第一部 【企業情報】

第1 【企業の概況】

1 【主要な経営指標等の推移】

回次

第14期

第15期

第16期

第17期

第18期

決算年月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

2024年12月

売上高

(千円)

882,868

1,215,796

1,480,636

1,523,120

1,559,020

経常利益又は

経常損失(△)

(千円)

126,717

298,606

455,536

141,757

274,367

当期純利益又は

当期純損失(△)

(千円)

86,353

201,998

297,162

58,882

629,039

持分法を適用した
場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

85,494

85,494

369,890

370,618

371,751

発行済株式総数

普通株式

(株)

1,075,000

1,075,000

8,136,000

8,207,100

8,327,640

A種優先株式

163,500

163,500

純資産額

(千円)

249,057

451,056

1,316,974

1,377,475

750,348

総資産額

(千円)

1,308,554

1,963,776

2,908,069

3,223,909

2,570,910

1株当たり純資産額

(円)

33.52

60.70

161.87

167.81

90.10

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は

1株当たり当期純損失(△)

(円)

11.62

27.18

39.13

7.22

76.37

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

38.61

6.90

自己資本比率

(%)

19.0

23.0

45.3

42.7

29.2

自己資本利益率

(%)

41.9

57.7

33.6

4.4

59.1

株価収益率

(倍)

20.6

76.1

配当性向

(%)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

285,706

400,275

209,584

148,820

4,735

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

45,498

13,309

47,922

604,417

58,883

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

197,691

40,084

826,690

333,951

14,043

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

796,380

1,169,882

2,158,234

1,738,947

1,661,285

従業員数

(名)

81

94

98

141

121

〔外、平均臨時雇用者数〕

-〕

-〕

-〕

-〕

-〕

株主総利回り

(%)

68.9

122.6

(比較指標:TOPIX)

(%)

(-)

(-)

(-)

(125.1)

(147.2)

最高株価

(円)

1,580

1,069

1,113

最低株価

(円)

786

460

474

 

(注)1.当社は、連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.持分法を適用した場合の投資利益は、関連会社がないため記載しておりません。

3.第14期及び第15期の1株当たり純資産額については、優先株式に対する残余財産の分配額を控除して算定しております。

4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

5.第14期及び第15期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。

6.第18期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

7.第14期及び第15期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

8.第18期の株価収益率は、当期純損失であるため、記載しておりません。

9.従業員数は就業人員であり、従業員数欄〔〕外書は臨時雇用者数(パートタイマーを含み、派遣社員を除く)の年間平均人員であります。なお、平均臨時雇用者数については、臨時雇用者数の総数が従業員数の100分の10未満のため、記載を省略しております。

10.2022年6月10日付で発行済みのA種優先株式の全数を自己株式として取得し、対価として当該A種優先株主に、A種優先株式1株につき普通株式1株を交付しております。また、当社が取得したA種優先株式は、2022年6月10日付で会社法第178条に基づき全て消却しております。

11.2022年6月11日付で株式1株につき6株の株式分割を行っております。そこで、第14期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

12.第14期から第16期の株主総利回り及び比較指標については、当社は、2022年9月28日に東京証券取引所グロース市場へ上場したため、記載しておりません。第17期以降の株主総利回り及び比較指標は、2022年12月期末を基準として算定しております。

13.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所グロース市場における株価を記載しております。なお、当社は、2022年9月28日に同取引所へ上場したため、それ以前の株価については記載しておりません。

14.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第16期の期首から適用しており、第16期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

15.第18期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第17期の関連する主要な経営指標等について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。

 

 

2 【沿革】

提出会社は、2007年大阪市生野区において、インターネットコンサルティングを目的とする会社として、現在の株式会社グラッドキューブの前身である「合同会社GLAD CUBE」を創業いたしました。

合同会社GLAD CUBE設立以後の当社に係る経緯は次のとおりであります。

年月

概要

2007年1月

合同会社GLAD CUBE設立(大阪府大阪市生野区)

2008年2月

株式会社グラッドキューブとして組織変更 リスティング広告のコンサルティングを開始

2011年1月

マーケティングソリューション事業を開始

2011年10月

Google Excellent Performer Award 最優秀賞受賞

2013年3月

サイト制作サービスを開始

2013年4月

東京支社開設(東京都渋谷区)

SaaS事業開始

ウェブ解析ツール「SiTest(サイテスト)」β版ローンチ

Facebook(現:Meta Platforms, Inc.)広告代行サービスを開始

アクセス解析サービスを開始

2014年3月

東京支社移転(東京都渋谷区)

2014年9月

大阪本社移転(大阪府大阪市中央区)

2016年5月

「SiTest」AIレポート機能を提供開始

2016年9月

SPAIA(スパイア)事業開始

スポーツAI予想解析メディア「SPAIA」β版ローンチ

2017年1月

「SiTest」ディープラーニングによる自動返信機能を提供開始

2017年7月

大阪本社移転(大阪府大阪市中央区)

東京支社移転(東京都港区)

2018年2月

MICイノベーション4号投資事業有限責任組合及びNTTインベストメント・パートナーズファンド2号投資事業有限責任組合を割当先とする第三者割当増資を実施

NTTグループとの取引開始

2018年12月

「SPAIA」アプリ版ローンチ

2019年7月

「SiTest Lite」ローンチ

2019年12月

競馬AI予想解析メディア「SPAIA AI競馬」(現:SPAIA競馬)β版ローンチ

2020年3月

東京支社移転(東京都港区)

2020年11月

「SPAIA AI競馬」アプリ版ローンチ

2022年7月

サイト高速化ツール「FasTest(ファーステスト)」β版ローンチ

2022年9月

東京証券取引所グロース市場に株式を上場

2023年4月

ウェブサイトの課題を「ChatGPT × SiTest」で解決、「無料ウェブサイト診断」開始

2023年5月

タグを1つ追加するだけでフォーム離脱率を改善「 SiTest SMART フォーム」のサービス提供開始

2023年10月

グラッドキューブ スポーツデータセンター「DRAGON DATA CENTER」を開設

ランディングページの課題を診断・改善施策を提案する「LPO コンパス supported by オプト」の提供開始
workhouse株式会社より、一部の事業を譲受

2024年1月

業容拡大のため、東京支社を移転(東京都港区)

2024年1月

事業セグメントを変更し2事業部体制スタート(マーケティングDX事業部、テクノロジー事業部)

2024年3月

リスキリングプログラム「リスナビ」の提供開始

2024年6月

「SiTest」の新機能「ノーコードウィジェット」提供開始

2024年8月

国内最大級LPOツール「SiTest」において100万サイト導入突破

 

 

 

3 【事業の内容】

当社は「世界中の人々に笑顔と喜び(glad)を届ける 」であることをビジョンとして定め、また「最先端の技術を追求し、世界で価値創造できる企業にする」ことを新たなミッションに掲げ、人々の喜びをカタチにする企業として、社会への新たな価値を創造するビジネスを展開しております。

当社は、業績の更なる向上及び経営の安定化を図りながら、当社の強みである AI を用いたデータ解析力から顧客が求めるビジネスを実現するべく、2024年より事業セグメントをマーケティングDX事業部とテクノロジー事業部の2事業部体制に変更いたしました。

マーケティングDX事業部では、AI 搭載のウェブマーケティング支援プロダクトを提供する SaaS 事業、インターネット広告運用代行のネット広告事業、そして、デジタルマーケティングのリスキリングプログラムの提供およびデジタルマーケティングスクール受講者の転職支援を行っております。

テクノロジー事業部では、SPAIA(スパイア)事業は、AIの機械学習を使用したスポーツメディアプラットフォームとして、プロ野球一球速報等を軸とするSPAIAを運営、SPAIA競馬ではSPAIAから競馬コンテンツを切り出したサブスクリプション型サービスを提供しています。また、あらゆるスポーツデータを扱えるベッティング分析システム等を開発する、「DRAGON DATA CENTER」では、大手スポーツメディアや世界中のスポーツベッティング企業へ分析したデータの提供、DX開発事業では顧客課題を解決するための企画提案型受託開発事業などをおこなっており、データ解析力と開発力を強みとした幅広い事業を展開しております。

「SaaS事業」…自社開発のSiTestの販売、並びにSiTestを用い、アクセス解析、ウェブサイト・コンテンツ制作、コンサルティングによる包括的なデジタルマーケティング施策を顧客に提供しております。

「ネット広告事業」…インターネット広告の提案型運用、コンテンツ制作、アクセス解析を行い、広告効果を報告するために事業部内で作成したレポート等の成果物を顧客に提供しております。

「クリエイティブ事業」…顧客の要望に合わせ、広告と連動したサイトやランディングページ、品質の高い動画や画像制作を顧客に提供しております。

「SPAIA事業」…自社開発によるSPAIAのメディア運用、AIによるプロ野球の勝敗予想、スーパー選手名鑑、SPAIA競馬のウェブ・アプリで予想オッズ配信や予想に役立つコンテンツ等を一般消費者へ無償提供しているほか、AI予想家によるAI競馬予想、詳細な競馬データ等を一般消費者へ有償で提供しております。プロ野球のデータ提供元であるデータスタジアム株式会社と協業し、プロ野球一球速報ウィジェットを顧客に提供しております。

「DRAGON DATA CENTER事業」…幅広いスポーツデータを保有し AI 開発やデータ解析している当社ならではの強みを活かし、従来のスポーツデータ供給事業とは異なる概念で、大手スポーツメディアや世界中のスポーツベッティング企業へ分析したデータを提供しております。

「DX開発事業」…2023年10月24日付でworkhouse株式会社の一部の事業譲受により、AI領域におけるコア人材を確保し新たな技術力を獲得できたことから、新たなプロダクト開発やAI領域における研究開発やWEBサービスなどの受託開発を行っております。

「UI/UX事業」…自社運営サイト等のユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)を最適化し、製品やサービスの使いやすさ、満足度、成果を向上させるための包括的な取り組みを行っております。

 

(1) SaaS事業

SiTestはウェブサイト解析から改善まで一気通貫して実施できるオールインワンのLPOツールであります。顧客のウェブサイトを訪れたユーザーがどこを閲覧しているか、クリックしているかを可視化するヒートマップを提供しております。ユーザー行動が蓄積されたデータを検証し仮説を立て、管理画面内からA/Bテスト(スプリットテスト、多変量テスト)を行うことにより、ウェブサイトの課題を発見し改善を行うことができます。一般的にA/Bテストを行うには別のウェブサイトを2つ以上制作してテストを実施するため、コストと時間を必要としますが、SiTestでは専門的な知識を持たないユーザーでも即時にテスト用のパターンを作成できます。ショッピングカートやウェブサイトの入力フォームを最適化するEFO(Entry Form Optimization)、マーケティング担当者の効率化をサポートする自動レポート機能など、ウェブサイトの最適化に必要な機能をオールインワンで兼ね備えているのがSiTestの最大の特徴であります。

 

当社の営業プロセスモデルでは、潜在顧客を獲得し見込顧客に転換するマーケティング担当、見込顧客の育成を行うインサイドセールス担当、ツールの活用支援やサポートを行い契約継続を促すカスタマーサクセス担当がおります。ネットレベニューチャーンレート(*1)で計測しております解約率については、足元の当事業年度第4四半期における四半期平均は2.4%と、当事業年度第3四半期より上がりましたが、一時的なものと捉えております。SaaS事業の主要KPIは平均単価とアカウント数としております。第4四半期時点で四半期期間平均単価は93,873円で過去最高金額となりました。また、アカウント数につきましては2024年12月期の第4四半期時点で四半期期間平均アカウント数はネット広告とあわせて1,047件とこちらも過去最高数値となり、平均単価、アカウント数共に順調に推移しております。平均単価の定義はツール費や付随するサービスを合計したものを平均単価とし、四半期ごとの平均を四半期期間平均としております。アカウント数の定義は有料アカウントの発生ベースで積み上げております。また、SiTestには小規模事業者向けのヒートマップ機能を抜粋した「SiTest Lite」がございます。

 


(*1)ネットレベニューチャーンレート…(失った月次経常収益-増額した既存顧客分の月次経常収益)/月初(先月末)の月次経常収益

 

SiTestの主な機能は以下のとおりであります。

ヒートマップ解析

① スクロールヒートマップ:ユーザーがページのどの部分までスクロールしたかを表示する機能

② スクロールデータ:スクロールヒートマップとして表示されるデータを定量的に表示する機能

③ マウスグラフィヒートマップ:ユーザーのマウスポインタの滞在箇所をサーモグラフィ状に表示する機能

④ クリックヒートマップ:ユーザーがウェブページ内を想定どおりにクリックしているかを検証する機能

⑤ タップヒートマップ:スマートフォンやタブレット端末でユーザーがタップした箇所を表示する機能

⑥ タッチアクション:スマートフォンやタブレット上で起こるユーザーのタップ(指先でのタッチ)、スワイプ(指で特定の方向へ動かす操作)、ピンチイン・ピンチアウト(指で拡大・縮小する操作)をSiTest独自の表現でセグメント別に確認できる機能

⑦ クリック(タップ)データ:ウェブページ内に配置された要素のクリック(タップ)数を計測し、どのボタンや画像がクリックされたのか可視化する機能

 

録画再生機能

ひとりひとりのユーザーがサイト内でどのように行動したかを動画で確認でき、定性的なデータからユーザビリティ上の問題点を発見して、より成果に結びつきやすいサイトへ改善する機能

① セッションリプレイ:訪問したユーザーのクリック/マウスの動き/スクロールなどを再現し、動画として再生する機能

② ゲイズプロット:サイト内のユーザーの行動を「順序」と「滞在時間」で可視化し、ページ上のコンテンツをどの順番で、どのくらいの時間で読んでいるのかを視覚的に把握できる機能

テスト機能

① A/Bテスト:同一URLにアクセスしてきた任意の割合の訪問者に改善案のページを表示してオリジナルのページと成果を比較できる機能

② 多変量テスト:A/Bテストではページ単位での比較になるが、多変量テストは一度に複数の要素の改善案をテストできる機能

パーソナライズ機能

サイト訪問者の属性・行動ごとにコンテンツを最適化した「パーソナライズしたページ」を表示させて、コンバージョン率を向上させる機能

① ページの閲覧環境やアクセスデータの項目と、流入時のセッションの範囲・タイミングとを組み合わせた「振り分け条件」を設定して、パーソナライズの対象となるサイト訪問者を選別する

② ウェブサイト又はページへの流入時に「振り分け条件」に一致したサイト訪問者に対して「パーソナライズしたページ」を表示させることができる

ポップアップ機能

任意の画像を、指定したページにリンク付きのポップアップ(*1)として表示させることで、ユーザーの視認性を高めてコンバージョン(*2)の向上が期待できる機能。

デバイスに合わせて最適なポップアップを表示させることができ、さらに配信したポップアップに対するサイト訪問者の「クリック」の反応はもちろん、設定したゴールに対する「ポップアップを経由したコンバージョン」を一覧画面で確認できる

EFO(エントリーフォーム最適化)

ユーザーの入力を自動でサポートしたり、入力内容に対して適切なエラーメッセージを表示するなど、ユーザーの手間を省いてフォームの利便性を向上させる機能

レポート機能

SiTestにログインしなくても、レポートを指定したメールの宛先に毎週配信するため、ログイン権限がない関係者の方にも最新のウェブサイトの状況を共有できる

① スマートレポート:各種ヒートマップの分析結果が、Excel形式のファイルにまとめられた状態でダウンロードできるレポート

② AIレポート:ニューラルネットワーク(*3)を活用して学習している膨大な数のウェブ行動データを利用し、利用ユーザーと他社のサイトの状況を比較して改善点を分析するレポートサイトのコンバージョンデータを様々な切り口からレポーティングするだけではなく、Search Console(*4)と連携して、押さえるべき重要な指標もまとめて反映するレポート

データ比較機能

ウェブサイトの改善前と改善後の期間や、異なるセグメントのヒートマップを並べて比較することで、改善の成果や訪問時の条件が異なるユーザーの行動を分析できる

① 期間比較機能:ウェブサイトの改善を行う前と行った後の期間を比較して、改善を行ったことによる成果を判断することができる機能

② セグメント比較機能:ウェブサイトに初めて訪問したユーザーとリピーターなど、特定の条件で訪問者を絞り込んで比較できる機能

アクセス解析機能

① ダッシュボード:ウェブサイトへのアクセス状況を、ウェブ解析の一般的な指標の数値とグラフでわかりやすく可視化する機能

② セッション一覧:全てのセッション(*5)において、PV数などの情報を一覧で確認できる機能

③ ゴールファネル:コンバージョンをゴールとして設定し、ゴールを達成するまでにクリアする条件をステップとして複数設定できる機能

ウェブ広告連携機能

サイトに訪れたユーザーに対し、エンゲージメントが高い動きをしたユーザーのみリターゲティング広告の配信テストを作成するなど、広告配信のCPA(*6)を最適化する支援をする機能

 

ノーコードウィジェット機能

① テンプレートウィジェットからの新規要素追加として、複数の予め用意されたテンプレートを用いて、少しの修正で新しい要素を追加したテストパターンを作成することができます。初期のリリースではスライドショー/通知バー/固定 CTA/アコーディオン/ポップアップ等のウィジェットが実装される予定です(今後も増える見込みであります)

② マイウィジェットとして、ページ内の要素を編集してマイウィジェットとして保存、一覧で管理し、再利用が可能になります。HTML等の専門的な知識も不要であるため、担当者でウェブサイトの編集や改善施策を簡単に実施することができます。

③ 効果測定として、ウィジェットが何回表示されたのか、クリックされたのか、クリック経由のコンバージョン数がどれくらいあるのかを把握することが可能となります。この機能により、ウィジェットを追加したことで、どのぐらい成果に繋がったのかを定量的に分析することが可能です。

④ メディア機能として、アップロードした画像を一覧で管理し、必要に応じて再利用が可能となります。SiTest には画像等を保存できる機能はありませんでしたが、この機能により、A/B テストやパーソナライズ・ポップアップ等を実施するにあたり、保存した画像から選択して利用できます。

 

(*1)ポップアップ…ウェブサイト上に小さい画面を重ねて表示させるウェブサイトを指します。

(*2)コンバージョン…インターネットを利用するユーザーが広告を操作し(広告のクリックや動画広告の視聴等)、広告主にとっての広告の目的とする特定の行動(サイトでの商品購入やアプリのダウンロード等)に至ることを指します。

(*3)ニューラルネットワーク…人間の脳の神経回路網を模した数学モデルであり、機械学習の一手法のことを指します。

(*4)Search Console…Google社が提供するウェブサイトのパフォーマンスが分析できるツール。

(*5)セッション…ウェブサイトへのアクセス開始から終了までの一連の通信を指します。

(*6)CPA…Cost Per Actionの略で、顧客獲得単価と訳されます。コンバージョン1件あたりに要した広告費用のことを指します。

 

2022年7月にローンチしたウェブサイト高速化ツール「FasTest(ファーステスト)」においては、現在SiTestとともに提案・導入に向けた営業活動をしております。

FasTestの主な機能は以下のとおりであります。

高速化したページ固有のURL自動生成機能

高速化したランディングページを広告運用に利用し、広告の品質スコアを改善する機能

高速化したページのHTMLファイルダウンロード

高速化したページのHTMLファイルをダウンロードできる機能

ソースコードを既存のランディングページのHTMLファイルと置き換えれば、公開中のURLのままページスピードの高速化を実現できる

画像ファイルの自動圧縮

ページスピードに大きく影響する画像のファイルサイズを、画質の劣化を抑えた圧縮によって自動で軽量化する機能

これにより、快適なウェブページの閲覧やウェブ上の購買体験をサイト訪問者に提供することができる

画像ファイルの次世代フォーマット自動変換

画像ファイルを、ファイルサイズの圧縮率が高い次世代フォーマットの「AVIF」や「WebP」に自動変換する機能

ページスピードの高速化とGoogle社の「Google PageSpeed Insights」スコアの改善に効果が期待できる

レポーティング機能

ページスピードの改善を数値化し、導入前後のパフォーマンスを比較できる機能

SiTest連携(オプション)

当社が提供するSiTestと連携し、共通のアカウントとして利用できる機能連携することにより、FasTestでページスピードを高速化したページをSiTestのヒートマップ機能で分析し、A/B テスト機能で検証して改善したページをFasTestでさらに高速化するなど効率的な改善ができる

 

 

 

(2) ネット広告事業

当該事業においては、主に大企業・中小企業に対してインターネット上の広告運用代行と付随するアクセス解析及びクリエイティブ制作を行っております。人材のリソース不足や専門的な知識を持たない企業の課題に対し、現状分析から戦略立案、効果的な出稿媒体選定、コンテンツ制作、実行、効果測定までワンストップで提供しております。十分な予算やリソースが不足している中小企業、個人事業主に対しては少額プランを提供しており、幅広い企業の収益機会の拡大に貢献しております。

当該事業の顧客に対してもSaaS事業のプロダクトであるSiTest等を提供することにより更なる価値を提供可能であることから、両事業間でのリードシェアを積極的に実施しております。当社は営業専任の人材を有していないものの、広告運用及び顧客折衝教育まで幅広く社員教育を行っております。そのため、顧客の求めるビジネス成果の達成に寄与しております。

 


当社が顧客に提供している主なサービスは以下のとおりであります。

 

① インターネット広告運用

主に運用型広告を中心に、インターネット広告の代理販売及び運用代行を提供しております。なお、当社が提供する主なインターネット広告は以下のとおりであります。

・リスティング広告運用

インターネットにおいて、ユーザーの検索結果に適した広告を表示するサービスであります。検索結果の画面に広告が表示される検索連動型と、訪問先のウェブサイトに広告が表示されるコンテンツ連動型、テキストや画像、動画形式で掲載されるディスプレイ広告があります。

・DSP広告運用

DSPとは「Demand Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)」の略称であります。DSPを用いて広告配信を行うのがDSP広告であり、配信先ターゲット層の設定や広告予算の設定など、広告の成果を上げるための配信設定や調整を行っております。

・SNS広告運用

SNSとは「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の略称で、特定のメンバーでコミュニケーションをとる機能を持つウェブサイトやサービスを指します。各SNSのウェブサイトや検索結果を通じて広告を出稿することで、共通の興味関心が多いユーザーの目に留まりやすく、ターゲット層を詳細に設定できることが特徴であります。

・バリュープラン

中小企業向けにSiTest Liteを含めた少額プランを提供しております。

 

② アクセス解析

Google Analyticsを用いてウェブサイトのアクセス解析を提供しております。広告運用による解析とあわせて、広告によってウェブサイトを訪れたユーザーの動向や属性を解析し、顧客の求めるターゲット層に乖離がないか、また広告運用を効果的に実施できているかなど様々な切り口の解析結果を顧客へ提供しております。

 

③ サイト解析

自社開発のウェブサイト解析ツールSiTestを用いて広告によってウェブサイトを訪れたユーザーの動向や属性を解析し、顧客の求めるターゲット層に乖離がないか、また広告運用を効果的に実施できているかなど様々な切り口の解析結果を顧客へ提供しております。②のアクセス解析で実現できないヒートマップ解析及びスクロール解析を主に用いております。

 

(3) クリエイティブ事業

当該事業においては、顧客のブランド価値向上とマーケティング目標達成を強力にサポートする、総合的なクリエイティブソリューションを提供しています。

当該事業が顧客に提供している主なサービスは以下のとおりであります。

 

① 顧客ニーズに合わせた多様なクリエイティブ制作

・広告と連動したWebサイトやランディングページの制作を提供

・高品質な動画・画像制作を提供

・スマートフォン普及に伴う縦型動画の制作を提供

・縦型ショートドラマ制作サービス「Dra Vis(ドラビス)」の提供

Dra Vis(ドラビス)」は、広告活用も視野に入れ、ストーリー性と感情的訴求を重視した縦型ショートドラマを制作するサービスであります。短時間で視聴者を引き込み、企業のメッセージを効果的に伝えるコンテンツを提供しております。

② 運用型クリエイティブ制作

・アウトソーシングなどを活用し、効率的かつ柔軟なクリエイティブ制作を提供

・Web広告だけでなく、総合的なクリエイティブ支援

 

(4) SPAIA事業

当社はAIの機械学習を使用したスポーツメディアプラットフォームとして、プロ野球一球速報等を軸とするSPAIAを運営しております。プロ野球一球速報ではウィジェット化して新聞社やメディアへ販売しているほか、メディアの記事連携による広告収入及び自社サイトでの広告収入が収益モデルとなっております。

その中でも顧客需要があった競馬コンテンツを別サイトに切り出し、無料会員及びサブスクリプション型の有料会員を募ったところSPAIA事業の売上が拡大したことから、特にSPAIA競馬に注力しております。SPAIA競馬に関しては有料会員による収益のほか、メディアの記事連携による広告収入がございます。

■SPAIA競馬

SPAIA競馬はSPAIAから競馬コンテンツを切り出したサブスクリプション型サービスであります。SPAIAのAIとは異なるAIを搭載していること、異なるデータを活用していることなどから、アプリもSPAIAと分けて開発及び運用しております。SPAIA競馬には有料会員と無料会員があります。有料会員(月額課金)の場合、コースが3種類(ダイヤモンド・プラチナ・ゴールド)あり、無料会員では利用できないAIによる解析データを付加価値として提供しているほか、コースごとに利用可能なコンテンツの範囲・質が異なっております。

有料会員数は2021年度第4四半期から減少傾向にありますが、同年8月に価格を引き上げた影響により解約率が悪化したものであります。現在は価格を引き下げ、UI/UXの改善等を行い、有料会員数が改善するよう継続してプロモーション施策等を行っております。

有料会員数とは、当社が提供している各コース(ダイヤモンド・プラチナ・ゴールド)の登録会員数から算出しており、四半期ごとの平均値をとっております。

 

 


 

■SPAIA

SPAIAはAIの機械学習によってプロ野球の勝敗予想コンテンツを兼ね備えたスポーツメディアプラットフォームであります。SPAIAでは編集部が取材・編集したオリジナル記事を読めることに加え、自社開発にて一部自動生成されるインフォグラフィック(*1)記事を提供しております。

SPAIAは、記事を配信するだけでなく、ソーシャル機能も兼ね備えたユーザー参加型の勝敗予想や詳細なセイバーメトリクス(*2)が掲載されたスーパー選手名鑑、立体的なグラフィックのプロ野球の一球速報でスポーツをより身近に愉しんでもらえるコンテンツを複数展開しているのが最大の特徴であります。

主な機能は以下のとおりであります。

(*1)インフォグラフィック…情報、データ、知識を視覚的に表現したもの

(*2)セイバーメトリクス…野球のデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える分析手法

 

① AI勝敗予想

AIが過去の対戦データや選手データを分析して、試合の勝ち負けを予想。プロ野球AI勝敗予想では、勝つと予想したチームに投票することで、ユーザー自身の勝敗予想結果と的中率を記録できる。試合ごとにAI勝敗予想の根拠を説明したレポートも配信。月ごとにユーザーランキングも発表するコンテンツ。

 

② 一球速報リアルタイム配信

プロ野球の球種・配球・打球方向をAIが予想。投球の軌跡と球種情報を臨場感あふれる3Dグラフィックでリアルタイム配信を行う。1試合中の勝利確率やターニングポイントがわかるWPAグラフ(*1)も掲載することで、深い視点で試合観戦ができるコンテンツ。

 

③ スーパー選手名鑑

プロ野球、Bリーグに登録されている選手の詳細情報を配信。選手プロフィールなどの基本情報だけでなく、シーズン成績や試合別成績データも選手ごとに掲載し、更新性の高い選手名鑑コンテンツを提供。

 

④ セイバーメトリクス

プロ野球の選手個人別、チーム別の豊富なデータをわかりやすく、比較しやすくするために数値だけでなくレーダーチャート(*2)や様々な種類のグラフで視覚的に掲載するコンテンツ。

 

⑤ ドラフト注目選手・歴代指名選手情報配信

今季のドラフト注目選手や候補選手のプロフィール、シーズン成績を掲載。ドラフト会議当日はリアルタイムで速報結果を配信。今季だけでなく、遡ってデータを閲覧することができ、現役から歴代まで幅広いドラフト候補選手情報が年代別、チーム別で閲覧することができる。守備や属性(高校生・大学生・社会人)、現在の状況がひと目でわかるグラフを掲載しているコンテンツ。

 

⑥ インフォグラフィック記事

ライトなスポーツファンもスポーツデータを愉しめるよう、視覚的にグラフィックで表現した記事。

 

⑦ アプリ内での配信

スマートフォン向けアプリでは競馬コンテンツを中心に、セイバーメトリクス軸でのプロ野球選手分析など、SPAIAならではのコンテンツを配信。

 

⑧ オリジナル記事

長く親しみやすいロングテール記事(*3)を中心に、オリジナルの記事、スポーツ界の著名人をゲストに招いた対談記事、独自のインタビュー記事を配信。

(*1)WPAグラフ…WPAとは「Win Probability Added」の略であり、「勝利期待率加算値」「勝利確率」を意味します。WPAグラフは、勝利確率の推移をグラフ化したものになります。

(*2)レーダーチャート…複数の変数を構成比に直すことなく、正多角形上に表現したグラフを指します。

(*3)ロングテール記事…時事性のある記事と比較した場合、閲覧数は少ないものの、時期を問わない内容であるため、長期間にわたって読まれやすい記事を指します。

 

■DRAGON DATA CENTER(ドラゴン データセンター)

スポーツエンターテインメント分野において、あらゆるスポーツ・競技の魅力を最大限にファンにお届けするプロジェクトを進めることとし、その一環としてスポーツデータセンター「DRAGON DATA CENTER(ドラゴンデータセンター)」を開設いたしました。

このプロジェクトでは、「データ×解析×テクノロジー」をコンセプトとし、画像解析やウェアラブルデバイス、センシング技術などの最新テクノロジーを駆使して、スポーツ・競技に関連する情報(データ)を取得します。取得したデータは、生成AI、インフォグラフィックや3Dグラフィックなどを活用し、取得したデータを分かりやすくファンにお届けし、スポーツに新たな視点を創出することが最大の特徴であります。

また取得したデータはワンソース・マルチユースを目指し、ファンの方々の利用に留まらず、競技現場の選手や監督、チーム経営者や管理者、スポーツコンテンツ制作に関わるスタッフの方々にデータ解析を通じた新たな洞察やDXを通じた利便性を提供することも特徴であります。

今後は、スポーツベッティング市場への参入に向け、あらゆるスポーツのデータを取扱い、そのデータを分析予想をするためのベッティングに関するシステムの開発を行い、DRAGON DATA CENTERにおける収益モデルの創出をいたします。

 

(5) DX開発事業

当該事業は、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)テクノロジーを利用したWebサービスやアプリ、AI(人工知能)を活用した自動応答システム(チャットボット)などの次世代型新サービスに関する開発を強みとしており、AI・IoTなど先端技術によるさまざまなソリューションの提供を行っております。

このように、AI、DXそしてWeb3.0といった先進技術を駆使して、クライアントとの密なコミュニケーションを重視し、ニーズを的確に捉えたシステム開発を行い、長期的なパートナーシップを築き、クライアントのビジネス成長を継続的に支援しております。

グラッドキューブがもつ生成AIに関するシステム開発のノウハウをベクトルグループに提供し、ベクトルグループが大規模なシステム開発案件において、スピーディーな開発体制の構築が可能となりました。今後も当社が培ってきた生成AIシステム開発の実績と活用・推進ノウハウを最大限に活かし、大手企業等が持つ開発リソースと組み合わせることで、顧客の事業課題解決や新たな価値創造につなげていく考えであります。

 

 

(6) UI/UX事業

当社のUI/UX事業は、自社のデジタル製品やサービスがの成果につながるかを追求する専門チームです。単にインターフェースを美しくするだけでなく、自社サイトに訪れる顧客の行動、感情、ニーズを深く理解し、それに基づいて最適な体験を設計します。

UIデザインでは、最新のデザイン原則と技術を活用し、視覚的に魅力的で、操作しやすいインターフェースを制作します。アクセシビリティにも配慮し、あらゆる顧客が快適に利用できるデザインを追求します。あた、顧客のフィードバックを迅速に反映させることで、開発後期での大幅な修正を避け、効率的な製品開発を支援します。そして、継続的な改善サイクルを通じて、顧客体験の質を常に向上させます。

 

当社の事業系統図は、以下のとおりとなります。


4 【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

 

 

 

2024年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

121

34.2

3.6

5,481

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

マーケティングDX事業

72

テクノロジー事業

25

全社(共通)

24

合計

121

 

(注)1.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない従業員であります。

3.臨時従業員の総数は、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

(2) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑に推移しております。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率

(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%) (注)3

全労働者

うち正規

雇用労働者

うち非正規

雇用労働者

23.1

50.0

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づき算出したものを記載しております。

2.「育児休暇、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものを記載しております。

3.当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではないため記載を省略しております。