当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループが属する医療・健康産業においては、団塊の世代が全員75歳以上に達し医療・介護費の急増が懸念される、いわゆる2025年問題、さらに、団塊ジュニア世代が全員65歳以上に達することで高齢者数がピークを迎え、医療・介護費の負担の増加が拡大する2040年問題を抱えております。かかる展望を踏まえ、日本政府は健康寿命の延伸や社会保障制度の持続可能性の確保という問題に対して国を挙げて取り組むべく、健康・医療・介護分野それぞれのデータの有機的な連結や、ICT等の技術革新の利活用を推進し、効果的・効率的な医療・介護サービスの提供を目指す方針を示しております。また、データ収集の迅速化、収集範囲の拡充、医療のデジタル化による業務効率化やデータ共有を通じた医療の「見える化」等を推進していくことを表明しております。
製薬企業においては、医薬品市場の主力がプライマリー領域からスペシャリティ・希少疾患領域にシフトするとともに、医療従事者の働き方や情報入手のニーズが多様化する中、営業活動の生産性を向上させることが喫緊の課題として挙げられています。そのような中、製薬企業はウェブサイトやアプリ、ソーシャルネットワーク等、デジタルツールを活用した取り組みをより一層強化しております。そのため、リアルでのコミュニケーションとデジタルツールの活用を組み合わせた医療従事者にとって最適な情報提供を行うことが求められております。
当社グループは、長期事業目標を掲げるとともに、2027年9月期までの3か年を対象とする中期経営計画を作成し、この3年間を将来の成長基盤となる医師プラットフォーム及び医療機関支援プラットフォームを強化する「プラットフォーム強化期」と位置づけております。特に、医師集合知サービス「MedPeer」については、プラットフォームの再構築期と位置づけ、コンテンツへの投資や医師会員・患者基盤への投資を強化しております。
当社グループは2024年9月期に予防医療プラットフォーム事業からの撤退などを含む、「選択と集中」を推進するとともに、COVID-19関連プロジェクトが終了したことにより、グループ全体では減収減益となりますが、医師プラットフォーム事業を中心に、収益性の高いサービスの拡大とコストの適正化を図り、収益性の向上を推進しています。
このような環境の中、当社グループは、ミッションである「Supporting Doctors, Helping Patients.(医師を支援すること。そして患者を救うこと)」を実現すべく、医師集合知サービス「MedPeer」を活用した製薬企業・医療機器メーカー向けデジタルマーケティング支援サービスを提供する「医師プラットフォーム事業」、製薬企業向けのコントラクトMR/MSLサービスや製薬企業・医療機器メーカー向けのコンテンツ制作サービスを提供する「マーケティング支援事業」、医療機関や医療現場の業務効率化を支援する「医療機関支援プラットフォーム事業」を展開してまいりました。
この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高6,312,369千円(前年同期比19.6%減)、EBITDAは897,084千円(同21.6%減)、営業利益629,439千円(同24.7%減)、経常利益654,336千円(同21.3%減)、親会社株主に帰属する中間純利益426,732千円(同114.1%増)となりました。
※ EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
① 医師プラットフォーム事業
当中間連結会計期間において、医師プラットフォーム事業では、国内医師の約半数が利用する「MedPeer」上のコンテンツを充実させることにより、医師会員の活性度を向上する施策を展開してまいりました。また、製薬企業のマーケティング活動の主軸がプライマリ領域からスペシャリティ領域にシフトする中、デジタルマーケティングサービス自体も変革を求められております。そのような中、既存市場における当社の市場シェアは約8%であり、営業力の強化に加えて、商品価値の増加を図ることで、市場シェアを拡大していく方針であります。また、今後、新たな市場として注目されるスペシャリティ領域においても、医師の本音に最も近いプラットフォームという当社固有の強みを活かしたサービス開発をおこなうことで、さらなる成長を目指します。
これらの結果、売上高は1,955,508千円(同3.2%減)、EBITDAは980,366千円(同0.3%増)、セグメント利益は963,869千円(同0.4%減)となりました。
② マーケティング支援事業
当中間連結会計期間において、マーケティング支援事業では、デジタルマーケティングの上流から下流までを対象とした幅広いサービスを提供してまいりました。これにより、既存クライアントのみならず、新興バイオファーマや医療機器メーカー、医療機関などを中心に新規クライアントの獲得を推進しております。2024年1月から順次、COVID-19関連プロジェクトが終了したことで、当中間連結会計期間において、大きく減収する要因があったことにより、セグメント利益は減少しております。
これらの結果、売上高は4,142,256千円(同5.8%減)、EBITDAは621,727千円(同17.6%減)、セグメント利益393,423千円(同24.3%減)となりました。
③ 医療機関支援プラットフォーム事業
当中間連結会計期間において、医療機関支援プラットフォーム事業では、医療機関や薬局向けに多様な支援サービスを提供し、医療業界のデジタル化と効率化を推進してまいりました。主なサービスは、医療機関・薬局向け集患・業務支援サービス「やくばと」シリーズ及びかかりつけ薬局化支援サービス「kakari」であり、医療機関や薬局が利用するサービスを充実させるとともに、プラットフォームの構築に注力してまいりました。なお、2024年7月に事業の「選択と集中」に伴い株式会社クラウドクリニックを譲渡した影響により売上高は減少しましたが、収益性は改善しセグメント損失は縮小しております。
これらの結果、売上高は165,747千円(同29.1%減)、EBITDAは△37,916千円(前年同期は△107,905千円)、セグメント損失38,422千円(前年同期はセグメント損失130,974千円)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて740,874千円減少し、14,813,864千円となりました。これは現金及び預金の減少118,484千円と、受取手形、売掛金及び契約資産の減少235,762千円を主要因とするものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,088,018千円減少し、5,015,370千円となりました。これは未払法人税等の減少460,864千円と、長期借入金の返済による減少262,488千円を主要因とするものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて347,144千円増加し、9,798,494千円となりました。これは親会社株主に帰属する中間純利益の計上に伴う利益剰余金426,732千円の増加及び配当による利益剰余金の減少97,740千円を主要因とするものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ118,484千円減少し、7,161,525千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動により獲得した資金は、149,403千円(前年同期は806,693千円の獲得)となりました。この主な要因は、税金等調整前中間純利益を654,336千円計上したことに加え、非現金支出費用である減価償却費144,630千円及びのれん償却額123,014千円等を計上したものの、法人税等を660,499千円支払ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動により獲得した資金は、92,531千円(前年同期は47,413千円の使用)となりました。この主な要因は、匿名組合出資金の返戻による収入92,831千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動により使用した資金は、360,419千円(前年同期は378,394千円の使用)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出262,488千円及び配当金の支払額97,220千円によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
該当事項はありません。