当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
1.会社の経営の基本方針
当社グループは「暮らしと社会の明日を紡ぐトーア紡」を経営理念とし、トーア紡クオリティの追求と新しい
価値の創造、環境負荷の低減に積極的に取り組むことを通じて、モノづくりの伝統を未来へつなげることを基本
方針としております。
そして社会に貢献し、必要な存在として認められる企業集団となり、常に自らも成長・発展し続ける「暮らし
と社会の明日を紡ぐ企業」として、事業の永続性を確かなものとする努力をしております。
2.経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(1)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループ創立100周年の節目でスタートしました前中期経営計画(2022-2024年度)につきましては、不安
定な国際情勢、急激な為替の変動や原材料高などによる原価上昇といった困難な状況の中、収益力の向上を実
現し、計画を達成することができました。
新中期経営計画(2025-2027年度)「TOA FG2027」につきましては、更なる成長に向け、挑戦し続ける企業グル
ープを目指し「収益力向上への継続的挑戦」と「挑戦し続ける組織風土の醸成」を成長テーマとして掲げてお
ります。
基幹5事業(衣料・インテリア産業資材・エレクトロニクス・ファインケミカル・不動産)は、収益力
向上のため環境変化への対応力を強化し、またヘルスケアをはじめとする将来の成長事業は、それぞれの
基盤を確立させることにより、グループ全体において「事業基盤の強化」の実現を目指します。
新中期経営計画の達成に向け下記の5点を基本戦略とし取り組んでまいります。
1.強い事業基盤確立へ、各事業で新たな取り組みに積極的に挑戦
各事業部門において新販路、新商材でのシェア拡大により収益の柱を増築し、事業内ポートフォリオを新
構築することで環境変化への対応力を強化します。
2.持続的な成長に資する積極的な設備投資の継続
積極的に設備投資を実施した前中期経営計画と同等の投資を実施し、継続的な収益力向上の基盤を確立い
たします。
3.人材の充実、従業員全員が活躍できる仕組みづくり
ビジネスを取り巻く環境変化が激しく、従業員の価値観も多様化するなかで、トーア紡グループ従業員の
誰もが安心できる、働きがいのある環境を再構築し、挑戦し続けられる組織風土を目指します。
4.持続的でバランスの取れた財務戦略の実施 ~ 株主還元・成長投資・財務体質改善
財務体質の改善を進めつつ、投資と資金調達の最適化により成長投資と安定的かつ継続的な配当の引き上
げを実施してまいります。
5.環境への配慮、社会に向けたサステナビリティへの取り組み
トーア紡グループでは、5つのマテリアリティ「脱炭素社会の実現・環境負荷低減・循環型社会の実現・
ダイバーシティ&インクルージョン・アメニティの追求」を特定し、企業価値の向上と持続可能な社会実
現に貢献してまいります。
なお、中期経営計画の詳細につきましては、令和7年2月13日に発表いたしました「中期経営計画の策定に
関するお知らせ」をご覧ください。
当社グループの目標値を次のように設定しております。
(単位:百万円)
|
|
令和7年12月期 |
令和8年12月期 |
令和9年12月期 |
|
売上高 |
19,500 |
20,400 |
21,300 |
|
営業利益 |
800 |
900 |
1,000 |
|
経常利益 |
730 |
810 |
870 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
500 |
520 |
730 |
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
国際情勢による景気減速リスクや、インフレ進行による個人消費の落ち込み等、不透明な環境下ではありま
すが、事業基盤の強化に取り組み、計画達成に向けて進めていきます。
このような状況下、中期経営計画の初年度(令和7年12月期)の目標達成に向け各事業分野において以下の取
り組みを進めてまいります。
・衣料事業
トランプ大統領就任による保護貿易主義への世界的な傾斜の懸念など、予断を許さない経済環境のもと、第
二次となる中期経営計画がスタートしました。次の世代への基盤を固めるべく、下記の課題に取り組んでいき
ます。
1.盤石な生産基盤の構築
設備投資、人の配置等の最適化、外注工場との協力関係の深化等を推し進め、強固な生産体制作りに注力
します。
2.DXの推進
DXによる各工程の見直しや業務フローの改善、見える化による迅速な情報の共有化等、業務変革を徹底的
に推進していきます。
3.海外拠点の活用
強みである既存の中国、東南アジアの拠点について、製造拠点としてのみならず、商品開発、それに伴っ
た市場創造の側面から有効活用し、新領域への展開を実現します。
4.発信力の強化
非ウール素材、環境配慮型商品、高付加価値商品の開発を、部門の枠を超え横断的に推し進めることで総
合力の強化に努め、揺るぎないTOABOブランドの確立を目指します。
・インテリア産業資材事業
インテリア産業資材事業は以下の4つの戦略を推し進めていきます。
1.生産の効率化
国内、中国子会社とも生産性の向上を図るため、既存設備の改修・改造・新規設備の導入に取り組み、生産の効率化を進めていきます。
2.活況のある分野への営業活動
既存の自動車産業向け、土木向けだけでなく、新分野への積極的な営業活動を行います。
3.積極的な設備投資の継続
ポリプロファイバー部門、カーペット部門、不織布部門、工場内インフラ整備等、必要なところへの設備投資を継続していきます。
4.環境に配慮したものづくりの継続
排水設備処理の効率化、工場での電力、燃料の低炭素化、産官学共同研究によるリサイクルカーボンの連続繊維化を目指します。
・エレクトロニクス事業
昨年度は、主力の電動工具向けコントローラーについては、得意先の在庫調整が完了して通常生産となった
ことで受注が回復しました。産業機器関連向けパワー半導体については回復基調にはありますが、まだ弱含みです。
このような状況を踏まえて、主要分野において以下の施策を推進していきます。
1.ACコントローラー分野の取り組み
現行機種の生産効率を向上させるとともに、園芸用途を含めた新機種の獲得に努めます。
2.電子デバイス分野の新規商材開拓
現行の産業機器用パワー半導体に加えて、韓国での車載アクセサリー用途向けの電子部品の販売を開始します。
3.成長分野の販売強化
ロボット向けの減速機用機構部品、眼鏡用の偏光レンズフイルムの販売強化を行います。
4.新規分野の開発推進
医療用途のEMS導電ベルト、コントローラーの開発に着手し、EMS導電ベルトについて2025年の販売を目指します。
・ファインケミカル事業
持続的な成長軌道をより確かなものとするために、今期より始動する新中期経営計画に沿った次の重要施策
を着実に推進していきます。
1.電子材料分野の強化
電子材料分野においては、AI半導体、データセンター、情報電子機器など多種多様な市場拡大が見込まれます。引き続き生産能力増強の成長投資に軸足を置くとともに、プロセス改良やDXによる生産性向上も実現し、収益力を高めます。
2.新規顧客の開拓
保有する独自技術を駆使し、電子材料分野で新たな顧客の開拓に注力します。
3.環境負荷低減への貢献
将来の脱炭素社会への貢献を目指し、環境負荷低減を実現する新製法の開発や、再生可能エネルギーの調達、LNG転換への取り組みを加速させます。
・不動産事業
資産の有効活用と安定収益確保のため、以下の4つの重点施策を進めていきます。
1.事務所賃貸の収益性向上
事務所賃貸については、設備のリニューアルを継続的に行うことで、オフィス環境の満足度を高め、魅力あるオフィスビルとして稼働率と収益性の向上に努めます。
2.商業施設の付加価値の維持向上
商業施設については、稼働率と収益性を高めるため、計画的に設備更新を行い付加価値の維持向上を図ります。
3.老朽化した施設のリニューアルの検討
老朽化した施設については、新規テナント誘致のため、リニューアルなど新たな投資を検討していきます。
4.SDGsを意識した資産活用
保有森林の維持管理などSDGsを意識した資産の活用を促進し、環境負荷低減への貢献を図ります。
当社グループは、創業者の訓示である「顧客満足」「重点主義」「公平性」を脈々と受け継ぎ、人々そして
暮らしの「アメニティ=快適・ここちよさ」を追求する「暮らしと社会の明日を紡ぐ」企業グループであり続けるという理念のもと、以上のような取り組みを通じて持続的な成長と企業価値の向上に尽力していきます。
また、法令順守や危機管理を一層徹底するため、「トーア紡グループ企業行動憲章」のさらなる定着と実践を推進し、より実効性のある内部統制の整備、運用に取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
当社グループは、SDGsへの取組みの中で「脱炭素社会の実現」、「環境負荷低減・循環型社会の実現」、「ダ
イバーシティ&インクルージョン」、「アメニティの追求」の5つを重要課題として特定し、環境や社会への配
慮を意識した事業活動を通じて、それに対応した仕組みや商品を生み出すことで経済に貢献し、企業価値の向上
と持続可能な社会の実現を目指します。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、創業者岩井勝次郎翁の訓示である「顧客満足」「重点主義」「公平性」を脈々と受け継ぎ、
人々そして暮らしの「アメニティ=快適」を追求する企業グループを目指し、「暮らしと社会の明日を紡ぐ」とい
うグループ理念を掲げております。また、グループのすべての役員及び社員が遵守すべき事項を「トーア紡グルー
プ企業行動憲章」として定めております。これらの指針の下、毎月開催される取締役会並びに経営会議において、
サステナビリティに関する課題について継続的に議論を行っております。
また、社内の各担当部門は、取締役会からの諮問に対する答申の他、サステナビリティに関する個別の課題につ
いての討議を行い、その内容を定期的に経営会議に報告、その後、取締役会にて承認を得る体制を取っておりま
す。
<トーア紡グループ企業行動憲章>
|
トーア紡グループの構成員である我々は、次に掲げる倫理規範を共有し、企業活動におけるあらゆる局面において、高い倫理観と社会的良識をもって行動することにより、社会からの信頼を得るとともに、トーア紡グループの持続的発展を期す。
1.消費者・顧客のニーズを把握し、社会的に有用な製品・サービスを安全性や個人情報・顧客情報の保護に十分配慮して開発、提供し、消費者・顧客の満足と信頼を獲得する。 2.公正、透明、自由な競争ならびに適正な取引を行なう。また、政治、行政との健全かつ正常な関係を保つ。 3.株主はもとより、広く社会とのコミュニケーションを行い、企業情報を積極的かつ公正に開示する。 4.従業員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現する。 5.環境問題への取組みは人類共通の課題であり、企業の存在と活動に必須の要件であることを認識し、自主的、積極的に行動する。 6.「良き企業市民」として、積極的に社会貢献活動に取り組む。 7.市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは断固として対決する。 8.国際的な事業活動においては、国際ルールや現地の法律の遵守はもとより、現地の文化や慣習を尊重し、相互信頼を基盤とした事業活動を行なう。 9.経営トップは、本憲章の精神の実現が自らの役割であることを認識し、率先垂範の上、社内に徹底するとともに、トーア紡グループ企業や取引先に周知させる。 10.万一緊急事態が発生した場合には、経営トップ自らの指揮の下、速やかに事実調査、原因究明を行い、企業としての責任ある適切な対応方針・施策を打ち出す。 |
(2)リスク管理
「
ステナビリティに関するリスク管理を行っております。
(3)戦略と指標及び目標
①人的資本
<採用及び人材の育成指針>
当社グループは、グループ企業行動憲章4.「従業員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、安全で働き
やすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現する。」という理念の下、以下の取組みを進めていきます。
1.安定的な新卒定期採用の継続による人員の最適化と次世代への技術継承
2.高度専門技能を有する人材の積極採用
3.積極的な女性社員の採用と社内からの登用による女性の基幹職※比率、管理職比率の向上
※基幹職:管理職と総合職を指す
4.次世代を担う優秀な若手人材の育成
5.基幹職及び管理職として活躍する多様な人材の育成
<基幹職・管理職における女性比率の目標>
当社グループは2030年度末までに女性社員の活躍推進のため、女性の総合職比率、管理職比率の向上に
取り組んでまいります。なお、対象となる会社は、提出会社および当社グループの主要な事業を運営する東
亜紡織株式会社、トーア紡マテリアル株式会社、大阪新薬株式会社の4社です。
1.基幹職に占める女性の割合
2024年12月末 15.6%(20名/128名)
2030年12月末 25.0%(35名/140名)
2.管理職に占める女性の割合
2024年12月末 6.3%( 5名/ 79名)
2030年12月末 15.0%(12名/ 80名)
<教育・研修体系>
当社グループは、社員を人的資本である「人財」と位置づけ、社員一人ひとりの能力やスキル向上を育む研修
制度と安全で働きやすい職場環境を確保するための職場教育を行なってまいります。
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区分 |
内定 |
入社 |
入社2~ 5年程度 |
中堅社員 |
管理職 |
|
|
OJT |
- |
OJT |
- |
|||
|
OFF-JT |
階層別 研修 |
e-learning |
新入社員 研修 |
若手社員 研修 |
中堅社員 研修 |
管理職研修 |
|
その他 研修 |
- |
コンプライアンス研修 |
||||
|
確定拠出型年金投資教育 |
||||||
|
- |
海外研修 |
- |
||||
|
職場別 研修 |
安全・衛生、品質管理、技術継承等 |
|||||
②気候変動
当社グループは、グループ企業行動憲章5.「環境問題への取組みは人類共通の課題であり、企業の存在と
活動に必須の要件であることを認識し、自主的、積極的に行動する。」という理念の下、二酸化炭素の排出量
削減を目的とし、以下の取組みを進めていきます。
1.燃料転換
2.再生可能エネルギーの導入
3.LCAを意識した商品の開発、技術開発
4.DXによる設備最適化制御でエネルギー消費を削減
5.省エネルギー活動の推進
カーボンニュートラルに向け2030年度二酸化炭素排出量を原単位で2013年度比46%削減を目標とし、グルー
プ全体で活動をしていきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成
績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおり
であります。また、当社グループは、これらのリスクを認識した上で、事態発生の回避及び発生した場合の迅速な対
応に努めてまいります。
なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであ
ります。
1.有利子負債への依存度
当社グループの有利子負債残高の純資産に対する比率は以下のとおりであります。
|
|
純資産(百万円) |
有利子負債残高(百万円) |
対純資産比率(%) |
|
令和2年12月末 |
10,814 |
12,381 |
114.5 |
|
令和3年12月末 |
11,360 |
11,778 |
103.7 |
|
令和4年12月末 |
11,738 |
12,250 |
104.4 |
|
令和5年12月末 |
12,530 |
12,902 |
103.0 |
|
令和6年12月末 |
13,418 |
12,869 |
95.9 |
(注)「対純資産比率」は、連結貸借対照表の「純資産合計」から「非支配株主持分」を控除した数値を分母として算出しております。
今後、有利子負債の圧縮を進めてまいりますが、現在の金利水準が大きく変動した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
2.カントリーリスク
当社グループは、海外の企業と輸出入取引を行っております。また、中国、ベトナムに生産拠点を有しており、当社グループが事業展開している国や地域において、不利な影響を及ぼす法令・規制等の変更や政治・経済・社会情勢等に起因した予期せぬ事態が発生した場合、債権回収や事業継続が困難になるリスクを負っております。このようなリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
3.為替変動リスク
当社グループは、国内外において外貨建て取引を行っております。外貨建て取引に対しては、為替変動のリスクを軽減するために為替予約によるヘッジを行っております。しかしながら、為替レートが大幅に変動した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の連結子会社や持分法適用会社の経営成績は、連結財務諸表作成において円換算されるため、換算時の為替レートにより円換算後の価値が大幅に変動し、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
4.購入原料の変動リスク
当社グループの主力事業である衣料事業及びインテリア産業資材事業の原料は、国際商品市況(原油相場・羊毛相場)の影響を受けやすく、それら原料の供給量や価格が大幅に変動した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
5.市場環境に関するリスク
当社グループの製品の多くは他社製品と競合しております。したがって、競合他社との競争が激化し市場環境が悪化した場合には、販売数量の減少や販売価格の下落を通じて当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
6.与信リスク
当社グループは、当社の信用管理制度のもとに、取引先別に限度額を設定するなど与信リスクを最小限にするための対応策をとっております。また、過去の貸倒実績率等に基づき、貸倒引当金を計上して、売上債権の不良化による損失に備えております。しかしながら、政治的混乱や深刻な景気後退・金融不安等により重要な取引先が破綻した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
7.製品の欠陥等(訴訟リスク)
当社グループは、所定の品質管理基準に従って、衣料品・カーペット・自動車内装材・化成品・半導体商品等の
各種製品を国内外で生産しており、製造物責任賠償保険に加入しております。しかしながら、重大な製品の欠陥等が発生し、その賠償額が保険でカバーできない場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
8.不動産の下落リスク
当社グループは、事業の構造改善に伴う工場跡地や建物等、不動産を相当量保有しております。その多くは「土地の再評価に関する法律」に基づき事業用の土地の再評価を行い(平成12年12月31日)、評価差額に係る税金相当額を「繰延税金負債」として負債の部に計上しておりますが、地価がさらに大幅に下落した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
9.自然災害や事故等のリスク
当社グループは、国内外の各地で生産活動を主とした企業活動を行っております。地震などの自然災害あるいは火災などの事故によって、当社グループの製造拠点等の設備や商品に壊滅的な被害を被った場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
10.コンプライアンスリスク
当社グループは、「コンプライアンス委員会」を設置し、法令順守のみならず、役員・従業員が共有すべき倫理観、順守すべき倫理規範等を「トーア紡グループ企業行動憲章」として制定し、当社グループにおける行動指針の順守並びに法令違反等の予防に努めております。しかしながら、役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
11.情報システム管理に関するリスク
当社グループは、情報伝達や基幹業務支援など事業全般においてコンピュータシステム及びITネットワークを活用しております。「情報システム管理規程」等を定め、情報セキュリティの強化、バックアップ体制の構築、機器の高性能化等、システムトラブル対策を講じておりますが、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による情報資産の漏洩、また、事故や自然災害等によりシステムが機能不全となる可能性を完全に排除することはできません。かかる事態が発生した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
12.感染症によるリスク
当社グループは、国内外の各地で生産活動を主とした企業活動を行っております。生産拠点である工場において新型コロナウイルスのような大規模な感染症などが発生し、操業等に支障が出た場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキ
ャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産の残高は、34,842百万円(前連結会計年度末は、34,455百万円)となり、387百万円の
増加となりました。その主な要因は、投資有価証券の増加等によるものであります。
当連結会計年度末の負債の残高は、21,415百万円(前連結会計年度末は、21,915百万円)となり、500百万円の減
少となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金および退職給付に係る負債等の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産の残高は、13,427百万円(前連結会計年度末は、12,540百万円)となり、887百万円の
増加となりました。その主な要因は、利益剰余金およびその他有価証券評価差額金の増加等によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要の回復や雇用・所得環境に改善の動きもあり、緩やかな回復基調にありましたが、不安定な国際情勢による景気減速リスクに加え、インフレの進行を背景とした実質賃金の伸び悩みなどにより、個人消費の持ち直しに足踏みもみられました。
このような状況のもと、当社グループは市場ニーズを先取りする高付加価値・高品質商品を提供する「暮らしと社会の明日を紡ぐ企業」として、競争力の強化と収益性の向上に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は18,419百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は687百万円(前年同期比7.4%減)、経常利益は857百万円(前年同期比5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は799百万円(前年同期比39.4%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
[衣料事業]
衣料事業は、各種繊維を原料とする衣料用素材の製造・販売および制服の縫製加工、ニット製品の製造・販売を行っております。
コロナ明けリベンジ消費からの反動で一般衣料の動きが鈍く、計画は上回ったものの前年対比は苦戦を強いられました。
毛糸部門は、残暑の影響で総じて苦戦しましたが、肌着などの軽衣料向けが健闘し、微減収にとどまりました。
ユニフォーム部門のスクール制服向け素材は、継続的な受注増と生産体制の構築による供給力の向上もあり、増収となりました。
官公庁制服向けは調達量の増加により、一般企業向け制服素材は別注案件の獲得により、それぞれ増収となりました。
テキスタイル部門は、前年の暖冬等の影響による得意先の生産調整や、素材の非ウール化により受注が大幅に減少し、減収となりました。
毛糸製造販売を主体とする中国現地法人は、中国国内販売が苦戦し、減収となりました。
この結果、売上高6,513百万円(前年同期比8.8%減)、営業利益315百万円(前年同期比19.4%減)となりました。
[インテリア産業資材事業]
インテリア産業資材事業は、自動車用内装材、住宅建材・排水処理資材・土木資材・緑化資材などさまざまな用途の産業用資材、インテリア関連製品、オレフィン系短繊維の製造および販売を行っております。
自動車内装材部門は、上期に自動車メーカーの認証試験の不正による生産停止の影響を受けて、出荷数量が減少しましたが、下期は回復し増収となりました。しかしながら、原材料価格の高騰分を転嫁しきれずに減益となりました。
ポリプロファイバー部門は、カーペット用原綿が、展示会やイベント向けの需要が増え増収増益となりました。
カーペット部門は、自動車向けが自動車メーカーの認証試験の不正による影響を受け、ホテル・オフィス向けは消費者需要の減少により、生産量が減り減収となりました。
特殊繊維部門は、カーボン繊維、金属繊維とも販売数量が増えたものの、生産効率の低下により増収減益となりました。
不織布部門は、土木関係の受注が減りましたが、防草、寝装関係が順調に推移し、増収増益となりました。
自動車内装材製造販売の中国現地法人は、日系自動車の減産が前年より続いております。また、上期は中国ローカルのEV車メーカーによる生産調整の影響を受けました。下期に入り新規受注もあり回復傾向にあったものの減収減益となりました。
この結果、売上高7,372百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益220百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
[エレクトロニクス事業]
エレクトロニクス事業は、半導体・電子機器の製造および販売を行っております。
主力の電動工具向けコントローラーは、得意先の在庫調整が完了し、生産量が安定した影響により増収となりました。一方で、パワー半導体の販売につきましては、産業機器分野での回復が遅れて減収となりました。
この結果、売上高1,648百万円(前年同期比4.9%増)、営業損失5百万円(前年同期は営業損失39百万円)となりました。
[ファインケミカル事業]
ファインケミカル事業は、ヘルスケア関連薬品、電子材料用および工業用薬品の製造および販売を行っております。
電子材料分野では、IT機器や半導体向けの需要の回復が第3四半期から本格化し増収となりました。ジェネリック医薬分野は、先発メーカー品からの回帰の流れを受け増収となりました。
この結果、売上高1,225百万円(前年同期比4.5%増)、営業利益51百万円(前年同期比5.3%増)となりました。
[不動産事業]
不動産事業は、主に郊外型ショッピングセンター・ロードサイド店舗・オフィスビルの賃貸などを行っております。
売上高は新規テナントの入居が決まり増収となりましたが、販売費の増加により微増益にとどまりました。
この結果、売上高915百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益529百万円(前年同期比0.2%増)となりました。
[その他]
その他の事業は、自動車学校の運営、ヘルスケア商品の販売、洋菓子店の運営などを行っております。
自動車教習事業は、年間を通じ大学生の入校状況が低調で減収となりました。
ヘルスケア事業は、化粧品、健康食品などを販売しております。
主力商品であるフタアミンクリームが、猛暑の影響により得意先の在庫が減らず、秋以降の販売が伸びなかったため減収となりました。
この結果、その他の事業全体の売上高は743百万円(前年同期比10.4%減)、営業損失83百万円(前年同期は営業損失29百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ199百万円増
加し、1,931百万円(前年同期比11.5%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益862百万円を計上しておりますが、主な増加要因としては非資金的支出費用である減価償
却費438百万円および棚卸資産の減少152百万円、主な減少要因としては法人税等の支払額329百万円、売上債権の増加249百万円および仕入債務の減少181百万円等により、営業活動による資金は571百万円(前年同期比37.8%増)の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
定期預金の払戻による収入562百万円および定期預金の預入による支出237百万円、有形固定資産の取得による支
出407百万円等により、投資活動による資金は157百万円(前年同期比73.6%減)の使用となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入れによる収入3,798百万円および長期借入金の返済による支出3,865百万円、配当金の支払額106百万円等
により、財務活動による資金は229百万円(前連結会計年度は230百万円の獲得)の使用となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和6年1月1日 至 令和6年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
衣料事業(百万円) |
2,690 |
119.9 |
|
インテリア産業資材事業(百万円) |
5,785 |
97.5 |
|
エレクトロニクス事業(百万円) |
837 |
137.5 |
|
ファインケミカル事業(百万円) |
962 |
101.1 |
|
合計(百万円) |
10,276 |
105.5 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.不動産事業及びその他は生産活動を行っていないため、上記金額には含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
衣料事業 |
6,235 |
89.3 |
167 |
37.6 |
|
インテリア産業資材事業 |
7,283 |
99.3 |
31 |
107.5 |
|
エレクトロニクス事業 |
1,263 |
66.4 |
343 |
47.2 |
|
ファインケミカル事業 |
1,352 |
140.7 |
258 |
197.3 |
|
合計 |
16,135 |
93.9 |
801 |
60.0 |
(注)1.受注残高には、継続的な取引先からの受注内示は含めておりません。
2.不動産事業及びその他は受注高及び受注残高はありませんので、上記金額には含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和6年1月1日 至 令和6年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
衣料事業(百万円) |
6,513 |
91.2 |
|
インテリア産業資材事業(百万円) |
7,372 |
99.4 |
|
エレクトロニクス事業(百万円) |
1,648 |
104.9 |
|
ファインケミカル事業(百万円) |
1,225 |
104.5 |
|
不動産事業(百万円) |
915 |
100.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
17,675 |
97.1 |
|
その他(百万円) |
743 |
89.6 |
|
合計(百万円) |
18,419 |
96.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
林テレンプ㈱ |
2,141 |
11.2 |
2,156 |
11.7 |
※ 上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客への販売高を集約して記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成
されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。また、この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて
は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産の残高は、11,200百万円(前連結会計年度末は、11,102百万円)となり、98百万円の増加となりました。その主な要因は、電子記録債権および受取手形及び売掛金が増加した一方で、棚卸資産等が減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産の残高は、23,641百万円(前連結会計年度末は、23,352百万円)となり、289百万円の増加となりました。その主な要因は、投資有価証券等の増加によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債の残高は、8,912百万円(前連結会計年度末は、9,126百万円)となり、213百万円の減少となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金等の減少によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債の残高は、12,502百万円(前連結会計年度末は、12,789百万円)となり、286百万円の減少となりました。その主な要因は、退職給付に係る負債および繰延税金負債等の減少によるものであり
ます。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は、13,427百万円(前連結会計年度末は、12,540百万円)となり、887百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金およびその他有価証券評価差額金の増加等によるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、18,419百万円(前連結会計年度は19,042百万円)となり、622百万円の減少となりました。その主な要因は、衣料事業においてコロナ明けのリベンジ消費の反動で一般衣料の需要が低下したことや、得意先での在庫調整の影響等によるものであります。
各セグメント別の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、14,807百万円(前連結会計年度は15,426百万円)となり、619百万円の減少となりました。その主な要因は、売上の減少等によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、2,924百万円(前連結会計年度は2,872百万円)となり、51百万円の増加となりました。その主な要因は、運送コストの増加や人件費が増加したことによるものであります。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、315百万円(前連結会計年度は200百万円)となり、114百万円の増加となりました。その主な要因は、為替差益の増加によるものであります。
また、当連結会計年度の営業外費用は、144百万円(前連結会計年度は132百万円)となり、12百万円の増加となりました。その主な要因は、支払利息の増加によるものであります。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は、40百万円(前連結会計年度は6百万円)となり、33百万円の増加となりました。その主な要因は、投資有価証券売却益の増加によるものであります。
また、当連結会計年度の特別損失は、34百万円(前連結会計年度は304百万円)となり269百万円の減少となりました。その主な要因は、前連結会計年度において減損損失を計上したことや解体撤去引当金繰入額の減少によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は、218百万円(前連結会計年度は276百万円)、法人税等調整額は、△154百万円(前連結会計年度は△337百万円)となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、799百万円(前連結会計年度は573百万円)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の
状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(キャッシュ・フロー指標のトレンド)
|
回 次 |
第21期 |
第22期 |
第23期 |
|
決 算 年 月 |
令和4年12月 |
令和5年12月 |
令和6年12月 |
|
自己資本比率(%) |
35.7 |
36.4 |
38.5 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
9.5 |
11.1 |
10.1 |
|
債務償還年数(年) |
24.9 |
31.1 |
22.5 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
6.1 |
4.5 |
5.4 |
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により計算しております。
|
・自己資本比率(%) |
:自己資本/総資産 |
|
・時価ベースの自己資本比率(%) |
:株式時価総額/総資産 |
|
・債務償還年数(年) |
:有利子負債/営業キャッシュ・フロー |
|
・インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
:営業キャッシュ・フロー/利払い |
2.株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
3.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動による
キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されて
いる負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
d.資本の財源及び資金の流動性
資本の財源については、収益力及び資産効率の向上により確保することを基本としております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料費や製造費用、販売費及び一般管理費、
設備の新設、拡充、改修等に要する設備資金などであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性を確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につき
ましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
e.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度の計画の達成状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
指標 |
計画 令和6年12月期 |
実績 令和6年12月期 |
計画対比 |
|
売上高 |
17,000 |
18,419 |
+1,419 |
|
営業利益 |
630 |
687 |
+57 |
|
経常利益 |
550 |
857 |
+307 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
330 |
799 |
+469 |
衣料事業およびインテリア産業資材事業の業績が好調に推移し、令和6年12月期の計画を達成いたしました。
該当事項はありません。
当社グループは、研究開発部門の基礎研究や外部研究機関との共同研究をベースに、新商品開発・新機能開発に重
点を置き、更に品質向上・地球環境保護のための工程改善等の研究を積極的に行っております。当連結会計年度にお
けるグループ全体の研究開発費は
(1)衣料事業
衣料事業関係では、「安心」「安全」「健康」「快適」「環境」の観点から原料、織物、製品にいたる様々な素材開発に取り組んでおります。
機能加工分野では、現代のライフスタイルに求められるトータルイージーケア素材及び、快適性訴求として、盛夏快適素材、ヘルスケア・ウエルネス向けとして血流促進機能素材、また、衛生意識の高まりを受けて抗菌・抗ウイルス加工の開発も継続して進めております。
紡績・製織分野では、2WAYストレッチ織物、防シワ性織物、高強力・高耐久性織物、抗ピリング性ニット糸の各種機能素材、環境配慮型として天然繊維であるウールと生分解性ポリエステル等の環境配慮型繊維との混紡素材、非フッ素系撥水加工の開発を進めております。また、海外生産における異素材原料を使用した織物の開発等を進めております。
サステナブル分野では、「リデュース・リユース・リサイクル」の3Rを推進し資源の有効活用及び、省エネルギー化を推進し環境への配慮や社会的責任を果たしてまいります。
製品開発としては、ウールエコリサイクル関連グッズの開発等を進めております。
当事業に係る研究開発費は、
(2) インテリア産業資材事業
産業資材関係は、土木資材、防草シート用途向けの高機能、複合化を進めています。
機能資材関係は、抗菌、消臭、抗ウィルス、抗アレルゲンのカーペット、不織布、ポリプロピレン短繊維の開発に取り組んでいます。
自動車内装材では、自動車室内空間の静音性向上のため複合吸音素材の開発、小型車向けには表皮、フェルト一体型カーペットの開発を行っております。
産官学の共同研究開発事業でリサイクルカーボンの連続紡糸製布化事業を行っております。
工場の環境対策として、排水処理システムの変更、重油から都市ガスへのエネルギー転換、ボイラーシステムの変更で二酸化炭素排出量の削減もしております。
当事業に係る研究開発費は、
(3) エレクトロニクス事業
医療用途のEMS導電ベルトとコントローラーの実用化に向けた研究開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は、
(4) ファインケミカル事業
中長期的に成長拡大が見込まれる電子材料分野において、感光性高機能材料の合成研究と工業化プロセスの開発
に注力しております。また環境負荷低減と生産性向上を目的として既存製品の工程改良にも取り組んでおります。
当事業に係る研究開発費は、
(5) その他事業
京都大学発のベンチャー企業と養殖魚の生育や免疫、脂味の向上が期待できる腸内細菌の飼料添加剤としての実用化に向けた研究開発を進めております。その他、神戸大学とパプラール水の植物への高温ストレス、強光ストレスの耐性の研究開発やパプラール水の腸内環境フローラにおける効果の研究を外部機関と連携して研究開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は、2百万円であります。