当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、前連結会計年度において原材料価格高騰等の影響の売価是正や生産合理化等が一部にとどまり、大幅な営業損失1,203百万円、経常損失1,146百万円、及び親会社株主に帰属する当期純損失1,806百万円を計上いたしました。当第3四半期連結累計期間においても、引き続き原材料価格高騰等の影響の売価是正や生産合理化等が一部にとどまり、営業損失361百万円、経常損失241百万円、及び親会社株主に帰属する四半期純損失403百万円を計上いたしました。
また、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (四半期連結貸借対照表関係) 4 偶発債務」に記載のとおり、当社において本件不適切行為が判明しており、今後の調停、訴訟およびお客様等の協議の結果によっては、本件不適切行為に係る新たな補償費用が発生する可能性があります。これらにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点でその影響額を合理的に見積ることが困難なものについては、四半期連結財務諸表に反映しておりません。
これらの事象により、当社は継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。このような状況に対し、当社は、原材料価格高騰を受けた損益改善の取り組みとして販売価格等の是正、役員報酬の減額等の固定費の削減を進めております。
また、本件不適切行為に関しては、お客様に対しては、謝罪とともに事案の内容及び当該製品の品質が担保されていることについて順次個別にご説明し、ご指導に従い適切に対応しております。
更に、財務面では、政策保有株式及び社宅等の資産の売却を進め、キャッシュ・フローの改善に向けた施策も進めております。また、前連結会計年度末において、シンジケートローンによるタームローン契約、及びコミット型タームローン契約に付されている財務制限条項に抵触しておりましたが、2023年9月27日付で、各契約において財務制限条項の変更契約を締結したことから、第2四半期連結会計期間末において当該事象は解消しております。更に、同じく2023年9月27日付でシンジケートローン契約による資金調達を行っております。また、シンジケートローンによるコミット型タームローン契約については、2023年12月29日の契約満了日をもって契約を終了し、新たにコミットメントラインの契約を行うなど、主要な取引先金融機関と協議を継続しており、必要な資金は確保できる見込みであります。
以上の結果、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが5類感染症へ移行し、社会経済活動が正常化へと向かうことなどを背景に、国内経済は緩やかな回復基調を維持しました。
一方、急速な円安の進行や欧米での金融引き締めの継続による海外経済の減速懸念、ウクライナ情勢の長期化による世界的な原材料価格、資源価格の高止まりや、イスラエルとパレスチナの対立の激化による地政学リスクの拡大など、経済動向は依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループにおきましては、こうした経済状況の中で製品値上げ等によるコスト競争力の向上と製品品質改善努力を目指して取り組んでまいりました。
当第3四半期連結累計期間における各分野の売上高は、以下のとおりであります。
インダストリアル分野の売上高は、粉体塗料分野において主力の鋼製家具向け出荷が好調であったものの、工業用塗料分野において、産業機器向け出荷が前年を下回ったこと、及び、水道資材向け出荷は不適切行為問題の影響で低調に推移したことから分野全体で減少いたしました。
インフラ分野の売上高は、建築塗料分野において、子会社の工事売上は前年を上回ったものの、汎用品において、JIS一時停止解除の遅れから低調に推移し前年を下回ったこと、及び、道路施設用塗料分野において、工事件数減少の影響で需要が減少したことなどから、分野全体で減少いたしました。
自動車用塗料分野は、半導体・海外部品調達の影響は残っているものの、概ね前年に対し回復傾向がみられ売上高は増加いたしました。
その他塗料分野は、主に、軌道材料製品分野において、整備新幹線の工事完了に伴い需要が減少したことから売上高は減少いたしました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は14,863百万円(前年同四半期比1.5%増)となりました。損益面では、営業損失は361百万円(前年同四半期は863百万円の営業損失)、経常損失は241百万円(前年同四半期は815百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は403百万円(前年同四半期は1,290百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
当社グループの当第3四半期連結会計期間末における財政状態につきましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ売掛金が471百万円、投資有価証券が367百万円増加したこと等により、34,679百万円(前連結会計年度末比821百万円増)となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ支払手形及び買掛金が413百万円、電子記録債務が366百万円、短期借入金が132百万円増加したこと等により、20,395百万円(前連結会計年度末比923百万円増)となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ利益剰余金が402百万円減少し、為替換算調整勘定が254百万円増加したこと等により、14,283百万円(前連結会計年度末比102百万円減)となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等について重要な変更はありません。
当社には、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在しております。
当社は、このような事象を解消するために、「1 事業等のリスク」に記載の損益及び財務面の改善に取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は113百万円であります。
(コミットメントライン契約の締結)
当社は、2022年12月23日付で契約したシンジケートローンによるコミット型タームローン契約について、2023年12月29日の契約満了日をもって契約を終了し、新たに2023年12月29日付で株式会社三井住友銀行とコミットメントライン契約を締結いたしました。
(1)コミットメントライン契約締結の目的
当契約は、手元流動性としての運転資金の確保及び財務基盤の安定性の向上のために、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的としております。
(2)コミットメントライン契約の概要