第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「データとアルゴリズムで、人類を豊かにする」をパーパスに掲げ、「企業と人がAIを自在に使いこなし、発展し続ける豊かな未来」の実現に向けて、「AIを搭載したソフトウエアの開発」と「デジタル組織の構築を支援するプログラムの提供」を主軸に、企業のAI活用による成長を支援し、資本業務提携先との連携やM&Aによる非連続成長を通じて、データ×AIで豊かな未来を実現することを目指しております。

 社会課題の解決にあたっては、様々な業界の顧客企業と協働・提携することで、多様な産業・社会課題を解き、その革新を実現し続けることを目指して事業を推進しております。こうして各業界・様々な顧客との産業課題・社会課題解決を推進して得られた知見をもとに、AIを用いたソリューションサービス、プロダクトの開発・提供を行うことで、継続的に革新的なサービスを創出し、より一層広範な社会課題を解決することを目指しております。

 

(2)経営戦略

 当社グループは、業務効率化や業務プロセス再構築等の新たな価値を創造するAIソリューションを提供可能なビジネスモデルを構築しており、当該ビジネスモデルの優位性を最大化するための経営戦略を策定しております。

 ①Top Tierに注力するアカウント戦略の遂行

  ・大手企業を中心とした大口顧客にターゲットを絞り込み、真の顧客課題を掘り起こし、AIX(AIトランスフォーメーション)の推進によるLTVの拡大

 ②テクノロジー×ビジネスによる差別化

  ・当社グループのAI開発力と事業理解の深さによる多様な業界へのAIソリューションの提供と横展開

 ③非連続成長に向けたM&Aの推進

  ・AIロールアップ戦略を軸としたM&Aによる新規AIエージェントやケイパビリティの獲得と強化、AIソフトウエア案件の更なる拡販と普及

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、より高い成長性及び収益性を確保する観点から、売上高成長率及び営業利益率を重要な経営指標と捉えております。2023年12月期から2024年12月期にかけての売上高成長率は33.6%、2024年12月期の営業利益率は15.3%となっており、今後もこの比率の上昇に努めてまいります。

 また、幅広い業界への事業展開や売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、継続率を重要な指標としております。当社の2024年12月期の継続率は71.6%(2023年12月期に100万円以上の取引を行った法人顧客の内、2024年12月期も取引を行った法人顧客)となっており、今後もこの比率の上昇に努めてまいります。

 

(4)経営環境

 国内のAIビジネス市場は2024-2028年の間に1.1兆円から2.9兆円に拡大(出典:IDC Japan株式会社「IDC Worldwide AI and Generative AI Spending Guide」(2024年8月発行)」)、国内の生成AI市場は2024-2028年の間に1,016億円から8,028億円まで拡大する(出典:IDC Japan株式会社「IDC Worldwide AI and Generative AI Spending Guide」(2024年8月発行)」)と予測されております。一方で、2030年にはAI人材の需給ギャップは12.4万人になると予想(出典:みずほ情報総研株式会社「IT人材需給に関する調査」)されております。日本企業は、AI推進のために必要となる人材要件を明らかにし、人材のスキル評価や処遇といったマネジメント制度の整備をする必要があると共に、その上で、採用や外部人材の活用だけでなく、社員の人材育成(リスキリング)といった人材確保のための施策の実施が求められている状況となっております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 業界及び顧客基盤の拡張

 持続的な成長のためには業界や顧客基盤の拡張が必要となります。当社グループの優位性は「①特定の業界に限定されない顧客の課題を捉え、マルチモーダルなAIソフトウエアの開発を可能にする技術コアモジュール」、「②潜在的なAI/DX市場を創出し、高い継続率を実現するビジネスモデル」、「③業界全体が抱える成長ボトルネックを解消する「AVILEN DS-Hub」のエコサイクル」、「④高いブランド認知による顧客獲得能力」であり、これらの競争優位性は特定業界に限定されず幅広い業界において発揮されます。これまでの既存の業界及び顧客で積み上げた実績や知見を当社グループ全体で活用することで継続的に成長を続けてまいります。

 

② 一顧客当たり売上高の向上と契約の長期化

 当社グループは、様々な業界の顧客に対し、ビジネスプロセスへのAI実装やAI実装に向けたコンサルティング(「AIソフトウエアユニット」)、組織のAI/DXロードマップの策定やDXアセスメント、経営企画やエンジニア等部門横断的なAI人材の育成による組織開発の支援(「ビルドアップユニット」)を実施しております。初期的には課題の特定、概念検証等を行い、それらの結果を踏まえて具体的なサービスの提供、AIアルゴリズムの実装や運用へと領域を拡充いたします。よって、その成果に応じて、顧客企業との契約期間が長期化することが見込まれております。また、前年度から契約が継続した顧客との取引は、「AIソフトウエアユニット」では、より高度なAIモデルの実装や運用が必要になることが多く、また、「ビルドアップユニット」では、コンテンツ間での取引拡充が行われ、結果として一顧客当たり売上高は上昇する傾向にあります。

 

③ 既存パッケージ型ソフトウエアの強化と新規パッケージ型ソフトウエアの開発

 当社グループはこれまで資本業務提携先の企業や各業界の上場企業をはじめとした企業に対するAI実装・データ利活用の支援を通じて、「ChatMee」等のパッケージ型ソフトウエアを開発・提供してきました。今後は既存パッケージ型ソフトウエアの強化とAIエージェントを軸とした新規パッケージ型ソフトウエアの開発が課題となりますが、そのために、当社グループの開発体制の強化及び資本業務提携先との更なる連携深化を進めてまいります。

 

④ 技術とビジネス双方において優れた人材の育成

 持続的な成長のためには、技術面及びビジネス面の双方で優れた人材が必要となり、人材の確保と育成が課題となってまいります。当社グループには、AIアルゴリズムの構築等の技術面の豊富な知見を有するデータサイエンティストやエンジニアに加え、AIを活用した具体的な解決策の提示や難易度の高いAIプロジェクトのマネジメント等のビジネス面での執行能力を有するコンサルタントが在籍しております。更には「AVILEN DS-Hub」を通じた採用も行うことで、今後も、技術面及びビジネス面の双方の課題を解決できる能力を持つ人材の育成・採用に投資を継続してまいります。

 

⑤ 非連続な成長を支える事業資金の確保

 当社グループは安定的にキャッシュ・フローを創出しているため、過去第三者割当増資等の資金調達を必要としておりませんでしたが、当連結会計年度においては、株式会社LangCoreの株式取得のために銀行借入による資金調達を行っております。今後の更なる事業拡大に伴う人材獲得や経営基盤の強化、非連続な成長のためのM&A等のアクションのために、戦略的な資金調達を検討していく方針です。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、「データとアルゴリズムで、人類を豊かにする」をパーパスに掲げ、「企業と人がAIを自在に使いこなし、発展し続ける豊かな未来」の実現に向けて、「AIを搭載したソフトウエアの開発」と「デジタル組織の構築を支援するプログラムの提供」を主軸に、企業のAI活用による成長を支援し、資本業務提携先との連携やM&Aによる非連続成長を通じて、データ×AIで豊かな未来を実現することを目指してまいりました。

 新たな付加価値を創出するビジネスに継続的に取組むとともに、自身を変革し続けることで、当社の持続的な成長と企業価値向上を図ってまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

 現在、当社グループではサステナビリティに関する方針・組織は設定しておらず、サステナビリティに関するガバナンス及びリスク管理についての体制をコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりません。サステナビリティに関する事項を含めた全社的なリスク管理に関しては、当社において、代表取締役を議長とするリスク管理・コンプライアンス委員会、情報セキュリティに関しては、執行役員CTOを委員長とする情報セキュリティ委員会を毎月開催し、情報セキュリティ体制や情報管理体制を構築しております。その他ガバナンス及びリスク管理に関する体制の詳細は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。

 

(2)事業戦略

 当社グループは、持続的成長と企業価値向上にあたり、人材を重要な経営資源と考えております。当社グループにおける人材や環境整備に関する考え方については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。また、多様な属性、スキルや経験を有した人材の採用及び就業人員の能力開発の支援に積極的に取り組んでおります。

 

(3)目標及び指標

 現在、当社グループでは性別、国籍、年齢等の区分で管理職の構成割合や人数の目標等は定めておりませんが、その具体的な目標設定や状況の開示について検討してまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性を、以下に記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 技術革新について(発生可能性:中 、影響度:高 )

 当社グループは、各業界の大手企業とのプロジェクトにおいて蓄積されたAIに関する知見や独自のAIアルゴリズムをもとに、業界の共通課題の解決を目指しております。そのため、これらの技術や関連する周辺技術、またその技術を活用したソリューションが競争力の源泉となっており、急速な技術革新があった場合において、変化に対応する開発費や開発工数等が大幅に増加する可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は高くないと想定しております。当該リスクへの対応や更なる競争力の向上のため、継続的な情報収集、優秀なエンジニアやデータサイエンティストの採用や教育に注力しております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業進捗や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② AIビジネス市場について(発生可能性:低 、影響度:高 )

 当社グループが属する国内のAIビジネス市場は2024-2028年の間に1.1兆円から2.9兆円に拡大(出典:IDC Japan株式会社「IDC Worldwide AI and Generative AI Spending Guide」(2024年8月発行)」)、国内の生成AI市場は2024-2028年の間に1,016億円から8,028億円まで拡大する(出典:IDC Japan株式会社「IDC Worldwide AI and Generative AI Spending Guide」(2024年8月発行)」)と予測されております。市場拡大スピードの急速な鈍化や、当社グループのAIビジネスの競争優位性が発揮されないシナリオにおいては、市場が拡大した場合においても当社グループの成長スピードが市場拡大と相関しない可能性があります。また、AIビジネス市場の歴史は浅く、成熟した市場でないため、市場動向が大きく変動する可能性もありますが、その時期は想定されるものではないため現時点で短期的に顕在化するリスクは低いと想定しております。当該リスクへの対応として、単一の業界や顧客に依存しないよう、AIソリューションのラインナップの拡充や、顧客の属する業界の拡充を行っております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合他社について(発生可能性:中 、影響度:中 )

 当社グループは、AI関連領域において事業展開しておりますが、当該分野はその成長性から注目されており、多くの企業が参入しております。そのため、当社グループの競争力が低下する可能性がありますが、ChatGPTをはじめとする最新のテクノロジーを早期にサービス活用(当該テクノロジーを解説したビルドアップコンテンツの開発)するなどの施策を行っております。また、当社グループの競争力が低下する時期は想定されるものではないため現時点で短期的に顕在化するリスクは高くないと想定しております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ マクロ経済について(発生可能性:低 、影響度:中 )

 当社グループがサービスやソリューションを提供する主要顧客は、各業界の大手企業であり、国内外に事業を展開する大企業が中心であります。国内外の景気後退時において多くの主要顧客の経営状態や業績に大きな影響を及ぼす状況となった場合には、プロジェクトの新規獲得や横展開、既存契約の継続に影響を及ぼす可能性はありますが、当社グループの主要顧客の属する業界は様々であるため、そのリスクは分散されているものと認識しております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 外注先の確保について(発生可能性:低 、影響度:低 )

 当社グループでは「AIソフトウエアユニット」及び「ビルドアップユニット」において業務の一部を「AVILEN DS-Hub」所属のエンジニアやデータサイエンティスト、または、協力会社に外注してサービスを提供しております。これら外注先において不測の事態が生じた場合、信頼関係を損なう事態が生じた場合には、新たな外注先の確保に時間を要する、新たな外注先が確保できない事態が想定され、サービスの円滑な提供が阻害され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは外注先との契約のみで完全に回避できるものではなく、顕在化した場合に、顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、その影響度について確定的な見積りを行うことは困難であると認識しております。当社グループとしては、引き続き外注先の分散を図るとともに、定期的な面談機会を設ける等、外注先と良好な関係を維持し、安定的な供給を受ける体制確保に努めること、適正な外注比率を維持することにより、リスクに対する影響度の低減を図る方針であります。

 

(2)事業内容に関するリスク

① プロジェクトの進捗について(発生可能性:中 、影響度:高 )

 当社グループでは、AIソリューション導入前の課題特定や企画、PoC実施、本導入のシステム開発、導入後の継続的な運用保守等のプロジェクトを実施しており、フェーズに応じて収益を獲得しております。多数のプロジェクトが早期のフェーズで終了するような場合や、各フェーズにおいて想定以上に工数がかかる可能性はありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は高くないと想定しております。当該リスクへの対応として定期的に事業部門に加え経営管理部門においても進捗管理をモニタリングする等、プロジェクト管理を徹底しております。想定以上に工数を要している場合は、適切に工数の見積修正を行っておりますが、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響(想定以上に工数を必要とした場合は採算が悪化、検収時期が後ろ倒しになった場合は売上計上時期も後ろ倒し等)を及ぼす可能性があります。

 

② 今後の非連続な成長のための投資について(発生可能性:中 、影響度:中 )

 当社グループは非連続な成長を続けるために、新規AIプロダクトの開発、戦略的な営業活動、新規事業への取り組み、人材の採用、M&A等の戦略的な投資が重要であると認識しております。いずれの投資も当社グループの非連続な成長のために必要なものと認識しておりますが、安定的に収益を獲得できるまでには一定の期間が必要となることが想定され、短期的な利益率低下につながる可能性があります。また、外部環境の変化等により当初計画どおりに推移しない可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。当該リスクに対しては、リスクシナリオを慎重に検討し投資を行うことで、そのリスクの低減に努める方針であります。

 

③ 新規AIソリューションの開発・提供について(発生可能性:中 、影響度:中 )

 当社グループでは産業共通の課題を解決する新規AIソリューションの開発を行っており、これらのAIソリューションを業界内外に横展開することで、事業規模の拡大を見込んでおります。しかしながら、横展開が想定どおりに進まない場合や、横展開する際の導入工数が想定以上となる可能性があり、また、業界内外への横展開に際してAIソリューションにおけるアルゴリズムの精度向上のための産業固有のデータ蓄積が想定どおりに進まない可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は高くないと想定しております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 顧客との継続取引について(発生可能性:中 、影響度:中 )

 当社グループは顧客に対して継続的にサービスを提供しており、継続率は、2024年12月期は71.6%(2023年12月期に100万円以上の取引を行った法人顧客の内、2024年12月期も取引を行った法人顧客)となっております。継続顧客とは定期的に、商談だけでなく情報共有等の面談機会を得るよう運用しておりますが、継続顧客との取引は長期契約に基づいて行われるものではなく、顧客に対する継続的な営業活動を実施した結果、顧客との様々な取引を実現することが可能になるため、何らかの事情で顧客ニーズの継続的な把握ができず、取引ができない場合は当社の業績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 経営成績の季節的な変動について(発生可能性:高 、影響度:低 )

 当社グループの主要サービスである「AIソフトウエアユニット」及び「ビルドアップユニット」では主要顧客の多くが3月末を事業年度末としているため、事業年度末までのサービス提供完了に向けて7月から12月にサービス提供開始を求められ、当社グループの連結会計年度末である12月に向けて売上高が増加する傾向にあります。そのため当社グループの売上高及び営業利益には一定の季節変動がありますが、「ChatMee」等のSaaSプロダクトによる継続収入増加により季節変動を低減していく方針です。

 

⑥ のれんの減損について(発生可能性:低 、影響度:高 )

 当社グループは、2024年10月に株式取得を行った株式会社LangCoreについて、のれんを計上し一定期間で償却を行っております。当該のれんについて、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られなかった場合には、減損による損失が発生するリスクがあります。その場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ ソフトウエア資産の減損について(発生可能性:低 、影響度:低 )

 当社グループでは、「ChatMee」、ビルドアップコンテンツの受講管理システムに係るソフトウエアについては、将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められたものを資産計上しております。資産計上を行う場合は、取締役会にてリスクシナリオの慎重な検討をしておりますが、将来の収益計画の下方修正または開発計画の遅延、コスト増等により、投資回収計画が当初計画に達しない見込みとなった場合には、相当の減損による損失が発生するリスクがあります。その場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ AI資格対策講座について(発生可能性:低 、影響度:中 )

 当社は一般社団法人日本ディープラーニング協会(以下、「JDLA」)の正会員であり、当社が提供しているAI資格対策講座のうち、「E資格コース」はJDLAから認定を受けております。E資格はJDLAが主催するエンジニア資格であり、当該試験を受講するにあたっては、JDLA認定プログラムを一定期間に修了していることが求められております。当社は今後もJDLAへの加入を継続するとともに、有益な講座を提供し続ける方針ではありますが、何らかの事情により、当社がJDLAから離脱する場合や、講座の認定の取り消しがなされるような場合にはE資格に係る講座の提供ができなくなることにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)コンプライアンスに関するリスク

① 訴訟について(発生可能性:低 、影響度:高 )

 当連結会計年度末現在において、当社グループが当事者として提起されている訴訟はありません。リスク管理・コンプライアンス規程を整備して役職員へ周知すること等により法令違反などの発生リスクの低減に努めておりますが、当社グループ又は当社グループ役職員を当事者とした訴訟が発生した場合には、その訴訟の内容や進行状況によっては、当該訴訟に対する金銭的な負担の発生や、当社グループ又は当社グループ役職員のレピュテーションが悪化して社会的信用が毀損されるなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、訴訟の発生についてはその時期及び顕在化の可能性を予見できるものではありません。

 

② 情報セキュリティ体制について(発生可能性:低 、影響度:高 )

 当社グループは、業務において顧客の機密情報及び顧客が保有する個人情報が含まれるデータを取扱う場合があります。人為的なミスや不正アクセスによる情報漏えいが発生する可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。当該リスクに対応するため、社内にて情報セキュリティ委員会を毎月開催し、情報セキュリティ体制や情報管理体制を構築するとともに、2020年5月に情報セキュリティマネジメントシステム(ISO 27001)の認証を取得し、2022年8月にはプライバシーマークを取得しております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、顧客への損害賠償や当社の社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産管理について(発生可能性:低 、影響度:低 )

 当社グループは知的財産権を重要な資産と捉えて、必要に応じて事業に関する知的財産権の保護に努めております。また、当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性についても、調査可能な範囲で対応を行っております。当社グループが認識せずに他社の特許を侵害した場合には、損害賠償請求、使用差止請求またはロイヤリティの支払要求が発生する可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。しかしながら、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当該リスクが顕在化した場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 法的規制について(発生可能性:低 、影響度:低 )

 現在、当社グループが営むAIソリューション事業そのものを規制する法令はありませんが、事業の運営においては「著作権法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」等、多数の法令等により、規制を受けています。当社グループでは、これらの法令を遵守するために、顧問弁護士との情報交換を含め、コンプライアンス体制の充実に取り組んでおります。しかしながら、将来において、このような法令の制定や改正、監督官庁による行政処分、新たな規制の策定又は改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)事業運営に関するリスク

① 人材の確保及び育成について(発生可能性:中 、影響度:中 )

 当社グループが今後も持続的な高成長を続けるためには、優秀な人材の確保・育成が必要不可欠であります。当社グループの求める水準に合致する人材の確保及び育成が計画どおりに進まない可能性や退職者の増加により必要な人員を維持することができない可能性がありますが、当該リスクが短期的及び中長期的に顕在化する可能性は高くないと想定しております。当該リスクに対応するため、積極的な採用活動を進めるとともに、人材の育成も進めており、また外部の業務委託者との連携を強化することでリソースの確保にも努めております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② システム障害について(発生可能性:低 、影響度:高 )

 当社グループの事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しているため、自然災害や事故等によりインターネット通信網が遮断された場合や、アクセス急増に伴いサーバーがダウンするような場合には、サービス提供に支障が生じる場合があります。また、外部からの不正アクセス等によって、システムに重大な影響が出る場合があり、大規模なシステム障害が発生した場合には、当社グループの業績及び事業運営に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、このようなシステム障害等に備え、定期的バックアップ、稼働状況の常時監視、不正アクセス防止のためのセキュリティ強化、原則月次での不正アクセスチェック等のリスク対応策を行っております。

 

③ 社歴が浅いことについて(発生可能性:中 、影響度:中 )

 当社グループは2018年8月に設立された社歴の浅い企業となります。当社グループは今後もIR活動などを通じて経営状態を積極的に開示してまいりますが、当社グループの過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の実績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分である可能性があります。

 

④ 小規模組織であることについて(発生可能性:低 、影響度:中 )

 当社グループは、当連結会計年度末現在において、従業員63名と小規模な組織となっており、内部管理体制は事業の拡大及び従業員の増加に合わせて整備を進めております。適切な人材確保や配置ができず組織的な対応が困難となる場合や、事業規模に応じた事業体制、内部管理体制の構築が追いつかない可能性はありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。当該リスクに対応するため今後もより一層の人員充実を図る予定ですが、当該リスクが顕在化した場合には当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 内部管理体制について(発生可能性:低 、影響度:中 )

 当社グループでは、企業価値の持続的な増大を図るためにコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの業績及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しており、組織規模や環境に応じた管理人員の増員を図り、業務の自動化、効率化、各種研修などの教育により、管理体制の充実に努めております。

 

⑥ 大規模な災害等に関するリスク(発生可能性:低 、影響度:中 )

 当社グループは、テレワークが可能な体制を構築しており、大規模な地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大等が発生した場合でも事業継続が可能となっております。これらの災害等が長期間に及ぶ場合には、顧客企業や当社グループの顧客ターゲットとなる企業の経営判断・事業運営に大きな影響を与える可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。当該リスクに対応するため、顧客及び顧客の属する業界の拡充を行っておりますが、当該リスクが顕在化した場合に、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 特定の人物への依存について(発生可能性:低 、影響度:低 )

 当社代表取締役である高橋光太郎は、当社の創業メンバーであり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。現状において、何らかの理由により高橋光太郎が当社の業務を継続することが困難になった場合には次の代表取締役が就任するまでの期間やその後の定着までの期間において業務執行に支障をきたす可能性はありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。当該リスクに対応するため、当社は特定の人物に過度に依存しない体制を構築するべく、執行役員の設置や積極的な情報共有等により経営組織の強化を図っております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他のリスク

① 日本郵政キャピタル株式会社との関係について(発生可能性:低 、影響度:低 )

 当社と日本郵政キャピタル株式会社は日本郵政グループ(日本郵政株式会社を頂点とする、同社及び同社のグループ会社を総称して以下「日本郵政グループ」という。)に対するDX推進を目的とし2022年3月22日付で資本業務提携を締結し、2022年3月29日付でジャフコSV6投資事業有限責任組合及びジャフコSV6-S投資事業有限責任組合から日本郵政キャピタル株式会社に対して当社株式の譲渡が行われたことにより、日本郵政キャピタル株式会社は当社発行済株式数の2.00%を保有する株主となりました。その後、さらなる関係強化のため2023年6月2日付で資本業務提携を締結し、2023年6月14日付でジャフコSV6投資事業有限責任組合及びジャフコSV6-S投資事業有限責任組合から日本郵政キャピタル株式会社に対して当社株式の譲渡が行われ日本郵政キャピタル株式会社は当社発行済株式数の20%超を保有する株主となり、当連結会計年度末現在、当社のその他の関係会社に該当しております。また、日本郵政キャピタル株式会社の100%親会社は、日本郵政株式会社であり、当社のその他の関係会社に該当します。

 当社と日本郵政グループの間では、当社が有するデータサイエンティストやエンジニア等専門家人材による役務の提供や、日本郵政グループと当社で開発したDX人材育成教材の提供等がありますが、一般取引先と同様の決裁権限及び条件にて実施しており、取引の適正性を確保しております。また、関連当事者との取引については、関連当事者取引管理規程に従って、取締役会における取引結果の定期モニタリング及び新規取引の事前承認を行うこととしております。当連結会計年度末現在、日本郵政グループからの役員の派遣等の人的関係はありません。さらに、当社の事業遂行において、日本郵政グループの事前承認又は事前報告を必要とする事項はなく、日本郵政グループと事業領域は相違していることから、当社の独立性及び自立性は確保されていると認識しており、今後についても同様の関係性を維持する方針です。

 現在、日本郵政グループとの関係は良好ですが、仮に関係が悪化するような事態が発生した場合、当社に対する日本郵政グループ関連の取引の減少等により当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は、今後もサービス品質の維持向上を図り日本郵政グループの期待に応え、良好な関係維持に努めてまいります。

 

② ストック・オプションによる株式価値希薄化について(発生可能性:低 、影響度:低 )

 当社は、役員、従業員に対するインセンティブ等を目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後もストック・オプション制度を活用していくことを予定しており、現在付与している新株予約権に加え、今後新たに付与される新株予約権について行使が行われた場合は、既存株主が有する株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。新たに付与される新株予約権について、その時期は想定されるものではありませんが、現在付与している新株予約権については短期及び中期において一定程度が行使され当該リスクが顕在化するものと想定しております。なお、当連結会計年度末現在における新株予約権による潜在株式数は597,600株であり、発行済株式数6,107,493株の9.78%に相当しております。

 

③ 配当政策について(発生可能性:低 、影響度:低 )

 当社グループは、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながるものと考え、創業以来配当を実施しておりません。今後においては、業績・財務状況及び事業環境等を勘案したうえで、株主への利益配当を検討していく方針でありますが、持続的な成長に向けた投資を戦略的に実行する場合や当社グループの事業が計画どおり推移しない場合など、配当を実施できない可能性があります。なお、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期比較は行っておりません。

 

① 経営成績の状況

 当社グループは「データとアルゴリズムで、人類を豊かにする」をパーパスに掲げ、「企業と人がAIを自在に使いこなし、発展し続ける豊かな未来」の実現に向けて、「AIを搭載したソフトウエアの開発」と「デジタル組織の構築を支援するプログラムの提供」を主軸に、企業のAI活用/DX推進による成長を支援してきました。その中で、特に既存取引先のLTV最大化、AIソリューションの新パッケージ開発及びM&Aに向けた取り組みにより一層注力し、非連続成長の実現のための施策を進めております。

 AIソフトウエアユニットでは、AI・データサイエンスの観点でデータの利活用により業務効率化等の新たな価値を創造するソリューションを提供しています。高速かつ高精度なボイスボットの展開や業務プロセスの完全自動化を目指す帳票処理AIエージェント等の最先端の生成AIソリューションの開発をはじめ、生成AI関連の開発プロジェクトやChatGPTを組み合わせた自社SaaSプロダクトである「ChatMee」等、生成AIビジネスへの展開に注力しております。

 ビルドアップユニットでは、AI/DXに関わる組織及び人材の現状評価から必要人材(ビジネス領域及びエンジニア領域)の育成まで、AIの実装を実現するための組織開発に必要なパッケージ化されたサービスを一気通貫で提供しております。また、新たに生成AI関連コンテンツをリリースするなどサービス範囲の拡充を進めております。

 AI業界を取り巻く事業環境については、生成AIの登場でAIの利活用が急速に実用化へ近づいている状況であり、日本における生成AI需要は2024-2028年の間に1,016億円から8,028億円まで拡大する予測(出典:IDC Japan株式会社「IDC Worldwide AI and Generative AI Spending Guide」(2024年8月発行)」)がされております。この環境下において、AIソフトウエアの需要拡大に伴い、特にAI人材の需給ギャップが広がり、真に価値のある生成AI活用のニーズが顕在化する見通しとなっております。

 良好な事業環境のもと、組織開発からAIアルゴリズム開発まで完結したソリューションを提供できる当社独自の一気通貫モデルに加え、株式会社大塚商会等の資本業務提携先との連携を深化させながら、AIソフトウエア及びビルドアップ共に顧客基盤の拡充、継続性の高いプロジェクトを着実に積み上げております。また、DS-Hubの活用等により今後の成長に向けて優秀な人材の採用も順調に進んでおります。加えて、生成AI領域に特化したエンジニア集団である株式会社LangCoreの連結子会社化により、当連結会計年度の第4四半期から連結決算を開始しております。また、株式会社LangCoreの強みである生成AIプロダクトを活かし、大型プロジェクトの受注につながる等、シナジーが早期に創出されており、両社の短期的な収益向上のみならず、中長期的な事業拡大が見込まれる状況にあります。

 当連結会計年度においては、AIソフトウエアユニット及びビルドアップユニットにおける顧客数・プロジェクト数は堅調に推移し、売上高1,241,485千円、営業利益189,353千円、経常利益188,821千円、親会社株主に帰属する当期純利益116,012千円となりました。なお、当社グループはAIソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、当社グループの販売実績を主な内訳に区分した売上高は、AIソフトウエアユニットは790,915千円、ビルドアップユニットは450,569千円となっております。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 流動資産は804,714千円となりました。主な内訳は、現金及び預金566,333千円、売掛金及び契約資産207,170千円であります。

 固定資産は428,783千円となりました。主な内訳は、株式会社LangCoreの株式取得により発生したのれん342,691千円、自社利用目的のソフトウエア43,255千円であります。

 この結果、当連結会計年度末における資産合計は1,233,498千円となりました。

(負債)

 流動負債は673,653千円となりました。主な内訳は、短期借入金400,000千円、契約負債77,122千円であります。

 固定負債は7,250千円となりました。内訳は、長期借入金であります。

 この結果、当連結会計年度末における負債合計は680,903千円となりました。

(純資産)

 純資産は552,595千円となりました。主な内訳は、資本金62,609千円、資本剰余金59,609千円、利益剰余金429,802千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、567,835千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、223,368千円となりました。主に、売上規模の拡大による税金等調整前当期純利益172,192千円、売上債権の回収による売上債権及び契約資産の減少額56,642千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により支出した資金は、359,372千円となりました。主に、株式会社LangCoreに係る子会社株式の取得による支出340,261千円、自社利用目的のソフトウエアの開発進捗に伴う無形固定資産の取得による支出12,544千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、421,619千円となりました。主に、株式会社LangCoreの株式取得に係る短期借入金の増加額400,000千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入21,618千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

 提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当社グループは、AIソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、当連結会計年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。

サービス区分

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

前年同期比(%)

AIソフトウエアユニット(千円)

790,915

ビルドアップユニット(千円)

450,569

合計(千円)

1,241,485

(注)第7期より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比の数値を記載しておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表等は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの主な資金需要は、人件費、経費およびM&A関連費用等となっております。これらについては、現時点では自己資金に加えて銀行借入も実施しており、成長戦略の遂行に向けて適時適切な手段で調達を行う方針であります。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針に関して

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(資本業務提携)

(日本郵政キャピタル株式会社との資本業務提携契約)

 当社は、2023年5月29日開催の取締役会において、日本郵政キャピタル株式会社(以下、当社と併せて「両社」という。)との間で資本業務提携(以下、「本資本業務提携」という。)等に関する合意書を締結することを決議いたしました。

 当社と日本郵政キャピタル株式会社との間の2022年3月22日付「資本業務提携等に関する合意書」の締結以降、日本郵政キャピタル株式会社が属する日本郵政グループ(日本郵政株式会社を頂点とする、同社及び同社のグループ会社を総称して以下「日本郵政グループ」という。)全体のDX推進のための各種施策に、日本郵政グループにおける横断的かつ一体的なDXの推進に取り組んでまいりました。本資本業務提携は、これらの取り組みをより一層拡大させ、両社の企業価値を向上させることを目的とするものであります。

 

 本資本業務提携に係る契約の内容は次のとおりであります。

相手方名称

契約の名称

契約内容

契約締結日

日本郵政キャピタル株式会社

資本業務提携等に関する合意

日本郵政キャピタル株式会社は以下の各号に掲げる業務の提供を希望する日本郵政グループに属する各社に対して、当社が当該業務を提供できるよう努力を行うものとする。

1.当社が有するデータサイエンティストやエンジニア等専門家人材による優先的な役務の提供

2.日本郵政グループ各社と当社で開発したDX人材育成教材の提供

その他:当社取締役(高橋、錦)の経営専念義務等

2023年6月2日

 

(株式会社大塚商会との資本業務提携契約)

 当社は、2023年6月22日開催の取締役会において、株式会社大塚商会(以下、当社と併せて「両社」という。)との間で資本業務提携(以下、「本資本業務提携」という。)に係る契約を締結することを決議いたしました。

 本資本業務提携は、株式会社大塚商会の強固な顧客基盤及び幅広いIT関連サービスと、当社のAI関連開発技術及びDX・AI人材育成のノウハウを組み合わせることで、両社が提供する付加価値のさらなる向上を図り、両社の企業価値を向上させることを目的とするものであります。

 

 本資本業務提携に係る契約の内容は次のとおりであります。

相手方名称

契約の名称

契約内容

契約締結日

株式会社大塚商会

資本業務提携契約

株式会社大塚商会は以下の各号に掲げる業務の提供を希望する同社及び同社顧客に対して、当社が当該業務を提供できるよう努力を行うものとする。

1.当社が有するデータサイエンティストやエンジニア等専門家人材による優先的な役務の提供

2.当社が有するDXプロダクト・サービスの提供

その他:当社取締役(高橋、錦)の経営専念義務等

2023年6月27日

 

(株式会社LangCoreの株式取得)

 当社は、2024年10月11日開催の取締役会において、株式会社LangCoreの全株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結するとともに、2024年10月29日付で株式の取得が完了いたしました。

 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。

 

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。