当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「伸びやかで豊かな企業人を育む環境づくりを目指し、オリジナリティ溢れる技術をベースに製品を開発し、顧客の信頼を得るとともに、社会の発展に貢献する。」という企業理念のもと、「常にユーザーの最新のニーズをキャッチし、最適設計のファスナーとツールを提供することにより、日本で最大の総合ファスニングメーカーを目指す。」ことを企業目標に掲げ、持続的な企業価値の向上を図ってまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
売上高、営業利益、当期純利益を目標の達成状況を判断するための指標としております。
(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、連結決算において2期連続の営業損失となりました。一方で、当連結会計年度における経常利益並びに親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、海外連結子会社の有償減資に伴う為替差益や工場の生産集約に伴う下館工場の譲渡益計上などの営業外収益及び特別利益の計上によるものであります。工場の生産集約等の事業再編に一定の区切りがつき、さらなる合理化の推進及び資材価格等の高騰分についての販売価格への転嫁、不採算品目の整理を進めてきたことの成果が表れつつあり、2025年12月期以降の営業収益改善に繋がるものと見込んでおります。
今後の事業環境につきましては、住宅市場においては少子高齢化や人口減少の進行により中長期的には着工戸数の漸減傾向が続くことが見込まれる一方、民間建設需要はサプライチェーン強化のための国内生産回帰の動きや老朽化したインフラ等の更新需要により底堅く推移することが予想されます。
なお、東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準のうち流通株式時価総額について基準を満たしておりませんでしたが、2024年12月末時点でスタンダード市場のすべての上場維持基準に適合していることを確認しており今後も上場維持に努めてまいります。
(4)経営戦略
上記の経営環境と課題に対する認識のもと、一般建築市場向けも含めた建築・土木市場を成長分野と捉え、継続して製品開発・改良及び用途開発の強化、マーケティングチャネルの整備等により販売拡大に努めてまいります。また、生産体制の再編成による合理化や顧客に信頼して製品を継続して使用していただくため、品質管理体制の強化を図ってまいります。
なお、今後の業績改善への取り組み内容及び業績計画につきましては、中期経営計画を策定し業績回復に努めております。
2025年2月に公表いたしました中期経営計画の概要は、以下のとおりです。
中期経営計画「Next Challenge 2027」(要旨)
[1] 中期VISION
建築用ファスナーのリーディングカンパニーとして、培ってきた技術力・開発力・製品力をベースにコンクリート市場において売上を拡大する。
[2] 今後の成長戦略・方針
縮小傾向である住宅市場向けファスナー事業の収益は堅持しつつ、底堅く中長期的にもインフラ関係の更新需要が堅調に推移すると見込まれ、成長分野である一般建築市場、コンクリート下地市場向けファスナー事業の基盤事業化を図り、以下の施策により収益性の向上を実現してまいります。
① 営業戦略
(Ⅰ) コンクリート下地市場
産学共同研究でねじ式アンカーの設計指針(設計評価式)を確立しさらなる拡販に繋げる。
施策:流通大手販路構築、増加傾向の物流施設への用途拡大、インフラ更新需要への拡販
2027年度販売目標:700百万円
(Ⅱ) デッキ市場(鉄骨下地)
産学共同研究でガスツール使用によるデッキプレート仮留め小径鋲接合について「各種合成構造設計指針」に記載。施工実績の積み上げ及び拡販に繋げていく。
施策:ゼネコンルート(デッキメーカー・指定工事業者)へのスペック・拡販
2027年度販売目標:200百万円
(Ⅲ) 建築改修・リフォーム市場
新設の建築需要が横ばい又は低下の中、需要拡大が進行している建築改修・リフォームに売れ筋商品の拡販を図る。
施策:倉庫、工場等の既存屋根に新しい屋根を重ね葺きする工法用ねじ等、あらゆる下地材(鉄骨・木・コンクリート)に対応するファスナーの拡販
2027年度販売目標:300百万円
② 生産・物流戦略
工場集約による生産再編: 工場部門の実力を最大化し生産性(生産高)向上を図る。
施策:営業戦略に沿った設備投資(当社オリジナル製品の生産能力増強、無人運転、梱包費用削減等)、適材適所への人材配置・育成(多能工)、材料の最適調達、物流システムのDX化
2027年度目標:(Ⅰ)生産金額拡大への追求・・・現行生産高の1.5倍
(Ⅱ)納期短縮・・・全製品 現行納期より3割短縮
(Ⅲ)在庫削減・・・製品・仕掛品2ヵ月分以内
CS向上、販売機会損失の撲滅、原価低減、限界利益率の改善、キャッシュ・フローの向上等の好循環に繋げる。
③ 技術戦略
(Ⅰ) 製品のさらなる性能向上に向けた取り組み
施策:主力製品「ドリルねじ」のドリル刃先のさらなる性能探求
(Ⅱ) 新用途への製品開発
施策:a)変貌する建材への最適製品の提案・供給
b)オリジナル技術製品の用途開発
➣耐震補強、耐震性に優れたファスナーの開発・モデファイ
(Ⅲ) 知的財産の創造
施策:特許・意匠・実用新案出願数増加に向けた取り組み
④ 組織戦略
経営資源(人的)の再編〔効率の良い資源配分〕
・営業や製造に係る直接人員を増強し、間接人員との比率の適正化を図る
・首都圏を中心に営業関連の人員補強(東京・大阪)と営業所の再編
[3] 3ヵ年の計数計画(連結)
中期経営計画最終年度(2027年度)に営業利益300百万円の達成を目指してまいります。
(単位:百万円)
|
2024年度 (実績) |
2025年度 |
2026年度 |
2027年度 |
売上高 |
5,040 |
5,330 |
5,800 |
6,500 |
営業利益 |
△93 |
120 |
200 |
300 |
営業利益率 |
△1.9% |
2.3% |
3.4% |
4.6% |
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス及びリスク管理
当社グループは、リスク管理を経営の重要課題と位置付け、「リスク管理規程」を定め、サステナビリティに関するものを含めたリスクの発生防止及び発生したリスクへの対応に係る管理体制の整備に取り組んでおります。
① 取締役会は、経営リスクに関する早期発見及び活発討議が行われることに努めるとともに「リスク管理規程」を定め、同規程に沿ったリスク管理体制を構築しております。
② 管理部門統括取締役は、取締役会が決定した「リスク管理規程」に基づき、代表取締役社長以下社内取締役、各部門長により構成されるリスク管理委員会を原則年4回開催します。
③ リスク管理委員会では、サステナビリティに関するものを含めたリスクの特定・分析・評価・防止策の決定・モニタリングを各部門と協働して行い、その結果はリスク管理委員会などを通じて各事業所の長であるリスク管理者に共有します。新たに生じたリスクに対しては、当該部門のリスク管理者が危機管理責任者である管理部門統括取締役に速やかに報告し、必要な対策を講じるとともに、重要度に応じて取締役会に報告します。
④ 不測の事態が発生した場合には、必要に応じて、弁護士、公認会計士等を含む外部専門家のアドバイスに基づく迅速な対応を行い、損害の拡大を防止しこれを最小限に留めるよう努めます。
⑤ リスク管理者は、日常からリスクに対する意識を高め、リスクの予防、軽減に努めるとともに、リスク情報があればリスク管理委員会に報告します。
(2)戦略
当社グループは企業理念に「伸びやかで豊かな企業人を育む環境づくりを目指し、オリジナリティ溢れる技術をベースに製品を開発し、顧客の信頼を得るとともに、社会の発展に貢献する。」を掲げており、総人口の減少や少子高齢化、都市インフラの老朽化など建築市場の構造的な変化への対応等、事業活動を通じて社会の期待に応えていくことが、持続可能性(サステナビリティ)を担保し、さらに成長につながる重要な要素であると認識しております。
① 気候変動
当社グループが関連する建築業界が抱える社会課題である施工現場の省力化や建物の長寿命化(耐震・断熱等)に寄与し、また環境負荷を低減した製品を開発・提供することが会社存立の基盤としております。環境負荷の低減という点では有害物質である六価クロムを含まない当社独自の表面処理技術(クロムフリー)である「サスガード」・「エフガード」を推奨しています。製造工程においても豊岡工場において環境マネジメントシステムISO14001 を取得、太陽光発電設備を活用した地域マイクログリッド事業へ参画するなど再生エネルギーの積極活用やエネルギー消費を意識した生産効率の見直し等、環境に与える負荷の低減に取り組んでいます。なお、当社グループはTCFDに基づく開示等は行っておりませんが、Scope1、Scope2のGHG排出量につきましては、必要なデータの収集と分析の取組を加速させ今後評価・開示につきましても検討してまいります。
② 人的資本
当社グループは持続的な成長を実現するために人的資本の最大化に取り組んでおります。人材育成方針及び社内環境整備に関する方針について現在のところ定めたものはありませんが、企業理念に掲げる「伸びやかで豊かな企業人を育む環境づくり」及び社員行動規範の「既成概念にとらわれず、積極果敢に職務を遂行し、常に『挑戦と創造』を追求する」という指針のもと、従業員の目標管理・育成・自己啓発支援及び適切な人事評価運用により会社と従業員を持続的に成長させることを目指しております。また、女性の活躍推進に向けた課題及び解決策の検討、安全衛生管理体制や健康経営などの取組を通じて、社員が心身ともに健全な状態で働きがいを感じられ且つ「自律型人材」の育成を可能とする職場環境の構築に取り組んでおります。
(イ)健康経営の推進
当社グループでは、「従業員の健康維持・増進」と「働き方改革」のへの取組みは不可分一体であるとの認識のもと、従業員の健康管理、所定外労働時間管理の徹底を進めております。定期健康診断の結果による脳疾患・心臓疾患の発症予防のための二次健康診断と特定保健指導を医療施設と提携する仕組みの運用及び所定労働時間外の可視化・分析、ノー残業デーの設定・運用等ワーク・ライフ・バランスの推進とともに健康管理面においても病気の発症による欠員リスクを減らし、就労の定着化を進めることにより労働環境などの向上に繋げていくことを目指しております。
(ロ)両立支援制度を利用しやすい環境整備
従業員の育児や介護と仕事の両立支援制度を利用しやすい環境整備に向け、両立支援制度の周知・促進(出生時育児休業取得の際の特別休暇)や女性従業員の活躍の場を広げる(職域拡大)ための取組みを行っております。在宅勤務等場所にとらわれない働き方に向けての規程整備及びコロナ禍での一部導入実績を踏まえて、在宅勤務に対するネット環境の整備は一通り完了しましたが、本格的な導入に向けての課題や解決策を検討し充実をはかってまいります。
(3)指標及び目標
当社グループの上記「(2)戦略 ②人的資本」において記載した内容に係わる指標及び目標につきましては次のとおりであります。なお、これらの指標及び目標は、当社においては、関連する指標のデータ管理や具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、本項目における指標及び目標並びに実績は連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
指標 |
目標 |
実績(当事業年度) |
育児休業取得率 |
女性の育児休業取得率100%の維持と 男性の取得率30%以上 |
女性 100% 男性 0% |
|
|
|
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)主要販売市場の動向について
当社グループの業績は主要販売分野である住宅業界及び建設業界等の市場動向の影響を大きく受けます。
当社グループといたしましては、各市場動向に対する情報収集の強化をはかり市場動向に迅速に対応するとともに、各市場でのシェア拡大に努めてまいります。
(2)他社との競合状況について
当社グループの属する工業用ファスナー(ねじ、ばね等)分野の製造業者は国内に多数存在しており、ねじ製造業者だけで1,000社以上もあり、さらに中国・台湾等からの輸入品も多く、非常に競争の激しい業界であります。
当社グループといたしましては、独自製品の開発と価格競争力の強化等により、競合他社に対抗してまいります。
(3)製品の品質管理について
当社グループは、製品の品質を重要視しており、豊岡工場においてISO9001の認証を取得する等、品質管理体制には万全を期しております。
しかしながら、当社の予測を超えた事象により製品に欠陥が生じた場合、点検や回収等に伴う費用が発生し、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料の市況変動の影響について
当社グループは、原材料として主に鉄やステンレスの線材並びに帯鋼を使用しております。
鋼材価格の市況変動による影響を軽減するために、生産の合理化、調達先の多様化、製品価格への転嫁等を行っておりますが、市場価格が大幅に変動した場合には業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)中国での事業活動について
当社グループは、自社で企画した製品の一部を海外の協力工場に生産委託しており、その中でも中国の協力工場への委託の比率が高くなっております。このため、以下に掲げるリスクが発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
[中国における経済動向、外交政策、地政学的リスク、法律・税制等の改定、外貨政策・環境政策の動向]
(6)依存度の高い販売先について
当社グループの主な販売先は、住宅メーカー、建材メーカー、販売店等であり、そのなかで売上依存度が最も高い販売先は、積水ハウス株式会社であります。
当連結会計年度における同社への売上高は1,385百万円で、当社グループ全体の売上高の27.5%を占めており、今後の同社との取引動向によっては業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)為替の変動について
当社グループは、自社で企画した製品の一部を海外の協力工場に生産委託し輸入を行っており、また、外貨建資産を保有しております。為替相場が大幅に変動した場合は業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)借入金利の変動について
当社グループは、金融機関等からの借入金にて資金調達を行っており、金利情勢が大幅に変動した場合は業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9)自然災害及び感染症によるリスクについて
当社グループは、兵庫県の工場をはじめとして国内外に事業所や協力工場等があり、その所在地において、大規模な地震等の自然災害が発生した場合に生産体制、営業活動及び原材料等の調達に支障が生じ、業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症等の感染症の発生及び拡大により、原材料等の調達、生産体制の維持、製品の安定供給やサプライチェーンに支障をきたし、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。感染拡大時においては、在宅勤務や時差出勤、WEB会議システムの活用など事業活動への影響の低減に努めてまいります。
(10)情報セキュリティに関するリスクについて
当社グループは、業務効率向上のために生産管理、販売管理及び会計等のシステムを使用しており、これらの機密情報の運用管理について、情報セキュリティに関する各種規程を整備し、VPN接続、ファイアウォール及びウイルス対策ソフトの導入等により対策を講じておりますが、サイバー攻撃や不正アクセス、コンピュータウイルスの感染その他の不測の事態により機密情報の滅失、社外漏洩及び情報システムの一定期間の停止等のリスクを完全に排除できるものではなく、これらの事態が発生した場合には当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は5,040百万円(前期比1.3%減)、営業損益は、93百万円の損失(前期は125百万円の損失)、経常損益は、在外連結子会社の有償減資に伴う為替換算レートの差異による為替差益の発生等により、366百万円の利益(前期は44百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損益は、下館工場の譲渡による固定資産売却益331百万円及び2021年12月に譲渡した中国現地子会社の瑕疵担保責任に伴う支払補償費102百万円の特別損益の計上等により、509百万円の利益(前期は108百万円の損失)となりました。
なお、当社グループは建築用ファスナー及びツール関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。
財政状態の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末における財政状態は以下のとおりです。
資産合計は前連結会計年度末に比べ1,674百万円減少の5,785百万円となりました。これは現金及び預金の減少516百万円、電子記録債権の減少227百万円及び有形固定資産の減少832百万円が主な要因であります。
負債合計は前連結会計年度末に比べ610百万円減少の3,481百万円となりました。これは繰上償還による新株予約権付社債の減少549百万円及び長期借入金の減少97百万円が主な要因であります。
純資産合計は前連結会計年度末に比べ1,063百万円減少の2,303百万円となりました。これは中間配当による資本剰余金の減少317百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加430百万円、自己株式の増加797百万円及び為替換算調整勘定の減少502百万円が主な要因であります。
これらの結果、当連結会計年度の経営指標につきましては、流動比率152.3%、自己資本比率39.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、期首に比べ501百万円減少の1,620百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、キャッシュ・フローは233百万円の収入(前期は257百万円の収入)となりました。これは主に売上債権の減少及び仕入債務の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、キャッシュ・フローは956百万円の収入(前期は485百万円の収入)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、キャッシュ・フローは1,772百万円の支出(前期は119百万円の支出)となりました。これは主に新株予約権付社債の償還、自己株式の取得及び配当金の支払等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
前年同期比(%) |
建築用ファスナー及びツール関連事業(千円) |
2,963,142 |
123.2 |
(注)1.当社グループの報告セグメントは「建築用ファスナー及びツール関連事業」の単一セグメントであります。
2.金額は、販売価格で表示しており、外注加工分を含んでおります。
ロ 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
前年同期比(%) |
建築用ファスナー及びツール関連事業(千円) |
2,118,859 |
98.5 |
(注)1.当社グループの報告セグメントは「建築用ファスナー及びツール関連事業」の単一セグメントであります。
2.金額は、販売価格で表示しております。
ハ 受注実績
当社グループは、主に過去の販売実績及び販売見込等による見込生産を行っているため、該当事項はありません。
ニ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を市場区分ごとに示すと、次のとおりであります。
市場区分 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
前年同期比(%) |
住宅市場(千円) |
2,265,144 |
95.3 |
一般建築市場(千円) |
2,774,089 |
101.6 |
その他(千円) |
1,331 |
116.8 |
合計(千円) |
5,040,565 |
98.7 |
(注)1.当社グループの報告セグメントは「建築用ファスナー及びツール関連事業」の単一セグメントであります。
2.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
積水ハウス㈱ |
1,402,827 |
27.5 |
1,385,969 |
27.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
当連結会計年度における日本経済は、インバウンド需要の増加や企業の価格転嫁が進む中、雇用・所得環境に改善傾向が見られ、緩やかな回復基調となりました。一方で、不安定な国際情勢や円安の長期化等に伴うエネルギー価格の高止まりや物価の上昇、国内外の金融政策等の動向による為替の変動等、依然として先行き不透明な状況であります。
当社グループの業績に関係の深い建設・住宅業界におきましては、民間設備投資は持ち直しの動きが継続したものの、新設住宅着工戸数は減少傾向が続いており、鋼材等をはじめとする建築資材価格の高止まりや人手不足等の影響により、業界を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。
このような状況の中、当社は自社の原価低減努力だけでは賄いきれない資材価格等の高騰分については販売価格への転嫁に努めるとともに、提案型営業の推進やマーケティングチャネルの整備等を中心に営業体制の強化を進めました。また、工場生産の集約化等により生産及び物流体制の再編成を進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、既存取引先における複数社購買への方針変更の影響等もあり、5,040百万円(前期比1.3%減)となり、営業損益は、エネルギー価格の高止まりや諸資材価格の度重なる上昇の影響及び売上高不足等を要因とした工場稼働率の低下により原価率が上昇したこと等から、93百万円の損失(前期は125百万円の損失)となりました。経常損益は、在外連結子会社の有償減資に伴う為替換算レートの差異による為替差益の発生等により、366百万円の利益(前期は44百万円の損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損益は、下館工場の譲渡による固定資産売却益331百万円及び2021年12月に譲渡した中国現地子会社の瑕疵担保責任に伴う支払補償費102百万円の特別損益の計上等により、509百万円の利益(前期は108百万円の損失)となりました。
(財政状態の分析)
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては次のとおりであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための費用、販売費及び一般管理費等の営業費用や、生産設備等への設備投資であります。
これらの資金需要に対応するための財源は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金により調達することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入及び社債の発行等により調達していく考えであります。
③ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この作成にあたっては、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されている会計方針に基づき処理しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたり採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状
況」「1 連結財務諸表等」「(1)連結財務諸表」「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況」に記載のとおりです。
当連結会計年度においては、2024年12月期の業績目標であった連結売上高5,000百万円、連結営業損失35百万円、連結経常利益410百万円、親会社株主に帰属する当期純利益540百万円に対し、実績は連結売上高5,040百万円、連結営業損失93百万円、連結経常利益366百万円、親会社株主に帰属する当期純利益509百万円となり、連結売上高は目標を上回ったものの、連結営業利益、連結経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の各項目は目標を下回る結果となりました。当社といたしましては早期に営業赤字を脱却し、目標数値達成に向けて取り組んでまいります。
(2025年度の業績目標)
連結売上高 5,330百万円
連結営業利益 120百万円
連結経常利益 100百万円
親会社株主に帰属する当期純利益 85百万円
(1)技術援助等を受けている契約
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
日本パワーファスニング㈱(当社) |
イリノイ・ツール・ワークス社 |
米国 |
建設用ファスナー及びツール(コンクリート市場用、スチール市場用、ウッド市場用、各ライセンス製品並びに商標) |
輸入・ライセンス(製造・販売)契約 |
2009年1月1日から2011年12月31日まで以後3年ごとの自動更新 |
(2)事業提携契約
該当事項はありません。
当社グループは、主に建築用のファスニング製品及び締結工具の分野において、長年培ってきたファスニング技術を活かし、耐久性・施工性に優れた製品の開発や高耐食性・環境保全に貢献する表面処理技術の開発など、付加価値の高い製品の研究開発に取り組んでおります。
研究開発体制といたしましては、開発・マーケティング部門を中心に、お客様のニーズにスピーディに対応できる体制を構築しております。
ファスニング製品の分野におきましては、主力製品である「ドリルねじ」の重要部分である、ドリル刃先の更なる性能向上に取り組んでおります。また、新用途を想定したねじ固定式アンカーのアンカーネジ部のショートサイズの開発等を行っており、採用実績化に引き続き取り組んでおります。
建築用締結工具(ツール)の分野におきましても、施工現場において省人化・省力化として市場ニーズに応えるべくウルトラガスツールの作業性向上を検討し、また、溶接熟練工不足や火災予防のニーズに応えるべくガス式鋲打ち機を使った新たな施工方法の提案をゼネコンに継続して行うとともに取引先業者様との共同開発に引き続き取り組んでおります。
今後もこれまで培ってきた技術をベースに、お客様のニーズにかなった製品や表面処理を含めた付加価値の高い製品の開発・改良を中心に進め、より社会に貢献できる安心・安全な製品開発に向け、当社グループの総力を挙げて積極的に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は