【連結財務諸表注記事項】
1.報告企業
Appier Group 株式会社(以下、「当社」という。)は、2018年にAppier Holdings, Inc.(英領ケイマン諸島)の子会社として、日本に所在する株式会社として設立されました。その後2021年2月1日付でAppier Holdings, Inc.が同社の株主に対して当社の株式を分配したことに伴い、当社が当社グループの最終親会社となりました。当社の登記された本社の住所は東京都港区愛宕二丁目5番1号です。「ソフトウェアをよりスマートに、AIでROIを向上させる」が当社グループのミッションであり、主な事業はAI SaaS事業です。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨の記載
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
本連結財務諸表は、2025年3月28日に代表取締役CEO游直翰及びSenior Vice President of Finance橘浩二によって承認されております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記「4.重要な会計方針」に記載のとおり、企業結合に伴う条件付取得対価、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産を除き、取得原価を基礎として作成しております。
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成には、一定の重要な会計上の見積りを行うことが要求されております。また、当社グループの会計方針を適用する際に、経営者が判断を下すことも要求されております。より重要な判断又は複雑性を伴う項目、あるいは仮定及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を与える項目は、注記「5.重要な会計上の見積り及び判断」に記載されております。
(3) 表示通貨
本連結財務諸表は、日本円を表示通貨としており、単位を百万円としております。また、百万円未満の端数は四捨五入して表示しております。
3.未適用の新基準
国際会計基準審議会(IASB)によって公表され、2024年1月1日以降開始する事業年度から適用が義務付けられる新規及び改訂基準は、IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」を除き、当連結会計年度の当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼしませんでした。IFRS第18号は、IAS第1号「財務諸表の表示」に代わる基準として、2027年1月1日以降開始する事業年度から適用されます。IFRS第18号は、財務諸表における項目の認識および測定に影響を与えませんが、当社グループの連結損益計算書における報告内容が変更される可能性があります。
当社グループは、IFRS第18号の影響について引き続き評価を進めており、IASBによって公表されているが未発行の基準書、解釈指針、及び改訂基準については、早期適用を行っておりません。また、これらの改訂基準の適用に伴い、前連結会計年度の連結財務諸表における会計方針の変更や遡及修正を行う必要はありませんでした。
4.重要な会計方針
以下に記載されている会計方針は、他に記載がない限り、本報告書に記載されている連結財務諸表の作成において、すべての期間について継続的に適用しております。
(1) 連結の基礎
① すべての子会社は連結対象子会社として当社グループの連結財務諸表の対象となっております。子会社は、当社により支配されているすべての企業であります。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していることとなります。子会社の財務諸表は、支配開始日から支配喪失日までの間、当社グループの連結財務諸表に含まれております。
② 当社グループ間の重要な債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。当社はグループ全体で会計方針を統一しております。
③ 当社グループが子会社の支配を喪失した場合、当社グループは旧子会社に留保していた投資を公正価値で再測定します。その公正価値は、金融資産の当初認識時の公正価値、又は関連会社もしくは合弁事業の当初認識時の費用とします。公正価値と帳簿価額の差額は純損益として認識します。子会社に関連して以前にその他の包括利益で認識されていたすべての金額は、関連資産又は負債が処分された場合に要求されるのと同じ基準で純損益に振り替えられます。すなわち、当社グループが子会社の支配を喪失した場合、その子会社に関連して以前にその他の包括利益に認識されていたすべての利得及び損失は資本から純損益に振替えられます。また、関連する資産又は負債が処分されたときに、これらの利得及び損失が純損益に振り替えられます。
④ 関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配はしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%から50%を保有する場合、当社グループは当該企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。保有する議決権が20%未満であっても、他の投資家との契約により、財務及び営業又は事業の方針の決定に重要な影響力を行使しうる会社も関連会社に含めます。当社グループは、関連会社に対する投資について、持分法を用いて会計処理を行います。
(2) 外貨換算
当社グループの連結財務諸表を構成する各連結対象会社の財務諸表は、事業を営む主要経済環境の通貨(以下、「機能通貨」という。)を用いて測定されております。連結財務諸表は、当社の機能通貨であり、当社グループの表示通貨である日本円で表示されております。
外貨建取引と残高
① 外貨建取引は、取引日における為替レート又は公正価値評価測定時における為替レートを用いて機能通貨に換算しております。換算又は決済により生じる為替差損益は、発生した期間に純損益として認識しております。
② 期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。期末日の再換算により生じる換算差額は純損益として認識しております。
③ 外貨で公正価値測定される非貨幣性項目は、公正価値が決定された日の為替レートを用いて換算しております。公正価値で計上されている資産および負債の換算差額は、公正価値損益の一部として計上されています。例えば、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産などの非貨幣性資産・負債の換算差額は、公正価値損益の一部として純損益として計上され、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産などの非貨幣性資産の換算差額は、その他の包括利益として認識されます。公正価値で測定されない外貨建非貨幣性資産・負債は、当初取引日の為替レートを用いて換算しております。
④ 外貨換算による利得及び損失は連結損益計算書の「金融収益」又は「金融費用」に計上されております。
在外営業活動体の換算
当社グループにおいて表示通貨と異なる機能通貨を有する会社の財政状態及び経営成績は以下のとおり表示通貨に換算されております。
① 財政状態計算書の資産及び負債は期末日の為替レートを用いて換算されております。
② 損益計算書の収益及び費用は当該期間の平均為替レートを用いて換算されております。
③ その結果生じる換算差額は、その他の包括利益に認識され、累計額はその他の資本の構成要素に含めております。
在外営業活動体の持分全体の処分、及び支配、重要な影響力又は共同支配の喪失を伴う持分の一部処分といった事実が発生した場合、当該換算差額を、処分損益の一部として純損益に振替えております。
在外営業活動体の買収により生じるのれん及び公正価値の調整は、連結財政状態計算書日の為替レートで換算されております。
(3) 流動項目と非流動項目の分類
以下の基準のいずれかを満たす資産は、流動資産に分類しております。それ以外の場合は、非流動資産として分類しております。
① 正常営業循環期間において実現することが期待されている、又は売却もしくは消費される予定の営業活動から生じる資産。
② 主にトレーディング目的で保有している資産。
③ 期末日から12ヶ月以内に実現すると予想される資産。
④ 現金及び現金同等物。但し、拘束性のある現金及び現金同等物、並びに期末日から12ヶ月以上経過した後に交換又は使用される現金同等物を除く。
以下の基準のいずれかを満たす負債は、流動負債に分類しております。それ以外の場合は、非流動負債として分類しております。
① 正常営業循環期間において決済されると予想される負債。
② 主にトレーディング目的で生じる負債。
③ 期末日から12ヶ月以内に決済される負債。
④ 返済日が期末日後少なくとも12ヶ月間無条件で繰延べられない負債。但し、保有者の選択により持分金融商品の償還が可能な負債は、流動負債には分類されません。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、要求払預金及び取得日から3ヵ月以内に満期が到来する定期預金から構成されております。現金同等物とは、流動性が高く、容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期的な投資をいいます。上記の定義を満たし、営業活動における短期的な現金支出に対応する目的で保有している定期預金は、現金同等物に分類しております。
(5)営業債権
営業債権は、当社グループが提供した役務の対価を受け取る法的権利のうち無条件のものです。
(6) 金融商品
① 金融資産
a.分類
当社グループは、金融資産を以下のカテゴリーに分類しております。
・純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
・償却原価で測定する金融資産
この分類は、金融資産を管理するための当社グループのビジネスモデル及びキャッシュ・フローの契約条件により行われております。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
公正価値で測定される金融資産については、利得及び損失は、純損益またはその他の包括利益に計上されます。売買目的ではない資本性金融商品に対する投資については、当社グループが当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で会計処理する方針を選択したかにより決定されます。
当社グループは、負債性金融商品に対する管理方針が変更された場合にのみ、負債性金融商品の再分類を行います。
b.当初認識及び認識の中止
通常の方法による金融資産の購入及び売却は、当社グループが契約の当事者となった取引日に認識しております。
金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は金融資産を譲渡し、当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、金融資産の認識を中止しています。
c.事後測定
負債性金融商品
負債性金融商品の事後測定は、当社グループの資産運用に関するビジネス・モデル及び当該資産のキャッシュ・フローの特性に基づき行われます。当社グループは負債性金融商品を償却原価で測定する金融資産又は純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。契約上のキャッシュ・フローを回収するために保有され、そのキャッシュ・フローが元本と利息の支払のみである資産は、償却原価で測定しております。これらの金融資産から生じる受取利息は実効金利法を用いて金融収益に計上されております。認識の中止により発生した利得または損失は損益に直接認識され、その他の収益またはその他の費用として表示されます。減損損失は損益計算書上、独立した項目として表示されます。
トレーディング目的の債券、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の定義を満たさない債券は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しています。公正価値の変動および受取利息は、発生した期の損益として認識され、「その他の収益」または「その他の費用」として表示されます。
資本性金融商品
当社グループは、すべての資本性金融商品を公正価値で測定しております。当社グループの経営陣が資本性金融商品の公正価値測定から生じる損益をその他の包括利益として表示することを選択した場合、投資の認識中止後に公正価値測定から生じる損益を純損益に再分類することはありません。当該資本性金融商品から生じた配当金は、当社グループが支払いを受ける権利が確定した時点で純損益に計上されます。
d.減損
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品の減損損失及び減損損失の戻しは、その他の公正価値の変動と分けて計上されません。
償却原価で測定する金融資産の予想信用損失について、損失評価引当金を計上しております。損失評価引当金の認識にあたっては、報告期間の末日ごとに償却原価で測定する金融資産又は金融資産グループに当初認識時点からの信用リスクの著しい増加があるかどうかを検討し予想信用損失を認識しております。期末時点で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増加していない場合には、期末日後12ヶ月以内の生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)を認識しております。
一方、期末時点で、金融商品にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増加している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたるすべての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)を認識しております。
営業債権及び契約資産について、当社グループはその当初認識時から全期間の予想信用損失に等しい金額で認識する、IFRS第9号「金融商品」が認める単純化したアプローチを適用しております。
② 金融負債
a.当初認識及び分類
当社グループは、金融負債について、その当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定する金融負債又は償却原価で測定する金融負債に分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、金融負債に関する契約の当事者になった時点に当該金融商品を認識しております。
償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しております。
b.事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部として当期の純損益として認識しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識後、公正価値の変動額を純損益として認識しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、条件付取得対価が該当します。
c.認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となったときに、金融負債の認識を中止しております。
(7) 有形固定資産
有形固定資産については、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
取得原価には資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用、及び資産計上すべき借入費用が含まれております。交換部品等その他のすべての修繕は、発生した連結会計年度中に純損益に計上しております。
減価償却については、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいております。土地は減価償却をしておりません。
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末日に見直しを行い、必要に応じて改訂しております。資産の耐用年数及び残存価額に対する予想が以前の見積りと異なる、又は資産に含まれる将来の経済的便益の消費のパターンが著しく変化した場合、その変動はIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」(以下、「IAS第8号」という。)の下での見積りの変更として会計処理することとなります。
有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物附属設備 1~10年
・その他の有形固定資産(注) 2~18年
(注)その他の有形固定資産には、構築物及びその他の資産が含まれます。
(8) リース
当社グループは、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該取引をリースと判断しております。リースは、使用権資産が当社グループによって使用可能となった日に、使用権資産及び対応するリース負債として認識されております。短期リースについては、リース料はリース期間にわたり定額法で費用として認識されております。
リース負債は、リース期間開始日現在の残存リース料の正味現在価値をリース計算利子率を用いて、又は当該利子率が容易に算定できない場合には当社グループの追加借入利子率を用いて割り引いて算定しております。
リース料は固定支払額から受取リース料を差し引いたものであります。
当社グループでは、リース料の支払は負債の返済分と金融費用に配分しています。金融費用は、各期間において負債残高に対して一定の期間利子率となるように、リース期間にわたり純損益において費用処理しています。リース契約の変更に起因しないリース期間又はリース料の変動があった場合、リース負債は再測定され、再測定額は使用権資産の調整として認識されております。
開始日現在、使用権資産は以下のものを含む原価で表示されております。
① リース負債の当初認識額
② 賃借人が負担する当初の直接費用
③ 原状回復費用
なお当社グループは、IFRS第16号「リース」が認めている実務上の簡便法として、原資産のクラスごとに、非リース構成部分をリース構成部分と区別せずに、各リース構成部分及び関連する非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理することを選択しております。
使用権資産は、毎期原価モデルに基づき測定され、リース期間開始日から資産の耐用年数の終了又はリース期間の終了までのいずれか短い期間にわたり減価償却されております。リース負債が再測定された場合、再測定額は使用権資産の調整として認識されております。
(9) のれん及び無形資産
①のれん
当初認識時におけるのれんの測定については、「(20)企業結合」に記載しております。
②その他の無形資産
個別に取得した無形資産は、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用のみとなります。
無形資産の償却については、無形資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいております。
償却方法及び耐用年数は、連結会計年度末日に見直しを行い、必要に応じて改訂しております。無形資産の耐用年数に対する予想が以前の見積りと異なる、又は無形資産に含まれる将来の経済的便益の消費のパターンが著しく変化した場合、その変動はIAS第8号の下での見積りの変更として会計処理することとなります。
主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウェア開発資産 5年
・その他の無形資産(注) 5~10年
(注)その他の無形資産には顧客関連資産、技術資産及びソフトウェアが含まれます。
③研究開発費
研究関連支出は、発生時に費用認識しております。
以下の要件を満たさない開発費は、発生時に費用として認識し、以下の要件をすべて満たした場合に無形資産として認識しております。
a. 使用又は売却に利用できるように無形資産を完成させることの、技術上の実行可能性
b. 無形資産を完成させ、使用するか又は売却するという意図
c. 無形資産を使用又は売却できる能力
d. 無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益をどのように生み出すかを実証できること
e. 開発を完了させ、無形資産を使用するか又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上、及びその他の資源の利用可能性
f. 開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
(10) 非金融資産の減損
繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を連結会計年度末日ごと及び減損の兆候を識別した時に見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。資金生成単位については、継続的に使用することにより他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。
のれんは内部報告目的で管理される単位として資金生成単位に配分されており、事業セグメントの範囲内となっております。
減損損失については、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には純損益で認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しております。
過去に認識した資産の減損損失については、四半期ごとに減損損失の戻し入れを示す兆候の有無を判断しております。減損の戻し入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合には、減損損失を戻し入れております。減損損失については、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻し入れております。なお、のれんに関連する減損損失は戻し入れておりません。
(11) 営業債務及びその他の債務
仕入債務は収益を生むためのサービスの購入に対する債務であり、その他の債務は営業活動及び営業活動以外から生じる債務であります。利息の付かない短期の営業債務及びその他の債務は、割引の影響が軽微であるため、当初請求額で事後測定しております。
(12) 借入金
借入金は、発生した取引費用控除後の公正価値で当初認識されます。その後、借入金は償却原価で計上され、取引費用控除後の取引金額と償還価額との差額は実効金利法を用いて借入期間にわたって純損益として認識されます。
(13)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが合理的に見積り可能である法的債務又は推定的債務を現在の債務として負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高い場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に固有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。将来生じる事象を起因とした営業損失に対する引当金は認識しておりません。
当社グループの引当金には、主に資産除去債務が含まれております。当該引当金は、賃借建物に対する原状回復義務に備え、過去の原状回復実績及び事務所等に施した内部造作の耐用年数を考慮して決定した使用見込期間等を基礎として、各物件の状況を個別に勘案して資産除去費用を見積り、資産除去債務として認識しております。
(14)従業員給付
短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。
有給休暇費用については、将来の有給休暇の権利を増加させる勤務を従業員が提供したときに負債及び費用として認識しております。
年金 - 確定拠出型年金制度
確定拠出型年金制度は、企業が一定の掛金を別個の事業体(基金)に拠出し、たとえ基金が従業員の当期及び過去の期間の勤務に関連するすべての従業員給付を支払うために十分な資産を保有しない場合でも、企業がさらに掛金を支払うべき法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出型年金制度の拠出金は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しております。前払の拠出金が、報告日末前の勤務に対する掛金を超過する場合には当該前払が現金の返還又は将来の支払の減少となる範囲で資産として認識されております。
(15)株式に基づく報酬
当社グループは持分決済型の株式報酬制度を運用しており、株式及びオプションは当社グループにより当社グループの役員及び従業員に付与されております。株式及びオプションの付与と引き換えに従業員から受け取るサービスの価値は、権利確定期間にわたって報酬費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。権利確定期間にわたり費用化される金額は、付与日における付与された株式及びオプションの公正価値及び権利確定日における株式及びオプションの数を参考に決定されます。各期末日において、当社は権利確定日における株式及びオプションの数を修正し、当該修正の影響を報酬費用として認識し、同額を資本剰余金の修正として認識しております。
(16)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
当期税金費用は、期末日時点において施行又は実質的に施行される税率を乗じて算定する当期の課税所得又は損失に係る納税見込額あるいは還付見込額の見積りで測定しております。税額の算定に当たっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、連結会計年度末日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法に従っております。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異に対して資産負債法に基づき認識しております。繰延税金資産は一時差異及び未使用の繰越欠損金について、それらを利用できるだけの課税所得が生じる可能性が高い範囲内においてのみ認識しております。なお、次の一時差異に対しては、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識しておりません。
① のれんの当初認識における将来加算一時差異
② 企業結合以外の取引で、かつ会計上又は税務上のいずれかの損益にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識にかかる一時差異
③ 子会社及び関連会社に対する投資にかかる将来加算一時差異のうち、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消されない可能性が高い場合
④ 子会社及び関連会社に対する投資にかかる将来減算一時差異のうち、予見可能な期間内に一時差異が解消される可能性が高くない場合
繰延税金資産は、一時差異を利用できるだけの将来の課税所得が生じる可能性が高い範囲内においてのみ認識しております。繰延税金資産の回収可能性の評価には、将来の予想売上収益成長率及び利益率、利用可能な税額控除、税務計画等の予想を含む、重要な会計上の判断及び経営者の見積りが含まれます。また、法律及び規制の新設、改訂等により、繰延税金資産が大幅に調整される可能性があります。繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び繰延税金負債の相殺が行われるのは、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ、繰延税金資産及び繰延税金負債が単一の納税主体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものについてであります。
(17)資本金
発行した普通株式に対する払込額については資本金として計上しております。新株又はストック・オプションの発行に直接起因する増分費用は、発行により増加した資本金額から控除(税引後)する形式で表示されております。
当社が発行済株式資本の買戻しを行う場合、直接帰属する増分費用(法人税等控除後)を含む支払対価は、当社の株主資本から差し引かれます。当該株式がその後再発行された場合、帳簿価額と受領した対価の差額(直接帰属する取引費用及び税効果控除後)は、当社の株主資本に含まれます。
(18)収益認識
当社グループでは顧客との契約について、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは主にAIプラットフォームを用いたソリューションを提供しております。具体的には、AIの技術を活用して生涯価値の高いユーザーの獲得を可能にするソリューションを提供するデジタルマーケティングサービス、ユーザーエンゲージメント、ユーザーターゲティング又はデータサイエンスを行うプラットフォームを基礎としたオンラインサービスの提供を行っております。デジタルマーケティングサービスについては、インターネットユーザーが当社の提供するキャンペーンに対し一定の反応をするにつれて履行義務が充足されるため、その量に基づき契約期間にわたって収益を認識しております。売上原価には、収益を生み出すことに直接関連するコストのみが含まれており、主な内容はサービス提供に伴い外部に支払う費用であります。プラットフォームを基礎としたオンラインサービスの提供については、履行義務が継続して充足されるため、当該オンラインサービスの提供期間にわたって収益を認識しております。なお、デジタルマーケティングサービスについては、顧客への請求時点まで契約資産として認識し、顧客への請求時に営業債権として認識しております。
当社グループが提供するサービスの履行義務の充足期間は、主に1年以内の契約であり、重大な金融要素は含まれておりません。顧客より契約条件に基づいて前払を受けた場合には、契約負債として認識しております。
(19) 政府補助金
政府補助金は、当社グループが補助金に付された条件を遵守し、補助金を受領する合理的な保証がある場合にのみ、公正価値により認識しております。政府補助金は、当社グループが補助金によって補填される関連費用を認識する期間にわたって、純損益として認識しております。
(20)企業結合
当社グループは企業結合の会計処理に関して、取得法を適用しております。取得対価には、当社グループから被取得企業の従前の所有者に対して移転した資産、発生した負債、当社が発行した持分及び条件付対価契約から生じる負債の公正価値が含まれております。
企業結合に関連して発生するすべての費用は、発生時に費用処理しております。
企業結合において取得した被取得企業の識別可能な資産、負債及び偶発負債は、取得日の公正価値で測定しております。資産又は負債とみなされた条件付対価の公正価値の事後の変動は、IFRS第9号「金融商品」に準拠して純損益として認識しています。
取得日時点で測定した取得対価の公正価値と被取得企業に対する非支配持分の金額の合計が、取得日時点における識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額の超過額はのれんとして計上しております。逆に下回る場合には、純損益として認識しております。
(21)1株当たり利益
当社グループは、基本的及び希薄化後1株当たり利益(親会社の所有者に帰属)を開示しております。基本的1株当たり利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済株式の加重平均株式数で除して算定しております。希薄化後1株当たり利益は、すべての希薄化効果のある潜在株式による影響について、親会社の所有者に帰属する当期利益及び自己株式を調整した発行済株式の加重平均株式数を調整することにより算定しております。
(22)事業セグメント
事業セグメントは、最高経営意思決定者に提供される内部報告書と整合する方法で報告されています。当社グループの最高経営意思決定者は、事業セグメントの資源配分及び業績評価について責任を有し、戦略的意思決定を行う取締役会であります。
5.重要な会計上の見積り及び判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行う必要があります。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しております。
会計方針の適用に際して行う判断のうち、連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える事項は以下のとおりであります。
① 繰延税金資産の回収可能性(注記4 重要な会計方針 (16)及び注記22 法人所得税)
② のれん及び無形資産の評価(注記4 重要な会計方針 (9)及び注記9 のれん及び無形資産)
③ 非金融資産の減損(注記4 重要な会計方針 (7)、(8)、(9)及び(12)、注記8 有形固定資産、注記9 のれん及び無形資産、及び注記10 リース)
④ ソフトウェア開発資産の資産計上(注記4 重要な会計方針 (9)、注記9 のれん及び無形資産)
6.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりであります。
信用リスクに関する情報は、注記「25.金融商品」に記載されております。
上記の定期預金は3ヶ月以内に満期日を迎えるため、価値の変動リスクは僅少であります。なお、満期日が3ヶ月を超える、もしくは担保に供されている定期預金は連結財政状態計算書上「定期預金」として表示されております。
7.営業債権
営業債権の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、営業債権はすべて顧客との契約から生じたものです。2023年1月1日時点における顧客との契約から生じた債権残高は3,032百万円であります。
信用リスクに関する情報は、注記「25.金融商品」に記載されております。
8.有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額並びに帳簿価額は以下のとおりであります。
9.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額は以下のとおりであります。
(注)ソフトウェア開発資産の償却費は、連結損益計算書の「販売及びマーケティング費用」に含めております。
当社グループのマネジメントは、他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の識別可能な資産グループである各ソリューションの業績をモニタリングしているため、各ソリューションを資金生成単位としてのれんを配分しております。
資金生成単位の使用価値が帳簿価額を上回っている場合、のれんの減損は認識されません。使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映し、経営者が承認した事業計画を基礎とした5年分のキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引くことにより算定しております。2023年12月期及び2024年12月期における、税引前の加重平均資本コストを基礎に算定した割引率はそれぞれ12.42%及び14.07%であります。なお、減損判定に用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変動した場合においても、回収可能価額が帳簿価額を大幅に上回っており、重要な減損が発生する可能性は低いと判断しております。2023年12月31日及び2024年12月31日時点におけるWoopra Inc.の買収によるのれんはそれぞれ1,773百万円及び1,990百万円であります。2023年中に、Woopra Inc.の事業は既存のソリューションと統合されました。2023年12月31日時点において、その他ののれんはすべて当社グループのもう一つの資金生成単位に配分されています。
のれんは、減損の兆候の有無に関わらず、年に1度減損テストを実施しております。のれんの減損テスト及びソフトウェア開発資産の評価においては、将来キャッシュ・フローの見積りにあたり、経営者の承認を得た事業計画に基づくソリューション別の売上収益及び営業利益の予測値を使用しております。当該予測値の作成に際しては、売上収益成長率、将来の売上総利益率、費用増加率等の仮定を基礎としております。
10.リース
当社グループは、建物及びその他の資産に関するリース契約を締結しており、延長オプションを考慮したリース期間は通常2年から12年間であります。リースの条件は個々に交渉し、様々な取決めが盛り込まれております。
リース期間が12ヶ月以内の短期リースは、オフィス及びオフィス設備であります。
リース期間を決定するにあたり、当社グループは延長オプションの行使に関する経済的インセンティブを生み出すすべての事象と状況を考慮しております。リース期間の評価に重要な影響を与える事象が発生した場合、リース期間の再評価を行います。
使用権資産の帳簿価額及び減価償却費は以下のとおりであります。
リース取引に係る費用(△)は以下のとおりであります。
リース期間の決定に際しては、延長オプションを行使する経済的インセンティブをもたらすすべての事実と状況を考慮しております。リース期間は判定に影響を与える重要な事象が発生した場合に見直しております。
2023年12月期及び2024年12月期において、リースに係る当社グループの現金支出額はそれぞれ683百万円及び802百万円であります。また、2023年12月期及び2024年12月期における使用権資産の増加額はそれぞれ337百万円及び194百万円であります。
なお、2023年12月期及び2024年12月期において、変動リースに該当する重要な取引はありません。
11.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりであります。
受益証券は、信用リスクを分散させるため、信用力の高い金融機関が発行するマネー・マーケット・ファンドに投資をする債券であります。
ベンチャーキャピタルへの出資は、テクノロジースタートアップや成長段階の企業への投資を伴う資本性金融商品であります。
当社グループは、戦略的投資とみなされる資本性金融商品を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類することを選択しております。
12.借入金
短期借入金の内訳は、以下のとおりであります。
13.財務活動から生じた負債の変動
財務活動から生じた負債の変動は、次のとおりであります。
14.その他の債務
その他の債務の内訳は、以下のとおりであります。
15.退職後給付
確定拠出年金制度
台湾で設立された子会社は、労働年金法に基づき確定拠出年金制度を採用し、台湾籍をもつすべての正社員に適用しております。当該制度に基づいて、当社グループは、毎月従業員の給与の少なくとも6%を、労働保険局にある個人年金口座に拠出しております。退職給付金は月々に支払うか又は退職時に一括して支払うことになっております。その他の子会社は法令に従った年金制度を採用しております。
当社の主要な台湾以外の子会社も、確定拠出型年金制度を導入しております。各月の拠出額は、政府が運営する独立基金に対し、年金規則に従って拠出されます。これらの子会社は、月次拠出額以外の追加的な義務を負いません。
2023年12月期及び2024年12月期の当社グループの確定拠出年金制度に基づく年金費用はそれぞれ295百万円及び343百万円であります。
16.株式に基づく報酬
旧親会社Appier Holdings, Inc.は当社及び子会社の取締役及び従業員を対象として持分決済型のストック・オプションを付与しておりました。2021年2月に当社が最終親会社となったことに伴い(「1.報告企業」参照)、当社はAppier Holdings, Inc.のストック・オプションに代替するものとして、Appier Holdings, Inc.のストック・オプション1株に対し、当社のストック・オプションを10株付与しております。当社のストック・オプションの行使価格は1円であり、その他の条件もAppier Holdings, Inc.のストック・オプションと同じであります。当社のストック・オプションとAppier Holdings, Inc.のストック・オプションの公正価値の間に差異はありません。
Appier Holdings, Inc.は2021年12月に解散しており、当連結会計年度末時点でAppier Holdings, Inc.が発行したストック・オプションはありません。
(1) Appier Holdings, Inc.が発行した新株予約権(その後、当社が発行する新株予約権に置き換え)
Appier Holdings, Inc.は、当社及び子会社の取締役及び従業員を対象として持分決済型のストック・オプションを付与しておりました。付与日及び付与されたオプションの数は以下のとおりであります。
(注) 1.オプションの1/6は最初の指定日に付与されます。また、追加の1/6のオプションは6か月ごとに付与されます。
2.付与日以降、権利確定日まで当社又は当社の子会社の従業員、コンサルタントその他これらに準じる地位のいずれかを有することを権利確定条件としております。
ストック・オプションの公正価値は、以下の前提条件に基づき、ブラック・ショールズ・モデルを用いて測定しております。
(注) 当社は未上場であったため、予想変動率は予想残存期間が近い類似した上場企業の直近の変動率を使用して推定しておりました。
(2) 当社が発行した新株予約権
当社は、当社及び子会社の取締役及び従業員を対象として持分決済型のストック・オプションを付与しております。付与日及び付与されたオプションの数は以下のとおりであります。
(注) 1.注記16 株式に基づく報酬(1)参照
2.オプションの1/6は最初の指定日に付与されます。また、追加の1/6のオプションは6か月ごとに付与されます。
3.付与日以降、権利確定日まで当社又は当社の子会社の従業員、コンサルタントその他これらに準じる地位のいずれかを有することを権利確定条件としております。
株式に基づく報酬のオプション数及び加重平均行使価格は以下のとおりであります。
2023年12月期末及び2024年12月期末時点で、未行使オプションの権利行使価額は1円であり、権利確定までの期間は、2023年12月期末時点で0.14~2.01年間、2024年12月期末時点で0.35~1.88年であります。
ストック・オプションの公正価値は、以下の前提条件に基づき、ブラック・ショールズ・モデルを用いて測定しております。
2023年12月期及び2024年12月期において、Appier Holdings, Inc.及び当社の株式報酬制度に基づき認識された株式報酬費用は、それぞれ188百万円及び262百万円であります。
17.資本及びその他の資本項目
(1) 授権株式数及び発行済株式数
授権株式数及び発行済株式数(自己株式を含む)の増減は以下のとおりであります。
(注)1.当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みとなっております。
2.日本の会社法では、単元未満株式を保有する株主は、自己の保有する単元未満株式の買い取りを請求することができます。また、当社は2024年8月14日付けの取締役会において、自己株式を最大1,000,000株、総額10億円を上限として、2024年9月1日から2024年12月31日までの期間で取得することを決議しました。2023年12月期および2024年12月期の各連結会計年度において、当社はそれぞれ62株(取得総額0百万円)および653,306株(取得総額10億円)を取得しました。当社が保有する自己株式は、前連結会計年度末時点で257株、当連結会計年度末時点で653,563株であります。
(2) 資本剰余金
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(3) 剰余金の配当
(a)当社の定款では、剰余金の配当は会社法に準拠し、取締役会の決議により、会社法第459条第1項各号に定める事項を決定できると規定しています。当社は、毎年6月30日および12月31日時点の最終株主名簿に記載された株主に対し、金銭による剰余金の配当を行います。また、支払開始日から3年が経過した配当金については、当社の支払義務が免除されます。さらに、未払配当に利息は付されません。
(b)2023年12月期および2024年12月期において、取締役会による剰余金配当の決議は行われませんでした。
(c)2025年2月14日付けの取締役会において、以下の剰余金の配当が決議されました。
18.売上収益
売上収益の内訳は以下のとおりであります。
顧客との契約から認識した収益の分解
当社グループは、事業を展開する上で販売状況を地域ごとに管理し、売上収益を管理区分単位である地域別に分解しております。
地域は以下のように分類しております。
北東アジア地域:日本及び韓国
米国、EMEA及びその他:米国、EMEA(英国、フランスを含む)及びその他
グレーターチャイナ地域:中国、台湾及び香港
東南アジア地域:その他のアジア太平洋地域(シンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、インド、インドネシア及びオーストラリア)
契約残高
当社グループの契約残高のうち、契約資産及び契約負債は連結財政状態計算書に契約資産及び契約負債として表示しております。前連結会計年度末時点の契約資産が増加した理由は、契約活動が合意された支払スケジュールよりも大幅に進捗したキャンペーンが増加したためです。営業債権は、すべて顧客との契約から生じた債権であり、当該金額は注記「7.営業債権」に記載されております。
前連結会計年度及び当連結会計年度に認識した収益のうち、契約負債期首残高に含まれている収益は以下のとおりであります。
19.営業費用
販売及びマーケティング費用、研究開発費、及び一般管理費の内訳は以下のとおりであります。
20.人件費
人件費の内訳は以下のとおりであります。
21.その他の収益
その他の収益の内訳は以下のとおりであります。
22.法人所得税
法人所得税費用(利益)の構成要素は以下のとおりであります。
(注)分離課税は、台湾とシンガポールで課された国外への売上に対する源泉徴収税であります。
税金費用と会計上の利益に実効税率を乗じて計算された金額との調整は以下のとおりであります。計算上で適用される税率は、当社グループ会社が所在する国それぞれの法定実効税率を適用しております。
繰延税金資産及び負債の原因別の内訳及び増減内容は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異等は、以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない未使用の繰越欠損金および税務上の減価償却費控除の失効予定は以下のとおりであります。
23.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は以下のとおりであります。
24.企業結合
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
該当事項はありません。
25.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、持続的な成長を通じて、株主への利益を最大化し資本コストを削減するための最適な資本構成を維持するために、資本を管理しております。
当社グループは、最適な資本構成を維持し対応することを目的として、株主に支払う配当金の調整や、株主への資本還元、新株の発行、負債軽減のための資産売却を実施する可能性があります。
当社グループが資本管理において用いる主な指標は、次のとおりです。なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
自己資本額:親会社の所有者に帰属する持分
自己資本比率:自己資本額/負債及び資本合計
(2) 金融商品
種類別金融商品
当社グループの金融資産(現金及び現金同等物、営業債権、定期預金、その他の債権及びその他の金融資産)と金融負債(営業債務、借入金、及びその他の債務の一部)についての情報は、連結財政状態計算書に記載されているとおりであります。当社グループが保有する金融資産及び金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び公正価値で測定する金融負債である条件付対価を除き、償却原価で測定する金融資産及び金融負債に分類されています。
金融リスク管理方針
① 当社グループは、経営活動を行う過程において、市場リスク(為替リスク、金利リスク、価格リスク)、信用リスク、流動性リスクといった様々な財務リスクにさらされております。当社グループの全体的なリスク管理プログラムは、金融市場の予測不可能性に焦点を当て、当社グループの財政状態及び財務業績に対する潜在的な悪影響を最小限に抑えるよう努めております。
② 財務上のリスク管理は、取締役会にて承認された方針のもとに実施されております。
重要な財務リスク及び財務リスクの程度
① 市場リスク
当社グループは国際的に事業展開しているため、様々な通貨による取引から生じる為替リスクにさらされております。為替レートの変動リスクは、将来的な営業取引及び評価性資産や負債から生じます。
当社グループの事業は、グループ各社の機能通貨(当社の機能通貨は日本円、当社子会社の機能通貨は主に日本円、米国ドル、台湾ドル)での運営を行っております。そのため、グループ各社の機能通貨と異なる通貨により保有される金融資産及び金融負債については、為替レートの変動による影響を受けます。当社グループ各社の機能通貨と異なる通貨により保有される貨幣性金融資産及び金融負債については、以下のとおりであります。損益影響額は、税引前利益への影響額を記載しております。
2023年12月期及び2024年12月期において、当社グループによって保有される貨幣項目における重要な為替変動から生じる為替差益(差損)の合計金額は、それぞれ△189百万円及び△294百万円であります。
価格リスク
当社グループが保有し、連結財政状態計算書上、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類される投資は、価格変動リスクにさらされています。当社グループでは、設定した限度額に基づくポートフォリオの分散により、受益証券、ベンチャーキャピタルへの出資、及び非上場株式への投資から生じる価格変動リスクを管理しております。ポートフォリオの分散は、当社グループが設定した限度に従って行われます。
受益証券、ベンチャーキャピタルへの出資、及び非上場株式の価格は、それぞれ将来の償還価額及び投資先企業の将来価値の変動により変化します。受益証券、ベンチャーキャピタルへの出資、及び非上場株式の価格が、他のすべての変数を一定に保ったまま20%上昇又は下降した場合、2023年12月期及び2024年12月期の税引前利益はそれぞれ988百万円及び1,174百万円増加または減少し、その他の包括利益はそれぞれ29百万円及び8百万円増加または減少します。
キャッシュ・フローと金利リスク
当社グループの利益及び営業活動によるキャッシュ・フローは実質的に市場金利の変化から独立しており、銀行預金を除き利息の影響を受ける重要な資産は有しておりません。金利リスクの対象となる当社グループのエクスポージャーは借入金も含まれておりますが、借入金は固定金利であることから、当社グループは利息によるキャッシュ・フローに対するリスクはありません。
② 信用リスク
信用リスクとは、保有する金融商品の相手方もしくは顧客による債務不履行から生じ、当社グループに財務上の損失を発生させるリスクであります。主な要因は、相手方が合意された条件に基づく営業債権を全額返済できないことによるものであります。
当社グループは最近では重大な不良債権を抱えておらず、不良債権に対する引当金の妥当性を常に評価しております。信用評価を行った結果、特に重大な信用リスクはありません。
いずれの債権についても、その全部又は一部について回収ができない、又は回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしております。また、支払遅延の原因が一時的な資金需要によるものではなく、債務者の重大な財政的困難等に起因するものであり、債権の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された場合には、信用減損が発生しているものと判定しております。
当社グループは信用リスクを分散するためすべて信用力の高い様々な金融商品による取引を実施しており、取引の相手方の債務不履行の可能性は低いものと考えております。
負債性証券の信用減損が生じたか否かの決定にあたっては、以下の兆候が用いられます。
a.発行者が財務状況の悪化により倒産その他の財務の再構築を行う可能性があること
b.利息もしくは元本の返済が行われないこと
c.財政破綻を起こすと想定される国家ないし地域の経済状況に不利な変化があること
営業債権について、予想信用損失を評価する方法は以下のとおりであります。
a.当社グループは、重大な債務不履行を行った営業債権について個別に予想信用損失の評価をしております。
b.信用減損した営業債権以外の営業債権は、単純化したアプローチに基づき、債権等を相手先の信用リスク特性に応じて区分し、その区分に応じて算定した過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて算定しております。
c.当社グループは、回収することが合理的に期待できない金融資産については、償却しておりますが、一方で回収する権利を確保するために遡求手続を引き続き実行しております。
d.当社グループは、将来予測情報、過去及び現在の情報を利用して営業債権の損失可能性を以下のとおり評価しております。
e.2023年12月31日及び2024年12月31日現在の契約資産に関連する信用リスクエクスポージャーは重要ではありません。
営業債権の損失評価引当金の変動は以下のとおりであります。
現金及び現金同等物、定期預金
当社グループの保有する現金及び現金同等物、定期預金は信用リスクが低い金融機関に預入れており、12ヵ月間の予想信用損失に基づき測定され、信用損失に重要性はありません。
その他の債権、差入保証金
その他の債権及び差入保証金の信用リスクは低く、12ヶ月間の予想信用損失に基づき測定され、信用損失に重要性はありません。
③ 流動性リスク
流動性リスクの管理は十分な現金及び現金同等物を維持し、十分な金額の信用及びマーケットポジションを確保することを通して資金を確保することを指しております。当社グループの目的は十分かつ柔軟な資金調達を可能とする十分な与信枠を維持することであります。
以下の表は当社グループの非デリバティブ金融負債の満期分析であります。非デリバティブ金融負債の分析は、期末日から契約上の満期日までの残存期間に基づいております。
上記を除き、当社グループの非デリバティブ負債(借入金、営業債務及びその他の債務を含む)の満期日はすべて1年未満であります。
当社は満期日までに見積もられるキャッシュ・フローの発生のタイミングが大幅に早まることも、実際のキャッシュ・フローの金額が大きく異なることも予想しておりません。
(3) 公正価値情報
公正価値の測定方法
金融資産及び金融負債の公正価値は、以下のとおり決定しています。なお、償却原価で測定する金融資産及び金融負債のうち、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっていない金融商品はありません。
償却原価で測定する金融資産及び金融負債
金融資産(現金及び現金同等物、営業債権、定期預金、その他の債権及び差入保証金)と金融負債(営業債務、借入金及びその他の債務の一部)については短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額に近似しております。また、その他の金融資産に含まれる差入保証金については、将来キャッシュ・フローを期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により測定しており、これらの帳簿価額は公正価値と一致又は近似しております。
公正価値で測定する金融資産
受益証券への投資に関連した純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(その他の金融資産)は、当社グループが現金で償還できる、発行者から提供されるこの投資の償還価額を参照する評価手法を用いて公正価値を測定しております。当該評価技法において使用されるインプットは、投資の償還価額です。
ベンチャーキャピタルへの出資に関連した純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(その他の金融資産)は、当該投資の純資産価値のうち当社グループに帰属する部分を参照して公正価値を測定しております。
外国企業が発行する株式に関連したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(その他の金融資産)は、類似会社比較法を用いて公正価値を測定しております。この公正価値の測定にあたって、株価売上倍率及び非流動性ディスカウント等の観察可能でないインプットを利用しております。
公正価値で測定する金融負債
その他の債務に含まれる企業結合に伴う条件付取得対価は、主に割引キャッシュ・フロー法を用いて公正価値を測定しております。この公正価値の測定にあたって、統合プロセスの完了及び財務実績等の観察不能なインプットを利用しております。
公正価値で測定する金融商品
公正価値の測定に使用する公正価値の階層は、次の3つに区分されます。
レベル1 ― 活発な市場における同一資産・負債の市場価格
レベル2 ― 直接又は間接的に観察可能な、公表価格以外の価格で構成されたインプット
レベル3 ― 観察不能な価格を含むインプット
公正価値の測定に使用する階層のレベルは、重要なインプットのレベルのうち最も低いレベルとしております。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
レベル3に分類された経常的に公正価値で測定される金融商品の増減は次のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル3に移行した金融商品及びレベル3ではなくなった金融商品はありません。
当社グループは、レベル3に分類される公正価値測定の評価について、金融商品の公正価値を独自に検証しております。この評価は、独立した情報を使用して評価結果を現在の市場環境に近づけること、情報源が独立性・信頼性・他の情報との整合性の観点で問題なく、行使可能価額を表していることを確認すること、評価モデルの校正・バックテスト・評価モデルに使用する入力情報を更新すること、その他公正価値測定に必要な調整を行うことにより、評価結果が妥当であることを確認するものであります。当社グループのFinance Departmentは、金融商品の公正価値を測定するための評価方針、評価プロセス及びルールを設定し、IFRSの関連要求事項への適合性を確保しております。
レベル3の公正価値測定に用いられた評価モデルの重要な観察不能なインプットの定性的情報は以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
上記の金融資産に関し、その他の包括利益として認識された損益は連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定した資本性金融商品の公正価値の純変動額」に含まれております。上記の金融資産及び金融負債に関し、純損益に認識された利得又は損失は、連結損益計算書の「その他の収益」又は「その他の費用」に含まれております。
当社グループは、公正価値を測定するために使用する評価モデル及び過程を慎重に評価しており、インプットが合理的に考えうる代替的な仮定に変更した場合に見込まれる公正価値の増減は重要ではありません。
(4) 金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は以下のとおりであります。
金融費用の内訳は以下のとおりであります。
26.関連当事者
(1) 親会社及び最上位の支配会社
該当事項はありません。
(2) 関連当事者との関係
該当事項はありません。
(3) 重要な関連当事者取引
注記「17.資本及びその他の資本項目」に記載しております。
(4) 債務保証
債務保証に関する情報は、注記「12.借入金」に記載しております。
(5) 主要な経営幹部への報酬
主要な経営幹部への報酬の内訳は、以下のとおりであります。
27.主要な子会社
当社グループの連結財務諸表に含まれる子会社は、以下のとおりであります。
(注)Appier Netherlands B.V.は2023年1月に設立され、設立日より連結財務諸表に含まれています。
28.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
(2) セグメント収益及び業績
当社グループは単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(3) 製品及びサービスに関する情報
外部顧客への収益実績の内訳は以下のとおりであります。
(4) 地域に関する情報
地域別売上収益は、主に顧客の拠点や所在地及び識別可能なブランドの所在地に基づいて集計しております。当該基準は注記「18.売上収益」における地域別開示とは異なる可能性があります。また、金融資産及び繰延税金資産以外の非流動資産の地域別内訳は、当社グループ各社の所在地に基づいて集計しております。
上記基準による前連結会計年度の日本における収益は5,604百万円であります。金融資産及び繰延税金資産を除く非流動資産の前連結会計年度末時点の残高は12,261百万円であり、そのうちシンガポールが6,443百万円、台湾が1,763百万円、日本が1,101百万円であります。
上記基準による当連結会計年度の日本における収益は5,040百万円であります。金融資産及び繰延税金資産を除く非流動資産の前連結会計年度末時点の残高は14,926百万円であり、そのうちシンガポールが9,462百万円、台湾が1,290百万円、日本が966百万円であります。
(5) 主要な顧客に関する情報
2023年12月期及び2024年12月期の当社グループの主要な顧客に関する売上収益は以下のとおりであります。
29.コミットメント及び偶発債務
(1) コミットメント
該当事項はありません。
(2) 偶発事象
企業結合に関連する条件付対価に関する情報は、注記「25.金融商品」に記載しております。
30.後発事象
ADYOUNEED SASの株式取得
当社の子会社であるAppier Pte. Ltd.は、ADYOUNEED SASをAppier Pte. Ltd.の完全子会社とするために、ADYOUNEED SASの株主との間で株式譲渡契約を締結しました。2025年2月12日に株式譲渡契約を締結し、株式譲渡は2025年3月5日に完了しました。
1. 企業結合の概要
(1) 相手先企業の名称及びその事業内容
(2) 企業結合を行った主な理由
①AdCreative.aiの事業概要
AdCreative.aiは、最先端のAI技術を活用し、デジタル広告クリエイティブを革新するAI搭載プラットフォームです。高度な生成AIモデルと包括的な独自のデータセットを活用することで、クリエイティブ制作のプロセスを効率化し、多様なデジタルチャネル向けに最適化されたインパクトのある広告素材を生成することができます。
AdCreative.aiの特長は、コンバージョンに最適化された広告クリエイティブを生成する点であり、エンゲージメント指標を最大化し、優れたROIを実現するよう設計されています。また、高度な分析機能とパフォーマンス計測ツールを備えており、顧客はデータに基づいたクリエイティブ戦略の意思決定を行うことができます。さらに、競合分析機能を通じて価値のある市場におけるインサイトを提供し、業界内でより効果的な広告戦略を実行することを支援します。
AdCreative.aiは、生成AI技術の革新が進む業界をリードしており、パフォーマンス重視のアプローチ、直感的なユーザーインターフェース、高品質な広告コンテンツの一貫した提供により、確固たる地位を築いています。AdCreative.aiはグローバルに展開しており、特に米国及び欧州市場において存在感を示しています。顧客基盤も多岐にわたり、小売、Eコマース、ファッション業界をはじめとする様々な業種の企業に導入されています。さらに、大規模なグローバル企業向けのエンタープライズグレードの機能を備えており、すでにエンタープライズ顧客の導入事例もあり、支持を獲得しています。そのため、AdCreative.aiは当社のエンタープライズ市場に注力する戦略との強力な相乗効果を発揮すると期待しています。
②完全子会社化によるシナジー
(a) 生成AIプロダクト開発の加速
AdCreative.aiの生成AIを活用したクリエイティブ自動生成の専門的技術力を取り入れることで、当社のプロダクト革新を加速させ、AI主導のマーケティングソリューションにおける先進性をさらに強化することができます。
(b) データの優位性の強化
AdCreative.aiの膨大なクリエイティブデータベースへのアクセスにより、当社のAIモデルは継続的に学習・進化し、より充実したインサイトを提供するだけでなく、自動で高パフォーマンスを実現する機能を備えた差別化されたプラットフォームとなることができます。
(c) TAMの拡大
当社のAPAC市場及び米国のデジタルコンテンツ業界における強みと、AdCreative.aiの欧州でのEコマース業界における強力なプレゼンスを組み合わせることにより、当社は到達可能な市場を大幅に拡大し、クリエイティブAI分野における新たな成長機会を創出することができます。
(3) 取得日
2025年3月5日
(4) 取得する議決権付資本持分の割合
100%
2. 取得対価、のれん、識別可能な取得資産及び引受負債
取得対価は現金27.3百万米国ドル(円滑な移管が行われた場合に支払われる5百万米国ドルを含む)及び追加の条件付対価により構成されており、その総額は公正価値で測定されます。条件付対価は特定の業績目標等が達成された場合等、一定の条件下で将来支払われる可能性があります。
取得対価の合計の取得日公正価値、識別可能な取得資産及び引受負債の取得日公正価値を含む当該買収に関する当初の会計処理は、2025年3月28日時点では完了しておらず、現時点では見積りが不可能であり確定していないため、開示を行っておりません。