第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大等による事業への影響については、今後の推移状況を注視しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 ①財政状態

 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は35,568百万円となり、前連結会計年度末と比べて4,660百万円増加しました。これは現金及び預金が減少したものの、商品及び製品並びに仕掛品が増加したことが主な要因であります。

 負債合計は26,824百万円となり、前連結会計年度末と比べて4,821百万円増加しました。未払法人税等及び賞与引当金が減少したものの、短期借入金が増加したことが主な要因であります。

 純資産合計は8,743百万円となり、前連結会計年度末と比べて160百万円減少しました。これは株主配当及び親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が減少したことが主な要因であります。

 

 ②経営成績

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の緩和等各種政策の効果により、経済社会活動の正常化が進んだものの、海外景気の下振れによるリスクをはじめ、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動や中国における感染拡大の影響が懸念され、先行きが見通せない状況が続いています。

当社グループを取り巻く経営環境は、イベント開催制限の緩和、外国人の入国規制の緩和等を受け、コンサート需要の回復が顕著であり、顧客の設備投資計画も具体化してきています。

このような状況のもと当社グループは、グループビジョン「世界のヒビノへ」の実現に向け、中期経営計画「ビジョン2025」(2023年3月期~2026年3月期)に取り組んでいます。中期経営方針として「持続的成長を可能とする経営体質の構築」「健全経営の確立」の2つを掲げています。成長戦略である「ハニカム型経営」と「イノベーション」を加速させ、M&Aも活用しながら新領域を伸ばすとともに、適正な利益、財務の安定、人的資本の向上の好循環サイクルを確立していきます。

この方針に基づき、当第3四半期には、IoT(コネクテッド)技術及びハードウェア・ソフトウェア開発力に強みを持つ株式会社Cerevoを連結子会社化しました。また、中国(上海)の連結子会社Hibino Asia Pacific (Shanghai) Limitedについて、グループ経営の最適化の観点から解散及び清算することといたしました。

当第3四半期連結累計期間は、コンサート・イベントサービス事業において前年同四半期に東京オリンピック・パラリンピック特需があったことに加え、建築音響施工事業も前年同四半期ほどの大型案件がなかったことから、売上高及び利益は前年同四半期を下回りました。一方で、当第3四半期連結会計期間においては、市場の回復により、前年同四半期と比べ業績の大幅な改善を図ることができました。

これらの結果、売上高27,949百万円(前年同四半期比13.3%減)、営業損失137百万円(前年同四半期は営業利益1,649百万円)、経常利益190百万円(前年同四半比90.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失55百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益1,333百万円)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分方法及び名称を変更しております。業績における前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後の区分方法及び名称に組み替えて比較しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

[販売施工事業]

販売施工事業は、主軸である業務用音響・映像機器等の輸入販売において、コロナ禍で凍結・先送りされていた設備投資が再開され、市場別に強弱はあるものの、回復基調が続きました。

世界的なサプライチェーン混乱に伴う入荷遅延を見越した早期の商品手配が奏功し、当第3四半期において受注残の消化が進んだことから、売上高は前年同四半期を上回りました。利益面では、メーカー仕入れ価格が上昇する中、円安の進行や輸送費の高騰等により厳しい状況が続きましたが、機動的な販売価格の改定等に努め、影響を最小限に抑えました。

韓国においても日本と同様の傾向が見られ、コロナ禍からの需要回復が進みましたが、輸入価格上昇の影響を受けました。

LEDディスプレイ・システム販売については、着実に受注が積み上がっており、第4四半期の納入に向けて準備を進めています。

これらの結果、売上高12,711百万円(前年同四半期比5.2%増)、セグメント損失518百万円(前年同四半期はセグメント損失361百万円)となりました。

 

[建築音響施工事業]

建築音響施工事業は、放送局の建替やスタジオの新設、都市再開発に伴う文化・交流施設の新築計画が中長期的に控えていることから、良好な事業環境にあります。しかしながら、前年同四半期に大型案件が集中した反動に加え、一部で着工時期のずれ込みや工期遅延、計画縮小が発生し、案件の端境期となったことから、売上高及びセグメント利益は前年同四半期を下回りました。

これらの結果、売上高4,706百万円(前年同四半期比37.7%減)、セグメント損失88百万円(前年同四半期はセグメント利益664百万円)となりました。

 

[コンサート・イベントサービス事業]

コンサート・イベントサービス事業は、前年同四半期に東京オリンピック・パラリンピック特需があったことから、売上高及びセグメント利益は前年同四半期を下回りました。

主力のコンサート市場では、政府・自治体が定めるガイドラインに基づき、多くのコンサートが収容率100%の開催に転じ、海外アーティストの来日公演や、ドーム・スタジアムクラスの大型ツアー、音楽フェスが開催されるなど、コロナ禍以前の活況が戻ってきており、回復が本格化しています。

戦略事業分野と位置づけるバーチャルプロダクションについては、新スタジオをオープンし、既設の「Hibino VFX Studio」、顧客の外部スタジオ2拠点での常設運用を合わせて4チームがフル稼働しています。さらに、コンベンション市場も好調に推移しました。

これらの結果、売上高10,530百万円(前年同四半期比16.4%減)、セグメント利益1,295百万円(前年同四半期比41.6%減)となりました。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は、98百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。