第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年10月1日から2025年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用環境や所得環境には改善がみられ、景気は緩やかに回復いたしました。一方、海外におきましては、ウクライナや中東等を巡る地政学的な要因による資源価格の変動や中国経済の先行き懸念、アメリカの相互関税政策などを起因とする世界的な通商政策の不確実性の高まりからくる金融市場の不安定化など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 

当社グループは、原子力・火力発電所用バルブの製造・メンテナンスを主としたバルブ事業を中核に鋳鋼製品の製造事業や、原子力発電所(以下、「原発」)における設備の保守や電気設備工事などを展開しております。

バルブ事業の中核である原発向けビジネスは、東日本大震災の津波による東京電力福島第一原発事故以降厳しい状況にありましたが、地球温暖化問題から、世界規模でグリーン・トランスフォーメーション実現に向けた取り組みが進む中、国内では2025年2月に第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました。その計画の中では2040年度のエネルギー需給見通しにおける電源構成において、原子力は2割程度とされ、安全性の確保を大前提に必要な規模を持続的に活用していく旨が明記され、核燃料サイクル・廃炉・最終処分といったバックエンドプロセスの加速化を進めること、次世代革新炉の研究開発等を進めることなどが記載されております。

このような環境の中、当社グループでは中期経営計画2023に基づく事業戦略推進の一環として、2024年11月8日のプレスリリースで開示いたしましたとおり、若狭地区におけるバルブ事業の継続と更なる発展、原発の廃止措置から生ずるクリアランス金属のリサイクルを主とするリファインメタル事業の推進などを目的とした製造拠点を新設するため2024年12月に福井県おおい町の土地を取得し、安全弁事業で使用する第1工場の2026年12月の竣工を目指しプロジェクトチームを組成し着工に向けた取り組みを進めております。リファインメタル事業で使用する第2工場の建設につきましても引き続き検討を行います。また、2025年3月7日のプレスリリースで開示いたしましたとおり、BCP対策並びに工場機能の充実及び研究開発機能の強化を目的として、神戸市よりポートアイランドの土地を取得することを決定いたしました。当社グループとしましては、今後も中長期での持続的成長を図り、企業価値の一層の向上を図ってまいります。

 

このような中、当中間連結会計期間におきましては、主要な事業であるバルブ事業においては、関西電力高浜原発及び大飯原発、四国電力伊方原発や九州電力川内原発において定期検査工事が完了し売上が計上されたほか、海外顧客向けに製品の売上も計上されましたが、バルブ事業の工事に係る売上が好調だった前年同期には及ばず、全体の売上高は47億25百万円(前年同期比13.2%減)となりました。

採算面では、前年同期に比しバルブ事業で大幅な減収となったこと、受注損失引当金の繰入が生じたことなどから、営業利益は1億91百万円(前年同期比74.1%減)、経常利益は2億67百万円(同66.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は1億80百万円(同66.6%減)となりました。

 

報告セグメント別では、バルブ事業は、前述の定期検査工事や海外顧客向けの製品案件が売上計上されましたが、前年同期の売上には及ばず、売上高は29億67百万円(前年同期比22.1%減)となり、セグメント利益は、大幅な減収に伴う利益の減少や受注損失引当金の繰入などから、3億82百万円(同64.8%減)となり、前年同期に比し減益となりました。

製鋼事業は、前年同期に比し、主要な顧客への売上が好調に推移したほか、前連結会計年度に受注した水処理設備に関する事業を営む顧客への売上が計上された結果、売上高は7億30百万円(前年同期比19.4%増)となり、セグメント利益は、電力単価の上昇等はあったものの、前年同期に比し増収となったことにより、2百万円の赤字(前年同期は1億21百万円の赤字)となり、赤字幅は大幅に縮小いたしました。

電気設備関連事業は、地方公共団体に対する電気工事に係る売上などが計上されたものの、前年同期の売上には僅かに及ばず、売上高は9億57百万円(前年同期比0.8%減)となり、セグメント利益は、遠方での請負工事の減少に伴う旅費交通費の減少などがあったものの、受注損失引当金の戻入額の減少などから2億11百万円(同17.2%減)となり、前年同期に比し減益となりました。

 

表:報告セグメント内の種類別売上高

  報告セグメント

種類別の売上高

前中間

連結会計期間
(百万円)

当中間

連結会計期間
(百万円)

前年同期比(%)

 バルブ事業

 バルブ(新製弁)

544

702

29.0

 バルブ用取替補修部品

556

484

△12.9

 原子力発電所定期検査工事

1,293

909

△29.7

 その他メンテナンス等の役務提供

1,413

871

△38.4

 小計

3,809

2,967

△22.1

 製鋼事業

 鋳鋼製品

611

730

19.4

 電気設備関連事業

 電気設備関連工事

965

957

△0.8

 その他

 その他

77

90

15.6

 消去又は全社

 

△22

△20

 合計

5,442

4,725

△13.2

 

(2)財政状態の状況

当中間連結会計期間末の資産残高は145億36百万円で、前連結会計年度末に比して5億53百万円減少しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が1億95百万円増加した一方で、現金及び預金が15億27百万円、仕掛品が51百万円それぞれ減少したことによるものであります。

負債残高は33億16百万円で、前連結会計年度末に比して7億44百万円減少しました。これは主に、繰延税金負債が22百万円増加した一方で、未払法人税等が3億12百万円、賞与引当金が2億3百万円それぞれ減少したことによるものであります。

純資産の残高は112億20百万円で、主に利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比して1億91百万円増加いたしました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の中間期末残高は43億54百万円となり、前連結会計年度末に比して15億27百万円減少しました。

各分類別のキャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前中間純利益2億61百万円にキャッシュ・アウトを伴わない減価償却費1億68百万円のキャッシュ・イン要因の他、未払消費税等の減少額2億29百万円、法人税等の支払額3億76百万円などにより7億52百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は10億8百万円のキャッシュ・イン)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得を中心に6億13百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は1億83百万円のキャッシュ・アウト)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済54百万円、リース債務の返済11百万円、前連結会計年度に係る期末配当93百万円などにより1億60百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は1億79百万円のキャッシュ・アウト)となりました。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

  (5)研究開発活動

 当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、59百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。