名 称 日本電信電話株式会社
所在地 東京都千代田区大手町一丁目5番1号
普通株式(以下「当社株式」といいます。)
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2025年5月8日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに関し、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを、推奨する旨の決議をいたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」に記載の方法により決議されております。
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社株式809,677,800株(所有割合(注1)57.73%)を所有し、当社を連結子会社としております。
下記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、今般、公開買付者は、2025年5月8日付取締役会決議により、本公開買付け及びその後の一連の手続(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
公開買付者は、当社の完全子会社化を企図しているため、本公開買付けにおいて、125,314,700株(所有割合8.94%)を買付予定数の下限(注2)として設定しており、本公開買付けに応じて売付け等の申込みがなされた株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、公開買付者は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、上記のとおり、本公開買付けにおいて、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としており、買付予定数の上限を設定していないところ、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年5月8日付で公表した「2025年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(1,402,500,000株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(11,232株。なお、当社取締役(監査等委員である取締役並びに監査等委員でない取締役のうち社外取締役及び非常勤取締役を除きます。)及び執行役員に対する業績連動型株式報酬制度「役員向け株式交付信託」により、当社が委託した三井住友信託銀行株式会社(再信託受託先:株式会社日本カストディ銀行)が所有する402,100株は、一定の手続の下、本公開買付けに応募することが可能であるため、当社が所有する自己株式数には含めておりません。以下、当社が所有する自己株式数について同じとします。)を控除した株式数(1,402,488,768株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。以下、所有割合の記載について他の取扱いを定めない限り同じとします。
(注2) 買付予定数の下限は、当社決算短信に記載された2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(1,402,500,000株)から、当社決算短信に記載された2025年3月31日現在の当社が所有する自己株式数(11,232株)を控除した株式数(1,402,488,768株)に係る議決権数(14,024,887個)の3分の2以上となる議決権数(9,349,925個)に当社株式1単元(100株)を乗じた株式数(934,992,500株)について、更に公開買付者が所有する当社株式数(809,677,800株)を差し引いた株式数(125,314,700株)として設定しているとのことです。このような買付予定数の下限を設定した理由は、公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、当社株式の全て(公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できずに、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載する株式併合の手続を行う場合には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、公開買付者によって当該要件を満たすことができるようにするためとのことです。
また、公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けによって、公開買付者が当社株式の全て(公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかった場合には、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続を実施する予定とのことです(以下「本完全子会社化手続」といいます。)。詳細については、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。
公開買付者は、1985年4月1日に日本電信電話株式会社法(昭和59年法律第85号)に基づき設立され、1987年2月に、東京証券取引所市場第一部、大阪証券取引所市場第一部、名古屋証券取引所市場第一部、京都証券取引所市場、広島証券取引所市場、福岡証券取引所市場、新潟証券取引所市場、札幌証券取引所市場に上場し、その後、1994年9月にニューヨーク証券取引所に上場(2017年4月に上場廃止)、加えて、1994年10月にロンドン証券取引所に上場(2014年3月に上場廃止)し、現在は、東京証券取引所プライム市場に上場しているとのことです。2025年3月31日現在の公開買付者の連結子会社数は992社、関連会社数は151社です。公開買付者グループ(注3)の主な事業内容は以下のとおりであるとのことです。
(ⅰ)総合ICT事業:携帯電話事業、国内電気通信事業における県間通信サービス、国際通信事業、ソリューション事業、システム開発事業及びそれに関連する事業
(ⅱ)地域通信事業:国内電気通信事業における県内通信サービスの提供及びそれに附帯する事業
(ⅲ)グローバル・ソリューション事業:システムインテグレーション、ネットワークシステム、クラウド、グローバルデータセンター及びそれに関連する事業
(ⅳ)その他の事業:不動産事業、エネルギー事業等
(注3) 「公開買付者グループ」とは、公開買付者、当社グループ(下記注6で定義されます。以下同じとします。)各社を含む連結子会社及び関連会社をいいます。以下同じとします。なお、2025年3月31日現在、公開買付者グループは、公開買付者、当社グループ各社を含む連結子会社992社及び関連会社151社で構成されているとのことです。
公開買付者グループは、2023年5月12日に中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN(注4)」(以下「公開買付者グループ中期経営戦略」といいます。)を策定・公表しているとのことです。公開買付者グループは、公開買付者グループ中期経営戦略において、「NTTは挑戦し続けます。新たな価値創造と地球のサステナビリティのために。」を基本的な考え方とし、地球のサステナビリティを維持することを事業の核とし、そのための新たな価値創造と公開買付者グループのサステナブルな事業成長・発展を両立させ、企業価値の向上につなげるべく、以下の3つの柱を掲げているとのことです。
(ⅰ)新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ
① IOWNによる新たな価値創造
② データ・ドリブン(注5)による新たな価値創造
③ 循環型社会の実現
④ 事業基盤の更なる強靭化
(ⅱ)お客さま体験(CX)の高度化
⑤ 研究開発とマーケティングの融合
⑥ お客さま体験(CX)を重視したサービスの強化
(ⅲ)従業員体験(EX)の高度化
⑦ オープンで革新的な企業文化へ
⑧ 自律的なキャリア形成への支援強化
⑨ 全世界の従業員の家族を含めたサポートプログラムの強化・充実
(注4) Innovative Optical & Wireless Networkの略。光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信並びに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想。
(注5) データや分析結果を主要な情報源として活用し、客観的な意思決定を行うアプローチ。
一方、当社は、効率的な事業展開等の観点から、公開買付者よりデータ通信事業本部に属する営業を分離独立させるために、1988年5月23日に設立され、同年7月1日に公開買付者の同営業を譲り受け、営業を開始しました。その後、1995年4月に東京証券取引所市場第二部に上場し、1996年9月に東京証券取引所市場第一部指定となりました。なお、現在は2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の再編により、東京証券取引所プライム市場に上場しております。
本書提出日現在、当社グループ(注6)は、公開買付者を親会社とする公開買付者グループに属しており、日本セグメント、海外セグメントの2つを主なセグメントとして事業を営んでおります。なお、当社グループは2023年7月1日に持株会社体制へ移行し、同日付で、当社は商号を「株式会社NTTデータグループ」に変更しました。これに伴い、2024年3月期より、報告セグメントの区分を変更しています。当社がグループ経営における指揮管理を、国内事業会社である株式会社NTTデータ及び海外事業会社である株式会社NTT DATA, Inc.(以下「NTT DATA, Inc.」といいます。)の各連結子会社が自律的な事業運営を担う体制とすることで、機動的な事業の推進と適切な統制の両立を実現しております。
(注6) 「当社グループ」とは、当社、連結子会社及び持分法適用関連会社をいいます。以下同じとします。なお、2025年3月31日現在、当社グループは、当社、連結子会社611社及び持分法適用関連会社51社で構成されています。
日本セグメントにおいては、主に日本国内における市場特性を考慮した企業の課題解決やDX(デジタルトランスフォーメーション)(注7)等の高付加価値なITサービスを提供しております。当セグメントは、公共・社会基盤、金融及び法人の3分野からなり、2025年3月31日現在、連結子会社87社及び持分法適用会社21社にて事業展開しております。海外セグメントにおいては、主に海外ビジネスにおける市場特性を考慮した企業の課題解決やDX等の高付加価値なITサービスを提供しております。当セグメントは、North America(北米等)、EMEAL(ヨーロッパ、中東、アフリカ、ラテンアメリカ等)、APAC(アジア等)を統括するリージョナルユニット、データセンターやネットワークなどのグローバル共通のインフラを提供するGlobal Technology Services及び企業の経営資源(ヒト、モノ、カネ)を統合的に管理し、業務プロセス全体を最適化するシステムを提供するBusiness Solutionsのグローバルユニットからなり、2025年3月31日現在、連結子会社518社及び持分法適用会社29社にて事業展開しております。
昨今、テクノロジーの急速な進化により、さまざまなモノ・ヒトがシステムやネットワークを介してデジタルでつながる社会が実現し、企業活動から人々の消費・生活スタイルに至るまで、社会環境が予想以上のスピードで大きく変化しています。このテクノロジーの進化に伴い、企業や社会のニーズは多様化・高度化しており、それらに対応するITサービスの重要性はますます高まっています。そのため、当社を始めとするITサービス事業者へのビジネス需要は今後も順調に拡大していくものと予測しています。一方で、既存のITサービスプロバイダーに加え、コンサルティング企業や様々なテクノロジーベンダーがデジタル領域へ市場参入することで、市場における競争が激化しています。このような競争環境下において、当社グループがお客様や社会に継続的に価値を提供するためには、グローバルレベルでの競争優位性の確立が不可欠です。その実現に向けて、戦略的な投資によるオファリング(注8)の強化と、当社の強みを持つセグメント・ユニット間のビジネス連携を活かしたフルスタックサービス(注9)の提供が求められています。
(注7) ICT(Information and Communication Technology)ツールにより、様々なデータの集積や経営におけるデータの利活用を実現し、新たなビジネスモデルの創出や既存ビジネスの変革を行うこと。
(注8) 顧客の課題やニーズに合わせてコンサルティングやサービス、ソリューションをパッケージ化し提案する手法。
(注9) コンサルティング、SI・ソフトウェア開発、メンテナンス・サポート、データセンター・通信端末機器販売等の、ITシステムの企画から構築、運用にわたる全行程を網羅的にサポートするサービス
このような環境認識のもと、当社グループは2022年5月に新中期経営計画「Realizing a Sustainable Future ~ 未来に向けた価値をつくり、様々な人々をテクノロジーでつなぐことでお客様とともにサステナブルな社会を実現する」(2022年4月~2026年3月の4ヶ年)を発表しました。現在、2025年度を中期経営計画の最終年度と位置づけ、グローバル市場での事業成長及び企業価値向上を実現するための戦略遂行に取り組んでいます。
公開買付者と当社の資本関係は、1988年5月に公開買付者の100%出資により「エヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社」(1998年8月に「株式会社エヌ・ティ・ティ・データ」に、2023年7月の持株会社体制への移行時に「株式会社NTTデータグループ」にそれぞれ商号変更。)が設立されたことにより始まり、同年7月には、当社が公開買付者から同社のデータ通信事業本部に属する営業を譲り受け、営業活動を開始しました。
1995年4月には、当社は東京証券取引所市場第二部に上場(翌1996年9月に東京証券取引所市場第一部に指定、2022年4月には、東京証券取引所新市場区分「プライム市場」へ移行。)し、1996年2月の資本金67,335百万円への増資(国内外同時募集)を経て、同年3月末時点では、公開買付者が当社株式152,037株を所有(これらの各時点の当社の発行済株式総数に占める所有株式数の割合(以下、各時点の当社の発行済株式総数(自己株式を除く)に占める公開買付者の所有株式数の割合を「持株割合」といい、いずれも小数点以下第三位を四捨五入しております。):60.09%)するに至りました。さらに、1998年5月には当社は資本金を142,520百万円に増資(国内外同時募集)、同年8月には普通株式1株を10株とする株式分割を実施し、1999年3月末時点では、当社株式1,520,010株を公開買付者が所有(持株割合:54.19%)するに至りました。
その後、2013年10月に当社は普通株式1株を100株とする株式分割を実施し、2014年3月末時点では、公開買付者が当社株式152,001,000株を所有(持株割合:54.19%)、さらに、2017年7月に当社は普通株式1株を5株とする株式分割を実施し、2018年3月末時点では、公開買付者は当社株式760,005,000株を所有(持株割合:54.19%)するに至りました。
2018年11月には、公開買付者からその100%子会社であるNTT株式会社への当社株式760,000,000株の移管が完了し、これにより一時的に、NTT株式会社が当社の直接の親会社及び主要株主となり、公開買付者は当社の最終的な親会社となりました。
その後、2022年10月に、NTT株式会社は、同社が所有していた当社株式の全てを公開買付者に対して現物配当により交付いたしました。この過程を経て、当社の親会社は再び公開買付者のみとなり、同社による複数回の当社株式の買い増しを経て、2023年3月末時点では、当社株式809,677,800株を公開買付者が所有(持株割合:57.73%)するに至り、本書提出日現在においても公開買付者が所有する当社株式数及び持株割合に変更はありません。
公開買付者によれば、当社を含む公開買付者グループを取り巻く現在の事業環境では、リアルとオンラインが共存した働き方・ライフスタイルが定着し、生成AI・ロボティクス(注10)の進化・活用の拡大、DXが引き続き進展する一方で、消費電力の増大やマルウェア・ランサムウェア等による企業システムの不備を突いたサイバー犯罪の増加、監視社会等のデジタル化の負の側面が課題となっているものと認識しているとのことです。また、通信を含む基幹インフラの安全性・安定性の確保等の経済安全保障の重要性が増しており、世界規模での自然災害の激甚化等、公開買付者グループの持続的な事業運営の基盤となる環境が大きく変化しているものと認識しているとのことです。
かかる状況を受け、今後はIT業界における競争激化やカーボンニュートラルに向けた取り組みの加速など、現在の事業環境のトレンドが深化すると考えているとのことです。当該トレンドの深化は予想以上のスピードで進んでおり、このような状況下で競争優位性を確立し、更なる成長性と企業価値の向上を実現するには、公開買付者グループ一丸となった機動的な投資や、公開買付者グループ内の連携強化がこれまで以上に求められると考えているとのことです。
(注10) AI(人工知能)が学習したデータを基に、オリジナルデータをアウトプットする技術。
かかる状況の中、当社グループにおいては、2022年に公開買付者と当社が公表した両者の海外事業の当社傘下への集約により、様々な顧客接点やデータを活用したサービスが提供可能となり、その結果、DXに必要なサービス・ラインナップを一元的に整備し、多様化・高度化するお客さまのニーズにグローバルレベルで対応できる競争優位性を有するに至ったと認識しているとのことです。公開買付者としては、当社は、更にデータセンターや企業買収等に投資を実施し、中長期的な業績向上を通じた企業価値向上を目指していますが、今後は、AI需要の高まりなど、更なる事業環境の変化に対応するため、より機動的な成長投資を行い、グローバル・ソリューション事業のポートフォリオを強化することを求められる可能性があると考えているとのことです。
また、公開買付者グループとしても、公開買付者グループ中期経営戦略において、グローバル・ソリューション事業において当社グループが取り組むシステムインテグレーション事業やデータセンター事業を重要な柱と位置付けているとのことです。公開買付者グループは2027年度末までに、当社グループのシステムインテグレーション事業を含む社会・産業のDX/データ利活用の強化や、データセンター事業に対する積極的な投資の実施を掲げており、これらの事業を公開買付者グループの成長の原動力として位置付けているとのことです。
しかしながら、現状の当社と公開買付者の資本関係は、親子上場に伴う公開買付者と当社グループの少数株主の潜在的な利益相反関係や、意思決定プロセスの複雑化、及び当社グループにおける各種施策に伴うリスク・リターンをグループ外株主と共有している状況となっており、公開買付者グループが当社グループに経営資源投下を行うにあたり双方株主へ説明責任を果たす難しさといった課題をはらんでいるとのことです。公開買付者グループは、本取引を通じて両者の利害関係を完全に一致させるとともに意思決定プロセスを一元化することにより、当社グループが公開買付者のグローバル・ソリューション事業における中心的な役割を担う体制を構築し、昨今の急速な環境変化に対応した機動的な成長投資を連携して実行し、当社グループの成長を更に加速させる考えとのことです。
具体的には、公開買付者グループは、以下の各施策の実行を通じてシナジーの発現を推進する予定とのことです。
グローバル・ソリューション事業の成長強化のため、AI需要の高まりに伴うデータセンターの拡大・高度化、世界最大規模の需要があり最新技術が生まれ続ける北米マーケットをはじめとするグローバルなプレゼンス確立、急激な市場拡大が見込まれるAI技術を活用したサービス(生成AI、エージェントAI等)及び高成長と円滑なグローバル展開が期待されるデジタルエンジニアリング(注11)等への成長投資が今後も必要と想定しており、公開買付者グループのキャッシュフローと資金調達力を活用しつつ、一元的な意思決定を行うことで、事業ポートフォリオ強化に資する投資対象に対して環境変化に応じた適切なタイミングでより機動的な投資を行い、当社グループの既存事業ポートフォリオとの融合を図ることにより、当社グループの事業ポートフォリオ全体が強化されるものと考えているとのことです。
(注11) デジタル技術を用いて、お客さまの課題解決に貢献するソリューションを提供すること。
法人営業分野においては、公開買付者グループが当社グループと緊密に連携して事業運営を行うことにより、当社グループと公開買付者グループ各社(下記「③ 本公開買付け後の経営方針」にて後述します。)の顧客基盤・オファリングを組み合わせ、大規模法人向け統合ソリューションの営業を強化・拡大するとともに、当社グループが開発するソフトウェアアセットを活用して、自治体・中堅中小営業についても強化を図ることを想定しているとのことです。研究開発分野においては、公開買付者グループと当社グループとは、公開買付者グループの持つ研究開発成果を活用し、当社グループのデータセンター開発において、キャパシティに加えてIOWN等を活用して更なる付加価値を実現することによる競争力向上、また公開買付者グループの持つ研究開発成果を活用し、公開買付者版LLMのtsuzumi(注12)を活用し当社グループがAIの社会実装等を推進することによる収益拡大等を進めていくとのことです。また、本取引により双方でのリソースの拠出・投入の自由度が高くなり、事業機会の拡充、競争力の強化、リソースの最適化に向けてこれまで以上に柔軟に課題を解決することにより、法人営業分野と研究開発分野における両グループ間の連携が加速できると考えているとのことです。
(注12) Large Language Modelsの略。大量のテキストデータを使って学習された言語モデルで、言語の理解や文章の生成に優れた能力をもつもの。tsuzumiは、公開買付者が開発したLLMであり、各種のベンチマークと比較して高い精度を確認した日本語処理性能等の特徴を有する。
グローバル・ソリューション事業に関わる公開買付者グループと当社グループのガバナンスの簡素化・重複機能の整理により、当社グループにおける意思決定の迅速化と、公開買付者グループと当社グループにおけるリソース・アセットの最適化を図るとともに、AIを最大限活用して、ソフトウェア開発や法人営業分野における社内共通業務のグループ横断DXを推進することを想定しているとのことです。本取引を通じて公開買付者グループと当社グループの間のリソース移動のハードルを下げることにより、重複する業務プロセスの解消も円滑に進められるものと考えており、AIも活用して無駄のないプロセスを設計し、コスト削減も行っていきたいと考えているとのことです。また、上述のようなグループ横断のDXやAI活用を通じて迅速かつ効率的なプロセス設計によりガバナンス・業務フローを最適化することは、業務の効率化を通じてコスト効率と従業員体験を向上させるとともに、継続的なサービスの改善・アップデート等を通じて、お客さま体験の高度化をもたらすものと考えているとのことです。
なお、公開買付者は、本取引の実施に伴う当社の上場廃止のデメリットについても検討したとのことです。上場廃止に伴い、株式市場における資金調達手段が限定される潜在的なデメリットは想定されますが、資金需要に対してはグループファイナンスの活用等、株式市場における資金調達を代替する手段が存在することから、そのようなデメリットによる影響は限定的と考えているとのことです。本取引により当社グループと公開買付者グループの一層の連携が進み、シナジー発現を推進する一方、当社グループの事業に重大な影響を及ぼすようなディスシナジーは特段生じないと考えているとのことです。
こうした認識のもと、公開買付者は、2024年9月上旬より本取引の検討を開始し、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を2024年9月下旬に、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所(現在の森・濱田松本法律事務所外国法共同事業をいいます。)を2024年10月上旬に、それぞれ選任のうえ、本取引の本格的な検討を進め、2024年11月1日に本取引の実施に向けた検討を開始した旨を当社に通知したとのことです。その後、公開買付者は、2024年12月18日、当社に対し、本取引の概要や本取引後に公開買付者が想定している取り組みを記載した初期的な意向表明書を提出したとのことです。
その後、公開買付者と当社は、本取引に向けた具体的な協議・検討を開始したとのことです。具体的には、公開買付者は、2025年2月上旬から同年3月中旬まで、当社に対してデュー・ディリジェンスを実施したとのことです。また、公開買付者は、2025年2月1日、本特別委員会(下記「④ 当社取締役会における意思決定に至る過程」において定義します。以下同じとします。)より、2024年12月18日付初期的意向表明書を踏まえて、本取引の意義・目的や、本取引により見込まれるシナジー、本取引後の当社グループの経営方針等に関して書面による質問を受領し、2025年2月20日、当該質問事項について書面による回答を提出したとのことです。その後、公開買付者は、2025年3月5日、本特別委員会より、本取引の意義・目的に関して追加の質問事項を書面により受領し、同月12日開催の本特別委員会において、当該追加質問事項に対する回答並びに本特別委員会との間での質疑応答及び協議を行うとともに、同月19日、当該追加質問事項について書面による回答を提出したとのことです。さらに、公開買付者は、2025年3月31日、本特別委員会より、本取引の意義・目的に関して追加の質問事項を書面により受領し、4月14日、当該追加質問事項についても書面による回答を提出したとのことです。
また、公開買付者は、2025年4月8日以降、当社との間で本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)に関して複数回にわたる交渉を重ねたとのことです。具体的には、公開買付者は、公開買付者が当社に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである野村證券が実施した初期的な当社株式の価値分析及び当該情報を前提として公開買付者が実施した初期的な当社株式の価値分析内容を総合的に勘案し、2025年4月8日、本公開買付価格を3,200円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,390.0円に対して33.89%のプレミアム(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算について同じとします。))とすること、公開買付期間を30営業日程度とすること、及び本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定せず、かつ下限は本公開買付け後に公開買付者が当社の総議決権数の3分の2以上を所有することとなる株式数に設定することを含む本取引に関する初回提案を行ったとのことです(なお、公開買付者による全ての価格提案は、当社が2025年3月期に係る期末配当(1株当たり12.5円)を除き、本取引の完了前に当社において配当が行われないことを前提としているとのことです。)。その後、2025年4月9日に、公開買付者は当社及び本特別委員会から、当該本公開買付価格は、当社株式の本源的価値を著しく下回るとして本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、公開買付者は、2025年4月15日、本公開買付価格を3,400円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,510.5円に対して35.43%のプレミアム)とする旨の提案を行ったとのことです。これに対して、2025年4月16日に、公開買付者は当社及び本特別委員会から、当該本公開買付価格も、引き続き当社株式の本源的価値を反映した価格ではないとして本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、公開買付者は、2025年4月22日、本公開買付価格を3,700円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,590.0円に対して42.86%のプレミアム)とする旨の提案を行ったとのことです。これに対して、2025年4月23日に、公開買付者は当社及び本特別委員会から、当該本公開買付価格も、当社の本源的な価値を十分に評価した価格ではなく、当社の一般株主にとって公正かつ合理的な経済条件とはいえないとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、公開買付者は、2025年4月28日、本公開買付価格を3,800円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,767.0円に対して37.33%のプレミアム)とする旨の提案を行ったとのことです。これに対して、同日に、公開買付者は当社及び本特別委員会から、当該本公開買付価格も、当社の本源的な価値を十分に評価した価格ではなく、当社の一般株主にとって公正かつ合理的な経済条件とはいえないとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、公開買付者は、2025年5月1日、本公開買付価格を4,000円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,827.5円に対して41.47%のプレミアム)とする旨の提案を行ったとのことです。これに対して、2025年5月2日、公開買付者は当社及び本特別委員会から、公開買付者の提案を応諾する旨の回答を受領したとのことです。
以上の経緯の下で、公開買付者は、公開買付者が当社を完全子会社化することが、公開買付者グループ全体の企業価値向上に資するとの結論に至り、2025年5月8日付取締役会決議により、本取引の一環として、本公開買付けの実施を決定したとのことです。
公開買付者は、当社グループの事業特性、強みを十分に活かした経営を行い、事業強化を図っていくとのことです。また、公開買付者は今後、当社及び公開買付者の双方の意思決定が必要な意思決定プロセスがとられているNTT DATA, Inc.を当社の完全子会社とすることや、公開買付者の子会社であるNTTグローバルデータセンター株式会社について、当社の完全子会社としてそれぞれの段階での株主間調整を不要とする等の資本関係の見直しを含め、意思決定の一元化・迅速化を検討していく予定とのことです。
またシナジー創出に向けた取り組みとして、今後当社グループと公開買付者グループによる検討体制を立ち上げ、連携強化や重複業務の最適化を実施していく予定とのことです。具体的には、法人営業分野においては、大規模法人営業の最適化に関してはNTTコミュニケーションズ株式会社、AI技術領域はNTTテクノクロス株式会社、ITサービスとBPO事業の高度化は株式会社NTTマーケティングアクトProCXや株式会社NTTネクシア等との連携を検討し、研究開発成果を活用したデータセンターの高付加価値化やAIの社会実装の加速については公開買付者が連携していく予定とのことです。今後は取り組み内容、めざすべき体制、スケジュールの検討から開始し、リソース/事業の移管や子会社化など様々な手法を比較検討しながら、当社グループ及び公開買付者グループで検討していく考えとのことです(なお、NTTコミュニケーションズ株式会社、NTTテクノクロス株式会社、株式会社NTTマーケティングアクトProCX及び株式会社NTTネクシアはいずれも公開買付者の子会社です)。
なお、本取引後の当社の経営体制・取締役会の構成については、役員派遣の有無その他人事に関する事項を含め現時点で決定している事項はなく、今後当社と協議のうえ、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の諸施策の実行や経営基盤の更なる強化に向けた最適な体制の構築を検討していく予定とのことです。
当社は、公開買付者から、2024年11月1日に本取引の実施に向けた検討を開始した旨の通知を受けました。これを受けて、当社は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、公開買付者は、当社株式の所有割合が57.73%に達する当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、2024年11月下旬に公開買付者及び当社グループから独立した法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所及び長島・大野・常松法律事務所を、公開買付者及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)をそれぞれ選任いたしました。その後、当社は、公開買付者から改めて2024年12月18日に本取引に関する初期的な意向表明書を受領しております。当該意向表明書を受けて、当社は、本取引の公正性を担保するため、中村・角田・松本法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり特別委員会の設置に向けた準備を進めたうえで、2024年12月18日に公開買付者から初期的な意向表明書を受領した後の同月24日開催の取締役会決議により、池史彦氏(当社独立社外取締役、株式会社りそなホールディングス社外取締役、エーザイ株式会社社外取締役)、藤井眞理子氏(当社独立社外取締役、東京大学名誉教授、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ社外取締役)及び石黒成直氏(当社独立社外取締役、株式会社リコー社外取締役)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)(本特別委員会の検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的は正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、(ⅲ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか、(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)までのほか、本取引についての決定(当社が本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に本公開買付けへの応募を推奨すること、並びに下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の公開買付者による当社の完全子会社化に必要となる手続に関する、株式売渡請求(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「① 株式売渡請求」において定義します。以下同じとします。)に係る当社の承認の決定又は当社による株式併合(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」において定義します。以下同じとします。)の決定)が当社の少数株主にとって不利益なものでないと考えられるか、(ⅴ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主の皆様に本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことの是非、について検討し、当社取締役会に意見を述べること(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に関する意思決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引の承認を決定しない(本公開買付けに賛同しないことを含む。)こととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社と公開買付者の間で行う取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与える状況を確保すること(このために、当社取締役会の意向を踏まえ公開買付者との交渉を行う取締役は、本特別委員会に事前に交渉方針を確認し、適時に交渉状況の報告を行い、交渉の重要局面で本特別委員会の意見を聴取し、本特別委員会の指示又は要請を勘案して交渉を行うものとし、本特別委員会は、必要に応じて自ら直接交渉を行うことができる。)、(ⅱ)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、独自のアドバイザーを選任すること(この場合の合理的な費用は当社が負担する。)及び当社のアドバイザーを指名若しくは承認(事後承認を含む。)し、当社のアドバイザーの独立性及び専門性に問題がないことを確認した場合には、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求めること、(ⅲ)適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報の説明を求めることについて権限を付与することを決議しております(当該取締役会における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
なお、本特別委員会は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年12月24日、上記の権限に基づき、独自の法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ法律事務所」といいます。)を、独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)をそれぞれ選任する旨を決定しております。
また、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券並びに当社の法務アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所及び長島・大野・常松法律事務所について、公開買付者及び当社グループからの独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認のうえ、その選任の承認を受けております。
さらに、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
そのうえで、当社は、大和証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、中村・角田・松本法律事務所及び長島・大野・常松法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってまいりました。
また、公開買付者から2024年12月18日に本取引に関する初期的な意向表明書を受領して以降、当社は、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。
具体的には、当社及び本特別委員会は、2024年12月18日に本取引に関する初期的な意向表明書を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、2025年2月1日に公開買付者に対し本取引の意義・目的等に関して書面による質問をしたところ、2025年2月20日に、公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受けました。さらに、当該回答を踏まえて、当社及び本特別委員会が2025年3月5日に本取引の意義・目的等に関して書面による追加の質問を行い、同月12日開催の本特別委員会において、公開買付者による当該追加質問事項に対する回答を受け、公開買付者との間での質疑応答及び協議を行うとともに、同月19日、公開買付者から当該追加質問事項について書面による回答を受けました。さらに、当社及び本特別委員会が2025年3月31日に本取引の意義・目的に関して書面による追加の質問をしたところ、4月14日、公開買付者から当該追加質問事項について書面による回答を受けました。
本公開買付価格については、当社は、2025年4月8日以降、公開買付者との間で、複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。具体的には、当社は、公開買付者が当社に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである野村證券が実施した初期的な当社株式の価値分析及び当該情報を前提として公開買付者が実施した初期的な当社株式の価値分析内容を総合的に勘案した結果として、公開買付者から、2025年4月8日に本公開買付けにおける本公開買付価格を3,200円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,390.0円に対して33.89%のプレミアム)とすること、公開買付期間を30営業日程度とすること、及び本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定せず、かつ下限は本公開買付け後に公開買付者が当社の総議決権数の3分の2以上を所有することとなる株式数に設定することを含む本取引に関する初回提案を受けました(なお、公開買付者による全ての価格提案は、当社が2025年3月期に係る期末配当(1株当たり12.5円)を除き、本取引の完了前に当社において配当が行われないことを前提としているとのことです。)。その後、当社及び本特別委員会は公開買付者に対し、同月9日に、当該本公開買付価格は、当社株式の本源的な価値を著しく下回るとして、本公開買付価格の再検討を要請しました。これを受けて、当社は、同月15日、公開買付者から、本公開買付価格を3,400円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,510.5円に対して35.43%のプレミアム)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けました。これに対して、当社及び本特別委員会は公開買付者に対し、同月16日に、当該本公開買付価格も、引き続き当社株式の本源的な価値を反映した価格ではないとして、本公開買付価格の再検討を要請しました。これを受けて、当社は、同月22日、公開買付者から、本公開買付価格を3,700円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,590.0円に対して42.86%のプレミアム)とする旨の提案を受けました。しかし、当社及び本特別委員会は、同月23日に、当該本公開買付価格は、当社の本源的な価値を十分に評価した価格ではなく、当社の一般株主にとって公正かつ合理的な経済条件とはいえないとして、本公開買付価格の再提案を要請しました。その後、当社は、同月28日、公開買付者から、本公開買付価格を3,800円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,767.0円に対して37.33%のプレミアム)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けました。これに対し、当社及び本特別委員会は、同日に、当該本公開買付価格は、依然として当社の本源的価値を十分に評価した価格ではなく、当社の一般株主にとって公正かつ合理的な経済条件とはいえないとして、本公開買付価格の再提案を要請しました。その後、当社は、公開買付者から、2025年5月1日に本公開買付けにおける本公開買付価格を4,000円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,827.5円に対して41.47%のプレミアム)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けました。そして、同月2日、当社及び本特別委員会は公開買付者に対し、公開買付者の提案を応諾する旨の回答を送付しました。
以上の検討・交渉過程において、当社は、本公開買付価格に関する公開買付者との協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びに大和証券及び中村・角田・松本法律事務所からの助言を踏まえて検討を行っており、その際、本特別委員会においては、随時、本特別委員会のアドバイザーであるプルータス・コンサルティング及び西村あさひ法律事務所から助言を受けるとともに、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってきました。具体的には、まず、当社が公開買付者に対して提示し、また、大和証券及びプルータス・コンサルティングが当社株式の価値算定において基礎とする当社グループの事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、本特別委員会の確認を受け、承認を受けております。そのうえで、当社は、当社グループの事業計画を、2025年3月7日、公開買付者及び野村證券にそれぞれ提示しております。また、当社は、同年4月下旬、2026年3月期のデータセンター資産の売却に係る不動産鑑定評価に基づき譲渡予定価格及び売却益の見込みが精緻化されたこと等を含む足元における最新の状況を踏まえ(当該データセンター設備の売却については、当社が2025年5月8日に公表した「連結子会社における固定資産(データセンター)の譲渡に関するお知らせ」をご参照ください。)、当該事業計画を一部修正し、当該修正の内容及び過程等の合理性について、同月25日、本特別委員会の確認を受け、承認を受けております。そのうえで、当社は、当該修正後の当社グループの事業計画を、同月25日、公開買付者及び野村證券にそれぞれ提示しております。さらに、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券は、公開買付者との交渉にあたっては、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。
そして、当社は、2025年5月7日付で、本特別委員会から、①本取引は当社の企業価値向上に資するものであって、本取引の目的は正当性・合理性を有すると考えられる旨、②本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性は確保されていると考えられる旨、③本取引においては、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられる旨、④本取引についての決定は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる旨、及び⑤当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは妥当であると考えられる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております(本答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。なお、当社は、本答申書と併せて、本特別委員会から、2025年5月7日付で本特別委員会がプルータス・コンサルティングから提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり4,000円が当社の少数株主にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)」といいます。)の提出も受けております(本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の概要については、下記「(3) 算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。
以上の経緯の下で、当社は、2025年5月8日開催の当社取締役会において、中村・角田・松本法律事務所及び長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言並びに2025年5月7日付で大和証券から提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(大和証券)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり4,000円が当社の少数株主にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(大和証券)」といいます。)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。
その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の非公開化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
当社グループの国内事業は、金融分野、法人分野及び公共社会基盤分野で構成されています。これらの事業は、長年の信頼関係に裏付けられた強固な顧客基盤と、業界特化型のITサービスとビジネス変革に関する深い知見を有することで、高い競争優位性を確立していると考えております。また、海外事業については、2022年10月に当社の海外事業と公開買付者グループの海外事業を統合しました。これにより、従来のITサービス事業に加え、Tech事業、データセンター事業、NW事業(注13)を当社グループのポートフォリオに追加し、グローバルレベルでフルスタックテクノロジーサービスを提供できる独自のサービスプロバイダーとして、顧客に対して価値を提供しています。
(注13) 大陸間海底ケーブルの敷設・運用や、グローバルIPネットワークサービスを提供する事業。
当社グループの属するITサービス業界では、デジタル技術を活用したDX需要が引き続き旺盛であることに加えて、近年では生成AIやエージェントAIに係る需要の急拡大や、これらを支えるインフラストラクチャーとしてのデータセンター需要の急激な拡大が進んでいます。また、より長期的な視点においては量子コンピューティングや光通信技術等などの将来の競争力の優劣に直結する新技術・新事業が次々に台頭しており、競争環境が激化するとともに、成長領域における資金流入・M&A投資の活発化が見込まれます。そのような市場環境において、当社が今後も継続的に競争優位性を維持し、持続的な企業価値向上を果たすには、明確な成長戦略と戦略を実現するための成長投資が必要であると考えております。特に、当社の主要な投資領域である北米事業やデータセンター事業については、短期的には営業キャッシュフローを超える規模の投資が求められます。そのため、財務健全性を維持しながら、機動的な投資による成長の加速を実現することが困難な状況にあります。また、大規模な投資は不確実性を伴うことから、短期的には当社の業績が悪化する可能性も存在し、当社が上場している間は、そのような可能性のある投資を迅速に実行することは難しい状況にあります。
また、社会環境の変化や技術革新のスピードの高まりによって競争環境の激化が見込まれる中、当社の中長期的な成長においては迅速な意思決定が必要とされるところ、特に当社の海外事業の主体であるNTT DATA, Inc.の重要な意思決定には、両者の経営環境・戦略の相違などのため統一的な意思決定に時間を要することから、機動的な意思決定や投資実行が困難となるリスクを有していると考えています。加えて、公開買付者によれば、現状の資本関係において、公開買付者が当社グループにおける各種施策に伴うリスク・リターンを当社の公開買付者以外の株主と共有している状況で、当社グループ以外の公開買付者グループが当社グループに経営資源投下を行うにあたり株主へ説明責任を果たす難しさや、公開買付者及び当社がそれぞれの株主への説明責任を果たしつつ、両者の協業における意思決定を迅速に行うことの難しさなど、両者が上場会社であることによる課題があるとの説明を受けております。
当社は、上記の当社グループを取り巻く経営環境を踏まえ、本取引を通じた当社の非公開化が、公開買付者と当社の少数株主との間の構造的な利益相反関係を解消し、公開買付者による当社グループへの更なる経営資源の投入を可能とし、以下のようなシナジー創出及び当社が公開買付者の完全子会社となることによるメリットを見込むことができることから、当社グループ及び公開買付者グループの更なる企業価値向上に資するとの結論に至りました。
当社は、公開買付者グループの資金調達力・財務基盤を活用することで、機動的な成長投資によるグローバル・ソリューションのポートフォリオ強化が可能になると考えております。
大規模な投資は不確実性を伴うことから、短期的には当社の業績が悪化する可能性も存在し、また、当社が上場している間は当社の株主の皆様の利益を追求する必要があることから、そのような可能性のある投資を迅速に実行することは難しい状況にあります。また、当社は上場会社として財務健全性を確保するために、当社グループのEBITDA創出力に対応する有利子負債上限を設定しておりますが、これが機動的な投資の制約や大規模投資の制約となり得ることがあります。本取引によって当社が非公開化されることにより、より長期的な企業価値向上の視点に立脚し、また公開買付者グループの資金調達力、財務基盤を活用した、競争優位性の一層の強化につながる大規模な投資が可能になると考えております。
具体的には、当社は、当社独自の事業ポートフォリオとして、世界レベルで高い競争優位性を有するITサービス・エンジニアリング力に加えて、グローバルトップクラスのデータセンターオペレーター、インフラストラクチャー関連サービスを活かした高付加価値サービスを提供するビジネスモデルを確立し、拡大していきたいと考えております。これらの実現のためには、AI技術を活用したサービス(生成AI、エージェントAI等)、グローバルなデータセンター事業、ITサービスを高度化するデジタルエンジニアリングなどの成長領域・当社の競争優位性を発揮すべき領域に対するより大規模な投資が必要になるところ、本取引により、このような投資を積極的に行うことが可能になると考えております。また、新たなテクノロジーやサービスの起点であり、かつ市場規模が大きい北米市場を中心として、グローバルの市場シェアやサービス提供能力を一層強化していくことが重要であると考えており、本取引を通じた投資余力の拡大により、競争優位性の向上に資するM&Aを含めた成長手段を用いることが可能になると考えております。
データ・ドリブン社会や省電力化に対するお客様・市場からの要請はますます強まっています。ネットワーク分野及び先端技術分野で多様な研究知見を持ち、光を中心とした革新的技術IOWNを有する公開買付者グループと、世界トップクラスのITソリューションやデータセンターをグローバルに展開していると考える当社グループが連携することで競争優位性を強化し、グローバルでのB2Bビジネス(注14)拡大を実現することが可能になり、当社グループ及び公開買付者グループの企業価値向上につながると考えております。
具体的には、オール光ネットワーク(注15)、オープンRAN(注16)、海底ケーブル、データセンター等のAI社会を支えるデジタルインフラの需要増大にグローバルレベルで応えていくためには、高度な研究開発力とそれに基づく高い技術力が必要であるところ、公開買付者グループの研究開発部門の有する先端的技術に、顧客や市場に直接的に接している当社グループが有する様々な業界のお客様へのソリューション提供を通じて培った技術力や、協業関係にあるパートナーとの緊密な関係等の強みを組み合わせることにより、マーケットに適応したソリューションを作りあげることが可能になると考えております。その実現には、公開買付者グループとより一体となった包括的かつ長期的な視点での戦略の立案と実行が有効になると考えております。
(注14) Business to Businessの略で、企業が企業に対して商品やサービスを提供するビジネスモデル。
(注15) ネットワークから端末まで光信号のまま通信する、従来よりも低消費電力、高品質・大容量、低遅延の伝送を実現する技術。
(注16) 無線基地局の仕様をオープンかつ標準化することにより、さまざまなベンダーの機器やシステムとの相互接続を可能とする無線アクセスネットワーク。
また、当社グループと当社グループ以外の公開買付者グループ会社との連携による国内の大規模法人向け統合ソリューション営業の強化・拡大、国内市場におけるIT×コネクティビティ(データセンター、NW、Edge(注17)等)のフルスタックサービスの強化が可能となり、国内の大規模顧客向け事業の競争優位性を強化し、事業規模と収益性の拡大が可能になると考えております。
(注17) エッジと呼ばれるネットワークの端やデータの収集・送信の物理的な場所を、デジタルネットワークに接続して相互作業を強化すべく、機械学習・デバイス管理・ネットワーク技術などを統合・実装したサービス。
具体的には、当社が公開買付者の完全子会社となることにより、当社グループと当社グループ以外の公開買付者グループとの連携において、当社グループが当社グループ以外の公開買付者グループの有するR&D 機能(IOWN・AI技術等)を活用し、各事業領域での新たなサービス開発を加速化することが可能になるとともに、当社グループ以外の公開買付者グループが有する国内地域でのスケールメリットや広範なチャネル・ブランド力を活かすことで、上場会社としての独立性に配慮する必要がある現状の資本関係の中で取り組むには限界のあった、公開買付者グループの資源や能力及び競争優位性を一層活かした事業機会の拡充、競争力の強化及び当社グループでは取引関係のない当社グループ以外の公開買付者グループの顧客に対する当社グループのサービスの提供が期待できると考えております。
公開買付者グループと当社グループとの間での重複した機能の統合による意思決定の迅速化によって、大規模なM&Aやデータセンター建設に向けた土地購入・建設承認等において機動的な意思決定を行い、時間的制約による機会損失のリスクを回避することで企業価値向上のスピードを上げていくことが可能になると考えております。
具体的には、NTT DATA, Inc.について、意思決定の体制を整備し、通常の業務執行について当社グループ単独での意思決定を可能とすることで、意思決定の迅速化が可能になると考えております。
また、現在は当社と公開買付者とは独立した上場会社として、バックオフィス機能などの事業インフラをそれぞれ有していますが、当社グループを含む公開買付者グループ全体での業務効率化やテクノロジー活用を進めることで、コスト効率化や生産性の向上を図ることが可能と考えております。
なお、当社は、本取引において想定されるディスシナジーについて検討しましたが、ディスシナジーが生じる可能性はあるものの限定的であり、十分に対処可能であると考えております。
加えて、当社は、以下の点等から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(ア)下記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載されている大和証券による当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法による算定結果の上限を上回っており、類似会社比較法による算定結果の範囲内であり、かつ、レンジの中央値を上回っており、DCF法による算定結果の範囲内であること。また、当社が大和証券から、本公開買付価格である1株当たり4,000円が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオン(大和証券)を取得していること。
(イ)下記「(3) 算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)におけるプルータス・コンサルティングによる当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回っており、DCF法による算定結果の範囲内であり、かつ、レンジの中央値を上回っていること。また、本特別委員会がプルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり4,000円が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)を取得していること。
(ウ)本公開買付価格は、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年5月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値の2,991.5円に対して33.71%、同日までの過去1ヶ月間(2025年4月8日から2025年5月7日まで)の終値単純平均値2,663円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対して50.21%、同日までの過去3ヶ月間(2025年2月10日から2025年5月7日まで)の終値単純平均値2,765円に対して44.67%、同日までの過去6ヶ月間(2024年11月8日から2025年5月7日まで)の終値単純平均値2,858円に対して39.96%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、本公開買付価格のプレミアムは、本取引が親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした取引であることから、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)を公表した2019年6月28日以降に公表された、親会社による上場子会社に対する非公開化を目的とした公開買付けの事例78件における、過去1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値それぞれに対するプレミアム水準(対過去1ヶ月間:40.59%、対過去3ヶ月間:40.32%、対過去6ヶ月間:38.72%)に照らして、遜色ない水準にあるものと認められること。
(エ)当社の長期の株価推移に照らして、直近25年における当社株式の場中最高値3,258円(2025年2月6日)を超える価格であること。
(オ)下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、一般株主の利益が確保されていると認められること。
(カ)本公開買付価格は、当社において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、当社及び公開買付者から独立した本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯に交渉を重ねた上で合意された価格であること。
(キ)当社における独立した本特別委員会から取得した本答申書において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の公正性・妥当性は確保されていると判断されていること。
以上より、当社は、2025年5月8日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、上記当社取締役会における決議の方法は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対して、当社の株式価値の算定及び本公開買付価格を含む本取引における取引条件について当社の少数株主にとっての財務的見地からの公正性に関する意見表明を依頼し、2025年5月7日付で、本株式価値算定書(大和証券)及び本フェアネス・オピニオン(大和証券)を取得いたしました。なお、大和証券は、公開買付者及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
なお、大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案のうえ、上記の報酬体系により大和証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選定しました。
大和証券は、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討のうえ、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社の市場株価の動向を勘案した市場株価法、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法及び当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、2025年5月7日付で大和証券より本株式価値算定書(大和証券)を取得しました。
上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :2,663円から2,991.5円
類似会社比較法 :3,229円から4,627円
DCF法 :2,768円から5,626円
市場株価法では、2025年5月7日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における基準日の終値2,991.5円、直近1ヶ月間(2025年4月8日から2025年5月7日まで)の終値単純平均値2,663円、直近3ヶ月間(2025年2月10日から2025年5月7日まで)の終値単純平均値2,765円及び直近6ヶ月間(2024年11月8日から2025年5月7日まで)の終値単純平均値2,858円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を2,663円~2,991.5円と算定しております。
類似会社比較法では、当社を、当社グループ(NTT DATA, Inc.を除きます。以下「国内事業等」といいます。)及びNTT DATA, Inc.に分類し、さらにNTT DATA, Inc.については、海外事業等及びデータセンター事業に分類して事業価値算定を行うサム・オブ・ザ・パーツ分析(以下「SoTP分析」といいます。)を実施いたしました。国内事業等については、日本電気株式会社、富士通株式会社、株式会社野村総合研究所、TIS株式会社、SCSK株式会社、BIPROGY株式会社、株式会社DTS、株式会社NSD及び株式会社電通総研を相対的に類似する事業を手掛ける上場会社として選定いたしました。海外事業等については、Computacenter plc、Sopra Steria Group SA、Indra Sistemas, S.A.及びKontron AGを相対的に類似する事業を手掛ける上場会社として選定いたしました。データセンター事業については、Equinix, Inc.及びDigital Realty Trust, Inc.を相対的に類似する事業を手掛ける上場会社として選定いたしました。そのうえで、国内事業等、海外事業等、及びデータセンター事業の各事業において、事業価値に対するEBITDAの倍率を用いて、各事業の事業価値を算定し合算することで当社の事業価値を算定し、当社株式の1株当たり価値の範囲を3,229円~4,627円までと算定しております。
DCF法についてもSoTP分析を実施し、当社が2026年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュフローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の事業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり価値の範囲を2,768円~5,626円までと算定しております。なお、割引率は加重平均資本コストを採用し、国内事業等では5.6%~6.6%、海外事業等では8.3%~9.4%、データセンター事業では8.2%~9.1%としております。継続価値の算定についてはEV/EBITDA倍率によるエグジット・マルチプル法及び永久成長法を採用し、エグジット・マルチプルを国内事業等では9.1倍~11.1倍、海外事業等では5.6倍~7.6倍、データセンター事業では20.7倍~24.7倍とし、永久成長率を国内事業等では1.0%~2.0%、海外事業等では3.5%~4.5%、データセンター事業では3.5%~4.5%として算定しております。
なお、大和証券がDCF法による分析に用いた事業計画においては、対前期比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、国内事業等においては、2028年3月期に、売上高の増加と運転資本の増減額の減少を見込んでいることに伴い、フリー・キャッシュフローの大幅な増加(2028年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比36%)を見込んでおります。
海外事業等においては、2026年3月期及び2027年3月期に新規大規模顧客の獲得施策や、グローバル規模で需要が大きいGenerative AI、クラウド、セキュリティ等のソリューション・サービスを世界中に展開する施策を実施することにより、営業利益及びEBITDAの大幅な増益(2026年3月期営業利益:対前期比200%、2026年3月期EBITDA:対前期比53%、2027年3月期営業利益:対前期比51%、2027年3月期EBITDA:対前期比27%)を見込んでおりますが、2027年3月期においては、売上高が増加に転じたことによる運転資本の増加によりフリー・キャッシュフローの減少(2027年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比▲36%)を見込んでおります。
データセンター事業においては、2026年3月期にデータセンター設備に係る売却益の計上に伴い営業利益及びEBITDAの大幅な増加(2026年3月期営業利益:対前期比215%、2026年3月期EBITDA:対前期比122%)を見込んでおります。一方、2027年3月期は、事業としては引き続き成長を計画するものの、データセンター設備に係る売却額の計上額が大きい前期比では、営業利益、EBITDA、フリー・キャッシュフローの減少(2027年3月期営業利益:対前期比▲46%、2027年3月期EBITDA:対前期比▲28%、2027年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比▲53%)を見込んでおります。2028年3月期及び2029年3月期は、新規データセンターの竣工や稼働率の上昇を見込んでいることから営業利益の大幅な増加(2028年3月期営業利益:対前期比30%、2029年3月期営業利益:対前期比29%)を見込んでおり、財務健全性を踏まえた設備投資額の減少によりフリー・キャッシュフローについても大幅な増加(2028年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比67%、2029年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比37%)を見込んでおります。2032年3月期は、設備投資額の増加やデータセンター設備に係る売却金額を計上しないことを見込んでいることから、フリー・キャッシュフローの大幅な減少(2032年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比▲87%)を見込んでいるものの、2030年3月期は、データセンター設備に係る設備投資額の減少により、2031年3月期は、売上高、営業利益、EBITDAの増加及び設備投資額の減少により、2033年3月期、2034年3月期は、売上高、営業利益、EBITDAの増加により、それぞれフリー・キャッシュフローの増加(2030年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比98%、2031年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比5,313%、2033年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比199%、2034年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比55%)を見込んでおります。
大和証券がDCF法による分析に用いた当社作成の事業計画においては、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、上記算定には加味しておりません。
なお、DCF法で算定の前提とした当社財務予測の数値は以下のとおりです。
当社は、2025年5月7日付で、大和証券から、本公開買付価格である1株当たり4,000円が当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものと考える旨の本フェアネス・オピニオン(大和証券)を取得いたしました(注18)。なお、本フェアネス・オピニオン(大和証券)は事業見通しを含む財務情報の分析及び検討並びに本特別委員会との質疑応答を経て、大和証券により実施された当社株式の価値算定結果の検討に加え、本公開買付けに賛同するに至る経緯・背景に係る当社及び本特別委員会との質疑応答を踏まえたものであり、大和証券のフェアネス・オピニオン承認会議によって作成・提出の承認を受けています。
(注18) 大和証券は、本フェアネス・オピニオン(大和証券)記載の意見を述べるにあたり、大和証券が分析及び検討の対象とした全ての資料及び情報が正確かつ完全であることを前提としており、これらの資料及び情報の正確性又は完全性に関し独自の検証を行っておらず、またその義務を負うものではありません。大和証券は、本フェアネス・オピニオン(大和証券)記載の意見を述べるにあたり、当社に関して大和証券に開示されていない当社の企業価値に影響を及ぼすような事象が、本フェアネス・オピニオン(大和証券)記載の意見を述べる日付時点で発生していないことを前提としております。大和証券は、当社及びそれらの関係会社の全ての資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みますが、これらに限られません。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、また第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。大和証券は、破産、支払不能又はこれらに類似する事項に関するいかなる適用法令の下における当社及びそれらの関係会社の支払能力又は信用力についても評価を行っておりません。大和証券は、当社及びそれらの関係会社のいかなる財産又は設備の実地の見分を行っておらず、またその義務を負うものではありません。
大和証券は、本フェアネス・オピニオン(大和証券)記載の意見を述べるにあたり、大和証券に提供された事業計画、財務予測その他将来に関する情報が、当社の経営陣による現時点において可能な最善の予測と判断に基づき、合理的に作成されていることを前提としており、当社の同意を得て、独自に検証することなくこれらの情報に依拠しています。大和証券は、大和証券に提供された事業計画、財務予測その他将来に関する情報が、これらの作成又は提供日付以降、当社の資産、財務状況、事業又は将来予測に重大な影響を及ぼす状況の変化はないことを前提にしています。大和証券は、本フェアネス・オピニオン(大和証券)記載の意見の表明及びその前提となる分析を行うにあたって、業界状況、一般的なビジネス及び経済の状況並びにその他の事項について多数の前提を置いており、その多くは、当社及び公開買付者が制御できないものです。大和証券の当該分析に含まれる全ての予測は、必ずしも将来の結果や実際の価値を示すものではなく、かかる結果や価値は、当該予測によって示唆されるものに比して大幅に良くも悪くもなり得るものです。
大和証券は、本公開買付けの実行に必要な全ての政府、規制当局その他の者の同意又は許認可が、本公開買付けにより期待される利益に悪影響を与えることなく取得されることも前提としています。大和証券は、本公開買付けの実行に関する当社の意思決定、あるいは本公開買付けと他の戦略的選択肢の比較評価を検討することを当社から依頼されておらず、また検討しておりません。大和証券は、法律、会計及び税務のいずれの専門家でもなく、本公開買付けに関するいかなる事項の適法性及び有効性並びに会計及び税務上の処理の妥当性について独自に分析及び検討を行っておらず、それらの義務を負うものでもありません。
大和証券は、本公開買付けに関するアドバイザリー業務(以下「本アドバイザリー業務」といいます。)提供の対価として、既に受領済みの手数料に加え手数料を受領する予定です。当社は、大和証券の本アドバイザリー業務に関連して生じ得る一定の責任について補償することに同意しています。大和証券及びその関係会社は、当社及び公開買付者並びにそれらの関係会社に対して、有償で、有価証券関連サービスを含む投資・金融サービスを提供し又は今後提供することがあります。また、大和証券及びその関係会社は、当社及び公開買付者並びにそれらの関係会社の有価証券及び金融派生商品を含む金融商品を、自己又は顧客の勘定で取引又は保有することがあります。
本フェアネス・オピニオン(大和証券)は、当社取締役会が本公開買付価格を検討するための参考情報として利用することを唯一の目的として作成されたものです。大和証券は、当社又は当社の取締役会に対して特定の買付価格について推奨するものではなく、また、特定の買付価格が唯一適切な買付価格であることについて推奨するものではありません。また、当社は、大和証券の書面による事前の同意なく、本フェアネス・オピニオン(大和証券)を第三者に開示、伝達又は参照させることはできません。本フェアネス・オピニオン(大和証券)記載の意見は、当社取締役会以外の第三者に宛てられるものではなく、当該第三者はいかなる目的においても、これを信頼し又はこれに依拠することはできません。さらに、本フェアネス・オピニオン(大和証券)に記載された大和証券の意見は、当社の普通株主に対して本公開買付けに関する議決権等の株主権の行使、当社株式の譲渡又は譲受けその他の関連する事項について何らの推奨又は勧誘を行うものではありません。
大和証券は、本フェアネス・オピニオン(大和証券)において、公開買付者及びその関係会社を除く当社の普通株主にとって本公開買付価格が財務的見地から公正であるか否かについてのみ意見を述べるものであり、大和証券は、公開買付者及びその関係会社を除く当社の普通株主以外の第三者にとって公正であるか否か又はその他の事項についての意見を求められておらず、かつ、意見を述べておりません。大和証券は、本フェアネス・オピニオン(大和証券)において、本公開買付価格の決定の基礎となる各前提事実若しくは仮定、又は当社の本公開買付けに関する意思決定について意見を述べるものではありません。また、大和証券は、本フェアネス・オピニオン(大和証券)において、本フェアネス・オピニオン(大和証券)の日付以降に取引される当社の普通株式の価格について、いかなる意見を述べるものでもありません。大和証券は、本公開買付価格に関して、本公開買付けに関わるいかなる役員、取締役又は従業員、又は同様の者が受け取る予定のいかなる報酬の額や性質が公正であるか否かについて、意見を述べるものではありません。大和証券は、本フェアネス・オピニオン(大和証券)を作成するにあたり、当社の全部又はいかなる部分の買収についても、公開買付者以外の第三者が関心を示すよう勧誘を行う権限を、当社又は当社取締役会から与えられておらず、また過去に当該勧誘を行っておりません。
本フェアネス・オピニオン(大和証券)に記載された大和証券の意見は、本フェアネス・オピニオン(大和証券)の日付現在における金融、経済、市場その他の状況を前提とし、当該日付現在までに大和証券が入手可能な情報に依拠しています。また、本フェアネス・オピニオン(大和証券)に記載された大和証券の意見は今後の状況の変化に伴い影響を受ける可能性がありますが、大和証券はその意見を更新、修正又は再確認する義務を負いません。
本特別委員会は、本諮問事項の検討を行うにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の妥当性を確保するために、公開買付者及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対して、当社株式の価値算定及び本公開買付価格を含む本取引における取引条件について当社の少数株主にとっての財務的見地からの公正性に関する意見表明を依頼し、2025年5月7日付で、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)を取得いたしました。
プルータス・コンサルティングは、公開買付者及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るプルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
プルータス・コンサルティングは、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討のうえ、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて当社株式の株式価値の算定を行い、本特別委員会は、2025年5月7日付でプルータス・コンサルティングより本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)を取得しました。
上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :2,663円から2,991.5円
類似会社比較法 :2,648円から3,611円
DCF法 :2,609円から4,476円
市場株価法では、2025年5月7日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における基準日の終値2,991.5円、直近1ヶ月間(2025年4月8日から2025年5月7日まで)の終値単純平均値2,663円、直近3ヶ月間(2025年2月10日から2025年5月7日まで)の終値単純平均値2,765円及び直近6ヶ月間(2024年11月8日から2025年5月7日まで)の終値単純平均値2,858円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を2,663円~2,991.5円と算定しております。
類似会社比較法では、SoTP分析を実施いたしました。国内事業等については、富士通株式会社、日本電気株式会社、株式会社野村総合研究所、SCSK株式会社、TIS株式会社、BIPLOGY株式会社及び日鉄ソリューションズ株式会社を相対的に類似する事業を手掛ける上場会社として選定いたしました。海外事業等については、Capgemini SE、Cognizant Technology Solutions Corp、HCL Technologies Ltd、Wipro Ltd、Computacenter PLC、CACI International Inc、Atea ASA、及びSoftwareOne Holding AGを相対的に類似する事業を手掛ける上場会社として選定いたしました。データセンター事業については、Equinix Inc、Digital Realty Trust Inc、及びDigitalBridge Group Incを相対的に類似する事業を手掛ける上場会社として選定いたしました。そのうえで、国内事業等、海外事業等、及びデータセンター事業の各事業において、事業価値に対するEV/EBIT及びEV/EBITDAの倍率(データセンター事業はEV/EBITDAの倍率のみ)を用いて、各事業の事業価値を算定し合算することで当社の事業価値を算定し、当社株式の1株当たり価値の範囲を2,648円~3,611円までと算定しております。
DCF法においても、SoTP分析を実施し、国内事業等、海外事業等及びデータセンター事業の財務予測ごとに価値評価を行っており、当社が作成した事業計画を基に、国内事業等及び海外事業等における2026年3月期から2028年3月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素、並びにデータセンター事業における2026年3月期から2034年3月期までの9期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュフローを事業ごとの一定の割引率で現在価値に割り引いて各事業の事業価値を算定し、その各事業価値を合算することで当社の事業価値を算出した上で、当社株式の1株当たり価値の範囲を2,609円~4,476円までと算定しております。なお、割引率は、国内事業等では7.5%~8.1%、海外事業等では7.3%~8.0%、データセンター事業では7.4%~10.0%を採用しております。継続価値の算定については国内事業等、海外事業等、及びデータセンター事業の各事業において倍率法を採用し、倍率はEV/EBIT及びEV/EBITDAの倍率(データセンター事業はEV/EBITDAの倍率のみ)をそれぞれ採用し、それぞれ国内事業等では12.2倍~14.7倍及び9.5倍~10.9倍、海外事業等では9.8倍~11.5倍及び7.9倍~9.0倍、データセンター事業では15.6倍~19.7倍としております。
プルータス・コンサルティングがDCF法の算定の前提とした当社作成の事業計画に基づく連結財務予測は以下のとおりです。なお、当社作成の事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。
具体的には、国内事業等においては、2028年3月期に、売上高の増加を見込んでいることに伴い、フリー・キャッシュフローの大幅な増加(2028年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比32%)を見込んでおります。
海外事業等においては、2027年3月期に新規大規模顧客の獲得施策や、グローバル規模で需要が大きいGenerative AI、クラウド、セキュリティ等のソリューション・サービスを世界中に展開する施策を実施することにより、営業利益の大幅な増益(2027年3月期営業利益:対前期比51%)を見込んでおりますが、売上高が増加に転じたことによる運転資本の増加によりフリー・キャッシュフローの減少(2027年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比▲41%)を見込んでおります。2028年3月期は上記の施策を背景としたフリー・キャッシュフローの増加(2028年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比49%)を見込んでおります。
データセンター事業においては、2027年3月期は、事業としては引き続き成長を計画するものの、データセンター設備に係る売却額が大きい前期比では、営業利益及びフリー・キャッシュフローの減少(2027年3月期営業利益:対前期比▲46%、2027年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比▲30%)を見込んでおります。2028年3月期及び2029年3月期は新規データセンターの竣工や稼働率の上昇を背景として、2028年3月期については営業利益の大幅増加(2028年3月期営業利益:対前期比30%)、また両年度については、財務健全性を踏まえた設備投資額の減少によるフリー・キャッシュフローの増加(2028年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比65%、2029年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比37%)を見込んでおります。2032年3月期は、設備投資額の増加やデータセンター設備に係る売却金額を計上しないことを見込んでいることから、フリー・キャッシュフローの大幅な減少(2032年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比▲72%)を見込んでいるものの、2030年3月期は、データセンター設備に係る設備投資額の減少により、2031年3月期は、売上高、営業利益、EBITDAの増加及び設備投資額の減少により、2033年3月期及び2034年3月期は、売上高、営業利益、EBITDAの増加により、それぞれフリー・キャッシュフローの増加(2030年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比116%、2031年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比646%、2033年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比75%、2034年3月期フリー・キャッシュフロー:対前期比34%)を見込んでおります。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストの削減効果を除き、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、上記算定には加味しておりません。
本特別委員会は、2025年5月7日付で、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり4,000円は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)を取得しております(注19)。本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、当社が作成した事業計画に基づく株式価値算定の結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり4,000円が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、プルータス・コンサルティングが、当社から、当社の事業の現状、将来の事業計画等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社の株式価値算定の結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータス・コンサルティングが必要と認めた範囲内での当社の事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータス・コンサルティングにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております。
(注19) プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)を作成するに当たって当社から提供を受けた基礎資料及び一般に公開されている資料、並びに当社から聴取した情報が正確かつ完全であることを前提としております。プルータス・コンサルティングはその正確性、完全性について、独自の調査、検証を実施しておらず、その義務を負うものではありません。したがって、プルータス・コンサルティングはこれらの資料の不備や重要事実の不開示に起因する責任を負いません。
プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の基礎資料として用いた事業計画その他の資料は、当該資料の作成時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としております。プルータス・コンサルティングはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明するものではありません。
プルータス・コンサルティングは、法律、会計又は税務の専門機関ではありません。したがってプルータス・コンサルティングは本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものでもありません。
プルータス・コンサルティングは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提出も受けておりません。したがって、プルータス・コンサルティングは当社及びその関係会社の支払能力についての評価も行っておりません。
本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、当社が本公開買付けに関する意見を表明するに際しての検討に供する目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものです。したがって、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、本公開買付けの代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本公開買付けの実施によりもたらされる便益、及び本公開買付け実行の是非について、何らの意見を述べるものではありません。
本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、当社の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見も述べるものではありません。したがって、プルータス・コンサルティングは本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)に依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負いません。
プルータス・コンサルティングは、当社への投資等を勧誘するものではなく、その権限も有しておりません。したがって、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は株主の皆様に対して本公開買付けに関する応募その他のいかなる行動も推奨するものではありません。
本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、本公開買付価格が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正か否かについて、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の提出日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、同日までにプルータス・コンサルティングに供され又はプルータス・コンサルティングが入手した情報に基づいて、同日時点における意見を述べたものです。今後の状況の変化によりこれらの前提が変化しても、プルータス・コンサルティングはその意見を修正、変更又は補足する義務を負いません。
本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)に明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではありません。
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年5月7日付で株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)を取得したとのことです。なお、野村證券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
また、公開買付者は、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
野村證券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行ったうえで、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、市場株価が存在することから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の株式価値の算定を行い、公開買付者は、野村證券から2025年5月7日付で本株式価値算定書(野村證券)を取得したとのことです。
野村證券により上記各手法において算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価平均法 :2,623円から2,964円
類似会社比較法 :3,279円から3,792円
DCF法 :2,655円から4,952円
市場株価平均法では、2025年5月2日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値2,964円、直近5営業日の終値単純平均値2,870円、直近1ヶ月間の終値単純平均値2,623円、直近3ヶ月間の終値単純平均値2,790円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値2,849円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,623円から2,964円と算定しているとのことです。
類似会社比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を3,279円から3,792円までと算定しているとのことです。
DCF法では、当社より提供され、公開買付者が確認した事業計画(当社から受領した事業計画にフリー・キャッシュフローは含まれていないとのことです。)における収益や投資計画、当社へのインタビュー、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した2025年3月期以降の当社の将来の収益予想に基づき、当社が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュフローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,655円から4,952円と算定しているとのことです。なお、DCF法の前提とした当社グループの事業計画には、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2026年3月期にデータセンター設備に係る売却益の計上に伴い営業利益及びEBITDAの大幅な増加を見込んでいるとのことです。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味されていないとのことです。
公開買付者は、野村證券から取得した本株式価値算定書(野村證券)における当社の株式価値の算定結果に加え、2025年2月上旬から2025年3月中旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2025年5月8日、本公開買付価格を4,000円と決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である4,000円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年5月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,991.5円に対して33.71%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,663円に対して50.21%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,765円に対して44.67%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,858円に対して39.96%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。また、本公開買付価格である4,000円は、本書提出日の前営業日である2025年5月8日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値3,492.0円に対して14.55%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、公開買付者は、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本完全子会社化手続が実行された場合には、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社を公開買付者の完全子会社とする方針であり、本公開買付けにより当社株式の全て(公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下のいずれかの方法により、当社株式の全て(公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を所有するための手続を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となった場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全てを売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主が所有する当社株式の全てを取得いたします。公開買付者は、売渡株主の所有していた当社株式の対価として、各売渡株主に対し、当社株式1株当たり本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。
なお、当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において、公開買付者による株式売渡請求を承認する予定です。
上記手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の手続として、株式売渡請求がなされた場合には、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、かかる申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
本公開買付けが成立したものの、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき当社株式の併合を行うこと(以下「株式併合」といいます。)及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2025年8月から9月頃を目途に開催することを当社に要請する予定であり、公開買付者は、本臨時株主総会において、当該議案に賛成する予定とのことです。本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。
株式併合をすることにより、株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定めに従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切捨てられます。以下同じとします。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。公開買付者は、当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定したうえで、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを、当社に要請する予定とのことです。
また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者が当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう当社に要請する予定とのことです。
上記手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、所定の条件を充たす場合には、当社の株主は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議のうえ、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
公開買付者及び当社は、公開買付者が当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と当社の公開買付者以外の株主との間で構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付けの公正性を担保し、利益相反を回避するため、以下の措置を講じております。
なお、以下の記載のうち公開買付者において実施した措置等については、公開買付者が2025年5月8日付で公表した「株式会社NTTデータグループ株式(証券コード9613)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」及び公開買付者から受けた説明に基づくものです。
なお、公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、当社株式809,677,800株(所有割合:57.73%)を所有しているため、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の買付予定数の下限を設定していないとのことですが、公開買付者及び当社において以下の措置が講じられていることから、公開買付者及び当社としては、当社の一般株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
上記「(3) 算定に関する事項」の「③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年5月7日付で本株式価値算定書(野村證券)を取得したとのことです。なお、野村證券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
また、公開買付者は、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、公開買付者及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券を選任し、当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2025年5月7日付で、本株式価値算定書(大和証券)及び本フェアネス・オピニオン(大和証券)を取得いたしました。本株式価値算定書(大和証券)及び本フェアネス・オピニオン(大和証券)の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。なお、大和証券は、公開買付者及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社取締役会における意思決定に至る過程」に記載のとおり、当社は、公開買付者及び当社グループから独立した法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所及び長島・大野・常松法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点等に関する法的助言を受けております。
また、下記「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、中村・角田・松本法律事務所及び長島・大野・常松法律事務所の独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認のうえ、その選任の承認を受けております。
なお、中村・角田・松本法律事務所及び長島・大野・常松法律事務所は、公開買付者及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。中村・角田・松本法律事務所及び長島・大野・常松法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社取締役会における意思決定に至る過程」に記載のとおり、当社は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。
具体的には、当社は、2024年11月1日に本取引の実施に向けた検討を開始した旨の通知を受領した時点以降、公開買付者からの独立性が認められる当社役職員6名(全取締役11名のうち1名(監査等委員でない取締役)、職員5名)で構成される検討体制を構築し、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び当社株式の価値評価の基礎となる事業計画の作成過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、現に当社グループ以外の公開買付者グループ各社の役職員を兼任する当社の役職員のみならず、直近まで当社グループ以外の公開買付者グループ各社の役職員であった当社の役職員も原則として関与させないこととしており、かかる取扱いを継続しております。
なお、当社の取締役のうち、中山和彦氏は、1989年の公開買付者への入社時から2023年6月まで公開買付者又は当社グループ以外の公開買付者グループ各社に在籍しており、当社グループ以外の公開買付者グループを離れてからの期間が2年に満たないことから、公開買付者からの独立性という観点からの検討が必要となるものの、当社のCFOとして、2026年3月期の事業計画及び財務戦略の実行管理を主導する立場であり、かつ、これらの実行管理を適切に行うためには、2026年3月期の事業計画策定に関する情報収集等に関与することが必要不可欠で代替できないこと、既に当社グループ以外の公開買付者グループに籍を有しておらず、現時点で当社グループ以外の公開買付者グループに対して善管注意義務等を負っているものではなく、公開買付者との間に利益相反関係が存在するものではなく、公開買付者から指示を受ける立場にもないこと、M&A指針においても、過去に公開買付者の役職員であった者はその一事をもって全て除外されるべきとまで考える必要はないとされていること等から、公開買付者との関係で利益相反のおそれは小さいと判断できることを勘案し、原則として本取引の検討・交渉(本取引に関する取締役会の審議・決議を含みます。)には関与させないものの、当社株式の価値評価の基礎となる2026年3月期から2028年3月期まで(データセンター事業については2026年3月期から2034年3月期まで)を対象年度とする事業計画のうち、2026年3月期の事業計画についての検討にのみ関与させることといたしました(但し、事業計画の実行管理のために必要な情報収集を目的とした関与行為に限ります。)。但し、中山和彦氏の関与に際しては、公正性を担保するため、当社が、本特別委員会に対し、中山和彦氏の関与状況について適時適切に報告することとし、本特別委員会が中山和彦氏の関与によって公正性等の見地から問題が生じているか又はそのおそれがあると判断する場合には、当社に対し、中山和彦氏の関与の中止又は是正等を勧告するものといたしました。その結果、当社による当該報告は適時適切に行われており、本特別委員会から中山和彦氏の関与の中止又は是正等の勧告は行われておりません。なお、中山和彦氏には事業計画の策定に関する決定権を付与せず、同氏が策定に関与した事業計画の原案については、その内容について当社の代表取締役社長である佐々木裕氏が確認したうえ、最終的に決定するものといたしました。その結果、中山和彦氏が策定に関与した事業計画を含む事業計画の全体について、佐々木裕氏が確認したうえ、最終的に決定されております。加えて、当該事業計画は、その作成過程において、本特別委員会に対して作成中の事業計画案の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明が行われるとともに、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会の確認を受け、その承認を得ております。
また、当社の監査等委員である坂本英一氏は、1986年の公開買付者への入社時から2024年6月まで公開買付者又は当社グループ以外の公開買付者グループ各社に在籍し、2018年6月から2020年6月まで公開買付者の取締役を務め、また、その後2020年10月から2024年3月まで公開買付者の子会社である西日本電信電話株式会社の代表取締役副社長を務めており、当社グループ以外の公開買付者グループを離れてからの期間が1年に満たないことから、構造的な利益相反の問題を可能な限り排除するために、本取引の検討・交渉(本取引に関する取締役会の審議・決議を含みます。)には一切関与させておりません。
これに加えて、当社の取締役のPatrizio Mapelli氏については、これまで公開買付者又は当社グループ以外の公開買付者グループ各社に在籍したことはありませんでしたが、2025年4月18日に公開買付者から当社に対し、同氏を公開買付者の取締役候補者(2025年6月開催予定の公開買付者の定時株主総会に上程予定)として推薦する予定である旨通知がありました。当該通知を踏まえまして、当社は、2025年4月18日以降、同氏に関する構造的な利益相反の問題を可能な限り排除するために、本取引の検討・交渉(本取引に関する取締役会の審議・決議を含みます。)には一切関与させておりません。
また、事業計画の策定に関する検討には、2024年6月30日まで当社グループ以外の公開買付者グループの従業員であった当社の従業員(1名)が参加しているものの、当該従業員は、当社グループの連結決算の策定並びに会計制度及び税務を統括する役職にあり、当社における定量面での検討に精通しており、当社グループの事業計画の策定に不可欠かつ当社の他の役職員により代替できないこと、既に当社グループ以外の公開買付者グループに籍を有しておらず、公開買付者から指示を受ける立場になく、公開買付者との間に利益相反関係が存在するものではないこと、M&A指針においても、過去に公開買付者の役職員であった者はその一事をもって全て除外されるべきとまで考える必要はないとされていること等から、公開買付者との関係で利益相反のおそれは小さいと判断できることを勘案し、事業計画の策定に関する検討に限り関与させることといたしました。さらに、当該事業計画は、その作成過程において、本特別委員会に対して作成中の事業計画案の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明が行われるとともに、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会の確認を受け、その承認を得ております。
以上の取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)は中村・角田・松本法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ております。
(ⅰ)設置等の経緯
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社取締役会における意思決定に至る過程」に記載のとおり、当社は、2024年12月24日に開催された取締役会における決議により、本特別委員会を設置いたしましたが、かかる本特別委員会の設置に先立ち、当社は、2024年11月下旬から、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、中村・角田・松本法律事務所の助言も得つつ、公開買付者との間で重要な利害関係を有しない当社の社外取締役に対して、公開買付者から本取引の実施に向けた検討を開始した旨の通知を受けた旨、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を個別に説明いたしました。また、当社は、並行して、中村・角田・松本法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる当社の社外取締役の独立性及び適格性等について確認を行うとともに、公開買付者との間で重要な利害関係を有していないこと、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことについても確認を行いました。そのうえで、当社の社外取締役において、中村・角田・松本法律事務所の助言を得つつ、協議した結果、異議がない旨が確認されたことから、当社は、グローバルビジネスにおける豊富な経営経験、ITに関する高い見識を有する池史彦氏(当社独立社外取締役、株式会社りそなホールディングス社外取締役、エーザイ株式会社社外取締役)、行政実務及び経済学に関する研究や外交を通じて培った、高い見識と豊富な経験を有する藤井眞理子氏(当社独立社外取締役、東京大学名誉教授、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ社外取締役)及びグローバルビジネスにおける豊富な経営経験、人財・組織力の最大化に関する高い見識を有する石黒成直氏(当社独立社外取締役、株式会社リコー社外取締役)の3名を本特別委員会の委員の候補として選定いたしました(なお、本特別委員会の委員長には当社独立社外取締役である池史彦氏が就任しており、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。
そのうえで、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社取締役会における意思決定に至る過程」に記載のとおり、2024年12月24日の取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、本諮問事項を諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に関する意思決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引の承認を決定しない(本公開買付けに賛同しないことを含む。)こととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社と公開買付者の間で行う取引条件に関する交渉の過程に実質的に影響を与える状況を確保すること(このために、当社取締役会の意向を踏まえ公開買付者との交渉を行う取締役は、本特別委員会に事前に交渉方針を確認し、適時に交渉状況の報告を行い、交渉の重要局面で本特別委員会の意見を聴取し、本特別委員会の指示又は要請を勘案して交渉を行うものとし、本特別委員会は、必要に応じて自ら直接交渉を行うことができる。)、(ⅱ)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、独自のアドバイザーを選任すること(この場合の合理的な費用は当社が負担する。)、及び当社のアドバイザーを指名若しくは承認(事後承認を含む。)し、当社のアドバイザーの独立性及び専門性に問題がないことを確認した場合には、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求めること、(ⅲ)適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報の説明を求めることについて権限を付与することを決議しております。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役11名のうち、中山和彦氏は過去に公開買付者の執行役員を務めていたこと、坂本英一氏は過去に公開買付者の取締役を務めていたこと等に鑑み、当社取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、中山和彦氏及び坂本英一氏を除く9名の取締役(監査等委員であるものを含みます。)において審議のうえ、全員一致により上記の決議を行っております。
なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定報酬を支払うものとされております。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2024年12月24日より2025年5月7日までの間に合計27回開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。具体的には、本特別委員会は、まず、その独立性及び専門性・実績等を検討のうえ、2024年12月24日、公開買付者及び当社グループから独立した独自の法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を、公開買付者及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任する旨を決定いたしました。本特別委員会は、西村あさひ法律事務所及びプルータス・コンサルティングが公開買付者及び当社グループの関連当事者には該当しないこと、及び本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないこと、その他本取引における独立性に問題がないことを確認しております。
また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券並びに当社の法務アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所及び長島・大野・常松法律事務所について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認のうえ、その選任を承認しております。
さらに、本特別委員会は、上記「④ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことを確認のうえ、承認をしております。
そのうえで、本特別委員会は、西村あさひ法律事務所から受けた法的助言並びに中村・角田・松本法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。
本特別委員会は、本取引の実施の背景及び目的、本取引の意義及び本取引実施後の成長戦略、本取引により生じ得るデメリット、公開買付者が本取引を提案するに至った経緯・背景、理由等、本取引後の経営方針、従業員の取扱い、本取引の価格その他の条件、本取引のストラクチャー・手続・条件等に関する質問事項書を複数回にわたり公開買付者に送付し、公開買付者から回答書を受領するとともに、これらの事項について公開買付者にヒアリングを行い、公開買付者から説明を受け、公開買付者との間で質疑応答を行っております。
また、本特別委員会は、当社グループの経営環境、経営課題等、本取引の意義及び本取引実施後の成長戦略、当社株式の上場廃止を含む、本取引により生じ得るデメリット、本取引のタイミング等、本取引実行後の経営方針、従業員の取扱い等に関する質問事項書を複数回にわたり当社に送付し、当社から回答書を受領するとともに、これらの事項について当社にヒアリングを行い、当社から説明を受け、当社との間で質疑応答を行っております。
加えて、本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、当社の作成した事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について当社から説明を受け、質疑応答を行ったうえで、これらの合理性を確認し、承認をしております。そのうえで、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」及び「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータス・コンサルティング及び大和証券は、当社グループの事業計画の内容を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、プルータス・コンサルティング及び大和証券から、それぞれが実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行ったうえで、これらの事項について合理性を確認しております。また、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」及び「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、本特別委員会は、2025年5月7日付で、プルータス・コンサルティングから本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の提出を受け、また、大和証券からは大和証券が当社に提出した本フェアネス・オピニオン(大和証券)を受領しておりますが、その際、プルータス・コンサルティング及び大和証券から、それぞれ本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(大和証券)の内容及び重要な前提条件について説明を受け、これを確認しております。
また、本特別委員会は、当社が公開買付者から2025年4月8日に本公開買付価格を1株当たり3,200円とすることを含む提案を、同月15日に本公開買付価格を1株当たり3,400円とすることを含む提案を、同月22日に本公開買付価格を1株当たり3,700円とすることを含む提案を、同月28日に本公開買付価格を1株当たり3,800円とすることを含む提案をそれぞれ受領する度に、当社及び大和証券からその内容、交渉の経緯等について報告を受け、大和証券及びプルータス・コンサルティングから交渉戦略に関する助言を得て、公開買付者に対する回答の内容について検討し、意見を述べたうえ、これを承認するとともに、公開買付者に対して公開買付価格の引上げを要請するべき旨の指示・要請を当社に対して行いました。
その結果、当社は、2025年5月1日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり4,000円とすることを含む提案を受け、結果として、本公開買付価格を、公開買付者の当初提示額である3,200円から4,000円にまで引上げております。
さらに、本特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所から、複数回、当社が公表予定の本公開買付けに係るプレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、西村あさひ法律事務所からの助言を踏まえながら、上記ドラフトについて、より充実した情報開示がなされるよう当社に要請しました。その結果、本特別委員会は、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、西村あさひ法律事務所から受けた法的見地からの助言、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言並びに2025年5月7日付で提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議・検討を重ねた結果、同日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。
(a) 答申内容
ⅰ 本取引は当社の企業価値向上に資するものであって、本取引の目的は正当性・合理性を有すると考えられる。
ⅱ 本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性は確保されていると考えられる。
ⅲ 本取引においては、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられる。
ⅳ 本取引についての決定は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
ⅴ 当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは妥当であると考えられる。
(b) 答申理由
ⅰ 以下の点より、本取引は当社の企業価値向上に資するものであって、本取引の目的は正当性・合理性を有すると考えられる。
・ 上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社取締役会における意思決定に至る過程」の「(ⅲ)判断内容」に記載の当社グループを取り巻く市場環境、及び、当該市場環境下において採るべき成長戦略とその課題に関する認識には、不合理な点は認められない。
・ 上記認識を前提として、当社は、本取引により公開買付者と当社の少数株主との間の構造的な利益相反関係が解消されることで公開買付者による当社グループへの更なる経営資源の投入が可能になり、かつ、本取引により機動的な投資が可能になると考えているところ、かかる考えについては実現可能性が認められ、また、不合理な点は認められない。
・ 当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社取締役会における意思決定に至る過程」の「(ⅲ)判断内容」に記載の通り、NTT DATA, Inc.に関して機動的な意思決定や投資実行が困難となるリスクがある一方、本取引を通じて、NTT DATA, Inc.の意思決定の体制を整備し、通常の業務執行について当社グループ単独での意思決定を可能とすることで、NTT DATA, Inc.の意思決定を迅速化できると考えているところ、本取引後における公開買付者との協議次第であるが、当社のかかる考えについては、実現可能性が認められ、また、不合理な点は認められない。
・ 本取引によるデメリットは限定的であると考えられる。
ⅱ 以下の点より、本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性は確保されていると考えられる。
・ 本公開買付けにより当社株式の全てを取得できなかった場合に予定されている株式売渡請求又は株式併合の手続は、本取引のような非公開化取引において一般的に採用されている方法である。また、本取引の対価の種類は金銭であるところ、公開買付者グループと当社グループとではその事業内容等が異なり、当社株主の中には公開買付者株式の取得を望まない者もいると考えられる。以上からすると、本取引の方法及び対価の種類は妥当であると考えられる。
・ (ⅰ)本公開買付価格である4,000円は、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)における市場株価法及び類似会社比較法による当社株式1株当たりの価値の算定結果の上限を上回っており、DCF法による同算定結果の範囲内であり、かつ、レンジの中央値を上回っていること、(ⅱ)本公開買付価格である4,000円は、本株式価値算定書(大和証券)における市場株価法による当社株式1株当たりの価値の算定結果の上限を上回っており、類似会社比較法による同算定結果の範囲内であり、かつ、レンジの中央値を上回っており、DCF法による同算定結果の範囲内であること、(ⅲ)本公開買付価格である4,000円は、直近1ヶ月間の終値の単純平均値に対して50.21%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値に対して44.67%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対して39.96%のプレミアムを加えた価格であり、本公開買付価格は、親会社による上場子会社の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例におけるプレミアム水準に照らして遜色ない水準にあるものと認められること、(ⅳ)本公開買付価格である4,000円は、直近25年における当社株式の場中最高値3,258円(2025年2月6日)を超える価格であることが認められること、(ⅴ)当社は、大和証券及びプルータス・コンサルティングによる当社株式の株式価値の算定に関する中間報告の結果、並びに、プルータス・コンサルティング及び西村あさひ法律事務所の助言を受けて随時提供された本特別委員会の意見も踏まえ、公開買付者の影響を排除した公正な手続によって公開買付者と本公開買付価格の交渉を行った結果、公開買付者の当初提示額より25%引き上げられた本公開買付価格4,000円で合意に至ったこと、(ⅵ)本特別委員会はプルータス・コンサルティングから、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)を、当社は大和証券から、本フェアネス・オピニオン(大和証券)を取得していることに加え、下記ⅲのとおり、一般株主が享受すべき正当な利益が確保されるために必要な公正な手続が本取引において履践されたことから、総合的に考慮すると本公開買付価格の公正性・妥当性は確保されている。
ⅲ 以下の点より、本取引においては、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられる。
・ 以下のとおり、本取引の検討に際しては、本特別委員会の実効性を高める工夫に関するM&A指針の指摘事項に配慮した上で、独立性を有する本特別委員会が設置されており、これが有効に機能していることが認められる。
① 本取引においては、公開買付者からの本取引の提案後、早期の段階から本特別委員会が本取引への関与を開始しており、本取引に係る取引条件の形成過程の初期段階から、本特別委員会が本取引に対して関与する状態が確保されていたことが認められること
② 本特別委員会の委員は、それぞれ公開買付者及び当社から独立性を有し、本取引の成否について一般株主と異なる重要な利害関係を有していないことが確認されており、属性にも十分配慮して選定されたものであることが認められること
③ 本特別委員会については、本特別委員会の設置の判断、権限と職責の設定、委員の選定や報酬の決定等の決定過程においては、構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、当社の独立社外取締役が主体性をもって実質的に関与したことが認められること
④ 本特別委員会は、大和証券及びプルータス・コンサルティングによる当社株式の株式価値の算定に関する中間報告を受けた上、当社が公開買付者から2025年4月8日に最初の公開買付価格の提案を受領して以降、当社が公開買付者から公開買付価格の提案を受領する度に、当社及び大和証券からその内容、交渉の経緯等について報告を受け、大和証券及びプルータスから交渉戦略に関する助言を得て、公開買付者に対する回答案の内容について検討し、意見を述べた上で、これを承認するとともに、当社及び大和証券に対して交渉方針に関する指示・要請を行う等しており、本特別委員会は、当社と公開買付者との間の本公開買付価格等の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与したことが認められること
⑤ 本特別委員会においては、本取引に関する検討過程において適時に上記各外部アドバイザー等の専門的な助言・意見等を取得しながら、当社の企業価値向上の観点及び一般株主の利益を図る観点から、本取引の目的の合理性、本取引における取引条件の公正性等について、慎重に検討及び協議が行われたことが認められること
⑥ 本特別委員会では、非公開情報も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえた上で、本取引の是非や取引条件の妥当性についての検討・判断が行われる状況が確保されたことが認められること
⑦ 本取引の検討について本特別委員会に求められる役割を適切に果たすための報酬が、独立社外取締役としての報酬とは別に、本取引の成否と関係なく支払われることとなっていることを踏まえると、本特別委員会の各委員が時間的・労力的なコミットメントを行いやすく、かつ本取引の成否から独立した立場で判断を行うための環境が整えられていることが認められること
⑧ 本取引については、当社取締役会が本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に関する意思決定を行うことが予定されており、かつ、本特別委員会に対していわば本取引に反対する権限を付与する状況と実質的に同様の状況が確保されていることが認められること
⑨ 本取引においては、独立した特別委員会が設置され有効に機能したと考えられるため、検討・交渉過程から除外する取締役等の範囲に関して、過去に公開買付者グループの役職員であった者はその一事をもって全て除外されるべきとまで考える必要はなく、また、当社においては、本取引の検討に際して、上記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における独立した検討体制の構築」に記載の通り、可能な限り公開買付者から独立した立場で検討・交渉等を行うことができる体制を社内に構築したことが認められること
・ 当社は、当社が正式に本取引に関する初期的な意向表明書を受領した2024年12月18日の前である同年11月下旬に、公開買付者及び当社グループからの独立性を有する中村・角田・松本法律事務所を本取引に関するリーガル・アドバイザーに選任し、当社が講ずべき公正性担保措置や特別の利害関係を有し又はそのおそれのある取締役等の考え方の整理等、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、独立した専門的助言を取得していたことが認められる。また、当社は、2024年11月下旬に、公開買付者及び当社グループからの独立性を有し、公開買付者との価格交渉等に関するサービスについて豊富な経験及び高い専門性を有する大和証券を本取引のファイナンシャル・アドバイザーに選定し、本取引のストラクチャーや代替手段、代替取引の検討、価格交渉等についての助言を得たほか、同社に対して当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年5月7日付で本株式価値算定書(大和証券)を取得しており、これを本取引に関する判断の基礎としたことが認められる。
・ 本取引においては、公開買付者の当社株式の所有割合は既に57.73%となっており、かかる所有割合に照らすと、本取引においては真摯な対抗提案が行われる可能性は小さいと考えられるため、本取引はマーケット・チェックを実施する意義が乏しい場合に該当すると考えられる。また、当社は、公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を一切行っていない。その上で、本取引においては、公開買付期間が法令に定められた最短期間である20営業日を超える30営業日に設定されている。このように、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、一般株主が本取引の是非や取引条件の妥当性について熟慮し、適切な判断を行うための期間が確保されていると評価できる。
・ 本取引では、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定される予定はないが、公開買付者が当社株式の57.73%を所有しているところ、その状況下においてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定すると、本公開買付けが成立しない可能性も相当に高まり取引が不安定になることで、応募する一般株主の利益に資さない可能性が認められることに加え、各公正性担保措置が講じられていることから、本公開買付けにおいて、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定がなされていないことは、本公開買付けにおける手続の公正性を損なうものではないと認められる。
・ 本特別委員会は、当社の本公開買付けに係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するプレスリリースのドラフトについて、複数回における本特別委員会で、西村あさひ法律事務所、プルータス・コンサルティング、中村・角田・松本法律事務所及び大和証券の助言を受けつつ検討を行い、より充実した情報の開示がなされるよう当社に要請した。
・ 本取引においては、一般株主に対する強圧性を生じさせないような配慮がなされているといえ、手続の公正性の確保に資する対応が取られていると認められる。
ⅳ 上記ⅰ乃至ⅲのとおり、本取引においては公正な手続を通じて当社の少数株主の利益に対する十分な配慮がなされていると考えられるから、本取引についての決定は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
ⅴ 上記ⅰ乃至ⅲのとおり、本取引の目的は正当性・合理性を有し、本取引の条件の公正性・妥当性は確保されており、本取引においては公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられるから、当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは妥当であると考えられる。
上記「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、本諮問事項の検討を行うにあたり、公開買付者及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー並びに第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングを選任し、当社の株式価値の算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言を受けるとともに、2025年5月7日付で本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)を取得いたしました。また、本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり4,000円が当社の少数株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)を取得しております。本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。なお、プルータス・コンサルティングは、公開買付者及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
上記「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、公開買付者及び当社グループから独立した法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本特別委員会における本諮問事項に関する検討及び審議に関する法的助言を受けております。なお、西村あさひ法律事務所は、公開買付者及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。西村あさひ法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
当社は、中村・角田・松本法律事務所及び長島・大野・常松法律事務所から得た法的助言、大和証券から得た財務的見地からの助言、本株式価値算定書(大和証券)及び本フェアネス・オピニオン(大和証券)、本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)、本特別委員会から入手した本答申書、公開買付者との間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容並びにその他の関連資料を踏まえ、公開買付者による本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて慎重に協議・検討を行った結果、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社取締役会における意思決定に至る過程」に記載のとおり、2025年5月8日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨することを決議しております。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役11名のうち、中山和彦氏は過去に公開買付者の執行役員を務めていたこと、坂本英一氏は過去に公開買付者の取締役を務めていたこと、Patrizio Mapelli氏は2025年6月開催予定の公開買付者の定時株主総会において公開買付者の取締役候補者として上程される予定であることに鑑み、当社取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、中山和彦氏、坂本英一氏及びPatrizio Mapelli氏を除く8名の取締役(監査等委員であるものを含みます。)において審議のうえ、全員一致により上記の決議を行っております。
また、当社の取締役のうち、中山和彦氏、坂本英一氏及びPatrizio Mapelli氏は、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記取締役会を含む本取引に係る取締役会の審議及び決議(Patrizio Mapelli氏については、同氏を公開買付者の取締役候補者(2025年6月開催予定の公開買付者の定時株主総会に上程予定)として推薦する予定である旨の通知が公開買付者から当社宛にあった2025年4月18日以降に行われた審議及び決議)には参加しておらず、かつ、当社の立場で本取引の協議及び交渉(Patrizio Mapelli氏については、同氏を公開買付者の取締役候補者(2025年6月開催予定の公開買付者の定時株主総会に上程予定)として推薦する予定である旨の通知が公開買付者から当社宛にあった2025年4月18日以降に行われた協議及び交渉)に参加しておりません。
当社及び公開買付者は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
公開買付者は、上記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、株式売渡請求をすること又は株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して、株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(当社及び公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして比較的長期間である30営業日としているとのことです。公開買付期間を比較的長期にすることにより、当社の株主の皆様に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。
該当事項はありません。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役のうち藤井眞理子、池史彦、石黒成直、星知子、田井中伸介、坂本英一及び稲益みつこの7氏は、社外取締役です。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】