当社は、2025年5月14日開催の取締役会において、当社及び株式会社椿本チエイン(以下、「椿本チエイン」といい、当社と椿本チエインを総称して、以下「両社」といいます。)の経営統合(以下、「本経営統合」といいます。)に関し、椿本チエインを株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「本株式交換」といいます。)を行うことを決議し、同日付けで椿本チエインとの間で経営統合契約(以下、「本経営統合契約」といいます。)及び株式交換契約(以下、「本株式交換契約」といいます。)を締結いたしました。また、本株式交換に伴い、当社の親会社及び主要株主の異動が生じることが見込まれます。
以上により、金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号、第4号及び第6号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
Ⅰ.本株式交換に関する事項
1.本株式交換の相手会社についての事項
① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号 |
株式会社椿本チエイン |
本店の所在地 |
大阪市北区中之島三丁目3番3号 |
代表者の氏名 |
代表取締役社長 木村 隆利 |
資本金の額 |
17,076百万円(2025年3月31日現在) |
純資産の額 |
(連結)262,162百万円(2025年3月31日現在) (単体)145,607百万円(2025年3月31日現在) |
総資産の額 |
(連結)371,510百万円(2025年3月31日現在) (単体)226,996百万円(2025年3月31日現在) |
事業の内容 |
ドライブチェーン及びコンベヤチェーン、減速機、直線作動機、エンジン用タイミングチェーンシステム、搬送・仕分け・保管システム等の製造販売 |
② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益
(連結)
(単位:百万円) |
事業年度 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
売上高 |
251,574 |
266,812 |
279,193 |
営業利益 |
18,985 |
21,262 |
22,854 |
経常利益 |
20,958 |
23,450 |
25,332 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
13,742 |
18,551 |
22,122 |
(単体)
(単位:百万円) |
事業年度 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
売上高 |
102,148 |
100,636 |
102,893 |
営業利益 |
4,748 |
2,306 |
885 |
経常利益 |
13,456 |
10,614 |
13,820 |
当期純利益 |
11,843 |
10,191 |
16,449 |
③ 大株主の氏名又は名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合
(2025年3月31日現在) |
大株主の氏名又は名称 |
発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合(%) |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) |
11.32 |
太陽生命保険株式会社 |
8.90 |
椿本チエイン持株共栄会 |
4.75 |
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY505001(常任代理人株式会社みずほ銀行決済営業部) |
4.10 |
日本生命保険相互会社 |
4.03 |
椿本興業株式会社 |
3.39 |
株式会社三井住友銀行 |
2.93 |
株式会社日本カストディ銀行(信託口) |
2.12 |
THE BANK OF NEW YORK, TREATY JASDEC ACCOUNT(常任代理人株式会社三菱UFJ銀行決済事業部) |
1.65 |
野村信託銀行株式会社(投信口) |
1.53 |
(注) 発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合の計算においては、自己株式を除く発行済株式総数に基づいて計算しております。
④ 提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係
資本関係 |
当社は、椿本チエインの普通株式80,400株(2025年3月末日の発行株式数における保有割合は0.08%)を保有しております。 椿本チエインは、当社の普通株式59,600株(2025年3月末日の発行株式数における保有割合は0.55%)を保有しております。 |
人的関係 |
該当事項はありません。 |
取引関係 |
当社と椿本チエインの間には、一部製品の取引関係があります。 |
2.本株式交換の目的
つばきグループ(椿本チエイン、椿本チエインの子会社78社及び関連会社8社で構成される企業グループをいいます(2025年3月31日現在)。以下同じです。)は、祖業であるチェーン事業に加え、モーションコントロール事業、モビリティ事業及びマテハン事業の4事業を中心に事業を展開し、これまで積極的に他社との提携を進めてまいりました。椿本チエインは、2006年にプラスチックチェーンを製造・販売する山久チヱイン株式会社、2010年にはケーブル・ホース支持案内装置を製造・販売するKABELSCHLEPP GmbH、2012年には金属切屑搬送・クーラント処理装置などを製造・販売するメイフラン・ホールディングスグループ及び2018年にはマテハンシステムを製造・販売するCentral Conveyor Company, LLCをそれぞれ連結子会社化しており、自社での事業拡大とともに他社との統合によってシナジーを発揮し、成長を実現してまいりました。
一方、当社グループ(当社、当社の子会社20社及び関連会社6社で構成される企業グループをいいます(2025年3月31日現在)。以下同じです。)は、1903年に設立された新家商会を起源とし、1933年に国益チエン株式会社として設立され、1938年に現在の社名である大同工業株式会社へ改称し、現在は二輪部品事業を中心に、自動車部品事業、産機事業及び福祉機器等の製品販売並びにそれらに関連するサービス等の提供を行っております。また、当社グループは、現在に至るまで、日々変化する社会からの要請に応じて価値ある製品を提供し続けてきたことで、二輪車用のチェーン製造・販売の国内トップメーカーとしての地位を確立してまいりました。
昨今、国内チェーン業界においては、外国資本の流入増加など、市場環境の変化を受け業界再編が進んでおります。また、中国及び韓国のチェーンメーカーが国内主要展示会でのプロモーションを中心に日本市場への参入を積極化しており、両社の顧客においても中国及び韓国のチェーンメーカーを調達先として検討するケースが散見されるようになっております。また、米国、欧州においてもチェーンメーカーの再編、統合が活発に進んでおり、両社は、グローバルでの競争がさらに厳しくなると考えております。加えて、両社は、温室効果ガス削減に代表される市場の脱炭素社会実現に向けた要求に対応することが求められており、大きな事業環境の変化も生じております。
このような状況の中、椿本チエインは、当社との経営統合により両社の総合力を結集し、グローバル市場における競争力の強化を図ることが、日本の産業を守り、ひいては世界の産業の発展にも資すると考え、社内で検討を重ねてまいりました。椿本チエインにおける検討の結果、椿本チエインを株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする株式交換を実行することで、両社の経営資源を融合し、効率的な運営体制の構築、グループ全体の収益力向上及び経営の強化が可能になるとの結論に至りました。椿本チエインは、両社が中長期の経営ビジョンに多くの共通点を有しており、環境負荷の低減、カーボンニュートラル実現に向けた革新的な製品開発の分野においても、経営資源の融合により、その実現性が高まると判断しております。加えて、椿本チエインは、椿本チエインの株主の皆様及び当社の株主の皆様の利益への影響等も含めた多角的な観点から当社との経営統合に関するストラクチャーを総合的に検討した結果、当社を株式交換により完全子会社化し、組織体制の最適化、情報集約による事業機会の拡大、各拠点における重複業務の集約化、最適な財務戦略等を実現することが、両社の企業価値向上を目指す上で最善であるとの結論に至り、2024年12月13日に、椿本チエインから当社に対し、本株式交換を前提とした経営統合の提案を行いました。
当社は、椿本チエインから上記提案を受けて、本株式交換に係る具体的な検討を開始いたしました。また、当社は、本株式交換の具体的な検討を開始するに際し、椿本チエイン及び当社から独立した立場で本株式交換の検討を行うことで、本株式交換に対する当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当社取締役会において本株式交換を行う旨の決定をすることが少数株主にとって不利益なものであるかどうかについての意見を取得することを目的として、2024年12月20日に、椿本チエインとの間で利害関係を有しない独立した委員から構成される特別委員会(以下、「本特別委員会」といいます。)を設置し、併せて外部専門家を起用する等の具体的検討に向けた体制を整備いたしました。当該体制のもと、椿本チエインからの提案について慎重に検討した結果、当社は、本株式交換により、両社グループの有する人材、資産、技術、ノウハウ等の経営資源を相互に活用し、両社グループ全体での最適な財務戦略を実現することにより、新たな事業機会の創出を可能とし、ひいては両社グループの中長期的な視点に立った経営戦略を機動的に実現することが可能となるため、本株式交換は当社の企業価値向上に資するとの認識に至りました。本株式交換を通じた経営統合によるシナジー・両社のメリットについては、以下を想定しております。
① 海外ビジネスの拡大
椿本チエインは、北米、欧州、中国、台湾で一般産業用チェーンの製造を行っておりますが、今後の市場拡大が期待できるインド、南米、アフリカに代表されるグローバルサウス市場への本格的進出を進めるなか、当社はまさにそのグローバルサウス市場に製造拠点を持っていることから、同市場でのより一層の事業拡大をともに実現できると考えております。また、当社にとっても、北米、欧州においては、椿本チエインの強力なビジネス基盤を活用することで、当社製品の販路拡大等、両社の強みを生かした海外展開が可能になるものと考えております。加えて、両社は、アフリカや中東といった今後市場の発展、拡大が期待される地域に、両社が共同して展開することで更なるグローバル展開が可能になるものと考えております。
② 既存事業におけるクロスセル
当社の二輪事業製品及び一般産業用シールチェーンを始めとした開発製品のつばきグループの販売網を活用した販売拡大や椿本チエインのトップチェーン、モーションコントロール製品など一般産業用製品の当社販路での販売、椿本チエインの食品・飲料業界向けコンベヤシステム技術と当社のバキューム搬送コンベヤ技術の協業といった、両社の強みを生かしたクロスセルが可能となるものと考えております。
③ 新規事業・共同開発
椿本チエインでは、社会課題の解決に貢献する商品を「サステナブルプロダクト」として認定し、その開発・販売を強化しております。具体的には、バイオマス発電用木屑・燃料搬送コンベヤ、V2X対応充放電装置、電動アシスト3輪自転車といった環境貢献が可能な「エコプロダクト」、自動仕分け装置、無人搬送台車、アークチェーンアクチュエータといった社会貢献が可能な「ソーシャルプロダクト」が挙げられます。また、当社においても、電動バイクやマイクロ水力発電機の開発など「サステナビリティ貢献製品」の開発に注力しており、従前より取り組んでいる福祉機器関連事業についても更なる事業拡大を目指しており、本株式交換により椿本チエインと協働してこれらの「サステナブルプロダクト」の共同開発が可能となります。
また、技術面では、両社のチェーンに関する製品、生産、製造の技術を合わせることにより新たな製品を創出し、グローバルチェーン市場における地位の更なる向上が可能と考えております。さらに、両社は、製造段階における二酸化炭素の排出削減、排熱の利用といった課題にも共同して取り組んでいけるものと考えております。
上記の本株式交換による事業上のシナジーに加えて、本株式交換後は、当社の少数株主の皆様には当社グループを含めた椿本チエインの株主として、当社グループとつばきグループのシナジーによる企業価値の向上を経済的に享受していただくことが可能になると考えております。さらに、上場会社として必要となる体制整備の対応やそのコスト負担が大きくなる中、当社における上場維持に係る業務負担及びコストの削減にもつながると考えております。
一方で、本株式交換を通じて当社は上場廃止となり、一般的な上場のメリットとして挙げられるエクイティファイナンスによる資金調達手段の多様化、信用力の向上及び採用活動への好影響、会計監査を受けることによる財務への信頼性の向上等のメリットを失うこととなります。しかし、当社は、つばきグループの一員として、同グループのグループファイナンスを活用して資金調達を行うことが可能となるため、エクイティファイナンスの手段がなくなることによる資金調達へのデメリットは実質的にないものと考えられること、株式会社東京証券取引所プライム市場(以下、「東京証券取引所」といいます。)に上場する椿本チエインが当社の完全親会社となることから当社の上場廃止によって社会的信用力が低下するリスクは低く、人材採用等への悪影響は小さいと考えられること、椿本チエインの完全子会社となった後もつばきグループ連結の会計監査の対象となることから財務への信頼性の維持は可能であると考えられることなど、上場廃止に伴うデメリットは極めて限定的であり、本株式交換の実現に伴うメリットの方がはるかに大きいと考えております。また、椿本チエインは、本株式交換後、つばきグループの一員として、当社及びその子会社の従業員の雇用を原則として維持し、既存の雇用条件を実質的に下回らないよう努める所存です。当社及びその子会社の従業員は、東京証券取引所プライム市場に上場するつばきグループの一員として業務に従事することとなるほか、これまで以上に幅広い業務に従事することも可能となり、従業員のモチベーションは一層向上するものと考えております。
以上の点を踏まえて、両社において慎重に検討した結果、両社は本株式交換によって当社が椿本チエインの完全子会社になることが、両社の企業価値向上に資するものであるとの認識で一致したことから、本株式交換比率(下記3.(2)「本株式交換に係る割当ての内容」(注1)「株式の割当比率」に定義します。)を含む諸条件についての検討及び協議を経て合意に至り、本日、両社の取締役会において、それぞれ、椿本チエインが当社を完全子会社化することを目的として本株式交換を実施することを決議し、本経営統合契約及び本株式交換契約を締結いたしました。
3.本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容
(1)本株式交換の方法
本株式交換は、椿本チエインを株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする株式交換です。本株式交換は、椿本チエインにおいては、会社法第796条第2項の規定に基づき、株主総会の決議による承認を必要としない簡易株式交換の手続により、また、当社においては2025年6月24日に開催予定の定時株主総会の決議による本株式交換契約の承認を受けた上で、2026年1月1日を効力発生日として行う予定です。
(2)本株式交換に係る割当ての内容
|
椿本チエイン (株式交換完全親会社) |
当社 (株式交換完全子会社) |
本株式交換に係る割当比率 |
1 |
0.65 |
本株式交換により交付する株式数 |
椿本チエインの普通株式:6,558,107株(予定) |
(注1) 株式の割当比率
当社の普通株式(以下、「当社株式」といいます。)1株に対して、椿本チエインの普通株式(以下、「椿本チエイン株式」といいます。)0.65株を割当交付いたします。ただし、基準時(以下に定義します。)において椿本チエインが保有する当社株式については、本株式交換による株式の割当ては行いません。なお、上記の本株式交換に係る割当比率(以下、「本株式交換比率」といいます。)は、算定の根拠となる諸条件に重大な変更が生じた場合、両社協議し合意の上、変更することがあります。
(注2) 本株式交換により交付する椿本チエイン株式の数
椿本チエインは、本株式交換に際して、本株式交換により椿本チエインが当社の発行済株式(ただし、椿本チエインが保有する当社株式を除きます。)の全てを取得する時点の直前時(以下、「基準時」といいます。)における当社の株主の皆様(ただし、以下の自己株式が消却された後の株主をいい、椿本チエインを除きます。)に対し、その保有する当社株式に代えて、その保有する当社株式の数の合計に0.65を乗じて得た株数の椿本チエイン株式を交付いたします。
また、椿本チエインが交付する株式の全ては、椿本チエインが本日時点で保有する自己株式及び椿本チエインが本日以降に新たに取得する自己株式の一部を充当する予定です。椿本チエインによる本日以降の新たな自己株式の取得に関しては、2025年5月14日開示の「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)」をご参照ください。
なお、当社は、本株式交換の効力発生日の前日までに開催する当社の取締役会決議により、基準時の直前の時点において保有している自己株式(本株式交換に関してなされる、会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に係る株式の買取りによって当社が取得する自己株式を含みます。)の全てを、基準時の直前の時点をもって消却する予定です。
(注3) 単元未満株式の取扱い
本株式交換に伴い、椿本チエインの単元未満株式(100株未満の株式)を保有することとなる当社の株主の皆様については、本株式交換の効力発生日以降、椿本チエインの定款及び株式取扱規則の定めるところにより、椿本チエイン株式に関する以下の制度をご利用いただくことができます。なお、金融商品取引市場において単元未満株式を売却することはできません。
① 単元未満株式の買増し制度(1単元(100株)への買増し)
会社法第194条第1項の規定並びに椿本チエインの定款の規定及び株式取扱規則に基づき、椿本チエインの単元未満株式を保有する株主の皆様が、その保有する単元未満株式の数と併せて1単元となる数の株式を椿本チエインから買い増すことができる制度です。
② 単元未満株式の買取請求制度(1単元(100株)未満株式の売却)
会社法第192条第1項の規定に基づき、椿本チエインの単元未満株式を保有する株主の皆様が、その保有する単元未満株式を買い取ることを椿本チエインに対して請求することができる制度です。
(注4) 1株に満たない端数の取扱い
本株式交換に伴い、1株に満たない端数の椿本チエイン株式の交付を受けることとなる当社の株主の皆様に関しては、会社法第234条その他の関連法令の定めに従い、その端数の合計数(その合計数に1に満たない端数がある場合は切り捨てるものとします。)に相当する椿本チエイン株式を売却し、かかる売却代金をその端数に応じて当該株主の皆様に交付いたします。
(3)本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
当社は、新株予約権及び新株予約権付社債を発行していないため、該当事項はありません。
(4)その他の本株式交換契約の内容
当社が、椿本チエインとの間で2025年5月14日付けで締結した本株式交換契約の内容は次のとおりであります。
株式交換契約書
株式会社椿本チエイン(以下「甲」という。)及び大同工業株式会社(以下「乙」という。)は、2025年5月14日付で、以下のとおり、株式交換契約(以下「本契約」という。)を締結する。
第1条(本株式交換)
甲及び乙は、本契約に定めるところに従い、甲を株式交換完全親会社とし、乙を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)を行い、甲は、本株式交換により、乙の発行済株式(ただし、甲が保有する乙の株式を除く。以下同じ。)の全部を取得する。
第2条(商号及び住所)
甲及び乙の商号及び住所は、それぞれ以下のとおりである。
(1)甲(株式交換完全親会社)
商号:株式会社椿本チエイン
住所:大阪府大阪市北区中之島三丁目3番3号
(2)乙(株式交換完全子会社)
商号:大同工業株式会社
住所:石川県加賀市熊坂町イ197番地
第3条(本株式交換に際して交付する株式及びその割当て)
1.甲は、本株式交換に際して、本株式交換により甲が乙の発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」という。)における乙の株主(ただし、甲を除く。以下「本割当対象株主」という。)に対して、その保有する乙の株式に代わり、その保有する乙の株式の数の合計数に0.65を乗じて得た数の甲の普通株式を交付する。
2.甲は、本株式交換に際して、本割当対象株主に対して、その保有する乙の株式1株につき、甲の普通株式0.65株の割合をもって割り当てる。
3.前二項の規定に従って本割当対象株主に対して割り当てるべき甲の普通株式の数に1に満たない端数がある場合には、甲は会社法第234条その他の関連法令の規定に従い処理する。
第4条(甲の資本金及び準備金に関する事項)
本株式交換により増加する甲の資本金、資本準備金及び利益準備金の額は、会社計算規則第39条の規定に従い甲が別途定める金額とする。
第5条(本株式交換の効力発生日)
本株式交換がその効力を生ずる日(以下「本効力発生日」という。)は、2026年4月1日とする。ただし、本株式交換の手続進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙は、協議し合意の上、これを変更することができる。
第6条(本契約の承認)
1.甲は、会社法第796条第2項本文の規定により、本契約につき会社法第795条第1項に定める株主総会の決議による承認を受けることなく本株式交換を行う。ただし、会社法第796条第3項の規定により、本契約につき株主総会の決議による承認が必要となった場合には、甲は、本効力発生日の前日までに、本契約につき株主総会の決議による承認を求める。
2.乙は、本効力発生日の前日までに、本契約につき会社法第783条第1項に定める株主総会の決議による承認を求める。
第7条(剰余金の配当等)
1.甲は、2025年3月31日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、その株式1株当たり50円を限度とした剰余金の配当を行うこと、及び、2025年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、その株式1株当たり50円を限度とした剰余金の配当を行うことができる。
2.乙は、2025年3月31日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、その株式1株当たり25円を限度として剰余金の配当を行うことができる。
3.前二項に定めるものを除き、甲及び乙は、相手方当事者の事前の書面による承諾がない限り、本契約締結日から本効力発生日までの間のいずれかの日を基準日とする剰余金の配当を行わないものとし、かつ、本契約締結日から本効力発生日までの間のいずれかの日を取得日とする自己株式の取得(甲が2025年5月14日付で公表する「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)」と題するプレスリリースに記載の自己株式取得及び適用法令に従い株主の権利行使に応じて自己の株式を取得しなければならない場合を除く。)を行わないものとする。
第8条(自己株式の消却)
乙は、本効力発生日の前日までに開催される乙の取締役会の決議により、基準時の直前の時点までにおいて乙が保有する自己株式(本株式交換に際して行使される会社法第785条第1項に基づく反対株主の株式買取請求により乙が取得する自己株式を含む。)の全部を、基準時の直前の時点において消却する。
第9条(事業運営及び財産管理)
甲及び乙は、本契約の締結日から本効力発生日までの間、通常の業務の範囲内で、企業価値を向上すべく、それぞれ善良な管理者の注意をもって自らの業務の遂行並びに財産の管理及び運営を行い、かつ、自ら及びその子会社をして、企業価値を向上すべく、善良な管理者の注意をもって自らの業務の遂行並びに財産の管理及び運営を行わせるものとし、それぞれ、自ら並びに自らの子会社及び関連会社の企業価値を毀損する行為を行わず、又は行わせないものとする(ただし、本契約において企図されている行為を除く。)。
第10条(本契約の変更及び解除)
本契約の締結日から本効力発生日までの間に、甲又は乙の財産状態又は経営状態に重大な変動が生じ又は明らかとなった場合、本株式交換の実行に重大な支障となる事態が生じ又は明らかとなった場合その他本契約の目的の達成が困難となった場合は、甲及び乙は、協議し合意の上、本契約を変更し又は解除することができる。
第11条(本契約の効力)
本契約は、本効力発生日の前日までに、(ⅰ)本契約につき甲の株主総会において承認が得られない場合(ただし、会社法第796条第3項の規定により、本契約につき甲の株主総会の承認が必要となった場合に限る。)、(ⅱ)本契約につき乙の株主総会において本契約の承認が得られない場合、(ⅲ)国内外の法令等に定められた本株式交換の実行に必要な関係官庁等の承認等が得られない場合(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)に基づき甲又は乙が本株式交換に関して行う届出に係る待機期間が本効力発生日の前日までに終了しない場合及び公正取引委員会により排除措置命令等本株式交換を妨げる措置又は手続がとられた場合を含む。)、並びに(ⅳ)前条に基づき本契約が解除された場合には、その効力を失う。
第12条(準拠法及び裁判管轄)
1.本契約は、日本法に準拠し、これに従って解釈される。
2.本契約に関連する甲と乙との間の一切の紛争については、大阪地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
第13条(協議)
本契約に記載のない事項、又は本契約の内容に疑義が生じた場合は、甲及び乙は誠実に協議し、その解決を図るものとする。
以上の合意を証するため、本契約書の正本2通を作成し、各当事者は、それぞれ記名押印のうえ、各1通を保有する。
2025年5月14日
甲:大阪府大阪市北区中之島三丁目3番3号 |
株式会社椿本チエイン |
代表取締役社長 木村 隆利 |
|
乙:石川県加賀市熊坂町イ197番地 |
大同工業株式会社 |
代表取締役社長 新家 啓史 |
4.本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠
(1)割当ての内容の根拠及び理由
椿本チエイン及び当社は、本株式交換比率の決定に当たって公正性及び妥当性を確保するため、それぞれ別個に、両社から独立した第三者算定機関及び各種アドバイザーを選定しました。椿本チエインは、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下、「野村證券」といいます。)を、法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下、「西村あさひ法律事務所」といいます。)を選定し、当社はファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券株式会社(以下、「SMBC日興証券」といいます。)を、法務アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下、「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を選定し、本格的な検討を開始いたしました。
椿本チエインにおいては、下記(4)「公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む。)」に記載のとおり、椿本チエインのファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券から2025年5月13日付で取得した株式交換比率算定書、法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所からの助言、椿本チエインが当社に対して2025年2月中旬から4月下旬にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて、慎重に協議・検討した結果、本株式交換比率は妥当であり、椿本チエインの株主の皆様の利益に資するとの結論に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
他方、当社においては、下記(4)「公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む。)」に記載のとおり、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券から2025年5月13日付で取得した株式交換比率算定書、法務アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言、当社が椿本チエインに対して2025年2月中旬から4月下旬にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果、椿本チエインとの間で利害関係を有しない独立した委員のみから構成される本特別委員会からの指示、助言及び2025年5月13日付で受領した答申書(詳細については、下記(4)「公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む。)」をご参照ください。)の内容等を踏まえて、慎重に協議・検討をいたしました。その結果、本株式交換比率は妥当であり、当社の株主の皆様の利益に資するとの判断に至ったため、当社は、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
以上のとおり、椿本チエイン及び当社は、両社がそれぞれのファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関から提出を受けた株式交換比率の算定結果を参考に、それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、両社の財務状況・資産状況・将来の見通し等の要因を総合的に勘案した上で、交渉・協議を重ねてまいりました。その結果、椿本チエイン及び当社は、本株式交換比率は妥当であり、それぞれの株主の皆様の利益に資するとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
なお、本株式交換比率は、本株式交換契約に従い、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協議し合意の上、変更することがあります。
(2)算定に関する事項
① 算定機関の名称並びに上場会社及び相手会社との関係
椿本チエインの第三者算定機関である野村證券、当社の第三者算定機関であるSMBC日興証券はいずれも、椿本チエイン及び当社から独立した算定機関であり、椿本チエイン及び当社の関連当事者に該当せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しません。
また、SMBC日興証券は株式会社三井住友銀行(以下、「三井住友銀行」といいます。)とともに株式会社三井住友フィナンシャルグループの一員であり、三井住友銀行は両社との間で通常の銀行取引の一環としての融資等の取引を行っておりますが、本株式交換に関して両社との利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。SMBC日興証券によれば、SMBC日興証券の社内においては、ファイナンシャル・アドバイザリー業務及び両社の株式の価値算定業務を担当する部署と同社のその他部署との間において情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置を講じている他、SMBC日興証券と三井住友銀行との間において情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制が構築されているとのことであり、当社がSMBC日興証券に対して両社の株式価値の算定を依頼することに関し公正性の観点から問題はないと考えられることから、当社はSMBC日興証券を両社から独立した第三者算定機関として選定いたしました。
② 算定の概要
(ⅰ)野村證券による算定
野村證券は、椿本チエインについては、同社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価平均法を、また、比較可能な上場類似会社が存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから、類似会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するために、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下、「DCF法」といいます。)を採用して算定を行いました。
市場株価平均法においては、2025年5月13日を算定基準日として、東京証券取引所における算定基準日の終値、算定基準日までの直近5営業日、1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月の各期間の終値単純平均値を採用しております。
DCF法では、椿本チエインが作成した2025年3月期から2030年3月期の財務予測に基づく将来のキャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって算定しております。なお、野村證券がDCF法による算定の前提とした椿本チエインの財務予測において、大幅な増減益を見込んでいる事業年度はございません。また、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としておりません。
当社については、同社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価平均法を、また、比較可能な上場類似会社が存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから、類似会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するために、DCF法を採用して算定を行いました。
市場株価平均法においては、2025年5月13日を算定基準日として、東京証券取引所における算定基準日の終値、算定基準日までの直近5営業日、1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月の各期間の終値単純平均値を採用しております。
DCF法では、当社より受領し、椿本チエインによる確認の上、野村證券に提供された2025年3月期から2029年3月期の財務予測に基づく将来のキャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって算定しております。なお、野村證券がDCF法による算定の前提とした当社の財務予測において、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、二輪事業及び産機事業における高付加価値商品の販売強化による限界利益率の改善により、営業利益については2025年3月期から2029年3月期まで各前年度対比で大幅な増益を見込んでおります。また、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としておりません。
各評価手法における椿本チエイン株式の1株当たりの株式価値を1とした場合の当社の算定レンジは、以下のとおりとなります。
採用手法 |
株式交換比率の算定レンジ |
市場株価平均法 |
0.42~0.47 |
類似会社比較法 |
0.09~1.15 |
DCF法 |
0.24~0.88 |
野村證券は、株式交換比率の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。両社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。椿本チエインの財務予測その他将来に関する情報については、椿本チエインの経営陣により現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は2025年5月13日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、椿本チエインの取締役会が本株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
(ⅱ)SMBC日興証券による算定
SMBC日興証券は、椿本チエイン及び当社がそれぞれ東京証券取引所プライム市場及びスタンダード市場に上場しており、両社に市場株価が存在することから市場株価法(2025年5月13日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場及びスタンダード市場における2025年4月14日から算定基準日までの直近1ヶ月間の平均株価(終値単純平均)、2025年2月14日から算定基準日までの直近3ヶ月間の平均株価(終値単純平均)、2024年11月14日から算定基準日までの直近6ヶ月間の平均株価(終値単純平均)を基に分析しております。)を、また、椿本チエイン及び当社がいずれについても比較可能な類似上場会社が存在し、類似上場会社比較法による株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、また、両社の将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を採用して算定を行いました。
各評価方法による椿本チエイン株式1株に対する当社株式の算定レンジは、以下のとおりです。
採用手法 |
株式交換比率の算定レンジ |
市場株価法 |
0.42~0.47 |
類似上場会社比較法 |
0.14~0.72 |
DCF法 |
0.57~1.37 |
SMBC日興証券は、株式交換比率の算定に際して、公開情報及びSMBC日興証券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。両社並びにその関係会社の資産又は負債(デリバティブ取引、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、両社から提供若しくは開示された情報、判断又は予測を前提とし、これらについて独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。両社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、両社の経営陣により現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを基礎としております。なお、SMBC日興証券がDCF法による算定の前提とした椿本チエインの財務予測においては、大幅な増減益が見込まれている事業年度は含まれておりません。また、当社の財務予測においては、大幅な増減益が見込まれている事業年度が含まれております。具体的には二輪事業及び産機事業における高付加価値商品の販売強化による限界利益率の改善により、営業利益については2025年3月期から2028年3月期まで各前年度対比大幅な増益を見込んでおります。なお、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としておりません。
(3)上場廃止となる見込み及びその事由
本株式交換により、その効力発生日(2026年1月1日(予定))をもって、当社は椿本チエインの完全子会社となり、当社株式は2025年12月29日付で上場廃止(最終売買日は2025年12月26日)となる予定です。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引をすることができなくなります。
当社株式が上場廃止となった後も、本株式交換により当社の株主の皆様に割り当てられる椿本チエイン株式は東京証券取引所プライム市場に上場されており、本株式交換の効力発生日以後も金融商品取引所市場での取引が可能であることから、基準時において当社株式を154株以上保有し、本株式交換により椿本チエイン株式の単元株式数である100株以上の椿本チエイン株式の割当てを受ける当社の株主の皆様に対しては、引き続き株式の流動性を提供できるものと考えております。
他方、基準時において、154株未満の当社株式を保有する当社の株主の皆様には、椿本チエイン株式の単元株式数である100株に満たない椿本チエイン株式が割り当てられます。そのような単元未満株式を金融商品取引所市場において売却することはできませんが、単元未満株式を保有することになる株主の皆様は、椿本チエインに対し、その保有する単元未満株式を買い取ることを請求することが可能です。また、その保有する単元未満株式の数と併せて1単元となる数の株式を椿本チエインから買い増すことも可能です。詳細については、上記3.(2)「本株式交換に係る割当ての内容」(注3)「単元未満株式の取扱い」をご参照ください。また、本株式交換に伴い1株に満たない端数が生じた場合における端数の取扱いの詳細については、上記3.(2)「本株式交換に係る割当ての内容」(注4)「1株に満たない端数の取扱い」をご参照ください。
なお、当社株式の株主の皆様は、最終売買日である2025年12月26日(予定)までは、東京証券取引所スタンダード市場において、その保有する当社株式を従来どおり取引することができる他、基準時まで会社法その他関係法令に定める適法な権利を行使することができます。
(4)公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む。)
本株式交換において上場会社である当社が椿本チエインの株式交換完全子会社となることから、椿本チエイン及び当社は、本株式交換の公正性を担保するために以下の措置を実施しております。
① 独立した第三者算定機関からの算定書の取得
椿本チエイン及び当社は、本株式交換における株式交換比率の算定に当たって公正性を期すため、椿本チエインは、椿本チエイン及び当社から独立した第三者算定機関である野村證券を選定し、2025年5月13日付けで、株式交換比率に関する算定書を取得し、また、当社は、椿本チエイン及び当社から独立した第三者算定機関であるSMBC日興証券を選定し、2025年5月13日付けで、株式交換比率に関する算定書を取得いたしました。各算定書の概要は上記(2)「算定に関する事項」をご参照ください。なお、両社は、いずれも各第三者算定機関から、本株式交換の株式交換比率が椿本チエイン又は当社の株主にとって財務的見地より公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
② 独立した法律事務所からの助言
椿本チエインは、本株式交換に関する法務アドバイザーとして、西村あさひ法律事務所を2024年10月に選任し、本株式交換の諸手続及び取締役会の意思決定の方法・過程等について法的な観点から助言を得ております。なお、西村あさひ法律事務所は、椿本チエイン及び当社との間で重要な利害関係を有しません。
他方、当社は、本株式交換に関する法務アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を2024年12月に選任し、本株式交換の諸手続及び取締役会の意思決定の方法・過程等について法的な観点から助言を得ております。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、椿本チエイン及び当社との間で重要な利害関係を有しません。
③ 当社における利害関係を有しない特別委員会の設置及び答申書の取得
当社は、2024年12月13日、椿本チエインからの本株式交換の提案を受け、本株式交換に関する具体的な検討を開始するに際し、当社取締役会において、本株式交換の是非を審議及び決議するに先立って、本株式交換に係る当社取締役会の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当社取締役会において本株式交換を行う旨の決定をすることが当社の少数株主にとって不利益なものであるかどうかについての意見を取得することを目的として、2024年12月20日に、椿本チエインとの間で利害関係を有しておらず、かつ、東京証券取引所に独立役員として届け出ている、当社の社外取締役である坂下清司氏、武市祥司氏、山本美帆氏並びに秋元潤氏の4名により構成される本特別委員会を設置し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本件株式交換その他の方法を通じた、椿本チエインによる当社株式の非公開化手続(以下、「本件取引」といいます。)の目的は合理的(本件取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)と認められるか、(ⅱ)本件取引に係る取引条件(本株式交換における株式交換比率を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、(ⅲ)本件取引に係る手続の公正性が確保されているか、(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)を踏まえ、本件取引が当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか(以下、「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本諮問事項の諮問にあたり、本件取引に関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を適切に理解・把握した上で、これを最大限尊重して行うこと及び本特別委員会がその実施又は取引条件が妥当でないと判断したときには当社取締役会は当該取引条件による本件取引に賛同しないこととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(a)当社のファイナンシャル・アドバイザー及び法務アドバイザー等(以下「アドバイザー等」と総称します。)の専門家を指名又は承認(事後承認を含む。)する権限、(b)本特別委員会が必要と認める場合には、本特別委員会のアドバイザー等を選任する権限(本特別委員会のアドバイザー等の専門的助言に係る合理的な費用は当社の負担とする。)、(c)当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本件取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、(d)本件取引の取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ指示や要請を行うこと等により、本件取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限を付与いたしました。
本特別委員会は、2024年12月20日から2025年5月13日までに、委員会を合計15回開催したほか、委員会外においても、電子メール等を通じて、意見表明や情報収集を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。具体的には、本特別委員会は、まず、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券並びに法務アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことを確認し、その選任を承認いたしました。また、本特別委員会は、必要に応じ当社のアドバイザー等から専門的助言を得ることとし、本特別委員会として独自にアドバイザー等を選任しないことを確認しております。
その上で、両社に対して本株式交換の目的等に関する質問状を送付した上で、両社から本株式交換の目的、本株式交換に至る背景・経緯、株式交換を選択した理由、本株式交換後の経営方針や従業員の取扱いに関する考え方等について説明を受け、質疑応答を行いました。また、当社の法務アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から本株式交換に係る当社の取締役会の意思決定方法、本特別委員会の運用その他本株式交換に係る手続面の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関して助言を受けました。さらに、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券から本株式交換における対価(本株式交換比率等)の算定方法及び算定結果の説明を受け、質疑応答を行い、その合理性の検証を行いました。また、本特別委員会は、SMBC日興証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受け、本株式交換における対価(本株式交換比率等)の交渉方針を定めるとともに、その交渉内容について随時報告を受け、必要に応じて指示を行う等、椿本チエインとの交渉に実質的に関与いたしました。
本特別委員会は、かかる経緯の下、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行い、(ⅰ)本件取引の目的は合理的(本件取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)と認められる旨、(ⅱ)本件取引に係る取引条件(本株式交換における株式交換比率を含む。)の公正性・妥当性が認められる旨、(ⅲ)本件取引に係る手続の公正性が認められる旨、(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)を踏まえ、本件取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられる旨の答申書を、2025年5月13日付で、当社取締役会に対して提出しております。本特別委員会の意見の概要は、以下のとおりです。
(ⅰ)本件取引の目的の合理性(本件取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)
当社及び椿本チエインが想定している本件取引の事業上のシナジーとしては、海外ビジネスの拡大、既存事業におけるクロスセル、新規事業・共同開発などがあり、特に、椿本チエインのビジネス基盤を活用した当社の海外ビジネスの拡大や、当社の二輪事業製品及び一般産業用シールチェーンを始めとした開発製品のつばきグループの販売網を活用した販売拡大については、当社の収益性の拡大に繋がる可能性が高く、当社及び椿本チエインにおいても当該事実を認識している。また、当社としては、本件取引を通じて、2024年5月14日付で公表したDID MUGENDAI SMILE VISION 2035及び第13次中期経営計画の達成確度を高めるとともに、上場維持に係る業務負担及びコストを削減できると認識している。
当社において、上記の各シナジーが実現できた場合、当社が認識している事業課題・経営課題の解決に繋がり、ひいては当社の中長期的な企業価値の向上に資するものと考えられる。
また、当社において、現時点で本件取引と比肩するような、当社の企業価値を向上させる資本政策は現実的には認められず、本件取引の相手方についても上記の各事業シナジーを実現するにあたっては椿本チエインが適切なパートナーであると考えられるため、本件取引は、当社の企業価値の向上の観点から、他に検討し得る資本政策と比較しても優位性を有する取引であると考えられる。
一方で、本件取引により当社が上場廃止となることに伴い、当社の経営の自由度が狭められること、当社の取引先に対する影響、今後の資金調達手段への影響、コンプライアンス体制の弱体化、今後の人材採用への影響、既存従業員の士気等に対する影響などが想定され得るが、本件取引を通じて当社が東京証券取引所プライム市場に上場する椿本チエインのグループ会社の1社となること等を踏まえると、いずれについてもその影響は限定的であると考えられる。
以上を総合的に考慮すると、本件取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本件取引の目的は合理的と認められる。
(ⅱ)本件取引に係る取引条件(本株式交換における株式交換比率を含む。)の公正性・妥当性
本株式交換比率は、下記(ⅲ)のとおり公正性を担保する措置を講じた上で、本株式交換比率の提案、決定といった重要な局面においては、本特別委員会の意見や指示を受けながら交渉していることが認められる。そのため、本株式交換の条件に関する交渉過程は、公正な手続の下、企業価値を高めつつ一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本株式交換が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況を確保できていたものと認められる。
また、本株式交換比率は、SMBC日興証券による株式交換比率の算定結果のうち、市場株価基準法の算定レンジの上限を上回り、類似企業比較法の算定レンジの範囲内でその中央値を上回り、DCF法の算定レンジの範囲内であることが認められ、SMBC日興証券による株式交換比率の算定結果に照らし合理的な水準にあるといえる。また、本株式交換比率は、本件取引と類似する株式交換による完全子会社化の事例を相当程度上回るのみならず、本件取引と類似する公開買付けによる完全子会社化の事例におけるプレミアム水準に照らして相応な水準と評価することができる。さらに、本株式交換比率のプレミアムを当社の基準日の終値ベースに換算すると、過去3年9ヶ月の当社の株価の終値ベースでの最高値を超える水準であることが認められる。
以上のほか、本件取引のスキームを株式交換の手法とすることについても、他の考えられる手法と比較して、当社の一般株主に対して本件取引のシナジーによる企業価値の向上を経済的に享受する機会を提供できる手法であることなどを踏まえると、合理性が認められる。
以上を総合的に考慮すると、本件取引に係る取引条件(本株式交換における株式交換比率を含む。)の公正性・妥当性は確保されていると認められる。
(ⅲ)本件取引に係る手続の公正性
当社は、本件取引の検討において、本株式交換に係る交渉過程の手続の公正性を担保するために、次のような措置を採っていることが認められる。
当社は、本株式交換比率を含む本株式交換の条件に係る具体的な交渉に入るより以前の時期において、椿本チエインからの独立性及び本件取引からの独立性が確保された特別委員で構成される本特別委員会を設置している。本特別委員会は、SMBC日興証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から必要に応じてその専門的助言を受け、適切に本件取引に関する情報を取得した上で、本株式交換比率に関する交渉過程に実質的に関与していたことが認められる。
当社においては、SMBC日興証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所といった両社から独立した外部専門家から専門的助言等を取得した上で、本件取引の手続の公正性や取引条件の妥当性について慎重な検討・判断過程を経ている。また、当社における意思決定プロセスにおいて、公正性に疑義のある点は見当たらない。
当社の株主においては、本株式交換に係る適時開示書類により、法令や東京証券取引所の適時開示規制に沿った開示が予定されており、取引条件の妥当性等及び本件取引を通じて、買収後の企業グループとしての価値(対価株式の価値)が中長期的に向上するかといった観点からの判断のために必要とされる情報が提供されているといえる。また、本株式交換に反対又は本株式交換比率に反対である当社の株主には、会社法上の株式買取請求権(及びそれに基づく価格決定の申立てを行う権利)が認められているため、強圧性を排除するための対応が行われていると認められる。
本件取引においては、いわゆる積極的なマーケット・チェックは行われていないが、間接的なマーケット・チェックが機能しており、マーケット・チェックの観点からも公正性に疑義を生じさせる点は認められない。
以上を総合的に考慮すると、当社において、本株式交換の公正性を担保するために必要な合理的な措置を講じているといえ、本件取引に係る手続の公正性は確保されていると認められる。
(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)を踏まえ、本件取引が当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか
上記(ⅰ)から(ⅲ)を総合的に考慮すると、本件取引は当社の少数株主にとって不利益でないと認められる。
④ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認
本日開催の当社取締役会では、当社取締役の全員にて審議の上、その全員の賛成により本株式交換の実施を決議しております。なお、当社取締役のうち、椿本チエインとの間に利害関係を有している取締役はおりません。
(5)本株式交換の後の株式交換完全親会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号 |
株式会社椿本チエイン |
本店の所在地 |
大阪市北区中之島三丁目3番3号 |
代表者の氏名 |
代表取締役社長 木村 隆利 |
資本金の額 |
17,076百万円(2025年3月31日現在) |
純資産の額 |
現時点では確定しておりません。 |
総資産の額 |
現時点では確定しておりません。 |
事業の内容 |
ドライブチェーン及びコンベヤチェーン、減速機、直線作動機、エンジン用タイミングチェーンシステム、搬送・仕分け・保管システム等の製造販売 |
Ⅱ.親会社の異動に関する事項
1.当該異動に係る親会社の名称、住所、代表者の氏名、資本金の額及び事業の内容
(新たに親会社となるもの)
名称 |
株式会社椿本チエイン |
住所 |
大阪市北区中之島三丁目3番3号 |
代表者の氏名 |
代表取締役社長 木村 隆利 |
資本金の額 |
17,076百万円(2025年3月31日現在) |
事業の内容 |
ドライブチェーン及びコンベヤチェーン、減速機、直線作動機、エンジン用タイミングチェーンシステム、搬送・仕分け・保管システム等の製造販売 |
2.当該異動の前後における当該親会社の所有に係る当社の議決権の数及び総株主等の議決権に対する割合
|
所有議決権の数 |
総株主等の議決権に対する割合 |
異動前 |
596個 |
0.59% |
異動後 |
101,489個(予定) |
100.00% |
(注1) 「総株主等の議決権に対する割合」は、小数点以下第三位を四捨五入しております。
(注2) 異動前の「総株主等の議決権に対する割合」の計算においては、2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(10,924,201株)から、同日時点における当社の所有する自己株式数(775,205株)、相互保有株式数(50,066株)及び単元未満株式数(15,530株)を控除した株式数(10,083,400株)に係る議決権の数(100,834個)を分母として計算しております。
(注3) 異動後の「総株主等の議決権に対する割合」計算においては、2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(10,924,201株)から、同日時点における当社の所有する自己株式数(775,205株)を控除した株式数(10,148,996株)に係る議決権の数(101,489個)を分母として計算しております。
(注4) 当社は、本株式交換の効力発生日の前日までに開催する当社の取締役会の決議により、基準時の直前の時点までにおいて保有している自己株式(本株式交換に関してなされる、会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に係る株式の買取りによって当社が取得する自己株式を含みます。)の全てを、基準時の直前の時点をもって消却する予定ですので、異動後の「所有議決権の数」については、変動が生じる可能性があります。
3.当該異動の理由及びその年月日
(1)当該異動の理由
本株式交換により椿本チエインが当社の完全親会社となるため、同社は新たに親会社に該当することとなります。
(2)当該異動の年月日
2026年1月1日(予定・本株式交換の効力発生日)
Ⅲ.主要株主の異動に関する事項
(1)当該異動に係る主要株主の名称
(新たに主要株主となるもの)
株式会社椿本チエイン
(2)当該異動の前後における当該主要株主の所有議決権の数及び当社の総株主等の議決権に対する割合
|
所有議決権の数 (所有株式数) |
総株主等の議決権に対する割合 |
異動前 |
596個 |
0.59% |
異動後 |
101,489個(予定) |
100.00% |
(注1) 「総株主等の議決権に対する割合」は、小数点以下第三位を四捨五入しております。
(注2) 異動前の「総株主等の議決権に対する割合」の計算においては、2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(10,924,201株)から、同日時点における当社の所有する自己株式数(775,205株)、相互保有株式数(50,066株)及び単元未満株式数(15,530株)を控除した株式数(10,083,400株)に係る議決権の数(100,834個)を分母として計算しております。
(注3) 異動後の「所有議決権の数」は2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(10,924,201株)から、同日時点における当社の所有する自己株式数(775,205株)を控除した株式数(10,148,996株)に係る議決権の数(101,489個)を記載しております。
(注4) 当社は、本株式交換の効力発生日の前日までに開催する当社の取締役会の決議により、基準時の直前の時点までにおいて保有している自己株式(本株式交換に関してなされる、会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に係る株式の買取りによって当社が取得する自己株式を含みます。)の全てを、基準時の直前の時点をもって消却する予定ですので、異動後の「所有議決権の数」については、変動が生じる可能性があります。
(3)当該異動の年月日
2026年1月1日(予定・本株式交換の効力発生日)
(4)本報告書提出日現在の資本金の額及び発行済株式総数
資本金の額 |
3,536百万円 |
発行済株式総数 普通株式 |
10,924,201株 |
以上