当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループにおきましては、外的環境の影響リスクを保守的に評価しながら、ワンストップ体制のシナジー最大化戦略の推進を継続することで、持続的成長と高収益体質の実現を目指してまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
今後の経営環境の見通しにつきましては、好調な企業業績を背景に所得環境の改善が継続するなか、日本銀行の経済対策が景気の下支え要因となり、個人消費が牽引する形で緩やかな回復基調となることが期待されますが、米国の政権交代による各種政策の転換が世界経済に与える影響等の不確実性も存在しており、引き続き注視する必要があります。
なお、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題については、以下に記載の通りでありますが、そのうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
① 主要事業領域における競争力強化
関西圏(阪神間・北摂地域及び大阪市内)、中部圏(名古屋市近郊)及び東京圏(東京23区)において、住まい・暮らしに関するワンストップサービスの実現を目指し、不動産事業を中心としたサービスの幅を広げていくことを基本的なスタンスとして、流通事業をはじめリフォーム事業、開発分譲事業等の不動産関連事業の競争力強化を図ってまいります。具体的な戦略は以下のとおりであります。
イ.流通事業を軸とした事業基盤の強化
当社グループは、顧客に対する「住まいのワンストップサービス」を提供するうえで、流通事業を事業戦略上の要と位置付けており、三大都市圏の重点エリアに出店してまいります。
各出店地域でのシェア獲得・向上を目指すなか、地域ごとの顧客ニーズ、不動産情報、市場動向、顧客層別の志向等の把握を行うとともに、営業地域全体の情報を蓄積し、各事業へ適時適切に活用することで事業基盤の強化を図ってまいります。
また、不動産を購入されるお客様に対し「平日会員サービス(仲介手数料の30%のキャッシュバックサービス)」を、売却されるお客様に対しては「期間報酬制度(契約成立時期に応じて仲介手数料が最大半額)」等、当社独自のサービスを訴求することで、営業稼働率の向上及び同業他社との差別化を図ってまいります。
ロ.リフォーム事業における事業基盤の安定
当社グループは、あらゆる販売窓口へ来店されたお客様に対し、「住まいのワンストップサービス」の提供を実践しており、そのなかでも、流通事業の店舗で展開しております中古住宅の購入と同時にリフォームを行うという提案は、お客様からの支持も厚く、高いシナジーを生んでおります。
また、優良な中古住宅のストックを活用した住環境の整備を目指し、中古住宅及びリフォーム市場への国策も強化されております。このような環境を背景に、今後益々流通事業との連携強化を図るとともに、営業エリアの拡大並びに取扱件数の増加に対応できる施工管理体制を構築し、中古住宅・リフォーム市場におけるリーディングカンパニーを目指してまいります。
ハ.開発分譲事業における財務リスクの低減と物件力の強化
フィービジネス及びリフォーム事業による安定した収益基盤を構築することにより、財務体質の強化を図る前提のもと、金利動向や仕入価格の高騰などのリスクを許容範囲内に抑えながら、地域ごとの需要に合わせた戸建分譲開発を推進してまいります。そのため、流通事業の店舗展開により収集・把握した地域ごとの生活スタイル及び不動産情報を開発用地選定、物件企画及び販売計画に至るまで反映させ、顧客ニーズを的確に捉えた物件創りに製販一体の組織体制で徹し、差別化を図ってまいります。
② 人材の獲得と育成・組織体制の整備
当社グループは、今後の事業の継続的な成長を実現するために、原則として、当社グループの事業及び経営理念に共感する新卒及び第二新卒社員を採用することで事業基盤の安定並びに拡大を図ってまいります。近年激化する採用市場において、従来型の受動的な採用手法から脱却し、既存資産(事業・人材)を活用したダイレクトリクルーティングにより、優秀な人材へ能動的にアプローチしてまいります。
また、社員一人ひとりの営業スキル、ノウハウを向上させ、お客様からの信頼を得ることをテーマとして、研修制度の充実により人材育成を図るとともに、各事業の管理職層の強化にも努め、経営判断のスピードアップを図ってまいります。
そして、これら人材の確保及び育成と並行し、社員が中長期で働きやすい環境作りや、インナーコミュニケーションの促進による事業間連携の強化等、組織体制の整備にも取り組んでまいります。
③ コンプライアンス体制の強化
更なる業容拡大、企業価値向上を目指すために、企業倫理・コンプライアンスについて全役職員が共通の認識を持ち、一人ひとりが的確で公正な意思決定を行う風土を醸成する仕組みを整備してまいります。特に、宅地建物取引業法、建築基準法等の関係法令については最新の動向を常に把握し遵守に努めてまいります。また、株式上場企業として、内部者取引にかかる情報管理・売買管理体制の周知・徹底を図ってまいります。
④ 資金調達の多様化
開発分譲事業の事業戦略並びに流通店舗の新規出店など、想定される様々な資金需要に対して、資金調達手段の多様化を図ることにより、適時適切な資金調達を実現し、今後の事業展開を円滑に進めてまいります。また、強固な収益基盤及び財務体質の向上をもとに、借入コストの低減にも同時に取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス・リスク管理
当社グループは、住まい・暮らしに関するワンストップサービスの実現を目指し、不動産事業を中心としたサービスの幅を広げていくことを基本的なスタンスとして、各種規程及び制度を整備し、法令や社会規範を遵守しながら事業活動に取り組んでおります。
そのようななか、経営におけるサステナビリティ関連のリスク及び機会などについては、取締役会等で適宜検討を行っております。取締役会は、月次の営業報告に加え、法令・定款に定められた事項等を決議し、各取締役の業務執行の状況を監督しております。それに加え、スピーディーな情報共有と意思決定、柔軟な組織対応を可能とするため、取締役及び各部門長を構成員とする経営会議や、各営業所の所長等の管理職が出席する管理職会議を定期的に開催しております。
また、当社グループが一体となってリスクマネジメントを行うため、各部門においてリスクの洗い出しを行い、そのリスクの未然防止に取り組むとともに、リスクが発生した場合に的確かつ迅速な対応を可能とするよう、リスク管理規程を策定のうえ、当社代表取締役社長を委員長とする「リスク委員会」を設置しております。
なお、サステナビリティに関する事項を含む当社のコーポレート・ガバナンスの状況については、「
(2)戦略・指標及び目標
(サステナビリティについて)
当社グループでは、不動産流通事業、リフォーム・リノベーション事業及び開発分譲事業等において、既存住宅を活かす事業を積極的に行っております。我が国の既存住宅流通の市場規模に関しましては、各住宅取得支援策や物価高騰等による新築住宅の値上がりを背景として、拡大傾向となっております。しかしながら、顧客の「新築志向」は根強く、従来の「スクラップ&ビルド型」の不動産業界から脱却できておりません。
当社グループの各事業は持続可能な社会の形成にも寄与すると考え、今後も持続的な事業拡大と企業価値の向上に注力してまいります。
(人材の育成について)
当社グループは、経営方針、経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するためには、人材が最も重要な経営資源であると考えており、創業時から一貫して「人づくり」に取り組んでおります。
多様な人材の活用を積極的かつ継続的に行い、それぞれの特性や能力を最大限生かせる職場環境及び組織体制の整備や人材の育成に関する社内文化の醸成、社内研修制度の整備等を行っております。
具体例は以下のとおりです。
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主な制度・取り組み内容 |
目的 |
対象者 |
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次世代幹部研修 |
人材育成 |
経営幹部候補者 |
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階層別研修 |
人材育成 |
新入社員、若手社員、管理職 |
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加点式人事評価 |
人材育成 |
全社員 |
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事業責任者や管理職との1on1面談 |
人材育成 |
全社員 |
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社内公募・異動制度 |
人材育成 |
全社員 |
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社員登用制度 (非正規従業員の正社員転換) |
多様性確保 |
非正規従業員 (一定の条件有り) |
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営業職を含めた全職種における 女性の積極的な採用及び管理職の登用 |
多様性確保 |
全社員 |
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障がい者雇用の促進 |
多様性確保 |
障がい者 |
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育児短時間勤務制度 |
多様性確保 |
中学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員 |
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社員旅行等のイベント |
社内文化の醸成 |
全社員 (一部イベントには家族帯同可) |
なお、当社の人材獲得戦略及び育成に関する方針につきましては、「
(指標及び目標について)
当社は、以下の指標を用いております。
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指標 |
目標 ( |
当事業年度 |
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※上記は単体数字です。
※人的資本に関する各指標については「
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下に記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)外部環境について
① 法的規制について
当社グループは不動産業及び建設業に属し、「宅地建物取引業法」、「建設業法」及び関連する各種法令により規制を受けており、当社においては宅地建物取引業免許及び一般建設業許可について、子会社株式会社ウィル空間デザインにおいては一般建設業許可について、子会社株式会社リノウエストにおいては宅地建物取引業免許について、それぞれ監督官庁より許認可を受けております。現時点において、当該免許及び許認可等が取消しとなる事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により、当該許認可等が取消された場合又はそれらの更新が認められない場合には、当社の事業活動に支障をきたすとともに、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの法律等の改廃又は新たな法的規制が今後生じた場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当社)
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許認可等の名称 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
許認可取消事由等 |
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宅地建物取引業免許 |
国土交通大臣免許 (5)第6447号 |
2028年6月17日 (5年ごとの更新) |
不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅建業法第66条) |
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一般建設業許可 |
国土交通大臣許可 (般-2)第21398号 |
2025年10月4日 (5年ごとの更新) |
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条) |
(株式会社ウィル空間デザイン)
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許認可等の名称 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
許認可取消事由等 |
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一般建設業許可 |
国土交通大臣許可 (般-5)第28980号 |
2028年10月15日 (5年ごとの更新) |
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条) |
(株式会社リノウエスト)
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許認可等の名称 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
許認可取消事由等 |
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宅地建物取引業免許 |
兵庫県知事免許 (1)第300607号 |
2027年8月24日 (5年ごとの更新) |
不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅建業法第66条) |
② 住宅市況及び金利状況、経済情勢の変動について
当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金利動向、地価動向並びに住宅税制等の影響を受けやすいため、景気見通しの悪化や大幅な金利上昇、地価の上昇並びに住宅税制等の諸情勢に変化があった場合には、住宅購入者の購入意欲を減退させる可能性があります。また、金融機関の融資姿勢に変化があった場合には、新規事業用地の取得が困難になる場合があります。これらの場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記経済情勢の変化は、事業用地の購入代金、材料費、施工費並びに販売期間の長期化に伴う販売促進費等の変動要因にもなり、これらが上昇した場合には、当社グループの事業利益が圧迫され、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について
当社グループが事業展開する不動産業界においては、大手企業を含む事業者が多数存在し、これらの事業者との競合が生じております。当社グループは、住まい・暮らしに関するワンストップサービスの実現を目指して不動産に関連する各事業を展開しており、今後においては、特に、地域密着型店舗展開の強化、平日会員向け仲介手数料割引サービスや売却期間の短縮で節約できたコストをお客様へ還元する期間報酬制度をはじめとした各種サービスによる流通事業の強化を推進いたします。また、それに伴う「ワンストップサービス」の相乗効果によるリフォーム事業、不動産取引派生事業の強化、開発分譲事業の魅力的な戸建物件の創出等により、他社との差別化を進め、事業基盤の拡充を図っていく方針であります。
しかしながら、同業他社においては、当社グループと比較して、資本力及びブランド力等に優れる企業が多数あり、これら企業との競合等により当社グループの想定どおりの事業拡大を図れる保証はなく、更に競合が激化した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、開発分譲事業については、当社グループの営業地域において多数の事業者が事業を展開しております。当社グループは、地域に密着した営業所展開によって、効率的な事業用地の仕入及び販売活動を推進しておりますが、同業他社も多く、土地の仕入や販売活動において競合が発生しております。当社グループの分譲物件の販売において、近隣に他社の分譲物件等がある場合には、販売活動が想定どおり進捗しない可能性があり、販売期間の長期化や値引販売等による採算悪化等が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業展開について
① 営業地域について
当社グループは、関西圏の阪神間・北摂地域と大阪市内、中部圏の名古屋市、及び東京圏の東京23区を主たる営業地域として事業展開を行っており、当該地域に営業店舗を23店舗展開(2024年12月末現在)しております。当社グループは、当該店舗において収集・蓄積した地域特性・市場動向・顧客ニーズ等の情報及び集客をグループ全体で総合的に活用することにより、地域密着型店舗を基盤とした事業を展開しております。
しかしながら、これらの事業展開により、当該地域の市場動向等に強い影響を受ける可能性があり、当該地域の不動産市況の低迷や地域的な景況感悪化等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは将来においては当該地域以外への進出を計画しており、その場合には現在と同様の事業展開が図れる保証はありません。
② リフォーム事業及び開発分譲事業における外部委託業者の活用について
当社グループの開発分譲事業における分譲物件においては、当社グループ内で分譲物件のマーケティング及びコンセプト策定等を行い、設計・建築工事業務等については、設計・施工等の能力、工期、コスト及び品質等を勘案し、外部の事業者に委託しております。また、リフォーム事業においては、当社グループがリフォーム物件の設計・施工管理業務等を行い、それ以外の施工業務等については外部の事業者に委託しております。
外部委託業者の選定及び管理については十分に留意しておりますが、必ずしも当社グループのコントロールが充分である保証はなく、外部委託業者においてトラブル等が生じた場合には、当社グループの事業推進に影響が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 開発分譲事業について
当社グループの開発分譲事業においては、戸建分譲開発を中心とした事業展開を図りながら、他事業における手数料収入や請負工事収入の比率を高めることで事業構造のバランス改善に努め、総資産に占める棚卸資産並びに有利子負債を圧縮しつつ、財務リスクの軽減を図ってまいりました。そのようななか、2024年12月期におきましては、総売上高に占める開発分譲事業の売上割合は53.0%、開発分譲事業における棚卸資産計上額の総資産に占める比率は40.3%であります。
景気動向の影響を受けやすい不動産市況に鑑みた場合、当社グループが推進するプロジェクトの開発及び販売計画が想定どおり進捗する保証はなく、何らかの理由により当該プロジェクトの中止、延期及び販売期間の長期化等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 分譲物件等にかかる品質管理等について
住宅供給業者は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、新築住宅の構造上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分については住宅の引渡日から10年間、その他の部分については、「宅地建物取引業法」により住宅の引渡日から最低2年間について契約不適合責任を負います。加えて「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」により、住宅の瑕疵担保責任履行のための資力の確保が義務付けられており、当社グループでは「住宅瑕疵担保責任保険」への加入により、その保証責任を十分履行できるような体制を整えております。
また、当社グループにおいて開発・分譲等を行う住宅については、その品質管理を重視した事業展開を推進しており、地盤調査、アスベスト及び建材の耐火性能等のチェックについては外部委託業者等との協力体制を構築しており、現時点において過年度に供給したものも含め、問題となる物件はないものと認識しております。
しかしながら、当社グループの販売した物件に重大な瑕疵があることが判明した場合には、その直接的な原因が当社グループの責めに帰すべきものでない場合であっても、売主としての瑕疵担保責任を負わなければならない場合があり、損害賠償請求の発生並びに当社グループに対する信頼低下等により、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を与える可能性があります。また今後、法規制等が強化された場合には、当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。
(3)組織体制について
① 組織体制について
当社グループは2024年12月31日現在、従業員が255名(臨時雇用者等除く)となっており、内部管理体制も現在の組織規模に応じたものとなっております。今後、事業の拡大に伴って、内部管理体制の整備、充実を含め、計画的な人員増強に努める方針ではありますが、当社グループが事業規模の拡大に対して、適切かつ充分な人員の増強ができなかった場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材確保について
不動産業界においては、専門的知識が必要なため、一般に業界経験のある人員を中途採用する企業が多いなか、当社グループは、企業方針にかかる認識の徹底を図るため、創業当初より原則として新卒採用を主体とした人材採用を実践しており、自社において研修制度の充実を図り従業員の教育・育成を行っております。当社グループは、当該方針の徹底及び実践の成果により、現時点において当社グループが求める人材について育成が進み、これが他社との差別化要素の一つとなっているものと認識しております。
しかしながら、当該人材の育成には相応の期間を要することから、人材育成のスピードが事業規模に見合わない場合には事業拡大の制約要因となる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)財政状態及び経営成績の変動について
① 物件の引渡時期等による経営成績の変動について
不動産業界においては、一般に転勤及び学期末の時期であること等から、3月頃に不動産物件の引渡等が集中し売上高が増加する傾向にありますが、当社グループにおいては、当該季節要因とは別の営業戦略上の理由により、開発分譲事業における個別物件の引渡時期が第4四半期に集中する傾向があり、これによる業績偏重が生じる可能性があります。
開発分譲事業における売上高は、会計上、物件の売買契約締結時(営業活動の完了時)には計上されず、引渡時(役務提供の完了時)において計上されます。このことから、天災地変、事故、その他予期し得ない要因による工期遅延等の不測の事態により開発分譲物件の引渡時期について、四半期末並びに年度末を越える遅延が生じた場合、また、市況の影響による販売期間の長期化が余儀なくされた場合には、当社グループの経営成績は著しく変動する可能性があります。
なお、経営成績に占める第4四半期の売上高及び営業利益の割合は以下のとおりであります。
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2023年12月期(第4四半期) |
2024年12月期(第4四半期) |
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売上高 |
34.0% |
35.2% |
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営業利益 |
47.1% |
43.4% |
② 有利子負債への依存度
当社グループは、開発分譲事業に係る用地取得費及び土地造成費等のプロジェクト資金、並びに賃貸事業の物件取得資金について主として金融機関からの借入金によって調達しております。
前述のとおり、2024年12月期における開発分譲事業の売上割合は53.0%、総資産額に占める有利子負債の比率についても、2023年12月期58.0%、2024年12月期56.3%となっております。今後においては、資金調達手段の多様化に積極的に取り組むことにより自己資本の充実に注力する方針でありますが、積極的な開発分譲事業への取り組みにより、有利子負債依存度が増加した場合や市場金利が上昇する局面においては支払利息等の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、資金調達に際しては、当社グループでは特定の金融機関に依存することなく個別案件ごとに金融機関に融資を打診しております。また、プロジェクト開発を目的とした資金調達につきましては、弁済期日に関わらずプロジェクト物件1戸引渡ごとに弁済金額が定められておりますので、プロジェクト物件の販売状況に連動し、販売代金により返済されるものであるため、現時点において借入金返済に支障が生じる状況にはないものと認識しております。しかしながら、何らかの理由により資金調達が不十分あるいは不調に終わった場合には、プロジェクトの中止、延期等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)個人情報保護について
当社グループでは、営業活動に伴い様々な個人情報を入手しております。当社グループとしては、内部の情報管理体制の徹底により個人情報の保護に注力しておりますが、不測の事態により、個人情報が流出した場合等には、損害賠償並びに当社グループの信用低下等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(6)訴訟等の可能性について
当社グループは、事業展開において宅地建物取引業法並びにその他関連法令を遵守した営業活動を推進しておりますが、顧客との認識の齟齬その他に起因したクレーム・トラブル等が発生する場合があります。当社グループにおいては、弁護士等の関与のもと必要と考えられる相手先との協議・対応を行っており、現在、重大な訴訟事件等は生じておりません。
しかしながら、今後においてこれらクレーム・トラブル等に起因して重大な訴訟等が提起された場合には、当社グループにおける顧客からの信頼低下並びに損害賠償請求等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善により個人消費が底堅く推移し、緩やかな回復基調となりました。一方で、不安定な国際情勢や、資源価格の高騰、物価高等は長期化しており、依然として経済全体の先行きは不透明な状況となりました。
不動産関連業界におきましては、日本銀行の金融政策転換による実需層の買い控え懸念は継続する一方で、依然として低水準な住宅ローン金利や各住宅取得支援政策を下支えに実需の住宅取引は堅調に推移いたしました。なお、営業エリアにおける当期の中古住宅の成約件数について、兵庫県・大阪府では前期比6.9%増加(近畿レインズ調べ)、愛知県では同8.2%増加(中部レインズ調べ)、東京都では同5.6%増加(東日本レインズ調べ)となりました。
このような経営環境のなかで当社グループにおきましては、フィービジネスとリフォームの連携強化(収益面)、開発分譲事業の推進(事業規模の拡大)など、ワンストップ体制のシナジー最大化戦略に注力することで、持続的成長と高収益な事業基盤の強化に取り組みました。
まず、流通事業においては、自社サイトをはじめとしたネット集客の強化策が奏功し、住宅を購入されるお客様の来店件数が前期比17.0%、購入の成約件数が同14.7%それぞれ増加いたしました。そのうえで、流通事業での中古住宅の取扱件数も同14.6%増加し、ワンストップサービスの提案機会が増加した結果、「中古×リフォーム×FP」の引渡件数が同7.0%増加するなど、収益性の高い「フィービジネスとリフォーム」の業績が堅調に推移いたしました。
次に、開発分譲事業においては、愛知県名古屋市天白区や兵庫県伊丹市をはじめとした複数の戸建プロジェクトの販売・引渡が順調に進捗し、売上高を牽引いたしました。また、流通店舗に集まる売主様直接の売却情報を活用するなど、来期以降の販売用物件の仕入を積極的に行った結果、開発分譲事業の棚卸資産は前期末と比べて20.6%増加しております。
なお、今後の事業展開への先行投資を含め、過去最高数となる新入社員の入社や、賃上げの実施、業績に連動した決算賞与を従業員へ支給するなど、人的資本の配分に努めた結果、販売費及び一般管理費が前期比22.9%増加しております。
これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高13,213百万円(前期比14.4%増)、営業利益1,120百万円(同12.2%増)、経常利益1,019百万円(同9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益710百万円(同36.2%増)となり、売上高については8期連続、営業利益と経常利益については5期連続で過去最高を更新いたしました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
流通事業におきましては、各営業エリアにおけるマーケットシェア向上を目的とした売却物件の獲得に注力した結果、売却の成約件数が前期比15.8%増加いたしました。また、東京23区及び大阪府大阪市での新規出店の影響もあり、全体の手数料単価に関して購入が同2.8%、売却が同15.5%それぞれ上昇し、営業利益率も向上いたしました。この結果、売上高は3,381百万円(前期比25.7%増)、営業利益は878百万円(同30.3%増)となり、売上高と営業利益の過去最高を更新いたしました。
リフォーム事業におきましては、流通店舗に来店されるお客様に対し、住宅購入の検討段階から積極的にリフォーム担当が同席して提案をする営業戦術が奏功するなど、「中古×リフォーム」の請負契約件数が前期比11.3%、請負契約単価が同19.3%それぞれ増加いたしました。この結果、売上高は2,391百万円(前期比7.5%増)、営業利益は423百万円(同12.2%増)となり、売上高と営業利益の過去最高を更新いたしました。
開発分譲事業におきましては、本年度より中部圏(愛知県名古屋市)で本格的に事業を稼働するなか、関西圏でもお客様から高い支持を得ているブランド戦略は中部圏でも奏功し、全体での自社分譲物件等の契約件数が前期比18.4%増加いたしました。この結果、売上高は7,307百万円(前期比15.0%増)、営業利益は397百万円(同19.0%増)となり、売上高の過去最高を更新いたしました。
賃貸事業におきましては、商業施設(兵庫県宝塚市)において新型コロナウイルスのワクチン接種会場が退去し、賃料収入が減少いたしました。そのようななか、同施設に新規テナント(200坪)が2024年11月にオープンしております。この結果、売上高は227百万円(前期比9.2%減)、営業損失26百万円(前年同期は営業利益7百万円)となりました。
不動産取引派生事業におきましては、営業エリア拡大に伴う取扱件数増加により、住宅ローン事務代行手数料の売上高が前期比10.7%増加いたしました。また、火災保険料単価の高い新築戸建(自社分譲物件)の引渡件数増加を主な要因として、損害保険代理店手数料が同13.7%増加いたしました。この結果、売上高は194百万円(前期比13.4%増)、営業利益は88百万円(同10.5%増)となりました。
その他の事業におきましては、経営コンサルティング業務を行う「ウィルスタジオ」において、新卒採用コンサルティングを中心に受注額が伸長し、売上高が前期比16.4%増加するとともに、営業利益率が同11.2ポイント上昇いたしました。また、人事コンサルティング業務を行う「部活のみかた」においては、地方国公立大学生向けの就活イベントを新規で開催するなど、売上高が同4.6%増加いたしました。この結果、売上高は296百万円(前期比12.7%増)、営業利益は105百万円(同35.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ502百万円減少し、2,316百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益1,019百万円に対し、販売用物件の仕入等により棚卸資産(販売用不動産及び未成工事支出金等)の増加1,023百万円、法人税等の支払額246百万円、売上債権の増加208百万円、役員退職慰労引当金の減少200百万円、前渡金の増加97百万円、仕入債務の減少14百万円によりそれぞれ資金が減少した一方で、未払費用の増加170百万円、減価償却費128百万円、前受金の増加26百万円、未払金の増加17百万円によりそれぞれ資金が増加したことを主な要因として、435百万円の資金減少(前年同期は1,114百万円の資金増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、流通店舗の新規出店に関する改装及び賃貸用不動産の取得等に伴う有形固定資産の取得による支出156百万円、無形固定資産の取得による支出4百万円を主な要因として、158百万円の資金減少(前年同期は87百万円の資金減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、販売用物件の仕入等に伴う短期借入金の純増加1,510百万円、長期借入れによる収入536百万円、社債の発行による収入392百万円、その他31百万円の資金がそれぞれ増加した一方で、長期借入金の返済による支出1,595百万円、社債の償還による支出553百万円、配当金の支払額228百万円の資金がそれぞれ減少したことを主な要因として、91百万円の資金増加(前年同期は148百万円の資金増加)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業形態におきましては、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.契約実績
当社グループが行っている事業のうち、流通事業及び不動産取引派生事業は、契約締結から売上計上までの期間が短く、また賃貸事業は、事業の性質上契約実績の表示がなじまないため、記載を省略しております。
当連結会計年度におけるリフォーム事業の契約実績は次のとおりであります。
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
||||||
|
期中契約高 |
期末契約残高 |
期中契約高 |
期末契約残高 |
||||
|
数量 (戸) |
金額 (百万円) |
数量 (戸) |
金額 (百万円) |
数量 (戸) |
金額 (百万円) |
数量 (戸) |
金額 (百万円) |
|
856 |
2,042 |
104 |
574 |
932 |
2,376 |
103 |
560 |
(注)セグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。
当連結会計年度における開発分譲事業の契約実績は次のとおりであります。
|
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
||||||
|
期中契約高 |
期末契約残高 |
期中契約高 |
期末契約残高 |
||||
|
数量 (戸) |
金額 (百万円) |
数量 (戸) |
金額 (百万円) |
数量 (戸) |
金額 (百万円) |
数量 (戸) |
金額 (百万円) |
|
170 |
6,528 |
12 |
905 |
213 |
7,494 |
22 |
1,092 |
(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。
2.上記の数量欄及び金額欄には、建築条件付にて土地の売買契約を締結した場合においては、戸数及び契約金額を含めて記載しておりますが、当該契約に付随する建物の建築請負契約につきましては、契約金額のみ金額欄に含めております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
|
流通事業 |
(百万円) |
3,381 |
24.6 |
125.7 |
|
リフォーム事業 |
(百万円) |
2,391 |
17.3 |
107.5 |
|
開発分譲事業 |
(百万円) |
7,307 |
53.0 |
115.0 |
|
賃貸事業 |
(百万円) |
227 |
1.6 |
90.8 |
|
不動産取引派生事業 |
(百万円) |
194 |
1.4 |
113.4 |
|
報告セグメント計 |
(百万円) |
13,501 |
97.9 |
115.5 |
|
その他 |
(百万円) |
296 |
2.1 |
112.7 |
|
合計 |
(百万円) |
13,797 |
100.0 |
115.4 |
(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。
2.当連結会計年度の開発分譲事業の販売実績の内訳は次のとおりであります。
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
||
|
種類 |
物件名 |
戸数 (戸) |
販売高(百万円) |
|
土地・戸建分譲プロジェクト等 |
伊丹市中野西 |
13 |
522 |
|
名古屋市天白区土原 |
11 |
444 |
|
|
池田市五月丘 |
11 |
364 |
|
|
名古屋市中区松原 |
1 |
230 |
|
|
尼崎市武庫之荘本町 |
4 |
226 |
|
|
豊中市服部南町 |
7 |
203 |
|
|
名古屋市天白区焼山 |
4 |
170 |
|
|
東京都港区六本木 |
1 |
166 |
|
|
伊丹市桑津 |
5 |
162 |
|
|
名古屋市天白区土原 |
3 |
149 |
|
|
名古屋市守山区城土町 |
4 |
133 |
|
|
名古屋市瑞穂区市丘町 |
3 |
133 |
|
|
宝塚市山本中 |
3 |
109 |
|
|
小計 |
70 |
3,016 |
|
|
その他 |
133 |
4,290 |
|
|
合計 |
203 |
7,307 |
|
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度における資産合計は、前連結会計年度末より944百万円増加し、15,335百万円となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末より837百万円増加し、9,662百万円となりました。主な要因といたしましては、販売用物件の仕入等により棚卸資産(販売用不動産及び未成工事支出金等)が1,028百万円、売掛金が208百万円、その他が107百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が502百万円、商品及び製品が3百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産の残高は、前連結会計年度末より109百万円増加し、5,640百万円となりました。主な要因といたしましては、流通店舗の新規出店や新規契約等により投資その他の資産合計が80百万円、有形固定資産合計が40百万円それぞれ増加した一方で、無形固定資産合計が11百万円減少したことによるものであります。
(負債)
流動負債の残高は、前連結会計年度末より2,518百万円増加し、6,628百万円となりました。主な要因といたしましては、販売用物件の仕入等により短期借入金が1,510百万円、1年内返済予定の長期借入金が459百万円、1年内償還予定の社債が404百万円、未払法人税等が112百万円、その他246百万円がそれぞれ増加した一方で、役員退職慰労引当金が200百万円、支払手形及び買掛金が14百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定負債の残高は、前連結会計年度末より2,088百万円減少し、3,742百万円となりました。主な要因といたしましては、販売用物件の売却に伴い長期借入金が1,519百万円、社債が557百万円、その他が11百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産の残高は、前連結会計年度末より515百万円増加し、4,964百万円となりました。主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純利益を710百万円計上した一方で、2023年12月期の期末配当金を228百万円実施したことによるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高13,213百万円(前期比14.4%増)、営業利益1,120百万円(同12.2%増)、経常利益1,019百万円(同9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益710百万円(同36.2%増)となりました。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前期と比べて1,661百万円増加し、13,213百万円(前期比14.4%増)となりました。主な要因といたしましては、関西圏でもお客様から高い支持を得ているブランド戦略が中部圏でも奏功し、開発分譲事業が増収となったこと、並びに営業エリア拡大や売却物件の獲得に注力した結果、流通事業の経営成績が堅調に推移した結果であります。
なお、詳細につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前期と比べて308百万円増加し、2,120百万円(前期比17.0%増)となりました。主な要因といたしましては、流通事業及びリフォーム事業の売上高増加に連動したものであります。
(営業損益)
当連結会計年度における営業利益は、前期と比べて122百万円増加し、1,120百万円(前期比12.2%増)となりました。主な要因といたしましては、過去最高数となる新入社員の入社や、賃上げ実施、業績に連動した決算賞与の支給などの人的資源への投資等により販売費及び一般管理費が前期と比べて186百万円増加し、1,000百万円(前期比22.9%増)となったこと等によるものであります。
(経常損益)
当連結会計年度の営業外収益は、受取家賃及び受取手数料等の計上により16百万円となりました。また、営業外費用は、支払利息等の計上により117百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前期と比べて89百万円増加し、1,019百万円(前期比9.6%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比べて188百万円増加し、710百万円(前期比36.2%増)となりました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、開発分譲事業に係る用地取得費及び土地造成費等のプロジェクト資金、賃貸事業の物件取得資金、並びに流通事業の店舗用地取得資金等であります。これらの財源は、案件ごとの状況に応じて、内部留保資金及び金融機関からの借入金等で補っております。
また、当社グループは、収益性の高い事業群「フィービジネスとリフォーム」の強化戦略を推進し、安定的かつ持続的な成長に必要な内部留保資金の充実に努めることを基本方針としております。
なお、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおり、該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。