1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
2 監査証明について
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は以下のとおりであります。
(1)会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、各種研修に参加しております。
(2)IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針及び会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
注記 |
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
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資産 |
|
|
|
|
流動資産 |
|
|
|
|
現金及び現金同等物 |
8,31 |
|
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|
営業債権及びその他の債権 |
9,31 |
|
|
|
棚卸資産 |
10 |
|
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|
未収法人所得税 |
|
|
|
|
貸付金 |
31 |
|
|
|
その他の金融資産 |
31 |
|
|
|
その他の流動資産 |
|
|
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|
小計 |
|
|
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|
売却目的で保有する資産 |
11 |
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|
流動資産合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
非流動資産 |
|
|
|
|
石油・ガス資産 |
12,15,16 |
|
|
|
その他の有形固定資産 |
13,15 |
|
|
|
のれん |
14,16 |
|
|
|
無形資産 |
14 |
|
|
|
持分法で会計処理されている投資 |
16,34 |
|
|
|
貸付金 |
31 |
|
|
|
その他の金融資産 |
31 |
|
|
|
退職給付に係る資産 |
20 |
|
|
|
繰延税金資産 |
17 |
|
|
|
その他の非流動資産 |
|
|
|
|
非流動資産合計 |
|
|
|
|
資産合計 |
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
注記 |
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
負債及び資本 |
|
|
|
|
負債 |
|
|
|
|
流動負債 |
|
|
|
|
営業債務及びその他の債務 |
18,31 |
|
|
|
社債及び借入金 |
19,31,36 |
|
|
|
その他の金融負債 |
15,31,36 |
|
|
|
未払法人所得税 |
|
|
|
|
資産除去債務 |
21 |
|
|
|
その他の流動負債 |
|
|
|
|
流動負債合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
非流動負債 |
|
|
|
|
社債及び借入金 |
19,31,36 |
|
|
|
その他の金融負債 |
15,31,36 |
|
|
|
退職給付に係る負債 |
20 |
|
|
|
資産除去債務 |
21 |
|
|
|
繰延税金負債 |
17 |
|
|
|
その他の非流動負債 |
|
|
|
|
非流動負債合計 |
|
|
|
|
負債合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
資本 |
|
|
|
|
資本金 |
22 |
|
|
|
資本剰余金 |
22 |
|
|
|
利益剰余金 |
22 |
|
|
|
自己株式 |
22 |
△ |
△ |
|
その他の資本の構成要素 |
22 |
|
|
|
親会社の所有者に帰属する持分合計 |
|
|
|
|
非支配持分 |
|
|
|
|
資本合計 |
|
|
|
|
負債及び資本合計 |
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
注記 |
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
売上収益 |
7,25 |
|
|
|
売上原価 |
|
△ |
△ |
|
売上総利益 |
|
|
|
|
探鉱費 |
7 |
△ |
△ |
|
販売費及び一般管理費 |
26 |
△ |
△ |
|
その他の営業収益 |
27 |
|
|
|
その他の営業費用 |
27 |
△ |
△ |
|
持分法による投資損益 |
7,34 |
|
|
|
営業利益 |
|
|
|
|
金融収益 |
7,28 |
|
|
|
金融費用 |
7,28 |
△ |
△ |
|
税引前利益 |
|
|
|
|
法人所得税費用 |
7,17 |
△ |
△ |
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
当期利益の帰属 |
|
|
|
|
親会社の所有者 |
7 |
|
|
|
非支配持分 |
|
|
|
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
1株当たり当期利益 |
|
|
|
|
基本的1株当たり当期利益(円) |
30 |
|
|
|
希薄化後1株当たり当期利益(円) |
30 |
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
注記 |
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の包括利益 |
|
|
|
|
純損益に振り替えられることのない項目 |
|
|
|
|
在外営業活動体の換算差額 |
29 |
|
△ |
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
29 |
|
△ |
|
確定給付制度の再測定 |
29 |
△ |
△ |
|
純損益に振り替えられることのない項目合計 |
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
純損益に振り替えられる可能性のある項目 |
|
|
|
|
キャッシュ・フロー・ヘッジ |
29 |
|
△ |
|
在外営業活動体の換算差額 |
29 |
|
|
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
29 |
△ |
△ |
|
持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分 |
29,34 |
△ |
△ |
|
純損益に振り替えられる可能性のある項目合計 |
|
|
|
|
その他の包括利益合計 |
|
|
|
|
当期包括利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
当期包括利益の帰属 |
|
|
|
|
親会社の所有者 |
|
|
|
|
非支配持分 |
|
|
|
|
当期包括利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
注記 |
親会社の所有者に帰属する持分 |
|||||
|
|
資本金 |
資本剰余金 |
利益剰余金 |
自己株式 |
その他の資本の構成要素 |
||
|
|
在外営業 活動体の 換算差額 |
キャッシュ ・フロー・ ヘッジ |
|||||
|
2023年1月1日残高 |
|
|
|
|
△ |
|
|
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の包括利益 |
|
|
|
|
|
|
△ |
|
当期包括利益合計 |
|
|
|
|
|
|
△ |
|
自己株式の取得 |
22 |
|
|
|
△ |
|
|
|
自己株式の処分 |
22 |
|
△ |
|
|
|
|
|
配当金 |
23 |
|
|
△ |
|
|
|
|
支配継続子会社に対する持分変動 |
|
|
△ |
|
|
|
|
|
株式報酬取引 |
24 |
|
|
|
|
|
|
|
その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替 |
|
|
|
△ |
|
|
|
|
所有者との取引額合計 |
|
|
|
△ |
△ |
|
|
|
2023年12月31日残高 |
|
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
注記 |
親会社の所有者に帰属する持分 |
非支配持分 |
合計 |
|||
|
|
その他の資本の構成要素 |
合計 |
|||||
|
|
その他の包括 利益を通じて 公正価値で 測定する 金融資産 |
確定給付制度 の再測定 |
合計 |
||||
|
2023年1月1日残高 |
|
△ |
|
|
|
|
|
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の包括利益 |
|
|
△ |
|
|
|
|
|
当期包括利益合計 |
|
|
△ |
|
|
|
|
|
自己株式の取得 |
22 |
|
|
|
△ |
|
△ |
|
自己株式の処分 |
22 |
|
|
|
|
|
|
|
配当金 |
23 |
|
|
|
△ |
△ |
△ |
|
支配継続子会社に対する持分変動 |
|
|
|
|
△ |
|
|
|
株式報酬取引 |
24 |
|
|
|
|
|
|
|
その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替 |
|
|
|
|
|
|
|
|
所有者との取引額合計 |
|
|
|
|
△ |
|
△ |
|
2023年12月31日残高 |
|
△ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
注記 |
親会社の所有者に帰属する持分 |
|||||
|
|
資本金 |
資本剰余金 |
利益剰余金 |
自己株式 |
その他の資本の構成要素 |
||
|
|
在外営業 活動体の 換算差額 |
キャッシュ ・フロー・ ヘッジ |
|||||
|
2024年1月1日残高 |
|
|
|
|
△ |
|
|
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の包括利益 |
|
|
|
|
|
|
△ |
|
当期包括利益合計 |
|
|
|
|
|
|
△ |
|
自己株式の取得 |
22 |
|
|
|
△ |
|
|
|
自己株式の処分 |
22 |
|
△ |
|
|
|
|
|
自己株式の消却 |
22 |
|
△ |
|
|
|
|
|
配当金 |
23 |
|
|
△ |
|
|
|
|
支配継続子会社に対する持分変動 |
|
|
△ |
|
|
|
|
|
子会社の支配喪失に伴う変動 |
|
|
|
|
|
|
|
|
株式報酬取引 |
24 |
|
|
|
|
|
|
|
その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替 |
|
|
|
△ |
|
|
|
|
所有者との取引額合計 |
|
|
△ |
△ |
|
|
|
|
2024年12月31日残高 |
|
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
注記 |
親会社の所有者に帰属する持分 |
非支配持分 |
合計 |
|||
|
|
その他の資本の構成要素 |
合計 |
|||||
|
|
その他の包括 利益を通じて 公正価値で 測定する 金融資産 |
確定給付制度 の再測定 |
合計 |
||||
|
2024年1月1日残高 |
|
△ |
|
|
|
|
|
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の包括利益 |
|
△ |
△ |
|
|
|
|
|
当期包括利益合計 |
|
△ |
△ |
|
|
|
|
|
自己株式の取得 |
22 |
|
|
|
△ |
|
△ |
|
自己株式の処分 |
22 |
|
|
|
|
|
|
|
自己株式の消却 |
22 |
|
|
|
|
|
|
|
配当金 |
23 |
|
|
|
△ |
△ |
△ |
|
支配継続子会社に対する持分変動 |
|
|
|
|
△ |
|
|
|
子会社の支配喪失に伴う変動 |
|
|
|
|
|
△ |
△ |
|
株式報酬取引 |
24 |
|
|
|
|
|
|
|
その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替 |
|
△ |
|
|
|
|
|
|
所有者との取引額合計 |
|
△ |
|
|
△ |
△ |
△ |
|
2024年12月31日残高 |
|
△ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
注記 |
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
|
|
税引前利益 |
|
|
|
|
減価償却費及び償却費 |
|
|
|
|
減損損失 |
16 |
|
|
|
資産除去債務の増減額(△は減少) |
|
|
△ |
|
金融収益及び費用(△は益) |
28 |
△ |
△ |
|
為替差損益(△は益) |
|
△ |
△ |
|
持分法による投資損益(△は益) |
|
△ |
△ |
|
棚卸資産の増減額(△は増加) |
|
|
|
|
営業債権及びその他の債権の増減額(△は増加) |
|
|
△ |
|
営業債務及びその他の債務の増減額(△は減少) |
|
△ |
△ |
|
その他 |
|
|
|
|
小計 |
|
|
|
|
利息の受取額 |
|
|
|
|
配当金の受取額 |
|
|
|
|
利息の支払額 |
|
△ |
△ |
|
法人所得税の支払額 |
|
△ |
△ |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
|
|
定期預金の預入による支出 |
|
△ |
△ |
|
定期預金の払戻による収入 |
|
|
|
|
探鉱・評価資産の取得による支出 |
|
△ |
△ |
|
開発・生産資産の取得による支出 |
|
△ |
△ |
|
その他の有形固定資産の取得による支出 |
|
△ |
△ |
|
投資の取得による支出 |
|
△ |
△ |
|
投資の売却及び償還による収入 |
|
|
|
|
持分法で会計処理される投資の取得による支出 |
|
△ |
△ |
|
事業の取得による支出 |
6 |
|
△ |
|
短期貸付金の純増減額(△は増加) |
|
△ |
|
|
長期貸付けによる支出 |
|
△ |
△ |
|
長期貸付金の回収による収入 |
|
|
|
|
その他 |
|
△ |
△ |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
|
△ |
△ |
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
注記 |
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
|
|
コマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少) |
36 |
|
|
|
短期借入金の純増減額(△は減少) |
36 |
|
△ |
|
長期借入れによる収入 |
36 |
|
|
|
長期借入金の返済による支出 |
36 |
△ |
△ |
|
リース負債の返済による支出 |
15,36 |
△ |
△ |
|
自己株式の取得による支出 |
|
△ |
△ |
|
配当金の支払額 |
23 |
△ |
△ |
|
非支配持分からの払込みによる収入 |
|
|
|
|
非支配持分への配当金の支払額 |
|
△ |
△ |
|
その他 |
|
|
|
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
|
△ |
△ |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
|
△ |
|
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
8 |
|
|
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
|
|
|
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
8 |
|
|
1.報告企業
株式会社INPEX(以下「当社」という。)は日本に所在する株式会社であります。当社の登記している本社及び主要な事業所の所在地は、当社ウェブサイト(https://www.inpex.com/)で開示しております。当社の連結財務諸表は2024年12月31日を連結会計年度末とし、当社及び子会社(以下「当社グループ」という。)並びに関連会社、共同支配事業及び共同支配企業に対する持分により構成されております。当社グループの主要な事業は、石油・天然ガス、その他の鉱物資源の調査、探鉱、開発、生産、販売及び同事業に付帯関連する事業、それらを行う企業に対する投融資であります。
2.作成の基礎
(1)IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。当社グループは、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定を適用しております。
本連結財務諸表は、2025年3月31日に代表取締役社長 上田隆之によって承認されております。
(2)機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を切り捨てて表示しております。
3.重要性のある会計方針
連結財務諸表の作成にあたって採用した重要性のある会計方針は以下のとおりであります。これらの方針は、特段の記載がない限り、表示しているすべての連結会計年度に継続して適用しております。
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社が支配しているすべての企業を指します。当社が、企業への関与による変動リターンにさらされている、又は変動リターンに対する権利を有している場合で、その企業に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合には、当社はその企業を支配しております。
子会社の会計方針が、当社グループが採用している会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を行っております。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
支配を喪失しない子会社に対する持分の変動は、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額を資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させております。
子会社の支配を喪失する場合、処分損益は受取対価の公正価値及び残存持分の公正価値の合計と子会社の資産(のれんを含む)、負債及び非支配持分の支配喪失時の帳簿価額との差額として算定し、純損益で認識しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して、重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配していない企業を指します。
関連会社に対する投資は持分法で会計処理を行い、取得時に取得原価で認識しております。その後、関連会社の純損益及びその他の包括利益に対する当社グループの持分を認識し、投資額を修正しております。
関連会社の会計方針が、当社グループが採用している会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を行っております。
③ 共同支配の取決め
共同支配の取決めとは、関連性のある活動にかかる意思決定について支配を共有している当事者の全会一致の合意を必要とする取決めを指します。共同支配の取決めは、共同支配を有する当事者の権利及び義務に基づいて、共同支配企業又は共同支配事業のいずれかに分類されます。
共同支配企業とは、共同支配を有する当事者が純資産に対する権利を有している場合の共同支配の取決めを指します。共同支配企業については、持分法により処理しております。共同支配企業の会計方針は、当社グループが採用している会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しております。
共同支配事業とは、共同支配の取決めのうち、共同支配を行う参加者が契約上の取決めに関連する資産に対する権利及び負債に係る義務を有するものを指します。共同支配事業に係る投資については、当該共同支配の資産、負債、収益及び費用のうち、当社グループの持分相当額のみを認識しております。重要な内部取引並びに債権債務は、持分比率に応じて相殺消去しております。
④ 企業結合及びのれん
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。
企業結合が生じた期の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の修正を行っております。
取得原価は、取得日の公正価値で測定された移転した対価及び被取得企業に対する非支配持分の金額の合計額として測定しております。
被取得企業に対する非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の公正価値に対する非支配持分割合相当額のいずれかにより測定しております。
当社グループが事業を取得する場合、取得日における契約条件、経済状況及び関連する諸条件に基づき、取得資産及び引受負債の分類及び指定を行っております。また、取得した識別可能資産及び引受負債は、原則として、取得日の公正価値で測定しております。
のれんは、移転した対価と非支配持分として認識された金額の総額が識別可能取得資産及び引受負債の純額を超過した額として測定しております。
のれんは、減損テスト実施のために、企業結合のシナジーからの便益を得ることが期待される個々の資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
当初認識後、企業結合で取得したのれんは償却せず、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で計上しております。また、減損テストについては、連結会計年度末又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、実施しております。
持分法で会計処理されている投資の帳簿価額に含まれる関連会社・共同支配企業に係るのれんは、当該投資とは区別せずに一体の資産として減損テストを行っております。当社グループは、関連会社・共同支配企業に対する投資が減損しているということを示す客観的な証拠があるか否かを評価しております。投資が減損していることを示す客観的証拠がある場合、投資の回収可能価額(使用価値と売却コスト控除後の公正価値のいずれか高い方)と帳簿価額を比較することにより、減損テストを行っております。過去の期間に認識された減損損失は、過去の減損損失計上後、投資の回収可能価額の決定に使用された見積りの変更があった場合にのみ、投資の回収可能価額がその後に増加した範囲で戻し入れております。
(2)外貨換算
① 外貨建取引の換算
機能通貨以外の通貨(外貨)での取引については、取引日の為替レートで機能通貨に換算しております。
外貨建貨幣性項目は、連結会計年度末の為替レートで機能通貨に再換算しております。外貨建非貨幣性項目は、取得原価で測定するものは取引日の為替レートで、公正価値で測定するものは当該公正価値の算定日の為替レートで機能通貨に換算しております。
換算又は決済により生じる為替換算差額は、純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定する金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体の換算
在外営業活動体の資産及び負債は、連結会計年度末の為替レートで日本円に換算しております。収益及び費用は連結会計年度中の為替レートが著しく変動していない限り、連結会計年度の平均為替レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。また、下記「(18)法人所得税」に記載のとおり、その他の包括利益で認識される項目に関する法人所得税費用は、その他の包括利益に認識しております。そのため、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額に関する法人所得税費用は、その他の包括利益として認識しております。
これらのその他の包括利益は、在外営業活動体の全部又は一部を処分した時点で純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益として認識した法人所得税費用のうち、IFRS移行日にゼロとみなすことを選択した在外営業活動体の換算差額に関する部分は、その他の包括利益として認識した後に、在外営業活動体の全部又は一部を処分した時点で利益剰余金に直接振り替えております。
なお、支配の喪失を伴わない子会社に対する持分の変動取引については、当該子会社の為替換算差額を親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分との間で、資本を通じて再配分しております。
(3)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(4)金融商品
① 金融資産(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融商品の契約の当事者となった取引日に金融資産を認識しております。
当初認識時において、すべての金融資産は公正価値で測定しておりますが、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類されない場合は、当該公正価値に金融資産の取得に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しております。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得に直接帰属する取引費用は、純損益に認識しております。
(ⅱ)分類
(a)負債性金融資産
償却原価で測定する金融資産
以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
以下の要件をともに満たす場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記のいずれにも分類されないものについて、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(b)資本性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当初認識時に、公正価値の変動をその他の包括利益を通じて認識すると指定したものについては、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(ⅲ)事後測定
(a)償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しております。
(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る公正価値の変動額は、減損損失の戻入益又は減損損失及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益は純損益に振り替えております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に係る公正価値の変動額は、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益は利益剰余金に直接振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については明らかに投資原価の一部回収である場合を除き純損益として認識しております。
(c)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(ⅳ)金融資産の減損
当社グループは、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産及び償却原価で測定する金融資産に係る予想信用損失に対して、貸倒引当金を認識しております。
当社グループは、連結会計年度末ごとに、当該資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定しております。一方で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。
ただし、営業債権に係る貸倒引当金については、上記に関わらず、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。なお、債務者の財務状況の著しい悪化、債務者による支払不履行又は延滞等の契約違反等、金融資産が信用減損している証拠がある場合、算定した貸倒引当金を控除後の償却原価に対して、実効金利法を適用しております。
予想信用損失は、次のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大な費用や労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額又は貸倒引当金を減額する場合における貸倒引当金の戻入額は、連結損益計算書上「金融費用」又は「金融収益」に含めて純損益で認識しております。
(ⅴ)認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は当社グループが金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合に金融資産の認識を中止しております。
② 金融負債(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融商品の契約の当事者となった取引日に金融負債を認識しております。
すべての金融負債は当初認識時に公正価値で測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、公正価値から直接帰属する取引費用を控除した額で測定しております。
(ⅱ)分類
償却原価で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債以外の金融負債については、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
(ⅲ)事後測定
償却原価で測定する金融負債は、実効金利法により測定しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、公正価値で測定し、その変動額を純損益として認識しております。
(ⅳ)認識の中止
金融負債は、契約上の義務が免責、取消又は失効した場合に認識を中止しております。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスク、金利リスク及び商品価格変動リスクをヘッジする目的で、為替予約、金利通貨スワップ、商品スワップ及び商品オプションを利用しております。また、下記「(15)引当金」及び注記「31.金融商品 (1)財務上のリスク管理 ③市場リスク (ⅱ)金利リスク」に記載のとおり、資産除去債務の変動によって生じる連結損益計算書への影響を低減する目的で、金利スワップ等のデリバティブ取引等を利用しております。
これらのデリバティブの当初認識はデリバティブ契約を締結した日の公正価値で行い、関連する取引費用は発生時に費用として認識しております。当初認識後の再測定も公正価値で行い、キャッシュ・フロー・ヘッジ(認識されている資産または負債、もしくは可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因し、かつ、純損益に影響する可能性があるキャッシュ・フローの変動のエクスポージャーに対するヘッジ)のヘッジ手段として指定する場合を除き、公正価値の変動額を純損益として認識しております。
ヘッジ会計を適用する取引については、以下のように分類し、会計処理を行っております。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正し、純損益として認識しております。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに純損益として認識しております。その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合に、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。
ヘッジ手段がヘッジ会計の要件を満たさない場合、失効、売却、終了又は行使された場合、又はヘッジ指定が取り消された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。
④ 金融商品の公正価値
公正価値で測定する金融商品は、様々な評価技法やインプットを使用して算定しております。公正価値の測定に用いた評価技法へのインプットの観察可能性に応じて算定した公正価値を以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法を用いて測定した公正価値
⑤ 金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金及びデリバティブ利益(その他の包括利益として認識されるヘッジ手段に係る利益を除く)等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。
金融費用は、支払利息及びデリバティブ損失(その他の包括利益として認識されるヘッジ手段に係る損失を除く)等から構成されております。
(5)棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で評価しております。取得原価は主として総平均法に基づいて算定され、購入原価、加工費及び現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでおります。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額であります。
(6)石油・ガス資産
① 探鉱・評価・開発費
当社グループは、石油及び天然ガスの探査及び評価に係る支出について、成功成果法(サクセスフル・エフォート・メソッド)を用いて会計処理しております。権益取得費、探査井及び評価井に直接関連するすべての支出は、石油・ガス資産(探鉱・評価資産)として認識し、その後ドライホールと判断された場合には探鉱費を計上し、商業採算性を確保する見込みが損なわれた場合には減損損失を計上しております。地質調査及び地球物理探査費用、並びに探査井及び評価井に関連しない支出等のその他の探鉱段階において発生する支出は、発生時に探鉱費に計上しております。
石油及び天然ガスの採掘の技術的可能性及び実行可能性が立証可能となった時点で、減損テストを実施した上で石油・ガス資産(探鉱・評価資産)から石油・ガス資産(開発・生産資産)へ振替えております。なお、採掘の技術的可能性及び実行可能性が立証可能となった時点は、最終投資意思決定がなされた時点か開発計画が産油国政府により承認された時点のいずれか遅い方としております。
開発井及び関連する生産設備に係る支出は石油・ガス資産(開発・生産資産)として認識し、生産開始後、確認埋蔵量及び推定埋蔵量の合計数量に基づいて、生産高比例法により減価償却しております。生産高比例法に用いる埋蔵量はPRMS(Petroleum Resource Management System)に基づいて算定し、生産高比例法の償却率の算定の際に対象となる石油・ガス資産の取得原価には確認未開発埋蔵量又は推定埋蔵量へアクセスするため予定されている資本的支出を含めております。なお、当該埋蔵量の算定に用いる将来の油価見通しについては、米国証券取引委員会規則S-X Rule 4-10(a)と同様の、期中の月初油価・ガス価平均価格を使用しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、撤去及び原状回復費用並びに長期プロジェクトのための借入コストで資産計上の要件を満たすものが含まれます。
大規模な保守や修繕に係る支出には、再取得資産や資産の一部の取替えに係る費用、調査費用及びオーバーホール(詳細検査)の費用が含まれます。大規模検査費用のうち、有形固定資産の認識基準が満たされるものについては資産計上され、次の調査までの期間にわたり減価償却されます。
② 販売用資産
石油・ガス資産(販売用資産)として認識されているのは、主に需要家へ天然ガスを供給するために使用されている国内パイプラインであり、見積耐用年数にわたり、定額法に基づいて減価償却しております。
定額法で減価償却する主な資産の耐用年数は以下のとおりであります。
・天然ガスパイプライン 30年
石油・ガス資産(販売用資産)の減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度の末日ごとに見直しを行っております。
(7)その他の有形固定資産
有形固定資産の認識後の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しております。
取得後に追加的に発生した支出については、その支出により将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、金額を信頼性をもって測定することができる場合にのみ、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識するかのいずれかにより会計処理しております。取得原価に算入しない追加的な支出は、発生時に純損益で認識しております。
土地以外の有形固定資産の減価償却は、取得原価から残存価額を控除した償却可能価額について、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、主として定額法に基づいて行っております。
主な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 2年~60年
・機械装置及び運搬具 2年~22年
有形固定資産の減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度の末日ごとに見直しを行っております。
(8)のれん及び無形資産
① のれん
当初認識時におけるのれんの測定は、「(1)連結の基礎 ④ 企業結合及びのれん」に記載しております。のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した額で計上しております。
② 無形資産
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しております。
耐用年数を確定できる無形資産は、主としてそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。
主な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウェア 5年
見積耐用年数及び償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行っております。
(9)リース
当社グループは、主として石油・ガスの開発・生産及び販売を行うための掘削リグ、鉱場・事業所用の定期借地、国内幹線パイプライン用の土地賃借、原材料や商品の運搬のための定期傭船、オフィス等をリースしております。
リース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っております。変動リース料のうち、指数又はレートに応じて決定される金額以外はリース負債の測定に含められるリース料を構成していませんが、実質的に固定リース料と判断されるリース料についてはリース負債の測定に含めております。
使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等の費用を加えた額で当初の測定を行っております。使用権資産は、リース期間にわたって定額法で減価償却しております。リース期間は、リースの解約不能期間にリースを延長するオプションを行使すること又はリースを解約するオプションを行使しないことが合理的に確実な期間を加味したものとして決定しております。
支払リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分に配分しております。金融費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態をとらないものであっても、リース開始日における契約の実質、すなわち契約の履行が特定資産又は資産グループの使用に依存しているかどうか、及び契約により当該資産の使用権が移転するかどうかの判断に基づき決定しております。
当社グループがオペレーターかつ原資産の使用方法及び使用目的を指図する権利を単独で有していると判断される場合には、使用権資産とリース負債を100%認識しております。当社グループがオペレーターかつ共同事業(その契約のすべての当事者を含む)に特定の資産の使用を管理する権利があり、すべての当事者が第三者供給業者に支払いをする法的義務を負っていると判断される場合には、持分比率に応じた使用権資産とリース負債を認識しております。当社グループがオペレーターではない場合は、共同操業協定における主たる債務者としての責任関係を踏まえ個々の状況に応じて使用権資産とリース負債を認識しております。
なお、リース期間が12ヶ月以内に終了するリースについて、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。また、契約の構成部分に関して、一部のリースについては、非リース構成部分をリース構成部分と区別せずに、各リース構成部分及び関連する非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理する実務上の便法を適用しております。対象としては、建物、船舶(輸送目的)、施設(FPSO(※1)及びFSO(※2))、並びに掘削リグを原資産としないリースになります。
(※1)沖合生産・貯油出荷施設。洋上で原油・天然ガスを生産し、生産した原油をFPSO内のタンクに貯蔵して、原油タンカーに直接原油の積み出しを行う船型の施設のこと。
(※2)沖合貯油出荷施設。石油・天然ガスの生産設備を持たず、貯蔵・積出のみを洋上で行う施設のこと。
(10)非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産について、連結会計年度末ごとに各資産又は資産が属する資金生成単位(又はそのグループ)の減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、減損テストを実施しております。のれんの減損テストについては、連結会計年度末又は減損の兆候が存在する場合はその都度、実施しております。
回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いております。個々の資産について回収可能価額の見積りが不可能な場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を算定しております。
のれん以外の資産の資金生成単位については、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。のれんの資金生成単位又は資金生成単位グループは、のれんが内部報告目的で管理される単位に基づき決定しております。
資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、純損益として減損損失を認識しております。
過去に認識したのれん以外の資産の減損損失は、連結会計年度末ごとに、損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化し、回収可能価額が帳簿価額を超える場合には、減損損失を戻し入れております。減損損失の戻入れは、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を上限として行っております。のれんに関連する減損損失は戻し入れておりません。
(11)石油・天然ガス埋蔵量の見積りの決定
減価償却、減損の検討、閉鎖・原状回復コストや浄化コストの支払時期の予測のために使用する石油・天然ガス埋蔵量は、適格な専門家によって作成された情報に基づき見積りを行っております。当該見積りの詳細は、注記「4.重要な会計上の見積り及び判断 (埋蔵量)」に記載しております。
(12)売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ及び非継続事業
非流動資産又は処分グループについては、継続的な使用ではなく、主として売却取引により回収が見込まれるものであり、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ、現在の状態で即時に売却可能で、経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産又は処分グループとして分類しております。
売却目的で保有する非流動資産又は処分グループは、減価償却又は償却は行わず、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。
既に処分された又は売却目的で保有する非流動資産又は処分グループが、独立の主要な事業分野又は営業地域を示す場合、独立の主要な事業分野又は営業地域を処分する統一された計画の一部である場合、転売のみを目的に取得した子会社である場合のいずれかに該当した場合、非継続事業として認識しております。
(13)従業員給付
① 退職後給付
(ⅰ)確定給付型制度
確定給付型制度は、確定拠出型制度以外の退職後給付制度であります。確定給付型制度に関連する当社グループの純債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引くことによって算定しております。制度資産の公正価値は当該算定結果から控除しております。
確定給付負債(資産)の純額に係る純利息費用は、確定給付負債(資産)の純額に割引率を乗じて算定し、従業員給付費用として計上しております。割引率は、当社グループの債務と概ね同じ満期日を有する優良社債の連結会計年度末時点の市場利回りを参照しております。
制度が改訂又は縮小された場合、従業員による過去の勤務に関連する給付の増減による確定給付債務の現在価値の変動は、即時に純損益として認識しております。
当社グループは、確定給付型制度から生じるすべての再測定による調整額を即時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振替えております。
(ⅱ)確定拠出型制度
確定拠出型制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払いについて当社グループが法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出型制度の拠出は、従業員がサービスを提供した期間に純損益として認識しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で純損益として認識しております。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
(14)株式報酬
当社は、当社取締役及び執行役員(社外取締役及び国内非居住者を除く。以下「取締役等」と言う。)を対象とする株式報酬制度として、持分決済型の役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託を採用しております。受領したサービスの対価は付与日における当社株式の公正価値で測定しており、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
(15)引当金
引当金は、過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。
引当金は、債務の決済に必要とされると見込まれる支出に、貨幣の時間価値の現在の市場評価と当該債務に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値で測定しております。時間の経過による引当金の増加は利息費用として認識しております。
割引率の変更等に起因して連結会計年度末に発生した資産除去債務の増減額のうち対応する資産の帳簿価額がゼロの場合には、増減額を即時に純損益に認識し、連結損益計算書において売上原価として表示しております。なお、上記「(4)金融商品 ③デリバティブ及びヘッジ会計」及び注記「31.金融商品 (1)財務上のリスク管理 ③市場リスク (ⅱ)金利リスク」に記載のとおり、当社グループは、資産除去債務の変動によって生じる連結損益計算書への影響を低減する目的で、金利スワップ等のデリバティブ取引等を行っております。
また、当社グループが引当金を決済するために必要な支出の一部又は全部の補填を期待できる時には、補填の受取りがほぼ確実な場合に限り、補填は別個の資産として認識しております。
なお、引当金の繰入と外部からの補填を同一の連結会計年度において認識した場合には、連結損益計算書においては、両者を純額で表示しております。
国内石油天然ガス生産施設等に関する資産除去債務の場合は、鉱山保安法が規定する採掘終了後の坑井掘採跡の鉱害防止等の義務を有し、かつ操業終了後に負担する費用を合理的に見積ることができる場合に認識しております。また、海外石油天然ガス生産施設等の場合は、産油国政府との石油契約や現地法令等に基づく当該生産設備等の撤去等の廃鉱義務を有し、かつ操業終了後に負担する費用を合理的に見積ることができる場合に資産除去債務を認識しております。
連結会計年度末現在において発生可能性のある債務を有しているが、それが連結会計年度末現在の債務であるか否か確認ができないもの、又は引当金の認識基準を満たさないものについては、偶発債務として、注記「21.資産除去債務」及び注記「38.偶発債務」に記載しております。
(16)資本
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しております。
自己株式を取得した場合は、直接取引費用を含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合は、帳簿価額と受取対価の差額を資本剰余金として認識しております。
(17)収益認識
当社グループは、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除き、顧客との契約について次の5つのステップを適用することにより収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務が充足されたときに(又は充足するにつれて)収益を認識する
当社グループでは、原油・天然ガス(LPG含む。以下同じ)の探鉱、開発、生産及び販売を行っております。
これらの販売は、主として製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち原油・天然ガスについては顧客に製品を引き渡した時点又はインコタームズ等で定められた貿易条件を参考として支配が顧客に移転した時点で、製品の法的所有権、物的占有権又は製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得ると判断しているため、その時点で収益を認識しております。また、収益は顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでおりません。
当社グループが他社と権益を共有している原油・天然ガスの生産による収益において、配船等の都合上、実際に引き渡された数量と当社グループの権益持分に相当する数量が一致しないことがあります。この場合、当社グループは実際に引き渡された数量に基づいて収益を認識し、実際に引き渡された数量と当社グループの権益持分に相当する数量の差は、権益を共有する他社との間で、翌期以降に引き渡される原油・天然ガスの現物によって精算されます。当社グループの権益持分を超える引き渡しを受けた場合、権益相当を超過する数量に対応する売上原価も収益を認識した連結会計年度に繰り入れられ、同時に権益を共有する他社に対する負債を計上しております。当社グループの権益持分を下回る引き渡しを受けた場合、権益相当を下回る数量に対応する売上原価は、実際に引き渡しが行われる連結会計年度まで繰延べられ、同時に権益を共有する他社に対する資産を計上しております。
(18)法人所得税
当社グループの法人所得税費用には、法人税の他に石油資源税等の課税当局の定めたルールにより算出した当期の利益に対して課される税金が含まれております。生産量をベースとしたロイヤリティの支払いは法人所得税費用に含めておりません。
法人所得税費用は、当期法人所得税費用と繰延法人所得税費用から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
当期法人所得税費用は、連結会計年度末時点において制定又は実質的に制定されている税率を使用して、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付がされる金額で算定しております。
繰延法人所得税費用は、連結会計年度末における会計上の資産及び負債の帳簿価額と、関連する税務基準額との差額により生じる一時差異に基づいて算定しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを回収できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識しております。
子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る将来減算一時差異については、当該一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得が稼得される可能性が高く、かつ予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高い場合のみ、繰延税金資産を認識しております。
なお、繰延税金資産は毎期見直され、税務便益の実現が見込めないと判断される部分については減額しております。
繰延税金負債は、以下の例外の場合を除いて、すべての将来加算一時差異について認識しております。
・のれんの当初認識により生じる将来加算一時差異
・企業結合取引を除く会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えず、かつ取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末において制定、又は実質的に制定されている税率に基づいて、資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率によって測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は別々の納税主体であるものの当期税金負債と当期税金資産とを純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しております。また、単一の取引から資産と負債の両方を同額で認識する特定の取引については、認識される資産に係る将来加算一時差異に対し繰延税金負債を、認識される負債に関する将来減算一時差異に対し繰延税金資産を、それぞれ認識しております。
当社及び一部の子会社は、グループ通算制度を適用しております。
(19)借入コスト
意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とする資産、つまり適格資産の取得、建設又は生産に直接帰属する借入コストは、その資産が実質的に意図した使用又は販売を可能にする時まで、それらの資産の取得原価に加算しております。
上記以外のすべての借入コストは、それが発生した期間に純損益として認識しております。
(20)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する潜在株式の影響を調整して計算しております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。翌連結会計年度において資産や負債の帳簿価額に重要な修正を加えることにつながる重要なリスクを伴う見積り及びその基礎となる仮定は以下のとおりであります。
(気候変動による影響)
当社グループでは、連結財務諸表の作成において気候変動及びネットゼロへの移行による影響を考慮しております。当社グループは、パリ協定目標に則した低炭素社会の実現に貢献すべく、2050年までに排出量ネットゼロとする目標を設定しております。一方で、石油・天然ガスは経済社会活動に引き続き不可欠なエネルギー源として、その安定供給を図ることを使命としており、特にアジアを中心に今後も堅調な需要が想定される天然ガスは、引き続き収益基盤であり続けるものと認識し、石油・天然ガス事業、低炭素化ソリューション事業、電力事業及びその周辺分野を主要な事業領域として推進しております。
気候変動及びネットゼロへの移行による影響は、石油・天然ガス事業、低炭素化ソリューション事業、電力事業及びその周辺分野のいずれにおいても重要であり、これらの影響に関して、当社グループでは、国際エネルギー機関(IEA)のWorld Energy Outlook(WEO)の公表政策シナリオ(IEA-STEPS)等の複数のシナリオを参照し、長期的な将来のエネルギー需要や顧客動向等の事業環境分析を行い、経営戦略の策定や経営判断に利用しております。
シナリオ分析は、それらシナリオが実現すると仮定した上で、将来的な政策動向や事業環境の変化の可能性をいち早く把握し、経営戦略・経営計画へ反映することを目的としたものであり、会計上の見積りに反映される最新の入手可能な信頼のおける情報に基づく判断や仮定とは異なります。そのため、シナリオ分析において、当社グループの各プロジェクト資産の減損や引当金の増加等の兆候が示された場合でも、それらを即時に連結財務諸表に反映すべきとは限らないと考えております。また、会計上の見積りにおいては、当該シナリオ分析結果に加え、当社グループの戦略、各国の政策、外部機関の分析結果、及び各プロジェクトにおける固有の状況等を総合的に勘案し、合理的な見積りを行っております。ただし、将来における気候変動リスクに対する当社グループの戦略の変更や世界的な脱炭素化の潮流の変化は、これらに重大な影響をもたらす可能性があります。
(将来の油価見通し及びインターナルカーボンプライス)
将来の原油・天然ガス価格は主に国際市況により決定され、国際的・地域的な需給、世界経済等の多様な要素の影響を受け著しく変動します。会計上の見積りで利用する油価については、複数の外部機関が公表するレポートに基づき、経営者の最善の見積りと判断により決定しております。超長期的な油価の見通しに当たっては、IEA等が公表するシナリオを考慮する一方、中長期の時間軸ではロシア・ウクライナ情勢等による価格高騰や足元で堅調なエネルギー需要等のアップサイド要因を考慮し、当連結会計年度末において、中長期油価見通しは2028年度以降70米ドル/バレル(ブレント油価、インフレの影響は除く)と見積っており、また、当社グループの取り扱う天然ガスの販売価格も大部分が原油価格にリンクしているため、当社グループの非金融資産の減損の兆候判定及び減損テストにおいては当該油価見通しを重視しております。また、各プロジェクトの非金融資産の使用価値算定に用いる見積将来キャッシュ・フローには、インターナルカーボンプライス(以降ICP)を織り込んでおり、カーボンプライス制度が存在する豪州のプロジェクトでは、複数の外部専門家の価格予想等を参照し、2030年81豪ドル/tCO2e、2040年93豪ドル/tCO2e、2050年116豪ドル/tCO2e(インフレの影響は除く)を用いております。その他の国や地域では、カーボンプライス制度が存在する場合は、外部専門家の価格予想等を用いた当社グループの見積価格を参照し、カーボンプライス制度が存在しない場合は、IEA-STEPSの韓国価格に連動した変動価格を参照しております。なお、前連結会計年度においては、カーボンプライス制度が存在しない場合、IEA-STEPSのEU価格に連動した変動価格を参照しておりましたが、現在議論されている本邦のGX-ETS制度設計概要を踏まえると現行の韓国ETS制度に近いコンセプトとなっていること等を考慮し、参照先をIEA-STEPSの韓国価格に連動した変動価格に変更しております。ネットゼロへの移行に伴い、低炭素エネルギー選好が高まることで、原油・天然ガス価格の下落といった主要な仮定の見直しやICPの引上げが必要となる場合には、石油・ガス資産、のれん及び持分法で会計処理されている投資につき減損損失を計上する可能性があります。
(埋蔵量)
当社グループの石油・ガス資産(開発・生産資産)は、確認埋蔵量及び推定埋蔵量の合計数量に基づいて、生産高比例法により減価償却しており、生産高比例法に用いる埋蔵量はPRMS(Petroleum Resource Management System)に基づいて算定しております。なお、当該埋蔵量の算定に用いる将来の油価見通しについては、米国証券取引委員会規則S-X Rule 4-10(a)と同様の、期中の月初油価・ガス価平均価格を使用しております。当該埋蔵量の見積りは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク Ⅰ.事業等の主要なリスク 1 石油・天然ガス開発事業の特徴及びリスクについて (5)原油、コンデンセート、LPG及び天然ガスの埋蔵量」に記載のとおり、将来の油価見通しのほか多くの前提、要素及び変数の仮定に基づいて評価され、これらの仮定は経営者の最善の見積りと判断により決定しております。
この埋蔵量の見積りは、当連結会計年度末に計上した石油・ガス資産(開発・生産資産)3,494,902百万円及び(1)「非金融資産の減損」における減損テストにも影響します。埋蔵量の見積りに使用する仮定は、ネットゼロへの移行等の経済状況の影響を受け、油価の下落やICPの上昇といった埋蔵量の下方修正につながるリスクが顕在化した場合には、減価償却の加速や減損損失が発生する可能性があります。
以上の分析に基づき経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りは以下のとおりであります。
(1)非金融資産の減損
当社グループでは、非金融資産の減損の兆候判定及び減損テストにあたり、将来の原油価格、埋蔵量、操業費、開発費、ICP及び割引率を主要な仮定としております。
当連結会計年度において、主に短期の原油価格及び生産量の見通しの下落に伴いプレリュードFLNGプロジェクトで14,713百万円の減損損失を計上しております。また、連結財政状態計算書に計上されている重要な非金融資産としてイクシスLNGプロジェクトに関するものがあり、当連結会計年度末においては石油・ガス資産(開発・生産資産)1,846,315百万円、持分法で会計処理されている投資708,238百万円となっております。持分法で会計処理されている投資は、当社グループが67.82%の持分を保有するIchthys LNG Pty Ltdに対する投資残高となっております。Ichthys LNG Pty Ltdが保有する主な資産はイクシスLNGプロジェクト下流事業に係る石油・ガス資産であり、同社における当連結会計年度末時点の石油・ガス資産の残高(当社グループの持分割合を乗じた金額)は3,160,960百万円であります。
当連結会計年度において、主要な仮定及びプロジェクトの操業状況等を考慮して減損の兆候判定を行った結果、イクシスLNGプロジェクトに関する非金融資産についてもインフレ等によるコストの増加に伴う減損の兆候は認められたものの、使用価値が帳簿価額を上回ったため減損損失を認識しておりません。
当項目は、注記「12.石油・ガス資産」、注記「16.非金融資産の減損」及び注記「34.持分法で会計処理されている投資」に関連します。
(2)資産除去債務
将来発生する国内外の石油天然ガス生産設備等の撤去及び廃鉱に係る資産除去債務は、生産可能年数又は契約期間満了までの年数及び操業終了時の撤去・廃鉱コストの合理的な見積りに基づき、当連結会計年度末において396,937百万円を計上しております。当連結会計年度末時点では、気候変動に関する各国の規制強化等による生産可能年数の短縮は認識しておりませんが、気候変動に関する各国政府の今後の政策・法規制によっては、将来、当社グループの石油・ガス資産の生産停止時期の前倒し、撤去対象資産の増加、廃鉱の作業方法の変更及び割引率の見直し等により資産除去債務が増加する可能性があります。また、国内天然ガス供給販売施設である天然ガスパイプラインについては、当連結会計年度末時点において信頼性のある見積りができないため資産除去債務を計上しておりませんが(注記「21.資産除去債務」参照)、事業終了時期を決定できるような事業環境等の変化を特定した場合には資産除去債務を計上する可能性があります。
当項目は、注記「21.資産除去債務」に関連します。
5.未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が公表された基準書及び解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。
この基準書の適用による連結財務諸表への影響は検討中であります。
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基準書・解釈指針 |
強制適用時期 (以降開始年度) |
当社グループの 適用予定時期 |
新設・改訂の概要 |
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IFRS第18号 財務諸表における表示及び開示 |
2027年1月1日 |
2027年度 |
財務諸表における表示及び開示に関する現行の会計基準であるIAS第1号を置き換える新基準 |
6.企業結合
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当社グループは、100%出資子会社のINPEX Ichthys Pty LtdにおいてイクシスLNGプロジェクトに取り組んでおり、同社を通じ、オーストラリア連邦西オーストラリア州において、イクシスガス・コンデンセート田(WA-50-L/WA-51-L鉱区)の66.245%の上流事業の権益をオペレーターとして保有する共同支配事業を運営しております。また、共同支配企業のIchthys LNG Pty Ltdにおいて同プロジェクトの下流事業に取り組んでおり、同社を通じ、ガスパイプライン及び下流液化施設等を保有し、液化・販売等の事業を運営しております。
今般、当社グループは、東京ガス株式会社が豪州プロジェクト子会社を通じて保有するイクシスLNGプロジェクトの参加権益等(1.575%)を2024年3月28日に取得しました。支払対価のうち、企業結合に該当する上流事業の権益に係る金額は40,907百万円であります。また、下流事業に関してはIchthys LNG Pty Ltdの株式の取得及び同社に対する貸付金の引受を実施しております。同社に対する貸付金については注記「31.金融商品」に記載しております。
東京ガス株式会社は、2022年10月に、イクシスLNGプロジェクトの参加権益等を保有する豪州プロジェクト子会社をMidOcean Energy Holdings Pty Ltdへ譲渡することを決定いたしました。同月、東京ガス株式会社が、イクシスLNGプロジェクトの共同操業契約(Joint Operating Agreement)および株主間協定(Shareholders Agreement)の規定に従い、すべての参加権益等保有者に対し当該譲渡を通知したことを受け、当社グループが同契約及び協定上の先買権を行使したことにより、当該権益等を追加で取得することとなりました。
イクシスLNGプロジェクトは長期に安定した収益を確保できる優良プロジェクトであり、今般の取得は2022年2月に公表した「長期戦略と中期経営計画(INPEX Vision @2022)」における目標・道筋に合致するとともに、日本及びアジアのエネルギー安全供給に資するものとなります。
取得日時点の支払対価及び主な取得資産の公正価値は以下のとおりであります。なお、のれん及び負ののれんは発生しておりません。
当社グループは、当中間連結会計期間末において支払対価の調整及び配分が完了していないため暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度末において確定しております。当初の暫定的な金額からの変動はありません。
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(単位:百万円) |
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支払対価の公正価値(現金及び現金同等物) |
40,907 |
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合計 |
40,907 |
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取得資産 |
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石油・ガス資産 |
40,907 |
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取得資産合計 |
40,907 |
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取得純資産 |
40,907 |
7.事業セグメント
(1)報告セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために定期的に検討を行う対象となっているものであります。なお、報告セグメントの決定にあたっては事業セグメントの集約を行っておりません。
当社グループはグローバルに石油・天然ガスの探鉱、開発、生産、販売及びそれらを行う企業に対する投融資、すなわち「石油・天然ガス事業(以下「O&G」という。)」を主たる事業としており、報告セグメントを「国内O&G」及び「海外O&G」に区分し、「海外O&G」については、当社グループの主要オペレーター・プロジェクトである「イクシスプロジェクト」とそれ以外の海外プロジェクトから構成される「その他のプロジェクト」に区分しております。また、ネットゼロ5分野等、報告セグメントに含まれない事業については「その他」の区分としております。
報告セグメント及びその他の内容は以下のとおりであります。
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報告セグメント等 |
主な事業及びプロジェクト名 |
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国内O&G |
南長岡ガス田、直江津LNG基地等 |
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海外O&G |
イクシスプロジェクト |
豪州イクシス及び周辺探鉱 |
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その他のプロジェクト |
豪州(イクシス除く)・東南アジア・欧州・アブダビ等におけるプロジェクト |
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その他 |
ネットゼロ5分野、原油販売代理仲介事業等 |
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(2)セグメント収益及び業績
報告セグメントの会計処理の方法は、注記「3.重要性のある会計方針」における記載と概ね同一であります。なお、当社グループの為替差損益については当社グループ全体で管理しているため、一部を除き報告セグメントに配分しておりません。
報告セグメントの利益は連結損益計算書の親会社の所有者に帰属する当期利益で表示しております。セグメント間の取引は独立企業間価格で行っております。
当社グループの報告セグメントによる売上収益、利益及びその他の項目は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
その他 (注)1 |
計 |
調整額 (注)2 |
連結 |
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国内O&G |
海外O&G |
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イクシス プロジェクト |
その他の プロジェクト |
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売上収益 |
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外部収益 |
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セグメント間収益 |
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△ |
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合計 |
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△ |
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探鉱費 |
△ |
△ |
△ |
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△ |
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△ |
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持分法による投資損益(注)3 |
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△ |
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金融収益 |
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金融費用 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
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法人所得税費用 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
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セグメント利益又は損失(△) |
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△ |
|
△ |
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(その他の項目) |
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減価償却費及び償却費 |
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減損損失(注)3 |
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探鉱・開発投資等(注)4 |
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(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ネットゼロ5分野等を含んでおります。
2 調整額は以下のとおりであります。
(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額には、報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社損益△14,949百万円及びセグメント間消去取引303百万円が含まれております。全社損益は、主に当社グループ全体で管理している為替差損益△2,738百万円、親会社及び金融子会社の法人所得税費用のうち全社に帰属する金額△17,504百万円等であります。
(2)減価償却費及び償却費の調整額は、報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない減価償却費及び償却費であります。
3 減損損失は石油・ガス資産の減損損失であり、持分法で会計処理されている投資の減損損失は持分法による投資損益に含めております。詳細は注記「16.非金融資産の減損」に記載しております。
4 探鉱・開発投資等は、主に石油・ガス資産のうち探鉱・評価資産及び開発・生産資産の取得による支出や石油・天然ガス・再生可能エネルギー等のプロジェクトへの参画及び追加投資に伴う株式取得支出に係る期中発生分の合計であり、当該金額には共同支配企業であるイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)における投資のうち当社グループの持分相当額を含めております。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
その他 (注)1 |
計 |
調整額 (注)2 |
連結 |
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|
国内O&G |
海外O&G |
|||||
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|
イクシス プロジェクト |
その他の プロジェクト |
|||||
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売上収益 |
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外部収益 |
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セグメント間収益 |
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△ |
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合計 |
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△ |
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探鉱費 |
△ |
△ |
△ |
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△ |
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△ |
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持分法による投資損益 |
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|
△ |
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金融収益 |
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金融費用 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
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法人所得税費用 |
△ |
△ |
△ |
|
△ |
△ |
△ |
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セグメント利益又は損失(△) |
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|
△ |
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(その他の項目) |
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減価償却費及び償却費 |
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減損損失(注)3 |
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探鉱・開発投資等(注)4 |
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(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ネットゼロ5分野等を含んでおります。
2 調整額は以下のとおりであります。
(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額には、報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社損益14,311百万円及びセグメント間消去取引△36百万円が含まれております。全社損益は、主に当社グループ全体で管理している為替差損益13,968百万円、親会社及び金融子会社の法人所得税費用のうち全社に帰属する金額△4,063百万円等であります。
(2)減価償却費及び償却費の調整額は、報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない減価償却費及び償却費であります。
3 減損損失は石油・ガス資産の減損損失であります。詳細は注記「16.非金融資産の減損」に記載しております。
4 探鉱・開発投資等は、主に石油・ガス資産のうち探鉱・評価資産及び開発・生産資産の取得による支出や石油・天然ガス・再生可能エネルギー等のプロジェクトへの参画及び追加投資に伴う株式取得支出に係る期中発生分の合計であり、当該金額には共同支配企業であるイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)における投資のうち当社グループの持分相当額を含めております。
(3)製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスごとの外部顧客に対する売上収益は、注記「25.売上収益」に記載しております。
(4)地域別に関する情報
外部顧客への売上収益の地域別内訳は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
日本 |
779,292 |
722,010 |
|
中国 |
341,128 |
452,507 |
|
タイ |
225,288 |
207,252 |
|
アジア |
406,359 |
478,166 |
|
欧州 |
290,688 |
274,691 |
|
その他 |
121,758 |
131,210 |
|
合計 |
2,164,516 |
2,265,837 |
(注)1 売上収益は最終仕向地及び販売先を基準とし、国又は地域に分類しております。
2 日本、中国及びタイ以外の区分に属する主な国又は地域は以下のとおりであります。
(1)アジア……シンガポール等
(2)欧州……イタリア等
(3)その他……オーストラリア等
非流動資産の地域別内訳は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
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日本 |
294,472 |
296,188 |
|
オーストラリア |
1,942,500 |
2,088,258 |
|
欧州・NIS諸国 |
674,439 |
700,598 |
|
アラブ首長国連邦 |
586,359 |
660,697 |
|
その他 |
175,088 |
194,521 |
|
合計 |
3,672,860 |
3,940,265 |
(注)1 非流動資産は、資産の所在地によっており、石油・ガス資産、その他の有形固定資産、のれん、無形資産及びその他の非流動資産から構成されております。
2 日本、オーストラリア及びアラブ首長国連邦以外の区分に属する主な国又は地域は以下のとおりであります。
(1)欧州・NIS諸国……カザフスタン、アゼルバイジャン、ノルウェー等
(2)その他……ベトナム、インドネシア等
3 欧州・NIS諸国のうち、カザフスタンにおける前連結会計年度末及び当連結会計年度末の非流動資産は、それぞれ、453,121百万円及び475,712百万円です。
(5)主要な顧客に関する情報
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
顧客の名称又は氏名 |
関連するセグメント名称 |
売上収益 |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
||
|
Ichthys LNG Pty Ltd |
海外O&G-イクシスプロジェクト |
228,313 |
222,523 |
(注) イクシス上流事業子会社(INPEX Ichthys Pty Ltd)から共同支配企業であるイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)に対する原材料ガスの販売収益であります。
8.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
現金及び要求払預金 |
95,088 |
139,754 |
|
短期投資 |
71,619 |
78,195 |
|
預入期間が3か月以内の定期預金 |
34,442 |
23,725 |
|
連結財政状態計算書における現金及び現金同等物 |
201,149 |
241,675 |
当社グループが保有する短期投資は、主にマネー・マーケット・ファンドであります。マネー・マーケット・ファンドは、短期の流動性が高い投資であり、価値変動リスクが僅少なものであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の連結財政状態計算書における「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書における「現金及び現金同等物」の残高は一致しております。
9.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
受取手形及び売掛金 |
195,577 |
244,755 |
|
未収入金 |
50,355 |
38,240 |
|
貸倒引当金 |
△13,915 |
△15,519 |
|
合計 |
232,017 |
267,476 |
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
10.棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
商品及び製品 |
|
|
|
仕掛品 |
|
|
|
原材料及び貯蔵品 |
|
|
|
合計 |
|
|
期中に費用に認識した棚卸資産の金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ837,849百万円、917,051百万円であります。
11.売却目的で保有する処分グループ
売却目的で保有する処分グループに分類した資産の内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
持分法で会計処理されている投資 |
17,341 |
17,341 |
|
資産合計 |
17,341 |
17,341 |
前連結会計年度(2023年12月31日)
「海外O&G-その他のプロジェクト」セグメントの関連会社である日本南サハ石油株式会社に対する持分法で会計処理されている投資につき、同社株式を売却する意思決定を行い、売却を行う可能性が非常に高いと判断したため、売却目的で保有する処分グループとして分類しております。
当該処分グループについては、売却コスト控除後の公正価値が帳簿価額を上回っているため帳簿価額により測定しております。
当連結会計年度(2024年12月31日)
前連結会計年度末において売却目的で保有する処分グループとして分類した日本南サハ石油株式会社に対する持分法で会計処理されている投資につき、株式譲渡契約に基づき当連結会計年度末において保有する同社に対する持分の一部は連結財務諸表の承認日までに売却が完了しております。残りの持分についても今後売却予定であります。
12.石油・ガス資産
石油・ガス資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は以下のとおりであります。
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
取得原価 |
探鉱・評価 資産 |
開発・生産 資産 |
販売用資産 |
合計 |
|
2023年1月1日残高 |
182,565 |
4,861,208 |
345,297 |
5,389,071 |
|
取得 |
48,012 |
201,884 |
1,338 |
251,236 |
|
処分 |
- |
△4,537 |
△1,288 |
△5,826 |
|
探鉱費として費用処理 |
△14,805 |
- |
- |
△14,805 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
11,803 |
319,427 |
499 |
331,730 |
|
その他(注) |
- |
8,205 |
2 |
8,207 |
|
2023年12月31日残高 |
227,575 |
5,386,188 |
345,849 |
5,959,614 |
|
取得 |
47,649 |
237,799 |
7,842 |
293,292 |
|
企業結合による取得 |
- |
40,907 |
- |
40,907 |
|
処分 |
△4,522 |
△14,589 |
△54 |
△19,166 |
|
探鉱費として費用処理 |
△38,233 |
- |
- |
△38,233 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
22,862 |
573,624 |
895 |
597,382 |
|
その他(注) |
△717 |
△40,396 |
7,847 |
△33,266 |
|
2024年12月31日残高 |
254,614 |
6,183,533 |
362,380 |
6,800,528 |
(注) その他の増減には、資産除去債務及びリース負債の見積りの変更に伴う影響等が含まれております。
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
減価償却累計額及び減損損失累計額 |
探鉱・評価 資産 |
開発・生産 資産 |
販売用資産 |
合計 |
|
2023年1月1日残高 |
△29,167 |
△1,615,738 |
△203,656 |
△1,848,563 |
|
減価償却費(注)1 |
- |
△303,670 |
△7,446 |
△311,117 |
|
減損損失(注)2 |
△106 |
△100,783 |
- |
△100,890 |
|
処分 |
- |
2,992 |
1,274 |
4,266 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
△1,413 |
△101,992 |
- |
△103,406 |
|
その他 |
- |
1,738 |
△83 |
1,655 |
|
2023年12月31日残高 |
△30,688 |
△2,117,455 |
△209,911 |
△2,358,055 |
|
減価償却費(注)1 |
- |
△346,782 |
△7,854 |
△354,636 |
|
減損損失(注)2 |
△5,707 |
△15,996 |
- |
△21,704 |
|
処分 |
- |
10,632 |
47 |
10,680 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
△2,341 |
△220,836 |
△310 |
△223,488 |
|
その他 |
- |
1,807 |
94 |
1,902 |
|
2024年12月31日残高 |
△38,736 |
△2,688,631 |
△217,934 |
△2,945,302 |
(注)1 減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」に含まれております。
2 減損損失の詳細は、注記「16.非金融資産の減損」に記載しております。
石油・ガス資産の帳簿価額は以下のとおりであります。
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
帳簿価額 |
探鉱・評価 資産 |
開発・生産 資産 |
販売用資産 |
合計 |
|
2023年1月1日残高 |
153,397 |
3,245,469 |
141,640 |
3,540,507 |
|
2023年12月31日残高 |
196,887 |
3,268,733 |
135,937 |
3,601,558 |
|
2024年12月31日残高 |
215,877 |
3,494,902 |
144,446 |
3,855,226 |
上記の帳簿価額に含めて認識した建設中の石油・ガス資産の金額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ521,135百万円及び445,854百万円であります。
石油・ガス資産の取得に関するコミットメントについては、注記「37.コミットメント」に記載しております。
13.その他の有形固定資産
その他の有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は以下のとおりであります。
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
取得原価 |
建物及び 構築物 |
機械装置 及び運搬具 |
土地 |
建設仮勘定 |
その他 |
合計 |
|
2023年1月1日残高 |
26,272 |
12,834 |
5,715 |
2,476 |
5,925 |
53,224 |
|
取得 |
789 |
390 |
- |
733 |
302 |
2,215 |
|
処分 |
△410 |
△225 |
△39 |
- |
△157 |
△832 |
|
建設仮勘定からの振替 |
- |
41 |
221 |
△262 |
- |
- |
|
在外営業活動体の換算差額 |
344 |
- |
- |
40 |
78 |
464 |
|
その他 |
604 |
- |
- |
△869 |
4 |
△260 |
|
2023年12月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
|
取得 |
233 |
848 |
- |
6,182 |
283 |
7,549 |
|
処分 |
△564 |
△113 |
△261 |
- |
△208 |
△1,147 |
|
建設仮勘定からの振替 |
7,428 |
125 |
- |
△8,045 |
491 |
- |
|
在外営業活動体の換算差額 |
677 |
1 |
- |
9 |
146 |
835 |
|
その他 |
487 |
- |
- |
- |
△2 |
484 |
|
2024年12月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
減価償却累計額及び減損損失累計額 |
建物及び 構築物 |
機械装置 及び運搬具 |
土地 |
建設仮勘定 |
その他 |
合計 |
|
2023年1月1日残高 |
△11,288 |
△9,957 |
- |
- |
△4,587 |
△25,834 |
|
減価償却費(注) |
△2,735 |
△622 |
- |
- |
△327 |
△3,685 |
|
処分 |
316 |
213 |
- |
- |
92 |
623 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
△139 |
- |
- |
- |
△65 |
△205 |
|
その他 |
△329 |
1 |
- |
- |
99 |
△228 |
|
2023年12月31日残高 |
△ |
△ |
|
|
△ |
△ |
|
減価償却費(注) |
△2,929 |
△694 |
- |
- |
△396 |
△4,019 |
|
処分 |
382 |
110 |
- |
- |
181 |
674 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
△322 |
- |
- |
- |
△115 |
△439 |
|
その他 |
- |
△553 |
- |
- |
- |
△553 |
|
2024年12月31日残高 |
△ |
△ |
|
|
△ |
△ |
(注) 減価償却費は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。
その他の有形固定資産の帳簿価額は以下のとおりであります。
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
帳簿価額 |
建物及び 構築物 |
機械装置 及び運搬具 |
土地 |
建設仮勘定 |
その他 |
合計 |
|
2023年1月1日残高 |
14,983 |
2,876 |
5,715 |
2,476 |
1,338 |
27,390 |
|
2023年12月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
|
2024年12月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
その他の有形固定資産の取得に関するコミットメントについては、注記「37.コミットメント」に記載しております。
14.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は以下のとおりであります。
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
取得原価 |
のれん |
無形資産 |
||
|
ソフトウェア |
その他 |
合計 |
||
|
2023年1月1日残高 |
19,706 |
21,399 |
9,608 |
31,007 |
|
取得 |
- |
1,125 |
2,733 |
3,859 |
|
処分 |
- |
△381 |
△438 |
△820 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
764 |
604 |
158 |
762 |
|
その他 |
- |
- |
48 |
48 |
|
2023年12月31日残高 |
|
|
|
|
|
取得 |
- |
1,031 |
8,036 |
9,068 |
|
処分 |
- |
△202 |
△126 |
△329 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
44 |
1,115 |
622 |
1,737 |
|
その他 |
- |
1 |
45 |
47 |
|
2024年12月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
償却累計額及び減損損失累計額 |
のれん |
無形資産 |
||
|
ソフトウェア |
その他 |
合計 |
||
|
2023年1月1日残高 |
- |
△18,971 |
△5,261 |
△24,232 |
|
償却費(注) |
- |
△865 |
△246 |
△1,111 |
|
処分 |
- |
192 |
25 |
218 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
- |
△556 |
△141 |
△698 |
|
2023年12月31日残高 |
|
△ |
△ |
△ |
|
償却費(注) |
- |
△888 |
△827 |
△1,716 |
|
処分 |
- |
193 |
46 |
239 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
- |
△1,025 |
△40 |
△1,065 |
|
2024年12月31日残高 |
|
△ |
△ |
△ |
(注) 償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
のれん及び無形資産の帳簿価額は以下のとおりであります。
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
帳簿価額 |
のれん |
無形資産 |
||
|
ソフトウェア |
その他 |
合計 |
||
|
2023年1月1日残高 |
19,706 |
2,428 |
4,346 |
6,775 |
|
2023年12月31日残高 |
|
|
|
|
|
2024年12月31日残高 |
|
|
|
|
無形資産の取得に関するコミットメントについては、注記「37.コミットメント」に記載しております。
15.リース
当社グループは、主として石油・ガスの開発・生産及び販売を行うための掘削リグ、鉱場・事業所用の定期借地、国内幹線パイプライン用の土地賃借、原材料や商品の運搬のための定期傭船、オフィス等をリースしております。
リースに係る費用の内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
使用権資産の減価償却費 |
|
|
|
石油・ガス資産 |
|
|
|
開発・生産資産 |
17,354 |
25,745 |
|
販売用資産 |
1,297 |
1,386 |
|
小計 |
18,651 |
27,131 |
|
その他の有形固定資産 |
|
|
|
建物及び構築物 |
2,308 |
2,458 |
|
合計 |
20,959 |
29,590 |
|
|
|
|
|
リース負債に係る金利費用 |
1,485 |
1,546 |
|
短期リース費用 |
1 |
7,290 |
|
合計 |
1,486 |
8,837 |
石油・ガス資産及びその他の有形固定資産に含まれる使用権資産の帳簿価額の内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
使用権資産 |
|
|
|
石油・ガス資産 |
|
|
|
開発・生産資産 |
53,939 |
37,811 |
|
販売用資産 |
23,450 |
22,333 |
|
小計 |
77,389 |
60,144 |
|
その他の有形固定資産 |
|
|
|
建物及び構築物 |
6,936 |
5,320 |
|
合計 |
84,326 |
65,465 |
新規取得による使用権資産の増加額合計は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ3,994百万円及び2,713百万円であります。
リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度について、それぞれ20,119百万円及び31,451百万円であります。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、まだ開始していないリース契約に係る将来キャッシュ・アウトフローの合計額は71,562百万円及び79,813百万円であります。
リース負債の満期分析については注記「31.金融商品」に記載しております。リース負債は、連結財政状態計算書の「その他の金融負債」に計上しております。
16.非金融資産の減損
(1)減損損失
減損損失のセグメント別内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
||
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
||||
|
|
石油・ガス資産 |
持分法で 会計処理 されている 投資 |
石油・ガス資産 |
持分法で 会計処理 されている 投資 |
||
|
|
探鉱・評価 資産 |
開発・生産 資産 |
探鉱・評価 資産 |
開発・生産 資産 |
||
|
国内O&G |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
海外O&G-イクシスプロジェクト |
- |
- |
- |
1,954 |
- |
- |
|
海外O&G-その他のプロジェクト |
106 |
100,783 |
- |
3,752 |
15,996 |
- |
|
その他 |
- |
- |
27,807 |
- |
- |
- |
|
合計 |
106 |
100,783 |
27,807 |
5,707 |
15,996 |
- |
連結損益計算書上、石油・ガス資産の減損損失は「その他の営業費用」に、持分法で会計処理されている投資の減損損失は「持分法による投資損益」に計上しております。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
「海外O&G-その他のプロジェクト」セグメントのプレリュードFLNGプロジェクトについて、主に豪州での環境規制強化等を含む外部環境の変化等に伴い減損の兆候が確認されたことから減損テストを実施した結果、当該プロジェクトに係る石油・ガス資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、81,898百万円の減損損失を計上しております。回収可能価額208,822百万円は使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを税引前割引率12.9%により現在価値に割り引いて算定しております。
「その他」の区分に含まれるネットゼロ5分野事業に関する持分法で会計処理されている投資の一部につ
いて、減損テストを実施した結果、27,807百万円の減損損失を計上しております。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
「海外O&G-その他のプロジェクト」セグメントのプレリュードFLNGプロジェクトについて、主に短期の原油価格及び生産量の見通しの下落等に伴い減損の兆候が確認されたことから減損テストを実施した結果、当該プロジェクトに係る石油・ガス資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、14,713百万円の減損損失を計上しました。回収可能価額181,375百万円は使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを税引前割引率11.6%により現在価値に割り引いて算定しております。当該減損損失に関する主要な仮定は、注記「4.重要な会計上の見積り及び判断 (1)非金融資産の減損」に記載しております。
(2)のれんの減損
企業結合で生じたのれんは、取得日に企業結合からシナジーがもたらされる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
のれんの帳簿価額のセグメント別及び、資金生成単位又は資金生成単位グループ別の内訳は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
資金生成単位又は 資金生成単位グループ |
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
海外O&G-その他のプロジェクト |
INPEX Idemitsu Norge AS |
20,471 |
20,515 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において、減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。使用価値は、保有する鉱区の確認埋蔵量及び推定埋蔵量の合計数量に基づく生産可能年数の将来キャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位又は資金生成単位グループの税引前加重平均資本コストを基礎として現在価値に割引いて算定しております。キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定は埋蔵量、将来の油価であり、詳細は注記「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。算定に使用した税引後の割引率は4.9%(前連結会計年度5.9%)であります。また、税引前の割引率は、資金生成単位又は資金生成単位グループが事業を行う地域での高い税率や将来キャッシュ・フロー等の特性から、6.0%(前連結会計年度47.7%)であります。
減損テストに使用した主要な仮定が変更された場合には減損が発生するリスクがありますが、使用価値は当該資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに使用した主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
17.法人所得税
(1)繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な発生原因別の内訳は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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連結財政状態計算書 |
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前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
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繰延税金資産 |
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税務上の繰越欠損金 |
46,578 |
37,238 |
|
減価償却超過額 |
30,248 |
41,936 |
|
退職給付に係る負債 |
2,805 |
2,787 |
|
外貨建債権債務評価差額 |
5,619 |
3,134 |
|
資産除去債務 |
90,450 |
88,514 |
|
減損損失 |
36,270 |
43,061 |
|
リース負債 |
24,092 |
17,810 |
|
その他(注) |
33,247 |
60,265 |
|
合計 |
269,312 |
294,747 |
|
繰延税金負債 |
|
|
|
外国税 |
△466,062 |
△548,426 |
|
パーチェス法適用に伴う時価評価差額等 |
△12,046 |
△10,469 |
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する 金融資産 |
△4,291 |
△4,826 |
|
使用権資産 |
△14,571 |
△14,018 |
|
その他 |
△32,303 |
△40,668 |
|
合計 |
△529,274 |
△618,409 |
|
純額 |
△259,962 |
△323,661 |
(注) 当連結会計年度の繰延税金資産のその他は、主に子会社に対する投資に係る一時差異によるものであります。
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|
|
(単位:百万円) |
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連結損益計算書 |
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前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
|
繰延税金資産 |
|
|
|
税務上の繰越欠損金 |
△45,998 |
△13,142 |
|
減価償却超過額 |
3,017 |
8,288 |
|
退職給付に係る負債 |
△172 |
△724 |
|
外貨建債権債務評価差額 |
△121 |
△2,782 |
|
資産除去債務 |
7,455 |
△6,579 |
|
減損損失 |
23,112 |
3,217 |
|
リース負債 |
△1,569 |
△7,416 |
|
その他 |
△20,200 |
17,926 |
|
合計 |
△34,475 |
△1,213 |
|
繰延税金負債 |
|
|
|
外国税 |
△56,902 |
△32,980 |
|
パーチェス法適用に伴う時価評価差額等 |
656 |
1,596 |
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する 金融資産 |
- |
- |
|
使用権資産 |
2,229 |
1,527 |
|
その他 |
△3,420 |
△4,278 |
|
合計 |
△57,437 |
△34,134 |
|
純額 |
△91,912 |
△35,347 |
繰延税金資産及び繰延税金負債(純額)の増減内容は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
期首残高 |
△157,014 |
△259,962 |
|
繰延税金費用への計上額 |
△91,912 |
△35,347 |
|
その他の包括利益への計上額 |
△2,014 |
△798 |
|
その他(注) |
△9,020 |
△27,553 |
|
期末残高 |
△259,962 |
△323,661 |
(注) その他は主に為替換算差額によるものであります。
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
繰延税金資産 |
72,977 |
64,555 |
|
繰延税金負債 |
△332,940 |
△388,217 |
|
純額 |
△259,962 |
△323,661 |
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の繰延税金資産のうち、前連結会計年度又は当連結会計年度に損失が生じている納税主体に帰属しているものは、それぞれ48,465百万円及び33,076百万円であります。当社グループは、将来減算一時差異に対して、埋蔵量等による将来の収益力に基づく課税所得及びタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。
繰延税金資産を認識していない税務上の将来減算一時差異及び繰越欠損金は以下のとおりであります。
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|
|
(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
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将来減算一時差異 |
559,027 |
638,529 |
|
税務上の繰越欠損金 |
752,266 |
778,908 |
|
合計 |
1,311,294 |
1,417,438 |
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
1年以内 |
1,619 |
9,998 |
|
1年超5年以内 |
27,558 |
4,677 |
|
5年超10年以内 |
44,556 |
80,383 |
|
10年超 |
89,203 |
48,847 |
|
繰越期限なし |
589,329 |
635,003 |
|
合計 |
752,266 |
778,908 |
(2)法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
当期税金費用 |
828,895 |
829,225 |
|
繰延税金費用 |
|
|
|
一時差異の発生と解消等 |
96,510 |
62,594 |
|
税率の変更 |
△2,112 |
9,921 |
|
繰延税金資産の評価減及び評価減の戻入 |
△2,484 |
△37,168 |
|
合計 |
920,807 |
864,573 |
当期税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれています。これに伴う当期税金費用の減少額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ2,707百万円及び27,651百万円であります。
法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は以下のとおりであります。
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前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
法定実効税率 |
28.0% |
28.0% |
|
未認識の繰延税金資産の増減額 |
0.3% |
△3.1% |
|
外国税 |
33.8% |
34.8% |
|
外国税額控除 |
△4.4% |
△4.3% |
|
損金算入外国税の調整 |
△4.7% |
△4.5% |
|
在外子会社適用税率差異 |
20.0% |
20.3% |
|
持分法による投資損益 |
△0.4% |
△2.3% |
|
子会社の組織再編による影響 |
- |
△3.0% |
|
その他 |
0.9% |
0.7% |
|
平均実際負担税率 |
73.5% |
66.6% |
当社グループは、2023年5月23日に公表されたIAS第12号「法人所得税」の改訂を適用しています。本改訂は、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールに関する税制から生じる税金(以下「第2の柱の法人所得税」という。)に係る繰延税金の認識及び開示を一時的に免除する例外規定を定めるとともに、第2の柱のエクスポージャーに関する開示を求めています。
当社グループは、当該例外規定を適用して、第2の柱の法人所得税に係る繰延税金について認識及び開示を行っておりません。
第2の柱の法制が、当社グループが事業活動を行っている一部の国または地域では制定され、当連結会計年度より適用されています。当社グループは、第2の柱の法人所得税に基づく当期税金費用は認識しておりません。
また、当社が所在する日本などの一部の国では翌連結会計年度から適用されます。当社グループは第2の柱の法人所得税に対する潜在的なエクスポージャーの評価を実施しました。この評価は、当社グループの構成企業の財務諸表に基づいています。当社グループが事業活動を行うほとんどの国または地域は、移行期セーフ・ハーバー救済措置が適用され、移行期セーフ・ハーバー救済措置が適用されない国または地域の第2の柱の実効税率が15%を上回っており、当社グループは第2の柱の法人所得税に対する潜在的なエクスポージャーを想定していません。
18.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
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買掛金 |
35,527 |
49,383 |
|
未払金 |
124,264 |
100,636 |
|
未払費用 |
48,121 |
42,557 |
|
合計 |
207,913 |
192,576 |
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
19.社債及び借入金
借入金の内訳は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
平均利率(%) (注)1 |
返済期限 (注)2 |
|
流動負債 |
|
|
|
|
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コマーシャル・ペーパー |
- |
79,980 |
- |
- |
|
短期借入金 |
27,358 |
6,230 |
6.9 |
- |
|
1年内返済予定の長期借入金 |
133,700 |
107,635 |
4.8 |
- |
|
合計 |
161,059 |
193,847 |
|
|
|
非流動負債 |
|
|
|
|
|
長期借入金 |
865,923 |
840,064 |
4.7 |
2026年~2036年 |
|
合計 |
865,923 |
840,064 |
|
|
(注)1 「平均利率」については、当連結会計年度末残高に対する加重平均利率を記載しております。
2 「返済期限」については、当連結会計年度末残高に対する返済期限を記載しております。
社債の内訳は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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会社名 |
銘柄 |
発行 年月日 |
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
利率 (%) |
担保 |
償還期限 |
|
当社 |
第1回無担保社債 (社債間限定同順位特約付) |
2021年 3月16日 |
10,000 |
10,000 |
0.08 |
なし |
2026年 3月16日 |
|
当社 |
第2回無担保社債 (社債間限定同順位特約付) |
2021年 3月16日 |
10,000 |
10,000 |
0.30 |
なし |
2031年 3月14日 |
|
当社 |
第3回無担保社債 (社債間限定同順位特約付) (グリーンボンド) |
2021年 10月15日 |
10,000 |
10,000 |
0.25 |
なし |
2031年 10月15日 |
|
合計 |
30,000 |
30,000 |
|
|
|
||
社債及び借入金は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。社債及び借入金の返済期日別内訳及び公正価値は、注記「31.金融商品」に記載しております。
20.従業員給付
当社は、確定給付型の制度として、退職一時金制度及び確定給付企業年金制度を設けている他、確定拠出型年金制度を設けております。また、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度に対して退職給付信託を設定しております。
一部の子会社は確定拠出型年金制度、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度等を採用しております。
(1)確定給付制度
① 確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
確定給付制度債務及び制度資産の期末残高と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の関係は以下のとおりであります。
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|
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(単位:百万円) |
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|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
積立型制度の確定給付制度債務 |
23,512 |
22,956 |
|
制度資産 |
△28,018 |
△30,280 |
|
非積立型制度の確定給付制度債務 |
803 |
1,321 |
|
資産上限額の影響 |
3,609 |
6,419 |
|
連結財政状態計算書に計上された確定給付負債及び資産の純額 |
△93 |
416 |
|
|
|
|
|
退職給付に係る負債 |
803 |
1,321 |
|
退職給付に係る資産 |
△896 |
△904 |
|
連結財政状態計算書に計上された確定給付負債及び制度資産の純額 |
△93 |
416 |
② 確定給付制度債務の現在価値の調整表
確定給付制度債務の現在価値の増減は以下のとおりであります。
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|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
確定給付制度債務の現在価値の期首残高 |
24,647 |
24,315 |
|
勤務費用 |
1,350 |
1,779 |
|
利息費用 |
417 |
465 |
|
再測定 |
|
|
|
人口統計上の仮定の変化により生じた数理計算 上の差異 |
- |
111 |
|
財務上の仮定の変化により生じた数理計算上の 差異 |
△707 |
△958 |
|
実績の修正により生じた数理計算上の差異 |
16 |
135 |
|
給付支払額 |
△1,527 |
△1,535 |
|
過去勤務費用 |
45 |
- |
|
在外営業活動体の換算差額 |
156 |
52 |
|
その他 |
△81 |
△88 |
|
確定給付制度債務の現在価値の期末残高 |
24,315 |
24,277 |
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ12.7年及び12.2年であります。
③ 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値の増減は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
制度資産の公正価値の期首残高 |
25,691 |
28,018 |
|
利息収益 |
425 |
522 |
|
再測定 |
|
|
|
制度資産に係る収益 |
1,162 |
1,209 |
|
事業主からの拠出額 |
1,692 |
1,592 |
|
給付支払額 |
△1,006 |
△957 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
101 |
1 |
|
その他 |
△48 |
△107 |
|
制度資産の公正価値の期末残高 |
28,018 |
30,280 |
当社グループは、翌連結会計年度(2025年12月期)に1,498百万円の掛金を拠出する予定であります。
④ 制度資産の項目ごとの内訳
制度資産の主な項目ごとの内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
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前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
||||
|
|
活発な市場 価格のある 資産 |
活発な市場 価格のない 資産 |
合計 |
活発な市場 価格のある 資産 |
活発な市場 価格のない 資産 |
合計 |
|
株式(国内) |
1,149 |
2,472 |
3,621 |
1,270 |
2,947 |
4,217 |
|
株式(海外) |
347 |
2,329 |
2,676 |
398 |
2,502 |
2,900 |
|
債券(海外) |
- |
7,306 |
7,306 |
- |
7,526 |
7,526 |
|
オルタナティブ資産(注) |
- |
7,216 |
7,216 |
- |
8,550 |
8,550 |
|
生保一般勘定 |
- |
5,994 |
5,994 |
- |
5,885 |
5,885 |
|
その他 |
- |
1,201 |
1,201 |
- |
1,200 |
1,200 |
|
合計 |
1,497 |
26,521 |
28,018 |
1,668 |
28,612 |
30,280 |
(注) オルタナティブ資産には、コモディティ、マルチアセット運用等を含んでおります。
当社の年金積立は、年金受給者(将来の年金受給者を含む)に対する年金給付、その他の一時金たる給付の支払いを将来にわたり確実に行うため、中期的な下振れリスクに留意しつつ、将来にわたって健全な年金制度を維持するに足りるだけの収益率を長期的に確保することを目的としております。制度資産の運用にあたっては、将来にわたる最適な組み合わせである基本ポートフォリオを策定し、これに基づく資産配分を維持するよう努め、必要に応じてリバランスの要否について検討することを基本としております。
また、確定給付企業年金法に基づき、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、3年毎に掛金の再計算を行うなど定期的に拠出額の見直しを行っております。
これに加えて当社では、退職給付会計上の積立不足を補い、年金積立状態の健全性を維持するため、市場性のある株式または現金を退職給付信託に拠出する場合があります。
⑤ 資産上限額の影響
確定給付制度が積立超過である場合に、連結財政状態計算書に計上する確定給付資産は、確定給付制度からの返還及び将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としております。
資産上限額の影響の変動は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
期首における影響額 |
- |
3,609 |
|
再測定 |
|
|
|
資産上限額の影響の変動 |
3,609 |
2,809 |
|
期末における影響額 |
3,609 |
6,419 |
⑥ 主な数理計算上の仮定
数理計算に用いた主な仮定は以下のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
割引率(%) |
1.7 |
2.2 |
⑦ 感応度分析
数理計算に用いた割引率が0.5%変動した場合、確定給付制度債務の現在価値に与える影響額は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
割引率が0.5%上昇した場合 |
△1,206 |
△1,075 |
|
割引率が0.5%低下した場合 |
1,225 |
1,147 |
(2)確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として認識された金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ5,485百万円及び6,963百万円であります。
(3)従業員給付費用
連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ41,929百万円及び46,997百万円であります。
21.資産除去債務
資産除去債務は、石油天然ガス生産施設等について、当社グループが鉱山保安法が規定する採掘終了後の坑井掘採跡の鉱害防止等の義務を有していること、及び、海外石油天然ガス生産施設等について、産油国政府との石油契約や現地法令等に基づく当該生産設備等の撤去等の廃鉱義務を有していることに対するものです。
資産除去債務の増減は以下のとおりであります。
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|
(単位:百万円) |
|
|
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
期首残高 |
388,502 |
|
期中増加額 |
6,682 |
|
時の経過による調整額 |
15,183 |
|
資産除去債務の履行による減少額 |
△10,510 |
|
見積りの変更による増減額(△は減少)(注) |
△32,435 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
28,173 |
|
その他増減額(△は減少) |
1,341 |
|
期末残高 |
396,937 |
(注) 主として一部の子会社で割引率の見直しをしていること等から、見積りの変更を行いました。
資産除去債務の連結財政状態計算書における内訳は以下のとおりであります。
|
|
(単位:百万円) |
|
|
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
流動負債 |
15,277 |
|
非流動負債 |
381,660 |
|
合計 |
396,937 |
当該債務を履行するまでの見積期間は生産可能年数又は契約期間満了までの年数(1年以内から46年)であり、計算に用いられる割引率は0.4%から5.3%です。
当該債務は、支出の時期が不明な場合や数十年先になる可能性があり、気候変動に関する各国政府の今後の政策・法規制によっては履行するまでの見積期間の短縮や、廃鉱の作業方法の変更及び掘削資機材の高騰等の影響を受けます。
当社は国内天然ガス供給販売施設である天然ガスパイプラインについて、借地契約に伴う事業終結時の原状回復義務を有しております。現在、当該天然ガスパイプラインについては公共性が高い供給インフラとして使用しており、今後も引き続き公共性が高い供給インフラとして非常に長い期間使用する予定であることから、当連結会計年度末時点において事業終了の時期を決定することができません。また、非常に長い期間使用する予定であることから、該当する期間の割引率等の信頼性のある基礎数値が存在しません。上記より、当該義務については信頼性のある見積りができないことから資産除去債務を計上しておりません。
なお、事業終了時期を決定できるような事業環境等の変化を特定した場合には資産除去債務を計上できるよう毎期継続的に事業環境を確認しております。
22.資本及びその他の資本項目
(1)資本管理
当社は、中長期のグループ戦略及び企業価値の最大化を達成するために、最適な資本構成の実現・維持に努めております。
当社が資本管理で重視する指標は、親会社所有者帰属持分比率及びネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)であります。当該指標は、継続的に経営者に報告され、モニタリングされております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における各指標は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:%) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
親会社所有者帰属持分比率(注)1 |
62.5 |
65.3 |
|
ネットD/Eレシオ(注)2 |
20.3 |
17.1 |
(注)1 親会社の所有者に帰属する持分合計/資産合計
2 (有利子負債-現金及び現金同等物)/親会社の所有者に帰属する持分合計
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(日本における会社法(以下「会社法」という。)等の一般的な規定を除く)はありません。
(2)授権株式数及び発行済株式総数
授権株式数及び発行済株式総数は以下のとおりであります。
|
|
|
|
|
(単位:株) |
|
|
普通株式 |
甲種類株式 |
||
|
|
授権株式数 |
発行済株式総数 |
授権株式数 |
発行済株式総数 |
|
2023年1月1日残高 |
3,600,000,000 |
1,386,667,167 |
1 |
1 |
|
期中増減 |
- |
- |
- |
- |
|
2023年12月31日残高 |
3,600,000,000 |
1,386,667,167 |
1 |
1 |
|
期中増減(注) |
- |
△127,531,100 |
- |
- |
|
2024年12月31日残高 |
3,600,000,000 |
1,259,136,067 |
1 |
1 |
(注) 当連結会計年度の普通株式の発行済株式総数の期中増減は、自己株式の消却による減少127,531,100株によるものであります。
当社の発行する株式は無額面の株式であり、発行済株式は全額払込済みとなっております。
普通株式については、株主としての権利内容に制限のない、標準となる株式であります。単元株式数は100株であり、1単元株式当たり1つの議決権を有しております。
甲種類株式については、法令に別段の定めがある場合を除き、議決権を有しない株式であります。甲種類株式に対する剰余金の配当又は中間配当は、普通株式1株に対する剰余金の配当又は中間配当の額に400を乗じて算出される額にて行われます。また、甲種類株主は当会社普通株式1株に対する残余財産分配の金額に400を乗じて算出される額の残余財産分配請求権を有しております。甲種類株式に関する詳細については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
(3)自己株式数
自己株式数は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:株) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
自己株式数: |
|
|
|
普通株式 |
|
|
|
期首残高 |
80,672,863 |
128,422,706 |
|
期中増減(注) |
47,749,843 |
△66,886,467 |
|
期末残高 |
128,422,706 |
61,536,239 |
(注) 前連結会計年度の自己株式数の期中増減の主な要因は、取締役会決議による自己株式の取得による増加47,768,600株、役員報酬BIP信託による当社株式の交付による減少18,803株によるものであります。
当連結会計年度の自己株式数の期中増減の主な要因は、取締役会決議による自己株式の取得による増加60,708,200株、自己株式の消却による減少127,531,100株、役員報酬BIP信託による当社株式の交付による減少63,710株によるものであります。
(4)資本剰余金
会社法では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
(5)利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損補填に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
(6)その他の資本の構成要素
① 在外営業活動体の換算差額
当社グループの連結財務諸表の表示通貨である日本円以外の通貨で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額であります。
② キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分であります。
③ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動額であります。
④ 確定給付制度の再測定
期首時点の数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額であります。これらは、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の包括利益累計額から利益剰余金に直ちに振り替えております。
23.配当金
配当金の支払額は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
|
決議日 |
株式の種類 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり 配当額 (円) |
基準日 |
効力発生日 |
|
2023年3月28日 定時株主総会 |
普通株式 |
41,820 |
32 |
2022年12月31日 |
2023年3月29日 |
|
甲種類株式 |
0 |
12,800 |
2022年12月31日 |
2023年3月29日 |
|
|
2023年8月9日 取締役会 |
普通株式 |
48,355 |
37 |
2023年6月30日 |
2023年9月1日 |
|
甲種類株式 |
0 |
14,800 |
2023年6月30日 |
2023年9月1日 |
(注)1 2023年3月28日定時株主総会決議による配当金の総額(普通株式)には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式(普通株式)に対する配当金29百万円が含まれております。
2 2023年8月9日取締役会決議による配当金の総額(普通株式)には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式(普通株式)に対する配当金33百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
|
決議日 |
株式の種類 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり 配当額 (円) |
基準日 |
効力発生日 |
|
2024年3月26日 定時株主総会 |
普通株式 |
46,588 |
37 |
2023年12月31日 |
2024年3月27日 |
|
甲種類株式 |
0 |
14,800 |
2023年12月31日 |
2024年3月27日 |
|
|
2024年8月8日 取締役会 |
普通株式 |
53,690 |
43 |
2024年6月30日 |
2024年9月2日 |
|
甲種類株式 |
0 |
17,200 |
2024年6月30日 |
2024年9月2日 |
(注)1 2024年3月26日定時株主総会決議による配当金の総額(普通株式)には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式(普通株式)に対する配当金32百万円が含まれております。
2 2024年8月8日取締役会決議による配当金の総額(普通株式)には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式(普通株式)に対する配当金35百万円が含まれております。
配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは以下のとおりであります。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
|
決議日 |
株式の種類 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり 配当額 (円) |
基準日 |
効力発生日 |
|
2025年3月28日 定時株主総会 |
普通株式 |
51,532 |
43 |
2024年12月31日 |
2025年3月31日 |
|
甲種類株式 |
0 |
17,200 |
2024年12月31日 |
2025年3月31日 |
(注) 配当金の総額(普通株式)には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式(普通株式)に対する配当金35百万円が含まれております。
24.株式に基づく報酬取引
(1)株式に基づく報酬制度の内容
当社は、2018年から、取締役等に対し、取締役等の報酬と当社の株式価値との連動性を明確にし、取締役等の企業価値増大への貢献意識及び株主価値最大化への貢献意欲を一層高めることを目的として、株式報酬制度を導入しております。本制度を導入するにあたり、「役員報酬BIP信託」と称される仕組みを採用しております。
①取引の概要
役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託とは、信託が取得した当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を、役位等に応じて、原則として取締役等の退任時に交付及び給付する制度であります。本制度は、持分決済型の株式報酬として会計処理しております。
②信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額により、連結財政状態計算書に自己株式として計上しております。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、前連結会計年度末において1,330百万円、891,560株、当連結会計年度末において1,235百万円、827,850株であります。
(2)付与したポイントの数と公正価値
受領したサービスの対価は付与日における当社株式の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識するとともに、同額を資本の増加として認識しております。前連結会計年度及び当連結会計年度に付与したポイントの公正価値は付与日の株価に近似していることから付与日の株価を使用しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、株式報酬制度に関して計上された費用はそれぞれ205百万円及び200百万円であります。
期中に付与されたポイントの数と測定日における1ポイント当たりの公正価値は以下のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
期中に付与されたポイントの数 |
116,546 |
130,734 |
|
1ポイント当たりの公正価値(円) |
1,767 |
1,533 |
25.売上収益
(1)収益の分解
主要な製品と各報告セグメントの売上収益との関連は以下のとおりであります。
当連結会計年度より報告セグメントを変更しており、前連結会計年度の売上収益は変更後の区分に組み替えて表示しております。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
報告セグメント |
その他 |
計 |
||
|
|
国内O&G |
海外O&G |
|||
|
|
イクシス プロジェクト |
その他の プロジェクト |
|||
|
原油 |
4,539 |
144,859 |
1,448,005 |
14,192 |
1,611,597 |
|
天然ガス(LPGを除く) |
221,189 |
228,313 |
77,040 |
181 |
526,724 |
|
LPG |
- |
- |
2,968 |
4,978 |
7,947 |
|
その他 |
20,048 |
- |
250 |
125 |
20,424 |
|
顧客との契約から生じる収益 |
245,777 |
373,173 |
1,528,264 |
19,478 |
2,166,694 |
|
その他の収益(注) |
1,162 |
- |
- |
△3,339 |
△2,177 |
|
外部収益 |
246,940 |
373,173 |
1,528,264 |
16,138 |
2,164,516 |
(注) その他の収益は、主に補助金、IFRS第16号「リース」に基づく賃貸収入及びIFRS第9号「金融商品」に基づくデリバティブ取引から生じるヘッジ損益が含まれております。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
報告セグメント |
その他 |
計 |
||
|
|
国内O&G |
海外O&G |
|||
|
|
イクシス プロジェクト |
その他の プロジェクト |
|||
|
原油 |
3,725 |
150,739 |
1,544,937 |
12,059 |
1,711,461 |
|
天然ガス(LPGを除く) |
193,154 |
222,523 |
109,591 |
283 |
525,553 |
|
LPG |
- |
- |
3,199 |
4,253 |
7,452 |
|
その他 |
20,447 |
- |
193 |
237 |
20,877 |
|
顧客との契約から生じる収益 |
217,327 |
373,263 |
1,657,921 |
16,833 |
2,265,345 |
|
その他の収益(注) |
△373 |
- |
- |
865 |
492 |
|
外部収益 |
216,953 |
373,263 |
1,657,921 |
17,699 |
2,265,837 |
(注) その他の収益には、主に補助金、IFRS第16号「リース」に基づく賃貸収入及びIFRS第9号「金融商品」に基づくデリバティブ取引から生じる損益が含まれております。当該デリバティブ取引は、一部の原油販売取引につき価格の変動リスク低減を目的として行っており、当該損益を差金として受け払いしていることから、デリバティブ損益の純額を売上収益に含めて表示しております。
(2)契約残高
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度期首 (2023年1月1日) |
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
顧客との契約から生じた債権 |
|
|
|
|
受取手形及び売掛金 |
250,752 |
195,577 |
244,755 |
|
契約負債 |
6,143 |
5,337 |
6,002 |
契約負債は、主に契約に基づく履行に先立ち受領した前受金であり、収益の認識に伴い取り崩されます。前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額はそれぞれ1,876百万円、288百万円であります。過去の期間に充足した履行義務から、当連結会計年度に認識した収益(例えば、取引価格の変動)の額に重要性はありません。
連結財政状態計算書において、受取手形及び売掛金は「営業債権及びその他の債権」に、契約負債は「その他の流動負債」に含まれております。
(3)残存履行義務に配分した取引価格
当社グループは、残存履行義務に配分した取引価格の注記にあたってIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」第121項の実務上の便法を適用し、当初の予想残存期間が1年以内の残存履行義務に関する情報は開示しておりません。
残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益の認識が見込まれる期間は以下のとおりであり、当該履行義務は主に天然ガスの長期供給契約に関連しております。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
1年以内 |
98,649 |
87,977 |
|
1年超5年以内 |
253,041 |
168,350 |
|
5年超 |
190,561 |
130,480 |
|
合計 |
542,253 |
386,809 |
26.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
人件費 |
|
|
|
減価償却費及び償却費 |
|
|
|
研究開発費 |
|
|
|
租税課金 |
|
|
|
輸送費 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
合計 |
|
|
売上原価及び一般管理費に計上された研究開発費の合計は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ3,564百万円及び35,673百万円であります。
27.その他の営業収益及びその他の営業費用
その他の営業収益の内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
権益譲渡益 |
|
|
|
為替差益 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
合計 |
|
|
その他の営業費用の内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
減損損失(注) |
|
|
|
為替差損 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
合計 |
|
|
(注) 減損損失は石油・ガス資産の減損損失であり、持分法で会計処理されている投資の減損損失は含んでおりません。詳細は注記「16.非金融資産の減損」に記載しております。
28.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
受取利息 |
|
|
|
償却原価で測定する金融資産 |
|
|
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する 負債性金融資産 |
|
|
|
受取配当金 |
|
|
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する 資本性金融資産 |
|
|
|
金融資産の事後測定関連収益(注) |
|
|
|
その他 |
|
|
|
合計 |
|
|
(注) 「海外O&G-イクシスプロジェクト」セグメントにおいて、認識の中止を伴わない償却原価で測定する金融資産の条件変更及び見積将来キャッシュ・フローの改訂等から生じた利益について、IFRS第9号「金融商品」に基づき金融資産の事後測定関連収益として計上しております。
金融費用の内訳は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
支払利息 |
|
|
|
償却原価で測定する金融負債 |
|
|
|
資産除去債務 |
|
|
|
デリバティブ評価損(注) |
|
|
|
その他 |
|
|
|
合計 |
|
|
(注) 当社グループは、注記「31.金融商品 (1)財務上のリスク管理 ③市場リスク (ⅱ)金利リスク」に記載のとおり、資産除去債務の変動によって生じる連結損益計算書への影響を低減する目的で金利スワップ等のデリバティブ取引を行っており、当該デリバティブの評価損を含んでおります。
29.その他の包括利益
その他の包括利益の各項目別の当期発生額及び純損益への組替調整額、並びに法人所得税の影響は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
|
|
|
当期発生額 |
4,617 |
△936 |
|
組替調整額 |
△45 |
- |
|
法人所得税 |
△2,321 |
△1,503 |
|
税引後 |
2,251 |
△2,440 |
|
確定給付制度の再測定 |
|
|
|
当期発生額 |
△1,755 |
△888 |
|
法人所得税 |
349 |
705 |
|
税引後 |
△1,406 |
△183 |
|
キャッシュ・フロー・ヘッジ |
|
|
|
当期発生額 |
△6,229 |
△4,007 |
|
組替調整額 |
6,610 |
1,630 |
|
法人所得税 |
△42 |
- |
|
税引後 |
337 |
△2,376 |
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在外営業活動体の換算差額 |
|
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当期発生額 |
282,472 |
514,117 |
|
組替調整額 |
3,247 |
△4,473 |
|
法人所得税(注) |
- |
△50,000 |
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税引後 |
285,720 |
459,643 |
|
持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分 |
|
|
|
当期発生額 |
21,214 |
13,462 |
|
組替調整額 |
△23,748 |
△24,247 |
|
税引後 |
△2,533 |
△10,785 |
|
その他の包括利益合計 |
284,369 |
443,857 |
(注) 「在外営業活動体の換算差額」の法人所得税は、注記「3.重要性のある会計方針 (2)外貨換算 ②在外営業活動体の換算」に記載している在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額に関する法人所得税費用であります。このうち、IFRS移行日にゼロとみなすことを選択した在外営業活動体の換算差額に関する部分は、純損益に振り替えられることのない項目であり、当連結会計年度において、△17,709百万円であります。
30.1株当たり利益
基本的及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は以下のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) |
321,708 |
427,344 |
|
親会社の普通株主に帰属しない当期利益 |
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|
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甲種類株式への配当額(百万円) |
△0 |
△0 |
|
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円) |
321,708 |
427,344 |
|
利益調整額(百万円) |
- |
- |
|
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円) |
321,708 |
427,344 |
|
|
|
|
|
期中平均普通株式数(株) |
1,294,325,142 |
1,237,578,149 |
|
希薄化性潜在的普通株式の影響 |
|
|
|
役員報酬BIP信託(株) |
897,292 |
848,454 |
|
希薄化後平均株式数(株) |
1,295,222,434 |
1,238,426,603 |
|
|
|
|
|
基本的1株当たり当期利益(円) |
248.55 |
345.31 |
|
希薄化後1株当たり当期利益(円) |
248.38 |
345.07 |
(注) 基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定において、役員報酬BIP信託が保有する当社株式(普通株式)を自己株式として処理していることから、期中平均普通株式数から当該株式数を控除しております。
31.金融商品
(1)財務上のリスク管理
当社グループは、石油・天然ガス・再生可能エネルギー等のプロジェクト取得/開発資金及び天然ガス供給インフラ施設等建設資金を、手許資金、銀行借入及び社債発行により調達することを基本方針としております。現在、石油・天然ガスプロジェクトの開発資金については株式会社国際協力銀行及び市中銀行等から融資を受けており、これら融資に関しては、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の保証制度を適宜利用しております。また、国内の天然ガス供給インフラ施設等建設資金については、株式会社日本政策投資銀行及び市中銀行等からの融資を受けているほか、再生可能エネルギープロジェクトの取得/開発資金については、プロジェクトファイナンスやグリーンファイナンスでの調達も実施しております。銀行借入は変動金利、社債は固定金利を基本としておりますが、個別プロジェクトの状況や市場動向等に合わせて、適切に判断のうえ対応し固定金利の借入も行っております。
当社グループは、資金運用については、安全性・流動性に十分配慮しております。デリバティブについては、予定取引や保有資産のリスクをヘッジ又は管理するために限定的に利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。
① 信用リスク
営業債権である受取手形及び売掛金並びに未収入金は、主に原油・天然ガスの販売によるもので、主な取引先は、国営石油会社や大手石油会社等となっております。信用リスクに晒されている取引先については、営業管理細則及び与信管理細則に従い、取引先の状況を適時に把握し、取引相手の財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。
特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を要する信用リスクの過度の集中はありません。
連結財務諸表に表示されている金融資産の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。債務保証については、注記「38.偶発債務」に記載している債務保証等の残高が、当社グループの信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
これらの信用リスクに係るエクスポージャーに関し、担保として保有する物件及びその他の信用補完するものはありません。
当社グループでは、営業債権と営業債権以外の債権に区分して貸倒引当金を算定しております。
いずれの債権についても、その全部または一部について回収ができず、または回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしております。
また、支払遅延の原因が一時的な資金需要によるものではなく、債務者の重大な財政的困難等に起因するものであり、債権の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された場合には信用減損が発生しているものと判定しております。
予想信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値であります。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増大していない場合は、12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております(原則的なアプローチ)。
なお、上記にかかわらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権は、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しておりますが(単純化されたアプローチ)、過去の実績率等を勘案し、貸倒引当金を計上しておりません。
貸倒引当金の増減は以下のとおりであります。
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
12ヶ月の予想 信用損失に 等しい金額で 測定されるもの |
全期間の予想信用損失に等しい 金額で測定されるもの |
合計 |
||
|
|
信用減損金融 資産ではない 金融資産 |
信用減損 金融資産 |
営業債権 |
||
|
2023年1月1日残高 |
- |
- |
13,645 |
- |
13,645 |
|
繰入額 |
- |
- |
954 |
- |
954 |
|
期中減少額(目的使用) |
- |
- |
- |
- |
- |
|
期中減少額(戻入) |
- |
- |
- |
- |
- |
|
2023年12月31日残高 |
- |
- |
14,600 |
- |
14,600 |
|
繰入額 |
- |
- |
1,619 |
- |
1,619 |
|
期中減少額(目的使用) |
- |
- |
- |
- |
- |
|
期中減少額(戻入) |
- |
- |
- |
- |
- |
|
2024年12月31日残高 |
- |
- |
16,220 |
- |
16,220 |
12か月の予想信用損失と等しい金額で計上された貸倒引当金はありません。前連結会計年度において直接償却した金融資産のうち、回収活動を継続しているものはありません。
金融資産の予想信用損失は、過去の信用損失の実績及び将来の経済状況等の予測を加味した上で個別に評価しております。貸倒引当金の設定対象となっている金融資産の帳簿価額は以下のとおりであり、同一区分内における金融資産の信用リスク格付けは概ね同一であります。
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
12ヶ月の予想 信用損失に 等しい金額で 測定されるもの |
全期間の予想信用損失に等しい 金額で測定されるもの |
合計 |
||
|
|
信用減損金融 資産ではない 金融資産 |
信用減損 金融資産 |
営業債権 |
||
|
2023年12月31日残高 |
1,618,618 |
- |
14,600 |
232,017 |
1,865,237 |
|
2024年12月31日残高 |
1,716,282 |
- |
16,220 |
267,476 |
1,999,979 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
② 流動性リスク
当社グループでは、各事業本部が月次で作成した資金繰り計画を基に財務・経理本部が資金繰り管理を行うとともに、流動性リスクに備えて厚めの手許流動性を確保しております。
金融負債の期日別残高は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
帳簿価額 |
契約上の 金額 |
1年以内 |
1年超 5年以内 |
5年超 10年以内 |
10年超 |
|
非デリバティブ金融負債 |
|
|
|
|
|
|
|
社債及び借入金 |
1,056,982 |
1,253,019 |
212,147 |
621,049 |
292,759 |
127,063 |
|
リース負債 |
88,465 |
111,413 |
24,460 |
38,123 |
16,338 |
32,490 |
|
その他 |
225,368 |
225,368 |
225,257 |
21 |
- |
90 |
|
デリバティブ金融負債 |
|
|
|
|
|
|
|
通貨関連デリバティブ |
846 |
846 |
830 |
15 |
- |
- |
|
商品関連デリバティブ |
66 |
66 |
66 |
- |
- |
- |
|
合計 |
1,371,730 |
1,590,714 |
462,762 |
659,210 |
309,097 |
159,644 |
当連結会計年度(2024年12月31日)
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
帳簿価額 |
契約上の 金額 |
1年以内 |
1年超 5年以内 |
5年超 10年以内 |
10年超 |
|
非デリバティブ金融負債 |
|
|
|
|
|
|
|
社債及び借入金 |
1,063,912 |
1,246,739 |
237,239 |
688,844 |
219,877 |
100,778 |
|
リース負債 |
73,568 |
95,415 |
20,344 |
28,902 |
14,319 |
31,849 |
|
その他 |
206,639 |
206,639 |
205,882 |
666 |
- |
90 |
|
デリバティブ金融負債 |
|
|
|
|
|
|
|
通貨関連デリバティブ |
9,476 |
9,476 |
9,476 |
- |
- |
- |
|
金利関連デリバティブ |
20,794 |
20,794 |
13,084 |
7,709 |
- |
- |
|
合計 |
1,374,390 |
1,579,065 |
486,026 |
726,123 |
234,197 |
132,718 |
③ 市場リスク
(ⅰ)為替リスク
当社グループ各社の事業の多くは海外で行われており、各社の機能通貨は、各社が営業活動を行う主たる経済環境における通貨に基づいて判定しております。このため、当社グループにおける為替リスクは、各社の機能通貨とは異なる通貨建の取引から生じます。当社グループは、各社の機能通貨とは異なる通貨建の資産及び負債の残高を考慮の上、当社グループ全体でのバランスを取ることで、為替リスクの低減化に努めております。また、各社の機能通貨とは異なる通貨建の債権債務や将来発生が見込まれる予定取引等について、それらから発生する為替リスクが将来的に相殺されることも考慮の上、先物為替予約等のデリバティブ取引を利用して為替リスクをヘッジしております。
当社グループが各連結会計年度末において保有する金融商品について、連結会計年度末における為替レートが、米ドルに対して1%円安になった場合に、連結損益計算書の「税引前利益」に与える影響は以下のとおりであります。なお、機能通貨建の金融商品及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含めておりません。また、本分析において、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
税引前利益 |
473 |
△423 |
(ⅱ)金利リスク
当社グループは、主として石油・天然ガス・再生可能エネルギー等の事業に係る変動金利の貸付及び借入から生じる金利リスクを有しており、金利水準の上昇が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、定期的に金利変動による影響を分析の上、金利スワップ等のデリバティブ取引等をはじめとした金利リスクを減じる手段を講じております。但し、かかる手段は当社グループの金利リスクを全てカバーするものではなく、金利の変動が与える影響を完全に取り除くものではありません。
当社グループが各連結会計年度末において保有する金利変動の影響を受ける金融商品について、金利が1%上昇した場合に連結損益計算書の「税引前利益」に与える影響は以下のとおりであります。なお、本分析において、その他の変動要因は一定であることを前提としております。なお、注記「3.重要性のある会計方針 (4)金融商品 ③デリバティブ及びヘッジ会計」、注記「3.重要性のある会計方針 (15)引当金」及び注記「28.金融収益及び金融費用」に記載している資産除去債務の変動によって生じる連結損益計算書への影響低減を目的とした金利スワップ等の値を含んでおります。割引率の変更等に起因して連結会計年度末に発生した資産除去債務の増減額は、対応する資産の帳簿価額がゼロの場合には当該増減額は即時に純損益へと認識された上で、連結損益計算書において売上原価として表示されております。また、対応する資産の帳簿価額が存在することから当該資産の調整として処理されている場合であっても、関連する繰延税金資産の回収可能性がないと判断されている場合には、当該増減額に関連して将来加算一時差異に関する法人所得税費用が即時に計上されております。一方で当該デリバティブによる損益が金融収益及び金融費用に計上されることで、親会社の所有者に帰属する当期利益の変動を低減しているものです。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
税引前利益 |
5,182 |
△15,773 |
(ⅲ)商品価格変動リスク
石油・天然ガスの販売価格等は、商品価格変動リスクに晒されております。当社グループは、必要に応じて実需の範囲内で商品スワップや商品オプション等のデリバティブ取引を行うことにより、商品価格変動リスクをヘッジしております。
商品スワップや商品オプション等のデリバティブ取引は、商品価格の変動によるリスクを有していますが、対象となる現物に係る商品価格の変動によるリスクと相殺されるため、連結損益計算書の「税引前利益」に与える影響は僅少であります。
(ⅳ)有価証券にかかる市場価格の変動リスク
当社グループが保有する有価証券・投資有価証券で、市場価格の変動リスクに晒されているものについては、株価等が定期的に経営会議にて報告されております。なお、株式については、主に当社が中長期的に安定した業務を遂行することを目的に、より緊密かつ円滑な関係を築くために保有している取引先等の株式となっておりますが、一部銘柄については投資目的として保有しております。また、債券については、中長期の資金支出見込みや市場価格変動リスクを考慮し、償還期間の短い債券を中心に保有しております。
当社グループにおける市場価格の変動リスクのエクスポージャー(帳簿価額)は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
市場価格のある資本性金融商品 |
23,836 |
24,969 |
当社グループが各連結会計年度末に保有する資本性金融商品の市場価格が10%下落した場合に、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に与える影響は以下のとおりであります。なお、本分析において、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
その他の包括利益(税効果考慮前) |
△2,383 |
△2,496 |
(2)デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスク、金利リスク及び商品価格変動リスクをヘッジする目的で、金利通貨スワップ取引、為替予約取引、商品スワップ取引及び商品オプション取引を利用しております。
上記のデリバティブ取引の執行管理については、社内規則に従って行っており、市場価格変動リスクに晒されているデリバティブについては、時価を含む月次の取引状況が定期的に経営会議に報告されております。デリバティブの利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、原則格付の高い金融機関との取引に限っております。また、デリバティブ取引の限度額を実需の範囲とする方針であり、投機目的によるデリバティブ取引は行わないこととしております。
デリバティブ資産及びデリバティブ負債はそれぞれ、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」に計上しております。
① 通貨関連
為替リスクや金利リスクを回避する目的で実施している為替予約取引及び金利通貨スワップ取引について、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジ非有効部分について発生しておりません。
② 商品関連
商品価格変動リスクを回避する目的で実施している商品スワップ取引について、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定しております。なお、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の条件が完全に一致しているわけではないことから、その条件の相違により、ヘッジ非有効部分が生じます。前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジ非有効部分については重要性はありません。
ヘッジ手段の詳細は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
契約額 |
うち1年超 |
公正価値 |
平均価格又は 平均レート |
|
|
|
資産 |
負債 |
|||
|
通貨関連 |
|
|
|
|
|
|
為替予約 |
|
|
|
|
|
|
売建 |
|
|
|
|
|
|
米ドル (オーストラリアドル買) |
32,684 |
- |
- |
265 |
0.69 |
|
米ドル/ オーストラリアドル |
|||||
当連結会計年度(2024年12月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
契約額 |
うち1年超 |
公正価値 |
平均価格又は 平均レート |
|
|
|
資産 |
負債 |
|||
|
通貨関連 |
|
|
|
|
|
|
為替予約 |
|
|
|
|
|
|
売建 |
|
|
|
|
|
|
米ドル (オーストラリアドル買) |
104,570 |
43,401 |
183 |
4,113 |
0.65 |
|
米ドル/ オーストラリアドル |
|||||
|
商品関連 |
|
|
|
|
|
|
商品スワップ |
|
|
|
|
|
|
変動売・固定買 |
5,668 |
- |
270 |
- |
14.31 |
|
米ドル/MMBtu |
|||||
キャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益累計額は以下のとおりであります。ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益累計額はありません。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
通貨関連 |
|
|
|
為替予約 |
△185 |
△2,750 |
|
金利関連 |
|
|
|
金利スワップ |
31,358 |
22,263 |
|
商品関連 |
|
|
|
商品スワップ |
△947 |
△2,449 |
|
合計 |
30,224 |
17,062 |
ヘッジ会計の適用による連結損益計算書及び連結包括利益計算書への影響(税引前)は以下のとおりであります。
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
||
|
|
その他の包括利益に 認識されたヘッジ 手段の価値変動 |
キャッシュ・フロー ・ヘッジに係る その他の包括利益 累計額から純損益に 振替えた金額 |
その他の包括利益に 認識されたヘッジ 手段の価値変動 |
キャッシュ・フロー ・ヘッジに係る その他の包括利益 累計額から純損益に 振替えた金額 |
|
通貨関連 |
|
|
|
|
|
為替予約 |
△967 |
850 |
△3,828 |
1,263 |
|
金利通貨スワップ |
△15 |
267 |
- |
- |
|
商品関連 |
|
|
|
|
|
商品スワップ |
△5,247 |
5,492 |
△178 |
366 |
|
合計 |
△6,229 |
6,610 |
△4,007 |
1,630 |
通貨関連の組替調整額は、連結損益計算書の「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」に含まれております。商品関連の組替調整額は、連結損益計算書の「売上収益」及び「売上原価」に含まれております。
ヘッジの中止による組替調整額はありません。
(3)金融商品の公正価値
公正価値で測定する金融商品について、測定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
① 公正価値の算定方法
金融商品の公正価値の算定方法は以下のとおりであります。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
これらは短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。
(貸付金)
短期貸付金については短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。
長期貸付金については元利金の合計額を新規に同様の貸付を行った場合に想定される利率に基づく割引現在価値法により公正価値を算定しております。当該評価技法において割引率を重要な観察不能なインプットとして使用しており、レベル3に分類しております。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
上場株式、国債及び上場投資信託については連結会計年度末の市場価格により公正価値を算定しており、レベル1に分類しております。
社債については金融機関等から提示された価格により公正価値を算定しており、活発な市場における相場価格とは認められないため、レベル2に分類しております。
非上場株式については類似企業比較法により公正価値を算定しております。当該評価技法において非流動性ディスカウントを重要な観察不能なインプットとして使用しており、レベル3に分類しております。
デリバティブのうち、通貨関連取引及び金利関連取引については取引先金融機関から提示された価格により公正価値を算定し、商品関連取引については先物相場により公正価値を算定しております。いずれも活発な市場における相場価格とは認められないため、レベル2に分類しております。
(社債及び借入金)
短期借入金及びコマーシャル・ペーパーについては短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。
社債については日本証券業協会が発表している公社債店頭売買参考統計値により公正価値を算定しております。長期借入金については元利金の合計額を新規に同様の借入を行った場合に想定される利率に基づく割引現在価値法により公正価値を算定しております。いずれも観察可能な市場データを利用して公正価値を算出しているため、レベル2に分類しております。
当社グループは、これらの資産及び負債のレベル間振替を各四半期連結会計期間末に認識することとしております。
② 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。満期又は決済までの期間が短期であること等により、帳簿価額と公正価値が近似又は一致するものは含んでおりません。
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
||
|
|
帳簿価額 |
公正価値 |
帳簿価額 |
公正価値 |
|
償却原価で測定する金融資産 |
|
|
|
|
|
貸付金(注) |
|
|
|
|
|
長期貸付金 |
1,306,529 |
1,306,529 |
1,432,799 |
1,432,799 |
|
合計 |
1,306,529 |
1,306,529 |
1,432,799 |
1,432,799 |
|
|
|
|
|
|
|
償却原価で測定する金融負債 |
|
|
|
|
|
社債及び長期借入金 |
|
|
|
|
|
社債 |
30,000 |
29,239 |
30,000 |
28,837 |
|
長期借入金 |
999,623 |
986,830 |
947,700 |
931,745 |
|
合計 |
1,029,623 |
1,016,069 |
977,700 |
960,582 |
(注) 貸付金には、共同支配企業であるイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)に対する貸付金が含まれており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ1,333,010百万円及び1,467,403百万円であります。このうち、長期貸付金の前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ1,293,985百万円及び1,422,845百万円であります。なお、当社グループは注記「6.企業結合」に記載のとおり、当連結会計年度において東京ガス株式会社が豪州プロジェクト子会社を通じて保有するイクシスLNGプロジェクトの参加権益等(1.575%)を取得しており、上記金額には当該取引に伴うイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)に対する貸付金の引受分が含まれております。
③ 公正価値で測定する金融商品
公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
合計 |
|
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
|
|
|
|
|
その他の金融資産 |
|
|
|
|
|
デリバティブ資産 |
- |
8,162 |
- |
8,162 |
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
||||
|
その他の金融資産 |
|
|
|
|
|
株式 |
13,054 |
- |
21,220 |
34,274 |
|
債券 |
120,871 |
20,251 |
- |
141,122 |
|
その他 |
10,782 |
- |
- |
10,782 |
|
合計 |
144,707 |
28,413 |
21,220 |
194,342 |
|
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 |
|
|
|
|
|
その他の金融負債 |
|
|
|
|
|
デリバティブ負債 |
- |
913 |
- |
913 |
|
合計 |
- |
913 |
- |
913 |
当連結会計年度(2024年12月31日)
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
合計 |
|
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
|
|
|
|
|
その他の金融資産 |
|
|
|
|
|
デリバティブ資産 |
- |
6,988 |
- |
6,988 |
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
||||
|
その他の金融資産 |
|
|
|
|
|
株式 |
14,804 |
- |
20,673 |
35,478 |
|
債券 |
135,104 |
34,813 |
- |
169,918 |
|
その他 |
10,164 |
- |
- |
10,164 |
|
合計 |
160,074 |
41,802 |
20,673 |
222,550 |
|
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 |
|
|
|
|
|
その他の金融負債 |
|
|
|
|
|
デリバティブ負債 |
- |
30,270 |
- |
30,270 |
|
合計 |
- |
30,270 |
- |
30,270 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において、公正価値レベル1とレベル2の間の重要な振替は行われておりません。
④ 評価プロセス
レベル3に分類された金融商品については、経営管理部門責任者により承認された評価方針及び手続きに従い、外部の評価専門家又は適切な評価担当者が評価及び評価結果の分析を実施しております。評価結果は経営管理部門責任者によりレビューされ、承認されております。
⑤ レベル3に分類された金融商品に関する定量的情報
レベル3に分類された金融商品(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産)の定量的情報は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
|
区分 |
評価技法 |
観察不能なインプット |
範囲 |
|
その他の包括利益を通じて 公正価値で測定する金融資産 |
類似企業比較法 |
非流動性ディスカウント |
30% |
当連結会計年度(2024年12月31日)
|
区分 |
評価技法 |
観察不能なインプット |
範囲 |
|
その他の包括利益を通じて 公正価値で測定する金融資産 |
類似企業比較法 |
非流動性ディスカウント |
30% |
非流動性ディスカウントの下落(上昇)により、公正価値は増加(減少)します。なお、観察不能なインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に見込まれる公正価値の増減は重要ではありません。
⑥ レベル3に分類された金融商品の増減表
レベル3に分類された金融商品(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産)の期首から期末までの変動は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
期首残高 |
17,204 |
21,220 |
|
その他の包括利益に認識された利得及び損失 |
3,326 |
△287 |
|
購入 |
801 |
500 |
|
売却 |
△112 |
△499 |
|
その他 |
- |
△259 |
|
期末残高 |
21,220 |
20,673 |
その他の包括利益に認識された利得及び損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に計上されております。
(4)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当社グループは、主に良好な取引関係の維持、事業の円滑な推進及び事業機会の創出を図る目的で保有している株式について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に指定しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の市場性のある主な銘柄及び公正価値は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
銘柄 |
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
石油資源開発㈱ |
7,472 |
8,093 |
|
東京瓦斯㈱ |
3,687 |
4,977 |
|
日揮ホールディングス㈱ |
1,125 |
909 |
活発な市場における公表価格がないその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、主に石油・天然ガス関連分野への投資であり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ21,220百万円及び20,673百万円であります。
当社グループは、資産の効率化や取引関係の見直し等を目的としたその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の一部売却等により、認識を中止しております。
各連結会計年度において、認識を中止した時点の公正価値、累積利得又は損失及び受取配当金は以下のとおりであります。
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
||||
|
公正価値 |
累積利得又は損失 |
受取配当金 |
公正価値 |
累積利得又は損失 |
受取配当金 |
|
8,383 |
△3,590 |
360 |
759 |
143 |
- |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、認識を中止した場合に、その他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失を利益剰余金に振り替えております。利益剰余金に振替えたその他の包括利益の累積利得又は損失(税効果考慮後)は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ△5,594百万円及び118百万円であります。
(5)金融商品の譲渡
当社グループは、保有している債券の一部について無担保債券貸借取引を行っております。無担保債券貸借取引では、債券から生じる利息相当を受け取る権利は当社グループにあり、債券の価格変動リスク及びカウンターパーティーリスクは当社グループが負っております。これらのような債券について、金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから、当該資産の認識の中止を行っておりません。このような債券を、当連結会計年度末において、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に46,430百万円計上しております。
32.担保資産
当社グループは、共同支配企業であるイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)を借入人とするプロジェクトファイナンス契約に関して、借入契約の担保として資産を差入れております。担保に供している当社グループの資産は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
現金及び現金同等物 |
27,171 |
32,902 |
|
営業債権及びその他の債権 |
23,348 |
28,955 |
|
棚卸資産 |
23,740 |
17,598 |
|
その他の流動資産 |
1,729 |
10,836 |
|
石油・ガス資産 |
1,676,625 |
1,843,915 |
|
無形資産 |
2,072 |
10,692 |
|
持分法で会計処理されている投資 |
533,304 |
708,238 |
|
貸付金(非流動) |
1,145,513 |
1,300,103 |
|
その他の非流動資産 |
2,505 |
2,698 |
|
合計 |
3,436,010 |
3,955,941 |
当該プロジェクトファイナンス契約に基づく借入金を含むIchthys LNG Pty Ltdの金融負債については、注記「34.持分法で会計処理されている投資」における同社の要約財務諸表に記載しております。
当該プロジェクトファイナンス契約を除き、当社グループが共同支配企業を借入人とする借入契約等に関して担保に供している資産は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
現金及び現金同等物 |
1,651 |
2,745 |
|
その他の金融資産(流動) |
183 |
160 |
|
持分法で会計処理されている投資 |
31,607 |
35,573 |
|
貸付金(非流動) |
5,112 |
5,267 |
|
その他の非流動資産 |
- |
1,123 |
|
合計 |
38,554 |
44,870 |
33.重要な子会社及び共同支配事業
(1)主要な子会社
主要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。
(2)重要な非支配持分がある子会社
当社グループには、重要な非支配持分がある子会社はありません。
(3)共同支配事業
当社グループは、100%出資子会社のINPEX Ichthys Pty Ltdにおいて、石油・天然ガス上流事業に取り組んでおり、同社を通じ、オーストラリア連邦西オーストラリア州において、イクシスガス・コンデンセート田(WA-50-L/WA-51-L鉱区)の67.82%の権益をオペレーターとして保有し、パートナーのTotal Energies等と共にジョイント・オペレーションを運営しております。
34.持分法で会計処理されている投資
(1)関連会社に対する投資
当社グループにとって個々に重要性のある関連会社はありません。個々には重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
帳簿価額合計 |
27,690 |
26,926 |
個々には重要性のない関連会社の当期包括利益の持分取込額は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
当期利益に対する持分取込額 |
29 |
189 |
|
その他の包括利益に対する持分取込額 |
256 |
△828 |
|
当期包括利益に対する持分取込額 |
285 |
△639 |
(2)共同支配企業に対する投資
① 重要な共同支配企業
当社グループにとって重要性のある共同支配企業は以下のとおりであります。
|
名称 |
主要な事業の内容 |
所在地 |
主要な事業場所 |
当社グループの持分割合(%) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
||||
|
Ichthys LNG Pty Ltd |
オーストラリア連邦西オーストラリア州沖合WA-50-L鉱区における石油・天然ガスのパイプラインを通じた輸送事業及び液化・販売事業 |
オーストラリア連邦西オーストラリア州 |
同左 |
66.245 |
67.82 |
当社は、子会社であるINPEX Holdings Australia Pty Ltdを通じて、Ichthys LNG Pty Ltdの議決権の過半数を自己の計算において所有しておりますが、Total Energies EP Ichthys Holdingsとの株主間協定書に基づき、重要事項の決議は両社の同意が必要となることから、Ichthys LNG Pty Ltdを持分法適用の共同支配企業としております。
Ichthys LNG Pty Ltdの要約財務諸表は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
流動資産 |
181,515 |
190,843 |
|
うち、現金及び現金同等物 |
56,705 |
70,447 |
|
非流動資産 |
4,327,813 |
4,682,335 |
|
資産合計 |
4,509,328 |
4,873,178 |
|
流動負債 |
329,796 |
390,668 |
|
うち、金融負債(営業債務及びその他の債務並びに引当金を除く)(注)1 |
256,507 |
334,138 |
|
非流動負債 |
3,253,100 |
3,322,959 |
|
うち、金融負債(営業債務及びその他の債務並びに引当金を除く)(注)1 |
2,984,451 |
2,981,486 |
|
負債合計 |
3,582,896 |
3,713,628 |
|
資本合計 |
926,432 |
1,159,550 |
|
資本合計のうち当社グループの持分 |
613,715 |
786,406 |
|
連結調整(注)2 |
△80,410 |
△78,168 |
|
投資の帳簿価額 |
533,304 |
708,238 |
(注)1 金融負債には、当社グループからの貸付金に対応する借入金が含まれております。当該貸付金については、注記「31.金融商品 (3)金融商品の公正価値 ②償却原価で測定する金融商品」に記載しております。また、当該貸付金はプロジェクトファイナンス契約に基づくものであり、当社グループは借入契約の担保として資産を差入れております。担保に供している当社グループの資産については、注記「32.担保資産」に記載しております。
2 連結調整は、主にIchthys LNG Pty Ltdで資産化している借入コストの調整等であります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
売上収益 |
1,000,838 |
947,941 |
|
減価償却費及び償却費 |
△120,664 |
△130,885 |
|
受取利息 |
8,786 |
8,740 |
|
支払利息 |
△338,740 |
△169,002 |
|
法人所得税費用 |
△43,385 |
△58,754 |
|
当期利益 |
59,203 |
139,023 |
|
その他の包括利益 |
△5,839 |
△9,089 |
|
当期包括利益 |
53,364 |
129,934 |
|
当社グループが受け取った配当金 |
- |
- |
Ichthys LNG Pty Ltdでは、プロジェクトファイナンス契約において、株主への資金還元は、元利返済後の資金の十分性等の条件を満たした場合に限り、劣後ローンの返済または配当の形で株主への資金還元が可能となります。なお、劣後ローンの返済はプロジェクトファイナンス契約の完済後に加速的に進む見通しとなっております。
② 個々には重要性のない共同支配企業
個々には重要性のない共同支配企業に対する投資の帳簿価額は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
帳簿価額合計 |
190,909 |
212,910 |
個々には重要性のない共同支配企業の当期包括利益の持分取込額は以下のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
当期利益に対する持分取込額 |
△20,859 |
11,384 |
|
その他の包括利益に対する持分取込額 |
1,078 |
△3,739 |
|
当期包括利益に対する持分取込額 |
△19,780 |
7,645 |
共同支配企業に対する投資の一部について、前連結会計年度27,807百万円の減損損失を認識し、連結損益計算書の「持分法による投資損益」に計上しております。また、当該減損損失は上記表の「当期利益に対する持分取込額」に含めております。
35.関連当事者
(1)関連当事者との取引
当社グループと関連当事者との取引は以下のとおりであります。なお、当社と当社グループの子会社との取引は連結財務諸表上消去されているため、開示しておりません。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
種類 |
名称 |
関連当事者取引の内容 |
取引金額 |
未決済金額 |
|
共同支配企業(当該共同支配企業の子会社を含む) |
Ichthys LNG Pty Ltd |
貸付金の回収(注)1 |
149,179 |
1,333,010 |
|
金融資産の事後測定関連収益(注)2 |
116,507 |
|||
|
利息の受取(注)1 |
73,224 |
4,393 |
||
|
債務保証(注)3 |
74,407 |
- |
||
|
製品の販売(注)4 |
228,313 |
21,731 |
||
|
その他(重要な影響力を有する株主が議決権の過半数を所有している会社等) |
独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 |
債務被保証(注)5 |
102,464 |
- |
|
支払保証料(注)5 |
1,065 |
267 |
||
(注)1 貸付利率は、市場金利を勘案して合理的に決定しております。
2 認識の中止を伴わない償却原価で測定する金融資産の条件変更及び見積将来キャッシュ・フローの改訂等から生じた利益について、IFRS第9号「金融商品」に基づき金融資産の事後測定関連収益として計上しております。
3 債務保証は、金融機関からの融資に対して保証したものであり、債務保証の取引金額は連結会計年度末現在の当社分の保証残高であります。
4 製品の販売は、独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っております。
5 債務被保証は、金融機関からの融資に対して保証を受けたものであり、保証額に基づき算定した保証料を支払っております。なお、債務被保証の取引金額は連結会計年度末現在の独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構分の保証残高であります。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
種類 |
名称 |
関連当事者取引の内容 |
取引金額 |
未決済金額 |
|
共同支配企業(当該共同支配企業の子会社を含む) |
Ichthys LNG Pty Ltd |
金銭の貸付(注)1 |
74,283 |
1,467,403 |
|
貸付金の回収(注)1 |
86,908 |
|||
|
金融資産の事後測定関連収益(注)2 |
14,813 |
|||
|
利息の受取(注)1 |
98,924 |
4,059 |
||
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債務保証(注)3 |
108,022 |
- |
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製品の販売(注)4 |
222,523 |
28,955 |
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その他(重要な影響力を有する株主が議決権の過半数を所有している会社等) |
独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 |
債務被保証(注)5 |
89,761 |
- |
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支払保証料(注)5 |
884 |
179 |
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(注)1 貸付利率は、市場金利を勘案して合理的に決定しております。なお、当社グループは注記「6.企業結合」に記載のとおり、当連結会計年度において東京ガス株式会社が豪州プロジェクト子会社を通じて保有するイクシスLNGプロジェクトの参加権益等(1.575%)を取得しており、上記金額には当該取引に伴うイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)に対する貸付金の引受分が含まれております。
2 認識の中止を伴わない償却原価で測定する金融資産の条件変更及び見積将来キャッシュ・フローの改訂等から生じた利益について、IFRS第9号「金融商品」に基づき金融資産の事後測定関連収益として計上しております。
3 債務保証は、金融機関からの融資に対して保証したものであり、債務保証の取引金額は連結会計年度末現在の当社分の保証残高であります。
4 製品の販売は、独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っております。
5 債務被保証は、金融機関からの融資に対して保証を受けたものであり、保証額に基づき算定した保証料を支払っております。なお、債務被保証の取引金額は連結会計年度末現在の独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構分の保証残高であります。
(2)主要な経営幹部に対する報酬
当社の主要な経営幹部に対する報酬は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
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報酬及び賞与 |
693 |
587 |
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株式報酬 |
52 |
48 |
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合計 |
746 |
635 |
36.キャッシュ・フロー情報
財務活動から生じた負債の変動は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
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(単位:百万円) |
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2023年 1月1日 残高 |
キャッシュ ・フローを 伴う変動 |
キャッシュ・フローを伴わない変動 |
2023年 12月31日 残高 |
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在外営業 活動体の 換算差額 |
新規リース |
その他 (注) |
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短期借入金 |
5,556 |
20,121 |
1,681 |
- |
- |
27,358 |
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長期借入金 |
1,234,692 |
△300,704 |
65,636 |
- |
- |
999,623 |
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社債 |
30,000 |
- |
- |
- |
- |
30,000 |
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リース負債 |
89,224 |
△20,119 |
4,641 |
4,084 |
10,635 |
88,465 |
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合計 |
1,359,472 |
△300,703 |
71,958 |
4,084 |
10,635 |
1,145,448 |
(注) その他の増減には、リース負債の見積りの変更に伴う影響等が含まれております。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
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(単位:百万円) |
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2024年 1月1日 残高 |
キャッシュ ・フローを 伴う変動 |
キャッシュ・フローを伴わない変動 |
2024年 12月31日 残高 |
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在外営業 活動体の 換算差額 |
新規リース |
その他 (注) |
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短期借入金 |
27,358 |
△23,230 |
2,102 |
- |
- |
6,230 |
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コマーシャル・ペーパー |
- |
79,980 |
- |
- |
- |
79,980 |
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長期借入金 |
999,623 |
△143,330 |
91,406 |
- |
- |
947,700 |
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社債 |
30,000 |
- |
- |
- |
- |
30,000 |
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リース負債 |
88,465 |
△24,160 |
7,226 |
1,199 |
835 |
73,568 |
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合計 |
1,145,448 |
△110,740 |
100,736 |
1,199 |
835 |
1,137,480 |
(注) その他の増減には、リース負債の見積りの変更に伴う影響等が含まれております。
37.コミットメント
石油・ガス資産、その他の有形固定資産及び無形資産の取得に関して契約上確約している重要なコミットメントは以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (2023年12月31日) |
当連結会計年度 (2024年12月31日) |
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石油・ガス資産 |
345,352 |
322,941 |
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その他の有形固定資産 |
6,242 |
83 |
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無形資産 |
30 |
68 |
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合計 |
351,624 |
323,093 |
当社及び一部の子会社は、LNG等に関して購入契約を締結しております。購入契約の残高は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ934,169百万円及び1,006,181百万円であります。購入契約の残高は、発効済の契約上定められている供給数量及び供給単価に基づき算出しておりますが、供給数量及び供給単価に変動要素が含まれる場合には当社の最善の推定値を用いております。
また、当社グループはイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)に対して劣後ローン契約を行っております。劣後ローン枠の金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1,347,802百万円及び1,503,186百万円であり、劣後ローン枠の貸付実行残高は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1,138,872百万円及び1,297,742百万円であります。
38.偶発債務
当社は、共同支配企業が金融機関から受けている融資に対して保証を行っており、前連結会計年度及び当連結会計年度における当社分の保証金額は、それぞれ112,071百万円及び145,123百万円であります。なお、上記金額には共同支配企業であるイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)に対する保証残高を含んでおります。詳細については、注記「35.関連当事者」に記載しております。
当社グループの子会社である株式会社INPEX北カスピ海石油(当社出資比率51%)が7.56%の権益を保有するカザフスタン共和国北カスピ海沖合鉱区プロジェクトのオペレーターであるNorth Caspian Operating Company N.V.(以下「オペレーター」という。)は、2022年12月にカザフスタン共和国アティラウ州環境局より環境関連法規に違反しているとして行政指示違反の通知書を受領しました。
オペレーターは上記行政指示違反の通知書を不服とし、カザフスタン共和国アスタナ行政裁判所に提訴しました。同裁判所は2023年6月にオペレーター側の主張を認め、一審判決で当局側の訴えが棄却されたものの、2024年2月27日に一審判決を覆し当局側の訴えを認める二審判決が下されましたが、判決を不服としてカザフスタン最高裁判所に上訴しました。連結財務諸表の承認日現在においてもカザフスタン最高裁判所にて係争中です。
また、株式会社INPEX北カスピ石油は、その他プロジェクトパートナーと共にカザフスタン共和国と生産分与契約におけるコスト回収等に関する仲裁の手続きを実施しております。本仲裁手続きに関連し、2024年4月初旬にカザフスタン共和国より仲裁の申し立て書(Statement of Claim)を受領し、連結財務諸表の承認日現在においても仲裁の手続きが進行しております。
上記訴訟及び仲裁の推移によっては当社グループに金銭的負担が生じる可能性がありますが、その影響額の見積りは困難であります。
39.後発事象
該当事項はありません。
① 当連結会計年度における半期情報等
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中間連結会計期間 |
当連結会計年度 |
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売上収益(百万円) |
1,190,861 |
2,265,837 |
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税引前中間利益又は税引前利益(百万円) |
713,216 |
1,298,811 |
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親会社の所有者に帰属する中間(当期)利益(百万円) |
212,586 |
427,344 |
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基本的1株当たり中間(当期)利益(円) |
169.26 |
345.31 |
② 訴訟
当社グループに関する重要な訴訟については、連結財務諸表「連結財務諸表注記 38.偶発債務」に記載のとおりであります。