第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものが存在します。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日(2025年5月14日)現在において、当社グループが判断したものであります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避、および発生した場合の対応に努める所存であります。

 

(1) 国際的な通商政策の変更について

当社グループは、米国、欧州、アジアなどグローバルに事業を展開しており、関税を含め各国の法令を遵守しています。近年、各国における通商政策が急速かつ頻繁に変更されており、関税率の変動による需要減少のリスクに加え、通関手続きの煩雑化やそれに伴う国際配送の遅延といったリスクも懸念されます。これらの事態が発生した場合、当社グループの事業活動および経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1)  業績の状況

当社グループは、テクノロジーの力とこれまでに培ったグローバルコマースの知見をいかし、人・モノ・情報とグローバルコマース市場を繋ぎ、新しい常識や可能性を提供し続ける「グローバルプラットフォーマー」を目指しております。

今期は各事業領域において「グローバルコマース:Buyeeとクロスプラットフォーム事業の成長による流通総額1,000億円の達成」、「エンターテインメント:収益ポイントの強化とオペレーションのシステム化(自動化)の推進」をそれぞれ目指しております。

当中間連結会計期間においては、グローバルコマースは、クロスプラットフォーム事業の拡大とBuyee(バイイー)におけるマーケティング施策及びユーザーの積み上げにより流通総額が堅調に推移し、エンターテインメントは、Groobee(グルービー)の導入クライアントの大型ライブイベントの開催に伴いグッズ販売が好調に推移しました。インキュベーション事業においては、営業投資有価証券の売却を実施いたしました。

その結果、当中間連結会計期間の流通総額(国内外における商品流通額)につきましては57,607百万円(前年同期比2.1%減)、売上高は9,565百万円(前年同期比40.5%減)、営業利益は1,724百万円(前年同期比156.3%増)、経常利益は1,269百万円(前年同期比95.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は847百万円(前年同期比269.6%増)となりました。(前年同期には、前期中に譲渡済みであるバリューサイクル事業の金額が含まれております。)

 

事業のセグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

①Eコマース事業

ⅰ)グローバルコマース

「海外転送・購入サポート事業(FROM JAPAN)」におきましては、従前より実施している積極的なキャンペーンによる増収効果が一巡する中においても、継続的なマーケティング施策により会員の獲得が進み会員数が600万人を超える規模となるとともに、アクティブユーザーも増加し、流通総額が伸長しました。また、対応言語に新たにアラビア語を追加する等、サービス面での機能追加や改善により、ユーザーの利便性の向上を図りました。

既存のECサイトへのタグ設置のみで海外販売を可能にする越境購入サポートサービス「Buyee Connect」では、新たにエレコム株式会社の運営するECサイト“エレコムダイレクトショップ”等への導入が進み国内支援企業が増加しました。

「グローバルショッピング事業(TO JAPAN)」におきましては、為替の動きが不安定な中、ユーザーの需要が低下している状況が続き、流通総額が減少しました。

当期よりその他事業から本セグメントに変更した新規事業である、日本企業の越境EC出店及び海外マーケットプレイスとのデータ連携等を支援する「クロスプラットフォーム事業」においては、当中間期に、世界最大級の越境ECモール“ebay”へ株式会社駿河屋が運営するホビー商品通販ショップ“駿河屋”の出店支援の開始や、クーポン等のマーケティング施策の実施により流通総額の増加を実現しました。

以上の結果、当中間連結会計期間の流通総額は49,264百万円(前年同期比13.0%増)、売上高は8,562百万円(前年同期比22.6%増)、営業利益は2,245百万円(前年同期比14.9%増)となりました。

 

ⅱ)エンターテインメント

「エンターテインメント事業」におきましては、エンターテインメント業界向けに特化したECプラットフォーム「Groobee」において、導入アーティストの大型ライブイベントの開催に伴い関連商品の流通が増加したことが牽引し、流通総額が増加しました。

また、当中間期には、株式会社ADKエモーションズの運営する中国最大手フィギュアメーカーの商品を販売するECショップ“Myethos Japan online store”の制作・運営サポートを開始するなど、Groobeeの導入企業が着実に増加しました。

以上の結果、当中間連結会計期間の流通総額は8,383百万円(前年同期比18.6%増)、売上高は897百万円(前年同期比29.5%増)、営業利益は79百万円(前年同期は営業損失35百万円)となりました。

 

Eコマース事業全体では、当中間連結会計期間の流通総額は57,600百万円(前年同期比2.2%減)、売上高は9,459百万円(前年同期比41.1%減)、営業利益は2,324百万円(前年同期比25.3%増)となりました。(前年同期には、譲渡済みであるバリューサイクル事業の金額が含まれております。)

 

②インキュベーション事業

インキュベーション事業におきましては、営業投資有価証券の売却及び投資先の評価により、当中間期で黒字となりました。

以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は27百万円(前年同期比913.9%増)、営業利益は11百万円(前年同期は営業損失244百万円)となりました。

 

③その他事業

その他事業においては、複数の新規事業の開発を実施しており、海外人材雇用をテクノロジーで支援するSaaS型越境HRプラットフォーム事業において、好調に売上高が推移したことで上期通しての黒字を実現する等、新規事業が成長しました。

以上の結果、当中間連結会計期間の流通総額は6百万円(前年同期比87.7%減)、売上高は483百万円(前年同期比55.7%増)、営業損失は34百万円(前年同期は営業損失397百万円)となりました。

 

 

(2)  財政状態の分析

① 資産

当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ125百万円減少し、31,403百万円となりました。

内訳といたしましては、流動資産合計が27,124百万円となり、前連結会計年度末と比べ338百万円の減少となりました。その主な要因は、未収入金830百万円の増加、現金及び預金734百万円、受取手形及び売掛金466百万円の減少であります。

また、固定資産合計は、4,279百万円となり、前連結会計年度末と比べ212百万円の増加となりました。その主な要因は、建物及び構築物359百万円の増加、投資有価証券308百万円、貸倒引当金120百万円の減少であります。

 

② 負債

当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ679百万円減少し、16,419百万円となりました。

内訳といたしましては、流動負債合計が15,285百万円となり、前連結会計年度末と比べ633百万円の減少となりました。その主な要因は、未払金264百万円、預り金178百万円の増加、未払法人税等623百万円、短期借入金500百万円の減少であります。

一方、固定負債合計は、1,134百万円となり、前連結会計年度末と比べ45百万円の減少となりました。その主な要因は、資産除去債務119百万円の増加、繰延税金負債95百万円、長期借入金70百万円の減少であります。

 

③ 純資産

当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ553百万円増加し、14,984百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金332百万円、為替換算調整勘定253百万円の増加であります。

 

(3)  キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は17,546百万円となり、前連結会計年度末と比べ695百万円の減少となりました。

 

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において営業活動による資金の増加は646百万円となりました。主な増加要因は、税金等調整前中間純利益1,284百万円、売上債権の減少723百万円であり、主な減少要因は、法人税等の支払額1,134百万円、未収入金の増加827百万円であります。 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において投資活動による資金の減少は252百万円となりました。主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出202百万円、有形固定資産の取得による支出137百万円、無形固定資産の取得による支出127百万円、主な増加要因は、投資事業組合からの分配金による収入149百万円、敷金及び保証金の回収による収入64百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において財務活動による資金の減少は1,133百万円となりました。主な減少要因は、配当金の支払額512百万円、短期借入金の減少500百万円であります。

 

(4)  経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)  事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6)  研究開発活動

該当事項はありません。

 

(7)  従業員数

  当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。