第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、前事業年度において、重要な営業損失、経常損失及び当期純損失を計上いたしました。また、当中間連結会計期間においても、継続して重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する中間純損失を計上しております。このような状況により、当社グループは、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。

今後、当社グループは当該状況をいち早く解消し、経営基盤の安定化を実現するために、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(継続企業の前提に関する事項)」に記載の対応策に取り組んでまいります。

しかしながら、これらの対応策は実施途上にあり、効果を十分に得ることができない可能性も想定されること、また、新株予約権の行使による資金調達は未確定であることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお、当社グループは、2025年9月期中間期より中間連結財務諸表を作成しているため、前中間連結会計期間との比較・分析の記載はしておりません。

 

(1) 業績の状況

当中間連結会計期間における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の回復を背景に、緩やかな回復基調を維持しております。一方で、エネルギー・原材料価格の高止まり、不安定な海外情勢や為替相場等、外部環境の不確実性が依然として高く、先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループがサービスを提供しているインターネット広告関連分野においては、業種により広告需要が増している一方で、主要顧客である国内の電子書籍及びゲーム領域の業種では広告需要が減少する等、広告主の事業性ごとに需要変動が激しい状況が続いております。

2023年9月より参入したトレーディングカード市場においては、ユーザーの裾野が広く、かつての懐かしさから再び収集を開始するケースや子どもと一緒にカードゲームを楽しむケースなど、キダルト層(キッズ+アダルト)と呼ばれる購買力を有する大人の出現も要因となり、一般社団法人日本玩具協会によると、2023年度のカードゲーム・トレーディングカード市場規模は、前年比118.1%となる2,774億円に拡大しております。2024年度以降も、中古市場の活性化や、ファン層の拡大などを背景に、当該市場は引き続き拡大基調で推移しており、今後も成長が見込まれております。

このような環境の下、当社グループは、「トレカ事業の拡大」及び「ヘルスケア事業の拡大」を成長戦略として掲げ、事業全体を早期に高利益率の事業構造に転換することを加速させるため、2024年11月11日付で第三者割当による新株予約権の発行を通じて資金調達を実施いたしました。現在、調達資金を活用した積極的なM&A及び抜本的な既存リソースの再配分を実施するなど早急に事業構造の転換を進めております。

上記成長戦略に基づき、当社は2025年2月5日付で株式会社crafty(以下「crafty社」といいます。)の全株式を取得いたしました。crafty社は、ECを中心にトレーディングカード事業を手掛ける会社であり、なかでもECオリパサービスブランド「アイリストレカ」は既に多くのお客様にご満足ご支持いただいている業界有数のサービスです。

また、後述の(重要な後発事象)に記載のとおり、2025年4月25日付でスパイラルセンス株式会社(以下「スパイラルセンス社」といいます。)の全株式も取得しております。スパイラルセンス社は、エンターテインメント分野を中心にゲーム・アプリ開発、XR開発、WEB制作/システム制作など多くの開発実績を有する会社であり、トレカ事業などにおけるEC領域での開発連携や拡大を見込んでおります。

なお、crafty社については第3四半期より、スパイラルセンス社については第4四半期より、それぞれ当社グループ業績への寄与を見込んでおります。

今後もグロース市場が求める高い成長性を実現するため、財務基盤の安定化を図るとともに、積極的なM&A含めたアライアンス等で成長を加速させてまいります。

以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高512,409千円、営業損失230,931千円、経常損失270,422千円、親会社株主に帰属する中間純損失268,267千円、EBITDAは229,976千円の赤字となりました。

(※)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費

 

各セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(広告事業)

広告事業の売上高は379,028千円、セグメント損失は93,030千円となりました。

主要顧客である国内の電子書籍及びゲーム領域の業種では依然として広告需要が低迷しており、売上高は減少傾向にあります。当社グループは、抜本的な既存リソースの再配分を実施するとともに、事業体制の見直しや運用コストの徹底的な最適化を実行いたしました。加えて、これまでのデジタル領域中心の広告事業から、より利益率が高いビジネスモデルへの事業構造の転換を早急に進めております。

今後は、成長戦略として掲げているトレカ事業及びヘルスケア事業と連携した総合的なマーケティング支援ビジネスを進めることで、持続的で安定した収益を確保できる事業体制で進めてまいります。

 

(トレカ事業)

トレカ事業の売上高は101,339千円、セグメント損失は53,738千円となりました。

当社グループは、2025年3月にトレカ1号店となる「cardéria池袋店」をオープンいたしました。同店舗は、トレーディングカード市場の拡大を支えるキダルト層をターゲットにしたコンセプトのもと、幅広いユーザーが気軽に立ち寄れる店舗を実現しております。

また、2025年2月5日付でcrafty社の全株式を取得し完全子会社といたしました。業界有数のECオリパサービスブランド「アイリストレカ」を運営している同社株式の取得により、オリパサイトの垂直立ち上げを実現いたしました。

加えて、事業開始当初より、業務提携先と全国に設置されたトレカ自動販売機を共同で運営しております。自動販売機を通じて得た販売データを基に、需要がある商品ラインナップを分析し、最適な在庫管理をはじめとする店舗EC戦略を立てております。今後も、自動販売機データを活用したマーケティングデータを基に、オフライン(店舗・自動販売機)展開及びオンライン(ECサイト・オリパサイト)展開の双方を注力領域として、顧客接点の拡大による事業シナジーの最大化を図ってまいります。

 

(その他事業)

その他事業の売上高は32,041千円、セグメント損失は6,110千円となりました。

ヘルスケア事業では、今後より柔軟かつ迅速性がある事業展開を実現するため、ヘルスケア領域を推進する事業会社として完全子会社であるアクセルメディカ株式会社を設立しております。また、同社において第二種医療機器製造販売業許可及び体外診断用医薬品製造販売業許可を取得しており、資格取得を含めたヘルスケア事業の体制構築が完了しております。

当社グループは、引き続き、Ascella Biosystems,Inc.が開発する感染症検査技術「AscellaOne」を活用した感染症プラットフォームの早期実用化及び事業展開に向けて事業推進しております。加えて、「ヘルスケア事業の拡大」を成長戦略に掲げたとおり、M&Aを含むアライアンスなどの戦略的な拡大を視野に事業を展開しております。

IoT事業が取り扱う積雪深自動モニタリングシステム「YUKIMI」では、今冬(2024年12月~2025年3月)においても新規自治体を含む複数の自治体にてサービス提供を実施いたしました。

 

(2) 財政状態の分析

当中間連結会計期間末における資産合計は、1,446,717千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金820,998千円、売掛金111,124千円、商品及び製品86,438千円、未収入金79,224千円であります。固定資産合計は307,759千円となりました。その主な内訳は、有形固定資産19,449千円、無形固定資産44,481千円、投資その他の資産合計243,827千円であります。

当中間連結会計期間末における負債合計は、479,394千円となりました。その主な内訳は、買掛金が66,300千円、転換社債型新株予約権付社債356,646千円であります。

当中間連結会計期間末における純資産合計は、967,323千円となりました。その主な内訳は、資本金451,508千円、資本剰余金1,276,204千円、利益剰余金がマイナス789,939千円であります。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、820,998千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において営業活動の結果使用した資金は312,196千円となりました。これは主に、暗号資産の減少29,362千円等があったものの、税金等調整前中間純損失267,122千円の計上、売上債権の増加34,851千円、買取債権の増加58,874千円等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において投資活動の結果使用した資金は144,274千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出19,870千円、敷金保証金の差入による支出20,496千円、連結の範囲の変更に伴う子会社株式の取得による支出92,206千円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において財務活動の結果得られた資金は766,540千円となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入773,917千円等があったことによるものであります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当社は、2025年1月27日開催の取締役会において、株式会社craftyの全株式を取得し、子会社化することを決議いたしました。同日付で株式譲渡契約を締結し、2025年2月5日付で全株式を取得いたしました。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。

また、当社は、2025年4月17日開催の取締役会において、スパイラルセンス株式会社の全株式を取得し、子会社化することを決議いたしました。同日付で株式譲渡契約を締結し、2025年4月25日付で全株式を取得いたしました。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。