【注記事項】
(重要な会計方針)

1 有価証券の評価基準及び評価方法

(1) 子会社株式及び関連会社株式

移動平均法による原価法

(2) その他の関係会社有価証券

  移動平均法による原価法

なお、投資事業有限責任組合及びそれに類する組合への出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっております。

(3) その他有価証券

市場価格のない株式等以外のもの

時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)

市場価格のない株式等

主として移動平均法による原価法

 

2 デリバティブの評価基準及び評価方法   

時価法

 

3 固定資産の減価償却の方法

(1) 有形固定資産

定率法によっております。

ただし、1998年4月1日以後に取得した建物(建物附属設備を除く)及び2016年4月1日以後に取得した建物附属設備並びに構築物については、定額法によっております。

なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。

建物

6年~50年

車両運搬具

5年

工具、器具及び備品

3年~20年

 

(2) 無形固定資産

定額法によっております。なお、ソフトウエア(自社利用分)については、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法によっております。

 

4 引当金の計上基準

(1) 貸倒引当金

営業債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

(2) 役員賞与引当金

役員賞与の支出に備えるため、支給見込額に基づき計上しております。

(3) 株式給付引当金

役員等に対する将来の給付に備えるため、役員株式給付規則等に基づき、役員等に割り当てられるユニットの見込数に応じた給付額を基礎として計上しております。

 (4) 契約損失引当金

将来の契約履行に伴い発生する可能性のある損失に備えるため、合理的に算定した損失見込額を計上しております。

 (5) 債務保証損失引当金

関係会社への債務保証に係る損失に備えるため、被保証者の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しております。

 

5 ヘッジ会計の方法

(1) ヘッジ会計の方法

繰延ヘッジ処理を行っております。なお、金利スワップ取引について特例処理の要件を充たしている場合には特例処理を採用しております。

(2) ヘッジ手段とヘッジ対象

ヘッジ手段 金利スワップ取引

ヘッジ対象 借入金に係る利息

(3) ヘッジ方針

借入金に係る金利変動リスクの回避を目的とし、内規に基づきヘッジを行っております。また、投機的な取引は実施しておりません。

(4) ヘッジの有効性評価の方法

金利スワップ取引については、特例処理によっているため、ヘッジの有効性の評価は省略しております。

 

6 収益及び費用の計上基準

当社は純粋持株会社として、グループ各社に対し経営管理を行っており、その収益は、主に当社の連結子会社からの受取配当金及び経営支援料からなります。受取配当金については、配当金の効力発生日をもって収益を認識しております。また、経営支援料については、連結子会社との契約に応じた受託業務を提供することが履行義務であり、業務が実施された時点で当社の履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。

 

7 記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しております。

 

 

(重要な会計上の見積り)

当事業年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は以下のとおりであります。

(関係会社投資の評価)

1 財務諸表に計上した金額

(単位:百万円)

 

前事業年度

(2023年12月31日)

当事業年度

(2024年12月31日)

関係会社株式

732,195

430,660

その他の関係会社有価証券

9,527

12,150

関係会社出資金

15,493

15,493

 

 

上記のうち、関係会社株式430,660百万円には、当社グループの海外事業を傘下に持つ中間持株会社である非上場子会社Dentsu International Limited(以下、「DI社」)に対する投資286,714百万円が含まれております。

 

 2 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

非上場の子会社に対する投資等、市場価格のない株式等は取得価額をもって貸借対照表価額としておりますが、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときには、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、実質価額まで減損処理をしております。

DI社投資

当社は、DI社投資の評価に当たり、DI社が統轄する海外事業からの超過収益力等を反映した価額で実質価額を算定し、また、超過収益力等を反映した実質価額は、事業価値から純有利子負債等を控除して算定しております。

当社は、同社の取得により計上した連結財務諸表上ののれんの年次の減損テストで算出された使用価値の金額を基礎として、DI社の事業価値の金額を算定しております。のれんの減損テストにおける使用価値の見積りには、連結財務諸表の「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 15.のれん及び無形資産 (3)のれんの減損テスト」に記載のとおり、主要な仮定にはオペレーティング・マージン、正味運転資本、売上総利益の成長率、継続成長率、割引率及び全社費用の各資金生成単位グループへの配賦率が含まれます。

この結果、当事業年度において300,976百万円の関係会社株式評価損を計上しております。なお、事業戦略の変更や市場環境の変化等により上記仮定の見直しが必要となった場合、翌事業年度以降において、DI社投資の減損処理による損失が発生する可能性があります。

 

 

(未適用の会計基準等)

リースに関する会計基準等)

・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)

・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)等

 

(1) 概要

企業会計基準委員会において、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みの一環として、借手の全てのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に向けて、国際的な会計基準を踏まえた検討が行われ、基本的な方針として、IFRS第16号の単一の会計処理モデルを基礎とするものの、IFRS第16号の全ての定めを採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ、IFRS第16号の定めを個別財務諸表に用いても、基本的に修正が不要となることを目指したリース会計基準等が公表されました。

借手の会計処理として、借手のリースの費用配分の方法については、IFRS第16号と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、全てのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルが適用されます。

 

(2) 適用予定日

2028年12月期の期首より適用予定です。

 

(3) 当該会計基準等の適用による影響

「リースに関する会計基準」等の適用による財務諸表に与える影響額については、現時点で評価中です。

 

 

(貸借対照表関係)

※1 関係会社項目

区分表示されたもの以外で当該関係会社に対する金銭債権又は金銭債務の金額は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前事業年度
 (2023年12月31日)

当事業年度
 (2024年12月31日)

短期金銭債権

10,161

16,789

短期金銭債務

8,855

6,512

 

 

 2 偶発債務

前事業年度(2023年12月31日)

保証債務残高

(単位:百万円)

下記会社の銀行借入等に対する債務保証

 

Dentsu International Limited

及びDentsu International Treasury Limited

 

(運転資金に係る資金借入枠 500百万英ポンド)

90,340

FORTIUS AG社他計6社

10,142

100,482

 

 

当事業年度(2024年12月31日)

保証債務残高

(単位:百万円)

下記会社の銀行借入等に対する債務保証

 

Dentsu International Treasury Limited

 

(運転資金に係る資金借入枠 100百万米ドル)

15,818

OOHメディア・ソリューション社他計4社

1,323

17,141

 

 

※3 消費貸借契約

前事業年度(2023年12月31日)

投資有価証券のうち251百万円及び関係会社株式のうち413百万円は有価証券の消費貸借契約による貸付を行っております。

 

当事業年度(2024年12月31日)

関係会社株式のうち413百万円は有価証券の消費貸借契約による貸付を行っております。

 

 4 貸出コミットメント契約

グループ内の効率的な資金調達及び運用を行うため、一部の関係会社との間でキャッシュマネジメントサービス(CMS)に関する契約を締結しております。当該契約に係るものを含めた貸出未実行残高等は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前事業年度
 (2023年12月31日)

当事業年度
 (2024年12月31日)

貸出コミットメントの総額

21,230

46,547

貸出実行残高

7,228

13,802

差引額

14,001

32,744

 

 

 

(損益計算書関係)

※1 関係会社項目

(単位:百万円)

 

前事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当事業年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

営業収益

92,782

91,683

営業費用

25,997

21,521

営業取引以外の取引高

3,796

3,444

 

 

※2 営業費用の主な内訳

   全額が一般管理費に属するものであります。

(単位:百万円)

 

前事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当事業年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

給料及び手当

5,458

4,679

業務委託費

11,527

10,292

株式給付引当金繰入額

△2,270

700

借用料

3,591

3,321

雑費

5,436

5,390

 

 

※3 関係会社株式評価損

主として、子会社である Dentsu International Limited の株式について、帳簿価額に対し実質価額が著しく低下したことにより計上したものであります。詳細につきましては、「財務諸表等注記(有価証券関係)」に記載のとおりであります。

 

 

(有価証券関係)

子会社株式及び関連会社株式

前事業年度(2023年12月31日)

(単位:百万円)

区分

貸借対照表計上額

時価

差額

子会社株式

29,956

310,917

280,961

関連会社株式

2,851

6,339

3,487

32,807

317,256

284,449

 

 

当事業年度(2024年12月31日)

(単位:百万円)

区分

貸借対照表計上額

時価

差額

子会社株式

29,956

297,718

267,762

関連会社株式

2,851

7,378

4,526

32,807

305,096

272,289

 

 

(注)  非上場の子会社株式及び関連会社株式等、市場価格のない株式等の貸借対照表計上額

(単位:百万円)

区分

前事業年度
 (2023年12月31日)

当事業年度
 (2024年12月31日)

子会社株式

686,755

385,591

関連会社株式

12,632

12,261

699,388

397,853

 

 

上表の「子会社株式」の内、主要な銘柄はDentsu International Limited(前事業年度587,690百万円、当事業年度286,714百万円)となっております。

当社は、同社に対する投資の評価に当たり、同社が統轄する海外事業からの超過収益力等を反映した価額で実質価額を算定しております。また、超過収益力等を反映した実質価額は、事業価値から純有利子負債等を控除して算定されております。連結財務諸表上「のれん」として計上されている当該関係会社株式に含まれる超過収益力を含む海外事業の使用価値の見積りの詳細については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記15.のれん及び無形資産 (3)のれんの減損テスト」をご参照ください。当社は、当事業年度において、同社株式の実質価額が著しく低下したと認められたことから300,976百万円の関係会社株式評価損を計上しております。

 

(税効果会計関係)

1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

(単位:百万円)

 

前事業年度
 (2023年12月31日)

当事業年度
 (2024年12月31日)

繰延税金資産

 

 

  貸倒引当金

922

870

  工具、器具及び備品

195

195

 会社分割に伴う承継会社株式

15,500

15,500

 未払費用

207

111

 有価証券等評価損

150,650

233,083

 関係会社株式売却益

9,395

9,395

 契約損失引当金

2,723

-

  繰越欠損金

754

3,693

 その他

2,512

3,350

繰延税金資産小計

182,862

266,201

  税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額

△754

△3,693

 将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額

△154,770

△246,016

評価性引当額小計

△155,524

△249,710

繰延税金資産合計

27,338

16,491

繰延税金負債

 

 

 その他有価証券評価差額金

△17,987

△19,717

  その他

△713

△421

繰延税金負債合計

△18,700

△20,139

繰延税金資産(△負債)の純額

8,637

△3,648

 

 

また、再評価に係る繰延税金負債の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前事業年度
 (2023年12月31日)

当事業年度
 (2024年12月31日)

再評価に係る繰延税金負債

△844

△844

 

 

2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳

 

 

前事業年度
 (2023年12月31日)

当事業年度
 (2024年12月31日)

法定実効税率

31.0%

-

  (調整)

 

 

 交際費等永久に損金に算入されない項目

1.0%

-

 受取配当金等永久に益金に算入されない項目

△49.7%

-

評価性引当額の増減額

△3.1%

-

前期納付差額

△0.4%

-

その他

0.4%

-

税効果会計適用後の
法人税等の負担率

△20.8%

-

 

    (注)当事業年度は税引前当期純損失を計上しているため、記載を省略しております。

 

 

3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理

  当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。

 

(企業結合等関係)

「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.企業結合等関係」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。

 

 

(収益認識関係)

  顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報

  「(重要な会計方針) 6 収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。

 

(重要な後発事象)

(別途積立金の取り崩し)

当社は、2025年2月14日開催の取締役会において、会社法第452条および459条第1項に基づく定款の定めにより 別途積立金の取り崩しを行いました。

   (1) 減少する剰余金の項目およびその額     別途積立金    230,000百万円

(2) 増加する剰余金の項目およびその額     繰越利益剰余金  230,000百万円

(3) 実施の目的                継続的な配当政策の実現を可能にするため

(4) 効力発生日                2025年3月18日

 

(保有株式の売却)

当社は、2025年3月3日付で保有する株式会社リクルートホールディングスの全ての株式(1,775,000株)を15,620百万円で売却しました。本件売却により、2025年12月期の個別財務諸表において、投資有価証券売却益15,087百万円を特別利益として計上する予定です。