当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、賃上げの進展やインバウンド需要の回復を背景に、個人消費等の持ち直しの動きが見られ、緩やかに回復しています。一方で、グローバル経済の急激な変動の影響を受け、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
労働市場においては、構造的な人手不足の深刻化の影響を受け、企業は人材確保の課題に直面しています。こうした背景から企業は、業務効率化・生産性向上に迫られており、DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進やAIの利活用に関する需要が拡大しています。一方、個人の働き方においては、従来の終身雇用・年功序列を主とした労働構造に変化が見られ、自律的なキャリア選択やライフステージに応じた多様な働き方が加速しています。政府としても、フリーランスを企業と同じ「独立した意思のある存在」として認める「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」を2024年11月に施行しました。
このような社会・経済環境のもと、当社グループは「個のためのインフラになる」をミッション、「人とテクノロジーが調和する未来を創り、個の幸せと社会の発展に貢献する」をビジョンとして掲げ、フリーランス人材を中心とした人材マッチングサービス及び企業の生産性を向上するDX・AIソリューションを展開しています。昨今の状況は当社グループにとって追い風であり、2025年3月末時点で登録ユーザー数は705.1万人(前年同期比+72.5万人)、登録クライアント数は103.7万社(前年同期比+6.3万社)となりました。また、中期経営目標「YOSHIDA300」において掲げる、売上高300億円、EBITDA(Non-GAAP)25億円、営業利益成長率+10%以上(通期)の実現に向け、既存事業の成長並びにSaaS事業を含む新規事業の拡大、M&Aに引き続き注力してまいります。
既存事業の主軸であるマッチング事業においては、コンサルティング人材が経営課題を特定し、課題解決のためにフリーランス人材による業務改善チームを組成・提供するDXコンサル事業の提供を本格的に推進しております。また、当社事業間の営業顧客連携データベースを強化し、クロスセルを通じた顧客1社あたりの単価向上に努めています。
ビジネス向けSaaS事業においては、従業員の工数を可視化する生産性向上SaaS「クラウドログ」の導入が大企業や成長企業を中心に進んでいます。また、入力された従業員の工数データを元に、当社コンサルティングチームが、従業員が行う必要のないノンコア業務を特定し、アウトソーシングやDX化を促す提案も行っております。
M&Aにおいては、当社のマッチング事業及びビジネス向けSaaS事業との親和性が高い事業への投資について、規律をもって進めています。2024年に子会社化した株式会社インゲート、株式会社CLOCK・IT、株式会社ソニックムーブが持つDX推進の知見を、DXソリューションとして顧客に提案いたします。また、グループイン企業のPMIは順調に推移しており、全社の成長に貢献しています。
以上の結果、当中間連結会計期間の当社グループの業績は、売上高11,199,766千円(前年同期比37.9%増)、売上総利益は4,733,760千円(前年同期比28.5%増)、営業利益は793,498千円(前年同期比14.1%増)、EBITDA(Non-GAAP)は1,181,907千円(前年同期比37.0%増)、経常利益は777,714千円(前年同期比2.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は303,344千円(前年同期比36.5%減)となりました。
セグメント業績については、次のとおりであります。
① マッチング事業
売上高は10,598,237千円(前年同期比36.2%増)、売上総利益は 4,179,760千円(前年同期比24.7%増)、セグメント利益は821,002千円(前年同期比14.9%増)となりました。
② ビジネス向けSaaS事業
売上高は537,952千円(前年同期比83.8%増)、セグメント利益は6,637千円(前年同期のセグメント損失は59,372千円)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は17,535,406千円となり、対前期末比で3,998,324千円増加いたしました。流動資産は対前期末比で1,646,553千円の増加となり、その主な内訳は、現金及び預金が1,050,585千円、売掛金及び契約資産が512,786千円増加したものであります。固定資産は対前期末比で2,351,770千円の増加となり、その主な内訳は、のれんが2,301,289千円増加したものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債は10,106,360千円となり、対前期末比で3,873,738千円増加いたしました。流動負債は対前期末比で995,108千円の増加となり、その主な内訳は、短期借入金が429,707千円、未払金が406,210千円、未払法人税等が148,841千円、預り金が45,228千円増加したものであります。固定負債は対前期末比で2,878,629千円の増加となり、その主な内訳は、長期借入金が2,869,070千円増加したものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は7,429,046千円となり、対前期末比で124,585千円増加いたしました。その主な内訳は、親会社株主に帰属する中間純利益303,344千円及び剰余金の配当283,561千円によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの分析
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は7,186,339千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は620,926千円(前年同期は741,664千円の収入)となりました。主なキャッシュ・フローの増加要因は、税金等調整前中間純利益778,492千円、のれん償却費274,644千円によるものであります。一方で主な減少要因は、事業成長に伴う取引拡大による売上債権の増加50,889千円、未収入金の増加26,676千円及び法人税等の支払341,787千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は2,481,467千円(前年同期は75,044千円の支出)となりました。主なキャッシュ・フローの減少要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,347,185千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による収入は2,932,045千円(前年同期は16,338千円の支出)となりました。主なキャッシュ・フローの増加要因は、長期借入れによる収入3,485,000千円、株式の発行による収入26,313千円によるものであります。一方で主な減少要因は、長期借入金の返済による支出290,681千円、配当による支出283,561千円によるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
当中間連結会計期間において、マッチング事業に属する株式会社インゲート及び株式会社CLOCK・ITの連結子会社化に伴い、237名増加しております。
(7)主要な設備
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。