文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは昨年、創業65周年を機に理念体系を整理いたしました。
従来のコーポレートスローガンであった「PROTECT×CHANGE」を企業精神(スピリット)とすることで、「守るべきものは守り、変えるべきものは変える。」という企業姿勢をグループ全役職員が体現し、変化し続ける事業環境に対して柔軟に対応し、企業価値を高めてまいります。
そして、創業時代からの社訓を新規にグループインした企業や海外従業員にも分かりやすく伝えられるように行動指針として表現しております。
これらに沿って当社グループの社会に対する存在意義(パーパス)である「世界の環境課題を技術とアイデアで解決し、世界の人々の生活を支える」を実践することで、企業使命(ミッション)である「環境を守る。未来を変える。」をグループ一丸となって達成してまいります。
なお、企業理念の体系図は以下の通りとなります。

(2) 目標とする経営指標
当社グループでは2025年3月11日に、2027年度を最終年度とする新たな中期経営計画を策定いたしました。
設定した数値目標は以下のとおりであります。
なお、詳細につきましては、2024年3月11日に公表いたしました「中期経営計画(2025-2027)」をご参照下さい。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
今後の世界経済及び日本経済は、国際情勢の不安定化やエネルギー・原材料価格の高騰が続くと予想されます。また、少子高齢化の進行に伴う国内市場の縮小、新築住宅着工数の減少、大規模災害の増加など、当社グループを取り巻く事業環境は引き続き厳しい状況が想定されます。一方で、環境保護や持続可能な開発への意識が国際的に高まり、新興国市場の需要も急速に拡大しております。
このような環境の中、2024年1月より大亀裕貴が代表取締役社長に就任し、新経営体制がスタートしておりましたが、それに伴い今般、新たな中期経営計画(以下「新中計」)を策定いたしました。
従来の中期経営計画は2025年度を最終年度としていましたが、売上目標を2024年度に1年前倒しで達成したことを受け、新中計を2025年度から新体制のもとで運用することといたしました。
新中計では、従来からの企業精神「PROTECT×CHANGE」(守るべきものは守り、変えるべきものは変える)を基盤としつつ、資本効率の向上を重視し、ROEやROIC(投下資本利益率)を経営の重要指標としてまいります。限られた経営資源を最適に配分し、収益力と資本効率の両立を図ることで、変化に柔軟に対応しながら以下の重点施策を推進していきます。
■ 「国内の浄化槽メーカー」から「グローバルな水ビジネスプレイヤー」へ
日本において60年近く試行錯誤を続けて培ってきた数々の公衆衛生技術に磨きをかけ、世界の国々に技術移転することで、日本の当たり前の安全安心を、世界の日常にしてまいります。その中心はインドであり、インドにおいて試行錯誤して作り上げたモデルを元に市場のポテンシャルが高く、水インフラへの要求が高い途上国に進出してまいります。
■ グローバル展開に向けた日本国内事業の基盤強化
・環境機器関連事業では今までスポットでの受注となっていた長期大規模修繕工事などについて当社から積極的に提案営業を行っていくことで、ストックビジネスをさらに拡大させ、安定した利益成長を図ります。
・住宅機器関連事業では、中核事業として利益追求を進めるため、「モノを売る」という卸売のモデルから「課題解決を売る」というソリューション型に転換を図り、利益基盤を増強いたします。
■ 再生可能エネルギー事業の拡大
「環境」をテーマにした新規事業として、200か所を超える発電所の運営によって培ったノウハウをもとに市場成長率の高い「グリーンデータセンター」事業に成長のための投資を行ってまいります。
また、長く愛媛県内において実証実験を進めていたバイオディーゼル燃料事業につきましても、再エネ事業における重点分野として強化してまいります。
当社は、持続的な成長と社会的責任の両立を図り、株主やお客様をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼され、選ばれる企業であり続けることを目指してまいります。
また、グローバルな視点で社会課題の解決に取り組み、事業を通じて国際社会への貢献を果たすとともに、企業価値のさらなる向上と持続可能な社会の実現に向けて全力を尽くしてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
サステナビリティ全般
(サステナビリティ基本方針)
当社グループが「世界の環境課題を技術とアイデアで解決し、世界の人々の生活を支える」というパーパスを根幹としてESG経営を実現していくためには、グループ全体で長期的な視野を持ち、事業を通じた環境及び社会課題の解決と、社会の一員としての責任のある事業活動が両輪となった企業活動を行っていかなければならないと考えています。
(マテリアリティ(重要課題)の特定)
創業当初より、当社グループは時代の変化に応じて、環境課題の解決に関わる取り組みを行ってまいりました。非財務情報の整理には様々なフレームワークがある中、当社グループは「SDGsウェディングケーキモデル」の概念図をもとに、マテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。
お客様への製品・サービスの提供に加え、事業を通じて環境課題を解決するために当社グループでは、7つのマテリアリティ(重要課題)に紐づくそれぞれの目標に取り組むことで、サステナビリティ経営を推進してまいります。
なお、当社で掲げたそれぞれのマテリアリティ(重要課題)は、次のとおりであります。

※マテリアリティ(重要課題)の詳細な目標につきましては、以下掲載の当社ウェブサイトをご参照ください。
上記のマテリアリティ(重要課題)は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の17の開発目標やGRI等、国際的なイニシアチブを参考に抽出・特定しており、特定の詳細なプロセスは以下のとおりであります。

当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、総合リスク対策委員会において行っており、「リスク管理規程」及び「コンプライアンス規程」をリスク管理の基礎として定めております。それらの規程に基づき、総合リスク対策委員会を開催しております。総合リスク対策委員会により、内在するリスクの把握や各リスクの状況に関して継続的なモニタリングを行い、法令違反や不正行為等の早期発見と未然防止に努めております。
また、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、総合リスク対策委員会がサステイナビリティ委員会と連携して、より詳細な検討を行う方針としております。
人的資本・多様性
(1) 戦略
当社グループにおける多様性の確保を含む人材の育成の方針及び社内環境整備に関する基本的な考え方は以下のとおりであります。
当社グループでは、成長戦略の原動力である人材マネジメントを最重要事項と位置付け、人的資本経営の実践に向け、継続的に取組を行っているとともに、企業にとって「人」こそ最も重要な資本であり、その価値を最大限に引き出すことが企業価値の向上に繋がると考えております。
人的資本は重要な経営資本であると考えており、経営戦略と連動した人材戦略を進めるため、「働きがい」と「働きやすさ」のバランスを重視した施策を推進し、従業員一人ひとりの持つ力を最大限に引き出し、企業の成長に繋げてまいります。
■施策概念図

また、当社グループにおいては、ますます重みを増す人的資本の課題に関して、人事部門だけではなく経営層もともに取り組むことで、経営戦略と人事戦略がそれぞれが独立することなく、ミッションを基軸にしっかりと結束させ、企業としての持続可能な収益構造の構築を目指しております。
この戦略を通じて、従業員一人ひとりがグループスピリットにのっとり、状況に合わせて積極的に考え方や手法を変化させるとともに、パーパスである創業時からの伝承されている技術力や培ってきたクリエイティビティを発揮することで、ミッションの達成に向けて企業として更なる成長を図ります。
(2) 指標及び目標
当社グループでは、上記「(1) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。これらリスクの発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意下さい。
環境機器関連事業が参入している市場は競争が激しい状況にあり、各企業は製品提供力に対して更なる競争を強いられ、常に新製品及び技術の開発が求められております。新製品の開発過程は複雑かつ不確かなものであり、業界の変化し続ける需要及び傾向を的確に予想することが困難であります。適切な製品の開発ができなかった場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが属する環境機器関連業界は、業界内での競争激化が進んでいることから、多様な顧客のニーズへの対応ができるように、絶え間のない技術革新及びコスト削減が求められます。当社グループでは事業活動における顧客との信頼関係をベースに技術革新、コスト削減に努めてまいりましたが、今後、急速に技術革新が行われたり、顧客のニーズが変化した場合又は業界内部での価格競争が激化する等の事態が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、仕入及び販売活動の一部を海外において実施しております。当社が事業展開を行う各国において、今後、予期しない法律又は規制・税制の変更、政治又は社会経済状況の変化、伝染病や大規模災害等の発生、テロ・戦争等の政情不安等により、原材料等の購入、生産及び製品の販売等に遅延や停止が生じる可能性があります。このような場合、当社グループの事業活動に支障が生じることにより、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
海外子会社の売上、費用、資産及び負債等の現地通貨建項目は、当社の連結財務諸表において円換算されております。これらの項目は現地通貨の価値が変わらなかったとしても、換算時の為替レートによって円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、中長期を見据えた継続的な成長のために、既存事業の拡大や新規事業への参入を目的としたM&Aを選択肢の一つとしております。
M&Aの実施にあたりましては、対象企業の財務、法務、ビジネス面等について、外部専門家の助言を含めた詳細なデューデリジェンスに加え、当社グループとのシナジー効果等を考慮した将来価値の測定について十分な検討を実施することにより、各種リスクの低減に努めております。
しかしながら、当初想定したシナジー効果や事業拡大の効果が得られない場合やM&A対象会社の業績不振によりのれんに係る減損損失が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日本国内のみならず事業展開する各国において様々な法的規制を受けており、日本国内においては「建設業法」「浄化槽法」「水質汚濁防止法」「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」「消防法」「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」等の各種法規制に服しております。本書提出日現在これら法的規制の違反はなく、法的規制の遵守に努めておりますが、将来、当社グループの事業に関連する新たな法的規制の成立又は既存の法的規制の改正・強化等が行われた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、国際的に認知されている品質管理基準に従って製品を製造しておりますが、将来にわたって全ての製品に欠陥がなく製造物賠償責任請求及びリコール等に伴う費用が発生しないという保証はありません。当社の事業所で国際品質規格「ISO」の認定を受ける等、品質には慎重を期しておりますが、万一、当社の製品に不良があり、それが原因で事故等が発生した場合には、当社が製造物責任を問われ、結果として当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社が販売する衛生陶器、ユニットバス及びシステムキッチンをはじめとする住宅機器関連商材については設立当初より主にTOTO株式会社から仕入れており、住宅機器関連事業の商品及び材料の仕入総額に占める同社の比率は、当連結会計年度において26.8%(前連結会計年度は30.2%)となっております。
同社製品は、他社のそれと比較してもラインナップが豊富であり、品質的にも優れていることから、当社の販売戦略上将来的にも同社製品を取扱う予定であります。
しかしながら、今後何らかの要因により安定した供給が受けられなくなった場合等において、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内及び国外で様々な事業活動を行っており、事業活動を推進していく上で国内及び国外で訴えや損害賠償請求を受けたり、その他の係争の対象となることがあります。これらの訴訟・係争等が発生した場合、その動向及び結果によっては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(環境機器関連事業)
国内外に複数の製造拠点を有しており、地震等予測不能の自然災害が発生し、製造の継続が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(住宅機器関連事業)
売上の大部分は中国・四国エリアに集中しており、地震等予測不能の自然災害が発生し、中国・四国エリアの営業拠点や取引先が被災した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(再生可能エネルギー関連事業)
当社グループは国内外の幅広い地域に複数の運転中又は建設中の発電所を有しています。今後、地震等予測不能の自然災害が発生し、売電の継続が困難となった場合には、長期間にわたる操業の停止や発電所等の設備の大規模な修繕が必要となる等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらの自然災害に対しては、発生した場合の迅速な初期対応や、業務を早期に復旧継続させることを目的とした事業継続計画を策定し、事業継続マネジメントに取り組んでおります。また、外的な環境の変化と内部の体制の変化に合わせて運用のしくみを継続的に強化するとともに、事業継続計画の見直し・改善案を整理するふりかえりを実施してブラッシュアップを図っております。
(10) 感染症等の影響について
当社グループは、新型コロナウイルス感染症等の重大な感染症の発生及び感染拡大による影響が長期化、深刻化した場合、市況の悪化や国内外サプライチェーンの停滞、当社グループ事業活動の停滞等、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有する固定資産について、資産の収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなる場合があります。これに伴い「固定資産の減損に係る会計基準」に規定される減損損失を認識するに至った場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、運転資金及び設備投資資金を金融機関からの借入金等により調達しております。現在は、主に固定金利に基づく借入金により資金を調達しているため、一定期間においては金利変動の影響は軽微であります。しかしながら、今後総資産に対する有利子負債の比率が高い状態で金利が上昇した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、運転資金の効率的な調達を行うために取引先金融機関と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しておりますが、コミットメントライン契約に基づく借入金については以下財務制限条項のいずれかに抵触した場合に期限の利益を喪失する場合があります。
(財務制限条項)
①借入人は、コミットメント期間が終了し、かつ、借入人が貸付人及びエージェントに対する本契約上の全ての債務の履行を完了するまで、2023年12月期末に終了する決算期以降の決算につき、各決算期の末日における貸借対照表(連結ベース)の純資産の部の金額を直前の決算期末日における貸借対照表(連結ベース)の純資産の部の金額の75%の金額以上に維持することを確約する。
②借入人は、コミットメント期間が終了し、かつ、借入人が貸付人及びエージェントに対する本契約上の全ての債務の履行を完了するまで、2023年12月末に終了する決算期以降の決算につき、各決算期の末日における損益計算書(連結ベース)上の経常損益につき、2期連続して損失を計上しないことを確約する。
当社グループが保有する株式等は、株式市況の動向などにより時価が変動するため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2005年7月にダイキ株式会社(現、DCM株式会社)の全額出資子会社として設立された後、2005年10月にダイキ株式会社から環境機器関連事業、住宅機器関連事業及びBDF(バイオディーゼル燃料)関連事業を分割承継し、事業を開始しました。その後、2005年11月に当社全株式は当社代表取締役会長である大亀裕、ベンチャーキャピタル及び取引銀行に譲渡され、現在、当社とDCM株式会社との間に資本的関係はございません。取引関係については、当社は本社並びに一部の支店をDCM株式会社から賃借しているほか、グループとして以下の関係にあります。
当社グループは、住宅商材等の製商品をホームセンター事業を営むDCMホールディングス株式会社、DCM株式会社及び株式会社ケーヨーなどの関係会社(以下、「DCMグループ」といいます。)に販売するとともに、DCMグループの設備維持管理も一部請け負っております。当連結会計年度における当社グループの売上総額に占めるDCMグループの比率は12.1%(前連結会計年度は11.6%)となっております。
当社は、近年のリフォーム需要の高まりとともに、リフォーム業者をはじめとしたプロ用商材へのニーズが一層増加していくものと考えております。そのため、当社グループの販売戦略としてDCMグループとの取引は重要であると認識していることから、将来的にも取引を継続する予定であります。なお、価格その他の取引条件は、一般取引条件と同様に決定しております。
また、2018年度より全国のDCMグループ既存店舗との間で屋根賃貸借契約を締結し、店舗の屋根を利用した太陽光発電に係る売電事業を行っております。
当社グループは、DCMグループとの間で良好かつ継続的な取引関係の構築に努めてまいりますが、今後何らかの要因により取引関係等に支障をきたした場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは一定の要件を満たす工事案件について、履行義務の進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識しております。
当該収益は、工事原価総額を基礎として連結会計年度末までの実際発生原価額に応じた工事進捗度に工事収益総額を乗じて計上しております。
工事案件ごとに継続的に工事原価総額や工事進捗度の見直しを実施する等適切な原価管理に取り組んでおりますが、それらの見直しが必要になった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、このリスクに対応するため、工事原価総額の見積りの精度向上を図り、適宜決算に反映するようにしております。
(16) 情報セキュリティについて
当社グループは、業務効率向上のため、受注・生産・販売・会計等の基幹システムや人事情報システムを有しており、これらの情報システムと機密情報の運用管理について、情報セキュリティに関する基本方針を適宜見直しており、その順守とセキュリティレベルの確保に継続的に取り組んでおります。しかしながら、このような取り組みにもかかわらず予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、コンピュータウイルスの感染その他の不測の事態により、機密情報の滅失、社外漏洩並びに情報システムの一定期間停止等のリスクを完全に排除できるものではありません。そのような事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、定期的に従業員に教育を実施するなどリスクの低減に注力しており、継続的なセキュリティ対策への投資と体制強化を行い、情報セキュリティの維持・管理に努めてまいります。
(17) 人材の確保について
国内における少子高齢化や働き方の価値観は急速に変化しており、人材の確保・育成の状況によっては経営計画の実行が難しくなることで当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、継続的な事業運営のために人材の確保・育成を進めるために、以下を初めとした様々な取組を進めております。
■公平性を高めるための評価制度の導入
年齢・性別に関係なく社員が適切な評価を受けることが出来る環境を整えるため、2021年に新たな評価制度を導入いたしました。試行錯誤を続けながらではありますが、制度の定着に向けて人事部を主導とした取組を行っています。
■働きやすい職場環境作り
ワークライフバランスの向上やさまざまなライフスタイルへの対応を目的として、テレワーク規程の制定や時短勤務の導入、男性育児休業取得推進、副業制度の導入などを行っています。
■入社後のサポート
各部署でのOJTや、大学との共同研修などを初めとし、異なるバックグラウンドや価値観を持つ社員同士が互いに尊重し合い、協力できる、心理的安全性の高い環境を築くために人権・ハラスメント対策の研修なども行っています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、長期化する国際情勢の不透明感がエネルギー資源の供給・価格変動リスクの高まりなどにも影響し、継続的に物価は上昇しております。また、日本国内におきましては公共・民間の投資は堅調に推移しているものの、2023年度の新築住宅着工戸数は前年から減少している状況などに鑑みると、高止まりする建設関連コストによる投資意欲の低下が懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
しかしながら、世界的に見ても水資源の保全や脱炭素社会実現に向けた取り組みへの意識は高まっており、「環境を守る。未来を変える。」という当社グループの企業使命を果たすことが企業価値の向上のみならず、世界の環境課題解決につながることを改めて認識しております。
このような状況のもと、現中期経営計画「PROTECT×CHANGE」において定めた以下の成長戦略を着実に推進することで引き続き企業価値の向上を図ってまいりました。
なお、2025年度を最終年度とする現中期経営計画において目標としていた売上高450億円は1年前倒しで達成いたしましたが、原価等のコストにつきましては計画の策定段階における前提と現在の状況が大きく乖離していることに鑑みて、2025年度を初年度とする新たな中期経営計画を策定いたしました。
概要は以下掲載の当社ウェブサイト(ダイキアクシス中期経営計画(2025-2027)説明会書き起こし記事・動画公開のお知らせ)をご参照ください。
当連結会計年度における売上高は468億18百万円(前年同期比9.7%増)及び売上総利益は102億17百万円(前年同期比15.2%増)となりました。
販売費及び一般管理費は91億68百万円であり、前年同期比11.7%増となりました。その主な増加要因及びそれらによって期待される効果等は次のとおりであります。
*1 2023年4月より定期昇給と合計して平均約5%の上昇率にて実施
*2 下記2社を前第1四半期連結会計期間末より連結の範囲に含めています。
株式会社メデア:再生可能エネルギー関連事業(太陽光発電事業)の強化
株式会社アドアシステム:住宅機器関連事業(空調設備工事)の強化
なお、国内外の経営環境が引き続き不透明な状況にあるなか、当連結会計年度の売上・利益ともに前年・当初計画を大きく上回る結果となりました。こうした高水準の業績を達成できたのは、従業員が一丸となって成長戦略に取り組んだ成果であると認識しております。そこで、従業員への成果還元とモチベーション向上を図るために通常の達成率で使用している支給月数を越えた月数での支給を行うことを決定いたしました。
長期的に企業価値を高めるためには人的資本への投資が不可欠であると考えており、教育研修等を含め今後も継続的に強化してまいります。
これらの結果、営業利益は10億48百万円(前年同期比58.8%増)となり、経常利益は11億41百万円(前年同期比36.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億52百万円(前年同期比71.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
本事業セグメントでは、家庭から排出される生活排水を浄化して河川等に放流する「浄化槽」や産業排水を浄化するための「排水処理システム」の開発・設計・製造・施工・販売・メンテナンスを幅広く手掛ける総合水処理メーカーとして、様々な情報を製品開発にフィードバックすることができる循環型のサービス体制を構築して展開しております。
上記の下水事業だけでなく、排水を再利用する中水事業や地下水を汲み上げて飲料化する上水事業にも取り組んでおります。
・生活排水処理(浄化槽)・産業排水処理(排水処理システム)
a 国内
(イ)施工・販売
仕入価格や外注費の上昇に係る価格転嫁についての取り組みが進むとともに、産業排水処理を中心とした大型工事の進捗状況などによって前年同期と比較すると売上高・セグメント利益ともに大きく増加しております。
(ロ)メンテナンス
当社グループの中期経営計画にて定める成長戦略に基づき、ストックビジネスとしてメンテナンス売上の拡大による強固な企業基盤作りを進めております。契約件数を増やすとともに、既存のメンテナンス契約先との価格交渉も進めており、随時原価の上昇部分の転嫁を行っている状況であります。また、長期的な修繕計画の提案についても積極的に実施しており、メンテナンスに関連する売上も増加しております。
b 海外
(イ)販売等の状況
グループ全体の海外売上高は前年同期と比較して大きく増加しており、国別の状況は以下のとおりです。
(ロ)メンテナンス
堅調に推移しております。浄化槽の性能を維持するためにメンテナンスは必須であり、メンテナンス売上の拡大は当社グループの企業基盤強化だけでなく水環境を改善するためにも重要であると認識しておりますので、環境意識の醸成や規制づくりへの働きかけも含めて推進してまいります。
・地下水飲料化事業
ストックビジネスであるエスコ契約※に係る新規契約は増加しております。
また、近年ではエスコ契約を行わない地下水飲料化装置の販売につきましても顧客ニーズが高まっていることによって売上高は増加しております。この場合も、販売後のメンテナンス契約を締結することでストックビジネスの拡大に貢献しており、新規契約によって増加しております。
地下水飲料化装置の導入は、公共の上水道料金と比較してコストメリットがあるだけでなく、災害などで上水道が寸断された際のライフラインとしての活躍も期待されていることから、近年は各自治体からもBCP対策としての有用性に興味を示していただいております。
なお、当連結会計年度からはプロジェクトチームを組成し、排水処理システムとのセットでの提案を進めております。水処理の窓口を一本化出来ることによって顧客への新たな付加価値を生み出すことに繋がっております。
※エスコ契約:設備費用・運転費用を全て当社が調達し、月々のシステム使用料金を水の使用量に応じて契約先にご負担いただく契約であります。本ビジネスモデルにおける施設の償却は契約期間である10年間の定額法にて実施しており、10年経過後もエスコ契約が継続する場合においては償却費の負担が大幅に減少することとなり、利益基盤の強化に大きく寄与いたします。
本事業セグメントでは、当社の祖業でもある卸売事業としてゼネコンやハウスメーカー、ホームセンター等へのキッチン・ユニットバス・トイレ等を中心とした住宅設備・建築資材の販売をおこなっております。
また、施工を伴う事業も行っており、タイルなどの外壁工事や農業温室を取り扱うとともに、近年ではM&Aによって空調設備、冷凍冷蔵設備なども事業展開を始めており、そのシナジーが大きく出ております。
なお、当連結会計年度より従来は商材の販売のみであった「木構造事業※」における新たな取組として、メーカーとして地域産材利活用方法の提案・構造設計・部材製造・販売・建て方支援などの幅広い業務を請負う形での展開を開始いたしました。
※木構造事業:鉄骨造、RC造に対し、柱や梁などメインフレーム(構造体)が木材でできているものを木造あるいは木構造と呼び、中大規模施設などさまざまな非住宅の建築物に対し、耐震・耐火に優れた木構造を提案する事業です。従来は鉄骨・RC造で建てられていた建物に地域の木材を利用することができ、地場産材の活用事例としても注目されています。また、サステイナビリティの面では、樹木が吸収した二酸化炭素を固定化することができ、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
・建設関連業者等(ゼネコン・地場建築業者・ハウスメーカー等)向け住宅設備・建築資材等の卸販売
2024年度の新設住宅着工戸数は前年比で3.4%減となりましたが、このうち注文住宅は2.8%の減少となり、10年前と比較すると累計で23.5%減という状況であります。一方、マンションなどの賃貸物件は10年前と比べて5.6%の減少で、全体としては下降傾向にあるものの、前年比では0.5%減にとどまり、比較的堅調に推移しています。
こうした状況により、当社では大阪や広島などマンションの新築物件の取り扱いが多い地域と、戸建てを中心に取り扱っている地域とで販売状況に大きな差が生じました。その結果、当連結会計年度における建設関連業者等への住宅設備・建築資材の卸売は、前年同期比で微増という結果となりました。
なお、仕入価格の上昇部分の販売価格への転嫁につきましては概ね進んでいる状況ではありますが、今後の課題として当社の人件費のベースアップ等による上昇や今後見込まれる配送費の増加部分の転嫁については引き続き解決すべきものであると認識しております。
・ホームセンター向けリテール商材の販売
天候不順による来店者数の減少や住設商材に対する購買意欲の低下、家電量販店によるリフォーム事業の拡大などの影響によって当社グループが卸販売している商材の競争は激化しております。
そのため、ホームセンター向けのリテール商材の販売につきましては前年同期と比較して減少しております。
・住機部門工事(外壁・農業温室・冷凍冷蔵設備工事・空調設備工事・木構造等)
前第1四半期連結会計期間末より新たに空調設備工事を行う子会社を連結の範囲に含めていることに加え、マンション(外壁工事)や農業温室の設備投資需要回復によって大型案件の受注獲得ができており、大きく増加しております。なお、従来は建設関連業者等向け住宅設備・建築資材等の卸販売にて集計しておりました木構造事業の売上高を当期より本カテゴリにて集計しております。
(再生可能エネルギー関連事業)
本事業セグメントでは、太陽光発電事業、風力発電事業、バイオディーゼル燃料(BDF)事業、水熱処理※事業を行っております。日本では2020年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」を行い、エネルギー政策の大幅な転換が始まりました。当社グループでは2002年にBDF事業に参入して以降、様々な社会ニーズに対応するために活用いただける選択肢を増やしており、電力需要家の皆様に最適なエネルギーミックスをお選びいただけるような総合的なサービスを展開しております。
※水熱処理:高温高圧状態の水で有機物を処理することで廃棄物等を有効活用することのできる処理方法であり、燃焼を伴わないことからNOx(窒素酸化物), SOx(硫黄酸化物),ダイオキシン等の有害物質を処理時に発生させない処理です。
・太陽光発電事業
前第1四半期連結会計期間末より新たに子会社を連結の範囲に含めていることに加え、FIT※による売電を行っているサイトは188件(前年同期比1件増)、PPA※による売電を行っているサイトは32件(前年同期比16件増)という状況であり、一部地域においてFITの出力制御が行われておりますが、太陽光発電事業における売電売上高(FITによる売上高およびPPAによる売上高の合計)につきましては増加しております。しかしながら、前連結会計年度には大型かつ高利益率案件の完成があった影響もあり、当連結会計年度の太陽光発電事業全体の売上については微減という状況でありました。
なお、今後の新たな取り組みとしてグリーンデータセンターの運営事業の開始に向けて推進しております。ビッグデータ分析や画像処理で必要となる計算能力(以下、「計算力」)は、今後急激な成長が期待されている分野で、世界中から投資が行われています。この計算力には大きな電力を必要とすることから、そこに当社のグリーンエネルギーを電力供給することで持続可能なデータセンターの構築を目指すものです。
※FIT:当社グループが自己資金で太陽光発電所を開設し、再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を国が定める価格で一定期間、電気事業者が買い取ることを義務付けるものです。
※PPA:当社グループが自己資金で太陽光発電所を開設し、再生可能エネルギー源の電気を購入したい電力需要家との間で電力購入契約を結び、発電した電気を供給する仕組みです。
・風力発電事業
前年同期におきましては、他3社と共同参画しております環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」における売上を計上していたことから、売上高は減少しております。現在、実証事業は終了しておりますが市場での販売開始に向けた検証を進めている状況です。
なお、FITを利用した風力発電に係る売電のための施設について、現在31サイトが稼働しており、引き続き2025年までに総数70サイトの稼働の計画に向けてサイト建設は進んでおり、計画の達成に向けて引き続き推進してまいります。
・バイオディーゼル燃料関連事業
「B5軽油※」の営業強化に引き続き取り組んでいることから契約件数は堅調に推移しております。
関東地方でのBDF販売を拡大するため、茨城県に精製プラントを建設いたしました。本格稼働に向けた準備を進めておりますが、部品の納期遅延などの影響により、計画から大幅に遅れております。
なお、当該プラントではまだ使用済み天ぷら油からのBDF精製を開始できていないものの、これまでに当社の精製プラントを納入したお客様と連携し、B5軽油の製造を行うことで、関東地方における販売を開始いたしました。愛媛県で培った知見をもとに、今後は近隣の自治体などとも連携しながら取り組みを展開してまいります。
※B5軽油:当社グループでは、使用済み天ぷら油を精製したバイオディーゼル燃料である「D・OiL」を製造しております。「B5軽油」は軽油にD・OiLを5%混合したものであり、国の定める軽油の強制規格(法律に基づいて守ることが義務付けられている規格)を満たしており、軽油と同様に安全かつ安心して使用可能です。
・水熱処理事業
当該事業では新技術確立に向けた研究開発を中心に行っており、売上への寄与は僅少であります。
本事業セグメントでは、「水」に特化した住環境サービスとしてご家庭に安心かつ安全な飲料水を提供する家庭用飲料水事業及びベンチャーキャピタル事業を展開しております。
・家庭用飲料水事業
廃プラスチックの問題等に鑑みてボトル型ウォーターサーバーから全自動型ウォーターサーバーへの転換を進めております。そのため、ボトル型ウォーターサーバーの契約数は減少しておりますが、サブスクモデルである全自動型ウォーターサーバ―の契約者数は増加しております。なお、当事業におけるセグメント利益につきましては、新製品※の取扱を始めたことによる初期費用等の影響によって減少しております。
※新製品:全自動型ウォーターサーバーのレンタル事業におきましては他社製品のみを取り扱っておりましたが、利用者の皆さまからの声を製品の改善や新モデルへの反映に漏れなくスピード感をもって進めることを目的として、当社が企画し、宅配水事業などを営む株式会社ナックとともに開発した「アクシスウォーター」の取り扱いを開始いたしました。第3四半期連結会計期間からの販売開始であることから業績への影響は軽微ではありますが、将来的には関西・関東エリアへの拡大も視野に入れて活動してまいります。
・ベンチャーキャピタル事業
当社グループの事業テーマとの親和性があり新しい価値を創造する可能性のある企業や「地域」「若者」をサポートする企業への投資・投資先企業の成長をサポートする事業を行っております。
前第2四半期連結会計期間に株式会社Daiki Axis Venture Partnersを設立以降、1号ファンド(DAVPベンチャー1号投資事業有限責任組合)を組成し、当連結会計年度末日現在では12社への投資を行っております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は製造原価によっております。
2.住宅機器関連事業における生産実績はありません。
当連結会計年度における施工実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は工事原価によっております。
3.住宅機器関連事業の施工実績が著しく増加しておりますが、これは主に前連結会計年度に株式会社アドアシステムを取得したことによります。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.住宅機器関連事業以外につきましては、事業の性格上、重要性が乏しいことから商品仕入実績の記載を省略しております。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額は、製品及び完成工事に係る受注高を記載しております。
3.住宅機器関連事業の受注高が著しく増加しておりますが、これは主に前連結会計年度に株式会社アドアシステムを取得したことによります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
① 資産
主に大型工事の進捗等により、前連結会計年度と比較して流動資産が増加しております。
また、再生可能エネルギー関連事業への設備投資(茨城県のバイオディーゼル燃料精製プラント・グリーンデータセンター)及び前連結会計年度より開始したベンチャーキャピタル事業への積極的なスタートアップ投資を行っていることから、前連結会計年度と比較して固定資産が増加しております。
② 負債・純資産
再生可能エネルギー関連事業への設備投資(茨城県のバイオディーゼル燃料精製プラント・グリーンデータセンター)を短期借入で調達したことや、通常の支給月数を超える月数での賞与支給を決定したため、前連結会計年度と比較して流動負債が増加しております。
また、昨年2社のM&A及び再生可能エネルギー関連事業への設備投資を実施するにあたって調達した長期借入金の返済により、前連結会計年度と比較して固定負債が減少しております。
① キャッシュ・フローの状況
(当連結会計年度の主な内訳)
当社グループは安定的な経営のための運転資金の調達を図るとともに、今後の成長のための投資資金の調達を適切に行っています。
運転資金需要については、商品・原材料等の購入費用のほか製造・施工等に係る外注費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資資金需要については、国内及び海外における設備投資のほかM&Aによるものであります。なお、投資について、当連結会計年度については「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。また、今後の設備投資については、主に環境機器関連事業セグメントにおける地下水飲料化事業の設備投資及び再生可能エネルギー関連事業セグメントにおけるグリーンデータセンター及び発電設備等の設備投資を考えております。
当社グループの主な資金調達の状況は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度末日現在における借入金残高及び社債残高は以下のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当社経営陣による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要といたします。経営陣は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 一定の期間にわたり収益を認識する工事売上高(原価回収基準を適用する工事売上高を除く)
当社グループは、一定の要件を満たす工事契約等の収益及び費用の計上基準として、履行義務の進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識しております。進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が見積原価総額に占める割合に基づいて行っております。
当社及び一部の連結子会社が営む環境機器関連事業における排水処理設備等の新設及び更新工事は、基本的な仕様や作業内容が顧客の指図に基づいて決定されることから個別性が強く、工事原価総額の見積りにあたっては画一的な判断尺度を得ることが困難です。このため、工事原価総額の見積りは、工事に対する専門的な知識と施工経験を有する工事現場責任者による一定の予測と判断を伴うものとなります。
排水処理設備等の新設および更新工事は長期にわたるものもあることから、工事の進行途中における工事契約範囲の変更や悪天候による施工の遅延等が生じる場合があり、工事原価総額の見積りには不確実性を伴います。
このため、翌連結会計年度に係る連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
② のれんの評価
企業結合により取得したのれんは、被取得企業の今後の事業活動によって期待される将来の超過収益力として、取得原価と被取得企業の識別可能資産および負債の企業結合日時点の時価との差額で計上し、その効果の及ぶ期間にわたって、定額法により規則的に償却しております。
のれんは、M&Aにより取得した子会社の事業環境の急激な変化等により、当初の事業計画どおりに事業展開が進まない可能性があり、その場合、のれんの減損の兆候に該当することになり、減損損失の発生リスクが存在しております。なお、株式取得時に利用した事業計画には、経営者の主観的な判断によって影響を受ける中長期的な成長性を示す売上成長率等の重要な仮定が含まれております。
のれん評価における事業計画は、経営者の最善の見積りによって決定されますが、将来の不確実な経済条件の変動等によって影響を受ける可能性があり、仮定の見直しが必要となった場合には翌連結会計年度の連結財務諸表において、のれんの金額に重要な影響を与える可能性があります。
③ 固定資産(のれんを含む)の減損
当社グループは、保有する固定資産(のれんを含む)について減損の兆候がある場合、当該資産又は資産グループについて減損損失を認識するかどうかの判定を行い、減損が必要と判定された場合は帳簿価格を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
なお、減損損失を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定に用いられる当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの見積もり及び仮定等については、将来の不確実な経済条件の変動等によって影響を受ける可能性があり、仮定の見直しが必要となった場合には翌連結会計年度の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
(3)再生可能エネルギー関連事業に関する契約
当社グループは、より良い環境やインフラ創造の実現のため、各分野にわたり研究開発に取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、主要製品である排水処理装置及び関連製品の開発とそれ以外の新分野の製品の開発を進めております。具体的には、環境改善製品、エネルギー関連製品等を次期主力製品にするほか、産業廃棄物の減量化やリサイクル社会の構築に貢献できる関連製品も検討しております。また、浄化槽に関する研究開発においては、同業他社との業務提携によりコスト削減を実施しております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
各事業セグメントにおける研究開発の内容は次のとおりであります。
なお、開発部の活動が複数セグメントにわたっており、全社的な研究開発部門として位置付けているため、各事業セグメントごとの研究開発費の金額は記載しておりません。
(環境機器関連事業)
当事業における研究開発活動は、開発部が行っております。
当事業において取扱っている製品は主に「生活排水処理」と「産業排水処理」に分かれており、それぞれの研究テーマにつき、次の活動を行っております。
「生活排水処理」の主力製品は浄化槽ですが、性能的な差別化が製品の特性上困難であることから、「コスト削減」「高効率化」「省エネ化」を主な目的として研究開発活動を行っております。新しい処理方式の開発のほか、製品の部材材料の変更及び部品点数の削減による製造コスト削減等を進めております。
「産業排水処理」については、製品コストの削減に加えて運転コストの低減、維持管理性の向上を目的とした開発を進めており、小規模な事業所にも適応できる運転しやすい製品の開発を目指しております。また、特殊な排水・規制に対応するために、物件に応じた試験も実施するなど、幅広いニーズに応えるための活動も実施しております。
一方、海外では地域ごとの生活習慣の違い等により処理を行う排水の性質・成分等に違いがございます。各国への進出によって現地の排水やその処理の実状の情報を入手出来るようになってきていることから、国内で培った技術力を基にしてそれぞれの国の実情に合った仕様の浄化槽開発にも取り組んでおります。
(住宅機器関連事業)
該当事項はありません。
(再生可能エネルギー関連事業)
当事業における研究開発活動は、株式会社ダイキアクシス・サステイナブル・パワーが行っております。
当事業に係る研究開発は、新規分野に挑戦し、当社独自の複合的な事業を創造し、将来の企業価値向上を目指すことを研究開発活動の基本方針としております。現在は、風力発電機についてもニーズを盛り込んだ共同開発を行うとともに、高温高圧状態の水で有機物を処理することで廃棄物等の有効活用及びダイオキシン等の有害物質を処理時に発生させない技術である水熱処理を用いた開発も進めております。
(その他の事業)
該当事項はありません。