当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、コロナ禍の収束に伴い経済活動の正常化が進み、景気の持ち直しが見られたものの、金融引締めによる需要抑制など世界的な景気後退懸念が高まっており、先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、各企業は様々な対策を講じることや先行投資等を行い、より一層の企業価値向上を目指していくとみられております。また、コロナ禍を契機とするデジタルシフトの機運も依然として衰える気配はなく、企業内の課題や社会課題の解決に向けたテーマとしてデジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)やAI(人工知能)の活用への投資は加速しており、企業のDX実現に向けて、課題解決力やビジネスデザイン、企画に優れたパートナーに対する需要が高まっています。当社グループは「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンのもと、「デザインの力を証明する」というミッションを掲げて、「デザイン」を通じて人々の生活がより便利になり、より暮らしやすくなることを目指し事業活動を推進してまいりました。
主要事業であるデザインパートナー事業においては、当社の強みである戦略デザインやUI/UXデザイン(注2)と、連結子会社である株式会社スタジオディテイルズの強みである質の高いクリエイティブとブランディングを融合し、顧客企業のさらなる期待に応えられるよう、デザイン支援の提供を行ってまいりました。また、自社サービスである「ReDesigner」や「Strap」などのプロダクトで構成されるデザインプラットフォーム事業においては、デザインパートナー事業で培ったノウハウやブランドを有効活用することに注力しながら推進してまいりました。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は2,468,955千円(前年同期比19.6%増)、営業利益は329,906千円(前年同期比334.8%増)、経常利益は340,355千円(前年同期比333.9%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は231,873千円(前年同期比442.4%増)となりました。
報告セグメント別の業績の状況は以下のとおりであります。
① デザインパートナー事業
デザインパートナー事業は、顧客企業と当社のデザイナーが一体となりプロジェクト形式で包括的なデザインサービスを提供しております。最初に、サービスやブランド等の新たな価値を創出したい顧客企業とともにプロジェクトチームを立ち上げ、プロジェクトで解決する課題を抽出します。プロジェクトが開始されると、本質的な価値の発見が行われ、顧客企業の独自の強みや特徴が明らかにされます。このフェーズでは、プロジェクトチームが顧客企業と緊密に連携し、価値の源泉を特定し、その価値を洗練するための手段・プロセスの検討が行われます。次に、顧客企業の利用者(ユーザー)を特定し、ユーザーにとって利用しやすいものとなるよう、ユーザーの価値観に合致するデザインが開発されます。このフェーズでは、プロジェクトチームはデザインの詳細な要件を抽出し、ユーザーフィードバックを絶えず取り入れて調整を行います。こうして生み出されたデザインは顧客企業の戦略とブランディング活動に統合され、企業のビジョンと目標に紐づく事業活動に一貫性をもたらします。なお、アプリケーションのUI/UXデザイン開発においては、当社のエンジニアリングチームもプロジェクトに参画し、実際のデジタルプロダクトの構築を行うことがあります。これら一連のプロセスを通じて、顧客企業は既存のビジネスプロセスをデジタル化し、イノベーションを促進でき、効率性の向上や新しい価値の提供が可能となります。
近年DXが注目を集め、企業がデジタル領域において変革を求められる状況の中で、デザインの持つ役割の重要性は益々高まっております。そのような状況の中、デザインパートナー事業では、数多くのデジタルデザイン支援の知見を集約し、経験豊富なデザイナーを集め、育成することで、より多くの企業に対して、高品質なデザイン支援を行うことが可能になります。そのため、デザインパートナー事業はデザイナーの採用活動を積極的に行い、提供リソースであるデザイナー人員を拡大するとともに、より幅広い業種業態の顧客企業に対してデザイン支援を実施してまいりました。また、日本国内の正社員デザイン部門及び「Goodpatch Anywhere」における営業リードの共有に加え、プロジェクト獲得やデザイナーリソースの連携を行ってまいりました。
当第2四半期連結会計期間においては、株式会社スタジオディテイルズ及びGoodpatch Anywhereを含むプロジェクト提供を行った顧客社数(注3)は61.0社(前年同期は54.3社、前年同期比12.3%増)、月額平均顧客単価(注4)は6,221千円(前年同期は5,598千円、前年同期比11.1%増)となりました。また、社内デザイン組織のデザイナー数は、当中間連結会計期間末において153名(前年同期比6.3%増)、「Goodpatch Anywhere」の所属デザイナー数は619名(前年同期比8.2%増、うち稼働デザイナー数は66名、前年同期比4.8%増)となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間におけるデザインパートナー事業の外部顧客への売上高は2,286,537千円(前年同期比19.6%増)、営業利益は354,246千円(前年同期比151.0%増)となりました。
(デザインパートナー事業のKPI推移)
② デザインプラットフォーム事業
デザインプラットフォーム事業は、デザインパートナー事業によって行われるUI/UXデザイン支援を様々な側面からサポートするサービスを提供しております。具体的には、自社で構築したデザイン人材プールを活用したデザイナー採用支援サービス「ReDesigner」やSaaS型のオンラインホワイトボードツール「Strap」で構成され、それぞれのシナジーを創出し、デザインに関連したビジネスの拡大を行うものとなります。
当第2四半期連結会計期間においては、「ReDesigner」は、ダイレクトリクルーティング機能が登録者数および契約社数の増加に貢献しております。また、「Strap」においては、機能開発を進めるとともに、企業の研修ニーズを捉えた導入支援を経て、導入規模の拡大を図っております。
以上の結果、当中間連結会計期間におけるデザインプラットフォーム事業の外部顧客への売上高は182,418千円(前年同期比19.0%増)、営業損失は24,339千円(前年同期は65,274千円の営業損失)となりました。
(注)1.デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、Digital Transformationの略語で、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを意味します。
2.UI(User Interface/ユーザーインターフェース)とは、「ユーザーがPCやスマートフォン等のデバイスとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み」を意味します。また、UX(User Experience/ユーザーエクスペリエンス)は「サービスなどによって得られるユーザー体験」のことを意味します。
3.顧客社数とは、デザインパートナー事業において、当社グループとデザインプロジェクトを進めるために契約した顧客企業の社数を指しており、1か月にデザイン支援を提供した顧客社数の当該期間の平均値を示しています。
4.月額平均顧客単価とは、四半期ごとの売上高を顧客社数で除した数値の平均値を示しています。
(2) 財政状態に関する分析
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて167,763千円増加し、4,007,058千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加66,714千円があったこと及び売掛金及び契約資産の増加109,662千円があったこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて20,480千円減少し、816,227千円となりました。主な要因は、デザインパートナー投資の実行等による投資有価証券の増加57,171千円があった一方で、繰延税金資産の減少48,843千円があったこと及び償却によるのれんの減少30,451千円があったこと等によるものであります。
この結果、当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて147,282千円増加し、4,823,285千円となりました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ110,018千円増加し、643,350千円となりました。主な要因は、未払法人税等の増加75,086千円があったこと及び未払消費税等の増加46,082千円あったこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ67,389千円減少し、202,901千円となりました。主な要因は、借入金の返済による長期借入金の減少74,579千円があったこと等によるものであります。
この結果、当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて42,629千円増加し、846,251千円となりました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比べて104,652千円増加し、3,977,033千円となりました。主な要因は、自己株式の取得による減少150,014千円があった一方で、親会社株主に帰属する中間純利益計上等に伴う利益剰余金の増加231,873千円によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ66,714千円増加し、3,341,860千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは329,241千円の収入(前年同期は39,812千円の支出)となりました。これは主に、デザインパートナー事業及びデザインプラットフォーム事業が相互にシナジーを創出することに注力しながら各事業を推進してきたことの成果としての税金等調整前中間純利益の計上344,381千円、株式会社スタジオディテイルズの買収に伴うのれん償却額32,375千円等の増加要因があったものの、売上債権及び契約資産の増加額109,662千円等の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは49,794千円の支出(前年同期は29,231千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出48,000千円及び有形固定資産の取得による支出1,675千円等の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは212,592千円の支出(前年同期は84,395千円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出85,561千円や自己株式の取得による支出151,331千円等の減少要因があったことによるものであります。
(5) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
該当事項はありません。
該当事項はありません。