公正性に関する意見(本フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2025年5月13日付で、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンを取得いたしました。
プルータス・コンサルティングは、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、複数の第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、プルータス・コンサルティングを独自の第三者算定機関として選任しております。また、本取引に係るプルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
(ⅱ)算定の概要
プルータス・コンサルティングは、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社の市場株価の動向を勘案した市場株価法、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析及び株式価値の算定を行い、本特別委員会は、2025年5月13日付でプルータス・コンサルティングより本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンを取得しました。
上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :1,845円から2,169円
類似会社比較法:2,222円から2,961円
DCF法 :2,097円から2,821円
市場株価法では、2025年5月13日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における基準日の終値2,169円、直近1ヶ月間(2025年4月14日から2025年5月13日まで)の終値単純平均値1,990円、直近3ヶ月間(2025年2月14日から2025年5月13日まで)の終値単純平均値1,926円及び直近6ヶ月間(2024年11月14日から2025年5月13日まで)の終値単純平均値1,845円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,845円~2,169円と算定しております。
類似会社比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として、東亜道路工業株式会社、世紀東急工業株式会社、ニチレキグループ株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBIT及びEBITDAの倍率を用いて算定を行い、当社株式の1株当たりの価値の範囲を2,222円~2,961円までと算定しております。
DCF法では、本事業計画を基に、2025年3月期から2030年3月期までの本事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第4四半期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を2,097円~2,821円までと算定しております。なお、割引率は7.7%~10.8%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率法及び倍率法を採用しております。永久成長率は0%とし、倍率はEBIT及びEBITDAの倍率を採用し、それぞれ8.3倍及び6.0倍として株式価値を算定しております。
DCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりであり、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりませんが、フリー・キャッシュ・フローについては大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には2027年3月期においては運転資本が増加、2028年3月期においては運転資本が減少及び設備投資額が増加、2029年3月期においては設備投資額が減少することにより、各事業年度でフリー・キャッシュ・フローについては大幅な増減を見込んでおります。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストの削減効果を除き、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味しておりません。
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(単位:百万円) |
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|
2025年3月期 (3ヶ月) |
2026年3月期 |
2027年3月期 |
2028年3月期 |
2029年3月期 |
2030年3月期 |
|
売上高 |
42,457 |
167,000 |
169,000 |
172,500 |
177,000 |
180,000 |
|
営業利益 |
2,480 |
9,400 |
10,100 |
10,800 |
12,000 |
13,000 |
|
EBITDA |
3,850 |
13,576 |
13,873 |
14,366 |
15,438 |
16,258 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
▲950 |
4,823 |
2,749 |
3,997 |
5,752 |
5,686 |
(ⅲ)本フェアネス・オピニオンの概要
本特別委員会は、2025年5月13日付で、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり2,520円が当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得しております。本フェアネス・オピニオンは、本事業計画に基づく当社株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり2,520円が、当社の一般株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオンは、プルータス・コンサルティングが、当社から、当社グループの事業の現状、事業見通し等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社株式の価値算定結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータス・コンサルティングが必要と認めた範囲内での当社グループの事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータス・コンサルティングにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております。
(注) プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオンを作成するに当たって当社から提供を受けた基礎資料及び一般に公開されている資料、並びに当社から聴取した情報が正確かつ完全であることを前提としており、また、その正確性、完全性について、独自の調査、検証を実施しておらず、その義務を負うものではないため、これらの資料の不備や重要事実の不開示に起因する責任を負いません。
プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた本事業計画その他の資料が、当該資料の作成時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としており、その実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明するものではありません。
プルータス・コンサルティングは、法律、会計又は税務の専門機関ではないため、本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものではありません。
プルータス・コンサルティングは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提出も受けていないため、当社及びその関係会社の支払能力についての評価も行っておりません。
本フェアネス・オピニオンは、当社が本公開買付けに関する意見を表明するに際しての検討に供する目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものであるため、本公開買付けの代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本公開買付けの実施によりもたらされる便益、及び本公開買付け実行の是非について、何らの意見を述べるものではありません。
本フェアネス・オピニオンは、当社の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見も述べるものではないため、プルータス・コンサルティングは本フェアネス・オピニオンに依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負いません。
プルータス・コンサルティングは、当社への投資等を勧誘するものではなく、その権限も有していないため、本フェアネス・オピニオンは株主の皆様に対して本公開買付けに関する応募その他のいかなる行動も推奨するものでありません。
本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が当社の一般株主にとって財務的見地から公正か否かについて、本フェアネス・オピニオンの提出日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、同日までにプルータス・コンサルティングに供され又はプルータス・コンサルティングが入手した情報に基づいて同日時点における意見を述べたものであり、今後の状況の変化によりこれらの前提が変化しても、プルータス・コンサルティングはその意見を修正、変更又は補足する義務を負いません。
本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではありません。
③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、公開買付者のフィナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。
なお、野村證券は公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
(ⅱ)算定の概要
野村證券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、市場株価が存在することから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社株式の価値の算定を行い、公開買付者は、野村證券から2025年5月13日付で株式価値算定書(以下「本買付者側株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです(注)。
なお、公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の諸要素を総合的に考慮し、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
野村證券により上記各手法において算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価平均法:1,845円から2,169円
類似会社比較法:1,987円から3,065円
DCF法 :1,851円から3,021円
市場株価平均法では、2025年5月13日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値2,169円、直近5営業日の終値単純平均値2,086円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,990円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,926円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,845円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,845円から2,169円と算定しているとのことです。
類似会社比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,987円から3,065円までと算定しているとのことです。
DCF法では、当社より受領し、公開買付者による確認の上、野村證券に提供された2025年3月期から2030年3月期までの6期分の事業計画(当社から受領した事業計画にフリー・キャッシュ・フローは含まれていないとのことです。)における収益や投資計画、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した2025年3月期第4四半期以降の当社の将来の収益予想に基づき、当社が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,851円から3,021円と算定しているとのことです。なお、野村證券がDCF法の前提とした本事業計画について、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度は含まれていないとのことです。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味されていないとのことです。
公開買付者は、野村證券から取得した本買付者側株式価値算定書における当社の株式価値の算定結果に加え、2025年3月上旬から同年4月上旬まで実施した当社グループに対するデュー・ディリジェンスの結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2025年5月13日、本公開買付価格を2,520円と決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である2,520円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年5月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,169円に対して16.18%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,990円に対して26.63%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,926円に対して30.84%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,845円に対して36.59%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。また、本公開買付価格である2,520円は、本書提出日の前営業日である2025年5月14日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,459円に対して2.48%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
公開買付者は、2022年公開買付けにより、当社株式2,220,200株(本株式分割後ベース:11,101,000株)(当時所有割合:25.26%)を1株当たり10,000円(本株式分割後ベース:2,000円)で取得しているとのことです。本株式分割後ベースの当該取得価格2,000円と本公開買付価格2,520円との間に520円の差異が生じているものの、これは、当該取得価格は、2022年公開買付けの公表日の前営業日である2022年2月8日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値8,390円(本株式分割後ベース:1,678円)に対して19.19%のプレミアムを加えた金額であるのに対し、本公開買付価格は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年5月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,169円に対して16.18%のプレミアムを加えた金額であり、また、2025年5月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,169円が、2022年2月8日の東京証券取引所市場第一部における本株式分割後ベースの当社株式の終値1,678円より29.26%上昇していることによるものであるとのことです。
(注) 野村證券は、当社の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、公開買付者の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は、2025年5月13日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものとのことです。なお、野村證券の算定は、公開買付者の取締役会が当社の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実行された場合には、東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式の上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、当社の株主を公開買付者のみとすることを目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式売渡請求
本公開買付けの成立により、公開買付者が、合計で当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至り、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式のすべてを売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。本株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を本売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して本株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社がその取締役会の決議により本株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、本売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式売渡請求において定めた取得日をもって、本売渡株主が所有する当社株式のすべてを取得するとのことです。そして、公開買付者は、本売渡株主に対し、本売渡株主の所有していた当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。
なお、当社は、公開買付者より本株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、取締役会において、本株式売渡請求を承認する予定です。
上記手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の手続として、本株式売渡請求がなされた場合には、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、本売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、かかる申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者が、合計で当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかった場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第180条に基づき、当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2025年9月を目途に開催することを当社に要請する予定とのことです。なお、本書提出日現在、当社は、公開買付者からこれらの要請を受けた場合には、これらの要請に応じ本臨時株主総会を開催する予定です。また、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより、株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定めに従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。公開買付者は、当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを、当社に要請する予定とのことです。また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者のみが当社株式のすべて(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することを企図し、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう当社に要請する予定とのことです。なお、当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
また、本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした規定として、本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるもののすべてを公正な価格で買い取ることを請求できる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められています。当該申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があるとのことです。ただし、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
公開買付者及び当社は、当社が公開買付者の連結子会社であるため、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と当社の少数株主との間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本公開買付けを含む本取引に関する意思決定の過程における恣意性を排除し、利益相反を回避する観点から、以下の措置を実施しております。
なお、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本書提出日現在、当社株式を22,018,000株(所有割合:50.11%)所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の①ないし⑩の措置を講じていることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。また、本特別委員会は、本答申書において、他の公正性担保措置が十分に講じられていると解されること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、適切な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではないと考えられる旨判断しており、当社としても同様に判断しております。
また、以下の記載のうち公開買付者において実施した措置等については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、2025年5月13日付で野村證券から、当社の株式価値の算定結果に関する買付者株式価値算定書を取得しているとのことです。詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、下記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者グループ及び当社グループから独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券を選任し、当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2025年5月13日付で本株式価値算定書(みずほ証券)を取得しております。なお、本株式価値算定書(みずほ証券)の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付者から本取引の実施に向けた検討を開始した旨の通知を受けた2025年1月9日以降、同年2月13日及び17日に、本特別委員会の設置に先立ち、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、外苑法律事務所の助言も得つつ、その時点の当社の独立社外取締役を含む取締役及び監査役の全員に対して、公開買付者から本公開買付けを通じた公開買付者による当社の完全子会社化への協議を申し入れること並びに本取引に係るシナジー、スキーム及びスケジュールを記載した意向表明書を受領した旨、並びに本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を説明いたしました。また、当社は、並行して、外苑法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる当社の独立社外取締役の独立性及び適格性等についても確認を行いました。その上で、当社は、公開買付者グループ及び当社グループからの独立性を有すること(森村望氏、松本拓生氏及び小棹ふみ子氏と公開買付者グループ又は当社グループとの間に重要な利害関係は存在しないことを確認しております。)、及び本取引の成否に関して少数株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、外苑法律事務所の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、TOTO株式会社における代表取締役副社長執行役員としての豊富な経験・見識及び事業経営に関して相当の知見を有する森村望氏(当社独立社外取締役)、弁護士としての豊富な経験・幅広い見識を有する松本拓生氏(当社独立社外取締役)、税理士としての豊富な経験を有し、ガバナンス等に関する知見を有している小棹ふみ子氏(当社独立社外取締役)の3名を本特別委員会の委員の候補として選定いたしました(なお、本特別委員会の委員長には、委員の互選により森村望氏が就任しており、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。その上で、当社は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」に記載のとおり、2025年2月21日開催の取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会を当社取締役会から独立した合議体として位置付け、本取引に関する意思決定を行うに際して、(ⅰ)当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとすること、及び(ⅱ)本特別委員会が本取引に関する取引条件が妥当でないと判断した時には、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から、本取引の検討及び判断に必要な情報の提供を求めること、(ⅱ)必要に応じ、財務若しくは法務等に関する本特別委員会独自のアドバイザーを選任し(この場合の費用は当社が負担します。)、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名若しくは承認する(事後承認を含みます。)こと(なお、本特別委員会は、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求めることができます。)、(ⅲ)本取引の取引条件等に関する当社による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、本特別委員会が必要と認める場合には、自ら直接本取引の取引条件等の協議及び交渉を行うこと、及び(ⅳ)その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項について権限を付与すること等を決議しております。
なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2025年2月21日から2025年5月13日までの間に合計12回、合計約14時間にわたって開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メールやWeb会議を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行うなどして、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。
具体的には、本特別委員会は、まず、その独立性及び専門性・実績等を検討の上、2025年3月5日、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自の第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任する旨を決定いたしました。
また、本特別委員会は、当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券並びに当社のリーガル・アドバイザーである外苑法律事務所について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認するとともに、本特別委員会としても、必要に応じてこれらのアドバイザーから専門的助言を受けることに異議がないことを確認しております。
さらに、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)について、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認しております。
その上で、本特別委員会は、TMI総合法律事務所から受けた法的助言及び外苑法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行いました。
本特別委員会は、公開買付者に対して、本取引の提案の背景、本取引の目的、本取引の想定ストラクチャー、本取引後の当社の経営方針、本取引における公正性担保措置、その他本公開買付けの諸条件等について、書面による質問を送付し、これらの事項について、書面での回答を受領するとともに、本特別委員会において公開買付者から直接説明を受け、質疑応答を行っております。詳細は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」をご参照ください。
本特別委員会は、当社執行陣に対して、2025年3月25日付で、本取引の背景・目的やシナジーについて書面による質問をしたところ、同年3月28日に、当社執行陣から当該質問事項について書面による回答を受けました。また、2025年3月31日開催の本特別委員会において、当社執行陣から当該質問事項について説明を受け、質疑応答を行っております。
加えて、公開買付者との交渉の基礎となり、また、みずほ証券及びプルータス・コンサルティングによる当社株式の価値評価の基礎ともなる本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について、当社から説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの合理性を確認し、承認しております。その上で、上記「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び下記「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、みずほ証券及びプルータス・コンサルティングは、本事業計画の内容を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、みずほ証券及びプルータス・コンサルティングから、それぞれが実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらについて合理性を確認しております。
また、下記「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、本特別委員会はプルータス・コンサルティングから本フェアネス・オピニオンの提出を受けておりますが、本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから、本フェアネス・オピニオンの発行手続等について説明を受け、質疑応答を行っております。
本特別委員会は、2025年4月8日に当社が公開買付者から最初の本公開買付価格の提案を受領して以降、当社が公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領する都度、当社のフィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券から適時にその内容及び交渉経過等について報告を受け、みずほ証券から受けた助言も踏まえてその内容を審議・検討するとともに、みずほ証券から公開買付者との交渉方針案及び公開買付者に対する回答書案について事前に説明を受け、必要に応じて意見を述べ、質疑応答を行った上で承認し、公開買付者との交渉を担当するみずほ証券に対して指示・要請を行う等しております。
本特別委員会は、本プレスリリース等のドラフトについて、本特別委員会のリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所の助言等を受けつつ、当社のリーガル・アドバイザーである外苑法律事務所及び当社のフィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券から説明を受け、質疑応答を行い、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、TMI総合法律事務所から受けた法的助言、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言、2025年5月13日付で提出を受けた本株式価値算定書(みずほ証券)並びに2025年5月13日付で提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。
(a)答申内容
ⅰ 本取引は当社の企業価値向上に資すると認められ、本取引の目的は合理的である。
ⅱ 本取引においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続は公正である。
ⅲ 本公開買付けにおける買付け等の価格も含め、本取引の条件は公正でありかつ妥当である。
ⅳ 上記ⅰ乃至ⅲを踏まえ、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものでなく、当社の一般株主にとって公正であるといえる。
ⅴ 上記ⅰ乃至ⅳを踏まえ、当社の取締役会が本公開買付けに対して賛同表明をすること及び当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行うことについては、首肯できる。
(b)答申理由
ⅰ 以下の点より、本取引は当社の企業価値の向上に資することを企図するものであると認められ、本取引の目的は合理的であると判断するに至った。
・本特別委員会は、当社を巡る経営環境その他の事項を踏まえた本取引の目的の具体的な内容の当否・合理性、本取引が当社の従業員や取引先等に与える影響、及びこれらを踏まえた当社の企業価値向上の可能性等について、詳細な検討を実施した。具体的には、現在の当社が置かれた経営環境の中、公開買付者グループがいかなる企業価値向上の施策案を構想し、それがどの程度具体的で実践的か、それを実行に移すために本取引を実施する必要性はあるのか、本取引の実施が当社の事業上どのようなメリットをもたらし、他方でデメリットの有無、程度はどのように想定されるか等を含めて、総合的に検証を行った。その結果、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び「④ 当社における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」に記載の当社及び公開買付者が想定している本公開買付けを含む本取引の意義及び目的には、特に不合理な点はなく、合理的な検討の結果と認められることから、本取引は当社の企業価値向上を目的として行われるものといえ、当社が想定している各施策を実現する必要があるとの当社の判断に特段不合理な点は認められないと判断するに至った。
・また、公開買付者及び当社との質疑応答の内容等を踏まえると、公開買付者は当社の経営の独立性を尊重する方針であり、また、公開買付者が本取引を通じて当社を完全子会社化することによって、特に以下のとおり、当社が公開買付者の連結子会社に留まる場合には実現することが困難であったシナジー及びメリットが期待できる一方、上場を維持する必要性及び非上場化によるデメリットは限定的であると考えるに至った。
a 当社の事業環境として、長期的な政府による建設関係投資動向の見通しが困難な状況にあるため、官庁工事だけでなく民間工事の受注も拡大する必要があるところ、公開買付者の完全子会社となることにより、見積精度の向上、共同購買網の構築による取引対価の低減、共同技術開発による生産性向上などが見込まれ、これらにより民間工事の更なる受注確保が期待できること。
b 道路舗装業界は、上場会社としての社会的な信用力や知名度よりも、地域のつながりを維持した働き方を目指して就職する者が多いため、当社株式の非公開化による人材確保のデメリットは限定的である一方、本取引により、公開買付者グループとしてのブランドを活かしたグループ全体での採用活動の強化により、更なる人材確保が期待できること。
c 上場維持コストの削減により、経営資源の更なる有効活用を図ることも可能になると考えられること。
d 一般的には当社株式の非公開化を理由に既存の取引関係が損なわれる可能性が考えられるものの、当社は既に公開買付者の連結子会社として取引先に認識されており、実際に公開買付者以外の取引先との間でも十分な取引関係を構築しているため、公開買付者の完全子会社となることにより既存の取引関係が損なわれる可能性は限定的であること。
e 一般的には当社株式の非公開化により、当社従業員のモチベーションの低下等の可能性が考えられるものの、本取引後も当社の社名は変更されず、公開買付者は当社の経営の独立性を尊重する方針であることからすれば、当社従業員のモチベーションの維持は十分に可能と考えられること。
f 一般的には当社株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなる可能性が考えられるものの、当社は従来、エクイティ・ファイナンスによる資金調達を行っておらず、今後もその必要性は見込まれないこと。
g 当社の社会的な信用力及び知名度は事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きいこと等を踏まえると、上場を維持する必要性及び非上場化によるデメリットは限定的であると考えられること。
ⅱ 以下の点より、本取引においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続は公正であると判断するに至った。
(ア)特別委員会の設置
・当社は、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、森村望氏(当社独立社外取締役)、松本拓生氏(当社独立社外取締役)及び小棹ふみ子氏(当社独立社外取締役)の3名から構成される本特別委員会を設置している。
・当社は、本取引に係る決定を行うに際しては、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の条件について妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすることとしている。なお、本特別委員会の委員は、設置当初から変更されていない。また、本特別委員会の各委員の報酬は、答申内容にかかわらず支給される固定金額のみとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用していない。
(イ)当社による検討方法
・当社が本取引について検討するにあたっては、公開買付者グループ及び当社グループから独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券及びリーガル・アドバイザーである外苑法律事務所から助言・意見等を得ながら、当社の企業価値向上及び株主共同の利益の観点から、本公開買付価格をはじめとする本公開買付けの買付条件の妥当性及び本取引の一連の手続の公正性といった点について慎重に検討及び協議を行っている。
・本特別委員会は、みずほ証券及び外苑法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認し、当社のフィナンシャル・アドバイザー、第三者算定機関及びリーガル・アドバイザーとして承認している。
・本特別委員会は、本特別委員会独自の第三者算定機関であるプルータス・コンサルティング及びリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所より助言・意見等を得ている。
(ウ)当社による協議・交渉
・当社は、本特別委員会から事前に助言を受けた交渉方針に従い、また、当社のフィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券及びリーガル・アドバイザーである外苑法律事務所の専門的な助言を受けながら、本公開買付価格について、少数株主の利益保護の観点からその公正性を確保するための実質的な協議・交渉を公開買付者グループとの間で複数回にわたって行っている。具体的には、当社はみずほ証券を通じて、複数回にわたり本特別委員会での質疑応答及び意見交換の内容を尊重した上で、公開買付者のフィナンシャル・アドバイザーである野村證券を介して価格交渉を実施した。その交渉の結果として、1株当たり2,520円という本公開買付価格の決定に至るまでには、当社株式1株当たり2,200円とする公開買付者の当初の提案より、合計で320円の価格引上げを引き出している。
(エ)特別委員会における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得
・本特別委員会は、本取引に関し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するための措置の一環として、公開買付者グループ及び当社グループから独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、同事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けている。
・TMI総合法律事務所は、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していない。
(オ)当社における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得
・当社は、本取引に関し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するための措置の一環として、公開買付者グループ及び当社グループから独立したリーガル・アドバイザーとして外苑法律事務所を選任し、同事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けている。
・外苑法律事務所は、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していない。
(カ)取引保護条項の不存在
・当社及び公開買付者は、当社が公開買付者以外の買収提案者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮している。
(キ)本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
・公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日に設定している。公開買付期間を法定の最短期間より長期に設定することにより、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも当社株式の買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図している。
(ク)適切な情報開示
・本取引においては、本公開買付けが成立した場合に、その後に実施される予定の本スクイーズアウト手続について、公開買付者が提出する公開買付届出書、当社が公表するプレスリリース等において、十分な開示がなされることが予定されている。
・本公開買付け後に本スクイーズアウト手続を行う場合、本公開買付けに応募しなかった当社の株主に交付される金銭の額が、株式売渡請求の場合においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を交付することを定める予定である旨が、株式併合の場合においては、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう株式併合により生じる端数の合計数の売却代金が算定される予定である旨が、プレスリリース等で明示される予定であると認められ、本公開買付けに応募することの強圧性が低減される適切な措置が採られているといえる。
(ケ)マジョリティ・オブ・マイノリティ条件
・本取引においては、公開買付者は、本書提出日現在、当社株式を22,018,000株(所有割合:50.11%)所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の一般株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定されていない。もっとも、その他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置が十分に講じられていると解されることに鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、適切な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではない。
(コ)交渉過程の手続の公正性
・本公開買付けを含む本取引に係る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本公開買付価格は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであると認められる。また、実際に、交渉の結果として、当社株式1株当たり2,200円とする公開買付者の当初の提案より、合計で320円の価格引上げを引き出している。
ⅲ 以下の点より、本公開買付けにおける買付け等の価格も含め、本取引の条件は公正でありかつ妥当であると判断するに至った。
(ア)みずほ証券による株式価値算定書
・本株式価値算定書(みずほ証券)によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価基準法によると1,845円から2,169円、類似企業比較法によると2,491円から3,099円、DCF法によると1,996円から3,135円とされているところ、本公開買付価格である2,520円は、市場株価基準法による算定結果の上限値を上回るとともに、類似企業比較法及びDCF法による算定結果の範囲内の金額である。
・本特別委員会は、みずほ証券から株式価値算定に用いられた算定方法等について、みずほ証券及び当社から、評価手法の選択、DCF法による算定の基礎となる当社の事業計画の作成方法・作成過程及び内容、割引率の算定根拠等について説明を受けるとともに、質疑応答を行った上で検討した結果、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。
(イ)プルータス・コンサルティングによる株式価値算定書及びフェアネス・オピニオン
・本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると1,845円から2,169円、類似会社比較法によると2,222円から2,961円、DCF法によると2,097円から2,821円とされているところ、本公開買付価格である2,520円は、市場株価法による算定結果の上限値を上回るとともに、類似会社比較法による算定結果の範囲内であり、また、DCF法による算定結果の中央値を超える金額である。
・本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから株式価値算定に用いられた算定方法等について、プルータス・コンサルティング及び当社から、評価手法の選択、DCF法による算定の基礎となる当社の事業計画の作成方法・作成過程及び内容、割引率の算定根拠等について説明を受けるとともに、質疑応答を行った上で検討した結果、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。
・本特別委員会がプルータス・コンサルティングから取得した本フェアネス・オピニオンによれば、当社が作成した事業計画に基づく当社株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり2,520円が、当社の一般株主にとって財務的見地から公正であるとされている。
(ウ)類似事例とのプレミアム水準の比較等
・本公開買付価格は、当社株式の2025年5月13日の東京証券取引所プライム市場における終値2,169円に対して16.18%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)において同様とする。)、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,990円に対して26.63%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,926円に対して30.84%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,845円に対して36.59%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であって、そのプレミアムは類似案件75件(経済産業省によって「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日以降の支配株主による完全子会社化を意図した公開買付け事例(ただし、MBO事例、TOB後に少数株主排除措置を行わない事例、2段階TOB事例を除く。))(公表の前営業日を基準日として、同日の終値並びに同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるそれぞれのプレミアム率の中央値(それぞれ、41.40%、43.00%、40.00%、38.77%)と比較した場合、いずれも下回る水準にある。もっとも、プレミアム水準の評価については、次のようなことを考慮すべきであると考えられる。(ⅰ)①当社の株価変動率は、直近1ヶ月間において12.97%であるところ、その直前の6ヶ月間(2024年10月から2025年3月まで)における当社の月ごとの株価変動率の平均値は6.80%であるため、直近1ヶ月の株価変動率は非常に高いといえる。また、②公表日直前の4営業日の間において当社の市場株価は9.82%急激に上昇しているところ、当該期間の市場における当社株式の取引数量は1日平均187,225株である。これに対し、当社の直近1年間の1日当たりの取引数量の平均は60,129株であることから、公表日直前の4営業日において市場における取引数量が大幅に増加しており、この期間に当社が新たに適時開示を行った情報はないことからすると、当該期間において何らかの投機的な思惑により通常の取引数量を超える取引が行われ、それにより当社の市場株価が急激に上昇したことが合理的に推測される。上記①②からすれば、短期的な市場株価、特に、公表日の前営業日における市場株価や直近1ヶ月平均の市場株価や、当該水準の影響が反映されやすい3ヶ月平均の市場株価との比較を過度に重視すべきではなく、より長期の指標である過去6ヶ月間の終値単純平均値との比較を重視することが適切であると考えられる。そして、類似案件における過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるプレミアム率の中央値は38.77%であるのに対して、本公開買付価格は直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,845円に対して36.59%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であるところ、その乖離幅(2.18%)は小さいと言える。(ⅱ)①日経平均株価及び当社株式は2025年4月7日以降大きく上昇しているところ、(具体的には、日経平均株価は、2025年4月7日の終値(31,136円)と公表の前営業日の2025年5月13日の終値(38,183円)の比較で7,047円(22.63%)、当社株式は2025年4月7日の終値(1,780円)と公表の前営業日の2025年5月13日の終値(2,169円)の比較で389円(21.85%)の上昇が認められる)、②新聞等で報道されているところによれば、当該株価の上昇は米国において相互関税を導入すること及びその後の停止の公表の影響を受けたものである可能性が高いと考えられる。そして、③2025年4月7日以降当社が新たに適時開示を行った情報はなく、当該当社株式の株価変動は少なくとも当社の特定の公表を反映したものではないことを考慮すると、当社株式の公表の前営業日時点の株価や過去1ヶ月間の数値については、上記の相互関税に関連する公表の影響を受けた一時的なものである可能性がある。そこで、かかる株価上昇の直前の営業日である2025年4月4日を基準日としたプレミアム率も参照すると、同日の終値並びに同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるそれぞれのプレミアム率はそれぞれ、39.23%、32.49%、35.48%、41.97%であり、過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるプレミアム率は類似案件における過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるプレミアム率の中央値を上回っている。以上のことから、本公開買付価格には上記の類似案件と比較して遜色のないプレミアムが付されていると考えられる。
(エ)本公開買付け後の手続の合理性
・本公開買付けに応募しなかった少数株主は、本公開買付けの後に実施される予定の本スクイーズアウト手続において、最終的に金銭が交付されることになるところ、当該手続において交付される金銭の額については、本公開買付価格に株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定である旨が、プレスリリース等で明示される予定であると認められる。
ⅳ 上記ⅰ乃至ⅲまでにおいて検討した諸事項以外の点に関して、本特別委員会において、本公開買付けを含む本取引が当社の少数株主にとって不利益なものであると考えられる事情は特段見当たらず、したがって当社の取締役会が、本公開買付けへの賛同意見の表明及び当社の株主に対して応募推奨することを含め、本取引の実施を決定することは当社の少数株主にとって公正であると判断するに至った。
ⅴ 上記ⅰ乃至ⅳを踏まえ、当社の取締役会が本公開買付けに対して賛同表明をすること及び当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行うことについては、首肯できる。
④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
本特別委員会は、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者グループ及び当社グループから独立した第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任し、2025年5月13日付で本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)を取得しております。また、本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり2,520円が当社株式の株主(公開買付者及び当社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得しております。本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。
なお、プルータス・コンサルティングは、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、プルータス・コンサルティングの報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
⑤ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言
上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本取引に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、TMI総合法律事務所は、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、TMI総合法律事務所の報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
⑥ 当社における独立した法律事務所からの助言
上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、公開買付者グループ及び当社グループから独立したリーガル・アドバイザーとして外苑法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、外苑法律事務所は、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、外苑法律事務所の報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
⑦ 当社における独立した検討体制の構築
当社は、当社グループ以外の公開買付者グループから独立した立場で、本取引に関する検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、2025年1月9日に、公開買付者から本取引に関する初期的な意向を受けた時点以降、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び当社株式の価値評価の基礎となる本事業計画の作成過程において、役職員17名(河西俊彦氏、長田浩二氏及び海保稔氏並びに職員14名)からなる検討チームを立ち上げ、それ以降、当該検討チームが、本特別委員会とともに、当社と公開買付者との間の本取引に係る取引条件に関する交渉過程及び当社株式の価値評価の基礎となる本事業計画の作成過程に関与してきたとのことです。なお、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、岸洋平氏を含む現に当社グループ以外の公開買付者グループ各社の役職員を兼任する当社の役職員や、兵藤政和氏を含む過去10年間において当社グループ以外の公開買付者グループ各社の役職員であった当社の役職員は関与させておりません。
当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)は外苑法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性・公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ております。
⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社取締役会は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」に記載のとおり、外苑法律事務所から受けた法的助言、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言及び本株式価値算定書(みずほ証券)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」の「(ⅲ)判断内容」に記載のとおり、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年5月14日開催の当社取締役会において、当社の取締役8名のうち、兵藤政和氏を除き、審議及び決議に参加した当社の取締役7名の全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
上記2025年5月14日開催の当社取締役会においては、兵藤政和氏を除く7名の取締役において審議の上、全員一致により上記の決議を行っております。兵藤政和氏は2023年3月まで公開買付者の執行役員を務めていたことに鑑み、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記2025年5月14日開催の当社取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。
また、上記2025年5月14日開催の当社取締役会においては、岸洋平氏を除く出席した監査役4名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べております。岸洋平氏は、公開買付者グループである清水建設不動産投資顧問株式会社の非常勤監査役を兼務していることに鑑み、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記2025年5月14日開催の当社取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には参加しておらず、これらの取締役会の決議に際して意見を述べることを差し控えております。
⑨ 取引保護条項の不存在
当社及び公開買付者は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
⑩ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、上記「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ア)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社株式のすべての本株式売渡請求をすること又は本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して、株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用しないこと、(イ)本株式売渡請求又は本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかにしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日としているとのことです。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間よりも長期間に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも当社株式の買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。
(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項
該当事項はありません。
|
氏名 |
役名 |
職名 |
所有株式数(株) |
議決権の数(個) |
|
石井 敏行 |
代表取締役 |
執行役員社長 |
22,850 |
228 |
|
兵藤 政和 |
代表取締役 |
専務執行役員 管理本部長 |
5,974 |
59 |
|
伊藤 馨 |
取締役 |
常務執行役員 営業本部長兼 建築担当 |
20,387 |
203 |
|
河西 俊彦 |
取締役 |
常務執行役員 経営推進本部長 |
14,380 |
143 |
|
髙杉 丈之 |
取締役 |
専務執行役員 生産技術本部長兼 安全環境品質・設計担当 |
12,324 |
123 |
|
松本 拓生 |
取締役 |
|
|
|
|
森村 望 |
取締役 |
|
|
|
|
小棹 ふみ子 |
取締役 |
|
|
|
|
楠田 靖紀 |
監査役 |
|
15,824 |
158 |
|
佐久間 一隆 |
監査役 |
|
4,714 |
47 |
|
山森 裕一 |
監査役 |
|
|
|
|
岸 洋平 |
監査役 |
|
|
|
|
関根 博 |
監査役 |
|
|
|
|
計 |
- |
- |
96,453 |
961 |
(注1) 役名、職名、所有株式数、議決権の数は、本書提出日現在のものであります。
(注2) 取締役松本拓生、森村望、小棹ふみ子は、会社法第2条第15号に定める社外取締役であります。
(注3) 監査役山森裕一、岸洋平、関根博は、会社法第2条第16号に定める社外監査役であります。
(注4) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社の役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切り捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めております。