第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

 当中間連結会計期間における我が国経済は、一部に足踏みが残るものの各種政策の効果もあり緩やかに回復しております。一方、物価上昇の継続による経済への影響、金融資本市場の変動の影響、通商政策をはじめとしたアメリカの政策動向による影響の広がり等、多くの景気下振れリスクが顕在しており、不透明な状況が継続しております。

 このような経営環境下、当社は「Speed up your AI」を新たなスローガンとして掲げ、これまで培ってきた高度なソフトウェア開発技術のAI領域への活用を進め、AI技術が急速に進展する現代においてお客様のAI開発及びAI活用を強力に支援すべく、各種事業を展開しております。

 主力のSolution事業では、自動運転を対象としたアルゴリズム開発や高速化案件、半導体メーカー向けソフトウェア開発案件が長期安定して継続しております。その他においても、高速化サービスに対する旺盛な需要を背景に、日本国内の製造業向け案件を中心として安定的な収益を獲得しております。

 SaaS事業においては、量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」、乳がんAI画像診断支援プログラム「METIS Eye」、AI開発・運用におけるパフォーマンスエンジニアリングプラットフォーム「Fixstars AI Booster」の開発を進めております。

 また、海外においては米国子会社のFixstars Solutions, Inc.が日本のお客様の米国業務の一翼を担う一方、研究機関等を対象とした高速化案件の拡大に取り組んでおります。

 以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は、4,783,240千円(前年同期比22.4%増)、営業利益1,502,504千円(前年同期比27.4%増)、経常利益1,499,204千円(前年同期比27.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益1,192,285千円(前年同期比56.4%増)となりました。

 

 主要なセグメントの業績は、次のとおりであります。なお、以下の数値はセグメント間の取引消去後となっております。

①Solution事業

 Semiconductorの分野では、モバイル機器やデータセンタ等で利用の進むNANDフラッシュメモリを対象として、ファームウェア及びデバイスドライバの開発等を行っております。Mobilityの分野では、自動運転を対象としたアルゴリズム開発及び高速化案件や、次世代モビリティに関連する研究開発及び高速化支援を行っております。Life Scienceの分野では医療画像診断装置における高精細画像のリアルタイム処理やゲノム解析、Financeの分野ではリスク計算やHFTの高速化支援、Industrialの分野では産業機器等におけるマシンビジョンシステムの高速化支援等を提供しております。

 この結果、売上高は、4,554,879千円(前年同期比21.8%増)、セグメント利益(営業利益)は、1,680,623千円(前年同期比32.8%増)となりました。

 

②SaaS事業

 各SaaS事業において、将来の収益獲得に向けて積極的な投資・開発を行っております。

 この結果、売上高は、228,360千円(前年同期比37.4%増)、セグメント損失(営業損失)は、177,955千円(前年同期はセグメント損失(営業損失)85,905千円)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(総資産)

 当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて206,668千円増加し、8,936,336千円となりました。これは、売掛金が659,790千円増加したこと、契約資産が249,269千円減少したこと等が主な原因であります。

(負債)

 当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて484,896千円減少し、1,301,664千円となりました。これは、返済により1年内返済予定の長期借入金が418,018千円減少したこと等が主な要因であります。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて691,564千円増加し、7,634,671千円となりました。これは、利益剰余金が580,187千円増加したこと等が主な要因であります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ237,487千円減少し、4,618,993千円となりました。

 

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は847,763千円(前年同期比22.8%増)となりました。税金等調整前中間純利益1,503,692千円、売上債権及び契約資産の増加(△410,939千円)、法人税等の支払(△503,823千円)等の要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は56,451千円(前年同期比4.1%増)となりました。これは主に、開発機材等の有形固定資産の取得による支出(△62,757千円)によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は1,049,723千円(前年同期比27.6%増)となりました。これは主に、配当金の支払額(△610,597千円)、長期借入金の返済による支出(△418,018千円)によるものであります。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

中期経営ビジョンについて

 2023年11月9日に、2024年9月期から2026年9月期にかけての中期経営ビジョンを発表いたしました。生成AI・数理最適化がより一層身近になり、世界の計算量が爆発的に増加を続けると見込まれる2030年に向けて、フィックスターズの高効率なソフトウェアが、クラウドとエッジの両サイドでコンピューティング基盤を支える世界の実現を目指します。

 中期経営ビジョンの2年目である当期においては下記に取り組んでまいります。

 ①フロー型収益の持続的な成長を継続しつつ、フロー案件を入り口としたストック型収益を拡大

 ②Solution事業とSaaS事業の連携強化

 ③「技術」と「経営」がわかる人材育成の継続

 

(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当中間連結会計期間において、当社グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

  当中間連結会計期間における、当社グループ全体の研究開発費の総額は、239,549千円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。