第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「Make COLOR -毎日に感動を-」をMissionとして掲げ、ゲームを通じて人々の日常生活に色彩と感動を提供し続けることを目指しております。このような経営の基本方針に基づいて事業を展開しながら企業活動による持続的な成長を実現するとともに、株主価値の最大化を図ってまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループでは、営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の中長期的な成長を重視しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、2026年までの2か年でゲーム/エンターテインメント企業としての多様性を広げ、地域やプラットフォームそして業界など様々な方面でその存在感を高めることにより、中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

 

(4) 対処すべき課題

 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

① ゲーム事業における展開

 スマートフォンゲームメーカーは相対的に成功確度が高いIPタイトル(人気キャラクター関連タイトル)の開発に注力しており、マルチプラットフォームや海外市場における展開等、タイトルごとの売上や費用に加え

て、運営チームの規模も大きくなる傾向にあります。ゲームタイトルが大型化したことで、仕入先であるゲームメーカーにとって、一つ一つのゲームタイトルの会社業績に与える影響が大きくなり、売却に慎重になる傾向

や、継続した売上計上を希望する傾向が見受けられます。

 当社グループはこうした環境変化や顧客ニーズに対応し、プロフィットシェア等の柔軟なスキームを整備し、国内のみならず海外展開版も同時に運営を担うことのできる体制を整える等、獲得戦略を洗練させております。大型かつ展開が多様化したタイトルを獲得・運営できるプレイヤーは非常に限られるため、多様な契約形態をとり揃えることで当社グループの新たな競争力となり、今後のゲーム事業の再成長への礎となっています。

 また、これまで主要スキームとしておりました買取運営に加え、今後更なる売上の成長を目指し、運営受託・新規開発受託への事業拡大を行い、ターゲット市場を拡張しております。

 

② 新規事業・サービスへの積極的な取り組み

 当社グループはセカンダリー事業を軸としつつ、新規事業を展開し拡大していくという戦略のもと、セカンダリー事業で培った当社グループの強みであるゲーム運営力、企画・開発力をゲーム周辺領域であるファンタジースポーツやコンサルティング等へ投下していくことで、安定的かつ持続的な成長を目指しております。

 

③ システム技術・インフラの強化

 当社グループでは、ゲーム及びファンタジースポーツをスマートフォン/タブレット端末を通じてインターネット上で提供していることから、システムの安定的な稼働及び技術革新への対応が重要な課題と考えておりま

す。これに対して、当社グループではサーバー等のシステムインフラを安定的に稼働させるべく、継続的なインフラ基盤の強化及び専門的な人員の確保に努めるとともに、技術革新にも迅速に対応できる体制構築に努めております。

 

④ 優秀な人材の確保と育成

 当社グループが継続的に企業価値を向上していくためには、高い専門性を有する優秀な人材の確保及び将来を担う人材の育成が経営上の重要な課題であると認識しております。そのため、職場環境の改善、福利厚生の充

実及び採用活動の多様化に努めるとともに、企業認知度の向上に取り組み、人材の確保に力を入れております。

 一方で、採用においては優れた能力のみならず、当社グループの理念と企業文化を共有できる人材の選考を心がけており、社員同士が協力し合いながら生き生きと働ける組織作りを大切にしております。

 また、社内研修・教育制度を強化し、組織の枠を超えた積極的な交流を図り、知見とノウハウを可視化・伝播することで企業と共に成長していく人材育成システムの構築を目指してまいります。

 

⑤ 内部管理体制の強化

 当社グループが今後更なる業容拡大を図るためには、内部管理体制やコンプライアンスの実効性を高めながら各種業務の標準化と効率化の徹底を図ることにより、事業基盤を確立させていかなければならないと認識しております。そのために当社グループでは、経営幹部の確認体制のもと、全社に業務フローやコンプライアンス遵守を周知徹底させると同時に、日々改善を行うことで業務の効率化を図ってまいります。また、新規事業分野に潜在する各種リスクも勘案して、内部管理体制及びコンプライアンス体制の充実と強化を図ってまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。 なお、特に記載のない限り、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)ガバナンス

 当社では取締役会の監督のもと、サステナビリティに関わる機会・リスクの評価や対応方針・施策等について審議を進めております。サステナビリティへの具体的な取り組みは、サステナビリティ担当取締役であるコーポレート本部長を中心に各部門連携のタスクフォースチームを設置して推進し、その進捗状況については定期的に取締役会へ報告いたします。

 

(2)リスク管理

 当社ではサステナビリティに関するリスクは、代表取締役を委員長とするコンプライアンス委員会と各部門が連携の上で、個別リスクの認識及び評価と対応方針の策定を実施しております。当該リスクとその対応進捗については監査等委員会で協議したうえで定期的に取締役会へ報告いたします。

 

(3)人的資本

①基本的な方針

 人材の総合力が企業の持続的な成長・発展に寄与するとの考えから、さらなる企業価値の向上を実現するには、人材への投資を適切に行うことで個人・組織の能力を最大化することが重要だと考えております。働きがいのある職場を実現し、次代のグループを担う人材の育成、並びに多様な人材の活躍を実現してまいります。

 

②具体的な取り組み

<人材育成>

・次世代人材の育成施策の実施

管理職向けの集合研修を設計、実施することで、当社の次世代を担う人材を育成します。

 

・成長の促進に寄与する評価制度の運用

当社のValueなど、推奨される行動を評価項目に組み込んだ評価制度を運用することで、基準を具体的に明示し、成長の足がかりとします。

 

<多様な人材の活躍推進>

・育休の取得、復帰の推進

育休についての柔軟な相談対応や復帰前面談の実施により、安心して育休を取得、復帰できる環境を目指します。

 

・障がい者雇用の推進

定着を重視した採用プロセスや、定期的なケア面談の実施、外部セミナーへの登壇などを通じ、障がい者の方が、健常者とともに就業し、長期的に貢献できる環境をめざします。

 

<快適な職場環境とワークライフバランス>

・柔軟な休暇取得が可能な制度の運用

多様な働き方を推進すべく、法定の有給休暇付与に加えて、リフレッシュ休暇制度(年最大4日の特別有給休暇)を導入しております。

 

・職場環境の柔軟性担保

組織ごとの業務特性に合わせて、フルリモートワークでの勤務、または出社勤務とリモートワーク勤務のハイブリッド方式を採用し、働きやすい職場環境を実現します。

 

<職場・風土づくり>

・多様な個人を受け入れられる風土醸成

個人の思考行動特性についての診断、その活用に向けた研修の実施などにより、異なる価値観を理解し、互いに尊重しあえる風土を醸成します。

 

・活躍する個人、チームが称賛される制度の運用

半期ごとに活躍した社員、チームを称賛する表彰制度を実施し、個人と組織両方がスポットライトに当たる機会を創出します。

 

(4)指標及び目標

 下記3点の指標及び数値目標を掲げ、働きがいのある職場環境の実現を目指してまいります。

 

目標

24年実績

有給休暇の消化率

70

72.6

産休・育休の取得率

75

61.5

産休・育休復帰半年後の就業継続率

100

100.0

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)事業環境について

 当社グループの事業領域である国内のスマートフォンゲーム市場は、2015年頃より成長期から成熟期へと移行しております。そのため、各ゲームメーカーはIPを活用したタイトルを創出するなどして成長を再加速させるための努力を続けておりますが、同時にスマートフォンゲームの高機能化が進行しており、開発費用の高騰や中国・韓国企業のパブリッシングタイトルの台頭もあり、競争は更に激化している状況となっております。

 このように成熟期に入ったスマートフォンゲーム市場では、資金調達力などの企業体力に限界のある小・中規模事業者の淘汰、規模や効率を追求する事業者間の合従連衡の動きなど業界構造の変化のスピードが更に速まることも考えられます。各ゲームメーカーが自ら運営するゲームタイトルを当社グループのようなゲーム事業者に移管するという流れは続くものと予想しておりますが、景気の大きな変動の影響を受けるなどして、スマートフォンゲーム市場の全体売上が大きく悪化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業に関するリスク

① 競合について

 ゲーム事業の買取運営においては、獲得体制の強化、サービスラインの拡充、運営力の磨きこみ等の施策により競争優位を築いておりますが、モバイル端末向けに類似サービスを提供する企業や新規参入者との競争が発生、または激化することにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 主要な取引先について

 当社グループは、提携先との契約を遵守し、友好的な関係を維持するよう努めるとともに、特定の提携先に過度に依存しないよう、ポートフォリオのバランスを考慮した経営を心がけております。しかしながら、提携先の方針又は事業戦略の変化によって、手数料率の変更等何らかの要因により、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 技術革新への対応について

 当社グループが事業展開を行うスマートフォンゲーム業界においては、事業に関連する技術革新のスピードが速く、それに基づく新サービスの創出が相次いでおります。当社グループは技術革新に伴う事業構造の変化に迅速に対応する強固な体制作りに努めておりますが、技術革新に関し予期せぬ事態が生じた場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

④ スマートフォンゲームに係る資産の減損リスクについて

 当社グループは、積極的にゲームメーカーが企画・開発・リリースしたゲームタイトルを仕入れ、長期で運営することにより事業を展開しておりますが、今後、仕入れたゲームタイトルの収益性が低下し、ゲームタイトルに係る当社保有資産の減損処理が必要となった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 新規事業について

 既存事業に加え新たな収益の獲得を目的として、当社グループの強みである営業力、運用力、企画・開発力を活かしゲーム周辺領域に各種事業を展開しておりますが、これらの新規事業を拡大していく際に追加的なシステム投資、広告宣伝費等の支出が発生し、利益率を低下させる可能性があります。また、新サービス・新規事業を開始した際には、そのサービスや事業固有のリスク要因が新たに加わると共に、予測とは異なる状況が発生して計画どおりに展開が進まない場合、その投資回収ができず、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 財務制限条項について

 当社の長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)については財務制限条項が付されております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係) (4) 財務制限条項」「第5 経理の状況 2.財務諸表等 注記事項 (貸借対照表関係) (4) 財務制限条項」に記載しております。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当社グループの事業領域である国内ゲーム市場は2兆円の大台に到達し、その中でもオンラインプラットフォームにおけるゲームコンテンツ市場は1.6兆円を超える規模を維持するなど、国内ゲーム市場において中心的な存在となっております(ファミ通ゲーム白書2023より)。

 当社グループは、売上成長構造を再構築・再強化することで企業としての成長性を向上するべく、セカンダリー事業に加えて新規事業の領域拡大に力を入れております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は8,846,312千円(前期比1.5%増)、営業利益は428,355千円(前期比154.2%増)、経常利益は375,037千円(前期比199.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は245,634千円(前期比71.4%増)となりました。

 事業セグメントの状況は以下のとおりとなります。なお、前連結会計年度までは単一セグメントでしたが、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しているため、以下の前年同期比較については、ゲーム事業セグメントのみ前年同期の比較分析をしております。

 ゲーム事業セグメントにはセカンダリー事業である「運営領域」、新規事業である「初期開発領域」・「BtoBソリューション領域(ゲーム)」・「スポーツDX領域」が含まれます。運営領域においては、タイトル運営が好調に推移しました。スポーツDX領域では、2024年10月3日(木)に開幕した「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25シーズン」に合わせてBリーグ公認ファンタジースポーツゲーム「B.LEAGUE#LIVE」の2024-25シーズン版をリリースし、4シーズン目として本格稼働を開始しました。また、ファンタジースポーツにおいては新たなマネタイズモデルを実装した新規開発についても取り組んでおります。

 以上の結果、売上高は8,400,285千円(前期比2.2%減)、営業利益は345,923千円(前期比168.5%増)となりました。

 異業種事業セグメントには新規事業である「BtoBソリューション領域(異業種)」が含まれます。当社グループ内の営業活動を集約することで、ゲーム事業セグメントの開発リソースを使用したゲーム以外の受託開発も順調に拡大しております。また、内製化によって企業の競争力の強化・コスト削減が期待されていることから、ITシステムの開発・構築・運用の内製化をサポートするIHXコンサルティングサービスや、生成AIを活用したコンサルティングサービスを開始し、新規顧客の獲得に向けて体制を強化しました。

 以上の結果、売上高は489,087千円、営業利益は82,431千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ858,940千円増加し、2,389,452千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、329,001千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益288,924千円などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、190,061千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出198,461千円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、719,999千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,500,000千円などによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当社グループの当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

前年同期比(%)

ゲーム事業(千円)

8,365,867

97.4

異業種事業(千円)

480,445

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ブシロード

391,526

4.5

1,697,714

19.2

株式会社ディー・エヌ・エー

1,475,729

16.9

1,251,719

14.1

株式会社セガ

1,203,940

13.8

1,101,344

12.4

株式会社ジークレスト

1,137,918

13.1

752,015

8.5

Apple Inc.

1,197,193

13.7

745,166

8.4

グリーホールディングス株式会社

760,911

8.7

702,893

7.9

Google

779,340

8.9

655,792

7.4

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 財政状態の分析

 (資産)

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べて1,097,042千円増加し、4,840,352千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加(前連結会計年度末比858,939千円の増加)などがあったことによるものであります。

 

 (負債)

 当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べて833,811千円増加し、3,323,031千円となりました。これは主に、長期借入金の増加(前連結会計年度末比485,000千円の増加)などがあったことによるものであります。

 

 (純資産)

 当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて263,231千円増加し、1,517,320千円となりました。これは主に、利益剰余金の増加(前連結会計年度末比238,408千円の増加)などがあったことによるものであります。

 

③ 経営成績の分析

 (売上高)

  当連結会計年度の売上高は、既存タイトルの運営が好調に推移したことに加え、新規事業への領域拡大が進行したことにより、前連結会計年度に比べ1.5%増の8,846,312千円となりました。

 

(売上原価及び売上総利益)

  当連結会計年度の売上原価は、プラットフォーム手数料の減少等により、前連結会計年度に比べ1.8%減の5,292,561千円となりました。この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ6.8%増加し3,553,751千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

  当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、コスト最適化を継続したことで各種費用が減少したことから、前連結会計年度に比べ1.0%減少し3,125,396千円となりました。

 

(営業外損益及び経常利益)

  当連結会計年度の営業外収益は、受取保険料や助成金収入の減少により、前連結会計年度に比べ11.9%減少し11,354千円となりました。当連結会計年度の営業外費用は、支払手数料や社債発行費が増加したこと等から、前連結会計年度に比べ15.4%増加し64,672千円となりました。この結果、経常利益は375,037千円(前連結会計年度は経常利益125,360千円)となりました。

 

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

  当連結会計年度の特別利益は、関係会社株式売却益の減少等により、前連結会計年度に比べ120,002千円減少し33,300千円となりました。当連結会計年度の特別損失は、減損損失の減少等により、前連結会計年度に比べ122,366千円減少し119,413千円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は245,634千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益143,278千円)となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

 「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概

要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性について

 当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,389,452千円となっております。ゲーム事業の持続的な成長に伴う運転資金、ゲームタイトルの仕入、将来的なM&A等の可能性に備えております。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、「3 事業等のリスク」に記載の、他社との競合、プラットフォーム運営事業者や業務提携先との関係、技術革新への対応度合い、減損リスク新規事業の状況をはじめとし、他にも、スマートフォンゲーム市場の変化、人材の確保育成、ネットワーク災害、コンプライアンスと内部管理体制、知的財産権、個人情報管理、サービスの安全性及び健全性等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社グループは、優秀な人材の採用、セキュリティ対策、新規事業の開拓、魅力ある新たなゲームタイトルの仕入や業務提携及びゲームメーカー又はその事業のM&A等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。

 

(3)経営者の問題意識と今後の方針について

 当社グループの経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。

 そのために、ゲーム事業及び異業種事業における展開、新規事業・サービスへの積極的な取り組み、システム技術・インフラの強化、優秀な人材の確保と育成、内部管理体制の強化等を行ってまいります。

 

(4)経営戦略の現状と見通し

 2024年度は、売上成長構造を再構築・再強化することで企業としての成長性を向上するべく、セカンダリー事業収益の範囲内でゲーム周辺領域への投資を行い新規事業の領域拡大に力を入れました。セカンダリー事業の買取運営領域においては、タイトル運営が好調に推移しました。一方、新規事業のスポーツDX領域においては、2024年10月3日(木)に開幕した「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25シーズン」に合わせてBリーグ公認ファンタジースポーツゲーム「B.LEAGUE#LIVE」の2024-25シーズン版をリリースし、4シーズン目として本格稼働を開始しました。また、国内スポーツへの事業拡大を目指し、新たなマネタイズモデルを実装したファンタジースポーツの新規開発についても着手いたしました。

 新規事業のBtoBソリューション(異業種)領域では、当社グループ内の営業活動を集約することで、ゲーム事業の開発リソースを使用したゲーム以外の受託開発を受注するなど順調に事業領域を拡大しております。また、ITシステムにおける開発・構築・運用の内製化をサポートするIHXコンサルティングサービスや生成AIを活用したコンサルティングサービスを新たに開始し、新規顧客の獲得に向けた営業体制の強化をいたしました。

 2025年度は、新規事業の成長と収益化を一段進め事業ポートフォリオの組み替えを加速させる1年と位置づけ、ゲーム事業は強みである運営力、企画・開発力を軸にゲーム業界内における新領域へ積極拡大、新規事業はスポーツDXとBtoBソリューション(異業種)に集中して成長を加速してまいります。

 これらを総合的に勘案し、通期の売上高は8,500百万円(当連結会計年度比346百万円減)、営業利益は100百万円(当連結会計年度比328百万円減)、経常利益は70百万円(当連結会計年度比305百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10百万円(当連結会計年度比235百万円減)を見込んでおります。

 なお、当該予想数値は、現時点で当社グループが入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は今後の様々な要因により変動する可能性があります。今後、業績予想の修正が必要となった場合には、速やかに公表いたします。

5【経営上の重要な契約等】

(1) スマートフォン又はタブレット端末向けプラットフォーム運営事業者との規約

 

相手方の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

株式会社ディー・エヌ・エー

Mobageオープンプラットフォーム会員規約

mobageプラットフォーム向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

契約期間は定められておりません。

Apple Inc.

Developer Program License Agreement

 

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

1年間(1年毎の自動更新)

グリーホールディングス株式会社

GREEデベロッパー契約

GREEプラットフォーム向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

契約期間は定められておりません。

Google LLC

Google Playマーケットデベロッパー販売/配布契約書

 

Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

契約期間は定められておりません。

株式会社セガ

運営業務委託契約書

ゲームタイトルの運営業務の委託に関する契約

 

契約期間は定められておりません。

株式会社ジークレスト

共同事業契約書

ゲームタイトルの運営業務の協業に関する契約

契約期間は定められておりません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。