第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 創業以来現在まで、たゆまぬ創造・革新によってお客様に常に満足を提供することを心がけてまいりました。これからも企業理念のキャッチコピーである「ココロを『みどり』でいっぱいに。」を合言葉に、各事業におきまして、お客様に夢や感動を提供することを最重要課題と位置付け、スタッフ一人一人が、いかなる状況の変化にも対応し、その状況を突破するための柔軟な発想と実行力を持つことに重点を置き、新しい付加価値を次々と創出していくことで、当社グループ事業の「強み」に磨きをかけ、日々変化する顧客ニーズや消費動向に対応するとともに、当社グループ事業の競争力を高めることで業績向上に努めてまいります。

 また、企業として利益の確保に向けた経営を進めていくことはもちろんのこと、社会的責任を自覚の上、法令の遵守や倫理に則った企業活動を実践し、地域発展への貢献にも努め、すべてのステークホルダーから「信頼」される企業を目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは売上高経常利益率の向上を目標としております。

 この目標達成のため、目まぐるしく変化する消費動向に対応し、常に変化し続ける営業体制作りを心がけ、様々な商品やサービスの提供に努めて集客を図り売上増加を目指すとともに、現状分析及び関連設備の全面的な見直しを行い、無駄な経費の削減に努めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 集客事業を柱とする当社グループでは、多彩なイベントの開催・季節に応じたキャンペーンの造成・女性層や3世代ファミリーに的を絞った戦略・さらには海外からのお客様に向けた制度を最大限に活かした営業展開や商品の販売強化に引き続き取り組み、さらなる集客を図ります。

 また、外部環境に柔軟に対応可能な組織変更やグループ再編による各事業の効率化の実現を目指してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上の課題

今後につきましては、雇用や所得環境改善による景気の持ち直しを見込む一方、不安定な国際情勢や各種原材料価格の上昇に伴う消費意欲の減退懸念など、レジャー事業を取り巻く環境は、まだまだ予断を許さない状況であります。

このような状況の下、「中期経営計画2026」の骨子であります、各事業の収益力強化、経営の効率化、人的資本経営の推進ならびにサステナビリティ経営に基づき、様々な局面に対して迅速かつ適切に対応して、更なる企業価値向上に努めてまいります。

 

なお、各セグメントにおける具体的施策は次のとおりです。

 

(遊園地事業)

九州の『グリーンランド』におきましては、春のイベントとして、3月より、女児に大人気のアニメ「プリキュア」を題材としたフロアイベント「キミとアイドルプリキュア♪ キラッキランラン♪フェスタ♡」を開催いたします。

また、併せて、人気ⅤTuber(ブイチューバー)のトークライブや多彩なキャラクターショーの開催により幅広い世代の集客を図ります。

そのほか、広大な園内を使用したグリーンランド名物の花火大会やお客様のニーズを捉えた話題性の高いイベントを鋭意開催してまいります。

施設面におきましては、春季に、新規アトラクションとして回転ブランコ「ウェーブスインガー GURUGURU」ならびに体験型アトラクション「黄金ハンター ~7つの挑戦~」をオープンさせるとともに、園内飲食店舗や物販店舗の大規模リニューアルを実施いたします。また、夏季の暑さ対策の一環として、園内各所で涼感演出を手掛けるとともに、プール営業においては、新たな遊びゾーンを展開いたします。

そのほか、従来のPR展開に加えて、SNSを活用したお客様との双方向のコミュニケーションにより、新たなイベント創出やリピーター拡大に注力してまいります。

『北海道グリーンランド遊園地』におきましては、春の遊園地オープンから、多様なキャラクターショーを開催するとともに、夏季には子供向けの新規アトラクションを導入して、更なる集客拡大を図ってまいります。

『北海道グリーンランドホワイトパーク(スキー場)』におきましては、ゲレンデ整備の強化に注力し集客を図ります。

『いわみざわ公園』におきましては、「バラ園」で夏と秋の「ローズフェスタ」を拡充して開催し、併せて、「色彩館」や「キャンプ場」についてもSNS等を通じたPRを強化することで集客を図ります。

 

(ゴルフ事業)

『グリーンランドリゾートゴルフコース』におきましては、季節毎の多彩なオープンコンペの開催に加え、各種競技大会開催ならびにその練習ラウンドにより集客を図ります。

また外部予約サイトの活用をはじめ、効率的な予約管理や自動精算システムの利用促進など、経営効率の向上にも努めてまいります。

『大牟田ゴルフ場』、『広川ゴルフ場』の両メンバーシップコースでは、コース整備や景観向上に重点的に取り組むこととして、各種ゴルフコンペの獲得に加え、インバウンド客の受け入れならびにSNSなどによる情報発信の強化により集客拡大を図ります。

 

(ホテル事業)

『ホテルブランカ』におきましては、週末や長期休暇期間は、遊園地やプール、ゴルフ場に隣接する強みを活かしたお得な宿泊プランの販売促進に努めるほか、平日においては、ビジネス客やインバウンド客の取り込みに注力し、集客拡大を図ります。

『ホテルヴェルデ』におきましても、グリーンランドリゾートのオフィシャルホテルとしての強みを打ち出すとともに、開業30周年を記念して、「こだわりの朝食」をテーマとした限定プランを造成し、特に平日や閑散期における観光客からビジネス利用客まで幅広い層の利用獲得を図ってまいります。

料飲部門におきましては、和食レストラン「小岱」では、季節毎に趣向を凝らした正統な日本料理が味わえることを最大の強みとして、地元客を中心として利用促進を図ります。また、洋食レストラン「フォンターナ」におきましては、多彩なランチバイキングの団体利用獲得に加え、スイーツバイキングなどの話題性の高いイベント開催で収益拡大を図ります。

そのほか、スイートルームの改装を行うほか、ホテルならではの多彩な演出を加えた宴会プランなど、収益性の高いご利用プランの販売に注力いたします。

『ホテルサンプラザ』におきましては、駅に近い好立地を活かして、ビジネス客や各種団体客の利用促進を集客の柱として取り組み、加えて、韓国からのゴルフツアーをはじめとするインバウンド客の獲得に努めてまいります。

料飲部門においては、朝食のメニュー拡充のほか、ランチタイムの新プラン造成により利用拡大を図ります。

『北村温泉ホテル』におきましては、「源泉掛け流し43℃の名湯」ならびに強塩泉で保温効果が高い「温まりの湯」を強みとして、滞在期間中の料金全てを含んだ「オールインクルーシブプラン」の造成により、観光やアクティビティを目的とした短期滞在利用を促進してまいります。

 

(不動産事業)

不動産事業におきましては、引き続き、既存テナントにおける賃貸料の改定を着実に取り進めるとともに、遊園地周辺の社有地への新規テナント誘致に注力し、収益基盤の安定化を図ります。

また、行政に対する社有地の用途変更の要請も含め、積極的に遊休社有地の活用に取り組んでまいります。

 

(土木・建設資材事業)

土木・建設資材事業におきましては、主力事業であるバイオマス火力発電所への燃料投入業務の安定的な受託に加え、グループ事業を通じた幅広いネットワークを活かし、土木工事受注ならびにポゾテック等の建設資材の販売促進を図ってまいります。

 

当社グループといたしましては、「ココロを『みどり』でいっぱいに。」というキャッチコピーのもと、お客様に夢や感動を与えることを目標に掲げるとともに、日々、スタッフ全員が、お客様の笑顔から充実感を得ながら各事業に邁進しております。

これからも、常に新しいことに取り組むチャレンジ精神を持ち続け、これまで培った「ブランド力」に磨きをかけていくことで、明るい未来に続く経営基盤の強化に努めてまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

 当社グループは、事業を通じて、あらゆる世代の方々に、「夢や感動を与える企業」でありたいと願い続けております。また、企業としての利益の確保はもちろんのこと、社会的責任を自覚の上、法令の遵守や倫理に則った企業活動を実践し、地域発展への貢献にも努め、すべてのステークホルダーから信頼される企業を目指しております。

 以上の企業理念の下、私たちは、「ココロを『みどり』でいっぱいに。」をキャッチコピーに掲げ、より良い施設づくりやより良いサービスの提供を行うことで、新たな付加価値を創出し、当社グループの持続的成長に努めてまいります。そのためには、多様な人材の確保や育成といった人的資本への投資の重要性を認識するとともに、事業活動を通じて環境問題をはじめとする各種の社会問題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきたいと考えております。

 

(1)ガバナンス

 当社は、サステナビリティに関する課題全般について、主に業務執行取締役で構成する経営会議において、その解決策や戦略の実現性や効果などを多面的に審議し、経営上、特に重要な事項については取締役会の審議を経たうえで決定することとしております。

 

(2)戦略

 当社は、サステナビリティの推進に向けた経営課題として、「各事業の収益力強化」、「経営効率化の推進」、「人的資本経営の推進」、「SDGsを意識したサステナビリティ経営の強化」を掲げ、その解決に向けて取り組んでおります。

 とりわけ、当社グループの主力事業であるレジャー事業においては、目まぐるしく変化する顧客ニーズに対応し、また、常に顧客の期待を上回るサービスを創出していくことが求められるため、自ら考え、常にチャレンジ精神をもって自発的に行動できる人材の獲得や育成を中心とした「人的資本経営の推進」が重要であると考えており

ます。

 その実現に向け、以下の取組を行っております。

 

(人材育成の方針)

 当社グループは、事業を通じて、あらゆる世代の方々に、「夢や感動を与える企業」でありたいと願い続けております。

 その実現において、原動力となる多様な人材は最も大切な経営資源であり、個々の能力や個性を伸ばし、また存分に発揮してもらうことで当社グループの発展に寄与するとともに、従業員一人ひとりの働きがいや自らの仕事への誇りを高めていくことが重要であると考えております。

 そのためには、各種研修の実施や適切なジョブローテーションを実施するなど、従業員が幅広い知識と経験を積み上げて成長できる機会を十分に提供するとともに、更なる働きがいの向上に向け、新たなチャレンジを支援する制度の充実化や風通しの良い企業風土の醸成を図ってまいります。

 

(社内環境整備の方針)

 従業員一人一人の能力や個性を最大限に発揮するため、あらゆる角度から「働きやすさ」と「働き甲斐」の向上に向けた施策に取り組んでおります。

 ①従業員一人ひとりを尊重する取組

  ・従来の人事考課制度における所属長との個別面談に加え、定期的な1on1ミーティングの実施により、きめ

   細かい指導により各人の成長を促すとともに、モチベーションアップに繋げております。

  ・社内アイディア募集制度により、日常業務の改善から全社的な取り組みまで幅広く、自由な提案を行う企業

   風土を育み、各人のやりがいを促進しております。

 

 ②労働環境の改善に向けた取組

  ・有給の特別休暇制度である「リフレッシュ休暇」を導入し、年間休日数を拡大いたしております。

   また、DX化を柱とした業務効率化による年間総実労働時間短縮にも取り組んでおります。

  ・各事業の運営施設において、一定の休業日を設けることで、従業員の安定的な休日確保を図っております。

  ・賃金改定を積極的に行うことで、優秀な人材の獲得・確保に努めております。

 

 ③研修や自己研鑽促進の取組

  ・定期的に外部講師を招いた研修を実施するほか、eラーニング制度の導入によりリスキニングの促進を図っ

   ております。

  ・20代を中心とした若手層による横断的なプロジェクトチームを設置することで、互いに刺激を与え合いなが

   ら、中長期的な課題解決を含め、やりがいのある業務に取り組むことが出来ております。

 

 ④その他の取組

  ・福利厚生制度の拡充により、プライベート活動の充実化を支援いたしております。

  ・従来の定期採用に加え、中途採用の積極的な推進による多様な人材ならびに高度専門人材の獲得への取り組

   みを進めております。

  ・社員を対象とした「エンゲージメント調査」を実施することで、部門毎、職位毎、世代毎など多角的な視点

   から労働環境の課題を見つけ、早急な改善施策に繋げております。

 

(3)リスク管理

 当社は、リスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、「リスク管理規則」を定めており、それぞれのリスク項目に関して、所管する部門毎にその対応策や戦略などを立案し、経営会議においてその内容を審議・決定し、特に重要な事項については、取締役会に付議・報告することとして、全体のリスクを網羅的に管理しております。

 

(4)指標及び目標

 当社では、商号に用いております「グリーン(緑)」が表すとおり、豊かな緑地を活かしながら遊園地事業やゴルフ事業を行っております。また、持続可能な社会の実現に向け、その一番の土台となるのは「豊かな自然環境の維持」であると考えております。

 そこで、当社におきましては、「豊かな緑地の適正な管理」、「太陽光発電などの環境負荷の少ないエネルギーの利用」、「環境に配慮した製品の使用」、「地産地消や食品ロス削減の取り組み」など、自然環境に配慮した事業活動の推進を目標としております。

 

 また、当社では、人的資本経営に係る様々な取り組みを、従業員のエンゲージメント向上に繋げることが最大の成果であると考えており、定期的に実施いたします「従業員エンゲージメントスコア」を指標として、そのスコアの向上を目標(目標スコア5.6ポイント/7ポイント中)としております。                 (直近スコア平均:4.88ポイント/7ポイント中(前回比+0.35ポイント)※ポイントは専門調査企業による算出)

 

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

 なお、これらについては、発生の可能性が必ずしも高くないと考えられるものを含めて記載していること、また、当社グループに特有のリスクのうち主要なものを記載しており、当社グループの全てのリスクについて網羅的に記載したものではないことに留意をお願いします。

 当社グループは、これらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 天候条件や大規模災害及び感染症による影響

 台風、降雨・雪をはじめとする悪天候や熊本地震のような想定を超える大規模災害の発生及び新型コロナウイルスなどの感染症の蔓延は、遊園地・ゴルフ・ホテル事業が基幹である当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが直接影響を受けない場合であっても、取引企業や顧客が影響を受けることで、事業活動の制限、個人消費意欲が低下するといった副次的な影響により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 悪天候などによる一定の影響は見込んでおりますが、多くの来場者を見込む最盛日に雨が続くことや、台風や降雪で閉場日が多くなること、更には猛暑によるゴルフ客の減少や暖冬による北海道のスキー場の雪不足など、その後の営業努力では補えない利用者数の減少となることがあります。

 

(2) 安全・衛生管理について

 サービス業である当社グループは、顧客と直接接することによって成り立っている業種であり、その提供するサービスの安全性や衛生管理については最優先課題として取り組んでいるところであります。

 当社社内規則のうち「業務管理規則」には遊園地・ゴルフ場の安全確保・災害防止規則、ゴルフ場の安全使用規則、飲食業務の衛生管理に関する規則などを定め業務の普遍化を図るとともに、各所における安全会議で常に確認をしております。また、保険加入についても漏れがないよう注意しております。

 なお、遊園地では、遊具・飲食・売店などの設置・運営の多くをテナント制としております。テナント制の施設では、売上高に対して委託料を支払うこととなっており、例えば、大型遊具機械については大手遊具メーカーが製造・設置し専門的な手法により責任を持って運営するなど、安全面・投資面においてリスクの分散を図っております。

 また、遊具テナントに対する管理体制を万全とすることとし、国土交通省から示された定期検査内容の遵守や、運行時の指差確認、各遊具の見えるところに「安全点検確認書」を掲示するなど、顧客に対する「安全・安心」を最優先事項といたしております。

 万一、重大な事故が生じた場合、社会的信用が失墜するとともに、安全性に対する疑念が生じ、その後の事業展開や経営成績に影響を与える恐れがあります。

 

(3) 経済状況

 当社グループの事業は、国内市場に大きく依存しております。従って、国内における景気の後退及びそれにともなう需要の減少、または消費動向に影響を与えるような不測の事態の発生は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える恐れがあります。

(4) ゴルフ場入会預託金の償還の影響

 当社グループは、3ゴルフ場を経営しておりますが、このうち有明カントリークラブ大牟田ゴルフ場・久留米カントリークラブ広川ゴルフ場は会員制ゴルフ場であり、入会時に入会預託金を預っております。

 ゴルフ会員向けのサービスとして、当社グループの種々の施設を利用したメンバー優待制度、65歳以上の会員は親族に名義変更でき本人はそのまま名誉シニア会員となれる制度、既存会員の紹介により手頃な価格で既存会員の会員権を分与できる選択制会員権制度など、会員数の増加や、プレー人員の確保に努めております。

 預託金の償還要請には応じて償還を進めておりますが、ゴルフ需要の急激な低下や予期せぬ風評被害などによっては、預託金の償還要請が急増することが考えられ、この場合、当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 固定資産の価値の下落

 当社グループは、遊園地・ゴルフ場・ホテル事業を営んでいるため比較的多額の固定資産を保有しております。今後、固定資産の時価の下落、収益性の低下にともない資産価値が下落したときは、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、主な固定資産が集積している荒尾市の当リゾートエリアでは、年々新しい施設が加わるなど、新たな賑わいの創出は、社有土地の時価の維持という当社グループの方針にとって望ましいものと考えております。

 

(6) 金利の変動

 当社グループにとって、著しい金利変動は経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 繰延税金資産の回収可能性の評価による影響

 当社グループは将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対し、将来の課税所得等を合理的に見積り、繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得等が見積りと異なることで繰延税金資産の全部又は一部の回収可能性がないと判断される場合には、繰延税金資産を減額することになります。この結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、慎重に繰延税金資産の回収可能性を検討し、合理的な範囲内での繰延税金資産の計上を行うよう努めております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

a)経営成績

当連結会計年度の当社グループにおきましては、各種経済活動の正常化の動きと合わせ、インバウンドを含む人流の回復が順調に進む中、新たに策定した「中期経営計画2026」の下、積極的な集客施策に取り組みましたが、物価高騰による個人消費の抑制の動きも見られたほか、ゴールデンウィークや猛暑に見舞われた夏休み期間における利用者数が伸び悩むなど、各セグメントの利用者数は、新型コロナウイルス感染症の5類指定に伴う行動制限の緩和や全国旅行支援事業の影響で好調であった前期と比べて減少いたしました。

一方、施設ならびにサービスの拡充と合わせて各種料金改定を行ったほか、効率的な経費支出に取り組み、各事業における収益力の向上に努めました。

以上により、当連結会計年度の業績につきましては、売上高6,412,347千円(前期比5,386千円増)、営業利益774,686千円(前期比114,277千円減)、経常利益780,818千円(前期比110,561千円減)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益534,234千円(前期は大きな減損損失の計上等もあり前期比70,546千円増)となりました。

 

 

当連結会計年度

(千円)

前連結会計年度

(千円)

増減額

(千円)

増減率

(%)

売上高

6,412,347

6,406,960

5,386

0.1

営業利益

774,686

888,964

△114,277

△12.9

経常利益

780,818

891,379

△110,561

△12.4

親会社株主に帰属する当期純利益

534,234

463,687

70,546

15.2

 

次に、事業の種類別セグメントの概況をご報告申し上げます。

 

(遊園地事業)

九州の『グリーンランド』におきましては、春に、国内外で高い人気を誇るバーチャルシンガー「初音ミク」のフロアイベントや園内のレインボードームに新たに設置した臨場感溢れるライブステージを舞台に、「仮面ライダーガッチャード バトルステージ」を展開いたしました。

そのほか、季節毎に趣向を凝らした花火大会を開催したほか、ⅤTuber(ブイチューバー)や大人気ゲームとコラボレーションしたイベントなど、1年を通じて話題性の高いイベントを開催して集客を図りました。

施設面においては、新規アトラクション「サブマリンシューティング」を導入し、夏季限定の「ウォーターパーク(プール)」におきましては、コロナ禍で中断しておりました「波のプール」の再開に加え、ウォーターキャノンなどを用いた特別ショーを開催し、猛暑に見舞われた夏休みの集客に繋がりました。

また、開園以来初めてとなる休園日設定の取り組みを行い、園内各施設の保安強化と拡充を図るとともに、全スタッフのワークライフバランスの確立により、新たなサービス創造と一層のサービス向上に努めました。

以上の結果、利用者数は、前期比77,760人減少の785,531人、売上高は前期比85,223千円減少の2,220,234千円となりました。

 

『北海道グリーンランドホワイトパーク(スキー場)』におきましては、学校団体の利用は堅調で、2月の天候不良での落ち込みを12月でカバーし、利用者数は前年に及ばなかったものの、売上高を伸ばすことができました。

『北海道グリーンランド遊園地』におきましては、春の遊園地オープンより、多彩なキャラクターショーのほか、「竹下☆ぱらだいす」のライブショーなど、話題性の高いイベントを開催いたしました。また、年3回の大規模な花火大会や北海道最大級の野外音楽フェス「JOIN ALIVE(ジョインアライブ)」など、スケール感のあるイベント開催で多くの集客を図りました。

『いわみざわ公園管理』におきましては、『バラ園』では「ローズフェスタ」、『色彩館』では、「洋らん展」や「つるバラピクニック」など、施設の魅力を伝えるPRイベントを開催いたしました。また、4月より新たに『利根別自然公園』などの指定管理者として指名を受けることで、収益基盤の安定化を図りました。

この結果、北海道の遊園地ならびにスキー場を合わせた利用者数は前期比10,175人増加の226,539人、売上高は前期比57,598千円増加の674,562千円となりました。

以上の結果、遊園地事業の利用者数は前期比67,585人減少の1,012,070人となり、売上高は前期比27,624千円減少の2,894,796千円、営業利益につきましては前期比84,612千円減少の822,293千円となりました。

 

(ゴルフ事業)

『グリーンランドリゾートゴルフコース』におきましては、36ホールを有するパブリックゴルフ場として、趣向を凝らした多様なオープンコンペを開催したほか、回復傾向にある韓国人ゴルファーの利用促進により集客拡大を図りました。また、自動精算機の拡充やレストランのセルフオーダーシステム導入により、プレーヤーの利便性向上と合わせて効率的な運営を図ったほか、環境に配慮した自家消費型太陽光発電システムを導入し、光熱費の削減にも努めました。

『大牟田ゴルフ場』、『広川ゴルフ場』の両メンバーシップコースでは、各コースの特性や立地を活かした集客施策に努めるとともに、『大牟田ゴルフ場』における開場50周年記念コンペなどをはじめ、各種大型ゴルフコンペの利用回復に注力いたしました。また、キャディ付プレーの促進やきめ細やかなプレープランの造成による客単価増加に取り組んだほか、コース内への企業広告看板誘致により収益向上を図りました。

以上の結果、3ゴルフ場を合わせた利用者数は、前期比7,287人減少の142,318人となり、売上高は前期比27,099千円減少の1,046,218千円、営業利益につきましては、前期比24,570千円減少の87,749千円となりました。

 

(ホテル事業)

『ホテルブランカ』におきましては、遊園地やゴルフ場に隣接するオフィシャルホテルとしての利便性をPRして、ファミリー客を中心に集客を図りました。

また、料飲部門におきましては、多彩な味が楽しめる鍋バイキングや遊園地を望む中庭バーベキューのほか、プールを含む遊園地利用客の着実な取り込みにより、売上拡大を図りました。

『ホテルヴェルデ』におきましては、開業30周年を迎え、客室をはじめ様々な館内設備のリニューアルに取り組むとともに、宿泊部門では、OTA(オンライン・トラベル・エージェント)ならびに自社予約を活用して、客室稼働率ならびに客室単価の増加を図りました。

料飲部門におきましては、和食レストラン「小岱」では、地元の食材をふんだんに使った料理をPRし、洋食レストラン「フォンターナ」においては、好評なランチバイキングに加え、スイーツバイキングなどの特色あるイベント開催により、集客ならびにリピーターの確保に努めました。

この結果、『ホテルブランカ』及び『ホテルヴェルデ』を合わせた宿泊者数は、前期比6,728人減少の64,203人となりましたが、売上高は前期比1,571千円増加の1,370,284千円となりました。

 

『ホテルサンプラザ』におきましては、遊園地のオフィシャルホテルとして、また、駅に近い好立地を活かして、ファミリー層から団体客ならびにビジネス客まで、幅広いターゲット層の集客を図りました。

また、「ホワイトパーク(スキー場)」や近隣ゴルフ場の利用との宿泊セットプランの造成により、好調なインバウンドの取り込みにも注力いたしました。

料飲部門におきましては、好評なランチバイキングを中心に集客を図り、宴会部門においては、新たな宴会予約システムを導入し、定期的なイベント開催と合わせ収益拡大を図りました。

『北村温泉ホテル』におきましては、「源泉掛け流し43℃の名湯」を強みとして、日帰り利用などのリピーターを確保するとともに、スノートレッキングなど季節毎の体験が楽しめる短期滞在型の「新湯治プラン」をPRして集客拡大を図りました。

この結果、『ホテルサンプラザ』及び『北村温泉ホテル』の宿泊者数は、前期比772人減少の20,708人となりましたが、売上高は前期比27,565千円増加の592,314千円となりました。

 

以上の結果、ホテル事業の宿泊者数は前期比7,500人減少の84,911人となり、売上高は前期比29,136千円増加の1,962,599千円、営業利益は前期比27,947千円減少の95,236千円となりました。

 

(不動産事業)

不動産事業における賃貸収入につきましては、既存テナントの賃貸料改定を着実に取り進めており、売上高は前期比1,182千円増加の163,414千円となり、営業利益につきましては、前期比3,966千円増加の107,432千円となりました。

(土木・建設資材事業)

土木・建設資材事業におきましては、バイオマス火力発電所への燃料投入業務が大きく伸びたことに加え、一般土木工事受注も好調に推移したことで、売上高は前期比29,791千円増加の345,317千円となり、営業利益は前期比29,011千円増加の69,449千円となりました。

 

(注)セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っており、上記すべてのセグメント利益合計1,182,160千円に、各報告セグメントに配賦していない一般管理費を含む407,473千円を差し引いた774,686千円が当連結会計年度の営業利益となります。

 

b)財政状態

当連結会計年度末の資産額合計は、19,010,098千円(前連結会計年度比169,319千円増加)となりました。

当連結会計年度末の負債額合計は、8,832,438千円(前連結会計年度比202,508千円減少)となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、10,177,659千円(前連結会計年度比371,828千円増加)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ35,307千円増加し、400,869千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、791,597千円(前期は1,000,385千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、527,448千円(前期は461,641千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は、228,841千円(前期は870,442千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金が純増し、長期借入れによる収入が増加したものの、長期借入金の返済や長期預り金の返還、配当金の支払いを行ったことによるものであります。

 

項目

当連結会計年度

(千円)

前連結会計年度

(千円)

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

791,597

1,000,385

△208,788

投資活動によるキャッシュ・フロー

△527,448

△461,641

△65,806

財務活動によるキャッシュ・フロー

△228,841

△870,442

641,600

 

③生産、受注及び販売の実績

販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

販売実績(千円)

前連結会計年度比(%)

遊園地事業

2,894,796

△0.9

ゴルフ事業

1,046,218

△2.5

ホテル事業

1,962,599

1.5

不動産事業

163,414

0.7

土木・建設資材事業

345,317

9.4

合計

6,412,347

0.1

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

前連結会計年度、当連結会計年度ともに、販売実績が総販売実績の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

2.当社グループは、遊園地事業、ゴルフ事業、ホテル事業を基幹としているため生産、受注の実績については、記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a)経営成績

当連結会計年度における経営成績の概況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a)経営成績」に記載しております。

b)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、19,010,098千円(前連結会計年度比169,319千円増加)となりました。

流動資産は、848,491千円(前連結会計年度比31,630千円増加)となりました。これは主に、現金及び預金が増加したことによるものであります。

固定資産は、18,161,606千円(前連結会計年度比137,689千円増加)となりました。これは主に、投資有価証券が減少したものの、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、その他(工具、器具及び備品)が増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債額合計は、8,832,438千円(前連結会計年度比202,508千円減少)となりました。

流動負債は、4,429,108千円(前連結会計年度比92,732千円増加)となりました。これは主に、未払金、未払法人税等が減少したものの、短期借入金が増加したことによるものであります。

固定負債は、4,403,329千円(前連結会計年度比295,241千円減少)となりました。これは主に、長期借入金、長期預り金が減少したことによるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は、10,177,659千円(前連結会計年度比371,828千円増加)となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が減少したものの、利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

②経営成績に重要な影響を与える要因について

 「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

③経営戦略の現状と見通し

当社グループの経営戦略と課題は、多様化するお客様のニーズに的確にお応えする施設の充実を図り、同時に低コスト体質を維持しながら高い収益力を得ることにあると認識しております。

取り組みとしては、業績の更なる向上を目標に、組織の再編を始めとする活力ある組織の構築、その他経営全般にわたる効率化のための諸施策等を推進することで収益基盤を強化し、激動する環境に耐え得る企業体質作りを目指すとともに、当社グループが保有する経営資源を有効に活用して収益及び資本効率の向上に努める所存であります。

 

④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ35,307千円増加し、400,869千円となりました。

営業活動により得られた資金は、791,597千円(前期は1,000,385千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上によるものであります。

投資活動により支出した資金は、527,448千円(前期は461,641千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。

財務活動により支出した資金は、228,841千円(前期は870,442千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金が純増し、長期借入れによる収入が増加したものの、長期借入金の返済や長期預り金の返還、配当金の支払いを行ったことによるものであります。

今後の当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費です。設備資金需要の主なものは、遊園地・ゴルフ事業における遊園地・ゴルフ場施設の維持更新、新設等です。

当社グループの運転資金及び設備資金の調達につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金等により賄っております。

次期におきましても、主に資産の維持更新等を目的とした設備投資を計画しており、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金等により賄う予定です。

⑤経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループを取り巻く環境は、余暇市場に対する競合施設や活動種類の多様化が進み、旧来型の観光・行楽施設だけでなく、あらゆる集客施設との顧客争奪が激化の様相を呈しております。

このような状況のもとで、当社グループは時流に対応した積極的な営業展開はもとより、徹底的な経費の削減に取り組むことで売上高経常利益率の拡大を目標としております。当連結会計年度におきましては、売上高経常利益率が12.2%(前期13.9%)となり、今後も引き続き堅実性ある経常利益の拡大を目指してまいる所存であります。

 

⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社グループは、遊園地事業及びゴルフ事業の事業部門において、専門業者(テナント)と遊戯施設・飲食・物販・ゴルフ場管理等の人的・物的サービスの提供につき営業委託契約を締結しております。契約相手先は、サノヤス・ライド株式会社、泉陽興業株式会社、西日本メンテナンス株式会社ほか、企業及び個人業者であります。

 営業委託契約では、契約相手先と予め委託料率を決定し、売上にスライドして委託料を支払うこととしております。

 

6【研究開発活動】

 特記事項はありません。