【連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社電通グループ(以下、当社)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業であります。
当社の登記している本社の住所は、ホームページ(https://www.group.dentsu.com/jp/)で開示しております。
当社及びその子会社(以下、当社グループ)の事業内容及び主要な活動は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」及び「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しております。
当社の2024年12月31日に終了する年度の連結財務諸表は、2025年3月28日に代表執行役社長グローバルCEO五十嵐博及び代表執行役副社長グローバルCGO曽我有信によって承認されております。
2.作成の基礎
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、連結財務諸表規則第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
連結財務諸表は、「3.重要性がある会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で、百万円未満の端数を切り捨てて表示しております。
(4) 新基準書の早期適用
早期適用した基準書はありません
(5) 表示方法の変更
(連結損益計算書)
前連結会計年度において、独立掲記していた「固定資産除売却益」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度において「その他の収益」及び「その他の費用」に含めて表示しております。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結損益計算書に「固定資産除売却益」として表示していた100百万円は、「その他の収益」に475百万円及び「その他の費用」に△375百万円として、それぞれ組み替えております。
(連結キャッシュ・フロー計算書)
前連結会計年度において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」に独立掲記していた「固定資産除売却損益(△は益)」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度において「その他」に含めて表示しております。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」に表示していた「固定資産除売却損益(△は益)」△100百万円、「その他」△79百万円は、「その他」△179百万円として組み替えております。
3.重要性がある会計方針
子会社とは、当社グループにより支配されている企業であります。当社グループが他の企業の議決権の過半数を所有している場合には、原則として支配していると判断し、子会社に含めております。また、当社グループが保有する議決権が過半数未満の場合であっても、当社グループが他の企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当該企業を支配していると判断し、子会社に含めております。
子会社の財務諸表については、支配獲得日から支配喪失日までの期間を連結財務諸表に含めております。子会社が適用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、当社グループの会計方針と整合させるため、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。
支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動については資本取引として会計処理し、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の株主に帰属する持分として資本に直接認識しております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は損益で認識しております。
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業であります。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を所有する場合には、原則として関連会社に含めております。
当社グループが保有する議決権が20%未満の場合であっても、役員の派遣等により、重要な影響力が認められると判断される場合には、関連会社に含めております。
ジョイント・ベンチャーとは、当社グループを含む複数の当事者が取決めに対する契約上合意された支配を共有し、関連性のある活動に関する意思決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要としており、かつ、当社グループが当該取決めの純資産に対する権利を有している企業をいいます。
関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資は、持分法を適用して会計処理しております。関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資は、持分法適用後の帳簿価額から減損損失累計額を控除した額をもって計上しており、帳簿価額には取得時に認識したのれんが含まれております。
連結財務諸表は、重要な影響力又は共同支配の獲得日から喪失日までの関連会社及びジョイント・ベンチャーの損益及びその他の包括利益の変動に対する当社グループの持分を含んでおります。関連会社及びジョイント・ベンチャーが適用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、当社グループの会計方針と整合させるため、必要に応じて当該持分法適用会社の財務諸表に調整を加えております。
関連会社又はジョイント・ベンチャーに対する重要な影響力を喪失し、持分法の適用を中止する場合は、売却持分に係る売却損益を損益として認識するとともに、残存している持分について公正価値で再測定し、当該評価差額をその期の損益として認識しております。
連結グループ内の債権債務残高及び取引高、並びに連結グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。関連会社及びジョイント・ベンチャーとの取引から発生した未実現損益は、被投資企業に対する当社持分を上限として投資から加減算しております。
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定され、該当する場合は条件付対価を取得対価に含めております。
取得日において識別可能な資産及び負債は、以下を除き、取得日における公正価値で認識しております。
① 繰延税金資産(又は繰延税金負債)及び従業員給付契約に関連する負債(又は資産)は、それぞれIAS第12号「法人所得税」及びIAS第19号「従業員給付」に従って認識し測定しております。
② IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産又は処分グループは、当該基準書に従って測定しております。
取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を上回る場合はのれんとして計上し、下回る場合には、直ちに損益として認識しております。
企業結合の当初の会計処理が企業結合が生じた決算日までに完了していない場合、当該完了していない項目については最善の見積りに基づく暫定的な金額で測定しております。取得日から1年以内の測定期間に入手した新たな情報が、取得日時点で認識された金額の測定に影響を及ぼすものである場合には、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。
条件付対価は取得時に公正価値で認識し、取得後の公正価値変動は、上記測定期間中の測定に該当する場合には取得コストを修正し、そうでない場合には公正価値の変動として損益に認識しております。
当社グループは、非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額に対する非支配持分の比例割合で測定するかを個々の企業結合取引ごとに選択しております。
企業結合を達成するために取得企業で発生した費用は、負債性金融商品及び資本性金融商品の発行に関連する費用を除き、発生時に損益で認識しております。
なお、当社グループは、すべての共通支配下における企業結合取引について、継続的に帳簿価額に基づき会計処理しております。共通支配下における企業結合とは、企業結合当事企業もしくは事業のすべてが、企業結合の前後で同一の企業により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的でない場合の企業結合であります。
外貨建取引は、取引日における為替レートにて当社グループの各機能通貨に換算しております。
決算日における外貨建貨幣性資産及び負債、公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、決算日の為替レートにて機能通貨に換算しており、この結果生じる換算差額は、損益に認識しております。
外貨建取得原価にて測定される非貨幣性項目は、取引日の為替レートにて換算しております。
在外営業活動体の財務諸表については、資産及び負債は報告期間の決算日の為替レートで円貨に換算し、収益及び費用は著しい変動のない限り、対応する報告期間における平均為替レートで円貨に換算しております。この結果生じる換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。
当社グループの在外営業活動体が処分される場合、当該在外営業活動体に関連した為替換算差額の累計額は処分時に損益に振り替えております。
当社グループは、営業債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しております。その他のすべての金融資産は、当社グループが当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しております。
また、重大な金融要素を含んでいない営業債権及びその他の債権は、当初認識時に取引価格で測定しております。
デリバティブを除く金融資産は、当該金融資産の当初認識時点において、以下2つの要件をともに満たすものを償却原価で測定する金融資産に分類し、それ以外のものを公正価値で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
公正価値で測定する金融資産は、取得後の公正価値変動を損益に計上する金融資産(以下、「損益を通じて公正価値で測定する金融資産」)と取得後の公正価値変動をその他の包括利益に計上する金融資産(以下、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」)に分類しております。
当初認識時において償却原価測定の基準を満たさない負債性金融商品を、損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
売買目的保有でない資本性金融商品については、原則として当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しております。
すべての金融資産は、損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される場合を除き、公正価値に当該金融資産に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しております。
金融資産の当初認識後は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) 損益を通じて公正価値で測定する金融資産
当初認識後、各決算日において公正価値で再測定し、公正価値の変動及び配当金等の収益を損益として認識しております。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当初認識後の公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合又は公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振り替えております。当該金融資産からの配当金については損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融資産は、キャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は譲渡し所有に伴うすべてのリスクと経済価値が他の企業に移転した場合に認識を中止しております。
② 金融資産の減損
当社グループは償却原価で測定される金融資産に係る予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
信用リスクの著しい増大の判定
当社グループは、期末日ごとに、金融資産の債務不履行発生のリスクを期末日現在と当初認識日現在で比較し、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかを評価しております。
なお、当社グループは、信用リスクが著しく増加しているかどうかを当初認識以降の債務不履行の発生リスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行の発生リスクに変化があるかどうかを評価するのにあたっては、主に期日経過の情報を考慮し、以下も考慮しております。
・金融資産の外部信用格付の著しい変化
・内部信用格付の格下げ
・借手の経営成績の悪化
予想信用損失アプローチ
予想信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値であります。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
なお、上記にかかわらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権及び契約資産については、常に、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
予想信用損失の測定に当たっては、過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において利用可能な合理的で裏付け可能な情報を用いており、個別に重要な金融資産は個別に予想信用損失を評価し、個別に重要ではない金融資産は所在地、期日超過の日数、保全の状況、外部の信用格付等を基に信用リスクの特徴が類似する資産ごとにグルーピングを行い、集合的に予想信用損失を評価し、貸倒引当金を計上しております。
また、債務者が支払期限到来後90日以内に支払いを行わない場合など、金融資産の全部又は一部について回収ができない、又は回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行としております。
債務不履行に該当した場合、又は発行者又は債務者の著しい財政的困難が存在する場合、信用減損しているものと判断しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金の戻入が発生した場合、純損益で認識しております。
なお、債務者が当社グループと合意した返済計画を遂行できないなど、回収が合理的に見込めない場合においては、金融資産を直接償却しております。これには通常、借手が直接償却対象の金額を返済するために十分なキャッシュ・フローを生み出す資産又は収益源を有していないと当社グループが判断した場合が該当します。当社グループでは、直接償却した金融資産に対しても、期日経過債権を回収できるよう、履行強制活動を継続しております。
③ デリバティブを除く金融負債(株式買取債務を含む。条件付対価は「(2)企業結合」を参照)
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、当社グループが発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。企業結合により生じる条件付対価及び非支配株主から持分を購入する株式買取債務については、当社グループが、被取得企業の支配を獲得した日に認識しております。その他の金融負債はすべて、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に認識しております。
デリバティブを除く金融負債は、当該金融負債の当初認識時点において、損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債とに分類しております。
すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接起因する取引コストを控除した金額で測定しております。また、株式買取債務は将来の償還金額の現在価値で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融負債は当初認識後に、その分類に応じて以下のとおり測定しております。ただし、株式買取債務は償還金額の現在価値で測定しており、その変動は損益として認識しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) 損益を通じて公正価値で測定する金融負債
当初認識後、各決算日において公正価値で再測定し、公正価値の変動は損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債は、義務が履行されたか、免除されたか、又は失効した場合に認識を中止しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替変動リスクや金利変動リスクをそれぞれヘッジするために、為替予約取引、金利スワップ取引等のデリバティブを利用しております。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ対象とヘッジ手段の関係並びにヘッジに関するリスク管理目的及び戦略について、指定及び文書化を行っております。当該文書は、ヘッジ関係、リスク管理目的及びヘッジの実行に関する戦略並びにヘッジの有効性の評価を含んでおります。
これらのヘッジは、公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺する上で非常に有効であることが見込まれますが、ヘッジ期間中にわたり実際に非常に有効であったか否かを判断するために、ヘッジ関係を継続的に評価しております。
デリバティブは公正価値で当初認識しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動は以下のとおり処理しております。
なお、ヘッジ会計については、経過措置によりIAS第39号を引き続き継続して適用しております。
(ⅰ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得及び損失のうちヘッジが有効である部分については、公正価値の変動額をその他の包括利益に認識し、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが損益に影響を与えた時点でヘッジ対象とともに損益に認識しております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の資本の構成要素として認識されている金額は、その他の包括利益を通じて、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。
ヘッジが有効でない部分については、公正価値の変動額を損益に認識しております。
ヘッジ手段が失効、売却、終結又は行使された場合、ヘッジがヘッジ会計の要件を満たしていない場合及びヘッジ指定を取り消した場合には、ヘッジ会計を中止しております。
(ⅱ) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資のヘッジから発生する換算差額については、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の方法で会計処理しております。
ヘッジ手段に係る利得及び損失のうち、有効部分はその他の包括利益で認識し、非有効部分は損益として認識しております。
在外営業活動体の処分時には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を損益に振り替えております。
(ⅲ) ヘッジ指定されていないデリバティブ
デリバティブの公正価値の変動は損益として認識しております。
⑤ 金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ純額ベースで決済するか又は資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、純額で計上しております。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
棚卸資産は主にスポーツ、エンタテインメントの作品及び権利で構成され、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額により測定しております。取得原価は主として個別法に基づいて算定しております。
有形固定資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、資産の解体、除去及び原状回復費用が含まれております。
土地等の償却を行わない資産を除き、有形固定資産は見積耐用年数にわたり、主として定額法により減価償却を行っております。
主要な有形固定資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・建物及び構築物 : 0~100年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は決算日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
無形資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定し、企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日時点の公正価値としております。
自己創設無形資産は、資産の認識規準を最初に満たした日以降に発生する支出の合計額を取得原価としております。
無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたり定額法で償却しております。
主要な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・ソフトウエア : 2~5年
・顧客との関係 : 効果の及ぶ期間(主として5年~10年)
有限の耐用年数を有する無形資産の償却方法及び耐用年数は決算日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
当社グループは、契約の開始時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかを判定しております。
契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでおります。
リースの開始日において、使用権資産及びリース債務を認識しております。使用権資産は開始日において取得原価で測定しております。開始日後においては、原価モデルを適用して、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しております。
当初認識後、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数又はリース期間の終了時のいずれか早い時まで定額法で減価償却しております。
リース債務は、開始日において同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しております。開始日後においては、リース債務に係る金利や、支払われたリース料を反映するようにリース債務の帳簿価額を増減しております。リース債務を見直した場合又はリースの条件変更が行われた場合には、リース債務を再測定し使用権資産を修正しております。 なお、短期リース及び少額資産のリースについてIFRS第16号第6項を適用し、リース料をリース期間にわたり定額法により費用認識しております。
② セール・アンド・リースバック取引
セール・アンド・リースバック取引は売手である借手から買手である貸手への資産の譲渡が売却に該当するか否かをIFRS第15号に基づいて判断しております。資産の売却に該当する場合は、売手である借手は、リースバックから生じた使用権資産を、資産の従前の帳簿価額のうち売手である借手が保持した使用権に係る部分で測定し、リースバックされなかった部分の損益のみを認識しております。資産の売却に該当しない場合は、売手である借手は、譲渡した資産を引き続き認識するとともに、譲渡収入と同額の金融負債を認識し、金融取引として処理しております。
当社グループは決算日において、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。
のれんは償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損テストの詳細については、「15.のれん及び無形資産」をご参照ください。
資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。
資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。
のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れを認識しておりません。のれん以外の資産について過年度に認識した減損損失については、決算日において、認識した減損損失がもはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合には、回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が資産の帳簿価額を上回る場合には、減損損失の戻入れを認識しております。減損損失の戻入れ額は、減損損失を認識しなかった場合の減価償却又は償却控除後の帳簿価額を上限としております。
なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区分して認識しないため、個別に減損テストを実施しておりません。持分法適用会社に対する投資が減損の兆候が存在する場合には、投資全体の帳簿価額について単一の資産として減損テストを行っております。
継続的使用ではなく、主に売却取引により回収される非流動資産又は資産グループは、現状で直ちに売却することが可能であり、経営者が売却計画の実行を確約し、1年以内で売却が完了する予定である場合に売却目的保有に分類しております。
当社グループは売却目的保有に分類された非流動資産又は資産グループを、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で測定しております。
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度及び確定拠出制度を設けております。
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値との純額を負債又は資産として認識しております。
当社グループは、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を使用して制度ごとに算定しております。割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した決算日時点の優良社債の利回りに基づき算定しております。
確定給付型退職給付制度の勤務費用及び利息費用は損益として認識し、利息純額の算定には前述の割引率を使用しております。また、確定給付型退職給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振替えております。過去勤務費用は、発生した期の損益として認識しております。
確定拠出型の退職給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期間に損益として認識しております。
当社グループは、当社グループが構造改革に伴い通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、又は一部の国内連結子会社で従業員が給付と引き換えに自発的に退職する場合に解雇給付を支給します。当社グループが、従業員を解雇することに関する詳細な公式の計画を有しており、その撤回可能性がない場合には、雇用の終了が確約された時点で解雇給付を費用として計上しております。
(13) 引当金
当社グループは、過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、債務の決済を要求される可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に引当金を認識しております。
貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。
また、リストラクチャリング引当金については詳細な公式計画を有し、かつ計画の実施や公表を通じて、影響を受ける関係者に当該リストラクチャリングが確実に実施されると予期させた時点で認識しております。
当社グループは、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、顧客に対して広告業、情報サービス業及びその他の事業を提供しております。
広告業においては、主に各種メディアへの広告出稿及びクリエーティブ・サービスを含む広告制作や各種コンテンツサービス等のサービスの提供を行っております。
各種メディアへの広告出稿に関しては、主にメディアに広告出稿がなされた時点で当該サービスに対する支配が顧客に移転し、当社グループの履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。
広告制作に関しては、企画、制作、撮影、編集、完成までの一連の管理業務が履行義務になります。当該管理業務は、その性質上、履行義務の充足が均一であると考えられ、経過期間に応じて履行義務は進捗するため、収益は当該履行義務が充足される契約期間における期間按分にて、一定の期間にわたり収益を認識しております。
各種コンテンツサービス等のサービスの提供については、その主なサービスは、スポーツイベントのマーケティング権等の権利ビジネスであります。スポーツイベントのマーケティング権等の権利ビジネスにおいては、顧客に対してマーケティング権等の権利を使用できる状態にすることが履行義務になります。当該取引のうち、顧客が複数の権利を複数の時点で享受する複合的な権利に関する取引については、一定の期間において当該権利を顧客が使用可能となり、その性質上、履行義務の充足が均一であると考えられ、主に契約期間の経過とともに履行義務が充足されるため、収益は当該履行義務が充足される契約期間における期間按分にて、当該一定の期間にわたり収益を認識しております。それ以外の取引については、権利が使用可能となった当該一時点において、当該権利の使用権が顧客に移転し、当社グループの履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。
広告業の収益は、約束の履行に対する主たる責任、在庫リスク、価格設定の裁量権等を考慮すると、主として代理人としての性質が強いと判断されるため、当社グループが提供するサービスに対する報酬として顧客から受領する対価から関連する原価を控除した純額、あるいは手数料としての一定の報酬対価により計上しております。ただし、本人としての性質が強いと判断される一部の取引に関しては、顧客から受領した対価と原価を総額で計上しております。
なお、各取引において、当社グループが代理人なのか本人なのかの判断、及び、収益認識の時期に関する判断は、収益の金額に影響を与えるため、「4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」における、連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針を適用する過程で行った判断に該当します。
広告業における取引の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
情報サービス業においては、主にソフトウェア製品・商品の販売、受託システム開発、アウトソーシング・運用保守サービス等のサービスの提供を行っております。
ソフトウェア製品・商品の販売に関しては、顧客への納品時点で当該製商品の支配が顧客に移転し、当社グループの履行義務が充足されるため、当該時点で収益を認識しております。受託開発のソフトウェアに関しては、開発の進捗に応じて顧客の資産が増価するとともに顧客が当該資産の支配を獲得し、これに応じて当社グループの履行義務が充足されるため、開発の進捗度に応じて収益を認識しております。開発の進捗度は、履行義務の充足に使用されたインプット(発生したコスト)が、当該履行義務を完全に充足するまでに予想されるインプット合計に占める割合に基づいて算出しております。また、運用保守サービスに関しては契約期間の経過とともに履行義務が充足されるものであり、収益は当該履行義務が充足される契約期間における期間按分にて計上しております。
情報サービス業の収益は、販売契約における対価から、値引きなどを控除した金額で算定しております。また、約束の履行に対する主たる責任、在庫リスク、価格設定の裁量権等を考慮すると、本人としての性質が強いと判断されるため、収益及び原価を総額で計上しております。
情報サービス業における取引の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
その他の事業においては、コーポレート領域の専門機能の提供、事務所賃貸、ビルサービス等の事業を行っております。
金融収益は主として、受取利息及び受取配当金から構成され、受取利息は実効金利法に基づき発生時に認識し、受取配当金は配当を受ける権利が確定した時点で認識しております。
金融費用は主として借入金及び社債に対する支払利息から構成され、支払利息は実効金利法に基づき発生時に認識しております。
法人所得税費用は当期法人所得税と繰延法人所得税から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識する項目から生じる場合及び企業結合から生じる場合を除き、損益として認識しております。
当期法人所得税は、税務当局に対する納付もしくは税務当局から還付が予想される金額で測定され、税額の算定に使用する税率又は税法は、決算日までに制定もしくは実質的に制定されているものであります。
繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異に対して認識しております。単一の取引から資産と負債の両方を同額で認識する特定の取引については、認識される資産に係る将来加算一時差異に対し繰延税金負債を、認識される負債に関する将来減算一時差異に対し繰延税金資産を、それぞれ当初認識する方法を採用しています。なお、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識しておりません。
子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資に係る将来加算一時差異について繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内において一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識しておりません。子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーに係る将来減算一時差異から発生する繰延税金資産は、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、かつ予測可能な将来に解消されることが予期される可能性が高い範囲でのみ認識しております。
繰延税金資産及び負債は、決算日に制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産が実現される又は負債が決済される年度に適用される税率を見積り、算定しております。
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎決算日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しております。
当社が発行する資本性金融商品は、資本金及び資本剰余金に計上しております。また、その発行に直接起因する取引費用は資本から控除しております。
自己株式は取得原価で評価し、資本から控除して表示しており、自己株式の購入、売却又は消却において損益は認識しておりません。
自己株式を売却した場合の帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しております。
③ 非支配持分へ付与されたプット・オプション
当社グループが非支配持分の所有者に対して付与した子会社株式の売建プット・オプションについて、付与時点において非支配持分を認識し、のれんの金額の算定には含めておりません。
また、売建プット・オプションについて、その償還金額の現在価値をその他の金融負債として当初認識し、同額を利益剰余金から減額しております。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して算定しております。
当社及び一部の子会社は、株式報酬制度として、持分決済型及び現金決済型の株式報酬制度を採用しております。
持分決済型の株式報酬は、受領した役務及びそれに対応する資本の増加を付与日における資本性金融商品の公正価値で測定し、権利確定期間にわたって費用として計上され、同額を資本の増加として認識しております。
現金決済型の株式報酬は、受領した役務及び発生した負債を当該負債の公正価値で測定し、権利確定期間にわたって費用として計上され、同額を負債の増加として認識しております。また、当該負債の公正価値は決算日及び決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しております。
調整後営業利益は、営業利益から、買収行為に関連する損益及び一時的要因を排除した、恒常的な事業の業績を測る利益指標であります。
買収行為に関連する損益:買収に伴う無形資産の償却費、M&Aに伴う費用、完全子会社化に伴い発行した株式
報酬費用
一時的要因の例示 :構造改革費用、減損、固定資産の売却損益、割増退職金など
調整後営業利益はIFRSで定義されている指標ではありませんが、経営者は当該情報が財務諸表利用者にとって有用であると考えていることから、連結損益計算書及び「6.セグメント情報」に自主的に開示しております。
なお、2022年11月にロシア事業の譲渡契約を締結したことから、譲渡が完了するまでの期間に発生するロシア事業に係る営業損益は、一時的要因として前連結会計年度及び当連結会計年度の調整後営業利益には含めておりません。
4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定
当社グループは、連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。見積り及び仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら実際の結果は、その性質上、見積り及び仮定と異なることがあります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されております。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間及び将来の期間において認識しております。
連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針を適用する過程で行った判断に関する情報は、主に以下のとおりであります。
・子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの範囲(「3.重要性がある会計方針 (1) 連結の基礎」)
・収益認識の時期に関する判断、及び、収益認識において当社グループが本人か代理人かの判断(「3.重要性がある会計方針 (14) 収益」)
・資金生成単位グループへののれんの配分(「15.のれん及び無形資産」)
・セール・アンド・リースバック取引について売手である借手から買手である貸手への資産の譲渡が売却に該当するか否か(「3.重要性がある会計方針 (9) リース ② セール・アンド・リースバック取引)
連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定は、以下のとおりであります。
・有形固定資産、のれん及び無形資産(「14.有形固定資産」、「15.のれん及び無形資産」)
・使用権資産(「16.リース取引」)
・金融商品(条件付対価及び株式買取債務を含む)の評価(「35.金融商品」)
・確定給付制度債務の評価(「22.退職後給付」)
・引当金(「21.引当金」)
・繰延税金資産の回収可能性(「18.法人所得税」)
5.未適用の新基準書
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
6.セグメント情報
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、主として広告を中心にコミュニケーションに関連するサービスを提供する事業を行っており、「日本」、「Americas」、「EMEA」及び「APAC」に区分して管理をしております。
したがって、当社グループは「日本」、「Americas」、「EMEA」及び「APAC」の4つを報告セグメントとしております。
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要性がある会計方針」における記載と同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益から買収行為に関連する損益及び一時的要因 (調整項目)を調整した利益をベースとしております。
セグメント間収益は市場実勢価格に基づいております。
(注) 1. 収益の「消去/全社」は、ロシア事業及び全社機能に関する収益並びにセグメント間取引の消去によるものであります。前連結会計年度においては、ロシア事業の収益は15,249百万円、全社機能に関する収益は8,324百万円であり、当連結会計年度においては、ロシア事業の収益は7,578百万円、全社機能に関する収益は8,402百万円であります。
2. 売上総利益の「消去/全社」は、ロシア事業及び全社機能に関する売上総利益並びにセグメント間取引の消去によるものであります。前連結会計年度においては、ロシア事業の売上総利益は15,249百万円、全社機能に関する売上総利益は8,324百万円であり、当連結会計年度においては、ロシア事業の売上総利益は7,578百万円、全社機能に関する売上総利益は8,402百万円であります。
3. セグメント利益(調整後営業利益)の「消去/全社」は、主に全社機能に関する費用であります。
4. セグメント資産の「消去/全社」は、主に全社資産及びセグメント間取引の消去によるものであります。
5. 構造改革費用のセグメントごとの内訳は、前連結会計年度においては「日本」1,806百万円、「Americas」2,852百万円、「EMEA」1,634百万円、「APAC」1,501百万円、「消去/全社」2,197百万円、当連結会計年度においては「日本」1,745百万円、「Americas」9,214百万円、「EMEA」△86百万円、「APAC」△83百万円、「消去/全社」△83百万円であります。また、構造改革費用には、減損損失が、前連結会計年度においては「Americas」1,707百万円、「EMEA」315百万円、「消去/全社」1,039百万円含まれており、「日本」及び「APAC」は該当ありません。当連結会計年度においては「Americas」7,457百万円、「日本」、「EMEA」、「APAC」及び「消去/全社」は該当ありません。
6. 減損損失のセグメントごとの内訳は、前連結会計年度においては「日本」2,189百万円、「Americas」2,114百万円、「EMEA」92百万円、「APAC」67,804百万円、「消去/全社」は該当ありません。当連結会計年度においては「日本」534百万円、「Americas」64,749百万円、「EMEA」155,459百万円、「APAC」14,427百万円、「消去/全社」86百万円であります。
7. 販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
8. 前連結会計年度において、独立掲記していた「固定資産除売却益」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度において「その他の収益」及び「その他の費用」に含めて表示しております。詳細は、「2.作成の基礎 (5) 表示方法の変更」をご参照ください。
当社グループは、広告業として新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、インターネット、セールスプロモーション、映画、屋外、交通その他すべての広告業務取扱い及び広告表現に関する企画、制作並びにマーケティング、PR、コンテンツサービス等のサービス活動の一切を行っております。また、情報サービス業として、情報サービス及び情報関連商品の販売等を行っており、その他の事業として、コーポレート領域の専門機能の提供、事務所賃貸、ビルサービス等の業務を行っております。
製品及びサービスの区分ごとの外部顧客からの収益は、以下のとおりであります。
① 外部顧客からの売上収益
海外のうち、米国に帰属する収益は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ308,629百万円及び330,240百万円であります。当該金額は、原則として顧客の所在地を基礎としております。
② 非流動資産(有形固定資産、のれん、無形資産、使用権資産及びその他の非流動資産)
(注)1. 非流動資産は当社グループ各社の所在地を基礎としております。
2. 海外の中には、特定の国に紐づかないのれん及び無形資産が、前連結会計年度においてそれぞれ807,901百万円及び157,475百万円、当連結会計年度においてそれぞれ671,592百万円及び120,841百万円含まれております。
外部顧客への収益のうち、連結損益計算書の収益の10%以上を占める顧客が存在しないため、記載を省略しております。
7.企業結合等関係
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
Tagの取得
(1) 企業結合の内容
① 被取得事業の名称
「Tag Worldwide Holdings Ltd」(「AI Wertheimer Holdings Limited」の事業ユニットブランド)
② 取得した事業の内容
デジタルクリエイティブコンテンツ制作事業、テクノロジー事業、チャネルアクティベーション事業
③ 企業結合を行った主な理由
当社グループはマーケティング、テクノロジーとコンサルティングの融合が進む当社の事業ドメインを「人起点の変革(People-centered Transformation)」と捉え直し、卓越したクリエイティビティとテクノロジーの力で新たなソリューションと社会的インパクトを生み出す企業へ進化を続けています。当事業買収は、「人起点の変革」の中心となる顧客体験マネジメント(CXM)領域を推進するとともに、マーケティングのパーソナライゼーションを通して、メディア領域・クリエイティブ領域も合わせた統合的な事業展開に寄与します。
④ 企業結合日 2023年6月30日
⑤ 取得した議決権付資本持分の割合 100.0%
⑥ 企業結合の法的形式 現金による株式の取得
(2) 連結損益計算書に含まれる取得した事業の業績の期間
2023年7月1日から2023年12月31日までの業績が含まれております。
(3) 取得した事業の取得原価及び対価の種類ごとの内訳
取得した事業の取得原価 89,570百万円
取得原価の内訳:
株式の対価(現金) 89,570百万円
(4) 取得関連費用の金額及びその表示科目
当該企業結合にかかる取得関連費用は1,819百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(5) 企業結合日における資産及び負債の公正価値、支払対価及びのれん
(注) 1.現金及び現金同等物3,041百万円が含まれております。また、取得した営業債権及びその他の債権の公正価値は22,077百万円、契約上の未収金額の総額は22,376百万円であり、回収が見込まれない金額は299百万円となります。
2.のれんは、当該事業買収により期待される将来のシナジー効果及び超過収益力を反映しております。税務上損金算入を見込んでいる金額は44,485百万円であります。
前連結会計年度においては取得対価の調整及び配分が確定していなかったため、暫定的な金額で報告しておりましたが、当連結会計年度において確定いたしました。暫定的な金額からは主にのれんの金額が334百万円増加しております。連結財務諸表及び注記等に含まれる前連結会計年度の数値は、当該修正を反映した後の確定額に基づく金額を表示しております。
(6) のれん以外の無形資産に配分された金額及びその内訳並びに償却期間
(7) 企業結合によるキャッシュ・フローへの影響
(8) 取得した事業の収益及び利益
前連結会計年度において、連結損益計算書に含まれる被取得事業の支配獲得日以降における収益は19,783百万円、当期損失は172百万円です。
その他の企業結合
当社グループが、前連結会計年度に取得した被取得企業は、主に以下のとおりであります。
当社グループのオペレーション強化、成長が速い地域を中心とした当社グループのシェア拡大、及び、当社グループのメディアとデジタル分野における能力の強化を目的に、企業結合を実施しました。
なお、当社グループは前連結会計年度において、複数企業の株式取得を行っておりますが、個別には連結財務諸表に与える影響に重要性がないため、以下の金額については、個別の記載は省略しております。
取得した事業の取得原価は、24,803百万円であります。取得原価の内訳は、現金13,692百万円、株式198百万円及び、条件付対価10,912百万円であります。
連結損益計算書の段階取得に係る再測定による利益は、当社が支配獲得時に既に保有していた㈱電通アイ・アンド・シー・パートナーズに対する資本持分を支配獲得日の公正価値で再測定した結果、段階取得に係る再測定による利益142百万円を認識しております。
条件付対価は被取得企業の業績に応じて算定されます。条件付対価の詳細は、「20. 社債、借入金及びその他の金融負債」をご参照ください。また、取得関連費用は2,644百万円であります。
企業結合日における資産及び負債の公正価値、支払対価、非支配持分及びのれんは以下のとおりであります。
(注)1.非支配株主持分は、支配獲得日における識別可能な被取得企業の純資産額の公正価値に、非支配株主に個別に帰属する部分を除き、企業結合後の持分比率を乗じて測定しております。
2.のれんは、期待される将来の超過収益力を反映しております。税務上損金算入を見込んでいる金額は4,387百万円であります。
のれん以外の無形資産(顧客との関係)に配分された金額は9,613百万円であります。
連結損益計算書に含まれる、支配獲得日以降における被取得企業の収益は7,811百万円、当期損失は1,402百万円であります。
(プロフォーマ情報)
仮に、企業結合が前連結会計年度の開始日に行われたと仮定した場合、連結損益計算書における収益は1,323,800百万円、当期損失は5,752百万円となります。
なお、当該プロフォーマ情報は監査証明を受けておりません。また、当該情報は必ずしも将来起こりうるべき事象を示唆するものではありません。また、実際に出資が期首時点に行われた場合の当社グループの経営成績を示すものでもありません。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
8.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
なお、上記の金額は、株式会社電通グループが電通インターナショナル社への資金貸付として処理しているキャッシュ・プーリング口座への預入額(前連結会計年度 25,936百万円、当連結会計年度 6,800百万円)を相殺消去した後の金額であります。
9.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりであります。
連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
10.棚卸資産
11.その他の金融資産
連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。
また、デリバティブ資産にはヘッジ会計が適用されているものが含まれております。
デリバティブ資産は損益を通じて公正価値で測定する金融資産に、株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。また、債券及びその他は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、20,980百万円及び20,214百万円を損益を通じて公正価値で測定する金融資産に、6,511百万円及び10,381百万円をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に、それ以外については償却原価で測定する金融資産に分類しております。
(注) 1.各連結会計年度における、主な銘柄は、以下のとおりであります。
2.主な銘柄は、球場運営業務関連銘柄であり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末の公正価値はそれぞれ、2,947百万円及び3,879百万円であります。
株式は主に政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
保有資産の効率化及び有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却(認識の中止)を行っております。
各年度における売却時の公正価値及び資本でその他の包括利益として認識されていた累積損益(税引前)は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
資本でその他の資本の構成要素として認識されていた累積損益は、売却した場合及び公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振り替えております。利益剰余金に振り替えた累積損益(税引後)は、前連結会計年度、当連結会計年度において、それぞれ△5,652百万円、20,666百万円であります。
12.その他の流動資産
その他の流動資産に含まれる前渡金のうち12ヶ月を超えて損益に計上されるものはありません。
13.売却目的で保有する非流動資産
売却目的で保有する非流動資産等の内訳は、以下のとおりであります。なお、当連結会計年度においては、該当する資産及び負債はありません。
主要な資産の明細
前連結会計年度における「売却目的で保有する非流動資産」及び「売却目的で保有する非流動資産に直接関連する負債」は、主に、ロシア事業に関する資産及び負債であります。上記に加え、前連結会計年度末における売却目的で保有する非流動資産には、「日本」セグメントにおいて当社グループが保有する株式等が含まれております。
前連結会計年度におけるロシア事業及びその他の資産の明細は、以下のとおりであります。
前連結会計年度の連結財政状態計算書における「その他の資本の構成要素」には、売却目的保有に分類したロシア事業に係るその他の包括利益の累計額(主として在外営業活動体の換算差額)が△19,874百万円含まれております。
14.有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注) 減損損失は、連結損益計算書の「減損損失」及び「構造改革費用」に計上しております。
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。
所有権に対する制限、及び負債の担保として抵当権が設定された有形固定資産はありません。
減価償却費は連結損益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
15.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注)1.企業結合による取得には、重要性がないため遡及修正していない測定期間内の修正が含まれております。
2.減損損失は、連結損益計算書の「減損損失」及び「構造改革費用」に計上しております。なお、当連結会計年度において、APAC及び一部子会社にて顧客との関係について減損損失を認識しました。
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。
所有権に対する制限、及び負債の担保として抵当権が設定された無形資産はありません。
償却費は連結損益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
(2) 重要なのれん及び無形資産
のれんのうち、当連結会計年度において重要なものは、日本の25,460百万円、Americasの569,614百万円、EMEAの101,978百万円であります。
のれんのうち、前連結会計年度において重要なものは日本の23,219百万円、Americasの572,331百万円、EMEAの235,570百万円であります。なお、前連結会計年度末におけるAPACののれんの帳簿価額はゼロとなっております。
のれん以外の無形資産のうち、重要なものは顧客との関係であり、当連結会計年度において、日本の28,855百万円、Americasの35,052百万円、EMEAの46,992百万円、APACの1,286百万円であります。なお、前連結会計年度における顧客との関係は日本の28,418百万円、Americasの47,117百万円、EMEAの54,199百万円、APACの12,588百万円であります。このうち、当社が2013年3月にDentsu Aegis Network Ltd.(現Dentsu International Limited)を買収した際に認識した顧客との関係の残高は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ67,779百万円及び53,110百万円であり、当連結会計年度末における残存償却期間は6年であります。
当連結会計年度において、直近の実績を踏まえた最新の事業計画を基にのれんの減損テストを行った結果、Americas及びEMEAののれんが配分された資金生成単位グループにおいて、回収可能価格が帳簿価格を下回ったため、のれんの一部について、それぞれ減損損失57,091百万円及び153,071百万円を認識しました。当連結会計年度における当該資金生成単位グループの回収可能価額はそれぞれ598,820百万円及び159,533百万円であります。
なお、前連結会計年度においては、直近の実績を踏まえた最新の事業計画を基にのれんの減損テストを行った結果、APACののれんが配分された資金生成単位グループにおいてのれんの全額及び無形資産の一部について減損損失67,804百万円を認識しました。前連結会計年度における当該資金生成単位グループの回収可能価額は11,218百万円であります。
当社は、のれんの評価に当たり日本、Americas、EMEA及びAPACをそれぞれ別個の資金生成単位グループとして減損テストを行い、さらに海外事業全体及び電通グループ全体について減損テストを行っております。
回収可能価額は、経営陣により承認された翌連結会計年度の予算を含む翌期以降5ヶ年の業績予想を基礎とする使用価値に基づき算定しております。当該使用価値の算定に用いた主要な仮定及びインプットは次のとおりであります。
(注)1.最新の事業計画を基礎にした翌連結会計年度以降5ヵ年の期間に設定した売上総利益の成長率であります。
2.5年を超える期間におけるキャッシュ・フローについて設定した継続成長率であります。
Americas及びEMEAののれんが配分された資金生成単位グループ、並びに海外事業全体については、減損損失の認識後、回収可能価格は帳簿価格と同額となりました。したがって、主要な仮定が悪化した場合には、さらなる減損が生じることとなります。
また、日本のれん及び電通グループ全体については、当該資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
16.リース取引
(1) 使用権資産の増減表
使用権資産の帳簿価額及び原資産の種類別の期中増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) (単位:百万円)
(注)減損損失は、連結損益計算書の「構造改革費用」に計上しております。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) (単位:百万円)
(注)当連結会計年度の減損損失には、Americasにおけるオフィスビルリース契約に係る使用権資産で発生した減損損失(6,690百万円)が含まれており、他の減損損失と併せ、連結損益計算書の「構造改革費用」に計上しております。なお、回収可能価額は使用価値に基づいており、その算定に使用した税引前の割引率は、6.63%となります。
当社グループは構造改革の一環として不動産の適正化を行っており、一部の不動産リース契約について、サブリースの活用を見込んでおります。これらのリース契約に関する使用権資産を含む資金生成単位の評価においては、IAS第36号「資産の減損」に基づき、将来のサブリース収入を加味してもなお回収可能価額が帳簿価額に満たない場合に当該使用権資産を回収可能価額で連結財政状態計算書に計上し、帳簿価額に満たない額を減損損失として連結損益計算書に計上しております。なお、当該回収可能価額は、基本サブリース料、リース期間におけるリース支払料の想定増加率、サブリース開始時期を含む空室期間に仮定をおいて算定しております。そのため、市場環境の変化や予測不能な事象の発生等により上記仮定の見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度において使用権資産に係る追加の減損又は減損の戻入れが発生する可能性があります。
また、使用権資産(建物及び構築物)の期末残高には、将来のサブリースを見込む、2019年11月に借手として契約した米国ニューヨークのオフィスビルリース契約(契約の終了は2038年7月末)に関する使用権資産が含まれており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ25,759百万円、21,827百万円となります。当該資産において、サブリースにより見込まれる収入の総額が10%減少した場合、使用権資産の減損損失は2,029百万円となります。さらに、サブリース開始時期が12ヶ月遅れた場合には3,054百万円、割引率が1%増加した場合には1,576百万円の減損損失が発生します。
(2) リースに係るその他の費用及びキャッシュ・フロー
リースに係るその他の費用及びキャッシュ・フローは、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(3) リース債務
リース債務の満期分析については、「35.金融商品 (4) 流動性リスク」に記載しております。
(4) リース活動の性質
当社グループは、主にオフィスとして建物をリースしております。建物のリース契約期間は1年~20年であり、借手が契約終了後に1年間又は原契約と同期間リース契約期間を延長するオプションが含まれているものもあります。
特に国内事業においては、建物のリース契約の多くは、借手が繰り返し同延長オプションを行使可能な契約となっており、また、6ヶ月前までに相手方に書面をもって通知した場合に早期解約を行うオプションも含まれておりますが、当該オプションを行使することが合理的に確実と評価した期間に係るリース料のみをリース債務の測定に含めております。これらのオプションは、リース契約主体が建物を事業に活用する上で、必要に応じて使用されております。
17.持分法で会計処理されている投資
各年度の関連会社及びジョイント・ベンチャーに関する財務情報は、以下のとおりであります。なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものであります。
上記の他、前連結会計年度において、関連会社株式売却損194百万円を認識しております。なお、当連結会計年度において、持分法で会計処理されている投資に係る減損損失688百万円を認識しております。
また、当該投資に対する損失の未認識額及び累積未認識額は以下のとおりであります。
持分法適用先であるFortius AG社について、当社は、Fortius AG社の銀行借入に対する債務の保証等を行っており、前連結会計年度末における偶発負債は8,812百万円です。なお、当連結会計年度末における当該偶発負債はありません。
18.法人所得税
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別内訳は、以下のとおりであります。
繰延税金資産又は繰延税金負債の純額の変動の内容は、以下のとおりであります。
繰延税金資産の認識にあたり、将来加算一時差異、将来課税所得計算及びタックスプランニングを考慮しております。
連結財政状態計算書上で繰延税金資産が認識されていない、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の内訳は、以下のとおりであります。
連結財政状態計算書上で繰延税金資産が認識されていない、税務上の繰越欠損金の失効期限別内訳は、以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において繰延税金負債を認識していない子会社に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、それぞれ158,407百万円及び192,519百万円であります。
これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりであります。
法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異について、原因となった主な項目の内訳は、以下のとおりであります。
当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は、前連結会計年度及び当連結会計年度において31.0%となっております。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
(4) グローバル・ミニマム課税によるトップアップ税
当社グループは、日本や英国など、グローバル・ミニマム課税によるトップアップ税を適用するための新たな法律を制定した複数の国において事業を展開しております。当社グループは、法定の税率が15%以下又は15%に近い少数の国での事業に関連して、トップアップ税が課されます。当社グループは、トップアップ税の影響に関する繰延税金の会計処理に対して強制的に適用される一時的な例外措置を適用しており、その発生時に当期税金として計上しております。当連結会計年度におけるトップアップ税適用による連結財務諸表への影響は軽微であります。
19.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
担保に供している資産及びそれに対応する債務は、以下のとおりであります。
上記以外にその他の金融資産(流動資産)のうち、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ8百万円を官報・営業等にかかわる取引保証のため担保に供しております。
20.社債、借入金及びその他の金融負債
社債、借入金及びその他の金融負債の内訳は、以下のとおりであります。
デリバティブ負債には、ヘッジ会計が適用されているものが含まれております。
デリバティブ負債は損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
借入金は償却原価で測定する金融負債に分類しております。当連結会計年度の短期借入金及び長期借入金(1年内返済予定を含む)の平均利率は、それぞれ6.78%及び1.27%であります。
条件付対価は被取得企業の業績に応じて算定され、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ最小でゼロから最大で28,473百万円及び最小で5,299百万円から最大で9,377百万円を支払う可能性があります。
その他(条件付対価等)のうち、20,185百万円(前連結会計年度)、5,302百万円(当連結会計年度)については、損益を通じて公正価値で測定する金融負債に、それ以外については償却原価で測定する金融負債にそれぞれ分類しております。
(注) 社債の発行条件の要約は、以下のとおりであります。
(2) 財務活動から生じる負債の変動
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注)1. 上記金額は、1年以内に返済予定の流動負債の金額を含んでおります。
2. 再測定による変動は、時の経過にともなう利息費用を含んでおります。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注)1. 上記金額は、1年以内に返済予定の流動負債の金額を含んでおります。
2. 再測定による変動は、時の経過にともなう利息費用を含んでおります。
21.引当金
引当金の内訳及び増減は、以下のとおりであります。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当社グループが使用するオフィスの賃貸借契約等に対する原状回復義務に備えて、過去の実績に基づき将来支払うと見込まれる金額を計上しております。
これらの費用は主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
日本における構造改革引当金は、6,616百万円であります。主な内訳は、早期退職プログラムに伴い個人事業主となった退職者との業務委託契約に係る義務を履行するために不可避的なコストに対する引当金であります。
当社の子会社である株式会社電通では、2020年度において従業員に新しいキャリアの選択肢を提供することに紐づく早期退職プログラムを実施しました。これに伴う退職者は個人事業主となり、子会社「ニューホライズンコレクティブ合同会社」と最長10年間の業務委託契約を結びました。当該早期退職プログラムに関連し、将来(当連結会計年度において6年)に渡って発生が見込まれる上記業務委託契約に係る義務を履行するために不可避的なコストに対して引当金を計上しております。
Americas、EMEA、APAC、全社における構造改革引当金は、それぞれ10,017百万円、24百万円、381百万円、336百万円であります。主な内訳は、人員削減費用、不動産の適正化費用やその他の関連施策費用に対する引当金であります。
22.退職後給付
当社グループは、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けております。
当社グループ及び年金運用受託機関は、制度加入者の利益を最優先にして行動することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。
一部の国内連結子会社においては確定給付企業年金制度及び退職一時金制度について任意に退職給付信託を設定しております。
また、当社及び一部の国内連結子会社は、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を設けており、一部の在外連結子会社は、確定拠出型の退職給付制度を設けております。
確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債及び資産との関係は、以下のとおりであります。
(注) 1.退職給付に係る資産は連結財政状態計算書の「その他の非流動資産」に計上しております。
確定給付制度債務の増減は、以下のとおりであります。
(注) 1.当期勤務費用は連結損益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。また、利息費用は、利息収益を控除した金額を金融費用に計上しております。
2.確定給付制度債務に係る数理計算上の差異は、財務上の仮定の変化等により発生しております。
各年度の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、主に以下のとおりであります。
制度資産の増減は、以下のとおりであります。
なお、当社グループは2025年12月期に126百万円の掛金を拠出する予定であります。
制度資産合計に対する主な分類ごとの内訳は、以下のとおりであります。
(注) 前連結会計年度、当連結会計年度の制度資産合計には、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度に対して設定した退職給付信託がそれぞれ74,979百万円、86,556百万円含まれております。また、株式及び債券は、前連結会計年度、当連結会計年度とも株式は主として国内、債券は主として海外に属するものであります。
制度資産の運用にあたっては給付を行うに十分な資産を確保し、許容可能なリスクのもとで、長期的な拠出金負担の軽減と給付の改善を図ることを目的としております。この運用目的を達成するため、中長期的な年金財政の将来推計に留意し、年金資産運用の不確実性が年金財政に与える影響(不足金発生の可能性等)及び年金資産の収益率の不確実性の許容される程度について十分な検討を行っております。
この運用の目標を達成するため、投資対象として相応しい資産の期待収益率を予測した上で、将来にわたる最適な政策的資産構成割合(以下、政策資産配分)を策定し、運用受託機関の選定、資産配分状況のモニタリングなどにより資産運用状況を管理しております。政策資産配分については毎年検証を行い、策定時の諸条件が変化した場合は、必要に応じて見直しを行っております。
また、将来の財政悪化に備えるため、2020年度よりリスク対応掛金の拠出を行っております。
数理計算上の仮定の主要なものは、以下のとおりであります。
(注) 主要な基礎率の変化が各年度における確定給付制度債務に与える感応度は以下のとおりであります。この分析は、その他の変数が一定との前提を置いておりますが、実際には独立して変化するとは限りません。なお、マイナスは確定給付制度債務の減少を、プラスは確定給付制度債務の増加を表しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における当社及び連結子会社の確定拠出型年金制度の拠出に係る費用計上額は、それぞれ16,032百万円、16,546百万円であります。連結損益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
23.資本及びその他の資本項目
前連結会計年度及び当連結会計年度における授権株式数は、普通株式1,100,000,000株であります。
発行済株式数の増減は、以下のとおりであります。
(注) 1.当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であります。
2.当連結会計年度における発行済株式数の増減は、自己株式の消却による減少4,365,354株であります。
自己株式数は、以下のとおりであります。
(注) 1.前連結会計年度の増減内容は、譲渡制限付株式報酬契約に基づくマークル社退任者からの無償取得67,700株、単元未満株式の買取による増加987株、業績連動型株式報酬制度に係る信託からの株式売却による減少45,200株、業績連動型株式報酬制度に係る信託からの株式付与による減少56,400株、譲渡制限付株式報酬支給による減少15,467株であります。
2.業績連動型株式報酬制度に係る信託E口が所有する当社株式が、前連結会計年度に940,300株含まれております。
3.当連結会計年度の増減内容は、取締役会決議による取得4,890,200株、単元未満株式の買取による増加1,569株、業績連動型株式報酬制度に係る信託からの株式売却による減少2,100株、業績連動型株式報酬制度に係る信託からの株式付与による減少37,600株、単元未満株式の買増による減少57株、自己株式の消却による減少4,365,354株であります。
4.業績連動型株式報酬制度に係る信託E口が所有する当社株式が、当連結会計年度に900,600株含まれております。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当社は、2024年2月14日開催の取締役会による、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定及び当社の定款の定めに基づく自己株式の取得を、当連結会計年度に以下のとおり実施いたしました。
①取得した株式の種類 当社普通株式
②取得した株式の総数 4,890,200株
③株式の取得価額の総額 19,999百万円
④取得期間 2024年4月1日~2024年8月5日
⑤取得方法 東京証券取引所における市場買付
③ 自己株式の消却
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当社は、2024年9月26日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づき、当社所有の自己株式を消却することを決議し、当連結会計年度に以下のとおり実施いたしました。
①消却日 2024年10月3日
②消却する株式の種類及び数 普通株式 4,365,354株
③消却価格 1株につき4,178円
④消却価格の総額 18,238百万円
日本における会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付した額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる資本準備金に組み入れることが規定されております。
日本における会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。
24.配当金
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) 2023年2月14日開催の取締役会決議に基づく配当金の総額には、役員株式報酬信託に係る信託E口が所有する当社株式に対する配当金88百万円が含まれておりません。
2023年8月14日開催の取締役会決議に基づく配当金の総額には、役員株式報酬信託に係る信託E口が所有する当社株式に対する配当金73百万円が含まれておりません。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注) 2024年2月14日開催の取締役会決議に基づく配当金の総額には、役員株式報酬信託に係る信託E口が所有する当社株式に対する配当金57百万円が含まれておりません。
2024年8月14日開催の取締役会決議に基づく配当金の総額には、役員株式報酬信託に係る信託E口が所有する当社株式に対する配当金62百万円が含まれておりません。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) 配当金の総額には、役員株式報酬信託に係る信託E口が所有する当社株式に対する配当金57百万円が含まれておりません。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注) 配当金の総額には、役員株式報酬信託に係る信託E口が所有する当社株式に対する配当金62百万円が含まれておりません。
25.収益
当社グループは、顧客に対して広告業、情報サービス業及びその他の事業を提供しております。詳細は、「3.重要性がある会計方針 (14) 収益 」をご参照ください。
(1) 契約残高
顧客との契約から生じた債権、契約資産(貸倒引当金控除前)及び契約負債の残高は以下のとおりであります。
連結財政状態計算書において、顧客との契約から生じた債権のうち、受取手形及び売掛金は営業債権及びその他の債権、その他は非流動資産のその他の金融資産に含まれており、契約資産は営業債権及びその他の債権に含まれております。また、契約負債は、その他の流動負債に含まれております。
前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された収益について、期首時点で契約負債に含まれていた金額はそれぞれ66,359百万円及び51,581百万円であります。また、前連結会計年度及び当連結会計年度のいずれにおいても、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はなく、契約負債の残高の重大な変動はありません。
契約資産は、主に広告制作や受託システム開発等のサービス契約において、進捗度に応じて収益を認識することにより計上した対価に対する権利として認識しており、対価に対する権利が無条件となった時点で債権に振り替えております。契約負債は主に、顧客から受け取った前受対価に関連するものであります。契約負債は、履行義務の充足に伴い、収益に振り替えております。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格の算定
当社グループにおいて、個別の契約における履行義務が1年を超えると予想される重要な取引がないため、実務上の便法を採用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(3) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
当社グループにおいては、顧客との契約の獲得又は履行のために発生したコストから認識した資産はありません。
26.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
その他には研究開発費が前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ2,048百万円及び1,918百万円含まれております。
27.従業員給付費用
従業員給付費用の内訳は、以下のとおりであります。
従業員給付費用は「原価」、「販売費及び一般管理費」、「構造改革費用」及び「金融費用」に計上しております。
28.その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりであります。
(注)1.当連結会計年度の為替差益には、ヘッジ対象の将来キャッシュフローの発生が見込まれなくなったことに伴うその他の包括利益の純損益への組替額(5,664百万円)を含んでおります。
(注)2.従来、連結損益計算書に別掲表示していた固定資産除売却益は、当連結会計年度において「その他の収益」に含めて表示することに変更しております。これに伴い、前連結会計年度については、当該表示方法の変更を反映した遡及修正後の金額を記載しています。遡及修正の内容については、「2.作成の基礎(5) 表示方法の変更(連結損益計算書)」を参照ください。
29.その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりであります。
(注)1.当社グループは、2022年3月より当社グループの方針と法的観点からロシア事業の見直しを開始し、同年11月に、ロシア政府委員会を含む行政機関による承認を条件として、当社グループのロシア事業を担う現地合弁会社の当社グループ保有持分の全てを現地パートナーへ譲渡する契約を締結いたしました。当該譲渡取引は、本承認が下りた後、国際的な制裁措置への準拠を確認のうえ2024年7月11日に完了しておりますが、当連結会計年度における「関係会社株式売却損」は、主に同取引から生じたものとなります。
本譲渡に伴う費用の大半は、現金支出を伴わない「在外営業活動体の換算差額のリサイクル(その他の資本の構成要素から損益への振替)」であり、連結キャッシュ・フロー計算書上は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」における「その他」に含めて表示しています。本関連費用による売上総利益、調整後営業利益、オペレーティング・マージン及び親会社の所有者に帰属する調整後当期利益への影響はありません。
(注)2.従来、連結損益計算書に別掲表示していた固定資産除売却損は、当連結会計年度において「その他の費用」に含めて表示することに変更しております。これに伴い、前連結会計年度については、当該表示方法の変更を反映した遡及修正後の金額を記載しています。遡及修正の内容については、「2.作成の基礎(5) 表示方法の変更(連結損益計算書)」を参照ください。
30.金融収益及び金融費用
各年度の金融収益の内訳は、以下のとおりであります。
(注) 1.為替差益には通貨デリバティブの評価損益が含まれております。
2.上記の「その他」は、前連結会計年度において借入金を期限前弁済してヘッジ会計を中止したことに伴い発生した金利スワップの解約益7,782百万円(その他の包括利益の純損益への振替額を含む)を含んでおります。
3.上記の「その他」は、過年度に損失処理済みの金融債権に係る当連結会計年度の回収分3,220百万円を含んでおります。
受取配当金の内訳は、以下のとおりであります。
各年度の金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
31.その他の包括利益
「その他の包括利益」に含まれている、各項目別の当期発生額及び損益への組替調整額、並びに税効果の影響は、以下のとおりであります。
32.1株当たり当期損失
(単位:百万円)
33. 重要な非資金取引
重要な非資金取引はありません。
34.株式に基づく報酬
(1) 当社、株式会社電通及び株式会社電通コーポレートワン並びに株式会社電通デジタルの業績連動型株式報酬制度
当社、株式会社電通及び株式会社電通コーポレートワン並びに株式会社電通デジタルは、執行役員(取締役兼務執行役員を含みます。以下同じ。)に対する業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」といいます。)を導入しております。
本制度は、当社、株式会社電通及び株式会社電通コーポレートワン並びに株式会社電通デジタルの執行役員に対し、就任中の各連結会計年度における職務執行の対価として、当社の報酬委員会(当社の指名委員会等設置会社移行前においては取締役会)が定める役員株式給付規則に定める算定式に従って算定される数のユニットを付与し、ユニットの数は、ユニット付与した日が属する当該連結会計年度を初連結会計年度として連続する3連結会計年度を業績評価期間とし、以下の指標に応じて確定します
算定に係る指標としては、以下のとおり、株主総利回り(TSR)及び当社グループの連結調整後営業利益を組み合わせて採用しております。
2022年度付与分、2023年度付与分及び2024年度付与分に係る指標の詳細は、以下のとおりであります。
※1 各指標の数値がいずれも目標値であった場合に業績連動型株式報酬(中長期賞与)を構成する金額の構成割合であります。なお、2024年度付与分においては、固定的に支給される部分として30%設定しております。
※2 当社グループの競合会社として、WPP plc、Omnicom Group Inc.、Publics Groupe S.A.、THE INTERPUBLIC GROUP OF COMPANIES, INC.、Accenture PLC及び株式会社博報堂DYホールディングスの6社をピアグループとして選出しております。
本制度は、確定したユニットの数の50%に応じて算定される数の当社普通株式、及び残りの50%に応じて算定される数の当社普通株式の時価(当社普通株式の1株当たりの時価は、時価の算定を要する日の東京証券取引所における1株当たりの終値(同日の終値がない場合にあっては、その直前の終値)とします。以下同じ。)で換算した額に相当する額の金銭(以下、総称して「当社株式等」といいます。)が、本制度に基づいて設定される信託から給付される持分決済型株式報酬制度及び現金決済型株式報酬制度であります。
執行役員が当社株式等の給付を受ける時期は、原則として、その支給対象となる各連結会計年度を初連結会計年度として連続する3連結会計年度が経過した後となります。
本制度に関して、持分決済型株式報酬制度及び現金決済型株式報酬制度のそれぞれに関して、前連結会計年度に認識された費用はそれぞれ553百万円及び△1,129百万円であり、当連結会計年度に認識された費用はそれぞれ258百万円及び221百万円であります。また、現金決済型株式報酬制度に関して、前連結会計年度末における負債残高は188百万円であり、当連結会計年度末における負債残高は324百万円であります。
持分決済型株式報酬制度の概要は次のとおりであります。
(注)1.本制度において行使価格はありません。
2.本制度の加重平均残存期間は、前連結会計年度末は1.2年であり、当連結会計年度末は1.3年であります。
前連結会計年度中に付与したユニットの公正価値は、1ユニットあたり4,683円であります。ユニットの公正価値は、当社株式の市場価値を以下の評価技法及び基礎数値に基づいて算定し、これに業績評価期間の指標に応じた調整を行い測定しております。
当連結会計年度中に付与したユニットの公正価値は、1ユニットあたり3,165円であります。ユニットの公正価値は、当社株式の市場価値を以下の評価技法及び基礎数値に基づいて算定し、これに業績評価期間の指標に応じた調整を行い測定しております。
(注)満期までの期間に応じた過去の株価実績に基づき算定しております。
現金決済型株式報酬制度の概要は次のとおりであります。
(注)1.本制度において行使価格はありません。
2.本制度の加重平均残存期間は、前連結会計年度末は1.2年であり、当連結会計年度末は1.3年であります。
期中に付与したユニットの公正価値は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1ユニットあたり535円及び2,440円であります。ユニットの公正価値は、当社株式の市場価値を以下の評価技法及び基礎数値に基づいて算定し、これに業績評価期間の指標に応じた調整を行い測定しております。
(注)満期までの期間に応じた直近の期間に係る株価実績に基づき算定しております。
(2) 海外子会社のシニアエグゼクティブに対する業績連動型株式報酬制度
当社は、海外子会社のシニアエグゼクティブに対する業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」といいます。)を導入しております。
本制度では、海外子会社のシニアエグゼクティブに対し、就任中の各連結会計年度における職務執行の対価として、当社が定める算定式に従って算定される数のユニットを付与します。ユニットの数は、ユニットを付与した日が属する当該連結会計年度を初連結会計年度として連続する3連結会計年度を業績評価期間とし、当該期間の株主総利回り(TSR)及び当社グループの連結調整後営業利益に応じて確定します。
2022年度付与分、2023年度付与分及び2024年度付与分に係る指標の詳細は、以下のとおりであります。
※1. 各指標の数値がいずれも目標値であった場合に業績連動型株式報酬(中長期賞与)を構成する金額の構成割合であります。なお、2024年度付与分においては、固定的に支給される部分として30%設定しております。また、一部の海外子会社のシニアエグゼクティブは、2024年度付与分として、固定部分が含まれない2023年付与分と同様の報酬プランを選択しました。
※2. 当社グループの競合会社として、WPP plc、Omnicom Group Inc.、Publics Groupe S.A.、INTERPUBLIC GROUP OF COMPANIES, INC.、Accenture PLC及び株式会社博報堂DYホールディングスの6社をピアグループとして選出しております。
本制度は、主に確定したユニットの数に応じて算定される数の当社普通株式が給付される持分決済型株式報酬制度であります。海外子会社のシニアエグゼクティブが当社株式等の給付を受ける時期は、原則として、その支給対象となる各連結会計年度を初連結会計年度として連続する3連結会計年度が経過した後となります。
本制度の持分決済型株式報酬制度に関して、前連結会計年度に認識された費用は△581百万円、当連結会計年度に認識された費用は1,142百万円であります。
本制度の持分決済型株式報酬制度の概要は次のとおりであります。
(注)1.本制度において行使価格はありません。
2.付与日は、前連結会計年度に付与したユニットは2023年3月23日、当連結会計年度に付与したユニット
は2024年5月24日であります。
3.本制度の加重平均残存期間は、前連結会計年度末は1.3年、当連結会計年度末は2.2年であります。
4. 2024年9月25日に実施された報酬委員会で支給方法の見直しが行われ、2022年度および2023年度の付与分は持分決済型報酬制度から現金決済型報酬制度へ変更されました。
付与日のユニットの公正価値は、前連結会計年度に付与したユニットは1ユニットあたり3,337円、当連結会計年度に付与したユニットは1ユニットあたり2,876円であります。ユニットの公正価値は、当社株式の市場価値を以下の評価技法及び基礎数値に基づいて算定し、これに業績評価期間の指標に応じた調整を行い測定しております。
(注) 満期までの期間に応じた過去の株価実績に基づき算定しております。
2024年9月25日に実施された報酬委員会で支給方法の見直しが行われ、2022年度および2023年度の付与分は持分決済型報酬制度から現金決済型報酬制度へ変更されました。この見直しにより導入された現金決済型株式報酬制度に関して、当連結会計年度に認識された費用は△203百万円であります。また、現金決済型報酬制度へ移行されたユニットの加重平均公正価値は、1ユニットあたり27円であります。
本制度の現金決済型株式報酬制度の概要は次のとおりであります。
(注)1.本制度において行使価格はありません。
2.本制度の加重平均残存期間は、前連結会計年度末は該当なし、当連結会計年度末は0.8年であります。
3.2024年9月25日に実施された報酬委員会で支給方法の見直しが行われ、2022年度および2023年度の付与分は持分決済型報酬制度から現金決済型報酬制度へ変更されました。
35.金融商品
当社グループの資本管理は、成長を重視しつつ長期的な企業価値の向上を実現するために、財務健全性を維持しながら、資本効率性を高めることを基本方針としております。
資本管理に係る指標となる資本(親会社の所有者に帰属する持分)及びROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)の数値は以下のとおりであります。
(注) 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、2025年2月に公表された中期経営計画では、新たな経営指標としてROEを採用しております。これに伴い上表では、前連結会計年度まで資本管理の指標としていた調整後ROE(親会社所有者帰属持分調整後当期利益率)に替え、当連結会計年度よりROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を表示しております。なお、従前の指標である調整後ROEは、前連結会計年度において10.4%、当連結会計年度において12.1%でした。
当社グループは、事業活動を行う過程において財務上のリスクに晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。
なお、デリバティブ取引については、内部管理規程により、上記リスク回避・低減の目的の範囲内で行うこととしております。
営業債権である受取手形及び売掛金を含む償却原価で測定される金融資産は、顧客の信用リスクに晒されておりますが、与信管理の規則に沿ってリスク低減を図っております。
当社グループは、与信管理規程に従い、新規取引先等の審査及び与信管理を行っております。また、経理規程に従い、各事業部門における管理部門と経理部門の協働により、取引先ごとに期日及び残高の管理をするとともに、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングすることにより、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。また、連結子会社においても、与信管理、債権管理を行っており、一定の重要な取引及び事象については報告や承認を必要とする管理体制をとっております。
なお、当社グループでは特定の相手先に対する過度に集中した信用リスクはありません。
④ 貸倒引当金の増減分析
当社グループが期中に直接償却したものの、履行強制活動の対象としている金融資産の契約上の未回収残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(4) 流動性リスク
当社グループは、各部署からの報告に基づき資金管理部門が定期的に資金計画を作成・更新し、収支の状況に応じた手元流動性を確保すること等により、流動性リスクを管理しております。
当社グループは、運転資金につきましては、内部資金、金融機関からの借入、社債、コマーシャル・ペーパー又は債権流動化等により調達することとしております。なお、債権流動化取引はノンリコース契約であることから、同債権については債権の消滅を認識しております。
また、当社グループは、緊急時の流動性を確保するため、コミットメント・ラインを設定しております。加えて、急速な外部環境変化等に万全を期すため、引き続き金融機関との間で一時的に追加の銀行融資枠を設定しております。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
未使用の信用枠は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ、621,901百万円及び592,719百万円であります。
未使用の信用枠にはコミットメント・ライン、当座借越枠及びコマーシャル・ペーパーの発行枠が含まれております。
外貨建金銭債権債務は為替の変動リスクに晒されております。当社グループでは、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対して、先物為替予約を利用しております。
また、一定金額を上回る外貨建取引や為替の変動リスクのうち重要なものに対しては、内部管理規程により、先物為替予約や外貨建借入等を利用してヘッジすることとしております。
当社グループが各年度末において保有する金融商品において、他のすべての変数が一定であると仮定した上で、機能通貨(円)が米ドル又はユーロに対して10%増価した場合の税引後利益に与える影響は、以下のとおりであります。なお、機能通貨建ての金融商品、及び在外営業活動体の資産及び負債を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。
当社グループが調達した資金の一部については、金利変動リスクを回避・低減するためにデリバティブ取引(金利スワップ取引等)を活用し、支払利息を固定化しております。
② 金利感応度分析
当社グループが各年度末において保有する金融商品において、金利が300bps上昇した場合の、連結損益計算書の税引後利益に与える影響額は、以下のとおりであります。
金利変動の影響を受ける金融商品(借入金)を対象としており、為替変動の影響等その他の要因は一定であることを前提としております。
③ IBOR(銀行間調達金利指標)改革
英ポンドLIBOR及び日本円LIBORは2021年12月31日に廃止されましたが、これらを参照していたヘッジ対象及びヘッジ手段は、SONIA(ポンド翌日物平均金利)を参照する契約条件の変更を実施し、ヘッジ会計を継続しております。また、米ドルLIBORは2023年6月30日に廃止されましたが、これらを参照していたヘッジ対象及びヘッジ手段はSOFR(担保付き翌日物資金調達金利)を参照する契約条件の変更を実施し、ヘッジ会計を継続しております。当社グループは、当連結会計年度に参照金利指標の代替的な金利指標への移行を完了しており、当連結会計年度末において、IBOR改革から生じる不確実性の影響はありません。
主なヘッジ手段の想定元本及び平均価格は次のとおりであります。
(注)連結会社間の貨幣性項目について、キャッシュ・フロー・ヘッジを適用しておりますが、ヘッジ対象は連結財政状態計算書において相殺消去されております。
当社及び一部の連結子会社の、ヘッジ手段の帳簿価額は次のとおりであります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、ヘッジの非有効部分に関して純損益として認識した金額に重要性はありません。
(単位:百万円)
(注)「その他の金融資産(流動)」、「その他の金融資産(非流動)」、「その他の金融負債(流動)」及び「その他の金融負債(非流動)」に含まれております。
当社及び一部の連結子会社の、キャッシュ・フロー・ヘッジについて、連結包括利益計算書上、その他の包括利益に計上された金額(税効果考慮前)は次のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
(注)当社グループは、「3.重要性がある会計方針」に記載の通り、ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合に、その他の資本の構成要素として認識されている金額は、IAS第39号に従い、その他の包括利益を通じて、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正とする方法を採用しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジについて、連結財政状態計算書上、その他の資本の構成要素に計上された金額の増減の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
当連結会計年度における当期利益への組替調整額のうち、5,664百万円はヘッジ対象において将来キャッシュフローの発生が見込まれなくなった金額であります。
金融商品の帳簿価額及び公正価値は、以下のとおりであります。
なお、長期借入金及び社債以外の償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しております。
(注) 1年内に返済予定の残高を含んでおります。
長期借入金の公正価値については、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっております。
長期借入金の公正価値ヒエラルキーはレベル2に該当しております。
社債の公正価値については、市場価格に基づき算定する方法によっております。また、公正価値ヒエラルキーはレベル2に該当しております。
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に使用したインプットの観察可能性及び重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しております。公正価値のヒエラルキーは以下のように定義しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定した公正価値
レベル2: レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3: 観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値の測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しております。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期の期首時点で発生したものとして認識しております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。また、以下の表には株式買取債務を含めております。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
デリバティブ資産及びデリバティブ負債に含まれる金利スワップ、為替予約等の公正価値は、金融機関より入手した見積価格又は観察可能な市場データを用いて算定した金額で評価しているため、レベル2に分類しております。
株式及びその他(金融資産)のうち活発な市場が存在する銘柄の公正価値は市場価格に基づいて算定しているため、レベル1に分類しております。また、活発な市場が存在しない銘柄のうち、公正価値を観察可能な市場データを用いて算定した金額で評価した銘柄についてレベル2に分類し、公正価値を観察不能なインプットを用いて主としてインカム・アプローチ(DCF法)及びマーケット・アプローチ(類似企業比較法又は類似取引比較法)で算定した金額で評価した銘柄についてレベル3に分類しております。
インカム・アプローチ(永久成長率法により永続価値を算定したDCF法)において重要な観察不能なインプットは主として割引率であり、公正価値は割引率の上昇(低下)により減少(増加)することとなります。使用した割引率は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ8.2%及び6.9%であります。
マーケット・アプローチ(類似企業比較法)において重要な観察不能なインプットは主として企業価値/営業利益等の評価倍率であり、公正価値は当該評価倍率の上昇(低下)により増加(減少)することとなります。使用した企業価値/営業利益の評価倍率は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ13.99倍及び29.79倍であります。
株式買取債務及びその他(金融負債)の公正価値等は、観察不能なインプットを用いて割引キャッシュ・フロー法で算定した金額で評価しているため、レベル3に分類しております。重要な観察不能なインプットは、主として将来時点における利益水準及び割引率であり、公正価値等は、利益水準の改善(悪化)により増加(減少)し、割引率の上昇(下落)により減少(増加)することとなります。利益水準が100bps改善もしくは悪化した場合には、公正価値等は、前連結会計年度においては142百万円増加もしくは141百万円減少、当連結会計年度においては90百万円増加もしくは85百万円減少することとなります。割引率が100bps上昇もしくは下落した場合には、公正価値等は、前連結会計年度においては240百万円減少もしくは259百万円増加、当連結会計年度においては83百万円減少もしくは94百万円増加することとなります。
レベル3に区分された資産、負債については公正価値測定の評価方針及び手続きに従い、担当部署が対象資産、負債の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。公正価値の測定結果については適切な責任者が承認しております。
レベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりであります。
(注) 1.その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動に含まれております。
2.損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債に関するものであり、金融収益又は金融費用に含まれております。損益のうち、連結会計年度末において保有する金融商品に係るものは、前連結会計年度において3,338百万円(金融収益)及び4,531百万円(金融費用)、当連結会計年度において1,400百万円(金融収益)及び103百万円(金融費用)であります。
(10)金融資産及び金融負債の相殺
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺された金融商品の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
なお、強制可能なマスターネッティング契約又は類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部又は全部を満たさないため相殺していない金額に、重要性はありません。
36.関連当事者
当社及び連結子会社は、関連会社から広告関連サービスを購入しており、また、広告出稿及び広告関連サービスを提供しております。関連会社との取引は、独立企業間価格を基礎として行っております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における関連会社に対する債権債務の残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における関連会社との取引高は、以下のとおりであります。なお、取引高については総額により表示した「売上高」及び「売上原価」を記載しております。
当社グループの経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。
(注)経営幹部とは、当社グループの活動を直接、間接に計画し、指示を行い、そして支配する権限及び責任を有する者をいいます。
当社の重要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 連結子会社」に記載のとおりであります。
前連結会計年度と比べ、連結子会社は84社、持分法適用会社は9社減少しております。
37.偶発負債
偶発負債は、以下のとおりであります。
当社グループ会社が広範な領域にわたり遂行している事業は、国内・海外を問わず、政府機関・顧客・媒体社・協力会社等から調査・訴訟・メディア監査等に基づく請求・課徴金等を受けることがあります。当社は、専門家等との協議を含む検討の結果、それらの請求による債務が発生したとしても、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を与えることはないと考えております。
インドにおける偶発負債等について
当社グループのインドにおける子会社が締結した一部の取引について、社外弁護士等の専門家と共に、詳細な調査を実施し、その結果をインド当局に報告しております。
これらの事案に関して、当該子会社に対して提供したと主張されている商品やサービスの対価として、当社グループは取引相手から5,333百万インドルピー(9,803百万円)の支払請求を受けております。
当社グループは、現在までの法的助言に基づき、関連する取引には経済的実態がなく、また、商品やサービスの提供もないことから、金銭の支払義務はないと判断しており、したがって当該請求金額について引当金を計上しておりません。当社グループと社外弁護士等の専門家による詳細な調査は継続中でありますが、当社グループは当該判断を継続して主張するとともに、インド当局の調査への協力を続けてまいります。
この事案に関する今後の訴訟の展開や当局の判断等には、一定の不確実性が存在しております。
38.重要な後発事象
(保有株式の売却)
当社は、2025年3月3日付で保有する株式会社リクルートホールディングスの全ての株式(1,775,000株)を15,620百万円で売却しました。本件売却による公正価値の変動はその他の包括利益として認識されるため、連結損益計算書への影響はありません。