当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生はありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」からの重要な変更があった事項は以下のとおりです。
当社は、主要事業へ経営資源を集中するため、2025年1月21日に海外事業セグメントのLIFULL CONNECT, S.L. 及びその関連会社の株式を異動したことにより、海外事業を非継続事業に分類しました。このため、前事業年度の有価証券報告書に記載した、以下の項目について、記載を削除いたします。
なお、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第2 事業の状況3 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
(削除部分に下線を記載)
① 事業戦略に関するリスク
(海外事業)
(ア) グローバル展開について
当社グループは、グローバルプラットフォームの構築を中長期成長戦略の柱の一つとして掲げており、60を超える国や地域でサービス展開しています。グローバル展開においては、言語や文化、商慣習、法令や各種制度、政治的要因、地理的要因等の地域特性によるビジネスリスクや法規制等に加え、グローバルにおける競合の台頭や時差による対応の遅れ等、リスクは多岐にわたり存在しています。当社グループはリスクを最小限にすべく十分な対策を講じたうえで事業展開を進める方針ですが、予測困難なビジネスリスクや法令の変更等をはじめ、リスクに対応できない場合には、当社グループの海外事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
またグローバルにおけるサービス展開にあたり様々なリスクの特定と対応に一定の費用が発生するほか、既存サービスにおいても、法令の変更等に対応する費用の増加ならびに対応による収益機会の喪失や競争力― 25の低下等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 企業経営に関するリスク
(ア) M&A・出資に伴うリスクについて
当社グループの成長戦略の実行に向けて、既存サービスの拡充、関連技術の獲得、人材の獲得や新規サービスの展開、その他戦略上重要な資産の獲得等を目的とした、積極的な買収(M&A)や合弁事業の展開を経営の重要課題として位置付けています。当社グループは買収の検討に際し、対象企業の事業、財務、契約関係等について詳細なデューディリジェンスを実施することで極力リスクを回避するように努めており、定められた承認プロセスを経て投資判断していますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務が判明した場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、投資時に対象企業の企業価値を過大に見積もっていた場合や、事業環境の変化等により計画が変更となる場合、内部統制システム等の統一や融合が進まない場合、投資企業の役職員を含むキーマンが何らかの理由により離職又は業務執行が困難になった場合等、投資後に何らかの事由により期待通りの成果を生まない場合には、当社グループの財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
業務提携や合弁事業においては、当社グループが支配権を有するとは限らないため、パートナー事業者との経営方針の相違や、当社グループ以外の企業からの資金調達を含む提携による戦略の変更等、投資決定時に期待した通りの成果を生まない場合には、かかる投資資本の回収ができなくなる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、非流動資産にのれんを計上しており、資産合計に占める割合が高くなっております。当社は連結財務諸表の作成にあたり国際会計基準(IFRS)を適用しているため、当該のれんの償却は不要となりますが、のれんの対象となる会社の収益性が著しく低下し、将来的な効果である回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失の計上が必要となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 12.のれん」をご参照ください。
③ 外部環境に関するリスク
(ウ)為替の影響について
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、急激な為替レートの変動は、地域間の企業取引及び海外拠点における商品価格やサービスコストに影響し、売上収益や損益等の業績に影響を与えます。また、海外における資産価値や負債価値は、連結財務諸表上で日本円に換算されるため、為替レートの変動は、換算差による影響が生じます。想定を超えた急激な為替レートの変動が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(エ) 同業他社について
当社グループが運営する『LIFULL HOME'S』『Trovit』『Mitula』『Nestoria』『LIFULL介護』等のインターネット関連サービスには、複数の競合が存在しています。またインターネット関連サービス以外のサービスについても同様に複数の競合が存在しています。当社グループでは今後も当社サービスの競争力強化に向けた投資を実施し、他社との差別化に努める方針ですが、当社の競争力強化に向けた投資が計画通りの成果を上げられない可能性や、インターネット業界の参入障壁は低く新規参入が容易であること、革新的な技術やビジネスモデルの競合の出現競合等により、競合環境が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものです。
なお、当社グループは、事業セグメントを「HOME'S関連事業」、「海外事業」の2報告セグメントに区分しておりましたが、海外事業を非継続事業に分類した結果、報告セグメントは「HOME'S関連事業」1つとなっております。
当社グループは「常に革進することで、より多くの人々が心からの「安心」と「喜び」を得られる社会の仕組みを創る」を経営理念として掲げ、あらゆるステークホルダーに配慮した健全な事業活動を通じ、当社グループの企業価値向上を追求するだけでなく、持続的な社会の発展に貢献することを目指しております。
当中間連結会計期間(2024年10月~2025年3月)における事業環境は、国内においては、雇用・所得環境に改善の動きがみられること等を背景に、緩やかな回復基調が続いておりますが、エネルギー高騰や円安基調の継続等に起因する物価上昇感や、世界情勢の悪化による先行き不透明感への懸念等から、個人消費の本格的な回復には至りませんでした。
当社の主要な事業領域である建設・不動産業界においては、新築着工件数の減少と、資材・人件費高騰等による新築物件の価格上昇は継続しており、当中間連結会計期間の全国移動者数は前年同期比0.4%減少しました。
このような環境のもと、当社グループは、主力事業である国内のHOME’S関連の中長期的な事業成長を目指して経営資源を集中するため、収益性が悪化している事業のリストラクチャリングの一環として、海外事業のLIFULL CONNECT, S.L.の全株式を異動することを2024年11月に決定し、2025年1月にLIFULL CONNECT, S.L.及びその子会社の株式異動を完了しました。また、Mitula Group Limitedを解散及び清算する決議を行ったことから、「海外事業」セグメントに係る事業を非継続事業に分類しました。
これらの結果、当中間連結会計期間の売上収益は14,291百万円(前年同期比、以下同+7.6%)となりました。営業利益は1,824百万円(同+6.2%)となりましたが、前年の一時的な増加要因である株式会社LIFULL SPACEの株式売却益912百万円を除くと、同+126.5%と収益性が大きく向上しています。税引前中間利益1,801百万円(同+10.4%)、親会社の所有者に帰属する中間利益は、海外事業のリストラクチャリングに伴う会計処理を反映し、3,723百万円(同+3,027.4%)となりました。
また、当中間連結会計期間におけるセグメント毎の売上収益及びセグメント利益(損失△)は、以下のとおりです。
(注1) セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
(注2) 前年同期のセグメント損失は252百万円であります。
当セグメントは、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」、不動産投資と収益物件の検索サイト「健美家」及び関連事業で構成されています。
当期は前期から引き続き、クライアント・ユーザーへの価値提供の向上と競争力の強化に向けて、一人ひとりによりぴったりな住まいを提案し、成約確度の高い送客を行えるよう、UX・UIを含むユーザー体験の向上に向けたサイト改修、クライアントネットワークの拡大・強化に取り組んでいます。
当中間連結会計期間では、国内の移動者数はほぼ横ばいで推移する状況の中、各施策の効果によりトラフィックは順調に進捗しており、売上収益は13,035百万円(前年同期比+7.7%)となりました。AI・生成AIを活用することで、社内業務を効率化させながらクライアントに対する提案力が向上していることと、収益性の改善に向けた広告宣伝費・営業費の最適化も進んでおり、セグメント利益は2,175百万円(同+98.6%)と大幅な増益となりました。
②その他
その他は、老人ホーム・介護施設の検索サイト「LIFULL 介護」、地方創生事業等により構成されています。
2024年12月に楽天ステイの4物件の信託受益権を取得したことにより、当中間連結会計期間の売上収益は1,260百万円(前年同期比+7.0%)、セグメント損失は185百万円(前年同期はセグメント損失252百万円、67百万円の改善)となりました。
以下の項目等、より詳しい決算内容に関しては、当社投資家情報サイトより、2025年5月14日発表の「2025年9月期 第2四半期決算説明資料」をご覧ください。
参考URL:https://lifull.com/ir/ir-data/
<決算説明資料の主な項目>
・営業損益の推移 ・・・ 主な費用の増減要因と売上収益に占める比率の推移等
・サービス別売上収益の推移 ・・・ セグメント別売上収益の推移と増減要因
・業績予想の進捗状況 ・・・ セグメント別売上収益、主な費目毎の業績予想に対する進捗状況
・トピックス ・・・ セグメント毎の主な取組状況
・四半期毎のデータ ・・・ 損益計算書(簡易版)、セグメント別売上収益、セグメント別損益
・外部統計データ集 ・・・ マンション発売戸数、マンション価格、新設住宅着工戸数、日本全国移動者数、人口・世帯数
(流動資産)
流動資産の残高は16,527百万円となり、前連結会計年度末(以下、前期末)に比べ5,061百万円減少しております。主な要因は、現金及び現金同等物の減少6,101百万円、売掛金及びその他の短期債権の増加361百万円、その他の短期金融資産の減少387百万円、その他の流動資産の増加205百万円、及び、売却目的で保有する資産の増加860百万円であります。
(非流動資産)
非流動資産の残高は20,908百万円となり、前期末に比べ1,306百万円増加しております。主な要因は、有形固定資産の増加152百万円、使用権資産の減少590百万円、のれんの減少9,565百万円、無形資産の減少1,667百万円、持分法で会計処理されている投資の減少38百万円、投資不動産の増加5,554百万円、その他の長期金融資産の増加6,330百万円、及び、繰延税金資産の増加1,151百万円であります。
以上の結果、当中間連結会計期間末の資産合計は37,436百万円となり、前期末に比べ3,755百万円減少しております。
(流動負債)
流動負債の残高は5,308百万円となり、前期末に比べ4,986百万円減少しております。主な要因は、買掛金及びその他の短期債務の減少849百万円、借入金の減少2,728百万円、リース負債の減少117百万円、未払法人所得税の減少319百万円、及び、その他の流動負債の減少990百万円であります。
(非流動負債)
非流動負債の残高は7,497百万円となり、前期末に比べ803百万円増加しております。主な要因は、借入金の増加5,869百万円、リース負債の減少490百万円、その他の長期金融負債の減少4,068百万円、繰延税金負債の減少461百万円、及び、その他の非流動負債の減少26百万円であります。
以上の結果、当中間連結会計期間末の負債合計は12,806百万円となり、前期末に比べ4,182百万円減少しております。
(資本)
当中間連結会計期間末における資本の残高は24,629百万円となり、前期末に比べ427百万円増加しております。主な要因は、親会社の所有者に帰属する中間利益による利益剰余金の増加3,723百万円、その他の包括利益によるその他の資本の構成要素の減少3,162百万円、株式報酬取引による資本剰余金の減少44百万円、及び、剰余金の配当による利益剰余金の減少93百万円等であります。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、8,532百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は1,369百万円となり、前中間連結会計期間の減少した資金12百万円と比べ、1,381百万円の増加となりました。主な要因は、当期は減損損失が200百万円、支配喪失損益(△は益)が△1,224百万円、債権放棄損が349百万円それぞれ発生したこと、税引前中間利益が1,801百万円と前中間連結会計期間に比べ170百万円増加したこと、非継続事業からの税引前利益が619百万円と前中間連結会計期間に比べ1,437百万円増加したこと、減価償却費及び償却費が798百万円と前中間連結会計期間に比べ211百万円減少したこと、売掛金及びその他の短期債権の増減額が△483百万円と前中間連結会計期間に比べ338百万円減少したこと、買掛金及びその他の短期債務の増減額が△278百万円と前中間連結会計期間に比べ239百万円減少したこと、棚卸資産の増減額が△39百万円と前中間連結会計期間に比べ39百万円減少したこと、その他が△38百万円と前中間連結会計期間に比べ1,193百万円増加したこと、及び、法人所得税の支払額が395百万円と前中間連結会計期間に比べ96百万円減少したこと等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は9,370百万円となり、前中間連結会計期間の増加した資金74百万円と比べ、9,445百万円の減少となりました。主な要因は、前中間連結会計期間は子会社株式の売却による収入が939百万円、関連会社株式の取得による支出が124百万円それぞれ発生していたこと、当中間連結会計期間は子会社の支配喪失による減少額が2,722百万円発生したこと、資本性金融資産の取得による支出が21百万円と前中間連結会計期間に比べ76百万円減少したこと、有形固定資産及び投資不動産の取得による支出が6,488百万円と前中間連結会計期間に比べ6,437百万円増加したこと、無形資産の取得による支出が66百万円と前中間連結会計期間に比べ8百万円増加したこと、貸付による支出が1,523百万円と前中間連結会計期間に比べ44百万円減少したこと、貸付金の回収による収入が1,455百万円と前中間連結会計期間に比べ457百万円増加したこと、及び、その他が3百万円と前中間連結会計期間に比べ39百万円減少したこと等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は2,724百万円となり、前中間連結会計期間の減少した資金1,593百万円と比べ、4,318百万円の増加となりました。主な要因は、前中間連結会計期間は非支配持分からの子会社持分取得による支出が65百万円、非支配持分からの払込による収入が100百万円それぞれ発生していたこと、当中間連結会計期間は長期借入れによる収入が6,216百万円と前中間連結会計期間に比べ6,116百万円増加したこと、短期借入金の返済による支出が3,285百万円と前中間連結会計期間に比べ2,370百万円増加したこと、長期借入金の返済による支出が81百万円と前中間連結会計期間に比べ118百万円減少したこと、配当金の支払額が93百万円と前中間連結会計期間に比べ451百万円減少したこと、リース負債の返済による支出が339百万円と前中間連結会計期間に比べ28百万円減少したこと、及び、その他が6百万円と前中間連結会計期間と比べ8百万円増加したこと等であります。
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は65百万円であります。
①連結会社の状況
当中間連結会計期間において、LIFULL CONNECT, S.L.を連結の範囲から除外したことにより、900名減少しております。
②提出会社の状況
当中間会計期間において、従業員数の著しい増減はありません。
(1) 支配の喪失
2025年1月1日に、当社が保有する連結子会社であるLIFULL CONNECT,S.L.の株式の全てをCONNECT NEXT PTE. LTD.に現物出資いたしました。詳細は、「第4 経理の状況 1要約中間連結財務諸表等 要約中間連結財務諸表注記」の11.企業結合等をご参照ください。
(2)固定資産の取得
当社は、2024年11月28日開催の取締役会において、固定資産(信託受益権)を取得する事を決議し、2024年12月10日付で譲渡契約を締結いたしました。
①取得の理由
取得後も楽天ステイ株式会社(以下、「楽天ステイ」)による運営が継続されるため、本件取得によって安定した運用収益が見込めると考えられるほか、本件取得予定の物件の運営を通して、楽天グループ株式会社(以下、「楽天グループ」)が有する幅広いデータを活用した宿泊施設のマーケティングの知見や、楽天ステイの宿泊施設の運営・活用のノウハウと、当社子会社の株式会社LIFULL Financial が行う不動産の小口分散活用のノウハウ、及び、楽天グループと当社の膨大なユーザーネットワークやインターネット・サービスに関する知見を相互に共有し、両社のサービスに活用・発展させていくことで、今後の国内の不動産の利活用の活性化、不動産金融の新たなサービス開発や、新たな市場の開拓に繋げることができると考え、取得を行うものです。
②取得資産(信託受益権)の内容
③連結財務諸表に及ぼす影響
当該固定資産の取得による当期業績への影響は、信託受益権の取得にかかる支出と、運用による収益が見込まれており、今期においては、売上収益約250百万円、営業利益約100百万円、税引前当期純利益約70百万円を計上予定です。