当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、景気が緩やかに回復しているものの、米国の通商政策等による不透明感がみられる状況となっております。
当社グループを取り巻く環境におきましては、超高齢社会の到来に伴い介護費、介護保険サービス利用者数及びサービス提供事業者数は増加し、介護事業全体の底上げが続いております。2024年度の介護保険制度改正では、医療・介護をつなぐ地域包括ケアシステムの更なる深化・推進やLIFEを活用した科学的介護に加え、リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の一体的取組等による自立支援・重度化防止など、医療・介護の連携と介護事業の効率化がより一層求められる一方で、介護職員の処遇改善や生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり(医療DX、介護DXに関わる加算)など、介護事業の持続可能性もあわせて求められる改正となっております。
このような状況のもと、当社グループは、医療・介護をつなぐ地域包括ケアを実現するシステムを提供していることから、各省庁との共同プロジェクトに参加し、国の政策と同じ方向性をもつシステム開発会社となるよう努めるとともに、介護保険制度改正に対応する準備を整え、継続して適時にシステム改修を行い、システム利用者の負担軽減により、ユーザーの利便性の向上を図っております。総務省の「IoTサービス創出支援事業」の実証実験を通じて「カナミッククラウドサービス」を基軸とした介護における各種データの活用連携を進めるとともに、「東京都多職種連携ポータルサイト」を通じて、従来の市区町村に比べてより広範囲な都道府県単位での在宅療養推進体制に寄与するなど、当社グループの「カナミッククラウドサービス」で培った医療・介護連携のノウハウが地域の医療・介護連携に貢献しております。それらの高齢者支援事業とあわせ、多世代包括ケアの実現に向けた取組として「子育て支援システム」を通じて自治体の子育て支援事業の効率運用に寄与しております。
また、今後の事業規模拡大を目的として、シンガポールのITコンサルティング企業であるTHE WORLD MANAGEMENT PTE LTD の全株式を2024年11月29日付で取得し当社の完全子会社といたしました。THE WORLD MANAGEMENT PTE LTDはシンガポール国内の多くの企業に対し、主に、販売管理や在庫管理、会計管理などのバックエンドシステムの導入コンサルティングとメンテナンスサービスを提供しております。同社のバックエンドシステムと、当社グループが保有するフロントエンドシステムの開発力を組み合わせることで、同社の顧客をはじめとするシンガポールの企業に、総合的なITシステムを提供することが可能となります。また、同社は当社グループのヘルスケア・ヘルステック企業としての更なる付加価値の高いサービスを提供する上で大きな推進力になると判断しており、当社グループ成長戦略『カナミックビジョン2030』の「Phase4:海外展開」への本格的な着手として、シンガポールを拠点にASEAN諸国への展開も見込んでおります。今後も当社グループの事業規模拡大のため、新たなM&A候補先の選定や新規事業の展開等を進めてまいります。
さらに、当社グループのシステムがプラットフォーム化に対応していくことに伴い、取得される患者・要介護者等の情報をビッグデータとして解析し、国や自治体、保険会社等が必要としているエビデンスを見つけ出すAIサービス等の展開を通じて医療・介護分野における地域連携をさらに推進させ、患者・要介護者、全ての医療・介護事業者にソリューションを提供するための研究活動も実施しております。
これらの結果、当中間連結会計期間における業績は、売上高2,661,188千円(前年同期比214,821千円増、8.8%増)、営業利益764,704千円(前年同期比95,712千円増、14.3%増)、経常利益764,435千円(前年同期比89,152千円増、13.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益518,485千円(前年同期比60,414千円増、13.2%増)となりました。
セグメント毎の経営成績は次のとおりであります。
(医療・介護クラウドプラットフォーム事業)
当セグメントのサービスごとの売上高は次のとおりであります。
ⅰ カナミッククラウドサービス
本サービスにつきましては、ストックビジネスをメインとしており、既存顧客のストック部分をベースに、継続的な新規顧客の獲得を続けた結果、売上高は1,490,666千円(前年同期比215,270千円増、16.9%増)となりました。
ⅱ プラットフォームサービス
本サービスにつきましては、大手介護事業者からの依頼によるホームページ構築業務や公益財団法人介護労働安定センターを通じた介護事業社向けホームページの受託制作、運営・管理が安定した収益基盤となっており、また介護関連情報を提供するインターネット広告サービスや介護業界における人材マッチングサービスなどが好調に推移した結果、売上高は222,720千円(前年同期比10,057千円増、4.7%増)となりました。
ⅲ その他サービス
本サービスにつきましては、大口顧客向けカスタマイズ開発の受託などにより、売上高は67,296千円(前年同期比3,132千円増、4.9%増)となりました。
これらの結果セグメント売上高は1,780,683千円(前年同期比228,460千円増、14.7%増)、プラットフォームサービスの人件費等の売上原価や販売費及び一般管理費が増加したことによりセグメント利益は737,027千円(前年同期比95,643千円増、14.9%増)となりました。
(健康寿命延伸事業)
当セグメントのサービスごとの売上高は次のとおりであります。
ⅰ 健康寿命延伸サービス
本サービスにつきましては、24 時間営業のフィットネスジムの運営・フランチャイズ展開、及びそれらリアル店舗を通じた健康寿命延伸に資するサービスの提供をしており、直営店においては既存店舗の利用者が順調に増加するとともに新規出店による店舗と利用者が増加した一方、一部のフランチャイズ加盟先において新規出店時期が遅れた影響により、売上高は550,555千円(前年同期比62,233千円減、10.2%減)となりました。
当セグメントは上記の1サービスのみであり、セグメントの売上高は健康寿命延伸サービスの売上高と同額となります。また、将来の事業規模拡大を目的とした新規出店及び本部人員の増加等により一時的なコストが増加した一方で店舗運営のDX化など店舗運営費の削減に努めた結果、セグメント利益は57,298千円(前年同期比42,602千円増、289.9%増)となりました。
(ソリューション開発事業)
当セグメントのサービスごとの売上高は次のとおりであります。
ⅰ ソリューションサービス
本サービスにつきましては、Ruby言語を用いたWebサービス企画・開発に関するサービスに加え、当中間連結会計期間より連結の範囲に含めておりますTHE WORLD MANAGEMENT PTE LTDの販売管理や在庫管理、会計管理などのバックエンドシステムの導入コンサルティングとメンテナンスサービスを提供しており、Webサービス企画・開発や導入コンサルティングとメンテナンスサービスが堅調に推移する一方、当社グループ内でのエンジニア配置を見直した結果、売上高は329,949千円(前年同期比48,595千円増、17.3%増)となりました。
当セグメントは上記の1サービスのみであり、ソリューションサービスの売上高から売上原価や販売費及び一般管理費を差引いたセグメント利益は44,261千円(前年同期比10,283千円増、30.3%増)となりました。
(利益の概況)
売上高が増加する一方で、当中間連結会計期間より連結の範囲に含めたTHE WORLD MANAGEMENT PTE LTDの売上原価が計上されたことにより、売上原価も前年同期に比べ1,495千円増加し955,099千円となりました。この結果、売上総利益は1,706,089千円(前年同期比213,326千円増、14.3%増)となりました。また、当中間連結会計期間より連結の範囲に含めたTHE WORLD MANAGEMENT PTE LTDの業績を連結し当該企業の販売費及び一般管理費が加わったことにより、販売費及び一般管理費が前年同期に比べ117,613千円増加し941,385千円となりました。この結果、営業利益は764,704千円(前年同期比95,712千円増、14.3%増)となりました。
営業外収益は前年同期に比べ5,228千円減少し9,612千円となり、営業外費用は固定資産除却損が発生したこと等により前年同期に比べ1,330千円増加し9,881千円となりました。この結果、経常利益は764,435千円(前年同期比89,152千円増、13.2%増)となりました。特別利益及び特別損失の計上はございません。
これらの結果、税金等調整前中間純利益は764,435千円(前年同期比80,440千円増、11.8%増)、法人税等合計が前年同期に比べ20,026千円増加し245,950千円となり、親会社株主に帰属する中間純利益は518,485千円(前年同期比60,414千円増、13.2%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ18,580千円減少し、6,156,984千円となりました。これは主に、フィットネスジムの新規店舗開設等により有形固定資産が40,572千円、THE WORLD MANAGEMENT PTE LTD買収に伴いのれんが375,924千円それぞれ増加する一方で、THE WORLD MANAGEMENT PTE LTD買収による支出、法人税及び配当金の支払や借入金返済により現金及び預金が482,685千円減少したことによるものであります。
当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ238,041千円減少し、2,102,709千円となりました。これは主に、返済により借入金が142,434千円、当中間連結会計期間に属する収益を認識したことにより契約負債が25,157千円それぞれ減少したことによるものであります。
当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ219,461千円増加し、4,054,275千円となりました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益により518,485千円増加する一方で、配当金の支払により308,472千円減少したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,947,365千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は551,497千円(前年同期は、438,481千円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前中間純利益764,435千円、非資金項目である減価償却費162,051千円であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少額56,589千円、契約負債の減少額82,166千円、法人税等の支払額240,313千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は538,822千円(前年同期は、194,314千円の使用)となりました。支出の主な内訳は、当中間連結会計期間より新たに連結子会社となりましたTHE WORLD MANAGEMENT PTE LTDの取得に伴う支出355,141千円、株式会社アーバンフィットの新規店舗開設に伴う有形固定資産の取得による支出67,703千円、カナミッククラウドサービスの新機能追加に伴う無形固定資産の取得による支出103,757千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は486,194千円(前年同期は、433,673千円の使用)となりました。支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出142,434千円、配当金の支払額308,472千円であります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当社グループは、在宅医療・看護・介護・ヘルスケア分野の連携を実現する情報ネットワーク基盤の強化を目的として研究開発を行っております。
なお、上記研究開発活動に伴う研究開発費は前連結会計年度以前の支出時に全額費用計上しているため、当中間連結会計期間における研究開発費は計上しておりません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。