当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間(令和6年10月1日~令和7年3月31日)におきましては、わが国の景気は米国の通商政策等による不透明感も見られるものの緩やかに回復してまいりました。但し、物価上昇の継続や米国の政策動向等の影響がわが国の景気を下押しするリスクとなっております。
情報通信業界におきましては、企業のソフトウエア投資は増加が続いており、情報サービス業及びインターネット附随サービス業の売上高についても前年同中間期(令和5年10月1日~令和6年3月31日)と比べ増加傾向となっております。また、1世帯当たりのインターネットを利用した支出についても増加となりました。このような中、生成AIを始めとするAI技術の高度化・実用化の進展等、情報通信に関する市場環境の変化は更に加速してまいりました。また、位置や移動に関するサービスの領域におきましても、「MaaS(Mobility as a Service)」(サービスとしての移動)や「スマートシティ」の流れが進展してまいりました。加えて、現状では訪日旅行者の増加等を含め人々の移動需要の回復は続いており、今後の更なる増加にも期待を持てる状況となっております。
当社グループにおきましても、この市場環境の変化に対応した事業展開のための基盤整備に取り組んでおり、「乗換案内」の各種インターネットサービスは多くの方々に広くご利用いただくに至っております。また、「MaaS」関連の新たな事業展開に向け、関連分野における研究開発活動にも取り組んでおります。
このような環境の中で、当中間連結会計期間における当社グループの売上高は1,483,233千円(前年同中間期比9.3%減)、営業利益は45,344千円(前年同中間期は52,765円の損失)、経常利益は212,426千円(前年同中間期比624.9%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は165,397千円(前年同中間期比13,521.6%増)という経営成績となりました。
売上高につきましては、乗換案内事業セグメントの売上高が減少したこと等により、全体として前年同中間期と比べ減少いたしました。営業損益につきましては、乗換案内事業セグメント及びハードウエア事業セグメントにおける営業費用の減少等の影響が大きく、前年同中間期と比べ大幅に改善し、黒字化に至りました。経常損益及び親会社株主に帰属する中間純損益につきましては、営業損益の改善に加え、為替差益や助成金収入の増加等の影響もあり、前年同中間期と比べ大きく増加いたしました。
セグメント別の経営成績の状況は、次のとおりです。
乗換案内事業
乗換案内事業では、広告等の売上高が増加したものの、法人向けの事業における売上高が大きく減少したこと等により、セグメント全体の売上高は前年同中間期と比べ減少いたしました。一方で、法人向けの事業における売上原価の減少等の影響が大きく、セグメント全体の利益は大きく増加いたしました。
それらの結果、売上高1,258,225千円(前年同中間期比5.4%減)、セグメント利益188,073千円(前年同中間期比82.2%増)となりました。
マルチメディア事業
マルチメディア事業では、出版関連の売上高が減少したこと等により、セグメント全体の売上高は前年同中間期と比べ減少いたしました。一方で、費用削減に努めており、セグメント全体の損失は若干の増加にとどまりました。
それらの結果、売上高1,590千円(前年同中間期比82.2%減)、セグメント損失4,321千円(前年同中間期は3,213千円の損失)となりました。
ソフトウエア事業
ソフトウエア事業では、案件の受注・納品が順調に推移したこと等により、セグメント全体の売上高は前年同中間期と比べやや増加いたしました。一方で、今後の展開に向けた研究開発費の増加等の影響があり、セグメント全体の利益は減少いたしました。
それらの結果、売上高258,734千円(前年同中間期比6.8%増)、セグメント利益6,114千円(前年同中間期比84.3%減)となりました。
ハードウエア事業
ハードウエア事業では、前連結会計年度末から株式会社エアーズが連結の範囲から外れた影響等により、セグメント全体の売上高は前年同中間期と比べ減少いたしました。一方で、販売費及び一般管理費を中心に費用も大きく減少したため、セグメント全体の損益は大幅に改善し、黒字化に至りました。
それらの結果、売上高78,732千円(前年同中間期比16.5%減)、セグメント利益4,193千円(前年同中間期は46,431千円の損失)となりました。
その他
その他セグメントでは、前年同中間期と比べ、全体として大きな変動はありませんでした。
それらの結果、売上高5,594千円(前年同中間期比11.1%増)、セグメント損失2千円(前年同中間期は1,668千円の損失)となりました。
なお、上記のセグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高を相殺しておりません。また、セグメント利益又は損失は、中間連結損益計算書における営業損益をベースとしておりますが、各セグメントに配分していない全社費用及びセグメント間の内部取引費用の控除前の数値であり、合計は連結営業損益と一致しておりません。
当中間連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末(令和6年9月末)と比較しますと、資産は216,378千円増の5,512,832千円、負債は73,178千円増の946,845千円、純資産は143,200千円増の4,565,986千円となりました。
資産
資産は、流動資産につきましては、265,618千円増の4,042,322千円となりました。これは、その他が41,134千円減の157,997千円となった一方で、現金及び預金が228,415千円増の3,205,667千円、売掛金及び契約資産が98,783千円増の649,126千円となったこと等によるものです。その他の減少は、前払費用の減少等によるものです。現金及び預金の増加は、中間純利益の発生等によるものです。売掛金及び契約資産の増加は、多くの企業や自治体等の年度末となるため3月の売上高が増加すること等によるものです。
固定資産につきましては、49,239千円減の1,470,509千円となりました。これは、有形固定資産が26,968千円減の786,424千円、無形固定資産が117千円減の97,754千円、投資その他の資産が22,153千円減の586,330千円となったことによるものです。有形固定資産は、償却等による減少が進み、全体としてはやや減少いたしました。無形固定資産は、取得による増加と償却による減少が同程度となり、全体としては大きな金額の変動はありませんでした。投資その他の資産は、その他に含まれる長期前払費用の減少等により、やや減少いたしました。
負債
負債は、流動負債につきましては、77,120千円増の926,763千円となりました。これは、契約負債が52,577千円減の388,846千円、賞与引当金が20,093千円減の14,251千円となった一方で、買掛金が102,322千円増の352,486千円、未払法人税等が43,777千円増の59,233千円となったこと等によるものです。契約負債の減少は、期間の経過に伴い収益を認識するサービスについて3月が終了・更新月となっている契約が多く、3月に向けて契約負債が取り崩されていく傾向にあること等によるものです。賞与引当金の減少は、賞与の支払等によるものです。買掛金の増加は、3月の売上高の増加に対応して売上原価が増加すること等によるものです。未払法人税等の増加は、税金等調整前中間純利益の増加等によるものです。
固定負債につきましては、3,941千円減の20,082千円となりました。
純資産
純資産は、株主資本につきましては、134,793千円増の4,484,428千円となりました。これは、利益剰余金が134,793千円増の3,944,733千円となったことによるものです。利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する中間純利益が剰余金の配当を上回ったことによるものです。
その他の包括利益累計額につきましては、7,579千円増の62,281千円となりました。
非支配株主持分につきましては、827千円増の19,276千円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ228,415千円増の3,195,667千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは256,471千円の収入(前年同中間期は14,964千円の支出)となりました。
前年同中間期と比べての変動の要因は、売上債権及び契約資産の増加額が46,868千円増の98,174千円、為替差益が38,325千円増の49,375千円となった一方で、税金等調整前中間純利益が185,072千円増の211,475千円、契約負債の減少額が62,555千円減の52,559千円、法人税等の還付額が2,366千円(前年同中間期は支払額が38,480千円でその差40,847千円)となったこと等です。
売上債権及び契約資産の増加額が増えた主要因は、多くの企業や自治体等の年度末となる3月の売上高が順調に推移したことです。為替差益が増えた主要因は、為替の円安方向への変動幅が大きかったことです。税金等調整前中間純利益が増えた主要因は、営業利益が増加して黒字化に至ったことに加え、為替差益や助成金収入が増加したことです。契約負債の減少額が減った主要因は、法人向けの事業等における長期契約に係る前受金の受領が多かったことです。法人税等の還付額が増えた主要因は、前連結会計年度において税金等調整前当期純損失が発生していたことです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは46,708千円の支出(前年同中間期比7.7%減)となりました。
前年同中間期と比較すると、前年同中間期に無かった投資有価証券の取得による支出が10,560千円となった一方で、有形固定資産の取得による支出が17,649千円減の4,543千円となったこと等があり、全体として大きな変動とはなりませんでした。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは40,498千円の支出(前年同中間期比78.0%増)となりました。
前年同中間期と比べての変動の要因は、前年同中間期にあった短期借入れによる収入25,940千円が無くなったこと等です。
(4) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は96,651千円であります。
なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。