株式会社芝浦電子
普通株式
(1)本公開買付けの概要
公開買付者は、2025年4月10日付「株式会社芝浦電子(証券コード:6957)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(その後の変更及び訂正を含み、以下「公開買付者予告公表プレスリリース」といいます。)においてお知らせしたとおり、以下の①から⑤の条件(以下「本公開買付前提条件」といいます。)の全てが充足されたこと又は公開買付者により放棄されたことを条件として、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)の全て(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得し、対象者の株主を公開買付者及び株式会社アドバンテッジパートナーズ(以下「AP」といいます。)又はAPが指定するAPのグループ会社(以下、APと総称して「APグループ」といいます。)のみとするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付け及びその後の対象者の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施すること、並びに、本スクイーズアウト手続の完了後速やかに公開買付者が所有する対象者株式の5%をAPグループに対して譲渡すること(以下「本株式譲渡」といいます。)及び本取引後におけるAPグループの保有する対象者株式の取扱いについて合意した基本合意書(以下「第一次基本合意書」といいます。)を締結し、2025年4月23日を目途に公開買付けを実施することを目指しておりました。なお、本書提出日現在、公開買付者及びAPグループは、対象者株式を所有しておりません。
① 本公開買付けに対して、対象者の取締役会が賛同意見を表明し、対象者の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の対象者における取締役会決議がなされ、これが法令等に従って公表されており、かつ、かかる賛同意見が変更又は撤回されていないこと。
② 本特別委員会(下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」において定義します。以下同じです。)において、対象者が本公開買付けに賛同意見を表明し、対象者の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の取締役会決議を実施することについて肯定的な内容の答申が行われており、かつ、当該答申が変更又は撤回されていないこと。
③ 対象者が2025年6月16日に開催することを予定している第67回定時株主総会において、同株主総会の基準日株主から、株主提案権(会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)303条又は305条に定める権利をいいます。以下同じです。)の行使として、当該株主提案権の行使期限である2025年4月21日までに、対象者から対象者の株主に対する剰余金の配当に関する提案が行われていないこと。
④ 2025年4月10日以降、法令上公開買付者が本公開買付けを撤回できる事由が生じていないこと(注1)。
⑤ 公開買付者が、対象者に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)並びに対象者の株券等の公開買付け等に関する事実(法第167条第2項に定めるものをいいます。)で対象者が公表(法第166条第4項又は167条第4項に定める意味を有します。)していないものを認識していないこと。
(注1) 公開買付者は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)第10条第2項に基づく届出(以下「事前届出」といいます。)が必要になると判断しており、2025年4月11日に公正取引委員会に対して事前届出を行い、当該事前届出は同日に受理されております。公開買付者は、公正取引委員会から2025年5月8日付「排除措置命令を行わない旨の通知書」及び取得禁止期間を30日間から27日間に短縮する旨の同日付「禁止期間の短縮の通知書」を同日受領したため、2025年5月9日から対象者株式を取得することが可能となっております。
対象者が2025年4月10日付で公表した「ミネベアミツミ株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「2025年4月10日付対象者賛同意見表明プレスリリース」といいます。)によれば、対象者取締役会は、2025年4月10日時点における対象者の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
また、対象者は、対象者取締役会において、YAGEO CORPORATION(以下「YAGEO」といいます。)が2025年2月5日に公表した「株式会社芝浦電子(証券コード:6957)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(以下「2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリース」といいます。)及び2025年3月28日に公表した「(訂正)「株式会社芝浦電子(証券コード:6957)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」の一部訂正に関するお知らせ」(以下「2025年3月28日付YAGEO訂正予告公表プレスリリース」といいます。)に記載の、YAGEOが設立した中間持株会社であるYAGEO Electronics Japan合同会社(YAGEO及びYAGEO Electronics Japan合同会社を含むYAGEOの子会社を総称して「YAGEOグループ」といいます。)による、対象者を完全子会社とすることを目的とする一連の取引(以下「YAGEO取引」といいます。)の一環としての、2025年5月7日を開始予定日とした対象者株式に対する公開買付け(以下「YAGEO公開買付け」といいます。)の開始予定に関して、上記のとおり、対象者取締役会が賛同意見を表明し、応募推奨することを決議した本公開買付けと択一的な関係にあるため、2025年4月10日時点における対象者の意見として、取締役全員の一致により、YAGEO公開買付けが開始された場合には、YAGEO公開買付けに対して反対の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、YAGEO公開買付けに応募しないようにお願いすることの決議も併せて行ったことを公表していたとのことです。その後、2025年4月17日付「YAGEO Electronics Japan合同会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に係る買付条件等の変更に関するお知らせ」(以下「2025年4月17日付YAGEO買付条件変更プレスリリース」といいます。)において公表されたとおり、対象者は、YAGEOから、YAGEO公開買付けにおける公開買付価格(以下「YAGEO公開買付価格」といいます。)を4,300円から5,400円に変更する旨の連絡を受領したとのことですが、さらにその後、対象者は、公開買付者から、2025年4月30日に、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を4,500円から5,500円に変更するとの連絡を受領し、本特別委員会から2025年5月1日付で追加で受領した答申書(以下「2025年5月1日付答申書」といいます。)の内容等を踏まえ、2025年5月1日開催の取締役会において、YAGEO公開買付けに対する対象者の従前の意見に変更がないことを確認しているとのことです。2025年4月10日の対象者取締役会決議の詳細につきましては、対象者が2025年4月10日付で公表した「YAGEO Electronics Japan合同会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する反対の意見表明のお知らせ」(以下「対象者反対意見表明プレスリリース」といいます。)をご参照ください。
また、対象者は、本公開買付け又はYAGEO公開買付けが開始される時点で、改めて、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年4月10日付で対象者取締役会に提出した答申書(以下「2025年4月10日付答申書」といいます。)の答申内容に変更がないかを検討し、対象者取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合はその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問(以下「追加諮問事項」といいます。)した上、その意見を踏まえ、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを予定していたとのことです。対象者は、2025年4月10日に、本特別委員会に対し追加諮問事項を諮問し、2025年4月16日から2025年4月30日までに開催された計6回の特別委員会において、各委員に対して、対象者の本取引及びYAGEO取引の検討状況・検討内容、価格交渉の状況等の追加諮問事項の検討に必要な情報を適宜共有したとのことです。また、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は追加諮問事項について、慎重に検討した結果、5月1日付で、対象者取締役会に対して、2025年4月10日付答申書の答申内容に変更がないことを内容とする2025年5月1日付答申書を提出したとのことです。その上で、対象者は、2025年5月1日付答申書の内容を最大限尊重しつつ、2025年4月17日から同月18日に実施した対象者の従業員及び取引先に対するアンケート結果も踏まえて慎重に検討した結果、2025年5月1日時点においても、本取引の目的や当該目的を達成するための意義や必要性に変わりはなく、その他にも、2025年4月10日時点における対象者の本公開買付けに関する判断を変更すべき事情は特段見当たらないことから、2025年5月1日、取締役全員の一致により、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
公開買付者は、2025年4月23日、対象者から、対象者が2025年6月16日に開催することを予定している第67回定時株主総会の基準日株主から、2025年4月21日の経過時点までに、株主提案権の行使として、対象者の株主に対する剰余金の配当に関する提案が行われなかったことを確認した旨、連絡を受けました。その後、公開買付者は、4月30日、対象者が本特別委員会から2025年4月10日付答申書の答申内容に変更がないことを内容とする2025年5月1日付答申書の提出を受ける見込みである旨、及び、対象者取締役役会として、2025年4月10日時点における対象者の本公開買付けに関する判断を変更すべき事情は特段見当たらず、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議する見込みである旨の連絡を受けました。
また、公開買付者は、対象者から、2025年5月1日、本公開買付けの開始時点において、対象者が同日に公表する本公開買付けを含む本取引に関する事項を除き、対象者に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)並びに対象者の株券等の公開買付け等に関する事実(法第167条第2項に定めるものをいいます。)で対象者が公表(法第166条第4項又は167条第4項に定める意味を有します。)していないものを認識していない旨の報告を受けました。
なお、公開買付者は、2025年4月11日に公正取引委員会に対して独占禁止法第10条第2項に基づく事前届出を行い、当該事前届出は同日に受理されているところ、取得禁止期間及び措置期間(「取得禁止期間」及び「措置期間」のいずれも、下記「6 株券等の取得に関する許可等」の「(2)根拠法令」において定義します。)は、原則として事前届出が受理された日から30日(短縮される場合もあります。)経過時点である2025年5月10日の経過時点をもって満了する予定であることから、公開買付期間中に本取引により対象者株式を取得することができるようになることが合理的に見込まれるものと判断しております。
これらにより、今般、公開買付者は、2025年5月1日までに、本公開買付前提条件③及び⑤が充足されていること、並びに、本公開買付前提条件①、②及び④も充足される合理的な見込みがあることを確認したことから、同日、本公開買付けを2024年5月2日より開始することを決定し、その予定である旨を対象者に連絡いたしました。なお、公開買付者が放棄した本公開買付前提条件はありません。なお、2025年5月1日付「株式会社芝浦電子(証券コード:6957)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」(以下「公開買付者プレスリリース」といいます。)において公表したとおり、本公開買付価格及び公開買付期間については、公開買付者予告公表プレスリリースでは、それぞれ1株当たり4,500円及び22営業日としておりましたが、今般、それぞれ5,500円及び20営業日へと変更しております。
対象者が2025年5月1日付で公表した「ミネベアミツミ株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「2025年5月1日付対象者賛同意見表明プレスリリース」といい、2025年4月10日付対象者賛同意見表明プレスリリースと併せて「対象者賛同意見表明プレスリリース」といいます。)によれば、対象者取締役会は、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けに際し、対象者の株主との間で、合計3,520,108株(所有割合合計:23.35%)の対象者株式について、対象者の株主が本公開買付けに応募する旨の契約を締結しております。具体的には、2025年4月10日付で、対象者の株主である(ⅰ)日星電気株式会社(以下「日星電気」といいます。)との間で、その所有する対象者株式341,000株(所有割合(注2):2.26%)の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(日星電気)」といいます。)を、(ⅱ)日星オプト株式会社(以下「日星オプト」といいます。)との間で、その所有する対象者株式100,000株(所有割合:0.66%)の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(日星オプト)」といいます。)を、(ⅲ)日本光電工業株式会社(以下「日本光電工業」といいます。)との間でその所有する対象者株式61,226株(所有割合:0.41%)の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(日本光電工業)」といいます。)を、(ⅳ)株式会社埼玉りそな銀行(以下「埼玉りそな銀行」といいます。)との間で、その所有する対象者株式695,640株(所有割合:4.61%)の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(埼玉りそな銀行)」といいます。)を、(ⅴ)ジェイアンドエス保険サービス株式会社(以下「ジェイアンドエス」といいます。)との間で、その所有する対象者株式213,310株(所有割合:1.41%)の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(ジェイアンドエス)」といいます。)を、(ⅵ)りそなリース株式会社(以下「りそなリース」といい、日星電気、日星オプト、日本光電工業、埼玉りそな銀行、ジェイアンドエスと併せて「本応募合意株主(公表時締結)」といいます。)との間で、その所有する対象者株式13,310株(所有割合:0.09%)の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約(以下、本応募契約(日星電気)、本応募契約(日星オプト)、本応募契約(日本光電工業)、本応募契約(埼玉りそな銀行)及び本応募契約(ジェイアンドエス)と併せて「本応募契約(公表時締結)」といいます。また、以下、本応募契約(公表時締結)において本応募合意株主(公表時締結)が本公開買付けに応募することを合意している本応募合意株主(公表時締結)が所有する対象者株式を総称して「本応募株式(公表時締結)」といいます。)を締結しております。また、公開買付者は、本取引の公表を行った2025年4月10日以降に、本応募合意株主(公表時締結)以外の対象者株主の一部と協議を行い、複数の個人株主である対象者の創業家一族の一部(北村幸榮氏(所有株式数:232,600株、所有割合:1.54%)及び浅野眞木子氏(所有株式数:167,600株、所有割合:1.11%)を含み、以下「本応募合意株主(4月22日付締結創業家)」といいます。)(所有株式数合計:536,502株、所有割合合計:3.56%)との間で、2025年4月22日付で、本応募合意株主(4月22日付締結創業家)が所有する対象者株式の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(4月22日付締結創業家)」といいます。)を締結しております。その後、本応募合意株主(4月22日付締結創業家)以外の複数の個人株主である対象者の創業家一族(以下「本応募合意株主(5月13日付締結創業家)」といい、本応募合意株主(4月22日付締結創業家)と併せて「本応募合意株主(創業家)」といいます。なお、各本応募合意株主(5月13日付締結創業家)の所有割合はそれぞれ1%以下です。)(所有株式数合計:160,600株、所有割合合計:1.07%)との間で、2025年5月13日付で、本応募合意株主(5月13日付締結創業家)が所有する対象者株式の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(5月13日付締結創業家)」といい、本応募契約(4月22日付締結創業家)と併せて「本応募契約(創業家)」といいます。また、以下、本応募契約(創業家)において本応募合意株主(創業家)が本公開買付けに応募することを合意している本応募合意株主(創業家)が所有する対象者株式を総称して「本応募株式(創業家)」といいます。)を締結しております。さらに、公開買付者は、(ⅶ)2025年4月22日付で、対象者の株主である株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)との間で、その所有する対象者株式425,640株(所有割合:2.82%)の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(三菱UFJ銀行)」といいます。)を締結し、同年5月1日付で、対象者の株主である(ⅷ)明治安田生命保険相互会社(以下「明治安田生命」といいます。)との間で、その所有する対象者株式818,000株(所有割合:5.43%)の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(明治安田生命)」といいます。)を、(ⅸ)株式会社武蔵野銀行(以下「武蔵野銀行」といい、三菱UFJ銀行及び明治安田生命と併せて「本応募合意株主(開始時締結)」といいます。また、本応募合意株主(公表時締結)、本応募合意株主(創業家)及び本応募合意株主(開始時締結)を総称して「本応募合意株主」といいます。)との間で、その所有する対象者株式154,880株(所有割合:1.03%)の全てについて本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(武蔵野銀行)」といい、本応募契約(三菱UFJ銀行)及び本応募契約(明治安田生命)と併せて「本応募契約(開始時締結)」といいます。また、以下、本応募契約(開始時締結)において本応募合意株主(開始時締結)が本公開買付けに応募することを合意している本応募合意株主(開始時締結)が所有する対象者株式を総称して「本応募株式(開始時締結)」といいます。)を締結しております(以下、本応募契約(公表時締結)、本応募契約(創業家)及び本応募契約(開始時締結)を総称して「本応募契約」といい、本応募株式(公表時締結)、本応募株式(創業家)及び本応募株式(開始時締結)を総称して「本応募株式」といいます。)。
公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を7,539,900株(所有割合:50.01%)と設定(注4)し、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が7,539,900株に満たない場合には応募株券等の全部の買付け等を行いません。一方、本取引においては、公開買付者は、本公開買付け及び本スクイーズアウト手続によって対象者株式の全て(対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的としていることから、本公開買付けにおいて買付予定数の上限については設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,539,900株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
また、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者は、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しております。さらに、公開買付者は、本スクイーズアウト手続完了後速やかに、本株式譲渡によって、公開買付者及びAPグループが保有する対象者株式に係る保有割合はそれぞれ89.1%、10.9%とすることを予定しております。
(注2) 「所有割合」とは、対象者が2025年2月10日に提出した「2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「対象者決算短信」といいます。)に記載された、2024年12月31日現在の対象者の発行済株式総数(15,559,730株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(483,047株)(同日現在において役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」といいます。)(注3)が所有する対象者株式として対象者より報告を受けた169,050株を含みます。)を控除した株式数(15,076,683株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。以下同じです。
(注3) BIP信託が所有する対象者株式については、信託契約上、経営への中立性を確保する観点から、信託期間中においては議決権が行使されないものとされていること、受益者確定手続を経て受益者としての要件を満たしたBIP信託の対象となる対象者の取締役等(以下「BIP信託制度対象者」といいます。)に対してその退任時に限って交付されること、及び、①BIP信託制度対象者が制度対象者としての地位を喪失した場合、②BIP信託制度対象者の海外への赴任が決定した場合、③BIP信託制度対象者が死亡したことを対象者が確認した場合、又は④BIP信託の制度が廃止となる場合でない限り、市場への処分が予定されていないところ、対象者によれば公開買付期間の末日までにかかる限定的な事由が生じることが想定されないとのことであることを勘案し、公開買付者は、BIP信託が所有する対象者株式について対象者が所有する自己株式数に含めております。
(注4) 対象者が2025年2月10日に提出した対象者決算短信に記載された2024年12月31日現在の対象者の発行済株式総数(15,559,730株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(483,047株)(同日現在においてBIP信託が所有する対象者株式として対象者より報告を受けた169,050株を含みます。)を控除した株式数(15,076,683株)に係る議決権の数(150,766個)に50.418%を乗じた数(76,014個、小数点以下を切り上げております。)から、対象者取締役に付与された譲渡制限株式(17,262株)及び対象者の従業員持株会が有する譲渡制限株式(44,310株)に係る議決権の数(615個)を控除した数(75,399個)に対象者の単元株式数(100株)を乗じた株式数(7,539,900株)(所有割合:50.01%)としております。
これは、公開買付者は本公開買付けにおいて対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としてはいるものの、①YAGEO公開買付けにおける買付予定数の下限は7,624,600株(所有割合:50.01%。但し、「買付予定数の下限は、本公開買付け開始時点の対象者の発行済株式総数や自己株式数を踏まえ、調整する可能性があります」とされていること及びYAGEO公開買付けにおいて参照されている対象者の自己株式数が更新されていることから、調整が行われるものと推察されます。)と設定されており、本公開買付けがYAGEO公開買付けへの対抗提案であるにもかかわらず、買付予定数の下限をYAGEO公開買付けよりも高く設定した場合には、本公開買付けの成立の可能性がYAGEO公開買付けよりも低いと対象者の株主の皆様から評価される可能性があること、②実際には本株式併合(下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」で定義します。以下同じです。)に係る議案の決議成立に必要な対象者株式数は、所有割合にして、対象者の直近5期の定時株主総会における議決権行使比率の最大値(約86%)(注5)に株主総会の特別決議の可決に要する議決権比率3分の2を乗じた割合(約57%)に相当する水準であると考えられること、③他方で、2020年から2024年の5年間に公表された上場会社の非公開化を目的とし、成立した公開買付け253件のうち、親子会社間、持分法適用会社間、MBO(注6)案件の合計139件を除いた資本関係のない第三者間の取引で、株式併合議案(スクイーズアウト議案)に係る株主総会を実施した43件においては、株式併合議案に対する議決権行使比率(但し、公開買付主体及びその特別関係者の行使個数は当該計算から除いております。)の平均値は約37.0%、中央値は約41.5%と、平時の定時株主総会の議決権行使比率に比して大きく低下する傾向があり、株主総会の特別決議の可決に要する議決権比率である3分の2を乗じた際に50.01%を上回る事例は1件のみ(当該1件の議決権行使比率は78.3%であり、3分の2を乗じた場合には、52.2%となります。)に留まることも踏まえ、仮に②で記載した割合(約57%)の対象者株式を本公開買付けにより取得できなかったとしても、公開買付者が、50.01%の対象者株式を本公開買付けにより取得できれば、対象者の臨時株主総会において株式併合に係る議案が承認される蓋然性が高いといえることを考慮したためです。また、対象者の従業員持株会が所有している対象者株式は、当該株式の取得資金を拠出している対象者の従業員が実質的な株主であると考えられるところ、当該従業員が対象者に雇用されているという関係性を踏まえると、対象者の意思決定に反する行動は取りにくいと考えられ、さらに、上記「1.買付け等の目的」に記載のとおり、本公開買付けに対して、対象者の取締役会が賛同意見を表明し、対象者の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の対象者における取締役会決議がなされることが本公開買付前提条件となっていることを踏まえると、一層、従業員持株会の構成員が、当該決議内容や本取引への理解を示して本株式併合に係る議案への賛成の議決権の行使に応じる意向を有することになると考えられることから、公開買付者は、本公開買付けが成立し、公開買付者が新たに対象者の親会社となった後においても、対象者の従業員持株会は対象者の本臨時株主総会(下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」において定義します。以下同じです。)において対象者が提案する本株式併合に係る議案に賛成の議決権を行使するものと考えております。
なお、本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する対象者の議決権が対象者の総株主の議決権の3分の2を下回り、結果として、本株式併合に係る対象者の臨時株主総会の議案の承認を得られない可能性もあります。しかし、当該承認を得られない場合であっても、公開買付者は、本公開買付け及び本スクイーズアウト手続によって対象者株式の全て(対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的としていることから、本公開買付けにおける応募状況や対象者の株主の対象者株式の所有状況及び属性、市場株価の動向並びに対象者の臨時株主総会における議決権行使比率等も踏まえた上で、本株式併合に係る議案が対象者の株主総会において現実的に承認される水準に至るまで、実務上合理的に可能である限り、対象者株式の追加取得を行います。公開買付者は、市場株価による市場内取引、又は、市場株価を考慮して決定する価格(但し、当該価格は、本公開買付価格と比較して、経済的に株主に不利益と評価されることのない、合理的な価格(市場株価にもよりますが、原則として本公開買付価格と同額又は近接した価格)とします。)による公開買付け以外の方法(法において認められる場合に限ります。)により、当該追加取得を行う方針です。当該追加取得を行う時期については、市況等の事情にもよるため、現時点では特定することは困難ですが、具体的な見込み時期が判明しましたら、その旨速やかにお知らせいたします。
(注5) 2024年6月26日に対象者が提出した第66期有価証券報告書によれば、2024年6月25日開催の対象者第66回定時株主総会の基準日における議決権の数は76,822個でしたが、2024年6月27日に対象者が提出した臨時報告書によれば、行使された議決権の数は全議案平均61,206個であり、行使された議決権は総議決権個数に対して約80%(小数点以下四捨五入)に相当します。同様に過年度の議決権行使比率を算定すると、第65回定時株主総会は約78%、第64回定時株主総会は約81%、第63回定時株主総会は約80%、第62回定時株主総会は約86%となり、対象者の直近5期の定時株主総会における議決権行使比率の最大値は約86%となり、さらに上記(注4)の③に記載のとおり、株式併合議案(スクイーズアウト議案)に係る公開買付主体及びその特別関係者の議決権を控除した株主の議決権行使比率は、平時の定時株主総会の議決権行使比率に比して大きく低下する傾向があると考えられます。
(注6) 「MBO(マネジメント・バイアウト)」とは、公開買付者が対象者の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって、対象者の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。
対象者の意思決定の過程に係る詳細については、下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針は以下のとおりです。なお、以下の記載のうち、対象者に関する記述は、対象者が公表した情報、対象者賛同意見表明プレスリリース、対象者反対意見表明プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づいて記載しております。
① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
公開買付者は、1951年7月、わが国初のミニチュアベアリング専門メーカーである日本ミネチュアベアリング株式会社として設立され、1961年8月に東京証券取引所店頭売買銘柄として承認・公開され、同年10月に東京証券取引所市場第二部に上場、さらに、1970年10月に東京証券取引所市場第一部に指定替上場をいたしました。その後、公開買付者は、1981年10月に、商号をミネベア株式会社に変更しました。また、公開買付者(当時の商号は「ミネベア株式会社」)は、2017年1月27日に、電子メーカーのミツミ電機株式会社(以下「ミツミ電機」といいます。)との間で、公開買付者を株式交換完全親会社、ミツミ電機を株式交換完全子会社とする株式交換を通じて経営統合を行い、ミネベアミツミ株式会社として新たなスタートを切りました。2022年4月4日以降は市場区分の見直しにより東京証券取引所プライム市場に上場しております。
公開買付者は、上記のとおり1951年7月にわが国初のミニチュアベアリング専門メーカーとして設立以来、ベアリングをはじめとする精密部品の製造・販売をしてまいりました。2010年8月からは、スマートフォンなどに使われる液晶用バックライトや照明器具などの製品も製造・販売しております。一方、ミツミ電機は、1954年1月にコイル/トランス等の電子メーカーである三美電機製作所として設立されて以来、1955年3月のポリバリコン(可変コンデンサ)の発明等に始まり、技術力を培い、あらゆる時代における最先端の電子機器に向け、電子部品を世界に供給してまいりました。1959年11月には、商号をミツミ電機株式会社に変更し、現在は、情報通信端末、自動車、ヘルスケア・生活家電、アミューズメント機器等に向けて、機構部品、半導体デバイス、電源部品、高周波デバイス、光デバイス等の電子機器・部品を製造・販売しております。
両社の経営統合により、公開買付者が従来有していた機械加工技術とミツミ電機の電子機器技術を融合した複合製品事業を拡大させており、現在は、技術・製品を相い合わせることで様々な分野でシナジーを生み出す「相合」(注7)精密部品メーカーとして、自動車、スマートフォン・タブレット、航空機、オフィスオートメーション機器、家電、医療機器等の産業に製品を供給しております。
公開買付者の企業グループは、本書提出日現在、公開買付者のほか、連結子会社145社(公開買付者と併せて、以下「公開買付者グループ」といいます。)で構成され、ボールベアリング(注8)、ロッドエンドベアリング(注9)、スフェリカルベアリング(注10)、ファスナー、ピボットアッセンブリー(注11)を主要製品とする「プレシジョンテクノロジーズ事業」、HDDスピンドルモーター(注12)、ステッピングモーター(注13)、ファンモーター、DCモーター(注14)、LEDバックライト、レゾナントデバイス(注15)、センシングデバイスを主要製品とする「モーター・ライティング&センシング事業」、アナログ半導体、光デバイス、機構部品、精密部品、電源、スマート製品、住宅機器用部品を主要製品とする「セミコンダクタ&エレクトロニクス事業」、自動車部品(ドアラッチ、ドアハンドル、ドアミラー等)、無線通信デバイス、産業機械部品を主要製品とする「アクセスソリューションズ事業」を主な事業内容としております。
そして、公開買付者グループは次の三つを基盤とする経営理念を定めております。
一つ目は、「社是『五つの心得』に基づいた透明度の高い経営」です。「従業員が誇りを持てる会社でなければならない」、「お客様の信頼を得なければならない」、「株主の皆様のご期待に応えなければならない」、「地域社会に歓迎されなければならない」、「国際社会の発展に貢献しなければならない」という社是のもと、公開買付者グループは、従業員・取引先・株主の皆様・地域社会・国際社会をはじめとする様々なステークホルダーに対して社会的な責任を遂行するとともに、持続的な企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。また、公開買付者グループは、「高付加価値製品の開発」「製品の品質の高度化」に積極的に取り組み、グループの総合力を発揮できる分野に経営資源を集中するとともに、「財務体質の強化」を中心とする企業運営の強化と社内外に対してわかりやすい「透明度の高い経営」の実践を心がけております。
二つ目は、「常識を超えた『違い』による新しい価値の創造」です。社会へ新しい価値を提案していくことがこれからのものづくりに求められる中、「Passion to Create Value through Difference」というスローガンを定め、常識を超えた「違い」で新しい価値をつくり、他社にない強みを発揮する体制を追求し、「情熱は力」「情熱はスピード」「情熱は未来」の考えのもと情熱を持って邁進しております。
三つ目は、「当社の成長、そして地球環境・社会の持続可能な成長の実現に向け、ものづくりに真摯に取り組む姿勢」です。公開買付者グループは、グループ会社で、ものづくりに対する姿勢、考え方、行動のベストプラクティスを追求し、共有していくことが何よりも重要と考えております。公開買付者グループがこれまで徹底してきた社会の要請に対し「より良き品を、より早く、より安く、より多く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」という成長と持続可能性への貢献に対する基本的な考え方に立って「真摯なものづくり」を今後も追及してまいります。
このような経営理念のもと、公開買付者は「コア事業の強化」、「ニッチ分野で多角化経営」、「相合してシナジー創出」を基本方針として、新規事業へのチャレンジやグループ内の既存の経営資源の活用を通じた自律的な会社の成長を目指すオーガニック成長と、M&Aを中心として非連続的な成長を両輪に事業を大きく伸ばし、成長を進めてまいりました。現行の事業計画においては2029年3月期の連結売上高2.5兆円、連結営業利益2,500億円を目標に、オーガニック成長で4,000億円、M&Aによる成長で7,000~8,000億円の売上拡大を掲げ、第三の成長軸として新たに設定した「社会的課題解決に資する製品開発及び部品供給」も加え、成長を加速してまいります。この社会的課題解決の視点において、今後世界のマーケットで目覚ましく成長する分野をEV(電気自動車)、再生可能エネルギー、AI、XR(クロスリアリティ(注16))と捉え、これら成長分野の取り込みに必要な「高電圧、高電流、高周波、高速」の「4高」に対応する製品の開発・供給拡大を目指しております。
(注7) 相合とは、総合ではなく、相い合わせることを意味する造語です。公開買付者グループのあらゆるリソースを掛け合わせ、相乗効果により新たな価値を創造することを意味します。
(注8) ボールベアリングとは、玉軸受であり、外輪、内輪、ボール、リテーナー(ボール保持器)、シールド(フタ)、スナップリング(ばね)により構成され、回転機器などの軸を安定的に回転させるために、軸を受ける部分に使用される機械加工部品を意味します。
(注9) ロッドエンドベアリングとは、球面すべり軸受を意味し、主に揺動運動、傾斜運動及び低速回転運動を支え、摩擦を軽減する目的で使用される軸受の一種です。
(注10) スフェリカルベアリングとは、自動調心ころ軸受を意味し、大きな荷重がかかって軸がたわみやすい機械等で使用されます。
(注11) ピボットアッセンブリーとは、HDDの磁気ヘッドを取り付けたアームを動かす支点部分に使用される部品を意味します。
(注12) HDDスピンドルモーターとは、HDDのディスクを回転させるモーターを意味します。
(注13) ステッピングモーターとは、電気信号により時計のように一定の角度ずつ動いて回転する仕組みのモーターを意味します。
(注14) DCモーターとは、直流モーターのことであり、直流電源で動くモーターを意味します。
(注15) レゾナントデバイスとは、ボイスコイル又は電磁石コア等を主な動力源とし、機械共振を有効利用した振動デバイスを意味します。
(注16) クロスリアリティとは、現実世界と仮想世界を融合させる技術の総称をいいます。
一方、対象者によれば、対象者は、1953年に創業し、サーミスタ(注17)及びSiCバリスタ(注18)の製造を開始したとのことです。2004年12月には、株式会社ジャスダック証券取引所(以下「ジャスダック証券取引所」といいます。)に上場し、2010年4月にジャスダック証券取引所と株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQ市場に上場したとのことです。その後、2013年に東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ市場への上場を経て、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所スタンダード市場に上場しているとのことです。
対象者グループ(対象者及び対象者の連結子会社をいいます。以下同じです。)は、「われわれは、地球環境を守り、世界の人々の笑顔あふれる暮らしの向上と文化の発展に貢献することを目的とする」を企業目的に掲げ、サーミスタ技術を中核とする半導体部品並びに、それらを応用した各種製品(温度センサ、湿度センサ、湿度計、温度制御器、温度記録計、風速計、湿度計測装置)の製造販売を主な事業としているとのことです。
対象者は、対象者の属する電子部品業界は、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響が緩和され、需要の回復が見られ、また、エアコン向け製品等については、需要の低迷が続いていたものの、需要回復の兆しが出ていると認識しているところ、2024年5月20日に公表した中期経営計画(2024-2026)の達成に向けて取り組んでいるとのことです。対象者は、長期的な経営ビジョンを策定し、新たな価値の創造を目指して、製品開発、生産性向上、マーケティングに注力しているとのことです。製品開発については、お客様のニーズを超える製品開発を推進し、顧客満足度の向上及び技術革新に繋げるとともに、新製品の開発や新市場の拡大を目指しているとのことです。生産性向上につきましては、AIやロボットを導入した製造設備の研究・開発や継続的な改善活動を推進するとともに、海外工場へのライン移管や多直化を進め、生産性向上を図っているとのことです。また、原材料の調達については、グローバル調達を強化し、リードタイムの短縮や調達コスト削減等により、コストを抑え安定的な調達を実現できる体制づくりを進めているとのことです。マーケティングについては、全世界のお客様との連携を深め、シナジー効果を創出しながら、EV/HV(注19)への販売拡大や環境規制及びエネルギー効率化に関連する分野をはじめとした新分野・新市場の開拓及び新製品開発等に繋げようとしているとのことです。
(注17) サーミスタとは、温度によって電気抵抗が変化する電子部品のことであるとのことです。主に温度センサとして使用されており、たとえば電子レンジやエアコンなどの家電製品、自動車の温度制御など、幅広い用途で利用されているとのことです。その構成には金属酸化物が用いられており、温度の計測や制御を目的とした感熱素子として機能するとのことです。
(注18) SiCバリスタとは、電圧が急激に上昇した際に電流を逃がし、回路を保護するための部品とのことです。炭化ケイ素(SiC)を材料とした過電圧保護デバイスであり、高い耐電圧性や高温耐性といった特性を備えているとのことです。
(注19) HVとは、Hybrid Vehicleの略語であり、ガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせて走る車のことであるとのことです。一般的に「ハイブリッド車」と呼ばれ、エンジンと電動モーターを効率よく使うことで、ガソリン消費を抑えられるとのことです。
上記のとおり、公開買付者は、幅広い産業に様々な製品を供給しておりますが、祖業のベアリングのように、様々な機器に必要な核製品で、絶対になくならない事業をコア事業と定義しております。その中で、公開買付者が高シェア・高収益をあげ、競争優位性を発揮できるニッチセグメントを今後の重点分野と見極め「8本の槍」(①ベアリング、②アナログ半導体、③モーター、④アクセス製品(注20)、⑤センサ、⑥コネクタ/スイッチ、⑦電源、⑧無線/通信/ソフトウェア)と位置付けております。公開買付者のコア事業「8本の槍」のひとつであるセンサ領域に関しては、温度制御ソリューションの高まるニーズに対して、公開買付者の垂直統合生産システムの強みを生かした温度スイッチIC、アナログ出力温度センサIC、デジタル出力温度センサIC等の製品を手掛けており、車載、エアコン、工作機械、物流機器、FA機器、医療用機器、家電等の様々な市場に対して当該製品を供給しております。サーミスタを搭載している公開買付者の主な製品としては、電源製品の温度フィードバック用センサや、バッテリープロテクションモジュールのバッテリー温度モニタリング、一部レゾルバ(注21)で主機モーターの温度モニタリング等があり、今後新規開発を進める製品においてもサーミスタの活用機会があると考えております。
(注20) アクセス製品とは、ドアハンドルやラッチ等の製品をいいます。
(注21) レゾルバとは、モーターを制御するための角度変位センサを意味します。
公開買付者は、新規事業へのチャレンジやグループ内の既存の経営資源の活用を通じて自律的なオーガニック成長と、M&Aを中心として非連続的な成長を両輪に事業を大きく伸ばし成長を進める中で、2025年1月17日、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)より、対象者が第三者から買収提案を受けていることを踏まえた対象者との協業の可能性に関する面談の打診を受け、同月23日に面談を行い、両社の事業理解を深めることといたしました。また、公開買付者及び対象者は、同月28日から30日まで対象者のタイ工場並びに公開買付者のタイ工場及びカンボジア工場を見学し、対象者の事業戦略や公開買付者とのシナジー発現の可能性について意見交換や協議を実施しました。
そのような中、公開買付者は、2025年2月5日、YAGEOが、対象者をYAGEOの完全子会社とするYAGEO取引の一環として、YAGEO公開買付けの提案(以下「YAGEO提案」といいます。)をしていることを2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースを通じて知りました。同月7日、公開買付者は、YAGEO提案を契機として、公開買付者、対象者及びYAGEOから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、1月下旬以降対象者との潜在的な協業に係る一般的な相談をしていた長島・大野・常松法律事務所を正式に本取引のリーガル・アドバイザーとして選任し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることについて、上記記載の両社による協業に関する意見交換や協議の内容を踏まえ、具体的な検討を開始いたしました(なお、大和証券及び長島・大野・常松法律事務所はAPグループからも独立したアドバイザーです。)。その一環として、更に深く対象者事業を理解し、協業によるシナジー発現の可能性を探るため、2月10日に対象者グループの本宮工場の見学を行いました。
その後、公開買付者は、対象者が同年2月12日付で公表した「特別委員会の設置に関するお知らせ」を通じて、対象者が、YAGEO提案を受け、対象者取締役会において、YAGEO提案及びYAGEO取引に対する真摯な対抗提案(以下、かかる提案を「対抗提案」といい、対抗提案に係る提案者を「対抗提案者」といいます。)が第三者よりなされた場合における当該対抗提案について、経済産業省が2023年8月31日付で公表した「企業買収における行動指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」(以下「企業買収行動指針」といいます。)を踏まえ、検討プロセスの公正さと透明性を確保しつつ、真摯な検討を行うことを目的として、特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置することを決議したことを知りました。2025年2月12日、対象者と再度面談を行い、対象者から公開買付者へYAGEO提案及びYAGEO取引に対する対抗提案として本取引について検討してほしい旨伝達され、公開買付者からは上記工場見学を踏まえ協業によるシナジー発現の可能性をより深く検討する旨、伝達いたしました。
公開買付者は、2025年2月17日、対象者より対象者の完全子会社化の検討要請を受け、同日に、本取引に関する法的拘束力を有しない対象者株式の取得に関する意向表明書(以下「公開買付者意向表明書」といいます。)を対象者へ提出したところ、同月27日、対象者から、公開買付者による対抗提案の検討に向けたデュー・ディリジェンスのプロセスへの招聘を受けました。なお、公開買付者意向表明書においては、公開買付者が合理的に満足するデュー・ディリジェンスが完了していること、公開買付者の実施する予定の公開買付けについて、対象者の取締役会が本公開買付けに対する賛同意見及び対象者の株主の皆様に対して応募を推奨する旨の意見を表明し、かかる意見が撤回されていないこと、国内外の競争法や投資規制法令等に基づき必要となる手続が全て完了し、又は当該公開買付けに係る買付け等の期間の延長を必要としないタイミングで完了することが合理的に見込まれると公開買付者が判断していること、及び、公開買付者の取締役会による承認が得られていることを取引の条件として、YAGEO公開買付けにおける公開買付価格と同等の対象者株式1株当たり4,300円での現金対価による公開買付け及びその後のスクイーズアウト手続を通じて、対象者株式の全て(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することを提案内容としておりました。なお、同月17日に対象者から対象者の完全子会社化の検討要請を受けるまでは、公開買付者は、対象者との間で、上記協業の可能性に係る検討のための協議等を実施したにとどまり、本公開買付けを含む対象者の完全子会社化に係る協議等は実施しておりません。
公開買付者は、2025年3月4日より、対象者に対するデュー・ディリジェンスを行い、対象者のビジネス、法務、財務、税務、人事、IT、環境等の分野に関して分析し、対象者株式の取得について検討を進めました。
対象者株式の取得の検討を進める中で、公開買付者は、公開買付者との事業上の親和性が高く様々なシナジーが想定され、公開買付者が日本を代表する卓越した電子部品メーカーであると考える対象者が、海外資本の傘下に組み込まれ、対象者が有する高度な技術力や事業基盤が毀損ないし国外に流出することで日本の国益を損なう結果となる可能性について強い危機感を抱き、また、パワーエレクトロニクス製品における温度管理の重要性を認識し、対象者のサーミスタとアナログ半導体技術の相乗効果による高付加価値製品開発の可能性があること、また、公開買付者の有する世界101か所の営業拠点と約2,000名の営業・マーケティング担当者を活用し、対象者製品のグローバル展開と市場シェア拡大を図るとともに、製造・営業拠点の相互活用による調達・物流コストの削減や生産効率の向上が実現できると考えられることを認識しました。
具体的には、公開買付者は、本取引によって以下のようなシナジーがあると考えております。
(ⅰ)技術革新と高付加価値製品の開発
公開買付者は、モーターや電源等のパワーエレクトロニクス製品の使用限界は「温度」であるとの認識のもと、今後の「4高」製品においては今まで以上に温度管理の重要性が増すと考えております。電源製品、バッテリー関連製品、主機モーターを始めとする各種モーター等、公開買付者の様々な製品において温度管理はキーファクターとなり、対象者のサーミスタの搭載機会、搭載数は大いに増加すると見込んでおります。
また、公開買付者は、「8本の槍」の一つであるパワー半導体を含めたアナログ半導体事業にも注力しております。サーミスタは温度変化によって抵抗値が変化する素子であり、抵抗値の変化を電圧や電流に変換し、温度値を測定する等、温度制御を行うためにはアナログ半導体が必須であり、また、抵抗値出力が非線形の特性であるため、温度補正に関してもアナログ半導体のシナジーがあると考えております。
さらに、公開買付者が強みとするモジュール化技術により、対象者のNTCサーミスタ(注22)を公開買付者が有する半導体製品に組み込み、公開買付者の強みである垂直統合で生産することで、より付加価値の高い温度制御ソリューションの提供が可能になると想定しております。
上記のように、公開買付者はモーター、半導体、コネクタ等の温度センサと親和性のある電子部品を数多く手掛けており、それらを組み合わせた技術・製品開発の機会を創出することで公開買付者の掲げる相合を対象者との間でも実現できると考えております。
(注22) NTCサーミスタとは、熱を感知した際の抵抗値の変化を利用した温度センサを指すサーミスタのうち、負特性の抵抗変化をするサーミスタをいいます。
(ⅱ)公開買付者の販路を活用したグローバル展開
公開買付者はグローバルに多くの営業拠点を有し、2,000名の営業・マーケティング担当者が日々世界中の顧客に対して幅広く製品及びソリューションを提供しております。公開買付者の販路を活用することで、対象者の既存エリアでの市場シェア拡大及び新規エリアの開拓が見込まれると想定しております。
具体的には、対象者は国内のほか、中国・タイを中心としてアジア地域における売上比率が高く、一方で公開買付者は世界101か所の営業拠点を基に国内のほか、アジア、米国、欧州を中心に世界28か国においてグローバルに強固な顧客基盤を有しております。公開買付者の各種センサやアナログ半導体、モーター等、対象者のNTCサーミスタと親和性のある製品群において、公開買付者のグローバルでの販売網を活用したクロスセルが期待できると考えております。
(ⅲ)オペレーションの効率化
公開買付者及び対象者のグローバルでの製造・営業拠点を相互活用することで、製造や物流コストの低減を実現できると考えております。公開買付者は、温度センサのニーズが今後増していくと考え、部材の安定調達及び調達コストの削減が重要課題になると認識しております。公開買付者の調達網を生かした共同調達や、物流等サプライチェーンの統合を促進すること、上記の公開買付者の販路を活用することを通じ、対象者事業における収益性の更なる向上が見込まれるものと想定しております。加えて、公開買付者が強みとする大量生産の製造ノウハウや工場オペレーションのノウハウを活用し、対象者の生産効率も大きく向上することが期待できると考えております。
公開買付者は、本取引にはこのようなシナジーがあると考えられることを踏まえ、カーボンニュートラル、自動車の電動化、AIサーバーの需要拡大、IoT高機能家電製品の普及等といっためまぐるしく変わる外部環境において、公開買付者グループにおける各種モーター及びアナログ半導体と対象者のNTCサーミスタの相乗効果をはじめ上記シナジーの最大限発揮に向け、迅速かつ効率的に取り組むには、対象者が短期的な業績変動に動じることなく中長期的な視点を持つこと、並びに、対象者と公開買付者グループが一体となり、機動的・一体的な連携により、情報・人的資源の共有を図るとともに経営リソースの最適配分を行うことが望ましいと判断いたしました。
なお、一般的に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることが挙げられます。しかしながら、対象者は、上場廃止後も公開買付者グループの1社として、公開買付者からの借入や出資を受け入れるといった財務面での強力なバックアップを受けることが可能です。また、一般的には非公開化により上場会社というステータスを失うことにより、取引先に対する信用力の低下や従業員のモチベーション維持・人材確保が困難となる可能性がありますが、対象者が2024年11月11日に発行した「芝浦電子グループ統合報告書2024」によれば、対象者グループはサーミスタの世界シェアNo.1の13.5%を占め(2024年3月期、対象者調べ)、対象者はNTCサーミスタの世界的リーディングカンパニーとして既に非常に高い知名度・信用を有しており、また、公開買付者としては、対象者の上場廃止後も現状の従業員の雇用及び処遇については実質的に同等の条件で維持することを想定しており、また公開買付者グループにおける極めて重要な1社として対象者が存続し続けることを想定しているため、対象者における株式の非公開化に伴うデメリットは限定的といえます。
以上から、公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本取引により対象者を非公開化して公開買付者の完全子会社とすることが公開買付者の企業価値向上に資する取組みであるとの判断に至りました。
2025年3月10日、公開買付者は、本特別委員会より質問書を受領したため(公開買付者の概要、対象者に関する評価、本取引の目的、今後の対象者の経営体制の他、2025年3月期の対象者における期末配当についての考え方等について質問を受けました。)、同月28日に書面で回答いたしました。具体的には、当該書面記載の内容に加え、本公開買付価格は、対象者による2025年3月期に係る期末配当(1株当たり150円)が実施されることを前提とする予定であるが、以降の配当は実施されないことを前提とする予定である旨を回答いたしました。
また、上記記載の検討結果及びデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえ、公開買付者は、2025年3月28日に、対象者取締役会及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を4,300円とする法的拘束力を有する価格提案書(以下「3月28日付価格提案書」といいます。)を提出いたしました。4,300円は、3月28日付価格提案書の提出日の前営業日である2025年3月27日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値4,545円に対して-5.39%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアムの計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値4,539円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して-5.27%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値3,998円に対して7.55%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値3,656円に対して17.61%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。これに対して、公開買付者は、同日本特別委員会から、3月28日付価格提案書に記載本公開買付価格は対象者株主にとって十分な価格であるとは言えないと考える旨の回答書を受領いたしました。これを踏まえて、公開買付者は同月29日、本公開買付価格を4,500円とする返答書(以下「3月29日付返答書」といいます。)を提出したところ、同日、本特別委員会より3月29日付価格提案書の公開買付価格は依然対象者株主にとって十分な価格であるとは言えないと考える旨の回答書を受領しました。4,500円は、3月29日付返答書の提出日の前営業日である2025年3月28日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値4,490円に対して0.22%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値4,537円に対して-0.82%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値4,007円に対して12.30%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値3,663円に対して22.85%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。これを踏まえて、公開買付者は、同月31日、本公開買付価格を4,600円とする返答書(以下「3月31日付返答書」といいます。)を提出いたしました。4,600円は3月31日付返答書の提出日の前営業日である2025年3月28日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値4,490円に対して2.45%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値4,537円に対して1.39%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値4,007円に対して14.80%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値3,663円に対して25.58%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。
公開買付者は、本特別委員会からの要請を受け、同年4月1日に、対象者及び本特別委員会に対して、公開買付者及び本取引に関する上記質問書の回答を踏まえて質疑応答を行いました。具体的には、対象者のサーミスタ製品と公開買付者の製品との親和性等に関する質問があり、これに対して公開買付者は、公開買付者が今後、成長分野の取り込みに必要と考える「高電圧、高電流、高周波、高速」の「4高」についてボトルネックは熱であり、サーミスタは重要な役割を果たすこと、また、実際に公開買付者は現時点で月900万個程度のサーミスタを使用する等、公開買付者が取扱う製品の大部分について対象者製品の使用機会があること、さらに、今後の発展が期待されるレゾルバやバッテリーの制御においてもより一層サーミスタの役割が重要となるため、両社の協業によるシナジーが非常に期待できる旨を回答いたしました。
また、同日に、本特別委員会より3月31日付返答書の公開買付価格は、対象者及び本特別委員会において評価し得る範囲に入ってきているものの、対象者少数株主に対し公正な価値が十分に分配された価格であるとはまだ言えないと考える旨の回答(以下「4月1日付回答書」といいます。)を受領しました。これを踏まえて、公開買付者は、本特別委員会に対して、同月3日、本取引が公開買付者及び対象者の企業価値最大化に資するものであると同時に、日本の経済安全保障上の懸念を払拭し、日本の国益に資するものであると公開買付者が確信していること、並びにYAGEOによる公開買付けに対する対抗提案であることに鑑み、公開買付者として最大限の提案であり、また公開買付者としても株主を中心としたステークホルダーに対する説明責任を果たす必要があることから、価格の引上げは困難と考えている旨の返答書(以下「4月3日付返答書」といいます。)を提出いたしました。その後、同月4日、本特別委員会より、再度、公開買付者の見解を踏まえ慎重に検討したものの、対象者少数株主に対し公正な価値が十分に分配された価格であるとは言えないため、本公開買付価格の再検討を依頼したい旨の回答書を受領いたしました。
公開買付者は、4月1日付回答書の受領後、米国の追加関税措置の発効と相互関税の発表(以下「米国関税措置」といいます。)により、これまでの価格提案の前提としていたマクロ経済環境に重大な変化が生じたため、価格を再考する必要があると認識しました。公開買付者にて慎重に検討に重ねた上、2025年4月7日に、本公開買付価格を4,400円と修正し、本特別委員会に対して提案いたしました(以下、公開買付者が対象者に提出した、かかる提案内容を記載した返答書を「4月7日付返答書」といいます。)。公開買付者は、かかる提案にあたって、同日時点で判明している状況だけでなく、今後の影響も含め、米国関税措置の影響範囲・程度は甚大かつ不確実性が高く、将来計画の評価においては非常に慎重な判断が求められる状況と考えられること、また、そのような不確実性を反映する形で、4,300円でのYAGEOによる公開買付け開始予定が公表されているにも関わらず、足元の対象者の株価は明確に4,300円を下回り推移していること、さらに、実際に過去の対象者の中期経営計画における営業利益の達成度に目を向けると、マクロ経済に大きな変化があった際には計画策定年度から3年後の実績は計画値対比で相応に下回る傾向が見られること、しかしながら、公開買付者としては、本取引を実現することが対象者の企業価値最大化に資するものであると同時に、日本の経済安全保障上の懸念を払拭し、国益に資するものであると確信しているため、上記4,400円という提案内容が、対象者株主に対しても合理的に説明可能なものであり、かつ、YAGEO公開買付けにも対抗し得るものであると考えられることを総合的に勘案しております。
その後、公開買付者は、2025年4月8日に、対象者及び本特別委員会より、米国関税措置が対象者の将来の業績に与える直接的な影響は限定的であると対象者は判断していることから、3月31日付返答書にて提案した本公開買付価格4,600円未満の価格では応諾できず、本公開買付価格の再検討を要請すること、また、公開買付者の見解について直接面談の場で確認したい旨の回答を受領いたしました。
同日、公開買付者は、かかる要請を受け、本特別委員会に対して、米国関税措置が貿易戦争を引き起こし、世界経済が減速する可能性があると考えられること、そのような状況に陥った場合、特に自動車産業や高級家電市場が景気動向の影響を強く受けることが見込まれ、対象者の主要な収益源である日本国内市場も大きな影響を受ける可能性があると考えられること、また、対象者が日本国外においても相応の利益を上げており、仮に海外市場での景気低迷、需要縮小、生産縮小、又はコスト増加が生じた場合、対象者の収益に与える影響は軽視できないこと、対象者製品は中間財(注23)であり、最終消費財(注24)の価格設定に左右されることや、対象者が扱う製品は、各顧客でそれぞれ異なる仕様のカスタム品であり、短期的に代替が難しい場合でも、中長期的にはコスト競争力のある他社が台頭し、対象者の顧客が新たな仕入先を確保する可能性があるため、価格転嫁での対応は不確実性が伴うと考えていること、これらのマクロ環境が大きく悪化するリスクを踏まえると、対象者が作成した事業計画(以下「本事業計画」といいます。)の達成には不確実性があると認識しているため、提案価格の引下げは十分な合理性があり、公開買付者の株主に対する説明責任の観点からも引下げはやむを得ないと考えていること、他方で、対象者株主への説明責任及びYAGEO公開買付けに対する対抗提案としての有効性の観点から引下げ幅は最小限に抑えた価格であり、YAGEO公開買付けが公表された2025年2月5日以前の対象者株式の市場株価のうち歴代最高値である4,425円を上回る価格であること等を踏まえると、対象者の少数株主にも納得いただける価格であると考えている旨を記載した返答書(以下「4月8日付返答書」といいます。)を用いて、本公開買付価格を4,500円とする提案をいたしました。対象者及び本特別委員会による検討後、対象者及び本特別委員会から、2025年4月9日に、本公開買付価格を4,500円とする提案を応諾する旨の回答を受領いたしました。
(注23) 加工された製品で、他の製品の生産に投入される財やサービスをいいます。
(注24) 他の製品の生産のために更に使用・消費されることのない製品をいいます。
また、公開買付者は、対象者との協議と並行して、公開買付者との事業上の親和性が高く様々なシナジーが想定され、公開買付者が日本を代表する卓越した電子部品メーカーであると考える対象者が、海外資本の傘下に組み込まれ、対象者が有する高度な技術力や事業基盤が毀損され、国外に流出することで日本の国益を損なう結果となる可能性について強い危機感を抱く中、2025年3月31日、かねてより親交のあった、1997年に日本で最初のプライベート・エクイティ(PE)ファンドを設立して以来100件を超える累積の投資実績を有し、非公開化を伴うマジョリティ投資(注25)に加え、上場企業へのマイノリティ出資(注26)を専門とするチームも擁し、株式会社イトーキ(証券コード:7972)、株式会社タチエス(証券コード:7239)等の製造業を営む上場企業を含む多数の上場企業への40件を超える投資・成長支援実績を有し、グローバルな舞台で培った投資・経営ノウハウを活用して投資業務及び経営支援業務を行うAPグループと、本公開買付けの買付資金及び本スクイーズアウト手続のための資金の一部を負担することによってAPが対象者に資本参画することを協議するため面談を実施しました。そこで、公開買付者は、APに対して、本取引について、対象者が海外資本の傘下に組み込まれることによって、対象者が有する高度な技術力や技術基盤が毀損され、国外に流出することで日本の国益を損なう結果となる可能性があるという公開買付者の見解を共有したところ、APから、公開買付者の当該見解に深く共鳴し、APによる本公開買付けの買付資金の一部の負担及びAPによる対象者に対する資本参画の条件及び方法について具体的な協議を開始したい旨の回答を受領いたしました。かかる協議の中、同年4月4日、公開買付者は、APが本公開買付けの買付資金の一部を負担することによってAPが対象者に対して資本参画することを目的として、本スクイーズアウト手続完了後に本株式譲渡を行い、公開買付者とAPの間で対象者株式の保有割合をそれぞれ95%、5%とする提案をいたしました。そうしたところ、同月7日、APより上記提案を応諾する旨、回答を受領いたしました。その後、第一次基本合意書に係る協議を重ね、同月10日、公開買付者及びAPの間で、第一次基本合意書を締結いたしました。しかしながら、4月17日に、YAGEOがYAGEO公開買付価格を4,300円から5,400円に変更する旨を「株式会社芝浦電子(証券コード:6957)に対する公開買付けの買付条件等の変更に関するお知らせ」(以下「4月17日付YAGEO変更プレスリリース」といいます。)を通じて公表したことを受けて、公開買付者及びAPは、本公開買付けの買付資金及び本スクイーズアウト手続のための資金の負担について改めて、本公開買付価格を5,500円へと変更するにあたってAPが増額分の出資・資本参画を積極的に検討する意向を有している旨を確認し、また、本株式譲渡から2年が経過した後において、APグループは、その保有する対象者株式の全部を公開買付者に対して売り渡す権利(プットオプション)を有すること、及び、公開買付者は、APグループが保有する対象者株式の全部を買い取る権利(コールオプション)を有するといった、第一次基本合意書において合意された事項を引き続き維持する意向であることを確認する協議を行い、本株式譲渡後における公開買付者とAPグループの間における対象者株式の保有割合をそれぞれ89.1%、10.9%とすることで合意し、5月1日、公開買付者及びAPの間で、第二次基本合意書を締結いたしました(以下「第二次基本合意書」といい、第一次基本合意書と併せて、「本基本合意書」といいます。)。本基本合意書の詳細は、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本基本合意書」をご参照ください。
(注25) 投資対象となる企業の議決権の50%超を取得する投資方法をいいます。
(注26) 投資対象となる企業の議決権の50%以下を取得する投資方法をいいます。
なお、公開買付者は、本公開買付けの成立確度を高くするため、2025年4月1日に大和証券を通じて対象者の複数の大株主に対して本公開買付けへの応募の打診を行いました。その後、公開買付者は、同月7日に日星電気及び日星オプトとの間で、同月8日に日本光電工業との間で、同月9日に埼玉りそな銀行及びりそなリースとの間でそれぞれ面談を行い、本取引の意義・経緯や本取引後の経営方針等に関して説明を行い、ジェイアンドエスに対して本公開買付けへの応募の打診を行いました。そして、本応募合意株主(公表時締結)における検討を経て、2025年4月10日付で、本応募合意株主(公表時締結)との間で本応募契約(公表時締結)を締結いたしました。また、2025年4月10日以降、公開買付者は、大和証券を通じて、2025年4月17日から、本応募合意株主(4月22日付締結創業家)に本公開買付けへの応募の打診を行い、同月20日に本応募合意株主(4月22日付締結創業家)に大和証券より本取引の意義・経緯に関して説明を行いました。本応募合意株主(4月22日付締結創業家)における検討を経て、2025年4月22日付で、本応募合意株主(4月22日付締結創業家)との間で本応募契約(4月22日付締結創業家)を締結いたしました。加えて、公開買付者は、2025年4月11日に三菱UFJ銀行との間で面談を行い、本取引の意義・経緯や本取引後の経営方針等に関して説明を行いました。三菱UFJ銀行における検討を経て、2025年4月22日付で、三菱UFJ銀行との間で、本応募契約(三菱UFJ銀行)を締結いたしました。さらに、公開買付者は、大和証券を通じて、2025年4月11日に対象者株主である明治安田生命に、同月14日に武蔵野銀行に、それぞれ本公開買付けへの応募の打診を行い、各株主における検討を経て、2025年5月1日付で、明治安田生命及び武蔵野銀行との間で、それぞれ本応募契約(明治安田生命)及び本応募契約(武蔵野銀行)を締結いたしました。本公開買付けが開始された2025年5月2日以降、公開買付者は、大和証券を通じて、2025年5月7日から、本応募合意株主(5月13日付締結創業家)に本公開買付けへの応募の打診を行い、本応募合意株主(5月13日付締結創業家)における検討を経て、同月13日付で本応募契約(5月13日付締結創業家)を締結いたしました。本応募契約の詳細は、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本応募契約(公表時締結)」、「③ 本応募契約(創業家)」、「④ 本応募契約(三菱UFJ銀行)」、「⑤ 本応募契約(武蔵野銀行)」及び「⑥ 本応募契約(明治安田生命)」をご参照ください。
公開買付者予告公表プレスリリースの公表以降、公開買付者は、2025年4月16日に、本特別委員会より、米国政府が、同月10日、日本を含む60の国と地域を対象とした相互関税の上乗せ分の90日間の一時停止を、同月12日、スマートフォン、コンピューター及び半導体等の電子機器に対する相互関税適用の一時停止を発表しており、対象者の利益見通しの不確実性が、2025年4月9日時点より相応に低下していると考えられること、株式会社大和総研が2025年4月3日に公表したレポート「「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%」(著者:経済調査部 シニアエコノミスト 久後翔太郎、経済調査部 エコノミスト 秋元虹輝)(以下「4月3日付大和総研レポート」といいます。)によれば「今回発表された相互関税によって、日本経済の実質GDPは短期的には0.6%(2025年)、中期的には1.8%(2029年)程度下押しされると試算される。」とされていたものの、同社にて同日10日に更新されたレポート「「相互関税」一部停止の日本経済への影響」(以下「4月10日付大和総研レポート」といいます。)によれば、「新たな方針を踏まえた相互関税による日本の実質GDPへの影響は、2025年で▲0.2%(4月3日試算では▲0.6%)、2029年で▲0.6%(同▲1.8%)程度と試算される。」と更新されており、米国関税措置による日本の実質GDPの下押し幅の試算が1.2%改善されていること、及び日本の株式市場においても、2025年4月15日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値は、米国関税措置発表前の同月2日の終値には及ばないものの、対象者及び本特別委員会が本公開買付価格を4,500円とすることを応諾した同月9日の対象者株式の終値より8.05%改善しており、同様に、TOPIX(東証株価指数)においても同月15日の終値は同月9日の終値より6.98%改善しており、日本の株式市場が直近回復傾向にあると考えられることから、本公開買付価格の再検討を依頼したい旨の要請書(以下「4月16日付要請書」といいます。)を受領いたしました。
なお、上記のとおり、公開買付者は、4月3日付返答書にて公開買付価格4,600円を提案したものの、米国関税措置の発表による世界的なマクロ経済環境の重大な変化を背景に、4月7日付返答書にて公開買付価格を4,400円とする提案をしました。その後、公開買付者は、4月8日に本特別委員会より本公開買付価格の再検討の要請を受けたことから、同日、4月8日付返答書にて公開買付価格を4,500円とする提案をし、4月9日に、本特別委員会より本公開買付価格を4,500円とすることを応諾する旨の回答を受領しておりました。これを踏まえて、公開買付者は、2025年4月17日に、米国政府による相互関税に対して報復措置を取らなかった国・地域への上乗せ税率の適用を90日間停止することの発表は事実であるものの、同年2月上旬に発表していた対カナダ・メキシコの追加関税措置が30日間の猶予期間の後に実際に発動されたことを踏まえると、90日間の一時停止後に上乗せ税率が適用される可能性は十分に存在すると考えられること、加えて、米国に対して強力な対抗措置を発表していた中国には125%の追加関税が課されていること、4月10日付大和総研レポートの上記記載の試算は、上乗せ税率が適用停止となることを想定したものであり、実際に適用された場合にはそのような改善が期待できないと考えらえること、同月12日にスマートフォン、コンピューター及び半導体等の電子機器に対する相互関税適用の一時停止が発表されているものの、米国政府は同月13日、スマートフォン等の電子機器について、今後導入する半導体関税の対象とする方針を明らかにしており、半導体と電子機器のサプライチェーン全体を調査した上で、新たな半導体関税措置が適用されると見込まれることから、米国関税措置を起因として、マクロ環境が悪化するリスクとそれに伴う本事業計画の不確実性は引き続き大きいものと考えており、公開買付価格4,500円を引き上げることは困難である旨の返答書(以下「4月17日付返答書」といいます。)を提出しておりました。
その後、公開買付者は、2025年4月17日に、YAGEOがYAGEO公開買付価格を4,300円から5,400円に変更する旨を4月17日付YAGEO変更プレスリリースを通じて知りました。同月18日に、公開買付者は、本特別委員会より、YAGEO公開買付価格を踏まえた公開買付価格の再検討に係る意向を確認したい旨の書面(以下「4月18日付要請書」といいます。)を受領いたしました。公開買付者は、同月22日に、同日付で公表した「(開示事項の経過)株式会社芝浦電子(証券コード:6957)に対する公開買付けの開始に向けた進捗状況のお知らせ」(以下「公開買付者進捗状況プレスリリース」といいます。)のとおり、公開買付者予告公表プレスリリースにおいて2025年4月23日に本公開買付けを開始することを予定している旨を公表していたところ、公開買付価格の再検討に時間を要するため、本公開買付けの開始日を再検討する旨、対象者へ伝達いたしました。公開買付者は、4月17日付YAGEO変更プレスリリースで公表された変更後のYAGEO公開買付価格を踏まえつつ、公開買付者として公開買付者の株主に対する説明責任を果たすことが可能かという観点からも改めて慎重に検討した結果、4月30日、対象者及び本特別委員会に対して本公開買付価格を5,500円へ引上げる提案をいたしました。これに対して、公開買付者は、対象者及び本特別委員会から、本公開買付価格を5,500円とすることで応諾する旨の回答を受領いたしました。
また、公開買付者は、対象者より、2025年5月1日、本公開買付けの開始時点において、対象者が同日に公表する本公開買付けを含む本取引に関する事項を除き、対象者に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)並びに対象者の株券等の公開買付け等に関する事実(法第167条第2項に定めるものをいいます。)で対象者が公表(法第166条第4項又は167条第4項に定める意味を有します。)していないものを認識していない旨の報告を受けました。
これらにより、今般、公開買付者は、2025年5月1日までに、本公開買付前提条件③及び⑤が充足されていること、並びに、本公開買付前提条件①、②及び④も充足される合理的な見込みがあることを確認したことから、同日、本公開買付けを2025年5月2日より開始することを決定し、その予定である旨、対象者へ連絡いたしました。なお、公開買付者プレスリリースにおいて公表したとおり、本公開買付価格及び本公開買付けにおける公開買付期間については、公開買付者予告公表プレスリリースでは、それぞれ、1株当たり4,500円及び22営業日としておりましたが、今般、それぞれ、5,500円及び20営業日へと変更しております。
② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
対象者は、2024年10月11日にYAGEOから三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」といいます。)経由で面談の打診を受けたものの、具体的な提案内容を伴ったものではなく、特にYAGEOとの間で協業を行う必要性を認識させる内容ではなかったため、面談を口頭で断ったとのことです。また、2024年11月4日に、対象者はYAGEOから面談を依頼する旨のレターを受領したものの、YAGEOの事業ビジョンの共有、市場のダイナミクスに関する一般的な意見交換等を求めるものであり、具体的な提案内容を伴った面談依頼ではなく、その必要性が認められなかったため、2024年11月26日に、書面にて、面談を断る旨の回答をしたとのことです。その後、対象者は、2024年12月30日に、YAGEOより、対象者取締役会の賛同のもと、対象者株式の全てを現金で友好的に買収する内容のYAGEO提案が記載された法的拘束力を有しない意向表明書を受領し、2025年1月9日に、YAGEOに対して、YAGEO提案について、適切に検討を行う旨の回答をしたとのことです。その後、対象者は、2025年1月13日に、YAGEOより面談依頼及び2025年2月5日に友好的な公開買付けを公表することに向けて対象者と独占的に協働することを期待する旨のレターを受領したとのことです。対象者は、2025年1月6日に、YAGEO、公開買付者及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとして弁護士法人北浜法律事務所(以下「北浜法律事務所」といいます。)を選任したとのことです。その後、対象者は、2025年1月16日に、YAGEOに対して、面談にあたっては、情報管理の観点から守秘義務契約の締結を求める旨のレターを送付し、2025年1月22日に、YAGEO、公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を選任したとのことです(なお、北浜法律事務所及び野村證券はAPグループからも独立したアドバイザーとのことです。)。また、対象者は、同じく2025年1月22日に、YAGEOに対して、守秘義務契約書案を送付したとのことです。その後、YAGEOは、2025年1月24日に、YAGEOのアドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券を通じて、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、YAGEOが依頼している面談の趣旨がYAGEOによりYAGEO提案を直接説明することにあり、対象者から情報を受領することが目的ではないため、守秘義務契約を締結せずに面談することを依頼する旨の連絡があったとのことです。しかしながら、対象者としては、対象者が上場会社であり、面談の中で対象者の情報が提供される可能性もあることから、野村證券を通じて、YAGEOとの面談に当たり対象者の情報を提供する可能性がある以上は情報管理の観点から守秘義務契約の締結が必要である旨を、2025年1月24日に再度連絡したとのことです。なお、当該連絡において、対象者は、守秘義務契約書案に対するYAGEOの修正提案を受けない旨の言及は一切行っていないとのことです。
しかしながら、YAGEOは、守秘義務契約書案に対する具体的な交渉を一切行わず、事前の対象者への連絡なく、2025年2月5日に2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースを公表したとのことです。
対象者は、YAGEO提案及び2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースの内容について、慎重に検討したとのことです。
具体的には、対象者は、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、2025年2月11日に、取締役会決議により、阿部功氏(対象者独立社外取締役)、片岡麻紀氏(対象者独立社外監査役)及び社外有識者である柴田堅太郎氏(弁護士、柴田・鈴木・中田法律事務所)の3名によって構成される、YAGEO、公開買付者及び対象者のいずれからも独立した、本特別委員会を設置したとのことです(なお、本特別委員会はAPグループからも独立しているとのことです。)。なお、対象者は、機動的な委員会運営等の観点から、一部の社外役員については、委員に選任せず、外部有識者である柴田堅太郎氏については、弁護士としての専門的知見、他社の社外取締役としての豊富な経験・知見、及び同種・類似案件に対する十分な実績・知見を有していることから、対象者は、同氏を委員として選任したとのことです。また、北浜法律事務所及び野村證券は、本特別委員会からいずれも独立性及び専門性に問題がないとして、承認を受けたとのことです。また、2025年2月25日に、本特別委員会は、YAGEO、公開買付者及び対象者から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザーとして、山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)を選任したとのことです(なお、山田コンサルはAPグループからも独立したアドバイザーとのことです。)。
その後、対象者は、2025年2月14日付「YAGEO Corporationによる書簡受領のお知らせ」において公表したとおり、2025年2月13日付で、YAGEOより、対象者が2025年2月5日付で公表した「YAGEO Corporationによる当社株式に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」の内容に関するレターを受領し、2025年2月26日付「YAGEO Corporationに対する「質問状」の送付に関するお知らせ」において公表したとおり、本特別委員会と協議の上、YAGEO取引の検討にあたり必要と考える情報の提供を要請する「ご質問状」(以下「YAGEO第一次質問状」といいます。)をYAGEOに対して送付したとのことです。その後、対象者は、2025年3月6日付で、YAGEOからYAGEO第一次質問状に対する回答書(以下「YAGEO第一次回答書」といいます。)を受領し、2025年3月19日付「YAGEO Corporationに対する「質問状(2)」の送付に関するお知らせ」において公表したとおり、本特別委員会と協議の上、YAGEO取引の検討にあたり必要と考える情報の提供を改めて要請する「ご質問状(2)」(以下「YAGEO第二次質問状」といいます。)をYAGEOに対して送付したとのことです。その後、対象者は、2025年3月26日に、YAGEOからYAGEO第二次質問状に対する回答書(以下「YAGEO第二次回答書」といいます。)を受領したとのことです。また、2025年3月28日にYAGEOが2025年3月28日付YAGEO訂正予告公表プレスリリースにおいて公表したとおり、YAGEOは、YAGEO公開買付けにおける公開買付者としてYAGEO Electronics Japan合同会社を設立した旨、ドイツ及びオーストリアにおける競争法に関する届出が必要かどうか評価できていないものの、念のため当該届出を実施し、YAGEO取引の実行にあたり必要となる台湾国外の競争法の手続が全て完了し、又はYAGEO公開買付けの公開買付期間の末日までに完了することが合理的に見込まれるとYAGEOが判断していることをYAGEO公開買付けの前提条件とすることを決定した旨、並びに、YAGEO公開買付価格について第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得していない旨の記載が2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースにおいてされていたものの、台湾における法規制等に従ってYAGEOの株主への説明責任を果たす観点から、YAGEOは、YAGEO及び対象者から独立した第三者算定機関である信佑聯合會計師事務所に対して、YAGEO公開買付価格である4,300円がYAGEOの株主にとって財務的見地から公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を提出することを求め、2025年2月5日付で同意見書を取得していた旨を公表したとのことです。その後、対象者は、2025年3月28日にYAGEOとの間で守秘義務契約を締結した上で、2025年4月2日付「YAGEO Corporationとの面談実施に関するお知らせ」において公表したとおり、2025年4月2日に本特別委員会とともにYAGEOとの間でYAGEO取引に関する面談(以下「YAGEO面談」といいます。)を実施し、YAGEO取引から想定されるシナジーの内容、YAGEO第一次質問状及びYAGEO第二次質問状に対する回答内容の補足説明等に関する質疑応答を行ったとのことです。
他方で、YAGEO提案の受領以降、対象者は、対象者の企業価値の向上及び株主共同の利益の観点から最善の選択肢を模索するため、企業買収行動指針を踏まえ、マーケット・チェックに関する検討を開始し、2025年1月中旬以降、潜在的な候補者として事業会社9社に対してYAGEO提案に対する対抗提案として対象者の完全子会社化に関する打診を行ったところ、2025年2月17日に、公開買付者からYAGEO提案に対する対抗提案としての法的拘束力を有しない意向表明書(以下「意向表明書①」といいます。)を受領したとのことです。対象者は、意向表明書①が、具体性・目的の正当性・実現可能性の認められる「真摯な買収提案」であると判断し、公開買付者からのデュー・ディリジェンスの実施の依頼に基づき、一定の資料の提供や質問への回答の対応をしたとのことです。
その後、対象者は、2025年3月28日に、公開買付者から、本取引を2025年4月10日に公表し、2025年4月23日から本公開買付けを開始し、公開買付期間を22営業日とする旨、所有割合50.01%を本公開買付けの下限とする旨、及び公開買付者は本公開買付価格を4,300円とする旨の法的拘束力を有する意向表明書(以下「意向表明書②」といいます。)を受領したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2025年3月28日に公開買付者の提示する本公開買付価格は、対象者の企業価値を十分に反映しておらず、YAGEO公開買付価格と同額であり、対象者少数株主の利益に十分配慮された価格とはいえないと判断し、公開買付者に対して再提案を要請したとのことです。その後、対象者及び本特別委員会は、2025年3月29日に、公開買付者から、公開買付価格を4,500円とする旨の再提案を受領したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2025年3月29日に、当該価格は、引き続き対象者の企業価値を十分に反映しておらず、対象者の少数株主に十分に配慮した価格と言えないとして、公開買付者に対して再提案を要請したとのことです。その後、対象者及び本特別委員会は、2025年3月31日に、公開買付者から、本公開買付価格を4,600円とする旨の再提案を受領したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2025年4月1日に、引き続き対象者の企業価値を十分に反映しておらず、対象者の少数株主に十分に配慮した価格と言えないとして、公開買付者に対して再提案を要請する4月1日付回答書を送付したとのことです。
また、本特別委員会は2025年4月1日に公開買付者に対して、本取引に関する理解を深めるため、対面で本取引から想定されるシナジーの内容等を中心に質疑応答(以下「4月1日付公開買付者面談」といいます。)を行ったとのことです。
その後、対象者及び本特別委員会は、2025年4月3日に、公開買付者から、公開買付価格を3月31日付返答書と同じ、4,600円とする再提案を受領したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2025年4月4日に、当該価格は、引き続き対象者の企業価値を十分に反映しておらず、対象者の少数株主に十分に配慮した価格と言えないとして、公開買付者に対して再提案を要請したとのことです。その後、対象者及び本特別委員会は、2025年4月7日に、公開買付者から、2025年4月2日に米国関税措置に伴い、マクロ経済環境の悪化リスク及びそれに伴う本事業計画の達成に関する不確実性等を総合的に勘案した結果として、公開買付価格を4,400円とする4月7日付返答書を受領したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2025年4月8日に、公開買付者に対して、相互関税が対象者の業績見通しに与える直接的な影響は限定的であり、法的拘束力のある提案以降に行われた価格交渉ということを踏まえても、提案価格を引き下げる合理的な説明は難しく、4,600円以上の公開買付価格を提案いただきたい旨の再提案の要請を行ったとのことです。その後、同じく2025年4月8日に、本特別委員会は、公開買付者と面談(以下「4月8日付公開買付者面談」といいます。)を実施し、公開買付者に対して、対象者事業の中長期的な見通し、引下げ価格の根拠及び本公開買付けの成立蓋然性に、米国関税措置が与える影響について、質問を行い、公開買付者から、米国関税措置が製造業全般に与える影響は短期的なものであるとは2025年4月8日時点では判断できないため、公開買付者株主への説明責任の観点から、価格引下げの提案に至った旨、一方で、対象者への評価としては、突出した技術力に基づく中長期的な競争力の評価及びシナジーへの見込みは何ら変わらず確信しており、対象者を子会社化したいという意向を強く持ち、対抗提案がなされた場合には更なる価格引上げの意思がある旨、並びに、具体的に、APとの共同投資は対抗提案時の価格引上げを見据えた方針であり、既に条件面は合意に至っており、米国関税措置の影響が本公開買付けの成立の蓋然性を損なうことはない旨の回答がなされたとのことです。また、対象者及び本特別委員会は、4月8日付公開買付者面談において、公開買付者から公開買付価格を4,500円とする4月8日付返答書を受領したとのことです。当該公開買付価格は、公開買付者から2025年4月3日に提案された4,600円に対し2.17%減額された金額ですが、対象者及び本特別委員会は、(ⅰ)米国関税措置が公表された2025年4月2日の翌営業日である2025年4月3日から2025年4月9日までの対象者株式のVWAP(売買高加重平均価格)は4,244円であり、2025年4月2日終値に対して-3.87%の水準であること、(ⅱ)米国関税措置によって、対象者の業績見通しに与える直接的な影響は限定的であるものの、4月3日付大和総研レポートによれば、「今回発表された相互関税によって、日本経済の実質GDPは短期的には0.6%(2025年)、中期的には1.8%(2029年)程度下押しされると試算される。」とされており、マクロ経済の見通しが悪化する可能性も否定できず、過去対象者がマクロ経済のイベントにより業績が悪化した2020年3月期や2023年3月期には、事業年度初めに策定した業績予想に対する実績値の下落率は、売上高以上に営業利益の方が大きく落ち込む傾向があるため、実際にマクロ経済の見通しが悪化し対象者の売上高が実質GDPの下落率相当に落ち込んだ場合には、2%を超えて利益が棄損される可能性も十分に考えられること、及び(ⅲ)公開買付者とのこれまでの価格交渉の経緯及び4月8日付公開買付者面談の内容を踏まえると2025年4月9日時点で更に高い提案価格は提示されないと考えられることを踏まえ、4月8日付返答書における公開買付価格4,500円は不合理な提案価格の引き下げではないと考えたことから、2025年4月9日に、公開買付者に公開買付価格を4,500円とすることで応諾する旨の回答をしたとのことです。
対象者は、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリース、2025年3月28日付YAGEO訂正予告公表プレスリリース、YAGEO第一次回答書、YAGEO第二次回答書及びYAGEO面談の内容並びに公開買付者による意向表明書①、意向表明書②、4月1日付公開買付者面談及び4月8日付公開買付者面談の内容を踏まえつつ、YAGEO公開買付けの内容及び公開買付者からの提案内容を慎重に比較検討してきたところ、公開買付者からの提案価格が対象者株式1株当たり4,500円とYAGEO公開買付価格と比較して高く、取引成立に向けた蓋然性及び中長期での企業価値への影響のいずれの観点からもYAGEOと比較して優れていると考え、対象者は、本公開買付け及び本取引が、以下のとおり対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことです。
すなわち、対象者反対意見表明プレスリリースに記載のとおり、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースによれば、YAGEOは、(ア)製品ポートフォリオの強化、(イ)主要なエンドマーケットにおける市場機会の補足、(ウ)対象者のNTCサーミスタのグローバルでの販売拡大、(エ)より長期の、デザインインベースかつ収益性の高いビジネスの獲得、(オ)センサ及び回路保護プラットフォーム全体の設計と開発、及び(カ)成長投資の加速を想定されるシナジーとして考えているとのことですが、(ア)については、受動部品を中心とするYAGEOの電子部品やセンサ製品が対象者の製品ラインナップに入ることについて、製品ポートフォリオが強化されること自体は否定できないものの、対象者の製品は主に機械部品や機械加工品に組み込まれて使用され、プリント基板上に実装されるYAGEOの受動部品と同時に使用されることは基本的にないことから、対象者としては、シナジー効果は乏しく、また、カスタム製品を顧客とともに設計段階から作り上げていく対象者と、汎用品を主に扱うYAGEOでは求められる技術が異なり、技術面におけるシナジーは限定的であると考えているとのことです。(イ)についてはYAGEO提案において示されているYAGEOの主要顧客の多くは既に対象者と取引関係があり、また顧客窓口がサプライヤーや部品によって専門化、細分化される傾向がある中、受動部品中心のYAGEOと対象者では顧客窓口も異なることが多いと想定され、対象者にとっての新規顧客開拓にも基本的に繋がらないと考えているとのことです。(ウ)については、対象者は近年、独自に欧米市場の開拓に注力しているところ、特に欧州ではシェアの拡大が既に実現してきておりますが、対象者製品は顧客とのすりあわせによりカスタム製品を製造・販売することに特徴があるため、対象者製品や技術に十分知見を持った対象者の担当者が顧客と協働することが重要であり、YAGEOの営業担当者が単独で販売できるものではなく、また、対象者製品や技術についての共有・教育をYAGEOの営業担当者に行うとしても一定のコスト・期間がかかることが見込まれ、現在対象者が進めている欧米市場の開拓がYAGEOとの提携により加速する可能性は低いと考えているとのことです。(オ)については、対象者製品が回路保護プラットフォームとして使用されることは基本的にないことから、YAGEOが提案するYAGEOのセンサ事業及び回路保護事業と対象者との統合について明確なメリットを見出せていないとのことです。
また、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースによれば、YAGEO取引後の経営方針として、YAGEOは、対象者の経営体制を、今後対象者と協議の上で決定するとのことですが、対象者が2024年5月20日に公表した対象者の中期経営計画に記載されている(ア)製品開発、(イ)生産性の向上、及び(ウ)マーケティングのそれぞれに同意し、それらを実現する支援をするとのことです。しかしながら、(ア)製品開発については、上記のとおり、対象者とYAGEOの取り扱う製品の特徴として、対象者製品がカスタム品であり機械製品に組み込まれて使用されることが多いのに対し、YAGEO製品は汎用品であり電気回路に使用されることが多く、それぞれ特徴が全く異なり、YAGEO第一次回答書、YAGEO第二次回答書、YAGEO面談においても、一般論としての説明に留まる回答内容であったため、製品開発に関して具体的にどのような支援を受けることが可能なのか不明瞭であると考えているとのことです。また、YAGEOのセンサ事業と回路保護事業を対象者に統合し、対象者が回路保護事業全体を設計、開発するとの2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリース中の提案についても、第一次回答書においては、今後の検討事項の一つに過ぎないとされており、買収後の経営体制についてYAGEOは明確かつ一貫した考えを有していないと考えられるとのことです。また、(イ)生産性についてもYAGEOの長年の経験を対象者に還元できる旨の一般的な記載に留まり、具体的な支援内容について回答を得られておらず、両者製品の特徴の違いから、YAGEOの汎用品の大量生産モデルにおける生産技術が、対象者における材料からの垂直生産によりカスタム品を手作業での工程も含めて生産する生産技術に応用できる可能性は高くないと考えているとのことです。なお、対象者製品は、拠点によって素材の調合比率が変動すること、及び生産拠点の移転によって、顧客からの再承認が必要となり、また既に海外で製造できる工程については海外に移転済であることから、現時点では、生産性向上に関するシナジーについては限定的であると評価しているとのことです。(ウ)YAGEOがグローバルに有するマーケティングネットワークを活用して対象者の製品の販売を拡大するという考え方に対しては、上記のとおり、その効果は限定的であると考えているとのことです。
さらに、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースによれば、YAGEO取引後の対象者のブランドについても、YAGEOは、ブランドを維持する方針も含めて慎重に検討するとのことですが、同じく2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースに記載されているとおり、過去YAGEOが買収した企業は、原則的に社名に「YAGEO」を付しており、対象者が築き上げてきたブランドを維持できるとは必ずしも言えないと考えているとのことです。
YAGEO取引により、YAGEOとの連携が想定される点としては、物流の効率化が考えられ、YAGEOグループがグローバルに有する物流網を活用することで対象者の物流コストを削減できる可能性がありますが、対象者製品のサイズは小さいため物流の効率化によるコスト削減効果は非常に小さいものであると考えられるとのことです。
他方で、対象者の事業が悪影響を受ける点として、地政学的リスクの増大が挙げられるとのことです。具体的には、台湾有事等の中国に関する地政学的リスクもあり、対象者が台湾企業の傘下になることは、対象者事業を中長期的に維持、発展させる上で、対象者の従業員や取引先に対しても漠然とした将来についての懸念や不安を与えることは否定できないと考えているとのことです。また、対象者は近年米国における売上高の順調な拡大を実現しており、今後も大きな成長余地があると考えているとのことですが、特に北米においては経済安全保障上の懸念を考慮し、顧客企業が対象者製品を含む調達先を慎重に決定しているケースが多く、YAGEO取引が実現し対象者が台湾企業の傘下となった後は、成長が見込まれる北米市場において相応のシェアを取り逃がす可能性もあると考えているとのことです。また、経済安全保障対応としてYAGEOの北米拠点を活用して生産をしたとしても、販売先から製造過程に中国での生産プロセスが含まれている場合は、納入ができない場合も増えており、対象者が台湾企業とみなされることで現在受注している契約や既存取引先を失うリスクも相応にあると考えているとのことです。また、外国企業であり、カタログ品の製造販売を中心に、M&Aロールアップ戦略を通じて急速に拡大してきたYAGEOの企業文化は、開発段階から使用環境や温度域について顧客と十分に打ち合わせを行い、課題を解決しながらニーズに即した独自設計のニッチ製品を提供してきた対象者の企業文化と大きく異なる可能性が高く、上記の地政学的リスクと相まって従業員等の人材喪失リスクの懸念があること、また、取引先についても、地政学的リスクの増大に加え、企業経営方針が異なる外国企業が親会社になることから従前の取引関係が維持されない可能性があると考えているとのことです。
一方で、対象者賛同意見表明プレスリリースに記載のとおり、公開買付者は、本取引により、対象者を非公開化し、公開買付者グループの中に参画させることにより、(ⅰ)技術革新と高付加価値製品の開発、(ⅱ)公開買付者の販路を活用したグローバル展開及び(ⅲ)オペレーションの効率化のシナジーがあると考えているところ、対象者は、公開買付者の8本槍戦略の1つにセンサ事業を掲げており、また公開買付者はモーター、半導体、コネクタ等の温度センサと親和性のある電子部品や温度センサを使用する機械製品を多く手掛けており、受動部品中心のYAGEOと比べ対象者の温度センサと製品開発における協業可能な領域や範囲が非常に広いと考えているとのことです。実際、対象者から公開買付者グループには、レゾルバ、産業ガスヒートポンプ、農機具エンジン水温センサ、電動車用インバータ内パワーモジュール向けに温度センサを販売している実績もあり、公開買付者が考える、同社の強みであるモジュール化技術により対象者の温度センサを公開買付者が有する半導体製品に組み込み、公開買付者の強みである垂直統合で生産することで、より付加価値の高い温度制御ソリューションの提供が可能になるというシナジーには説得力があると考えているとのことです。また、公開買付者はYAGEOと同様にグローバルな販路の活用をシナジーとして挙げているところ、公開買付者の製品群は、温度センサとより親和性があり、汎用品も取り扱っていますが、対象者と同じカスタム品の割合も高く、その販売方法も類似していることから、販売ネットワーク利用のシナジーについても相対的により見込めると考えているとのことです。さらに、公開買付者は対象者と同様に垂直生産を強みとされており、現場を重視し、カスタム品の製造も多く行っていることから、製造工程や製造の考え方についても対象者のものと類似性が高く、公開買付者との協働により、同社の長年に渡る生産効率化のノウハウを活かし、対象者の製造工程について更なる効率化が可能と考えられることに加えて、多数の上場企業への投資・成長支援実績を有するAPグループの有する、グローバルな舞台で培った投資・経営ノウハウを活用することが可能であることから、対象者の企業価値の更なる向上に資するものと判断したとのことです。
なお、対象者株式の非公開化を行った場合には、(ⅰ)資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達ができなくなること、(ⅱ)上場会社としてのブランドを喪失することで従業員の採用及び人材維持への悪影響並びに取引先をはじめとするステークホルダーに対する信用力の低下するおそれが一般的には非公開化によるデメリットとして考えられますが、現在の対象者の状況に鑑みると、(ⅰ)については、公開買付者による資金的な支援が可能となること、(ⅱ)については、公開買付者は国内で対象者より知名度のある上場企業であり、また対象者の名称、ブランドも維持される方針であり、対象者の社会的信用面に特段の懸念はないと見込まれることから、対象者は本取引によるデメリットは限定的であると考えており、本取引によるディスシナジーについても、想定をしていないとのことです。
また、対象者は、2025年4月10日時点で、以下の点等から、本公開買付価格(4,500円)は、対象者の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、対象者の少数株主の皆様に対して、適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。
(a)本公開買付価格は、対象者において、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正さを担保するための措置が十分に講じられており、また、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースに記載されたYAGEO公開買付予告価格と比較して、本公開買付価格が高いこと。
(b)本公開買付価格は、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている野村證券による対象者株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価平均法(基準日①)及び市場株価平均法(基準日②)(「基準日①」及び「基準日②」は下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」において定義します。以下同じです。)による算定結果のレンジの上限を上回っており、類似会社比較法による算定結果のレンジの上限を上回っており、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内の水準であること。
(c)本公開買付価格は、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている山田コンサルによる対象者株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果のレンジの範囲内の水準であること。
(d)本公開買付価格は、対象者の株価変動のきっかけとなった2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースが公表される直前の2025年2月5日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値3,135円に対して43.54%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値3,209円に対して40.23%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値3,247円に対して38.59%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値3,279円に対して37.24%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっており、経済産業省が2019年6月28日付で公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」が公表された2019年6月28日以降に公表の国内上場企業を対象とし、かつ、成立した非公開化を企図した他社株公開買付け事例(公開買付者(特別関係者を含みます。)の議決権保有比率が一定以上である取引、MBO取引等を除きます。)におけるプレミアムの実例49件(プレミアムの水準の中央値は、公表日の前営業日の終値が52.74%、直近1ヶ月間が53.47%、直近3ヶ月間が52.54%、直近6ヶ月間が54.65%です。)と比較しても、遜色ない水準であり、本公開買付価格には合理的なプレミアムが付されていると認められること。
なお、本公開買付価格は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年4月9日の東京証券取引所における対象者株式の終値4,190円に対して7.40%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値4,456円に対して0.99%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値4,110円に対して9.49%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値3,720円に対して20.97%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっておりますが、同日時点の対象者株式の株価は2025年2月5日にYAGEOが公表した2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースの公表によって、対象者株式の株価に相当程度影響を与えたという見方が合理的であることから、対象者は、プレミアムの分析において、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースが公表される前の株価との比較を重視しているとのことです。
(e)下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格の公正性を担保するための措置が講じられており、少数株主の利益が確保されていると認められること。
(f)公開買付者、APグループ及び対象者から独立した本特別委員会から取得した2025年4月10日付答申書において、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の諸条件の妥当性は確保されていると判断されていること。
以上より、対象者は、2025年4月10日開催の対象者取締役会において、同日時点における対象者の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を取締役会全員の一致により決議したとのことです。また、YAGEO公開買付けが開始された場合、YAGEO公開買付けは、取締役会が賛同意見を表明し、応募推奨することを決議すべき本公開買付けと択一的な関係にあるため、対象者は、2025年4月10日時点における対象者の意見として、YAGEO公開買付けに対して、反対の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、YAGEO公開買付けに応募しないようにお願いすることを決議したとのことです。YAGEO公開買付けに対する同日時点における対象者の意見については、対象者反対意見表明プレスリリースをご参照ください。
その後、対象者及び本特別委員会は、2025年4月16日に、公開買付者に対して、2025年4月9日の米国の追加関税措置の90日間の一時停止措置によって、マクロ経済環境や本事業計画に対するマイナス影響がより不透明になったことを受け、公開買付価格を4,500円を超える金額とするように再考いただきたい旨の4月16日付要請書を提出したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2025年4月17日に、公開買付者から、米国関税措置の90日間の一時停止措置後に上乗せ税率が適用される可能性も十分あること等の理由から、本公開買付価格を引き上げることは困難である旨の4月17日付返答書を受領したとのことです。
また、同日に、2025年4月17日付YAGEO買付条件変更プレスリリースにおいて公表したとおり、対象者は、YAGEOからYAGEO公開買付価格を4,300円から5,400円に変更する旨の連絡を受領したとのことです。これを受けて、対象者及び本特別委員会は、2025年4月18日に、公開買付者に対して、本公開買付価格の再検討に係る公開買付者の意向を確認する内容のレターを送付したとのことです。
その後、対象者は、公開買付者進捗状況プレスリリースにおいて公表したとおり、公開買付者から、本公開買付けにおける買付け等の条件について検討を行っている旨の連絡を受領したとのことです。
また、対象者は、2025年4月23日に、対象者が2025年6月16日に開催することを予定している第67回定時株主総会の基準日株主から、2025年4月21日の経過時点までに、株主提案権の行使として、対象者の株主に対する剰余金の配当に関する提案が行われなかったことを、公開買付者に連絡したとのことです。
その後、対象者及び本特別委員会は、2025年4月30日に、公開買付者から、本公開買付価格を5,500円とする連絡を受領したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、本公開買付価格を5,500円とすることで応諾する旨の回答をしたとのことです。
また、対象者は、公開買付者に対して、2025年5月1日、本公開買付けの開始時点において、対象者が同日に公表する本公開買付けを含む本取引に関する事項を除き、対象者に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)並びに対象者の株券等の公開買付け等に関する事実(法第167条第2項に定めるものをいいます。)で対象者が公表(法第166条第4項又は167条第4項に定める意味を有します。)していないものを認識していない旨を報告したとのことです。
これらにより、対象者は、公開買付者から、公開買付者が、2025年5月1日に、本公開買付前提条件③及び⑤が充足されていること、並びに、本公開買付前提条件①、②及び④も充足される合理的な見込みがあることを確認したことから、同日、本公開買付けを2025年5月2日より開始することを決定し、その予定である旨の連絡を受けたとのことです。なお、公開買付者は、公開買付者プレスリリースにおいて公表したとおり、本公開買付価格及び本公開買付けにおける公開買付期間については、公開買付者予告公表プレスリリースでは、それぞれ、1株当たり4,500円及び22営業日としておりましたが、今般、それぞれ、5,500円及び20営業日へと変更しております。
また、対象者は、上記協議と並行して、2025年4月16日から2025年4月30日までに開催された計6回の特別委員会において、各委員に対して、対象者の本取引及びYAGEO取引の検討状況・検討内容、価格交渉の状況等の追加諮問事項の検討に必要な情報を適宜共有したとのことです。また、本特別委員会は、2025年4月17日にAPグループに対し、対象者への資本参画の目的及び関与方法について改めて質問し、公開買付者から説明を受けている内容と相違ないことを確認し、さらに、対象者からも、YAGEOから対象者に対する2025年4月21日付公開書簡の内容をもってしても、YAGEO取引に係るシナジーについての対象者の考えに変更がないことを確認したとのことです。そして、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」に記載のとおり、本特別委員会は追加諮問事項について、慎重に検討した結果、2025年5月1日付で、対象者の取締役会に対して、2025年4月10日付答申書の答申内容に変更はないことを内容とする2025年5月1日付答申書を提出したとのことです。
その上で、対象者は、2025年5月1日付答申書の内容を最大限尊重しつつ、2025年4月17日から同月18日に実施した対象者の従業員及び取引先に対するアンケート結果も踏まえて慎重に検討した結果、2025年5月1日時点においても、本取引の目的や当該目的を達成するための意義や必要性に変わりはなく、その他にも、2025年4月10日時点における対象者の本公開買付けに関する判断を変更すべき事情は特段見当たらないことから、2025年5月1日、取締役全員の一致により、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
③ 本公開買付け後の経営方針
本公開買付けにおいて対象者株式の全て(対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実施し、対象者の株主を公開買付者のみとして対象者を非公開化する予定です。本スクイーズアウト手続完了後速やかに、公開買付者及びAPは、本株式譲渡により、公開買付者及びAPグループの間で対象者株式の保有割合をそれぞれ89.1%、10.9%とすることを予定しており、対象者は公開買付者の連結子会社となる予定です。
本取引後の対象者の経営体制の詳細については、現時点で決まっている事項はないものの、公開買付者としては、対象者の現経営体制を基盤とし、現経営陣に継続して対象者の成長戦略の遂行に取り組んでいただくことを想定しております。また、役員(取締役・監査役)については、公開買付者のグループ経営体制やガバナンス体制を踏まえて公開買付者から若干名を派遣する予定であるものの、詳細については対象者と深く協議して検討いたします。また、事業運営等の経営方針・施策については、シナジー効果を早期かつ効果的・効率的に実現させるべく、本取引後に対象者と各種協議を行う予定です。
なお、従業員の雇用及び処遇については、対象者に著しい業績の悪化や環境変化が生じないことを前提に、当面、現状の条件を総体として実質的に維持することを想定しております。
(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置は、以下のとおりです。なお、以下の記載のうち、対象者に関する記述は、対象者が公表した情報、対象者賛同意見表明プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づいて記載しております。
本書提出日現在、公開買付者は、対象者株式を所有しておらず、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、本公開買付けは、公開買付者が対象者の役員である公開買付けや、公開買付者が対象者の役員の依頼に基づき公開買付けを行う者であって対象者の役員と利益を共通にする者である公開買付けに該当せず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当いたしません。
もっとも、公開買付者が対象者の完全子会社化を企図していることに加え、本公開買付けを含む本取引が、対象者によるマーケット・チェックの結果、YAGEO提案に対する対抗提案としてなされるものであることを考慮し、対象者取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、本取引の公正性及び透明性を確保するため、以下の措置を講じているとのことです。以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付けを決定するにあたり、公開買付者、APグループ、本応募合意株主、対象者及びYAGEOから独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2025年4月9日付で株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(大和証券)」といいます。)を取得いたしました。なお、大和証券は、公開買付者、APグループ、本応募合意株主、対象者及びYAGEOの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。なお、大和証券の報酬には、同種の取引における一般的な実務慣行の範囲内で本公開買付けの成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。また、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置を踏まえて、対象者の少数株主の利益に十分な配慮がなされていると考えており、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)特別委員会の設置等の経緯
対象者は、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2025年2月11日に、取締役会決議により、YAGEO取引及び本取引を検討するにあたって、対象者の意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立することを目的として、公開買付者、APグループ、本応募合意株主、対象者及びYAGEOとの間に重要な利害関係を有しない、阿部功氏(対象者独立社外取締役)、片岡麻紀氏(対象者独立社外監査役)及び社外有識者である柴田堅太郎氏(弁護士、柴田・鈴木・中田法律事務所)の3名によって構成される本特別委員会を設置したとのことです。なお、対象者は、機動的な委員会運営等の観点から、一部の社外役員については、委員に選任せず、外部有識者である柴田堅太郎氏については、弁護士としての専門的知見、他社の社外取締役としての豊富な経験・知見、及び同種・類似案件に対する十分な実績・知見を有していることから、同氏を委員として選任したとのことです。さらに、対象者は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うものとし、本特別委員会が取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、取締役会は当該取引条件による取引に賛同しないものとすることを決議したとのことです。なお、本特別委員会の委員長は、委員間の互選により阿部功氏が選任されており、本特別委員会の委員は設置当初から変更していないとのことです。また、本特別委員会の委員の報酬は、YAGEO取引及び本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬又は稼働時間に時間単価を乗じて算出するもののいずれかとされており、YAGEO取引及び本取引の成立等を条件とする成功報酬は含まれていないとのことです。
対象者は、2025年2月11日に、取締役会決議により、本特別委員会に対し、(a)対象者取締役会がYAGEO公開買付けに対してどのような意見を表明すべきか、(b)YAGEO取引が対象者の少数株主にとって不利益でないと考えられるか(①YAGEO取引の目的の正当性・合理性(企業価値の向上に資するかを含みます。)、②YAGEO取引の条件(YAGEO公開買付けにおける買付け等の価格を含みます。)の公正性、③YAGEO取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性に対する意見を含みます。)、(c)対抗提案が対抗提案者よりなされた場合において、対象者取締役会が当該対抗提案に対してどのような意見を表明すべきか、及び当該対抗提案が対象者の少数株主にとって不利益でないと考えられるか(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問し、これらの点について2025年4月10日付答申書を対象者取締役会に提出することを嘱託したとのことです。また、併せて、対象者は、本特別委員会に対し、(a)対象者の費用負担のもと、YAGEO公開買付け及び対抗提案に係る調査(対象者の役員若しくは従業員又は財務アドバイザー、第三者評価機関、法務アドバイザー等の外部専門家(以下「アドバイザー等」といいます。)に対し、本諮問事項の検討に必要な事項について質問を行い、本特別委員会への出席、書面による回答その他適宜の方法により、検討及び判断に必要な情報について説明又は助言を求めることを含みます。)を行う権限、(b)対象者がYAGEO又は対抗提案者との間で行う交渉の過程に実質的に関与する権限(必要に応じて、YAGEO又は対抗提案者との協議又は交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自らYAGEO又は対抗提案者との間で協議又は交渉を行うことを含みます。)、並びに(c)適切な判断を確保するために、対象者のアドバイザー等を指名・承認(事後承認を含みます。)し、必要に応じて独自のアドバイザー等を選任する権限(なお、本特別委員会が独自のアドバイザー等を選任する場合の費用は対象者が負担し、本特別委員会は、対象者のアドバイザー等に対しても専門的助言を求めることができるとのことです。)を与えることを決議しているとのことです。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2025年2月14日より2025年4月9日までの間に合計19回開催され、また、必要に応じて都度電子メール又は電話連絡を通じて報告、情報共有、審議及び意思決定を行う等して、本諮問事項について、慎重に協議及び検討を行っているとのことです。具体的には、本特別委員会は、まず、対象者が選任したリーガル・アドバイザーである北浜法律事務所、並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれを対象者のリーガル・アドバイザー、並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認したとのことです。また、本特別委員会は、対象者が社内に構築したYAGEO取引及び対抗提案の検討体制(YAGEO取引及び対抗提案に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認しているとのことです。さらに、本特別委員会は、2025年2月25日開催の特別委員会において、独自のファイナンシャル・アドバイザーとして、山田コンサルを選任し、独立性及び専門性に問題がないことを確認したとのことです。
その上で、本特別委員会は、対象者から、YAGEO取引及び本取引の目的や意義、対象者事業に対する影響等についてインタビュー形式及び書面で説明を受け、YAGEO取引及び本取引から想定されるシナジー・ディスシナジーの内容等を中心に質疑応答を行い、YAGEOから、YAGEO取引の目的及び背景、YAGEO取引後の経営方針等についてインタビュー形式及び書面で説明を受け、YAGEO取引から想定されるシナジーの内容、YAGEO第一次質問状及びYAGEO第二次質問状における回答内容の補足説明等に関する質疑応答を行うとともに、公開買付者から、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー方式及び書面で説明を受け、本取引から想定されるシナジーの内容等を中心に質疑応答を行ったとのことです。
また、本特別委員会は、本事業計画について、対象者からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認しているとのです。
さらに、本特別委員会は、野村證券及び山田コンサルから、YAGEO取引及び本取引の条件等の内容、協議・交渉の経緯及び対象者の株式価値算定についての説明を受けるとともに、北浜法律事務所から、YAGEO取引及び本取引の手続面における公正性を担保するための措置並びにYAGEO取引及び本取引に係る対象者取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容について説明を受け、これらに関しても質疑応答を行っているとのことです。
本特別委員会は、対象者から、対象者とYAGEOとの間におけるYAGEO取引及び対象者と公開買付者との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本公開買付価格につき、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり交渉が行われ、公開買付者から本公開買付価格を1株当たり4,500円とする旨の提案を受けるに至るまで、本特別委員会が公開買付者から本公開買付価格に関する提案を受領する都度、野村證券及び山田コンサルから受けた財務的見地からの助言も踏まえて公開買付者に対する交渉方針を審議・検討する等、公開買付者との交渉過程に実質的に関与したとのことです。
対象者は、2025年4月16日から2025年4月30日までに開催された計6回の特別委員会において、各委員に対して、対象者の本取引及びYAGEO取引の検討状況・検討内容、価格交渉等の追加諮問事項の検討に必要な情報を適宜共有し、本特別委員会は、当該提供された情報等を踏まえ、追加諮問事項について、慎重に協議及び検討を行ったとのことです。
そして、本特別委員会は、2025年4月10日以降本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているかに関する事実関係の確認等を行い、追加諮問事項について検討を行った結果、2025年4月10日付答申書の答申内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年5月1日、2025年5月1日付答申書を提出したとのことです。
(ⅲ)2025年4月10日付答申書の判断の内容
本特別委員会が提出した2025年4月10日付答申書の概要は以下のとおりとのことです。なお、以下の2025年4月10日付答申書の答申内容及び答申理由は、2025年4月10日時点におけるものとのことです。詳細は、2025年4月10日付対象者賛同意見表明プレスリリースをご参照ください。
(a)答申内容
a 対象者取締役会は、本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議すべきである。本公開買付けを含む本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではない(本諮問事項(c)に対する答申)。
b YAGEO公開買付けは、対象者取締役会が賛同意見を表明し、応募推奨することを決議すべき本公開買付けと択一的な関係にあるため、対象者取締役会は、これに対して、反対の意見を表明するべきである(本諮問事項(a)に対する答申)。
c YAGEO公開買付けを含むYAGEO取引が対象者の少数株主にとって不利益であるかについても、YAGEO取引よりも少数株主にとって有利な本取引が実施される以上、不利益であると判断せざるを得ない(本諮問事項(b)に対する答申)。
(b)答申理由
a 本公開買付けについての検討
(ア)はじめに
・本公開買付けを含む本取引が対象者の少数株主にとって不利益なものではないかは、①本取引の目的の正当性・合理性(企業価値の向上に資するかを含む。)、②本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性、③本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性の観点から、以下検討する。
(イ)本取引の目的の正当性・合理性(企業価値の向上に資するかを含む。)
・本取引に関する公開買付者の認識又は考え
本特別委員会は、書面での質疑応答並びに2025年4月1日開催の第13回特別委員会及び4月8日付公開買付者面談における公開買付者に対するヒアリングによる質疑応答を通じて本取引に関する公開買付者の認識又は考えが以下のとおりであることを確認した。
① 公開買付者としては、公開買付者が、モーター、半導体、コネクタ等に用いられる温度センサと親和性のある電子部品を数多く手掛けており、それらを組み合わせた技術・製品開発の機会を創出することで公開買付者の掲げる相合を対象者との間でも実現できると考えていること。
② 公開買付者としては、公開買付者の各種センサやアナログ半導体、モーター等、対象者のNTCサーミスタと親和性のある製品群において、公開買付者のグローバルでの販売網を活用したクロスセルが期待できると考えていること。
③ 公開買付者としては、温度センサのニーズが今後増していくと考え、部材の安定調達及び調達コストの削減が重要課題になると認識しているが、公開買付者の調達網を生かした共同調達や、物流等サプライチェーンの統合を促進すること、公開買付者の販路を活用することを通じ、対象者事業における収益性の更なる向上が見込まれると考えていること。
④ 公開買付者としては、公開買付者が強みとする大量生産の製造ノウハウや工場オペレーションのノウハウを活用し、対象者の生産効率も大きく向上することが期待できると考えていること。
⑤ 公開買付者としては、カーボンニュートラル、自動車の電動化、AIサーバーの需要拡大、IoT高機能家電製品の普及等といっためまぐるしく変わる外部環境において、公開買付者グループにおける各種モーター及びアナログ半導体と対象者のNTCサーミスタの相乗効果をはじめ上記①から④記載のシナジーの最大限発揮に向け、迅速かつ効率的に取り組むには、対象者が短期的な業績変動に動じることなく中長期的な視点を持つこと、及び、対象者と公開買付者グループが一体となり、機動的・一体的な連携により、情報・人的資源の共有を図るとともに経営リソースの最適配分を行うことが望ましいと考えていること。
・本取引及びYAGEO取引に関する対象者の認識又は考え
本特別委員会は、書面での質疑応答並びに2025年3月19日開催の第9回特別委員会における対象者に対するヒアリングによる質疑応答を通じて、本取引及びYAGEO取引に関する対象者の認識又は考えが以下のとおりであることを確認した。
① 対象者としては、公開買付者が8本槍戦略の1つにセンサ事業を掲げており、また公開買付者はモーター、半導体、コネクタ等に用いられる温度センサと親和性のある電子部品や温度センサを使用する機械製品を多く手掛けており、受動部品中心のYAGEOと比べ対象者の温度センサと製品開発における協業可能な領域や範囲が非常に広く、かつ、シナジーを早期に実現できるものと考えていること。
② 対象者としては、対象者から公開買付者グループには、レゾルバ、産業ガスヒートポンプ、農機具エンジン水温センサ、電動車用インバータ内パワーモジュール向けに温度センサを販売している実績もあり、公開買付者が考える、同社の強みであるモジュール化技術により対象者の温度センサを公開買付者が有する製品に組み込み、公開買付者の強みである垂直統合で生産することで、より付加価値の高い温度制御ソリューションの提供が可能になるというシナジーには説得力があると考えていること。
③ 対象者としては、公開買付者はYAGEOと同様にグローバルな販路の活用をシナジーとして挙げているところ、公開買付者の製品群は、温度センサとより親和性があり、対象者と同じカスタム品の割合も高く、その販売方法も類似していることから、販売ネットワーク利用のシナジーについてもYAGEOと比べ相対的により見込めると考えていること。
④ 対象者としては、公開買付者は対象者と同様に垂直生産を強みとされており、現場を重視し、カスタム品の製造も多く行っていることから、製造工程や製造の考え方についても対象者のものと類似性が高く、公開買付者との協働により、同社の長年に渡る生産効率化のノウハウを活かし、対象者の製造工程について更なる効率化が可能と考えていること。
⑤ 対象者としては、対象者株式の非公開化後も、公開買付者による資金的な支援が可能となること、公開買付者は国内で対象者より知名度のある上場企業であり、また対象者の名称、ブランドも維持される方針であり、対象者の社会的信用面に特段の懸念はないと見込まれることから、対象者は本取引によるデメリットは限定的であると考えており、本取引によるディスシナジーについても、想定をしていないこと。
⑥ 対象者としては、APと公開買付者の間でAPグループが本公開買付けの買付資金及び本スクイーズアウト手続のための資金の一部を負担することによって、対象者に対して資本参画することを目的として本株式譲渡を含む本取引後におけるAPグループの保有する対象者株式の取扱いについて合意した基本合意書を締結しており、仮に本公開買付価格を引き上げる必要性が出てきた場合でも公開買付者はこれに必要な資金を準備していると考えていること。
⑦ 対象者としては、4月8日付公開買付者面談において公開買付者の代表取締役会長から本取引の実現に対する意欲が示されたと考えていること。
⑧ 対象者として、公開買付者との協働により、同社の長年に渡る生産効率化のノウハウを活かし、対象者の製造工程について更なる効率化が可能と考えられることに加えて、多数の上場企業への投資・成長支援実績を有するAPグループの有する、グローバルな舞台で培った投資・経営ノウハウを活用することが可能であると考えていること。
⑨ 対象者としては、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースの公表後、YAGEOに対して、2度にわたり質問状を提出して詳細に質疑を行い、YAGEO面談も行ったものの、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースに記載のYAGEOが想定するシナジー、具体的には、(ア)製品ポートフォリオの強化、(イ)主要なエンドマーケットにおける市場機会の捕捉、(ウ)対象者のNTCサーミスタのグローバルでの販売拡大、(エ)より長期の、デザインインベースかつ収益性の高いビジネスの獲得、(オ)センサ及び回路保護プラットフォーム全体の設計と開発、及び(カ)成長投資の加速のシナジー効果は乏しく、限定的であると考えていること。
⑩ 対象者としては、YAGEO取引後の経営方針として、YAGEOは対象者の経営体制を、今後対象者と協議の上で決定し、対象者が2024年5月20日に公表した対象者の中期経営計画に記載されている(ア)製品開発、(イ)生産性の向上、及び(ウ)マーケティングのそれぞれに同意し、それらを実現するための支援をするとのことであるが、具体的にどのような支援を対象者がYAGEOから受けられるのか不明瞭であると考えていること。
⑪ 対象者としては、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースによれば、YAGEO取引後の対象者のブランドについても、YAGEOは、ブランドを維持する方針も含めて慎重に検討するとのことだが、過去YAGEOが買収した企業は、原則的に社名に「YAGEO」を付しており、対象者が築き上げてきたブランドを維持できるとは必ずしも言えないと考えていること。
⑫ 対象者としては、YAGEO取引により、YAGEOとの連携が想定される点としては、物流の効率化が考えられ、YAGEOグループがグローバルに有する物流網を活用することで対象者の物流コストを削減できる可能性があるが、対象者製品のサイズは小さいため物流の効率化によるコスト削減効果は小さいものであると考えていること。
⑬ 対象者としては、YAGEO取引により、(ⅰ)地政学的リスクが増大すること、(ⅱ)経済安全保障上の懸念から、成長が見込まれる北米市場において相応のシェアを取り逃がす可能性があり、仮に、YAGEOの北米拠点を活用して生産をしたとしても、販売先から製造過程に中国での生産プロセスが含まれている場合は、納入ができない場合も増えており、対象者が台湾企業とみなされることで現在受注している契約や既存取引先を失うリスクも相応にあること、(ⅲ)YAGEOの企業文化は対象者の企業文化と大きく異なる可能性が高く、かかる地政学的リスクと相まって従業員等の人材喪失リスクの懸念があること、(ⅳ)取引先についても、地政学的リスクの増大に加え、企業経営方針が異なる外国企業が親会社になることから従前の取引関係が維持されない可能性があると考えていること。
⑭ 以上の⑨から⑬を踏まえると、対象者としては、YAGEO取引は本取引と比較して対象者の企業価値向上に資するものではない可能性があると考えていること。
・本特別委員会としての評価
上記を踏まえ、慎重に審議・検討をしたところ、本特別委員会としては、上記「本取引に関する公開買付者の認識又は考え」及び「本取引及びYAGEO取引に関する対象者の認識又は考え」についていずれも特に指摘すべき問題点や懸念が見当たらず、また、本取引の意義及び目的並びに今後の事業運営の方向性に関する公開買付者の説明は一定の具体性を有しており、本取引にメリットが認められる。他方で、本取引によるデメリットには特に重大なものは見当たらず、ディスシナジーも想定されない。また、YAGEO取引が本取引と比較して対象者の企業価値向上に資するものではない可能性があるとの対象者の見解は不合理なものではなく、中長期での企業価値への影響の観点から本取引は対象者の企業価値の向上に資するとの対象者の見解が合理的であると考える。さらに、公開買付者により、2025年4月3日に提案された4,600円から、本公開買付けに係る提案価格が引き下げられたものの、なお、上記⑥及び⑦から、本公開買付けに係る相当の実現可能性が認められる。以上から、本取引の目的は、対象者の企業価値向上に資するものとして合理的かつ正当であると考える。
(ウ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性
以下の点より、本公開買付価格その他の本取引に係る取引条件は公正な条件であると考えられる。
・本公開買付価格
本公開買付価格である4,500円は、YAGEO提案における公開買付価格である4,300円を上回るものであることに加え、以下のとおり、対象者の株価変動のきっかけとなった2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースが公表される直前の2025年2月5日の東京証券取引所における対象者株式の終値並びに同日までの過去1ヶ月間、過去3ヶ月間及び過去6ヶ月間の終値単純平均株価を上回る金額であること(⑤)、本特別委員会の実質的な関与の下で真摯な交渉を重ねて合意に至った価格であること(①)、対象者の事業計画に不合理な点が認められないこと(②)、山田コンサルによる株式価値算定結果における市場株価法及び類似会社比較法に基づく算定結果の上限を上回り、かつ、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内の価格であること(③)、野村證券による株式価値算定結果における市場株価平均法及び類似会社比較法に基づく算定結果の上限を上回り、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内の価格であること(④)本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較しても概ね遜色ない水準のプレミアムが付されていると認められること(⑥)、本公開買付価格は公開買付者から2025年4月3日に提案された4,600円から減額された価格であるものの不合理な提案価格の引き下げではないと考えられること(⑦)を踏まえると、一定の合理性があり、相当な価格であると考える。
① 本公開買付価格について、対象者、公開買付者から独立した本特別委員会の実質的な関与の下、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況が確保された上で、真摯な交渉を重ねて合意に至った価格であると考えられること。
② 山田コンサル及び野村證券が株式価値を算定するにあたり前提とした本事業計画について、本特別委員会は、対象者経営陣から説明を受け、質疑応答を行ったが、当該事業計画の策定経緯に公正性を疑うべき事情は存在せず、その内容に不合理な点は見受けられなかったこと。
③ 山田コンサルによる株式価値算定結果においては、対象者の1株当たりの株式価値を市場株価法では、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースが公表された基準日①を算定基準日として、3,135円から3,279円、及び基準日②を算定基準日として、3,720円から4,456円、また、DCF法では3,568円から5,886円、類似会社比較法では2,943円から3,403円と算定しており、本公開買付価格が、市場株価法及び類似会社比較法に基づく算定結果の上限を上回り、かつ、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内の価格であること。また、この株式価値の算定につき山田コンサルの価値算定に野村證券による株式価値算定結果の影響が生じることを回避するための措置が講じられた上で行われたものであり、山田コンサルが本特別委員会に行った説明に特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断できること。
④ 野村證券による株式価値算定結果においては、対象者の1株当たりの株式価値を市場株価平均法では、基準日①を算定基準日として、3,135円から3,279円、及び基準日②を算定基準日として、3,720円から4,456円と算定しており、また、DCF法では3,355円から6,428円、類似会社比較法では2,008円から3,209円と算定しており、本公開買付価格が市場株価平均法及び類似会社比較法に基づく算定結果の上限を上回り、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内の価格であること。また、この株式価値の算定につき野村證券が本特別委員会に行った説明に特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断できること。
⑤ 本公開買付価格4,500円は、対象者の株価変動のきっかけとなった2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースが公表される直前の2025年2月5日の東京証券取引所における対象者株式の終値3,135円に対して43.54%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値3,209円に対して40.23%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値3,247円に対して38.59%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値3,279円に対して37.24%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっていること。
⑥ 「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日以降に公表の国内上場企業を対象とし、かつ、成立した非公開化を企図した上限が付されていない他社株公開買付けの事例(公開買付者(特別関係者を含む。)の議決権保有比率が一定以上である取引、MBO取引等を除く。)におけるプレミアムの実例49件(プレミアムの水準の中央値は、公表日の前営業日の終値が52.74%、直近1ヶ月間が53.47%、直近3ヶ月間が52.54%、直近6ヶ月間が54.65%である。)と比較しても、概ね遜色ない水準であり、本公開買付価格には合理的なプレミアムが付されていると認められること。なお、本公開買付価格4,500円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年4月9日の東京証券取引所における対象者株式の終値の4,190円に対するプレミアムは7.40%であるが、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースの公表からの対象者の株価の推移は、同公表が対象者株式の株価に相当程度影響を与えたという見方が合理的であり、本公開買付価格は過去の類似取引に比しても概ね遜色ない水準のプレミアムが付与されているものと認められるとの本特別委員会の判断に影響するものではない。
⑦ 本公開買付価格4,500円は、公開買付者から2025年4月3日に提案された4,600円に対し2.17%減額された金額であるが、(ⅰ)米国関税措置が公表された2025年4月2日の翌営業日である2025年4月3日から2025年4月9日までの対象者株式のVWAP(売買高加重平均価格)は、2025年4月2日終値に対して-3.87%の水準であること、(ⅱ)米国関税措置によって、対象者の業績見通しに与える直接的な影響は限定的であるものの、株式会社大和総研が2025年4月3日に公表したレポート「『相互関税』による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%」によれば、「今回発表された相互関税によって、日本経済の実質GDPは短期的には0.6%(2025年)、中期的には1.8%(2029年)程度下押しされると試算される。」とされており、マクロ経済の見通しが悪化する可能性も否定できず、過去対象者がマクロ経済のイベントにより業績が悪化した2020年3月期や2023年3月期には、事業年度初めに策定した業績予想に対する実績値の下落率は、売上高以上に営業利益の方が大きく落ち込む傾向があるため、実際にマクロ経済の見通しが悪化し対象者の売上高が実質GDPの下落率相当に落ち込んだ場合には、2%を超えて利益が棄損される可能性も十分に考えられること、及び(ⅲ)公開買付者とのこれまでの価格交渉の経緯及び4月8日付公開買付者面談の内容を踏まえると2025年4月9日時点でさらに高い提案価格は提示されないと考えられることを踏まえると、本特別委員会としても、不合理な提案価格の引き下げではないと考える。
・本スクイーズアウト手続において少数株主に交付される金額
本スクイーズアウト手続において、少数株主に交付されることになる金銭の額が本公開買付価格に当該各株主(但し、公開買付者及び対象者を除く。)の所有する対象者株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることが予定されていることから、本公開買付価格と同様の考え方により、当該金銭の額は一定の合理性があり、妥当性を欠く水準とまでは認められない。
・本取引のスキームの妥当性
本取引において採用されている、一段階目として、公開買付けを行い、二段階目として本株式売渡請求又は本株式併合によるスクイーズアウトを実行するというスキームは、非公開化の手法として一般的に採用されている手法であり、本公開買付価格に不満のある対象者株主は、裁判所に対する株式買取請求後の価格決定の申立てが可能である。また、下記「(エ)本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性」に記載のとおり、本公開買付けにおいては強圧性が生じないよう相当程度配慮していることも踏まえて、本取引の方法に不合理な点は認められず、妥当であると考える。
(エ)本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性
以下の点より、本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続は公正であると考えられる。
・本特別委員会の設置
① 対象者取締役会の意思決定過程における恣意性のおそれを排除し、その公正性及び透明性を確保するため、対象者独立社外取締役1名、対象者独立社外監査役1名及び社外有識者1名の合計3名で構成される本特別委員会を設置し、諮問を行ったこと。
② 本特別委員会が、公認会計士としての財務・会計・内部統制に関する専門的な知識及び豊富な経験・見識を有する阿部功氏、公認会計士として監査法人で監査業務に携わった後、警視庁に入庁し財務捜査官、管理官をはじめ要職を歴任し、財務・会計・内部統制に関する専門的な知識と幅広い見識を有する片岡麻紀氏、並びに弁護士としての専門的知見、他社の社外取締役としての豊富な経験・知見、及び同種・類似案件に対する十分な実績・知見を有する柴田堅太郎氏の3名で構成されており、本諮問事項を検討するために必要な経験及び知見を備えていると認められること。
③ 本特別委員会において、2025年2月14日から2025年4月9日までの間に合計19回にわたり審議を重ねたこと。
④ 対象者による公開買付者との交渉について、本特別委員会が交渉方針に関して対象者に指示・要請を行い、あるいは自ら公開買付者に対し書面にて申入れを行うことにより、本特別委員会の実質的な関与の下、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指し合理的な努力が行われる状況が確保された上で、真摯な交渉が行われたと認められること。なお、本公開買付価格4,500円は、公開買付者から2025年4月3日に提案された4,600円に対し2.17%減額された金額であり、このような提案価格の引き下げは極めて異例であるが、(ⅰ)上記「本公開買付価格」「(ウ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性」「・本公開買付価格」⑦に記載のとおり、米国関税措置というマクロ環境における特殊事情を踏まえると不合理な提案価格の引き下げではないと考えられること、(ⅱ)公開買付者からの提案価格が4,400円に引下げられた後、本特別委員会による交渉の結果、提案価格を4,500円まで引き上げることに成功していることから、公開買付者により本公開買付価格が2025年4月3日に提案された4,600円から減額された金額とされたことは、対象者による公開買付者との交渉について、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して真摯な交渉が行われたと認められるとの本特別委員会の判断に影響するものではない。
・本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
① 本特別委員会が本諮問事項の検討を行うにあたり、対象者、公開買付者、APグループ及びYAGEOから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルを選任し、同社から、対象者の株式価値の算定、公開買付者との交渉に関する助言を含む財務的見地からの助言を受けるとともに、2025年4月9日付で本株式価値算定書(山田コンサル)(下記「④ 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」において定義します。以下同じです。)を取得したこと。
・対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
① 対象者が本公開買付価格の公正性その他本取引の公正性を担保すべく、対象者、公開買付者、APグループ及びYAGEOから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を選任し、本特別委員会において、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認したこと。
② 対象者が野村證券から、対象者の株式価値の算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2025年4月9日付で本株式価値算定書(野村證券)(下記「④ 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」において定義します。以下同じです。)を取得したこと。
・対象者における独立した法律事務所からの助言
① 対象者が本公開買付価格の公正性その他本取引の公正性を担保すべく、対象者、公開買付者、APグループ及びYAGEOから独立したリーガル・アドバイザーとして北浜法律事務所を選任し、本特別委員会において、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認したこと。
② その上で、対象者が北浜法律事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点等に関する法的助言を受けたこと。
・山田コンサルによる株式価値算定に影響が生じることを回避するための措置
① 本特別委員会において、山田コンサル及び野村證券から、それぞれが実施した対象者株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受け、山田コンサルによる説明及び質疑応答の際には野村證券は参加しない運用とし、本特別委員会における対象者株式の価値算定に関する検討について対象者からの独立性を維持し、対象者から不合理に影響が生じることを回避するための措置が講じられたこと。
・対象者における独立した検討体制の構築
① 対象者の検討体制(YAGEO取引及び対抗提案の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含む。)に独立性・公正性の観点から問題がないことを承認したこと。
・積極的なマーケット・チェックの実施
① 対象者は、対象者の企業価値の向上及び株主共同の利益の観点から最善の選択肢を模索するため、企業買収行動指針を踏まえ、積極的なマーケット・チェックとして、2025年1月中旬以降、野村證券を通じて潜在的な候補者である事業会社9社に対して完全子会社化に関する打診を行っており、本取引に係る公開買付者の提案はかかるマーケット・チェックにより得られたものであること。
② 対象者が野村證券を通じて打診した複数の潜在的な候補者のうち、対象者株式の取得に関する意向表明書を提出したのは公開買付者だけであるが、YAGEO公開買付けが2025年5月上旬に開始することが予告されていたことによる時間と対応リソースの制約の中で最大限対象者の買収に関心を持つと思われる十分な数の者に提案の機会を与えていること。
③ 対象者は、YAGEO以外に公開買付者から法的拘束力のある提案を受領することができたこと等の事情に鑑みれば、上記のマーケット・チェックが競争環境を確保しつつ、公正かつ実効的に実施されたものであると評価することができること。
・他の買付者からの買付機会を確保するための措置
① 対象者及び公開買付者は、対象者が公開買付者以外のYAGEOを含む買収提案者(以下「対抗的買収提案者」という。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は行われておらず、対抗的買収提案者による対抗的な買付け等(YAGEOによるYAGEO公開買付価格の引上げを含む。)を行う機会が妨げられていないこと。
② 対象者は、YAGEO公開買付けに関して、YAGEO公開買付価格に係る価格交渉を拒絶した事実はないこと。
③ 本公開買付けに係る開始予定について公表した2025年4月10日の翌日から公開買付期間の末日である2025年5月27日までの期間は30営業日となっていることに加え、公開買付期間を法令に定められた最短期間である20営業日より長い22営業日に設定することにより、対抗的買収提案者による対抗的な買付け等を行う機会を確保していること。
・対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
① 本スクイーズアウト手続のスキームとして、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除く。)の株式売渡請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を対象者に要請することを予定しており、対象者の株主に対して、株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)本株式売渡請求又は本株式併合をする際に、対象者の株主に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(対象者及び公開買付者を除く。)の所有する対象者株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮していること。
② 本公開買付けに係る開始予定について公表した2025年4月10日の翌日から公開買付期間の末日である2025年5月27日までの期間は30営業日となっていることに加え、公開買付期間を法令に定められた最短期間である20営業日より長い22営業日に設定することにより、対象者の株主に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保されていること。
・買付予定数の下限の設定
① 本公開買付けにおいて買付予定数の下限が設定されるところ、当該下限である7,539,900株(所有割合:50.01%)は、本公開買付け成立後に公開買付者が対象者の総議決権数の3分の2以上を所有することとなるように設定されておらず、本公開買付け成立後のスクイーズアウトが確実に実行できるスキームになってはいない。
② もっとも、公開買付者は、(ⅰ)実際には本株式併合に係る議案の決議成立に必要な対象者株式数は、所有割合にして、対象者の直近5期の定時株主総会における議決権行使比率の最大値(約86%)に株主総会の特別決議の可決に要する議決権比率3分の2を乗じた割合(約57%)に相当する水準であると考えられること、(ⅱ)2020年から2024年に公表された上場会社の非公開化を目的とし、成立した公開買付け253件のうち、親子会社間、持分法適用会社間、MBO案件の合計139件を除いた資本関係のない第三者間の取引で、株式併合議案(スクイーズアウト議案)に係る株主総会を実施した43件においては、株式併合議案に議決権行使比率(但し、公開買付主体及びその特別関係者の行使個数は当該計算から除く。)の平均値は約37.0%、中央値は約41.5%と、平時の定時株主総会の議決権行使比率に比して大きく低下する傾向があり、株主総会の特別決議の可決に要する議決権比率である3分の2を乗じた際に50.01%を上回る事例は1件のみ(当該1件の議決権行使比率は78.3%であり、3分の2を乗じた場合には、52.2%となる。)に留まることも踏まえ、仮に上記(ⅰ)で記載した割合(約57%)の対象者株式を本公開買付けにより取得できなかったとしても、公開買付者が、50.01%の対象者株式を本公開買付けにより取得できれば、対象者の臨時株主総会において株式併合に係る議案が承認される蓋然性が高いこと、また(ⅲ)対象者の従業員持株会が所有している対象者株式は、当該株式の取得資金を拠出している対象者の従業員が実質的な株主であると考えられるところ、当該従業員が対象者に雇用されているという関係性を踏まえると、対象者の意思決定に反する行動は取りにくいと考えられ、さらに、上記に記載のとおり、本公開買付けに対して、対象者の取締役会が賛同意見を表明し、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の対象者における取締役会決議がなされることが本公開買付けの前提条件となっていることを踏まえると、一層、従業員持株会の構成員が、当該決議内容や本取引への理解を示して本株式併合に係る議案への賛成の議決権の行使に応じる意向を有することになると考えられることから、公開買付者は、本公開買付けが成立し、公開買付者が新たに対象者の親会社となった後においても、対象者の従業員持株会は対象者の臨時株主総会において対象者が提案する本株式併合に係る議案に賛成の議決権を行使するものと考えていることを考慮して、買付予定数の下限を定めたとのことであり、かかる公開買付者の考えに特に指摘すべき問題点はないことから、本公開買付けに係る買付予定数の下限は、少数株主による本公開買付けへの応募結果を尊重するものとして公正性を一定程度担保するものと考えられ、強圧性が生じないように配慮していること。
(オ)本取引が対象者の少数株主にとって不利益であるか否か
本取引の目的が対象者の企業価値向上に資するものとして合理的かつ正当であると考えられること、本取引を前提とした本公開買付価格その他の取引条件は公正かつ妥当であること、本取引に至る交渉過程等の手続が公正であると考えられることを踏まえると、本公開買付けを含む本取引は対象者の少数株主にとって不利益でないと考えられる。そこで、本特別委員会は、対象者は本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議すべきであり、本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考える。
b YAGEO公開買付けについての検討
YAGEO公開買付けは、本公開買付けと同様に、対象者の完全子会社化を目的とするものであり、択一的な関係にある。YAGEO取引及び本取引の内容を比較・検討した結果、上記「a本公開買付けについての検討」に記載のとおり、本公開買付けに関して賛同の意見を表明することが適当であると考えられることから、本公開買付けと択一的な関係にあるYAGEO公開買付けに対しては反対の意見を表明するとともに、対象者株主にYAGEO公開買付けに応募しないようお願いする旨の意見を表明することが適当であると考える。YAGEO公開買付けを含むYAGEO取引が対象者の少数株主にとって不利益であるかについても、YAGEO取引よりも少数株主にとって有利な本取引が実施される以上、本特別委員会としては、YAGEO取引は少数株主にとって不利益であると判断せざるを得ない。
c 総括
上記「a本公開買付けについての検討」に記載のとおり、本公開買付けは、対象者の企業価値向上に資すると考えられ、その取引条件も妥当であり、少数株主を含む対象者株主の利益を図る観点から公正な手続も実施されている。そこで、本特別委員会は、対象者は本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議すべきであり、本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではないと判断する。
他方で、本特別委員会は、本特別委員会として賛同の意見を表明することが適当である本公開買付けと択一的な関係にあるYAGEO公開買付けに関しては、反対の意見を表明するとともに、対象者株主にYAGEO公開買付けに応募しないようお願いする旨の意見を表明することが適当であり、少数株主にとって不利益であると判断せざるを得ないと考える。
(ⅳ)2025年5月1日付答申書の判断内容
本特別委員会が提出した2025年5月1日付答申書の概要は以下のとおりとのことです。
(a)答申内容
2025年4月10日から本日までの事情を勘案しても、2025年4月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらない。したがって、本日時点においても、2025年4月10日付答申書において表明した本特別委員会の意見に変更はない。
(b)答申理由
a 2025年4月10日以降における本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化の有無
(ア)2025年4月10日以降において、以下の事情が認められる。
① YAGEOがYAGEO公開買付価格を4,300円から5,400円に引き上げた。
② 対象者及び本特別委員会は、YAGEO公開買付価格の引き上げを受けて、公開買付者に対して本公開買付価格の引き上げの意向の有無を確認した。
③ 公開買付者は、上記②の対象者及び本特別委員会からの要請に対して、2025年4月30日、本公開買付価格を5,500円に引き上げる旨回答した。
④ 本特別委員会は、野村證券及び山田コンサルから、米国政府が、2025年4月10日に、日本を含む一部の国と地域を対象とした相互関税の上乗せ分の一時停止、及び2025年4月12日に、半導体関連製品の相互関税適用の一時停止を受けて、本株式価値算定書(山田コンサル)及び本株式価値算定書(野村證券)を変更する必要がないと考える旨の見解の説明を受けた。
⑤ 本特別委員会は、2025年4月17日に、APへのインタビューを実施し、APグループの概要、APが本取引に関与することとなった経緯、本取引の意義・目的、本取引後の対象者の経営体制・経営方針等に対する考え、APの関与方法を含む本取引のスキームに対する考えを確認した。
⑥ 公開買付者とAPの間で、第二次基本合意書が2025年5月1日に締結され、第二次基本合意書において、本取引に必要な資金を確保するために、本公開買付価格が5,500円から変更され、その結果本公開買付けの買付資金及び本スクイーズアウト手続のための資金が増額する場合、APが増額分の出資・資本参画を積極的に検討する意向を有していることを確認する旨の規定(以下「本確認規定」といいます。)が設けられることが予定されている。
b 本公開買付けについての検討
(ア)本取引の目的の正当性・合理性(企業価値の向上に資するかを含む。)
・本取引及びYAGEO取引に関する対象者の認識又は考え
本特別委員会は、2025年4月10日付答申書で認定した事実に加え、書面での質疑応答を通じて、本取引及びYAGEO取引に関する対象者の認識又は考えが以下のとおりであることを確認した。
① 公開買付者とAPとの間で本確認規定が合意される予定であることから、公開買付者の本取引実現に対する意欲に変わりはないと評価されること。
・本取引に関するAPの認識又は考え
本特別委員会は、上記記載の事実の他に、2025年4月10日付答申書において認定した(ⅰ)本取引に関する公開買付者の認識又は考え、及び(ⅱ)本取引及びYAGEO取引に関する対象者の認識又は考えに加え、2025年4月17日開催の第21回特別委員会において、APに対するヒアリングを実施し、本取引に関するAPの認識又は考えが以下のとおりであることを確認した。
① APは、国際社会における日本の地位が相対的に低下している中で、今後、日本が成長していくためには、科学技術立国を実現するしかなく、日本の技術をどのように守っていくことができるかについて、かねてから問題意識を有していたこと。
② APは、対象者が海外資本の傘下に組み込まれることによって、対象者が有する高度な技術力や技術基盤が毀損され、国外に流出することで日本の国益を損なう結果となる可能性があるという公開買付者の見解に深く共鳴していること。
③ APは、本公開買付価格が変更され、その結果本公開買付けの買付資金及び本スクイーズアウト手続のための資金が増額する場合、増額分の出資・資本参画を積極的に検討する意向を有していること。
④ APは、対象者のような部品・コンポーネントメーカーに対する投資実績が複数あり、その経験を対象者に提供することで、対象者の企業価値向上に貢献できると考えていること。
・小括
本特別委員会としては、上記「本取引及びYAGEO取引に関する対象者の認識又は考え」について、特に指摘すべき問題点は見当たらないこと、上記「本取引に関するAPの認識又は考え」①から③及び公開買付者とAPの間で本確認規定が合意されることから、APは本取引を実現させる意欲を有しており、そのための経済的な支援を可能な範囲で行う用意があると考えられることから、2025年5月1日時点においても、本公開買付けに係る相当の実現可能性があると考える。また、上記④から、APが本取引後に対象者に資本参画することが対象者の企業価値向上に資すると考える。
以上のとおり、本特別委員会が新たに設定した上記記載の事実は、2025年4月10日時点にも増して、本取引の目的の正当性・合理性を補強する要素であり、上記記載の事実の他に、2025年4月10日付答申書において認定した本取引の目的の正当性・合理性に関する前提事実に変動はないことから、2025年4月10日付答申書における本取引の目的は、対象者の企業価値向上に資するものとして合理的かつ正当であるとの本特別委員会の意見に変更はない。
(イ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性
本公開買付価格は、4,500円から5,500円に引き上げられたが、これはYAGEO公開買付価格である5,400円を上回る価格である。この他に、2025年4月10日付答申書において認定した本取引の条件に関する前提事実に変動はないことから、2025年4月10日付答申書における本公開買付価格その他の本取引に係る取引条件は公正な条件であるとの本特別委員会の意見に変更はない。
(ウ)本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性
対象者及び本特別委員会は、米国政府が、2025年4月10日に、日本を含む一部の国と地域を対象とした相互関税の上乗せ分の一時停止、及び2025年4月12日に、半導体関連製品の相互関税適用の一時停止を発表したことを受けて、2025年4月16日以降、本公開買付価格4,500円の引き上げを公開買付者に対して要請した。これに対して、公開買付者は、対象者の利益見通しの不確実性は引き続き大きいため、本公開買付価格4,500円を引き上げることは困難であると回答したが、対象者及び本特別委員会は、YAGEOがYAGEO公開買付価格を5,400円に引き上げたことを受けて、本公開買付価格の引き上げの意向があるか確認したところ、公開買付者は本公開買付価格を5,500円に引き上げると回答した。以上のとおり、本特別委員会による交渉の結果、本公開買付価格を5,500円まで引き上げることに成功していることから、2025年5月1日時点においても、対象者による公開買付者との交渉について、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して真摯な交渉が行われたとの本特別委員会の判断に影響はない。
以上の他に、2025年4月10日付答申書において認定した本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性に関する前提事実に変動はないことから、2025年4月10日付答申書における本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続は公正であるとの本特別委員会の意見に変更はない。
(エ)本取引が対象者の少数株主にとって不利益であるか否か
以上から、本特別委員会は、2025年5月1日時点においても、2025年4月10日付答申書において表明した、対象者は本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議すべきであり、本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではないとの意見に変更はない。
c YAGEO公開買付けについての検討
本特別委員会は、2025年5月1日時点においても、2025年4月10日付答申書において表明した、本公開買付けと択一的な関係にあるYAGEO公開買付けに対しては反対の意見を表明するとともに、対象者株主にYAGEO公開買付けに応募しないようお願いする旨の意見を表明することが適当であるとの意見に変更はない。YAGEO公開買付けを含むYAGEO取引が対象者の少数株主にとって不利益であるかについても、本特別委員会としては、2025年5月1日時点においても、2025年4月10日付答申書において表明した、YAGEO取引は少数株主にとって不利益であるとの意見に変更はない。
d 総括
以上のことから、2025年5月1日時点においても、本特別委員会は、2025年4月10日付答申書において表明した、以下の意見に変更はない。
(ア)対象者は本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議すべきであり、本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではない。
(イ)本特別委員会は、本特別委員会として賛同の意見を表明することが適当である本公開買付けと択一的な関係にあるYAGEO公開買付けに関しては、反対の意見を表明するとともに、対象者株主にYAGEO公開買付けに応募しないようお願いする旨の意見を表明することが適当であり、少数株主にとって不利益であると判断せざるを得ない。
③ 対象者における独立した法律事務所からの助言
対象者は、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、公開買付者、本応募合意株主、APグループ、対象者及びYAGEO並びにYAGEO取引及び本取引の成否から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして北浜法律事務所を選任し、北浜法律事務所からYAGEO取引及び本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、YAGEO取引及び本取引の諸手続並びにYAGEO取引及び本取引に係る対象者の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けているとのことです。
なお、北浜法律事務所は、公開買付者、本応募合意株主、APグループ、対象者及びYAGEOの関連当事者には該当せず、YAGEO取引及び本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、北浜法律事務所に対する報酬にはYAGEO取引及び本取引の成否等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。また、本特別委員会において、北浜法律事務所の独立性及び適格性に問題がないことを確認した上、対象者のリーガル・アドバイザーとすることについて承認しているとのことです。
④ 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに対象者、YAGEO及び公開買付者との関係
YAGEO公開買付けに関する意見表明及び本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、YAGEO公開買付け及び本公開買付けに対する意思決定の公正性を担保するために、YAGEO、公開買付者、本応募合意株主、APグループ及び対象者から独立した第三者算定機関として、野村證券に対し、対象者株式価値の算定を依頼し、2025年4月9日付で、野村證券から株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)を取得したとのことです。
なお、本「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び対象者において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることを踏まえると、対象者の一般株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていることから、対象者は、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
また、野村證券は、公開買付者、本応募合意株主、APグループ、対象者及びYAGEOの関連当事者には該当せず、YAGEO公開買付けを含むYAGEO取引及び本取引に係る野村證券に対する報酬には、YAGEO取引及び本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことです。対象者は、同種の取引における一般的な実務慣行並びにYAGEO取引及び本取引が不成立となった場合に対象者に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、YAGEO取引及び本取引の完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により野村證券を対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しているとのことです。
(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要
野村證券は、YAGEO公開買付け及び本公開買付けにおいて、複数の株式価値算定手法の中から対象者株式算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提のもと、対象者株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから株式の市場株価の動向を勘案した市場株価平均法を、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を採用手法として用いて、対象者株式の価値を算定しているとのことです。
本株式価値算定書(野村證券)において、上記各算定方法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。
市場株価平均法(基準日①) |
3,135円~3,279円 |
市場株価平均法(基準日②) |
3,720円~4,456円 |
類似会社比較法 |
2,008円~3,209円 |
DCF法 |
3,355円~6,428円 |
市場株価平均法では、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースが公表された2025年2月5日(以下「基準日①」といいます。)を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の基準日①の終値3,135円、基準日①までの直近5営業日の終値単純平均値3,154円、基準日①までの直近1ヶ月間の終値単純平均値3,209円、基準日①までの直近3ヶ月間の終値単純平均値3,247円及び基準日①までの直近6ヶ月間の終値単純平均値3,279円を基に対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を3,135円から3,279円まで、並びに2025年4月9日(以下「基準日②」といいます。)を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の基準日②の終値4,190円、基準日②までの直近5営業日の終値単純平均値4,263円、基準日②までの直近1ヶ月間の終値単純平均値4,456円、基準日②までの直近3ヶ月間の終値単純平均値4,110円及び基準日②までの直近6ヶ月間の終値単純平均値3,720円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,720円から4,456円までと算定しているとのことです。
類似会社比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,008円から3,209円までと算定しているとのことです。
DCF法では、本事業計画を基に、2026年3月期から2028年3月期までの3期分の本事業計画における収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2026年3月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、対象者の企業価値や株式価値を算定し、対象者の1株当たりの株式価値の範囲を3,355円から6,428円までと算定しているとのことです。なお、DCF法による分析において前提とした財務予測は本事業計画に基づいているところ、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないものの、フリー・キャッシュ・フローの大幅な変動を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2025年3月期においては、売上高の増加に伴う運転資本の増加及び本社新社屋と松川工場への投資に伴う固定資産支出の増加により、フリー・キャッシュ・フローが前年度と比較して64.73%の大幅な減少を見込んでおり、2027年3月期においては、前年度に見込まれていた本社新社屋の建設や新工場建設のための設備投資が剥落することにより、フリー・キャッシュ・フローが前年度と比較して133.87%の大幅な増加を見込んでいるとのことです。
また、野村證券がDCF法による分析に用いた本事業計画においては、YAGEO取引及び本取引により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、加味していないとのことです。
(注) 野村證券は、対象者株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び対象者から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。対象者及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。本事業計画については、対象者の経営陣により算定時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は2025年4月9日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものとのことです。なお、野村證券の算定は、対象者取締役会が対象者株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。
なお、対象者は、野村證券から、2025年4月10日開催の対象者取締役会から2025年5月1日時点までの状況を考慮しても、本株式価値算定書(野村證券)の妥当性に影響を与える前提事実に大きな変更はない旨の説明を受けているとのことです。
⑤ 本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに対象者及び、YAGEO及び公開買付者との関係
本特別委員会は、本特別委員会への諮問事項について検討するにあたり、YAGEO、公開買付者、本応募合意株主、APグループ及び対象者から独立した第三者算定機関として特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザーである山田コンサルに対して、対象者株式の株式価値算定書を依頼し、2025年4月9日付で、山田コンサルから株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(山田コンサル)」といいます。)を取得したとのことです。
なお、本「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び対象者において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることを踏まえると、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていることから、本特別委員会は、山田コンサルから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。なお、対象者取締役会は、2025年4月10日に、本特別委員会から2025年4月10日付答申書の提出を受けた際、併せて本株式価値算定書(山田コンサル)の提出を受けており、本株式価値算定書(山田コンサル)の内容も踏まえて、下記「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の決議を実施したとのことです。また、山田コンサルは、公開買付者、本応募合意株主、APグループ、対象者及びYAGEOの関連当事者には該当せず、YAGEO公開買付けを含むYAGEO取引及び本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有していないとのことです。また、YAGEO取引及び本取引に係る山田コンサルの報酬には、YAGEO取引及び本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。
(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要
山田コンサルは、本公開買付けにおいて、複数の株式価値算定手法の中から対象者株式算定にあたり、採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提のもと、対象者株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから株式の市場株価の動向を勘案した市場株価法を、対象者と比較的類似する事業を手がける上場会社が複数存在し、類似会社との比較による対象者の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を採用して、対象者株式の株式価値を算定しているとのことです。
本株式価値算定書(山田コンサル)において、上記各算定方法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。
市場株価法(基準日①) |
3,135円~3,279円 |
市場株価法(基準日②) |
3,720円~4,456円 |
類似会社比較法 |
2,943円~3,403円 |
DCF法 |
3,568円~5,886円 |
市場株価法では、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースが公表された基準日①を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値3,135円、直近1ヶ月間の終値単純平均値3,209円、直近3ヶ月間の終値単純平均値3,247円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値3,279円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,135円から3,279円まで、並びに基準日②を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の算定基準日の終値4,190円、基準日②までの直近1ヶ月間の終値単純平均値4,456円、基準日②までの直近3ヶ月間の終値単純平均値4,110円及び基準日②までの直近6ヶ月間の終値単純平均値3,720円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,720円から4,456円までと算定しているとのことです。
類似会社比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,943円から3,403円までと算定しているとのことです。
DCF法では、本事業計画を基に、2026年3月期から2028年3月期までの3期分の本事業計画における収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2026年3月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、対象者の企業価値や株式価値を算定し、対象者の1株当たりの株式価値の範囲を3,568円から5,886円までと算定しているとのことです。なお、DCF法による分析において前提とした財務予測は本事業計画に基づいているところ、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないものの、フリー・キャッシュ・フローの大幅な変動を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2025年3月期においては、売上高の増加に伴う運転資本の増加及び本社新社屋の建設や松川工場への投資に伴う設備投資支出の増加により、フリー・キャッシュ・フローが前年度と比較して61.1%の大幅な減少を見込んでおり、2027年3月期においては、前年度に見込まれていた本社新社屋の建設や新工場建設のための設備投資が剥落することにより、フリー・キャッシュ・フローが前年度と比較して102.1%の大幅な増加を見込んでいるとのことです。
なお、山田コンサルがDCF法による分析に用いた本事業計画において、YAGEO取引及び本取引により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、加味していないとのことです。
(注) 山田コンサルは、対象者株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び対象者から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。対象者及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。本事業計画については、対象者の経営陣により算定時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。山田コンサルの算定は2025年4月9日までに山田コンサルが入手した情報及び経済条件を反映したものとのことです。なお、山田コンサルの算定は、対象者取締役会及び本特別委員会が対象者株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。
なお、本特別委員会は、山田コンサルから、2025年4月10日から2025年5月1日時点までの状況を考慮しても、本株式価値算定書(山田コンサル)の妥当性に影響を与える前提事実に大きな変更はない旨の説明を受けているとのことです。
⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
対象者は、北浜法律事務所から得た法的助言、野村證券から得た財務的見地からの助言、本株式価値算定書(野村證券)及び本特別委員会が山田コンサルから取得した本株式価値算定書(山田コンサル)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から入手した2025年4月10日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、公開買付者による本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて慎重に協議・検討したとのことです。
その結果、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者取締役会は、本取引について、本公開買付けを含む本取引により対象者の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格は対象者の株主の皆様にとって妥当なものであり、本公開買付けは、対象者の株主の皆様に対して、対象者株式の合理的な売却の機会を提供するものであると判断し、2025年4月10日開催の対象者取締役会において、同日時点における対象者の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議したとのことです。
上記の対象者取締役会においては、対象者の取締役7名の全員一致により上記の決議を行ったとのことです。また、上記の対象者取締役会においては、対象者の監査役3名(うち社外監査役2名)全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べているとのことです。
なお、対象者は、上記取締役会において、YAGEO公開買付けが開始された場合、取締役会が賛同意見を表明し、応募推奨することを決議した本公開買付けと択一的な関係にあるため、対象者の2025年4月10日時点における対象者の意見として、YAGEO公開買付けに反対する意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、YAGEO公開買付けに応募しないようにお願いすることの決議も併せて行ったとのことです。
その後、対象者は、公開買付者から、今般、2025年5月1日までに、本公開買付前提条件③及び⑤が充足されていること、並びに本公開買付前提条件①、②及び④も充足される合理的な見込みがあることを確認したことから、2025年5月2日より公開買付けを開始することを決定し、その予定である旨の連絡を受けたとのことです。
そして、対象者は、北浜法律事務所から得た法的助言、野村證券から得た財務的見地からの助言、山田コンサルから得た財務的見地からの助言、本株式価値算定書(野村證券)及び本特別委員会が山田コンサルから取得した本株式価値算定書(山田コンサル)の内容並びに、本特別委員会から入手した2025年4月10日付答申書及び2025年5月1日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、慎重に協議・検討を行った結果、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2025年5月1日時点においても、本取引の目的や当該目的を達成するための意義や必要性に変わりはなく、その他にも、2025年4月10日時点における対象者の本公開買付けに関する判断を変更すべき事情は特段見当たらないことから、2025年5月1日、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
上記の対象者取締役会においては、審議及び決議に参加した利害関係を有しない対象者の取締役7名の全員一致により上記の決議を行ったとのことです。また、上記の対象者取締役会においては、利害関係を有しない対象者の監査役3名(うち社外監査役2名)全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べているとのことです。
⑦ 他の買付者による買収提案の機会の確保(マーケット・チェック)
上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、YAGEOからYAGEO提案を受領したことを契機として、対象者の企業価値の向上及び株主共同の利益の観点から最善の選択肢を模索するため、企業買収行動指針を踏まえ、マーケット・チェックとして、2025年1月中旬に野村證券を通じて事業会社(計9社)に提案を打診し、意向表明書の提出を依頼することにより、公開買付者以外の者による対象者株式に対する買付け等の機会を確保しているとのことです。なお、本公開買付価格は、YAGEO公開買付価格と比較して高額となっているとのことです。
⑧ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、本公開買付前提条件の全てが充足され又は公開買付者により放棄された場合、公開買付期間を20営業日に設定しているところ、本公開買付けに係る開始予定について公表した2025年4月10日の翌日から公開買付期間の末日である2025年6月2日までの期間は34営業日となっており、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間よりも長期に亘っているため、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対して応募するか否かについて十分な判断機会を確保するとともに、公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行うか否かについて十分な検討機会を確保できていると考えております。加えて、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースを通じてYAGEO公開買付けの開始予定について公表された2025年2月5日から起算すれば、同日から本公開買付けの公開買付期間の末日である2025年6月2日までの期間は更に長期に亘っているため、対象者の株主の皆様にとって本公開買付けの内容をYAGEO公開買付けと対比した上で本公開買付けに対して応募するか否かに関して判断するための機会や公開買付者以外の者にとって対象者株式に対する買付け等を行うか否かに関して検討するための機会は、一層十分に確保されていると考えております。
また、上記「⑦ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置」に記載のとおり、公開買付者は、対象者との間で、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておりません。このように、上記公開買付期間の設定と併せて、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを企図しているため、本公開買付けにより対象者株式の全て(対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しております。
なお、「(1)本公開買付けの概要」及び「(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本基本合意書」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続の完了後速やかに、公開買付者及びAPは、本株式譲渡によって、公開買付者及びAPグループの間で対象者株式の保有割合をそれぞれ89.1%、10.9%とすることを予定しております。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する対象者株式の全部を売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)する予定です。本株式売渡請求においては、対象者株式の1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対して本株式売渡請求の承認を求める予定です。対象者がその取締役会の決議により本株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主からその所有する対象者株式の全部を取得します。この場合、公開買付者は、売渡株主がそれぞれ所有していた対象者株式の1株当たりの対価として、各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。なお、対象者賛同意見表明プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より本株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、対象者取締役会において本株式売渡請求を承認する予定とのことです。
本株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、上記申立てがなされた場合の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、対象者株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む対象者の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに対象者に要請する予定です。また、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。本日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2025年6月から7月を予定しております。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、対象者の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要請する予定です。
また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、対象者に対して、公開買付者のみが対象者株式の全て(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)が所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう対象者に要請する予定です。対象者によれば、対象者は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定とのことです。
本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、所定の条件を充たすときには、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)は、対象者に対し、自己の所有する対象者株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められております。
上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)が所有する対象者株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。上記申立てがなされた場合の対象者株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等について、本公開買付け成立後、公開買付者は対象者に協議の申入れを行い、決定次第、対象者に速やかに公表していただくよう要請する予定です。
なお、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様が自らの責任において税務専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(5)上場廃止となる見込み及びその事由
対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、上記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実行された場合には、対象者株式は東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
① 本応募契約(公表時締結)
公開買付者は、本応募合意株主(公表時締結)との間で、2025年4月10日付で本応募契約(公表時締結)をそれぞれ締結し、本応募合意株主(公表時締結)が、本応募株式(公表時締結)の全て(1,424,486株、所有割合:9.45%)について、本公開買付けが開始された場合、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しないことを合意しております。また、公開買付者は、本応募契約(公表時締結)において、以下の内容を合意しております。
a)本応募合意株主(公表時締結)の所有する対象者株式の本公開買付けへの応募は、対象者の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見表明決議が行われ、その旨が公表されており、かつ、かかる意見表明が変更又は撤回されていないことを前提条件としています(但し、本応募契約(日本光電工業)においては、対象者の取締役会において、本公開買付けに応募推奨する旨の意見表明決議が行われ、その旨が公表されており、かつ、かかる意見表明が変更又は撤回されていないことも前提条件とされています。)。但し、本応募合意株主(公表時締結)は、その任意の裁量により、当該前提条件を放棄することができるものとされております。
b)本応募合意株主(公表時締結)は、本応募契約(公表時締結)の締結日から、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、本応募株式(公表時締結)の譲渡、担保設定その他の処分その他本公開買付けと実質的に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にするおそれのある取引及びそれらに関する合意を行わず、自ら又は第三者をして、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わないものとされています(但し、本応募契約(日本光電工業)においては、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉若しくは情報提供を行わないことが、日本光電工業の取締役の善管注意義務に違反する具体的なおそれがあると外部の法律専門家からの助言に基づき判断する場合はこの限りでないとされています。)。
c)本応募合意株主(公表時締結)は、本応募契約(公表時締結)の締結日から、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、公開買付者の事前の書面による承諾なしに、対象者の株主総会の招集請求権、議題提案権及び議案提案権その他の株主権を行使しないものとされています(なお、かかる株主権の行使に関して、公開買付者は、埼玉りそな銀行及びりそなリースとの間で、2025年5月1日付で株主総会における議決権行使は上記合意内容から除く旨の覚書を締結しております。)。
d)本応募合意株主(公表時締結)は、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに係る決済の開始日以前の日を権利行使の基準日として開催される対象者の株主総会における本応募株式(公表時締結)に係る議決権その他の一切の権利行使に関して、(ⅰ)公開買付者又は公開買付者の指定する者に対して包括的な代理権を授与するか、又は(ⅱ)公開買付者の指示に従って議決権を行使するものとされており、また、本応募合意株主(公表時締結)は、(ⅰ)の場合、公開買付者が合理的に指定する日までに、かかる包括的な代理権を授与する旨の委任状に記名押印し、かかる委任状を公開買付者に交付し、かつ、本応募合意株主(公表時締結)はかかる代理権の授与をいかなる場合であっても撤回せず、(ⅱ)の場合、公開買付者の意思が適切に反映されるために必要な措置を執るものとものとされています。
e)本応募契約(公表時締結)においては、(Ⅰ)契約終了事由として、(ⅰ)本公開買付けが開始された後に撤回された場合、(ⅱ)本公開買付けが不成立となった場合、(ⅲ)本応募合意株主(公表時締結)及び公開買付者が本応募契約(公表時締結)を終了させる旨を書面で合意した場合、並びに(ⅳ)以下の(Ⅱ)に基づいて本応募契約(公表時締結)が解除された場合が規定されており、また、(Ⅱ)本公開買付けの開始前における契約解除事由として、(ⅰ)相手方について、本応募契約(公表時締結)に基づく表明及び保証の重大な違反があることが判明した場合、又は本応募契約(公表時締結)上の義務の重大な違反があり、書面による催告にもかかわらず当該違反が是正されない場合、(ⅱ)本公開買付けが、契約当事者の責に帰すべからざる事由により、本応募契約(ジェイアンドエス)を除く本応募契約(公表時締結)については2025年7月23日までに、本応募契約(ジェイアンドエス)については2025年5月23日までに開始されない場合(なお、かかる本公開買付けの開始日に関して、公開買付者は、2025年5月1日付で、当初の2025年4月23日とする定めを、ジェイアンドエスを除く本応募合意株主(公表時締結)との間では、2025年7月23日へと、ジェイアンドエスとの間では、2025年5月23日へと変更する旨の覚書を締結しております。)、並びに(ⅲ)相手方について、倒産手続又は私的整理が開始され又はその申立てがなされた場合が規定されています(なお、公開買付者は、埼玉りそな銀行及びりそなリースとの間で、(Ⅱ)の契約解除事由として、(ⅳ)対象者の取締役会において、①本公開買付けに賛同する旨の意見表明が変更又は撤回され、その旨が公表された場合であって、かつ、②公開買付者以外の第三者によって提案、公表又は開始された対象者株式に対する公開買付けその他の本公開買付けと実質的に抵触する取引に賛同その他これに類する意見を表明する旨の決議が行われ、その旨が公表された場合を加える旨の覚書を締結しております。)。
② 本基本合意書
公開買付者は、APとの間で、2025年4月10日付で第一次基本合意書を、同年5月1日付けで第二次基本合意書を締結し、APグループが本公開買付けの買付資金及び本スクイーズアウト手続のための資金の一部を負担することによってAPグループが対象者に対して資本参画することを目的として、公開買付者による対象者の完全子会社化後速やかに公開買付者が保有する対象者株式の10.9%を本公開買付価格と同額で譲り受ける意向を有している旨(及び、本公開買付価格が変更され、その結果買付資金及び本スクイーズアウト手続のための資金が増額する場合、APは増額分の出資・資本参画を積極的に検討する意向を有している旨)を確認しており、また、当該譲渡から2年が経過した後において、APグループは、その保有する対象者株式の全部を公開買付者に対して売り渡す権利(プットオプション)を有すること、及び公開買付者は、APグループが保有する対象者株式の全部を買い取る権利(コールオプション)を有することを合意しております。
③ 本応募契約(創業家)
公開買付者は、本応募合意株主(4月22日付締結創業家)との間で、2025年4月22日付で本応募契約(4月22日付締結創業家)をそれぞれ締結し、本応募合意株主(5月13日付締結創業家)との間で、同年5月13日付で本応募契約(5月13日付締結創業家)をそれぞれ締結し、本応募合意株主(創業家)が、本応募株式(創業家)の全て(697,102株、所有割合:4.62%)について、本公開買付けが開始された場合、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しないことを合意しております。また、公開買付者は、本応募契約(創業家)において、以下の内容を合意しております。
a)本応募合意株主(創業家)は、本応募契約(創業家)の締結日以降、対象者の株主としての権利行使に際して、公開買付者の意思に反する行為を行わず、また、公開買付者の意思が適切に反映されるために必要な措置を執るものとされています。
b)本応募契約(創業家)においては、契約終了事由として、(ⅰ)本公開買付けが開始された後に撤回された場合、(ⅱ)本公開買付けが不成立となった場合、並びに(ⅲ)本応募合意株主(創業家)及び公開買付者が本応募契約(創業家)を終了させる旨を書面で合意した場合が規定されています。
④ 本応募契約(三菱UFJ銀行)
公開買付者は、三菱UFJ銀行との間で、2025年4月22日付で、本応募契約(三菱UFJ銀行)を締結し、三菱UFJ銀行が所有する対象者株式の全て(425,640株、所有割合:2.82%)について、本公開買付けが開始された場合、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しないことを合意しております。但し、公開買付者以外の者によって、対象者株式について、本公開買付けの公開買付価格を上回る買付価格による公開買付けの予告が公表され又はかかる公開買付けが実施された場合において、三菱UFJ銀行が、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しないことが、三菱UFJ銀行の取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると判断する場合は、三菱UFJ銀行は、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わないものとされております。
また、公開買付者は、本応募契約(三菱UFJ銀行)において、以下の内容を合意しております。
a)三菱UFJ銀行の所有する対象者株式の本公開買付けへの応募は、本特別委員会による本公開買付けに賛同すべき旨の答申に基づいて、対象者の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見表明決議が行われ、その旨が公表されており、かつ、かかる答申及び意見表明が変更又は撤回されていないことを前提条件としています。但し、三菱UFJ銀行は、その任意の裁量により、当該前提条件を放棄することができるものとされております。
b)三菱UFJ銀行は、本応募契約(三菱UFJ銀行)の締結日から、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、三菱UFJ銀行が所有する対象者株式の譲渡、担保設定その他の処分その他本公開買付けと実質的に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にするおそれのある取引及びそれらに関する合意を行わず、自ら又は第三者をして、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わないものとされています(但し、三菱UFJ銀行が、冒頭記載の事由により、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わなくなる場合を除きます。)。
c)三菱UFJ銀行は、本応募契約(三菱UFJ銀行)の締結日から、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、公開買付者の事前の書面による承諾なしに、対象者の株主総会の招集請求権、議題提案権及び議案提案権その他の株主権を行使しないものとされています(但し、三菱UFJ銀行が、冒頭記載の事由により、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わなくなる場合を除きます。)。
d)三菱UFJ銀行は、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに係る決済の開始日以前の日を権利行使の基準日として開催される対象者の株主総会における三菱UFJ銀行が所有する対象者株式に係る議決権その他の一切の権利行使に関して、(ⅰ)公開買付者又は公開買付者の指定する者に対して包括的な代理権を授与するか、又は(ⅱ)公開買付者の指示に従って議決権を行使するものとされており(但し、三菱UFJ銀行が、冒頭記載の事由により、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わなくなる場合を除きます。)、また、三菱UFJ銀行は、(ⅰ)の場合、公開買付者が合理的に指定する日までに、かかる包括的な代理権を授与する旨の委任状に記名押印し、かかる委任状を公開買付者に交付し、かつ、三菱UFJ銀行はかかる代理権の授与をいかなる場合であっても撤回せず、(ⅱ)の場合、公開買付者の意思が適切に反映されるために必要な措置を執るものとものとされています。
e)本応募契約(三菱UFJ銀行)においては、(Ⅰ)契約終了事由として、(ⅰ)本公開買付けが開始された後に撤回された場合、(ⅱ)本公開買付けが不成立となった場合、(ⅲ)三菱UFJ銀行及び公開買付者が本応募契約(三菱UFJ銀行)を終了させる旨を書面で合意した場合、並びに(ⅳ)以下の(Ⅱ)に基づいて本応募契約(三菱UFJ銀行)が解除された場合が規定されており、また、(Ⅱ)本公開買付けの開始前における契約解除事由として、三菱UFJ銀行が、冒頭記載の事由により、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わなくなった場合、又は(ⅰ)相手方について、本応募契約(三菱UFJ銀行)に基づく表明及び保証の重大な違反があることが判明した場合、若しくは本応募契約(三菱UFJ銀行)上の義務の重大な違反があり、書面による催告にもかかわらず当該違反が是正されない場合、(ⅱ)本公開買付けが、契約当事者の責に帰すべからざる事由により2025年7月23日までに開始されない場合、並びに(ⅲ)相手方について、倒産手続若しくは私的整理が開始され若しくはその申立てがなされた場合が規定されています。
⑤ 本応募契約(武蔵野銀行)
公開買付者は、武蔵野銀行との間で、2025年5月1日付で、本応募契約(武蔵野銀行)を締結し、武蔵野銀行が所有する対象者株式の全て(154,880株、所有割合:1.03%)について、本公開買付けが開始された場合、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しないことを合意しております。但し、公開買付者以外の者によって、対象者株式について、本公開買付けの公開買付価格を上回る買付価格による公開買付けの予告が公表され又はかかる公開買付けが実施された場合において、武蔵野銀行が、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しないことが、武蔵野銀行の取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると判断する場合は、武蔵野銀行は、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わないものとされております。
また、公開買付者は、本応募契約(武蔵野銀行)において、以下の内容を合意しております。
a)武蔵野銀行の所有する対象者株式の本公開買付けへの応募は、対象者の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見表明決議が行われ、その旨が公表されており、かつ、かかる意見表明が変更又は撤回されていないことを前提条件としています。但し、武蔵野銀行は、その任意の裁量により、当該前提条件を放棄することができるものとされております。
b)武蔵野銀行は、本応募契約(武蔵野銀行)の締結日から、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、武蔵野銀行が所有する対象者株式の譲渡、担保設定その他の処分その他本公開買付けと実質的に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にするおそれのある取引及びそれらに関する合意を行わず、自ら又は第三者をして、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わないものとされています(但し、武蔵野銀行が、冒頭記載の事由により、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わなくなる場合を除きます。)。
c)武蔵野銀行は、本応募契約(武蔵野銀行)の締結日から、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、公開買付者の事前の書面による承諾なしに、対象者の株主総会の招集請求権、議題提案権及び議案提案権その他の株主権を行使しないものとされています(但し、武蔵野銀行が、冒頭記載の事由により、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わなくなる場合を除きます。)。
d)武蔵野銀行は、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに係る決済の開始日以前の日を権利行使の基準日として開催される対象者の株主総会における武蔵野銀行が所有する対象者株式に係る議決権その他の一切の権利行使に関して、(ⅰ)公開買付者又は公開買付者の指定する者に対して包括的な代理権を授与するか、又は(ⅱ)公開買付者の指示に従って議決権を行使するものとされており(但し、武蔵野銀行が、冒頭記載の事由により、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わなくなる場合を除きます。)、また、武蔵野銀行は、(ⅰ)の場合、公開買付者が合理的に指定する日までに、かかる包括的な代理権を授与する旨の委任状に記名押印し、かかる委任状を公開買付者に交付し、かつ、武蔵野銀行はかかる代理権の授与をいかなる場合であっても撤回せず、(ⅱ)の場合、公開買付者の意思が適切に反映されるために必要な措置を執るものとものとされています。
e)本応募契約(武蔵野銀行)においては、(Ⅰ)契約終了事由として、(ⅰ)本公開買付けが開始された後に撤回された場合、(ⅱ)本公開買付けが不成立となった場合、(ⅲ)武蔵野銀行及び公開買付者が本応募契約(武蔵野銀行)を終了させる旨を書面で合意した場合、並びに(ⅳ)以下の(Ⅱ)に基づいて本応募契約(武蔵野銀行)が解除された場合が規定されており、また、(Ⅱ)本公開買付けの開始前における契約解除事由として、武蔵野銀行が、冒頭記載の事由により、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わなくなった場合、又は(ⅰ)相手方について、本応募契約(武蔵野銀行)に基づく表明及び保証の重大な違反があることが判明した場合、若しくは本応募契約(武蔵野銀行)上の義務の重大な違反があり、書面による催告にもかかわらず当該違反が是正されない場合、(ⅱ)本公開買付けが、契約当事者の責に帰すべからざる事由により2025年7月23日までに開始されない場合、並びに(ⅲ)相手方について、倒産手続若しくは私的整理が開始され若しくはその申立てがなされた場合が規定されています。
⑥ 本応募契約(明治安田生命)
公開買付者は、明治安田生命との間で、2025年5月1日付で、本応募契約(明治安田生命)を締結し、明治安田生命が、その所有する対象者株式の全て(818,000株、所有割合:5.43%)について、本公開買付けが開始された場合、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しないことを合意しております。但し、本応募契約(明治安田生命)の締結後、公開買付期間の最終日までに、公開買付者以外の者から、本公開買付価格よりも高い公開買付価格による対象者株式を対象とする公開買付け(但し、対象者の完全子会社化を目的とする取引の一環として行われるなど、本公開買付けと同等以上の条件によるものに限り、以下、本項において「対抗公開買付け」といいます。)の開始公告がなされた場合であって、明治安田生命が本応募契約(明治安田生命)に定める自らの義務に違反していないときには、明治安田生命は、公開買付者に対して、本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができ、また、公開買付者が当該申入れの日から起算して10営業日を経過する日又は公開買付期間の最終日の前日のうちいずれか早い方の日までに本公開買付価格を対抗公開買付けに係る公開買付価格と同額以上の金額に変更しない場合であって、明治安田生命が、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しないことが、明治安田生命の執行役の善管注意義務に違反する可能性があると明治安田生命が判断するときには、明治安田生命は、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わないものとされております。
a)明治安田生命の所有する対象者株式の本公開買付けへの応募は、対象者の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見表明決議が行われ、その旨が公表されており、かつ、かかる意見表明が変更又は撤回されていないことを前提条件としています。但し、明治安田生命は、その任意の裁量により、当該前提条件を放棄することができるものとされております。
b)明治安田生命は、本応募契約(明治安田生命)の締結日から、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、明治安田生命が所有する対象者株式の譲渡、担保設定その他の処分その他本公開買付けと実質的に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にするおそれのある取引及びそれらに関する合意を行わず、自ら又は第三者をして、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わないものとされています。
c)明治安田生命は、本応募契約(明治安田生命)の締結日から、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、公開買付者の事前の書面による承諾なしに、対象者の株主総会の招集請求権、議題提案権及び議案提案権その他の株主権を行使しないものとされています。
d)本応募契約(明治安田生命)においては、(Ⅰ)契約終了事由として、(ⅰ)本公開買付けが開始された後に撤回された場合、(ⅱ)本公開買付けが不成立となった場合、(ⅲ)明治安田生命及び公開買付者が本応募契約(明治安田生命)を終了させる旨を書面で合意した場合、並びに(ⅳ)以下の(Ⅱ)に基づいて本応募契約(明治安田生命)が解除された場合が規定されており、また、(Ⅱ)契約解除事由として、明治安田生命が、冒頭記載の事由により、本公開買付けに応募し、かかる応募を撤回しない義務を負わなくなる場合のほか、(ⅰ)相手方について、本応募契約(明治安田生命)に基づく表明及び保証の重大な違反があることが判明した場合、又は本応募契約(明治安田生命)上の義務の重大な違反があり、書面による催告にもかかわらず当該違反が是正されない場合、(ⅱ)本公開買付けが、契約当事者の責に帰すべからざる事由により2025年7月23日までに開始されない場合、並びに(ⅲ)相手方について、倒産手続又は私的整理が開始され又はその申立てがなされた場合が規定されています。
(7)その他
上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「③ 本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、公開買付者は、本スクイーズアウト手続完了後に本株式譲渡を行い、公開買付者とAPグループの間で対象者株式の保有割合をそれぞれ89.1%、10.9%とすることを予定しておりますが、①APの状況、②公開買付者との関係、③譲受けの目的、及び④本書提出日現在において所有する対象者株式の数については以下のとおりです。
① APの状況
(ⅰ)会社の沿革
1992年12月 |
笹沼泰助及びリチャード・L・フォルソムを共同創業者として設立 |
1997年10月 |
日本初のバイアウト専用ファンドを設立・運営開始。
以後、国内バイアウト投資ファンドを8本、国内プライベートソリューション投資ファンドを3本、アジアバイアウト投資ファンドを2本、水素関連事業投資ファンドを1本それぞれ設立し、国内外で100件を超えるプライベート・エクイティ投資の運営実績を積み重ねている |
2019年10月 |
東京センチュリー株式会社と資本業務提携を発表 |
(ⅱ)会社の目的及び事業の内容
Ⅰ.会社の目的
1.投資事業組合財産の運用及び管理に関する各種業務・事務の受託
2.経営コンサルティング
3.企業の合併・提携、営業権、有価証券の譲渡に関する指導・仲介及び斡旋
4.前各号に付帯する一切の業務
Ⅱ.事業内容
プライベート・エクイティ投資ファンドの設立運営に関する支援
(ⅲ)資本金の額及び発行済株式の総数
2025年5月2日現在 |
資本金の額 |
発行済株式の総数(株) |
48,875,000円 |
435株 |
(ⅳ)大株主
氏名又は名称 |
住所又は所在地 |
所有株式の数 (千株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式の数の割合(%) |
Advantage Partners Pte. Ltd. |
10 Collyer Quay, #14-06 Ocean Financial Centre, Singapore 049315 |
435株 |
100% |
計 |
― |
435株 |
100% |
(ⅴ)役員の職歴及び所有株式の数
役職名 |
氏名 |
生年月日 |
職歴 |
|
代表取締役 |
笹沼 泰助 |
1953年11月23日 |
1977年4月 |
積水化学工業株式会社 入社 |
1988年6月 |
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド 入社 |
|||
1989年7月 |
モニターカンパニーインコーポレイテッド 入社 |
|||
1992年12月 |
株式会社アドバンテッジパートナーズ 代表取締役(現任) |
|||
1993年3月 |
メリディアン・VAT・リクレイム・ジャパン株式会社 代表取締役 |
|||
1999年3月 |
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント 取締役 |
|||
2016年10月 |
Advantage Partners Pte. Ltd. Director(現任) |
|||
2018年1月 |
アドバンテッジアドバイザーズ株式会社 |
|||
2024年2月 |
代表取締役(現任) |
|||
|
Advantage Partners (H.K.) Limited Director(現任) |
|||
代表取締役 |
喜多 慎一郎 |
1970年6月8日 |
1993年4月 |
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド 入社 |
2003年10月 |
株式会社アドバンテッジパートナーズ 入社 |
|||
2020年7月 |
株式会社アドバンテッジパートナーズ 代表取締役(現任) |
② 公開買付者との関係
資本関係 |
特筆すべき事項はありません。 |
人的関係 |
特筆すべき事項はありません。 |
取引関係 |
特筆すべき事項はありません。 |
③ 譲受けの目的
上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、APグループが本公開買付けの買付資金及び本スクイーズアウト手続のための資金の一部を負担することによってAPグループが対象者に対して資本参画することを目的としております。
④ 本書提出日において所有する対象者株式の数
APは、本書提出日現在、対象者株式を所有しておりません。
買付け等の期間 |
2025年5月2日(金曜日)から2025年6月2日(月曜日)まで(20営業日) |
公告日 |
2025年5月2日(金曜日) |
公告掲載新聞名 |
電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。 電子公告アドレス (https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/) |
株券 |
普通株式1株につき 金5,500円 |
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新株予約権証券 |
─ |
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新株予約権付社債券 |
― |
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株券等信託受益証券 ( ) |
― |
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株券等預託証券 ( ) |
― |
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算定の基礎 |
公開買付者は、本公開買付価格の決定にあたり、公開買付者、APグループ、本応募合意株主、対象者及びYAGEOから独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼いたしました。 |
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大和証券は、複数の株式価値算定手法の中から対象者の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提のもと、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者の市場株価の動向を勘案した市場株価法、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法及び将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を採用して、対象者の株式価値を算定し、公開買付者は、2025年4月9日に大和証券から本株式価値算定書(大和証券)を取得いたしました。なお、大和証券は、公開買付者、APグループ、本応募合意株主、対象者及びYAGEOの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を踏まえて、対象者の少数株主の利益に十分な配慮がなされていると考えており、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。 |
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大和証券による対象者株式の1株当たりの株式価値の算定結果は、以下のとおりです。 |
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市場株価法では、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースが公表された2025年2月5日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の基準日の終値3,135円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値3,209円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値3,247円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値3,279円をもとに、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,135円から3,279円まで、並びに本公開買付けを実施することについての公表日の前営業日である2025年4月9日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の基準日の終値4,190円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値4,456円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値4,110円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値3,720円をもとに、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,720円から4,456円までと分析しております。 |
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類似会社比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて対象者株式の株式価値を計算し、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,857円から3,877円までと分析しております。 |
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DCF法では、公開買付者が対象者の事業に関して有する知見をもとに、対象者の直近までの業績の動向、一般に公開された情報、公開買付者が対象者に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果及び本取引の実行により想定されるシナジー効果等の諸要素を考慮して公開買付者が見積もった、2026年3月期から2028年3月期までの3期分の対象者の事業計画案に基づき、対象者が2026年3月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことによって対象者の企業価値や株式価値を算定し、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を4,116円から6,300円までと分析しております。なお、大和証券がDCF法による分析に用いた本事業計画においては、本取引により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、加味しておりません。 |
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公開買付者は、本株式価値算定書(大和証券)に記載された算定内容・結果を踏まえつつ、YAGEO公開買付けにおける買付け等の価格、対象者株式の市場価格の動向等を総合的に勘案し、対象者株式の市場価格に適切なプレミアムを付した価格を提示することが相当であるとの判断に至り、最終的に2025年4月10日に、本公開買付価格を1株当たり4,500円とすることを決定いたしました。公開買付者は、本株式価値算定書(大和証券)の算定結果において、本公開買付価格が、DCF法による算定結果の範囲内に収まっていること及び本取引の実施において期待されるシナジー等を総合的に勘案すれば、本公開買付価格は合理的なものであり、本公開買付価格によって本取引を実施することは、公開買付者の株主の皆様にとっても最善の利益になるものと考えております。 |
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なお、本公開買付価格である1株当たり4,500円は、2025年2月5日付YAGEO予告公表プレスリリースが公表される直前の2025年2月5日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値3,135円に対して43.54%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値3,209円に対して40.23%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値3,247円に対して38.59%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値3,279円に対して37.24%のプレミアムをそれぞれ加えた価格になります。また、本公開買付けを実施することについての公表日の前営業日である2025年4月9日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値4,190円に対して7.40%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値4,456円に対して0.99%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値4,110円に対して9.49%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値3,720円に対して20.97%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。 |
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公開買付者は、本株式価値算定書(大和証券)に記載された算定内容・結果を踏まえつつ、YAGEO公開買付価格等を総合的に勘案し、最終的に2025年5月1日に、本公開買付価格を1株当たり5,500円とすることを決定いたしました。 |
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なお、本公開買付価格である1株当たり5,500円は、公表日の前営業日である2025年4月30日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値5,900円に対して-6.78%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値4,925円に対して11.68%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値4,590円に対して19.83%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値3,928円に対して40.02%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となり、また、本書提出日の前営業日である2025年5月1日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値5,890円に対して-6.62%のプレミアムを加えた価格となります。 |
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公開買付者は、2025年4月10日から2025年5月1日時点までの状況を考慮しても、本株式価値算定書(大和証券)の妥当性に影響を与える前提事実に大きな変更はないと考えており、大和証券及び長島・大野・常松法律事務所から受けた助言も踏まえ、本株式価値算定書(大和証券)は引き続き有効であると考えております。 |
算定の経緯 |
(本公開買付価格の決定に至る経緯) |
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(ⅰ)算定機関との関係 |
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公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼し、公開買付者は、大和証券から2025年4月9日に本株式価値算定書(大和証券)を取得いたしました。なお、大和証券は、公開買付者、APグループ、本応募合意株主、対象者及びYAGEOの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。 |
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(ⅱ)当該意見の概要 |
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本株式価値算定書(大和証券)によれば、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。 |
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(ⅲ)当該意見を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った経緯 |
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公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、本株式価値算定書(大和証券)に記載された算定内容・結果を踏まえつつ、YAGEO公開買付けにおける買付け等の価格、対象者株式の市場株価の動向等を総合的に勘案し、対象者株式の市場価格に適切なプレミアムを付した価格を提示することが相当であるとの判断に至り、最終的に2025年5月1日に、本公開買付価格を1株当たり5,500円とすることを決定いたしました。 |
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なお、公開買付者は、大和証券より、2025年4月10日から2025年5月1日時点までの状況を考慮しても、本株式価値算定書(大和証券)の妥当性に影響を与える前提事実に大きな変更はない旨の説明を受けております。 |
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以上の算定の経緯の詳細は、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。 |
(注) 大和証券は、対象者株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び対象者から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。対象者及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。本事業計画については、対象者の経営陣により算定時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。なお、大和証券の算定は、公開買付者取締役会が対象者株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
買付予定数 |
買付予定数の下限 |
買付予定数の上限 |
15,015,111(株) |
7,539,900(株) |
─(株) |
(注1) 応募株券等の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の数の合計が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
(注2) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は本公開買付けにより公開買付者が取得する対象者株式の最大数を記載しております。当該最大数は、対象者決算短信に記載された2024年12月31日現在の対象者の発行済株式総数(15,559,730株)から、対象者決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(483,047株)(同日現在においてBIP信託が所有する対象者株式として対象者より報告を受けた169,050株を含みます。)並びに対象者取締役に付与された譲渡制限株式(17,262株)及び対象者の従業員持株会が有する譲渡制限株式(44,310株)を控除した株式数になります。
(注3) 単元未満株式についても本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って対象者の株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。
(注4) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。
区分 |
議決権の数 |
買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a) |
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aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b) |
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bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c) |
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公開買付者の所有株券等に係る議決権の数( |
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dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e) |
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eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f) |
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特別関係者の所有株券等に係る議決権の数( |
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gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h) |
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hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i) |
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対象者の総株主等の議決権の数( |
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買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合 (a/j)(%) |
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買付け等を行った後における株券等所有割合 ((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%) |
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(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数(150,015,111株)に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2025年5月2日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2024年9月30日現在)(個)(j)」は、対象者が2024年11月14日に提出した第67期半期報告書に記載された2024年9月30日現在の総株主の議決権の数です。但し、本公開買付けにおいては、単元未満株式(但し、対象者が所有する単元未満の自己株式を除きます。)についても買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者決算短信に記載された2024年12月31日現在の対象者の発行済株式総数(15,559,730株)から、対象者決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(483,047株)(同日現在においてBIP信託が所有する対象者株式として対象者より報告を受けた169,050株を含みます。)を控除した株式数(15,076,683株)に係る議決権の数(150,766個)を分母として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」は、小数点以下第三位を四捨五入しております。
普通株式
公開買付者は、独占禁止法第10条第2項に基づき、公正取引委員会に対して、本公開買付けによる対象者株式の取得(以下「本株式取得」といいます。)に関する計画をあらかじめ届け出なければならず、同条第8項により事前届出受理の日から原則として30日(短縮される場合もあります。)を経過するまでは本株式取得をすることができません(以下、株式の取得が禁止される当該期間を「取得禁止期間」といいます。)。
また、独占禁止法第10条第1項は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる他の会社の株式の取得行為を禁止しており、公正取引委員会はこれに違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができます(同法第17条の2第1項。以下「排除措置命令」といいます。)。公正取引委員会が、排除措置命令を発令しようとするときは、当該排除措置命令の名宛人となるべき者について意見聴取を行わなければならず(同法第49条)、その意見聴取にあたっては、予定する排除措置命令の内容等を名宛人に通知しなければなりませんが(同法第50条第1項。以下「排除措置命令の事前通知」といいます。)、事前届出に係る株式取得に関する計画に対する排除措置命令の事前通知は、一定の期間(上記事前届出が受理された日から原則30日間ですが、延長又は短縮される場合もあります。以下「措置期間」といいます。)内に行うこととされております(同法第10条第9項)。なお、公正取引委員会は、排除措置命令の事前通知をしないこととした場合、その旨の通知(以下「排除措置命令を行わない旨の通知」といいます。)をするものとされております(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第9条から第16条までの規定による認可の申請、報告及び届出等に関する規則(昭和28年公正取引委員会規則第1号)第9条)。
公開買付者は、本株式取得に関して、2025年4月11日付で公正取引委員会に対して事前届出を行い、当該事前届出は同日付で受理されております。
その後、公開買付者は、本株式取得に関して、公正取引委員会から2025年5月8日付「排除措置命令を行わない旨の通知書」を同日受領したため、同日をもって措置期間は終了しております。
また、公開買付者は、公正取引委員会から取得禁止期間を30日間から27日間に短縮する旨の2025年5月8日付「禁止期間の短縮の通知書」を同日受領したため、同日の経過をもって取得禁止期間は終了しております。
許可等の日付 2025年5月8日付(排除措置命令を行わない旨の通知を受けたことによる)
許可等の番号 公経企第574号(排除措置命令を行わない旨の通知書の番号)
許可等の日付 2025年5月8日付(禁止期間の短縮の通知を受けたことによる)
許可等の番号 公経企第575号(禁止期間の短縮の通知書の番号)
① 公開買付代理人
大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをする方(以下「応募株主等」といいます。)は、以下の(1)又は(2)の手続に従って、応募してください。
(1).オンライントレード(公開買付代理人に口座をお持ちのお客さま専用のオンラインサービス)にて公開買付期間末日の16時までに手続を行ってください。
なお、オンライントレードによる応募(https://www.daiwa.jp/onlinetrade/)には、応募株主等が公開買付代理人に設定した応募株主等名義の口座におけるオンライントレードのご利用申込が必要です。(注)
なお、オンライントレードによる応募は個人の場合に限り、法人の場合はご利用いただけません。また、オンライントレードでは単元株のみ申込可能です。単元未満株を含めてお申込みの場合は、お取引支店での受付になります。
(注) オンライントレードのご利用には、お申込みが必要です。
・ダイワ・カードをお持ちの場合:オンライントレードのログイン画面より新規申込を受付しております。お申込日の翌営業日からご利用いただけます。
・ダイワ・カードをお持ちでない場合:お取引支店又は大和証券コンタクトセンターまでご連絡ください。
(2).郵送若しくは公開買付代理人の本店又は全国各支店での応募受付をご希望される場合(オンライントレードによる応募をご利用できない場合を含みます。)においては、所定の公開買付応募申込書に所要事項を記載し、公開買付代理人の本店又は全国各支店に公開買付応募申込書を郵送又は来店の上、公開買付期間末日の16時までに応募してください。ただし、郵送の場合は、公開買付応募申込書が公開買付期間末日の16時までに到達することを条件とします。また、本店又は全国各支店によって営業時間が異なりますので、あらかじめご確認の上、応募してください。
※公開買付代理人では、サービス品質向上のため、ご来店の際は事前のご予約をお願いしております。詳しくは、公開買付代理人のホームページ(https://www.daiwa.jp/doc/230313.html)をご確認ください。
③ 本公開買付けに係る株式等の応募に際しては、応募株主等が公開買付代理人に開設した応募株主等名義の口座(以下「応募株主等口座」といいます。)に、応募する予定の株券等が記載又は記録されている必要があります。そのため、応募する予定の株券等が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された口座に記載又は記録されている場合(対象者の株主名簿管理人である三菱UFJ信託銀行株式会社に開設された特別口座に記載又は記録されている場合を含みます。)は、応募に先立ち、公開買付代理人に開設した応募株主等口座への振替手続を完了していただく必要があります。なお、本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等を経由した応募の受付は行われません。
④ 応募の際に個人番号(法人の場合は法人番号)及び本人確認書類が必要となる場合があります。(注1)(注2)
⑤ 外国の居住者である株主等(法人の株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください(常任代理人より、外国人株主等の委任状又は契約書の原本証明付きの「写し」をいただきます。)。
⑥ 個人の株主等の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費との差額は、株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります。(注3)
⑦ 対象者の株主名簿管理人である三菱UFJ信託銀行株式会社に開設された特別口座に記載又は記録されている株券等を応募する場合の具体的な振替手続(応募株主等口座への振替手続)については、公開買付代理人にご相談いただくか、又は口座管理機関である三菱UFJ信託銀行株式会社にお問い合わせください。(注4)
(注1) 本人確認書類について
公開買付代理人に新規に口座を開設して応募される場合、次の個人番号及び本人確認書類が必要になります(法人の場合は、法人番号及び法人本人の本人確認書類に加え、「現に取引に当たる担当者(取引担当者)」についての本人確認書類及び取引担当者が当該法人のために取引の任にあたっていることの確認が必要になります。)。なお、本人確認書類等の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。
・個人の場合
下記、A~Cいずれかの書類をご提出ください。(店頭での口座開設の場合は、本人確認書類の原本のご提示が必要になります。郵送での口座開設の場合は、本人確認書類のコピー(ただし、「住民票の写し」は原本)をご提出ください。)
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個人番号確認書類 |
本人確認書類 |
A |
個人番号カード(裏) |
個人番号カード(表) ※郵送又はオンライン経由での口座開設の場合は、「個人番号カード(表)」に加えて、a又はbのうち、いずれか1種類 |
B |
通知カード |
aのいずれか1種類、又はbのうち2種類 (ただし、「住民票の写し」と「住民票の記載事項証明書」で2種類とすることはできません。) ※郵送又はオンライン経由での口座開設の場合は、a又はbのうち、いずれか2種類(ただし、「住民票の写し」と「住民票の記載事項証明書」で2種類とすることはできません。) |
C |
個人番号記載のある住民票の写し又は住民票の記載事項証明書 |
a又はbのうち、「住民票の写し」「住民票の記載事項証明書」以外の1種類 |
a 顔写真付の本人確認書類
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
パスポート(住所記載欄のない新型パスポート(2020年2月4日以降に発給申請し交付されたパスポート)は、本人確認書類としてご利用いただけません。別途本人確認書類のご用意をお願いいたします。)、運転免許証、運転経歴証明書、各種福祉手帳、在留カード、特別永住者証明書
b 顔写真のない本人確認書類
・発行から6ヶ月以内の原本又はコピーの提出が必要
住民票の写し、住民票の記載事項証明書、印鑑証明書
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
各種健康保険証、国民年金手帳(氏名・住所・生年月日の記載があるもの)、各種福祉手帳等
・法人の場合
下記A~Cの確認書類をご提出ください。
A |
法人番号確認書類 |
・法人番号指定通知書又は ・法人番号印刷書類 |
B |
法人のお客さまの本人確認書類 |
・登記事項証明書又は ・官公庁から発行された書類等 (名称、本店又は主たる事務所の所在地及び事業の内容を確認できるもの) |
C |
お取引担当者の本人確認書類 |
・個人番号カード(表)又は ・上記個人の場合の本人確認書類(aのいずれか1種類、又はbのうち2種類) |
・外国人(居住者を除きます。)、外国に本店又は主たる事務所を有する法人の場合
日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの等(自然人の場合は、氏名、住所、生年月日の記載のあるものに、法人の場合は、名称、本店又は主たる事務所の所在地及び事業の内容の記載のあるものに限ります。)
(注2) 取引関係書類の郵送について
本人確認を行ったことをお知らせするために、当該本人確認書類に記載された住所地に取引関係書類を郵送させていただきます。
(注3) 株式等の譲渡所得等に対する申告分離課税について(個人の株主等の場合)
個人の株主等の方につきましては、株式等の譲渡には、申告分離課税が適用されます。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家にご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。
(注4) 特別口座からの振替手続
上記③に記載のとおり、応募に際しては、特別口座で記載又は記録されている株券等は、公開買付代理人に開設した応募株主等口座への振替手続をお取りいただく必要があります。
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間末日の16時までに、以下の①又は②の手続により、解除してください。
(1).オンライントレードで応募された契約の解除は、当該画面上に記載される方法に従い、公開買付期間末日の16時までに解除手続を行ってください。なお、オンライントレード取扱銘柄については、お取引支店で応募された契約の解除も、オンライントレード上の操作による解除手続を行うことが可能です。なお、単元未満株を含めて契約の解除をお申込みの場合は、お取引支店での受付になります。
(2).郵送若しくは公開買付代理人の本店又は全国各支店で契約を解除する場合は、所定の解除書面に所要事項を記載し、応募受付をした公開買付代理人の本店又は全国各支店に解除書面を郵送又は来店の上、公開買付期間末日の16時までに契約を解除してください。ただし、郵送の場合は、解除書面が公開買付期間末日の16時までに到達することを条件とします。また、本店又は全国各支店によって営業時間が異なりますので、あらかじめご確認の上、解除してください。
なお、オンライントレードで応募された契約の解除も、解除書面の郵送又は来店による解除手続を行うことが可能です。
※公開買付代理人では、サービス品質向上のため、ご来店の際は事前のご予約をお願いしております。詳しくは、公開買付代理人のホームページ(https://www.daiwa.jp/doc/230313.html)をご確認ください。
解除書面を受領する権限を有する者:
大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
(その他の大和証券株式会社全国各支店)
上記「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により、応募株主等が公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに下記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還いたします。
大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
買付代金(円)(a) |
82,583,110,500 |
金銭以外の対価の種類 |
― |
金銭以外の対価の総額 |
― |
買付手数料(b) |
200,000,000 |
その他(c) |
5,500,000 |
合計(a)+(b)+(c) |
82,788,640,500 |
(注1) 「買付代金(円)(a)」欄には、本公開買付けの買付予定数(15,015,111株)に、本公開買付価格(1株当たり5,500円)を乗じた金額を記載しております。
(注2) 「買付手数料(b)」欄には、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。
(注3) 「その他(c)」欄には、本公開買付けに関する公告に要する費用及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。
(注4) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は本公開買付け終了後まで未確定です。
(注5) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
種類 |
金額(千円) |
通知預金 |
90,000,000 |
計(a) |
90,000,000 |
|
借入先の業種 |
借入先の名称等 |
借入契約の内容 |
金額(千円) |
1 |
― |
― |
― |
― |
2 |
― |
― |
― |
― |
計 |
― |
借入先の業種 |
借入先の名称等 |
借入契約の内容 |
金額(千円) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
計 |
― |
|
借入先の業種 |
借入先の名称等 |
借入契約の内容 |
金額(千円) |
1 |
― |
― |
― |
― |
2 |
― |
― |
― |
― |
計(b) |
― |
借入先の業種 |
借入先の名称等 |
借入契約の内容 |
金額(千円) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
計(c) |
― |
内容 |
金額(千円) |
― |
― |
計(d) |
― |
90,000,000千円((a)+(b)+(c)+(d))
大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
2025年6月9日(月曜日)
公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等の住所又は所在地(外国人株主等の場合はその常任代理人の住所)宛に郵送します。
買付けは現金にて行います。買付け等を行った株券等に係る売却代金は応募株主等の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主等の場合はその常任代理人)の指定した場所へ送金するか(送金手数料がかかる場合があります。)、公開買付代理人の応募受付をした応募株主等の口座へお支払いします。
下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき株券等の全部の買付け等を行わないこととなった場合には、返還することが必要な株券等は、公開買付期間の末日の翌々営業日(公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)以降遅滞なく、応募が行われた時の公開買付代理人に開設した応募株主等口座の状態に戻すことにより返還します。
応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,539,900株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,539,900株)以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。
令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ネ、第3号イ乃至チ及びヌ、第4号並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが発生した場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。
なお、本公開買付けにおいて、令第14条第1項第1号ネに定める「イからツまでに掲げる事項に準ずる事項」とは、①対象者の業務執行を決定する機関が、(a)本公開買付けに係る決済の開始日前を基準日とする剰余金の配当(株主に交付される金銭その他の財産の額が、対象者の最近事業年度の末日における単体の貸借対照表上の純資産額の帳簿価額の10%に相当する額(1,635百万円)未満であると見込まれるものを除きます。)を行うことについて決定した場合、又は(b)具体的な剰余金の配当の額を示さずに、本公開買付けに係る決済の開始日前を基準日とする剰余金の配当を行うことについて決定した場合において、対象者の最近事業年度の末日における単体の貸借対照表上の純資産額の帳簿価額の10%に相当する額(1,635百万円)を上回る規模の配当がなされる場合、並びに②対象者の業務執行を決定する機関が、(a)自己株式の取得(株式を取得するのと引換えに交付する金銭その他の財産の額が、対象者の最近事業年度の末日における単体の貸借対照表上の純資産額の帳簿価額の10%に相当する額(1,635百万円)未満であると見込まれるものを除きます。)を行うことについて決定した場合、又は(b)上記自己株式の取得を行う旨の議案を対象者の株主総会に付議することを決定した場合をいいます。また、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、(x)対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合、及び(y)対象者の重要な子会社に同号イ乃至トに掲げる事実が発生した場合をいいます。
撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。
法第27条の6第1項第1号の規定により、対象者が公開買付期間中に令第13条第1項に定める行為を行った場合には、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。
買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約を解除する場合は、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により返還します。
なお、公開買付者は応募株主等による契約の解除に伴う損害賠償又は違約金を応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。
公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更の内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。
公開買付者は、訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(但し、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては、訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。
本公開買付けの結果については、公開買付期間の末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。
年 月 日現在 |
氏名又は名称 |
住所又は所在地 |
所有株式の数 (千株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式の数の割合 (%) |
― |
― |
─ |
─ |
― |
― |
─ |
─ |
計 |
― |
─ |
─ |
年 月 日現在 |
役名 |
職名 |
氏名 |
生年月日 |
職歴 |
所有株式数 (千株) |
― |
─ |
― |
― |
― |
─ |
計 |
─ |
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
①【公開買付者が提出した書類】
イ【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第77期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
2023年6月29日 関東財務局長に提出
事業年度 第78期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
2024年6月27日 関東財務局長に提出
ロ【半期報告書】
事業年度 第79期中 半期(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
2024年11月14日 関東財務局長に提出
ハ【訂正報告書】
該当事項はありません。
②【上記書類を縦覧に供している場所】
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
2025年5月2日現在 |
|
所有する株券等の数 |
令第7条第1項第2号に該当する株券等の数 |
令第7条第1項第3号に該当する株券等の数 |
株券 |
―(個) |
―(個) |
―(個) |
新株予約権証券 |
― |
― |
― |
新株予約権付社債券 |
― |
― |
― |
株券等信託受益証券( ) |
― |
― |
― |
株券等預託証券( ) |
― |
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― |
合計 |
― |
― |
― |
所有株券等の合計数 |
― |
― |
― |
(所有潜在株券等の合計数) |
(―) |
― |
― |
2025年5月2日現在 |
|
所有する株券等の数 |
令第7条第1項第2号に該当する株券等の数 |
令第7条第1項第3号に該当する株券等の数 |
株券 |
―(個) |
―(個) |
―(個) |
新株予約権証券 |
― |
― |
― |
新株予約権付社債券 |
― |
― |
― |
株券等信託受益証券( ) |
― |
― |
― |
株券等預託証券( ) |
― |
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― |
合計 |
― |
― |
― |
所有株券等の合計数 |
― |
― |
― |
(所有潜在株券等の合計数) |
(―) |
― |
― |
2025年5月2日現在 |
|
所有する株券等の数 |
令第7条第1項第2号に該当する株券等の数 |
令第7条第1項第3号に該当する株券等の数 |
株券 |
―(個) |
―(個) |
―(個) |
新株予約権証券 |
― |
― |
― |
新株予約権付社債券 |
― |
― |
― |
株券等信託受益証券( ) |
― |
― |
― |
株券等預託証券( ) |
― |
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― |
合計 |
― |
― |
― |
所有株券等の合計数 |
― |
― |
― |
(所有潜在株券等の合計数) |
(―) |
― |
― |
氏名又は名称 |
株式会社アドバンテッジパートナーズ |
住所又は所在地 |
東京都港区虎ノ門4-1-28 虎ノ門タワーズオフィス17階 |
職業又は事業の内容 |
投資事業 |
連絡先 |
03-5425-8202 |
公開買付者との関係 |
公開買付者との間で本公開買付け成立後において相互に対象者の株式等を譲渡することに合意している者 |
(注) APは、本基本合意書及び本基本合意書に従って本公開買付け終了後に公開買付者との間で締結される予定の本株式譲渡に係る株式譲渡契約に基づき、本公開買付け及び本スクイーズアウト手続の完了を主要な前提条件として、公開買付者との間で本株式譲渡を実施することについて合意する予定であることから、公開買付者との間で本公開買付け成立後において相互に対象者の株式等を譲渡することに合意している者に該当する可能性があると判断し、特別関係者として記載しております。
2025年5月2日現在 |
|
所有する株券等の数 |
令第7条第1項第2号に該当する株券等の数 |
令第7条第1項第3号に該当する株券等の数 |
株券 |
―(個) |
―(個) |
―(個) |
新株予約権証券 |
― |
― |
― |
新株予約権付社債券 |
― |
― |
― |
株券等信託受益証券( ) |
― |
― |
― |
株券等預託証券( ) |
― |
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― |
合計 |
― |
― |
― |
所有株券等の合計数 |
― |
― |
― |
(所有潜在株券等の合計数) |
(―) |
― |
― |
公開買付者及びAPは、2025年4月10日付で第一次基本合意書を、同年5月1日付で第二次基本合意書を締結しております。
本基本合意書の詳細は、上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
公開買付者及びAPは、本基本合意書に従って本公開買付け終了後に公開買付者との間で締結される予定の本株式譲渡に係る株式譲渡契約に基づき、本公開買付け及び本スクイーズアウト手続の完了を主要な前提条件として、公開買付者による対象者の完全子会社化後速やかに公開買付者が保有する対象者株式の10.9%をAPグループに対して本公開買付価格と同額で譲り渡し、APグループがこれを譲り受ける予定です。本基本合意書の詳細は、上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
(1)公開買付者と対象者との取引
対象者製品の販売や部品の仕入れ等において、対象者との間で取引関係があります。
(2)公開買付者と対象者の役員との取引
該当事項はありません。
(1)本公開買付けへの賛同意見表明及び応募推奨
対象者賛同意見表明プレスリリースによれば、対象者は、2025年4月10日及び5月1日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を取締役会全員の一致により決議したとのことです。
対象者の意思決定過程の詳細は、対象者賛同意見表明プレスリリース及び上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。
(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。
(4)公開買付者と対象者の役員との間の合意の有無及び内容
該当事項はありません。
決算年月 |
― |
― |
― |
売上高 |
― |
― |
― |
売上原価 |
― |
― |
― |
販売費及び一般管理費 |
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― |
― |
営業外収益 |
― |
― |
― |
営業外費用 |
― |
― |
― |
当期純利益(当期純損失) |
― |
― |
― |
決算年月 |
― |
― |
― |
1株当たり当期純損益 |
― |
― |
― |
1株当たり配当額 |
― |
― |
― |
1株当たり純資産額 |
― |
― |
― |
(単位:円) |
金融商品取引所名又は認可金融商品取引業協会名 |
東京証券取引所 スタンダード市場 |
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月別 |
2024年11月 |
2024年12月 |
2025年1月 |
2025年2月 |
2025年3月 |
2025年4月 |
2025年5月 |
最高株価 |
3,570 |
3,335 |
3,370 |
5,020 |
4,595 |
5,900 |
6,140 |
最低株価 |
3,190 |
3,105 |
3,105 |
3,095 |
4,475 |
4,090 |
5,750 |
(注) 2025年5月については、5月1日までのものです。
年 月 日現在 |
区分 |
株式の状況(1単元の株式数 株) |
単元未満株式の状況 (株) |
|||||||
政府及び地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の法人 |
外国法人等 |
個人その他 |
計 |
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個人以外 |
個人 |
||||||||
株主数(人) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
所有株式数 (単元) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
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所有株式数の割合(%) |
― |
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― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
年 月 日現在 |
氏名又は名称 |
住所又は所在地 |
所有株式数 (株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合 (%) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
計 |
― |
― |
― |
年 月 日現在 |
氏名 |
役名 |
職名 |
所有株式数 (株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合 (%) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
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― |
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― |
計 |
― |
― |
― |
― |
(1)【対象者が提出した書類】
①【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第65期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
2023年6月30日 関東財務局長に提出
事業年度 第66期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
2024年6月26日 関東財務局長に提出
②【半期報告書】
事業年度 第67期中 半期(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
2024年11月14日 関東財務局長に提出
③【臨時報告書】
該当事項はありません。
④【訂正報告書】
該当事項はありません。
(2)【上記書類を縦覧に供している場所】
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)