当社は、2025年5月13日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下、「当社株式」といいます。)の併合(以下、「本株式併合」といいます。)を目的とする、2025年6月25日開催予定の定時株主総会(以下、「本定時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
1.株式併合の目的
(1)株式併合の概要
今般当社は、当社の株主を、当社の支配株主である塚本慶一郎氏(以下、「塚本氏」といいます。)及び有限会社T&Co.(以下、「T&Co.」といい、塚本氏及びT&Co.を総称して「残存株主ら」といいます。)のみとし、当社株式を非公開化するための手続として本株式併合を実施する予定です。
本株式併合により、当社の株主は残存株主らのみとなり、残存株主ら以外の株主の皆様の保有する株式の数は、全て1株未満の端数となる予定です。本株式併合により生ずる1株未満の端数については、会社法(2005年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第2項の準用する同法第234条第2項及び第4項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当社が買い取ることを予定しており、その買取りに係る代金を端数が生じた株主の皆様に対して交付する予定です。この場合の買取価格につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である2025年7月29日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された残存株主ら以外の株主の皆様が保有する当社株式の数(以下、「基準株式数」といいます。)に210円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。詳しくは、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」をご参照ください。
なお、T&Co.によれば、塚本氏は本書提出日現在、T&Co.と合計して当社株式16,763,200株(所有割合(注):57.00%)を所有する当社の支配株主でありますが、残存株主らは本定時株主総会において本株式併合に係る議案に賛同する予定であるとのことです。
(注)「所有割合」とは、当社が2025年5月13日付で公表した「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(37,371,500株)から、同日時点で当社が所有する自己株式数(7,961,367株)を除いた株式数(29,410,133株)に占める割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載において同じとします。
以下、残存株主らに関する記載については、T&Co.から受けた説明に基づいております。
(2)本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針
①本株式併合の背景等
当社は、国内のインターネットサービスの台頭に伴い、1992年4月にPC解説書やIT関連誌の出版を目的として株式会社インプレスとして設立され、同年7月までに創業者である塚本氏が音楽やデザイン等の専門出版社3社の株式を取得し、インプレスグループとして創設しました。1995年にオンライン直販サイト「インプレスダイレクト」とIT系ニュースサイト「INTERNET Watch」を、1997年に楽器マーケットプレイス「デジマート」を開設し、2000年10月に株式会社東京証券取引所(以下、「東京証券取引所」といいます。)市場第一部に当社株式を上場しました。2004年10月には会社分割により株式会社インプレスを、グループの持株会社である株式会社インプレスホールディングスとメディア事業会社である株式会社インプレスに分離し、現在の純粋持株会社体制に移行しました。その後2022年4月の東京証券取引所の市場再編を経て東京証券取引所スタンダード市場(以下「スタンダード市場」といいます。)に上場しております。
当社の企業集団(以下、「当社グループ」といいます。)は、当社並びに当社の連結子会社12社及び持分法適用関連会社2社で構成され、「面白いことを創造し、知恵と感動を共有する」を企業理念とし、良質で魅力ある専門コンテンツをベースに、デジタル技術を活用した次世代パブリッシングモデルやメディア・コミュニティを実現し、それらの活動を通して、人間性豊かで自由な文化・社会の循環づくりに貢献することを目指しております。
IT、音楽、デザイン、山岳・自然、航空・鉄道、モバイルサービス等の専門分野ごとの個性的なメディアブランドによる雑誌・書籍等の出版を中心に、電子出版、Webメディア、SNS、イベント・セミナー、受託開発等、「紙・デジタル・リアル」の多面的な展開により、読者やユーザーに対し「実体験に基づいた、臨場感ある魅力的なコンテンツ」を届けるコンテンツ事業を主力としております。コンテンツ事業は、出版・電子出版事業、ネットメディア・サービス事業、ターゲットメディア事業、ソリューション事業の4区分から構成され、このほかに、これまで培ってきたパブリッシングモデルやメディア技術、マーケティング手法をコンテンツパートナーに提供するプラットフォーム事業を展開しております。
当社グループは、持株会社である当社を中心にグループ各社が事業の独自性を活かし、顧客ニーズにあった製商品を機動的に提供していくことで、各社及びグループ全体の企業価値の増大を図る分社経営方針をとっており、バックオフィスやデジタルマーケティング等の機能は一定程度当社に共通化して生産性向上を図っております。
しかし、出版を中心とした当社を取り巻く事業環境は、紙の出版物の販売額が19年連続で減少している上に、出版売上高に占めるコミックを除いた電子出版の割合は10数%程度から伸び悩んでおります。加えて、用紙の調達コストや印刷等の原材料費の高騰、残業規制強化による物流価格の上昇、物価高騰を考慮した従業員の報酬水準の引上げ等のコスト上昇も見込まれ、依然として厳しい状況が続いていると認識しております。
このような事業環境の中、当社は2022年6月に中期経営計画を策定し「企業価値の向上」に向けて収益及び事業のポートフォリオを見直し、出版事業の構造改革と中長期の成長基盤の開発促進に継続的に取り組んでおります。当社の事業ポートフォリオにおいて、重要な収益基盤である出版事業の収益力の回復を重点課題とし、出版・電子出版事業については、不採算な製品ラインナップの整理、IPの競争力の強化、商品価格の引上げ、返品率の改善、AI活用による生産性向上等の課題に取り組んでおります。ネットメディア・サービス事業については、優良なオーディエンスを抱える専門メディアの強みに加えて、収益モデルの多角化、DtoC事業モデルの開発等の施策に取り組んでおります。ターゲットメディア事業については、事業規模の回復に向けた取り組みを強化、プラットフォーム事業については、投資フェーズのDtoC事業モデルの開発による新規売上の創出成果の獲得を目指しております。
かかる状況下、当社グループの2025年3月期の連結業績は、売上高が14,387百万円(前期比0.5%減)、営業利益が237百万円の損失、親会社株主に帰属する当期純利益が105百万円の損失となり、2期連続の損失の計上となりました。2024年3月期の業績悪化の要因となった出版事業は事業構造改革による刊行点数の減少をカバーし増収となり、収益性は改善、また人員削減等により固定費は減少したものの、ネットメディア事業の減収と収益性の低下、ソリューション事業の減収等に加えて、オリジナルマンガの事業撤退等に伴う、一時的な損失が発生したことも影響し、損失幅は縮小したものの、目標としていた営業利益の黒字転換には至らない状況となっております。
②T&Co.による本株式併合の提案の経緯・目的
T&Co.としては、当社を取り巻く外部環境として、紙の出版市場は書店の著しい減少に加え、Webへの移行が進んだために休刊する雑誌と同一の流通網に乗る一般書籍(コミックを除く。)は縮小傾向にあり、さらには依然として高い返品率が環境問題を含めた産業構造上の課題と考えているとのことです。またT&Co.として、当社は、2024年3月期以降、出版売上高自体の落ち込みが激しい中、デジタルへの転換を進めているものの、読者ニーズの多様化に合わせた適切かつ効率的な届け方に至っていないため、落ち込みを補填できていないものと考えているとのことです。
また、2022年6月策定の「中期経営計画」において、当社の主力であるコンテンツ事業に含まれる出版分野の規模を維持しながら、デジタル及びプラットフォーム事業等を拡大することが前提の計画でありましたが、出版の中でも、軸としていた書籍における生産・物流コスト上昇に加えて、返品許容を前提とした生産や大量出荷に対して、返品率や在庫水準の高止まりにより収益力が悪化している状況であると認識しているとのことです。またメディアミックスやDtoC事業モデルの開発による新規事業展開においては、基盤開発が完了し今後事業開発のフェーズであるも、現時点では大きな成果は見られていないと考えているとのことです。プラットフォーム事業の拡大についても、当初計画よりも進捗が遅れている状況であり、再度抜本的な構造改革が求められる状況と考えているとのことです。
T&Co.としては、上記のような極めて厳しい経営環境下であっても、人々がメディアに集い、出版物も含めた多様な形式で知識を得、そこでの学びや成長・感動を共有したい欲求に変わりはないものと捉えているとのことです。多様な形式の中には、読書バリアフリーを実現する音声化や多言語化等も含まれますが、T&Co.は、当社の企業理念である「面白いことを創造し、知恵と感動を共有する」は正にこれを表現していると考えているとのことです。また、当社創業者である塚本氏がかつて語り、今も当社企業理念に冠されている「Human Knowledge Mediary」とは、専門媒体に集結した専門家が初学者の成長を支援し、相互に楽しみながら助け合うための媒介者・仲介者の意味であり、現在当社が進めるコミュニティ戦略と合致しているものと確信しているとのことです。加えて、当社のコンテンツやステークホルダーを含めた(ファン)コミュニティの源泉である「人」の大宗は、未だ出版事業に根差していると考えているとのことです。
T&Co.は、当社がその関係資産を活かしながら経営環境を克服し、当社事業の競争優位を取り戻し、事業を存続させ、中長期的な企業価値の向上を目指すためには、足許加速している業界の再編に伴ってサプライチェーン全体の変革に取り組むと同時に、コミュニティ戦略の中で進めてきたDtoC事業モデルの開発投資の成果に向け、より一層腰を据えての推進が急務だと考えているとのことです。そのためには、柔軟かつ迅速に事業を再構成できる体制構築が不可欠であり、具体的には以下のような一定の事業リスクを伴う施策の実行が必要となることから、非公開化により短期的な業績達成を求められる資本市場と離れて、投資余力及び外部パートナーとの協業が組みやすい状況をつくることが、当社を取り巻く厳しい経営環境下においても更なる企業価値の拡大を可能にする道筋であると考えているとのことです。
(i)出版事業の抜本的なサプライチェーン構造改革
T&Co.は上記のように、当社主力であるコンテンツ事業分野は、紙媒体を取り巻く環境が非常に厳しく、デジタル化推進及び印刷効率化に向けた抜本的な構造改革を推進することが必要と考えているとのことです。
本株式併合により当社が非上場会社となることで、中長期的な生産・営業機能の集約等組織的な再編を行いやすくなると考えているとのことです。具体的には、当社グループ内での原材料の共同調達やオフセットとデジタル印刷の用紙統一といったコスト削減施策や、適正な初版部数や適正在庫を予測するためのシステム投資及び重版をデジタル印刷に移行する等効率的な生産体制を実現していくとのことです。また営業体制については、取次営業から書店営業への移行及び書店に向けたデータドリブンなソリューションを提供できるようなシステム投資・社内リソース最適化を目指していくとのことです。自社での取り組みだけでなく、他社との協業を含めて事業の構造改革や投資等を積極的に取り組んでいくとのことです。
このような構造改革は、組織体制の見直しによる事業リスクや、システム投資といった先行投資による一時的な収益及びキャッシュ・フローのマイナス要因になることが想定されるものの、中長期的な観点では、生産性の向上やソリューション力強化に伴い、売上高及び収益の増加が実現できるものと考えているとのことです。
(ⅱ)コミュニティ戦略の推進と事業ポートフォリオの構造転換
T&Co.として、当社は、雑誌を中心とした趣味領域における新しいDtoC事業モデルとして、主に音楽分野にてコミュニティ戦略を推進しており、趣味を深掘りするロイヤリティの高い顧客基盤に対して価値を最大化するもので、収益面はこれからであるものの、同様の取り組みを山岳・自然や航空・鉄道分野にも段階的かつ長期目線で拡大することで、ニッチな領域であるも、当社全体の顧客基盤における成長を見込めるものと考えているとのことです。一方、書籍を中心とした実用領域であるIT、デザイン、理工学分野においては、生成AIやGIGAスクールの本格導入に合わせた教育事業への着手により、30周年を迎えた累計8,000万部のパソコン入門書「できるシリーズ」や月間1億PVを超える「Impress Watch シリーズ」のブランドを活かして、書籍の新しい読み方を実現・拡張する学習プラットフォームを構築していくとのことです。
また、主力のコンテンツ事業に加えて当社は、ECや電子コミック、ユーザーによるセルフ出版を含むPOD(プリント・オンデマンド)といったプラットフォーム事業を展開され、継続的に新たな取り組みを推進していますが、電子コミックとPODについては成長に鈍化が見られるため、シナジーを生む協業パートナーの獲得が必要と認識しているとのことです。
本株式併合後は、上記(i)の取り組みのほか、上場維持コスト削減等により、投資余力が見込めることから、これらの推進を強化するとともに、他分野のECやプラットフォーム事業の開発への社内リソース振り向けや人材採用を含め、直販商材の拡大に向けて積極的な投資を検討していくことを考えているとのことです。中長期的には他社IPホルダーのM&Aも視野に入れつつ、積極的な事業構造転換に取り組んでいくとのことです。
(ⅲ)パートナー企業との提携関係構築による事業インキュベーションと成長
T&Co.として、当社は、かねてより出版分野の構造転換の課題解決に向け、当社単独での成長だけでなく、外部の提携関係を図れるパートナー企業を模索している一方で、上場会社として既存株主の利益に配慮した事業運営が必要となる中、外部提携を活用した迅速かつ大胆な事業方針の転換は難しいものと考えているとのことです。
本株式併合により当社が非上場会社となることで、出版分野での最適なパートナー企業との提携を検討することが可能になり、より成長性を見込めるプラットフォーム事業や新たな事業に経営資源を投下することで、今後の持続的な成長を実現していくと考えているとのことです。当社が強みとする領域に特化したECサイトの開設や、コミュニティサイトの運営、アプリ開発といったマーケティングツール・ソリューションを初学者や専門家、趣味人向けに提供し、コンテンツの音声化や多言語化を含めて新たな収益源の創出に向けて積極的に取り組んでいくことにより、中長期的な観点での売上高及び収益力の向上が期待できるものと考えているとのことです。
(ⅳ)機動的な人材配置及び専門人材の新規採用と最適な組織体制
T&Co.は、上記の取り組みを推進するためには、部門や会社を跨いで課題解決ができる、豊富な専門知識及び経験を有する人材が必要であり、さらにその人材が現場で能力を最大限に発揮できる体制が構築されていることが前提であると認識しているとのことです。体制を早期に構築するために、専門人材の採用や増員、新たな研修プログラムを実施すると同時に、グループ内のワークシェア制度の刷新や、社内ベンチャー及び新規プロジェクト等の立ち上げを容易にする施策を実行することが必要と考えているとのことです。また、従業員の処遇改善についても重要な経営課題であり、当社従業員のエンゲージメント向上を目指し、人的資本経営を実現していくとのことです。
T&Co.は、当社が、将来に亘って事業を存続させ、更なる成長を目指すためには上記の各施策を早急に実施する必要があると考えている一方で、当社株式を上場させたままこれらの各施策を実施することは、当社の業績悪化リスクを当社の株主の皆様に負担させることにつながりかねず、当社が上場を維持したまま各施策を推進することに限界があると考えているとのことです。
また、T&Co.は、当社の上場以降、当社は知名度の向上による優れた人材の確保、社会的な信用力の向上等、上場企業として様々なメリットを享受してきたものの、こうした知名度や社会的な信用力の向上等については、株式の上場以外の方法によっても実現可能であること、現在の財務状況等から、当面は借入による資金調達によって必要資金を賄い、エクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込んでいないこと、当社株式の上場を維持するために必要なコスト(有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する人的負担、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する金銭的負担、内部統制関連コスト)を踏まえると、今後も継続して当社株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあると考えているとのことです。
以上のような検討を経て、T&Co.は、当社が上記施策を実施するにあたっては、当社株式を非公開化することが、当社の株主の皆様に対して発生する可能性がある上記悪影響を回避しつつ、中長期的な視点から抜本的かつ機動的な経営戦略を迅速かつ果敢に実践するために最も適切な手段であるという結論に至り、2024年12月上旬、当社に本株式併合の実施に向けた協議・交渉の申し入れを行い、2025年3月上旬に提案書提出に至ったとのことです。
③当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由
当社は、上記「②T&Co.による本株式併合の提案の経緯・目的」に記載のとおり、2024年12月上旬にT&Co.から本株式併合の実施に向けた上記協議・交渉の申し入れを受け、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(4)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、塚本氏はT&Co.と合計して当社株式16,763,200株(所有割合:57.00%)を所有する支配株主であるため、本株式併合においては、その構造上、当社の取締役会と当社の少数株主との間で利益相反の問題が生じる可能性があることから、本株式併合に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社の取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、役務内容、案件実績及び費用を検討した上で、当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を2025年3月上旬に選任しました。
その後、当社は、本株式併合の実現可能性等についてTMI総合法律事務所を含めて協議・検討を進め、本株式併合を実施することについて本格的な検討を開始することとしました。なお、当社は、公開買付けを前置せずに本株式併合を実施する手法については、(i)本株式併合を決議する株主総会における決議要件の充足見込みについて、残存株主らが当社の総議決権の57.00%を保有しており、当社の直近3期の各定時株主総会の議案ごとの議決権行使比率は最大で82%程度であることを踏まえると、本株式併合を決議する株主総会における議決権行使比率が直近3期の各定時株主総会の議案ごとの議決権行使比率の最大値と同程度であったとしても、残存株主らが賛成の議決権行使を行うことにより、本定時株主総会における本株式併合に係る議案について議決権を行使する株主の3分の2以上の賛成が見込まれることから、本株式併合を実施するために公開買付けを前置する必要は必ずしもなく、(ii)また、仮に公開買付けを前置する場合には、公開買付代理人への報酬を含む公開買付けに係るアドバイザー費用等が発生するところ、これらのコストを考慮すると、公開買付けを前置する場合、少数株主の皆様に分配可能な金額が公開買付けを前置せずに株式併合を実施する場合に比べて限定的となり得る上、公開買付期間を含む追加的な時間が必要になるところ、公開買付けを前置しない場合にはこれらが不要となり、より低コストかつ短期間で当社株式の非公開化が可能となると見込まれること、(iii)少数株主の皆様が本株式併合に係る端数処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額(以下、「本件端数処理交付見込額」といいます。)に不満があるとして本株式併合に反対する場合には、法令上、一定の要件の下で株式買取請求権が認められており、少数株主の皆様は公正な株式買取価格の決定を求めて裁判所に申立てを行うことができること等、少数株主の皆様の利益保護に資する制度が設けられていること等から、不合理とはいえないとの考えに至り、上記の本格的な検討を開始したものです。
そして、当社は、残存株主らから独立した立場で当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本株式併合の提案に係る検討、交渉及び判断するための体制を整備いたしました。具体的には、当社取締役会は、2025年3月18日に、当社の社外取締役、社外監査役及び社外有識者から構成される特別委員会(以下、「本特別委員会」といいます。)を設置し、本特別委員会自ら残存株主ら及びその他の取引関係者と協議・交渉する権限を付与するとともに、本株式併合に関する決定を行うに際して本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本株式併合について妥当でないと判断した場合には、本株式併合を行う旨の意思決定を行わないことを決議いたしました(本特別委員会の委員の構成及び具体的な活動内容等については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③当社における特別委員会の設置」をご参照ください。)。また、本特別委員会は、その独立性及び専門性を検討した上で、当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.から独立した本特別委員会の第三者算定機関として株式会社KPMG FAS(以下、「KPMG FAS」といいます。)を2025年3月中旬に選任しております。
その上で、本特別委員会は、2025年4月21日に、T&Co.から、本件端数処理交付見込額を1株当たり180円とする旨の提案を受領しました。これに対して、本特別委員会は、2025年4月22日に、T&Co.に対して、本特別委員会が選定した第三者算定機関による試算を踏まえた結果、T&Co.の提案価格(180円)は当社株式の本源的価値に照らして必ずしも十分な価格とは評価し難いとして、本件端数処理交付見込額の引上げを要請しました。その後、本特別委員会は、2025年4月24日に、T&Co.から、本件端数処理交付見込額を1株当たり190円とする提案を受領しました。これに対して、本特別委員会は、2025年4月25日に、T&Co.に対して、本特別委員会が選定した第三者算定機関による試算及び同種過去事例におけるプレミアム水準を踏まえ、T&Co.の提案価格(190円)は、少数株主にとって必ずしも十分な価格とは評価し難い水準として、本件端数処理交付見込額の引上げを要請しました。その後、本特別委員会は、2025年5月7日に、T&Co.から、本件端数処理交付見込額を1株当たり210円とする提案を受領し、T&Co.との間で、本件端数処理交付見込額を1株当たり210円とすることで合意に至りました。
その後、本特別委員会は、当社に対して、2025年5月12日付で答申書(以下、「本答申書」といいます。)を提出しました(本答申書の概要等については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③当社における特別委員会の設置」をご参照ください。)。その上で、当社は、リーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から受けた法的助言、並びに本特別委員会が独自に選任した第三者算定機関であるKPMG FASから本特別委員会に提出された株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本株式併合により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本件端数処理交付見込額その他の条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社取締役会は、以下の点等を踏まえ、本株式併合により当社の株主を残存株主らのみとし、当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
・当社の主力であるコンテンツ事業が属する出版事業においては、年々市場規模が縮小していることに加え、用紙の調達コストや印刷等の原材料費の高騰、残業規制強化による物流価格の上昇、物価高騰を考慮した従業員の報酬水準の引上げ等のコスト上昇も見込まれ、厳しい事業環境が続いていること。
・このような経営環境を踏まえると、T&Co.が提案する出版事業の抜本的なサプライチェーンの構造改革、コミュニティ戦略の推進と事業ポートフォリオの構造転換、パートナー企業との提携関係構築による事業インキュベーションと成長、機動的な人材配置及び専門人材の新規採用と最適な組織体制の構築といった施策は、当社の経営戦略と一致しており、中長期的な視点で、当社の収益性を向上させる観点から有効であり、積極的に推進してくべきものといえること。
・一方で、これらの各施策を早急に実施する必要があると考えるものの、事業構造改革及び事業開発に伴う継続的な先行投資による業績悪化リスクを当社の株主の皆様に負担させることに繋がりかねないため、当社株式を非公開化することで迅速かつ果敢に意思決定できる経営体制を構築することが有用といえること。
・また、当社株式の非公開化を行った場合には、上場維持コストを削減することもでき、経営資源の更なる有効活用を図ることも可能になると考えられること。
・仮に公開買付けを前置する場合には、公開買付代理人への報酬を含む公開買付けに係るアドバイザー費用等が発生するところ、これらのコストを考慮すると、公開買付けを前置する場合、少数株主の皆様に分配可能な金額が公開買付けを前置せずに株式併合を実施する場合に比べて限定的となり得る上、公開買付期間を含む追加的な時間が必要になるが、公開買付けを前置しない株式併合の場合これらが不要となり、より低コストかつ短期間で当社株式の非公開化が可能になると考えられること。
・非公開化後の運転資金の調達に一定の目処が立っており、当社株式の取得に要する資金の全額を自己資金により充当した場合でも、経営に重大な悪影響を及ぼさない考えられること。
・なお、一般に、株式の非公開化を行った場合には、株式市場からの資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として享受してきた知名度や信用力に影響を及ぼす可能性が考えられるものの、当社の現在の財務状況等からは、エクイティ・ファイナンスの活用による株式市場からの資金調達の必要性は見込まれない上、当社がこれまでに培ってきたコンテンツ事業者としての知名度や信用力に鑑みれば、非公開化により当社の事業に重大な悪影響を及ぼすことは考えにくいこと。
また、当社取締役会は、以下の点等を踏まえ、本件端数処理交付見込額及び本株式併合に係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であると判断いたしました。
・本件端数処理交付見込額である210円は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(ⅱ)算定に関する事項」に記載されているKPMG FASによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法、類似会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下、「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの上限値を上回る金額であること。
・本件端数処理交付見込額である210円は、本株式併合の公表日の前営業日である2025年5月12日のスタンダード市場における当社株式の終値159円に対して32.08%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアムの計算において同じです。)、2025年5月12日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値162円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して29.63%、過去3ヶ月間の終値単純平均値154円に対して36.36%、過去6ヶ月間の終値単純平均値148円に対して41.89%のプレミアムが加算されたものであるが、過去約6年(2019年6月28日以降)の間に実施された類似取引事例166件(株式非公開化を目的とした上場子会社への公開買付け(MBO又は支配株主による従属会社買収に該当するもの)及び公開買付けを前置しない現金対価での株式併合事例)におけるプレミアム分析によれば、類似取引事例のプレミアムの中央値は、公表日前日の終値に対して40.4%(小数点以下第二位を四捨五入しております。以下、類似取引事例のプレミアムの計算において同じです。)、同直近1ヶ月間の終値平均株価に対して41.7%、同直近3ヶ月間の終値平均株価に対して42.4%、同直近6ヶ月間の終値平均株価に対して43.2%であることが認められ、本件端数処理交付見込額のプレミアムは、過去の類似取引事例におけるプレミアムの水準に照らしてやや見劣りするものの、公表日前日の終値、直近1ヶ月間の終値平均株価、直近3ヶ月間の終値平均株価、直近6ヶ月間の終値平均株価のいずれについてもプレミアムの水準が30%台である事例が数多く存在することも踏まえれば、合理的との評価が可能である水準のプレミアムが付されていると考えていること。
・下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること。
・本件端数処理交付見込額及び本株式併合に係るその他の諸条件は、上記の措置が採られた上で、本特別委員会及びT&Co.の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で合意されたものであること。
・当社が本特別委員会から2025年5月12日付で取得した本答申書においても、本件端数処理交付見込額を含む本株式併合の取引条件は妥当であり、当社の少数株主の皆様にとって不利益なものではない旨判断されていること。
・本件端数処理交付見込額は、理論上の清算価値とされる当社の2024年12月31日時点の連結貸借対照表上の純資産の額から算出した1株当たり純資産額(255.30円)を下回っているものの、当社が保有する資産の売却等の困難性や清算に伴う相当な追加コストの発生等を考慮すると、実際の清算価値は理論上の清算価値よりも相当程度下回ることが見込まれること(なお、本特別委員会において、清算に伴う各種コスト等に関する見積りは取得しておらず、本件端数処理交付見込額と、実際の見積金額を積み上げて概算された想定清算コスト等を勘案して算出される清算価値との比較検討までは行っておりません。)、また、純資産額は、会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の株式価値の算定において重視することは合理的ではないと考えていること。
以上より、当社は2025年5月13日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社の取締役である塚本由紀氏を除いた取締役5名)の全員一致での賛同により、本株式併合を本定時株主総会に付議することを決議いたしました。なお、当社は、2024年11月7日に「連結業績予想の修正に関するお知らせ」を公表し、2025年3月期第2四半期(中間期)及び通期連結業績予想の下方修正(以下、「本業績予想修正」といいます。)を行っておりますが、本業績予想修正は、2024年12月上旬に当社がT&Co.から本株式併合の実施に向けた協議・交渉の申し入れを受ける前に、東京証券取引所の適時開示基準に基づいて開示したものであり、本株式併合に関連して、又は本株式併合を意図して行われたものではありません。
なお、当社の取締役のうち、塚本由紀氏は塚本氏の親族であるため、利益相反の疑いを回避する観点から、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において、本株式併合における取引関係者との間の本株式併合の取引条件等に関する協議・交渉にも一切参加しておりません。
④本株式併合後の経営方針
T&Co.によると、上記「②T&Co.による本株式併合の提案の経緯・目的」に記載の施策を推進するとのことですが、各施策については当社の担当部門と協議・調整の上、適切な時期に実施する予定とのことです。なお、T&Co.と当社の取締役との間では、本株式併合後の役員就任について何らの合意も行っておりませんが、本株式併合後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細については、本株式併合の効力発生後、当社と協議しながら決定していく予定とのことです。また、本株式併合後の当社の従業員については、原則として現在の処遇を維持することを予定しているとのことです。
2.本株式併合の割合
当社株式について、3,306,600株を1株に併合いたします。
3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
上記「1.株式併合の目的」の「(1)株式併合の概要」に記載のとおり、本株式併合により、当社の株主は残存株主らのみとなり、残存株主ら以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、1株未満の端数となる予定です。
当該1株未満の端数に相当する数の株式については、当社株式が2025年7月28日をもって上場廃止となり、市場株価のない株式となる予定であることから、競売によって買付人が現れる可能性が期待できないこと等を踏まえ、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項及び第4項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当社が買い取ることを予定しており、その買取りに係る代金を、1株未満の端数が生じた株主の皆様に対して交付する予定です。
この場合の買取価格につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、基準株式数に210円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。但し、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあり得ます。
(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等
(i)端数処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額の根拠及び理由
①親会社等がある場合における当該親会社等以外の当社の株主の利益を害さないように留意した事項
本株式併合が支配株主等との取引にあたる取引であり、構造的な利益相反の問題が存し得ることから、当社は、1株未満の端数が生じる場合の処理の方法並びに当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額の公正性の担保、本株式併合の実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除、及び利益相反の回避の観点から、本株式併合の公正性を担保し、当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.以外の株主の皆様の利益を害さないよう、下記「(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」記載の措置を講じております。
②端数処理の方法に関する事項
(a)会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」をご参照ください。
(b)売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者の氏名又は名称
株式会社インプレスホールディングス
(c)当該者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
当社は、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式(以下、「本端数相当株式」といいます。)の売却代金の支払のための資金に相当する額の現預金を有しております。また、当社において、本端数相当株式の売却代金の支払に影響を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識しておりません。
したがって、当社は、本端数相当株式の売却代金の支払のための資金を確保する方法については相当であると判断しております。
なお、当社は、本端数相当株式の売却代金の支払のための分配可能額を確保するため、資本金の額の減少(減資)を行うことを予定しております。資本金の額の減少(減資)の詳細につきましては、当社が2025年5月13日付で公表いたしました「資本金の額の減少(減資)に関するお知らせ」の内容をご参照ください。
(d)売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、2025年8月中旬を目途に、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項及び第4項の規定に基づき、裁判所に対して、本端数相当株式を当社が買い取ることについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当社は、当該裁判所の許可を得て、2025年8月下旬を目途に、本端数相当株式を買い取り、その後、当該売却により得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2025年10月頃を目途に、当該代金を株主の皆様に対して交付することを見込んでおります。
当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本端数相当株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主への交付が行われるものと判断しております。
③1株未満の端数が生じる場合の処理の方法並びに当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の
額及び当該額の相当性に関する事項
上記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」に記載のとおり、本件端数処理交付見込額は、210円となる予定です。
本件端数処理交付見込額については、上記「1.株式併合の目的」の「(2)本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針」の「③当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」に記載のとおり、以下の点等を踏まえ、当社の株主の皆様にとって妥当であると判断しております。
・本件端数処理交付見込額である210円は、下記「(ii)算定に関する事項」に記載されているKPMG FASによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法、類似会社比較法及びDCF法による算定結果のレンジの上限値を上回る金額であること。
・本件端数処理交付見込額である210円は、本株式併合の公表日の前営業日である2025年5月12日のスタンダード市場における当社株式の終値159円に対して32.08%、2025年5月12日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値162円に対して29.63%、過去3ヶ月間の終値単純平均値154円に対して36.36%、過去6ヶ月間の終値単純平均値148円に対して41.89%のプレミアムが加算されたものであるが、過去約6年(2019年6月28日以降)の間に実施された類似取引事例166件(非公開化を目的とした上場子会社への公開買付け(MBO又は支配株主による従属会社買収に該当するもの)及び公開買付けを前置しない現金対価での株式併合事例)におけるプレミアム分析によれば、類似取引事例のプレミアムの中央値は、公表日前日の終値に対して40.4%、同直近1ヶ月間の終値平均株価に対して41.7%、同直近3ヶ月間の終値平均株価に対して42.4%、同直近6ヶ月間の終値平均株価に対して43.2%であることが認められ、本件端数処理交付見込額のプレミアムは、過去の類似取引事例におけるプレミアムの水準に照らしてやや見劣りするものの、公表日前日の終値、直近1ヶ月間の終値平均株価、直近3ヶ月間の終値平均株価、直近6ヶ月間の終値平均株価のいずれについてもプレミアムの水準が30%台である事例が数多く存在することも踏まえれば、合理的との評価が可能である水準のプレミアムが付されていると考えていること。
・下記「(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること。
・本件端数処理交付見込額及び本株式併合に係るその他の諸条件は、上記の措置が採られた上で、本特別委員会及びT&Co.の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で合意されたものであること。
・当社が本特別委員会から2025年5月12日付で取得した本答申書においても、本件端数処理交付見込額を含む本株式併合の取引条件は妥当であり、当社の少数株主にとって不利益なものではない旨判断されていること。
・本件端数処理交付見込額は、理論上の清算価値とされる当社の2024年12月31日時点の連結貸借対照表上の純資産の額から算出した1株当たり純資産額(255.30円)を下回っているものの、当社が保有する資産の売却等の困難性や清算に伴う相当な追加コストの発生等を考慮すると、実際の清算価値は理論上の清算価値よりも相当程度下回ることが見込まれること(なお、本特別委員会において、清算に伴う各種コスト等に関する見積りは取得しておらず、本件端数処理交付見込額と、実際の見積金額を積み上げて概算された想定清算コスト等を勘案して算出される清算価値との比較検討までは行っておりません。)、また、純資産額は、会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の株式価値の算定において重視することは合理的ではないと考えていること。
以上のことから、当社は、本件端数処理交付見込額について、相当と判断しております。
④当社において最終事業年度の末日後に生じた重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況
に重要な影響を与える事象
当社は、2025年5月13日開催の取締役会において、2025年7月29日付で自己株式7,961,607株(2025年5月9日時点で当社が所有する自己株式の全部に相当)を消却することを決議いたしました。なお、当該自己株式の消却は、本定時株主総会において、本株式併合に関する議案が原案どおり承認可決されることを条件としております。
(ii)算定に関する事項
①算定機関の名称並びに当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.との関係
本特別委員会は、本株式併合に伴う本件端数処理交付見込額の決定に関する意思決定の過程における公正性を担保するため、当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.から独立した第三者算定機関であり、かつ関連当事者に該当しないKPMG FASに当社の株式価値の算定を依頼し、2025年5月12日付で、KPMG FASより当該算定結果に関する株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得いたしました。なお、本株式併合に係るKPMG FASの報酬は、本株式併合の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本株式併合の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
②算定の概要
KPMG FASは、当社株式がスタンダード市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較的類似する事業を手がける上場会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社の将来の事業活動の状況を評価に反映させる目的からDCF法を用いて、当社株式の株式価値の算定を行いました。上記各手法を用いて算定された当社株式1株当たりの価値の範囲は、以下のとおりです。
市場株価法: 148円から162円
類似会社比較法: 152円から180円
DCF法: 166円から208円
市場株価法では、基準日を2025年5月12日として、スタンダード市場における当社株式の基準日終値159円、直近1ヶ月間の終値単純平均値162円、直近3ヶ月間の終値単純平均値154円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値148円を基に、当社株式の1株当たりの価値を148円から162円までと算定しております。
類似会社比較法においては、当社に加えて、当社と比較的類似する事業を手がける上場会社として株式会社アルファポリス、スターツ出版株式会社、SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ株式会社、株式会社中央経済社ホールディングス、株式会社昭文社ホールディングス、株式会社ハルメクホールディングス、アイティメディア株式会社及び株式会社イードを選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて株式価値を評価し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を152円から180円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した2025年3月期から2030年3月期までの事業計画、当社の2024年12月末日における財務情報及び一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第4四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの価値を166円から208円までと算定しております。なお、割引率は8.6%から10.6%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用し、永久成長率は0.0%から2.0%として算定しております。KPMG FASがDCF法の算定の前提とした当社の事業計画に基づく財務予測(以下、「本財務予測」という。)は以下のとおりです。なお、当該事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年3月期(3ヶ月)は、2024年12月末が休日のため売掛金の回収がずれ込んだことによる受取手形、売掛金及び契約資産の増加を織り込んでいるため、フリー・キャッシュ・フローの増加を見込んでおります。2026年3月期は、不採算事業からの撤退と出版事業の収益力の改善により、黒字に転換する予想となっております。2027年3月期は、出版事業の構造改革やDtoC事業モデルの開発に伴うシステム開発投資等の新規開発投資を織り込んでいるため、フリー・キャッシュ・フローの減少を見込んでおります。2029年3月期は、上記新規開発投資等の効果が発現することによる増益を見込んでおります。
なお、本財務予測における2025年3月期の連結売上高の計画値(14,330百万円)は、対象者が 2025年2月12日付で開示した「2025年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」における2025年3月期の連結業績予想(連結売上高14,560百万円)と異なるものの、これは当社が本事業計画を作成するに際して、足元の事業進捗状況を反映させたことにより生じたものです。
また、本事業計画については、その内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会において質疑応答を行い、本特別委員会による確認を受けております。
本株式併合の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積ることが困難であるため以下の財務予測には加味しておりません。
(単位:百万円)
|
|
2025年 3月期(3ヶ月) |
2026年 3月期 |
2027年 3月期 |
2028年 3月期 |
2029年 3月期 |
2030年 3月期 |
|
売上高 |
3,556 |
14,400 |
14,770 |
15,120 |
15,290 |
15,450 |
|
営業利益 |
▲33 |
100 |
220 |
430 |
530 |
565 |
|
EBITDA |
96 |
385 |
586 |
792 |
882 |
917 |
|
フリー・ キャッシュ・フロー |
664 |
145 |
▲105 |
396 |
516 |
543 |
KPMG FASは、本特別委員会への株式価値算定書の提出に際して、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を使用し、それらの資料及び情報等が全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の財務予測については、当社の事業計画作成者により当該時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社の資産又は負債(偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、財務デュー・ディリジェンス、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。
また、KPMG FASは、本特別委員会からの依頼に基づき、本件端数処理交付見込額が、一定の条件(注)の下に、当社の株主にとって財務的な観点から見て公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)(以下、「本フェアネス・オピニオン」といいます。)を、2025年5月12日付で本特別委員会に対して提供しております。
(注)本フェアネス・オピニオンは、上記の市場株価法・類似会社比較法・DCF法による株式価値算定結果に照らして、本件端数処理交付見込額である1株当たり210円が、当社の株主にとって財務的な観点から見て公正であることを意見表明するものです。なお、上記のとおり、DCF法の算定の前提とした当社の事業計画に基づく財務予測において、本株式併合の実行により実現することが期待されるシナジー効果については加味されておりません。
KPMG FASは、本フェアネス・オピニオンにおける意見表明にあたり、公開されている情報及び当社より提供を受けた情報等を正確かつ完全なものとして採用しており、その正確性及び完全性につき独自の検証は行っておりません。また、KPMG FASは、当社の事業計画作成者がこれらの情報を重要な点で不正確又は誤解を招くものとする事実又は状況を認識していないことを前提としております。当社の事業計画については、当社の事業計画作成者によって現時点で入手可能な最善の見積り及び判断に基づき、合理的に準備、作成されていることを前提としております。KPMG FASは、当社の事業計画作成者が作成した事業計画の実現可能性について独自に検証は行わず、これらの事業計画に依拠しており、その内容及び基礎となる仮定に関して何らの意見を表明するものではありません。
本フェアネス・オピニオンにおける意見表明は、本フェアネス・オピニオンの日付までに入手可能な情報に基づいており、入手した情報を重大な誤りとする事実があった場合、又は今後の状況の変化により本フェアネス・オピニオンで表明される意見に影響を及ぼす可能性があります。KPMG FASは、当社の資産・負債(偶発債務を含む。)について独自に評価・鑑定を行っておりません。KPMG FASは、当社の資産又は施設の物理的検査を行う義務を負っておらず、また、破産手続、会社更生手続、民事再生手続、会社法の特別清算その他の倒産処理手続に適用される法律に基づいて当社の支払能力又は公正価値を評価しておりません。
本フェアネス・オピニオンの作成にあたってKPMG FASが当社に要求した情報のうち、当社から情報の提供又は開示を受けられず、その他の方法によってもKPMG FASが評価の基礎として使用できなかったものについては、KPMG FASは、当社の同意の下で、KPMG FASが合理的かつ適切と考える仮定を用いております。KPMG FASのかかる仮定が重要な点において事実と異なることが明らかになった場合に、それが当社の将来の財務状況にどのような影響を及ぼすかについて、KPMG FASは独自の検証を行っておりません。
KPMG FASは、本株式併合が重要な条件の変更を伴うことなく適時に完了すること、当社又は本株式併合で想定される利益に悪影響を与える可能性のある遅延、制限又は条件が課されずに必要な政府及び規制当局の承認又は同意を得ることができること、またかかる承認及び同意の内容が、本件端数処理交付見込額に影響を及ぼさないことを前提としており、独自の検証を行っておりません。また、当社は、本件端数処理交付見込額に重大な影響を及ぼす契約書、合意書その他の文書を過去に取り交わしておらず、また、将来も取り交わさないことを前提としております。KPMG FASは、当社より提供又は開示を受けた情報のほか、本件端数処理交付見込額に重大な影響を及ぼす偶発債務又は簿外債務は存在しないことを、当社に確認の上、前提としております。
本フェアネス・オピニオンは、本株式併合の承認の是非について、本特別委員会に対して助言することを意図するものではなく、また、かかる助言を構成するものでもありません。さらに、本フェアネス・オピニオンは、本株式併合について、当社が利用又は実行できる可能性のある他の戦略又は取引と比較した場合の相対的な利点、あるいは当社が本株式併合を実行又は継続するにあたっての基礎となる事業決定について、意見又は見解を表明するものではありません。また、本フェアネス・オピニオンは、本株式併合又はそれに関連する事項に関し、株主の議決権行使や行動について、いかなる意見や提言を表明するものでもありません。KPMG FASは、当社の株式が本株式併合完了前に取引される価格、又は取引されるべき価格に関して意見を表明するものではありません。
KPMG FASの意見は、本フェアネス・オピニオンの日付時点で有効な財務、経済、市場その他の条件、及びKPMG FASが入手可能な情報に基づいております。本フェアネス・オピニオンの日付以降に発生した事実は、本フェアネス・オピニオンの意見及びそれを準備する際に使用した仮定に影響を及ぼす場合がありますが、KPMG FASは本フェアネス・オピニオンを更新、改訂又は再確認する義務を負わないものとします。
(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
塚本氏はT&Co.と合計して当社株式16,763,200株(所有割合:57.00%)を所有する当社の支配株主であり、本株式併合においては、その構造上、当社の少数株主との間で利益相反の問題が生じる可能性があることから、本株式併合に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社の取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、以下の措置を講じております。なお、本株式併合においては、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の条件を設定しておりませんが、当社としては、以下の措置を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
①独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
上記「(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(ⅱ)算定に関する事項」に記載のとおり、本特別委員会は、本株式併合に関する意思決定の過程における公正性を担保するため、当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.から独立した第三者算定機関として独自に起用したKPMG FASから株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得しています。当該株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの概要については、上記「(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(ⅱ)算定に関する事項」の「②算定の概要」をご参照ください。
なお、KPMG FASは、当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.の関連当事者には該当せず、本株式併合に関して記載すべき重要な利害関係を有していません。また、本株式併合に係るKPMG FASの報酬は、本株式併合の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本株式併合の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
②当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本株式併合に係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、同事務所から、本株式併合に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、TMI総合法律事務所は、当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.の関連当事者には該当せず、本株式併合に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、本株式併合に係るTMI総合法律事務所の報酬は、本株式併合の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本株式併合の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
③当社における特別委員会の設置
当社は、本株式併合に係る意思決定に慎重を期し、また、当社の取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2025年3月18日、当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.から独立した、外部の有識者を含む委員によって構成される本特別委員会(本特別委員会の委員としては、当社の独立役員であり社外取締役である白石徹氏、当社の独立役員であり社外監査役である松本伸也氏(弁護士 丸の内総合法律事務所)及び九里和男氏(税理士 九里和男税理士事務所)並びに岡裕信氏(税理士 岡税理士事務所)を選定しております。)を設置しました。なお、当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.からの独立性を考慮した上で、白石徹氏は、当社の社外取締役であり、当社の事業に一定の知見を有していること、松本伸也氏及び九里和男氏は、当社の社外監査役であり、当社の事業に一定の知見を有しており、松本伸也氏は弁護士資格、九里和男氏は税理士資格を有していることから、特別委員会の委員として当社の事業に知見を持ちつつ、分野の専門性を活かして適切に諮問事項の検討等を行うことが可能であると判断し、岡裕信氏は税理士としての専門性に加え同種の案件の特別委員会の委員としての経験を有しており、特別委員会の委員として適切であると判断しました。なお、当社の独立社外取締役である藤倉尚氏につきましては、当初は特別委員会の委員として選任予定でありましたが、本業との兼ね合いで特別委員会への出席がかなわないことも多くなると見込まれるため、特別委員会において必要かつ十分な検討を行う時間を確保すべく自らは辞退したい旨のご意向を頂戴し、応諾いたしました。また、当社は、当初からこの4名を本特別委員会の委員として選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。さらに、本特別委員会の委員の報酬は、答申内容にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本株式併合の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていません。なお、当社取締役会は、本株式併合に関する決定を行うに際して本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本株式併合について妥当でないと判断した場合には、本株式併合を行う旨の意思決定を行わないことを併せて決議しました。また、当社取締役会は、本特別委員会に対し、(i)当社の費用負担の下、本株式併合に係る調査を行うことができる権限、(ii)本特別委員会自ら残存株主ら及びその他の取引関係者と協議・交渉する権限、(iii)当社の費用負担の下、本特別委員会独自の弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを選任することができる権限、及び(iv)本株式併合に係る当社のアドバイザーを指名し、又は変更を求めることができるほか、当社のアドバイザーに対して必要な指示を行うことができる権限等を与えることを決定しました。
そして、当社は、本特別委員会に対し、(a)本株式併合の目的の合理性(本株式併合が当社企業価値の向上に資するかを含む。)に関する事項、(b)本株式併合の取引条件の妥当性(本株式併合の実施方法や対価の妥当性を含む。)に関する事項、(c)本株式併合の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)に関する事項、(d)上記(a)乃至(c)その他の事項を踏まえ、当社取締役会が本株式併合の実施を決定することが少数株主に不利益か否か(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)の検討を行い、これらの点についての答申を当社取締役会に提出することを2025年3月18日に委嘱しました。
これを受けて、本特別委員会は、2025年3月18日開催の初回の本特別委員会において、TMI総合法律事務所について、その専門性及び独立性に問題がないことを確認の上、本株式併合に関する当社のリーガル・アドバイザーとして承認するとともに、本特別委員会としてもTMI総合法律事務所から必要な助言を受けることができることを確認しました。また、本特別委員会は、本株式併合の是非及び条件の妥当性を検討するに当たり、その透明性・合理性を確保するため、当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.から独立し、かつ関連当事者に該当しないKPMG FASを本特別委員会の第三者算定機関に選任しました。
本特別委員会は、2025年3月18日より2025年5月12日まで合計10回開催され、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行いました。具体的には、T&Co.から本株式併合を提案するに至った経緯及び理由、本株式併合の目的、本株式併合により実現が期待される効果、本株式併合の諸条件等に関する説明を受け、質疑応答を行うとともに、当社に対して、T&Co.の説明についての考え方に関する見解を聴取しました。さらに、本株式併合における本件端数処理交付見込額の評価を行うに当たり、その公正性を担保すべく、自ら、当社並びに当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.から独立した第三者算定機関であり、かつ関連当事者に該当しないKPMG FASに当社の株式価値の算定を依頼し、2025年5月12日付で、KPMG FASより当該算定結果に関する株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得するとともに、KPMG FASから当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関して、質疑応答を行いました。また、本特別委員会は、事業計画作成者に対して、事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受け、質疑応答を行った上で、事業計画に一定の合理性があることを確認し、当該事業計画を承認しました。これらの内容を踏まえ、本特別委員会は、KPMG FASの算定結果を参考に、かつTMI総合法律事務所と議論を重ね、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行いました。また、本特別委員会は、当社の支配株主である塚本氏及びT&Co.との間で本件端数処理交付見込額を含む本株式併合の諸条件について交渉を実施し、その結果についても本諮問事項の協議・検討において踏まえております。
本特別委員会は、このように本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2025年5月12日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しました。
(a)本株式併合の目的の合理性(本株式併合が当社企業価値の向上に資するかを含む。)に関する事項
(ア)本株式併合の目的等
本本特別委員会は、上記「1.株式併合の目的」の「(2)本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針」の「①本株式併合の背景等」、「②T&Co.による本株式併合の提案の経緯・目的」及び「③当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」に記載の事項の具体的な内容の及びこれらを踏まえた本株式併合による当社株式の非公開化の是非等について、本特別委員会は、T&Co.及び当社との質疑応答を行い、その合理性を検証したところ、以下のとおり判断するに至った。
上記「1.株式併合の目的」の「(2)本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針」の「①本株式併合の背景等」、「②T&Co.による本株式併合の提案の経緯・目的」及び「③当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」のとおり、出版業界の市場規模の縮小傾向及び高コスト化等による当社が置かれた厳しい事業環境を踏まえ、当社は取り組むべき諸施策を迅速果断に推進していく必要があることについては、T&Co.及び当社経営陣の考えは一致している。また、諸施策の実施にあたっては、当社の業績悪化リスクを当社の株主の皆様に負担させることにつながりかねないとT&Co.が懸念を表明しているように、当社が諸施策を遂行していく過程においては投資が先行することになり、一時的な業績悪化は不可避と考えられ、短期的な利益を求める傾向にある少数株主の理解を得られず、迅速果断な経営の意思決定の妨げになるとの懸念も強ち不合理とは認められない。また、KPMG FASから取得した株式価値算定書によれば、当社が作成した中期経営計画を前提とした当社株式の本源的価値を示すDCF法による株式価値の算定結果は、その算定レンジの最高値でさえ、2024年12月31日時点の連結貸借対照表上の純資産の額から算出した当社の1株当たり純資産額(255.30円)を下回っており、当社株式の上場維持を前提とした場合、株式市場の期待に十分に応えることができる成長戦略を示すことができるかは評価の分かれるところである。加えて、当社株式の上場維持コストは、当社の利益水準を踏まえると相応の負担になっていると考えられ、当社株式の非公開化により、これを削減して経営資源の有効活用を図ることのメリットは小さくない。これらを踏まえると、本株式併合は、当社の少数株主の利益を配慮しつつ、残存株主らが当社の全ての経営責任(経済的負担を含む。)を負って迅速に事業構造改革に取り組むための取引と認められることから、一定の合理性があるものと認められる。
また、一般論として、株式の非公開化を行った場合には、上場会社として享受してきた知名度や信用力に影響を及ぼす可能性が考えられるものの、当社がこれまでに培ってきたコンテンツ事業者としての知名度や信用力に鑑みれば、非公開化により当社の取引先との関係に重大な悪影響を及ぼすことは考えにくく、また、当社の従業員のモチベーションの低下や人材採用への悪影響を招くことも想定しにくい。
(イ)小括
以上を踏まえ、本特別委員会において慎重に協議及び検討した結果、本株式併合の目的は合理的であると判断するに至った。
(b)本株式併合の取引条件の妥当性(本株式併合の実施方法や対価の妥当性を含む。)に関する事項について
(ア)本株式併合の実施方法
本株式併合は、通常の株式非公開化案件において一般的に行われるような公開買付けを前置せずに実施されるものであるところ、残存株主らが当社の総議決権の57.00%を保有しており、当社の過去の株主総会における議決権行使状況を踏まえると、株主総会における本株式併合に係る議案について否決される可能性は低い。また、仮に公開買付けを前置する場合には、公開買付代理人への報酬を含む公開買付けに係るアドバイザー費用等が発生するところ、本株式併合ではこれらのコストを削減することが可能であり、その削減分は、残存株主らが本件端数処理交付見込額の引上げの要請に応じる可能性を高めることに寄与するとも考えられる上、公開買付けを前置する場合には、公開買付期間を含む追加的な時間が必要になるところ、公開買付けを前置しない場合にはこれらが不要となり、より短期間で当社株式の非公開化が可能となると見込まれる。以上を踏まえると、公開買付けを前置せずに本株式併合を実施することにも合理性があると認められる。
(イ)KPMG FASから取得した株式価値算定書及びフェアネス・オピニオン
本特別委員会が、当社及び残存株主らから独立した第三者算定機関であるKPMG FASから取得した株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると148円から162円、類似会社比較法によると152円から180円、DCF法によると166円から208円とされているところ、本件端数処理交付見込額である210円は、市場株価法、類似会社比較法及びDCF法による算定結果のレンジの上限値をいずれも上回るものである。
そして、本特別委員会は、KPMG FASから株式価値評価に用いられた算定方法等について、詳細な説明を受けるとともに、質疑応答を行った上で検討した結果、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。
また、本件端数処理交付見込額である210円は、当社株式の2025年5月12日の東京証券取引所スタンダード市場における終値159円に対して32.08%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値162円に対して29.63%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値154円に対して36.36%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値148円に対して41.89%のプレミアムをそれぞれ加えた金額である。本特別委員会がKPMG FASから提供を受けた過去約6年(2019年6月28日以降)の間に実施された類似取引事例166件(株式非公開化を目的とした上場子会社への公開買付け(MBO又は支配株主による従属会社買収に該当するもの)及び公開買付けを前置しない現金対価での株式併合事例)におけるプレミアム分析によれば、類似取引事例のプレミアムの中央値は、公表日前日の終値に対して40.4%、同直近1ヶ月間の終値平均株価に対して41.7%、同直近3ヶ月間の終値平均株価に対して42.4%、同直近6ヶ月間の終値平均株価に対して43.2%であることが認められ、本件端数処理交付見込額のプレミアムは、過去の類似取引事例におけるプレミアムの水準に照らしてやや見劣りするものの、公表日前日の終値、直近1ヶ月間の終値平均株価、直近3ヶ月間の終値平均株価、直近6ヶ月間の終値平均株価のいずれについてもプレミアムの水準が30%台である事例が数多く存在することも踏まえれば、合理的との評価が可能である水準のプレミアムが付されていると認められる。
なお、本件端数処理交付見込額は、理論上の清算価値とされる当社の2024年12月31日時点の連結貸借対照表上の純資産の額から算出した1株当たり純資産額(255.30円)を下回っている。本特別委員会において、清算に伴う各種コスト等に関する見積りは取得しておらず、本件端数処理交付見込額と、実際の見積金額を積み上げて概算された想定清算コスト等を勘案して算出される清算価値との比較検討までは行っていないものの、当社が保有する資産の売却等の困難性や清算に伴う相当な追加コストの発生等を考慮すると、実際の清算価値は理論上の清算価値よりも相当程度下回ることが見込まれ、また、継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)に基づくと、当社の株式価値の算定において1株当たり純資産額を重視することは必ずしも合理的ではないと考えられる。
そして、本特別委員会がKPMG FASから取得したフェアネス・オピニオンによれば、本件端数処理交付見込額は当社の株主にとって財務的な観点から見て公正であるとされている。
このように、本特別委員会は、当社及び残存株主らから独立した第三者算定機関であるKPMG FASから株式価値算定書を取得し、さらにはフェアネス・オピニオンを取得して、本件端数処理交付見込額の公正性に関して第三者の意見を求め、本株式併合の実施にあたって、少数株主等の利益保護のために慎重な検討を行っている。
(ウ)事業計画の合理性
KPMGFASは、DCF法による算定の基礎としたフリー・キャッシュ・フローの算出において、当社作成の5期分の将来事業計画(2026年3月期~2030年3月期)(以下、「本事業計画」という。)を基礎としている。そのため、当該算定結果が合理性を有すると本特別委員会が認めるためには、算定の基礎とした本事業計画が適切に作成されていることが重要であるところ、当社によれば、本事業計画は、本株式併合を前提として策定されたものではなく、また、具体的な計画数値の設定過程において残存株主らによる関与はないとのことである。以上を踏まえて検討すると、まず、本事業計画の策定過程において残存株主らからの不当な関与は認められず、当社における検討の残存株主らからの独立性に疑念を生じさせるような事情は特段見受けられない。さらに、①足元の事業環境に関する当社の説明内容に特段不合理な点は認められないこと、②本事業計画の策定過程や主要な前提条件に係る当社の説明に照らし、本株式併合を念頭に恣意的に計画値を設定したという事実も見受けられないこと、③具体的な計画値として、売上高と営業利益の双方について将来的な成長が見込まれていること等を総合的に考慮すると、本事業計画の内容は、当社の少数株主の利益保護の観点から不合理な点は認められない。以上の検討の結果、本特別委員会として、本事業計画をDCF法の算定の基礎として用いることは是認できると判断した。
(エ)交渉過程の手続の公正性
下記「(c)本株式併合の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)に関する事項」に記載のとおり、本株式併合に係る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本件端数処理交付見込額は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであると認められる。
(オ)対価の種類
本株式併合により当社の株主に交付される対価は金銭とされているところ、残存株主らが塚本氏及び非上場会社であるT&Co.であることを踏まえると、たとえばT&Co.の株式を対価とすることはその流動性の観点より適切ではなく、金銭を対価とすることは妥当と認められる。
(カ)小括
以上を踏まえ、本特別委員会において慎重に協議及び検討した結果、本株式併合の取引条件は妥当であると判断するに至った。
(c)本株式併合の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)に関する事項
(ア)本特別委員会の設置
当社は、2025年3月18日開催の取締役会の決議に基づき、塚本氏はT&Co.と合計して当社株式16,763,200株(所有割合:57.00%)を所有する支配株主であることを踏まえ、本株式併合の是非につき審議及び決議を行うに先立ち、本株式併合に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社の取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、本特別委員会を設置している。
また、当社は、本株式併合に関する決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本株式併合について妥当でないと判断した場合には、本株式併合を行う旨の意思決定を行わないこととするとともに、残存株主ら及び本株式併合におけるその他の取引関係者との間で本株式併合の取引条件等に関する協議・交渉を行う権限を特別委員会に付与している。
なお、本特別委員会の委員は、設置当初から変更されていない。
(イ)当社及び本特別委員会による検討体制
当社が本株式併合について検討するにあたっては、当社及び残存株主らから独立したリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から助言・意見等を得ながら、当社の企業価値向上ひいては株主共同の利益の観点から、本件端数処理交付見込額をはじめとする本株式併合の取引条件の妥当性及び本株式併合の手続の公正性といった点について慎重に検討及び協議を行っている。
本特別委員会は、TMI総合法律事務所の専門性及び独立性に問題がないことを確認し、当社のリーガル・アドバイザーとして承認し、本特別委員会としてもTMI総合法律事務所から必要な助言を受けた。
また、本特別委員会は、当社から付与された権限に基づき、当社及び残存株主らから独立した第三者算定機関であるKPMG FASを本特別委員会の第三者算定機関に選任している。
なお、TMI総合法律事務所及びKPMG FASに対する報酬には、本株式併合の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていない。
(ウ)本特別委員会による協議・交渉
本特別委員会は、本件端数処理交付見込額について、少数株主の利益保護の観点からその公正性を確保するための実質的な協議・交渉をT&Co.との間で複数回にわたって行っている。
そして、その交渉の結果として、当社株式1株当たり210円という本件端数処理交付見込額の決定に至るまでには、当社株式1株当たり180円とするT&Co.の当初の提案より、30円の価格引上げを引き出している。
(エ)本株式併合の交渉過程及び意思決定過程における特別利害関係人の不関与
本株式併合の取引条件の協議・交渉は、上記「(ウ)本特別委員会による協議・交渉」に記載のとおり、本特別委員会が自ら行うこととした。
また、当社の取締役である塚本由紀氏は塚本氏の親族であるため、利益相反の疑いを回避する観点から、当社の立場において、本株式併合における取引関係者との間の本株式併合の取引条件等に関する協議・交渉には一切参加しておらず、本株式併合の実施を決議する取締役会の審議及び議決にも参加しないことが予定されている。
その他、本株式併合に係る協議、検討及び交渉の過程で、残存株主らその他の本株式併合に特別な利害関係を有する者が当社側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められない。
(オ)マジョリティ・オブ・マイノリティに相当する条件
本株式併合においては、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に相当する条件の設定(例えば、残存株主らと重要な利害関係を共通にしない少数株主が有する議決権総数の過半数が本株式併合に係る議案に賛成する又は反対しないことを本株式併合の実施の前提条件とすること)は予定されていない。この点について、かかる条件を設定することが当社の少数株主の利益に資すると考える余地はあるものの、2019年6月28日付で経済産業省が策定した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」では、既に買収者(本株式併合では残存株主ら)の保有する対象会社の株式の保有割合が高い場合等においては、マジョリティ・オブ・マイノリティに相当する条件を設定することが、企業価値の向上に資するM&Aの成立を阻害してしまうおそれ等があるとの懸念もあるところ、常にかかる条件を設定することが望ましいとまでいうことは困難であるとされている。
この点、本特別委員会としては、①残存株主らが当社の総議決権の57.00%をすでに保有しており、このような状況においてマジョリティ・オブ・マイノリティに相当する条件を設定した場合には、上記の懸念が一定程度当てはまると考えられること、②マジョリティ・オブ・マイノリティに相当する条件を設定することにより、かえって本株式併合に賛成した少数株主の利益を害する可能性があること、③上記(ア)乃至(エ)のほかの公正性担保措置の実施状況に照らせば、本株式併合に係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性は確保されていると評価できること等を総合的に考慮すると、本株式併合において、マジョリティ・オブ・マイノリティに相当する条件が設定されていなくとも、本株式併合の手続の公正性は確保されていると判断した。
(カ)小括
以上を踏まえ、本特別委員会において慎重に協議及び検討した結果、本株式併合においては適切な公正性担保措置が講じられており、本株式併合に係る手続は公正であると判断するに至った。
(d)当社取締役会が本株式併合の実施を決定することが少数株主に不利益か否か
上記(a)乃至(c)の検討内容のほか、少数株主の利益を害するおそれがある特段の事情は認められないことを踏まえ慎重に検討した結果、当社取締役会が本株式併合の実施を決定することは当社の少数株主にとって不利益ではないと判断するに至った。
④当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、リーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から受けた法的助言、及び本特別委員会が独自に選任した第三者算定機関であるKPMG FASから本特別委員会に提出された株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本株式併合により当社の企業価値の向上を図ることができるか、及び本件端数処理交付見込額その他の条件は妥当なものか否か等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、上記「1.株式併合の目的」の「(2)本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針」の「③当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」に記載のとおり、当社取締役会は、本株式併合について、(ⅰ)本株式併合により当社の株主を残存株主らのみとし、当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断するとともに、(ⅱ)本件端数処理交付見込額及び本株式併合に係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であると判断し、2025年5月13日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社の取締役である塚本由紀氏を除いた取締役5名)の全員一致で、本定時株主総会に本株式併合を付議する旨を決議いたしました。
なお、当社の取締役のうち、塚本由紀氏は塚本氏の親族であるため、利益相反の疑いを回避する観点から、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において、本株式併合における取引関係者との間の本株式併合の取引条件等に関する協議・交渉にも一切参加しておりません。
また、上記取締役会においては、当社の監査役3名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べております。
4.本株式併合の効力が生ずる日
2025年7月30日
以 上