当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」については、以下に記載の(継続企業の前提に関する重要事象等)を除き、重要な変更はありません。
(継続企業の前提に関する重要事象等)
当社グループは2022年3月期から2期連続して多額の当期純損失を計上したことにより純資産が減少した結果、前連結会計年度末において、複数の金融機関と締結している一部のシンジケートローン契約等に付されている財務制限条項に抵触しました。しかしながら、財務制限条項に抵触している当該契約につきましては、2023年5月19日付で、取引先金融機関より期限の利益喪失の権利行使を行わないことについて承諾を得ており、また、今後の必要資金の調達についても、主要行をはじめとする取引先金融機関より継続的な支援を表明いただいています。
なお、財務制限条項に抵触した契約の一部については、2023年10月20日付で、財務制限条項の見直し等の変更契約を締結したことから、財務制限条項への抵触は解消しています。
以上の状況から、当社グループの継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消したと判断しています。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益の改善や個人消費の持ち直しなどを受け、緩やかに回復しました。先行きにつきましては、雇用・所得環境が改善する下で穏やかな回復が続くことが期待されます。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響など、海外景気の下振れが国内の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、金融資本市場の変動などの影響に十分注意する必要があります。
国内建設市場につきましては、公共事業投資、民間設備投資ともに底堅く推移しています。しかしながら、建設資材価格の高止まりや労務需給の逼迫などの影響により厳しい経営環境が続いています。引き続き、建設資材価格、労務需給及び労務単価などの動向を注視する必要があります。
このような状況下、当社グループの当第3四半期連結累計期間における業績は、以下のとおりとなりました。
売上高につきましては、前年同期比で197億円増加し、3,531億円となりました。利益につきましては、営業利益105億円(前年同期比86億円増加)、経常利益84億円(前年同期比64億円増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益47億円(前年同期比44億円増加)となりました。
土木部門・建築部門それぞれのセグメント業績は以下のとおりです。なお、部門ごとのデータは内部売上高、又は振替高を含めて記載しています。
(土木部門)
売上高は前年同期比16億円減の1,597億円、売上総利益は前年同期比43億円増の242億円となりました。
(建築部門)
売上高は前年同期比214億円増の1,942億円、売上総利益は前年同期比40億円増の63億円となりました。
(資産)
現金預金は前連結会計年度末比で51億円増加、受取手形・完成工事未収入金等は前連結会計年度末比で212億円増加、未成工事支出金等は前連結会計年度末比で43億円増加、その他流動資産は28億円増加しましたが、投資その他の資産は、投資有価証券の売却等により、前連結会計年度末比で117億円減少しました。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末比で215億円増加し、4,317億円となりました。
(負債)
短期借入金、社債及び長期借入金を合計した有利子負債残高につきましては、前連結会計年度末比で347億円増加しました。一方で、支払手形・工事未払金等及び電子記録債務を合計した支払債務は、前連結会計年度末比で31億円減少、工事損失引当金は前連結会計年度末比で83億円減少、その他流動負債は99億円減少しました。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末比で138億円増加し、3,528億円となりました。
(純資産)
株主資本は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上47億円、剰余金の配当22億円の結果、前連結会計年度末比で26億円増加しました。
その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末比で49億円増加しました。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末比で78億円増加し、789億円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の15.5%比1ポイント改善の16.5%となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社施工の横浜市所在マンションの事案につきましては、2017年11月28日付にて、本件マンションの発注者の1社である三井不動産レジデンシャル株式会社(以下、「レジデンシャル社」といいます。)が、本件マンション全棟の建替え費用等の合計約459億円(その後2018年7月11日付にて約510億円に増額、2022年9月30日付にて約510億円から約506億円に減額)を当社並びに杭施工会社2社に対し求償する訴訟を提起していますが、レジデンシャル社の請求は、根拠、理由を欠くものであると考えており、引き続き裁判において、当社の主張を適切に展開してまいります。
現在施工中の国内大型建築工事における度重なる損失発生につきましては、施工・品質管理体制の強化、本支店による施工全般に対する支援や技術的な指導、再発防止策の徹底により、更なる追加損失の発生を防止してまいります。
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は1,171百万円です。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。