当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用環境・所得環境の改善やインバウンド需要の増加、設備投資の持ち直しの動きのもとで、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、原材料及びエネルギー価格の高騰や、人件費・物流費の増加などの影響も受け、継続的に物価は上昇しており、中小企業を中心に多くの企業ではコスト上昇の伸びに価格転嫁が追い付いておらず、厳しい経営環境に直面しております。家計においては、実質賃金の停滞により、消費者マインドには足踏みが見られ、先行き不透明な状況が続いております。加えて、世界経済におきましては、米国における新政権の経済政策の動向による影響や、中国の不動産市場の停滞など、先行きの不確実性が一段と高まっております。
建設業界としては、建設資材価格の高騰や労務費の上昇、時間外労働の上限規制への対応課題に加えて、職人や現場監督といった建設現場人員の人手不足や高齢化も大きな課題となっており、引き続き厳しい事業環境が続いております。
他方、当社グループ事業に関係の深い住宅業界におきましては、実質賃金は停滞し住宅価格は上昇しておりますが、国土交通省発表による2024年4月~2025年3月累計の新設住宅着工戸数は、戸建てが前年同期比97.8%と減少し、分譲マンションが前年同期比105.0%と増加し、住宅市場全体としては前年同期比102.0%と増加傾向で推移いたしました。商環境に関しましては、物価高騰により個人消費に停滞感はあるものの、インバウンド需要の好調などにより総じて堅調に推移いたしました。
このような状況のもとで、当社グループは「世界に誇れる独創的建物サービスで社会と感動を分かち合う」という理念に基づき、「全ての建物に“キャンディル”」というビジョンを実現すべく、持続的な事業の成長とさらなる企業価値の向上を目指して、激しく移り変わるお客様のニーズや時代の変化に寄り添いながらサービスの拡充に取り組み、住宅関連・商業施設関連サービスの売上拡大に努めてまいりました。
物価の上昇や人材獲得競争の激化などの厳しい経営環境の中、当社グループは採用活動の強化や協力会社網の充実を図り労働力確保に努めたことにより、着実に市場の需要を取り込み、中間連結会計期間としては過去最高の売上高を更新いたしました。また、人的投資やシステム投資などの成長投資を実行したことで販管費は増加いたしましたが、売上高の増加により各段階利益は伸長いたしました。
この結果、当中間連結会計期間における売上高は7,198,221千円(前年同期比107.1%)、営業利益は353,962千円(前年同期比132.2%)、経常利益は350,694千円(前年同期比131.8%)、親会社株主に帰属する中間純利益は174,031千円(前年同期比127.0%)となりました。なお、当社グループでは過去の組織再編及びM&Aの実施に伴い発生したのれん償却費を販売費及び一般管理費に96,111千円計上しており、これを加えたのれん償却前経常利益は446,806千円(前年同期比123.3%)、のれん償却前親会社株主に帰属する中間純利益は270,143千円(前年同期比115.9%)となりました。
当社グループは、建築サービス関連事業の単一セグメントとしておりますが、サービス分野別の状況は以下のとおりであります。
① リペアサービス
当中間連結会計期間におけるリペアサービスの連結売上高は2,301,531千円(前年同期比100.8%)となりました。
戸建向けリペアの売上高は、6~9ヶ月前の時期の新設住宅着工戸数(主に住宅引渡し直前に提供するサービスであり、戸建住宅の着工から竣工までの平均期間を考慮)が減少している影響を受け、前年同期比で受注件数は減少したものの、受注単価が上昇したため、1,815,935千円(前年同期比101.1%)と前年同期並みで推移いたしました。集合住宅向けリペアの売上高は、延べ人工数が減少したものの生産性が向上したことなどにより、485,595千円(前年同期比99.8%)となりました。
② 住環境向け建築サービス
当中間連結会計期間における住環境向け建築サービスの連結売上高は2,040,157千円(前年同期比107.4%)となりました。
定期点検の売上高は、契約数・実施件数の増加により、822,925千円(前年同期比110.6%)となりました。小型修繕、各種施工、検査、コーティングの売上高は、需要を取り込んだ検査の好調により、1,095,305千円(前年同期比107.3%)と伸長いたしました。リコール対応の売上高は、121,926千円(前年同期比90.6%)となりました。
③ 商環境向け建築サービス
当中間連結会計期間における商環境向け建築サービスの連結売上高は2,527,546千円(前年同期比113.6%)となりました。
商環境向け建築サービスは主に商業施設等の内装工事、家具組立て、揚重を提供しておりますが、商環境市場の需要堅調による店舗・商業施設、ホテル、医療施設、オフィスなどの内装工事案件の増加により、増収となりました。
④ 商材販売
当中間連結会計期間における商材販売の連結売上高は328,986千円(前年同期比105.0%)となりました。
商材販売は主にリペア材料やメンテナンス商材を販売しております。
(総資産)
当中間連結会計期間末における資産合計は6,539,917千円となり、前連結会計年度末に比べ405,655千円の増加となりました。
流動資産は4,188,976千円となり、前連結会計年度末に比べ513,021千円の増加となりました。これは、主に受取手形及び売掛金が434,732千円増加したことなどによります。
固定資産は2,350,941千円となり、前連結会計年度末に比べ107,365千円の減少となりました。これは、主にのれんが96,111千円減少したことなどによります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は3,607,345千円となり、前連結会計年度末に比べ272,701千円の増加となりました。
流動負債は3,291,645千円となり、前連結会計年度末に比べ332,601千円の増加となりました。これは、主に買掛金が190,369千円増加したこと、短期借入金が350,000千円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が324,998千円減少したことなどによります。
固定負債は315,700千円となり、前連結会計年度末に比べ59,900千円の減少となりました。これは、主に長期借入金が60,000千円減少したことなどによります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は2,932,572千円となり、前連結会計年度末に比べ132,954千円の増加となりました。これは、主に利益剰余金が137,124千円増加したこと、その他有価証券評価差額金が23,936千円減少したことなどによります。この結果、自己資本比率は44.8%(前連結会計年度末比0.7ポイント減少)となりました。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は1,648,049千円となり、前連結会計年度末に比べ31,733千円の増加となりました。
当中間連結会計期間における各活動によるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、122,001千円(前年同期は95,830千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益350,694千円を計上したこと、売上債権が434,732千円増加したこと、仕入債務が190,369千円増加したこと、法人税等の支払額143,879千円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、17,981千円(前年同期は10,985千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,776千円、無形固定資産の取得による支出13,234千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、72,286千円(前年同期は382,989千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増額350,000千円、長期借入金の返済による支出384,998千円などによるものであります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。