第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

① グループ理念

当社グループは、グループ理念として「Mission」、「Vision」、「Value」、「Culture」を定めております。当社グループは、「Mission」として「投資により未来価値を創出する」を掲げ、人と事業に積極的な投資を行うことで、環境、社会において持続可能な価値を創出し豊かな未来を実現することを目指しております。

また、グループ企業各社においては、カンパニーMissionを掲げ経営を進めております。不動産領域事業を行う当社においては「不動産を通じて豊かな社会を実現する」、DX領域事業を行うAtPeak株式会社におきましては、「テクノロジーで全てのビジネスに革新を」を掲げております。

このグループ理念、各社のMissionのもとに、環境問題や社会課題に積極的に取組み、お客様や従業員、全てのステークホルダーの皆様の豊かさの実現に貢献し、世界をリードするサステナブルな企業グループを目指しております。

 

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(2) グループ方針「GLM1000」及び2025年中期経営計画「GLM100」

当社グループは、長期展望のグループ方針「GLM1000」を策定しております。2040年まで経常利益の年平均成長率25%を目標として掲げ、経常利益1,000億円以上を実現し「世界をリードするサステナブルな企業グループ」を目指してまいります。

 

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グループ方針「GLM1000」の実現に向け、当社グループを取り巻く経営環境や対処すべき課題等を踏まえ、「2025年中期経営計画・GLM100」(3ヶ年計画)を策定しております。2022-24年中期経営計画(以下、「前中計」という)としてKGIとして掲げていた2024年12月期における経常利益50億円は超過達成いたしました。現行の中期経営計画「GLM100」におきましては、前中計において進めた成長戦略をベースとして、さらなる成長の実現に向けた戦略を以下のとおり、新たに4点掲げております。

 

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① 投資家のニーズ起点のビジネスモデル構築

当社が、前中計期間において開発企画を行った環境配慮型レジデンスの販売先や取引先である機関投資家に対して、2025-2027年の3年間における日本の不動産への投資金額及び対象となるアセットタイプをヒアリングした結果、約3.3兆円のニーズがあることがわかりました。その一方で、当社の今後3年間における供給計画は約2,500億円であり、供給量が機関投資家のニーズに追いついていない状況です。今後は、機関投資家との共同プロジェクトの実施についても協議を進め、ニーズに一層応えられるよう、アセットタイプの拡充と事業規模の拡大を図ってまいります。また、機関投資家のニーズに応えることで、より強固なリレーションを築くことで投資家のニーズを起点としたビジネスモデルを構築し、盤石な販売体制も築いてまいります。

 

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② アセットタイプと収益モデルの拡充

開発事業については、底堅い需要がある環境配慮型レジデンス開発をベースとして、ホテルやロジスティクス等、開発及び販売するアセットタイプの拡充により、機関投資家のニーズに応えられるよう積極的に検討を進めてまいります。また、当社グループの事業ポートフォリオの中心は、開発事業における環境配慮型(ESG型)レジデンス開発販売となっておりますが、2024年12月期においては、再生事業におけるオフィスビル販売と土地企画事業における土地企画販売が計画を上回る実績となり、収益モデルの拡充を実現しました。2025年中期経営計画においては、市場環境や機関投資家からの需要と、当社が開発事業で培った知見とのシナジーにより、再生・土地企画事業は成長ドライバーとなる計画としております。アセットタイプと収益モデルの拡充により、業績成長の実現と収益の安定性を高めてまいります。

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③ DXの活用拡大

DX領域事業を行う中核子会社として2023年12月に設立したAtPeak株式会社におきまして開発を進める、不動産ソリューション業務ツールの活用により、生産性を大幅に向上させ加速的な事業成長を実現してまいります。AtPeak株式会社が開発する、専門性が高く、正確さが求められる領域に強いAP-AIの活用により、開発、再生、土地企画事業の仕入や営業業務を効率化させ、DXによる収益貢献を計画しております。

また、AP-AIは不動産領域だけではなく、他領域及び業界におけるDX化への貢献が可能であると考えております。DXの活用による、当社グループへの間接的な収益貢献だけではなく直接的な収益貢献を目指してまいります。

 

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④ 人的資本経営の体制構築と推進

当社グループは、グループミッションとして「投資により未来価値を創出する」を掲げ、「人と事業に積極的な投資を行うこと」を成長戦略に組込んでおります。具体的には、公平公正な人事評価制度を目指し定期的に評価制度を見直し、インセンティブ制度も拡充させております。様々な施策を積極的に実施することで、従業員のエンゲージメント、定着率を高め、従業員一人当たりの売上高及び利益を向上させてまいります。その結果として、平均年間給与業界No.1を実現してまいります。なお、人的資本経営の推進についての詳細は、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

<目標とする経営指標>

当社グループは、グループ方針「GLM1000」を掲げ、2040年まで経常利益年平均成長率25%を維持し、経常利益額1,000億円をKGIとしております。その実現に向けて、2025年中期経営計画「GLM100」においては、2027年12月期に達成すべき数値目標として売上高1,000億円、経常利益100億円を設定しております。その達成に向けて設定している各指標については以下のとおりです。

 

<KGI>

 

2024年12月期

(実績)

2025年12月期

(計画)

2026年12月期

(計画)

2027年12月期

(計画)

売上高     (億円)

644

720

850

1,000

売上総利益   (億円)

97

114

136

170

経常利益    (億円)

51

60

75

100

 

<財務目標>

 

2024年12月期

(実績)

2025年12月期

(計画)

2026年12月期

(計画)

2027年12月期

(計画)

自己資本比率

31.8%

30%以上

 ROE

33.3%

25%以上

配当性向

30.5%

30%

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティに関する基本的な考え方

当社グループは、投資用不動産業界ではいち早く環境配慮型不動産への取組みを開始し、さらに、当社グループの長期構想である「GLM VISION 2030」において「不動産×環境×DXにより、サステナブルな不動産開発・運用No.1」をゴールに置く等して、サステナビリティを経営のベースに据えてまいりました。また、2023年11月には当社グループ全体でのサステナビリティ推進を強化すべく「サステナビリティ方針」を策定いたしました。

当社グループの「サステナビリティ方針」は、以下のとおりです。

 

<サステナビリティ方針>

 

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① サステナビリティにかかるガバナンス

当社グループは、サステナビリティ方針等の各種方針、その計画及び「マテリアリティ」をはじめとするサステナビリティ経営に関連する重要事項について、経営会議(原則、毎週開催)にて協議・審議を行い、取締役会において決議する体制を整備しております。

サステナビリティに関する重要事項については、サステナビリティ推進部が各事業部門や管理部門の意見聴取をおこない、代表取締役社長、サステナビリティ推進担当執行役員及びサステナビリティ推進部が出席する定例会議(週次開催)にて協議のうえ議案を取り纏め、経営会議にて協議・審議を行っております。

また、経営会議では必要に応じてワークショップを開催し重要事項に関しての議論を深めております。

 

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② サステナビリティにかかるリスク管理

当社グループでは、中期経営計画の達成や「マテリアリティ」への対応をより確実なものとするため、戦略の遂行において克服すべきリスク領域(「戦略リスク」)や、事業の円滑な運営を阻害するリスク領域(「オペレーショナルリスク」)に、各種のリスク区分を設定し、機会への取組みやリスクへの対策を強化しております。

また、ボトムアップ及びトップダウンの両面から、定期的にリスクを把握・評価し、リスクへの対策と機会への取組みを推進しております。

詳細は、「3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

 

③ サステナビリティにかかる戦略

当社グループは、2023年11月に「GLM VISION 2030」の達成を確実なものとするために、重点的に解決する課題として、9つの「マテリアリティ」を特定いたしております。

当社グループは、2024年11月に、グループ方針「GLM1000」並びに2025年中期経営計画「GLM100」を策定し、「マテリアリティ」の見直しを行っております。

今回の見直しは、イ.各マテリアリティの変更の要否、ロ.2030年のあるべき姿/ありたい姿の追加変更の要否、ハ.2030年のKGIの変更の要否の判断を行い、必要に応じて変更したものであります。

 

<長期構想>

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<マテリアリティ>

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<「マテリアリティ」と2030年のあるべき姿/ありたい姿、2030年のKGI>

 

マテリアリティ

2030年のあるべき姿/ありたい姿

2030年のKGI

環境配慮型不動産の企画開発・運用

環境配慮型不動産の開発・提供

自社開発物件の環境認証取得比率

人的資本経営の推進

Value(No.1・挑戦・共創)に共感し 成長意欲がある人材に選ばれ、平均給与業界上位の多様性に富んだ組織になる

①平均給与業界ランキング

②スキルスコア

③エンゲージメントスコア(総スコア)

④多様性指標

 (a)女性管理職比率

 (b)女性従業員比率

安全・安心な不動産の提供

自然災害に強く防犯性能の高い、安全と安心な環境を備えた自社物件の開発・提供

①取扱不動産の遵法性・権利関係の適合性

②自社基準による災害・防犯対応物件の開発比率(注)

不動産×DXの推進

AIを活用したDX推進により不動産領域の事業の生産性を向上させ社会課題解決に貢献する

生産性指標

 (a)一人当たりの売上高

 (b)一人当たりの経常利益

誠実かつ透明性の高い企業行動

①誠実な企業活動により、従業員の誇りNo.1が実現できている

②誠実な企業活動と透明性の高い情報開示により社会から評価されている

①エンゲージメントスコア(企業理念の定着度)

②(a)投資家との対話回数

(b)GPIF採用指数の構成銘柄に選定される

気候変動の緩和への貢献

2050年のカーボン・ニュートラル社会の実現に向けて事業に伴う温室効果ガスの排出量が国際的な基準に適合している

温室効果ガス排出量(Scope 1・2・3)削減率

収益構造の最適化

開発事業の安定的なビジネス基盤と再生事業、土地企画事業等の成長事業のベストミックスにより、着実な成長を実現できている

各事業の売上総利益の構成比

資本効率の最適化と財務健全性の両立

資本効率の最適化と財務健全性の両立により企業価値が向上している

①ROE

②自己資本比率

③配当性向

コーポレートガバナンスにおけるモニタリング機能の強化

監督と経営執行が分離され、取締役会全体としての多様性と備えるべきスキルを充足しており、中長期的な企業価値を向上させるガバナンス機能を発揮している

①社外取締役比率

②実効性評価スコア

(全体スコアの平均点)

③女性取締役比率

(注)自社基準は、弊社Webサイトの以下ページをご参照ください。

・防犯対策(https://www.global-link-m.com/business/development/security/)

・災害対策(https://www.global-link-m.com/business/development/disaster/)

 

 

<「マテリアリティ」特定プロセス>

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④ サステナビリティに関する指標及び目標

当社グループのサステナビリティに関する指標(KGI)については、「(1) サステナビリティに関する基本的な考え方 ③サステナビリティにかかる戦略 <「マテリアリティ」と2030年のあるべき姿/ありたい姿、2030年のKGI>」をご参照ください。

各KGIにおける具体的な目標につきましては、現在検討中であります。

 

(2) 気候変動への取組み(TCFD提言に基づく情報開示)

当社グループは、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures「気候関連財務情報タスクフォース」)提言に沿った情報開示を進め、気候変動に関するリスクの抑制と機会の創出・獲得に向けた活動に取組んでおります。

 

① 気候変動に関するガバナンス

上記「(1) サステナビリティに関する基本的な考え方 ②サステナビリティにかかるガバナンス」にて記載したとおりです。

 

② 気候変動に関するリスク管理

当社グループでは、気候変動に関するリスクを「戦略リスク」と位置付け、全社的に共有・議論することで、実効的なリスク管理を行っております。

なお、サステナビリティ推進部は、気候変動を含むサステナビリティにかかるリスクと機会の特定並びに定期的なモニタリングを実施しております。

詳細は、「3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

③ 気候変動に対する戦略

当社グループでは、気候変動への規制や市場の変化や異常気象が当社グループに与える影響を特定するため、シナリオ分析を実施しております。シナリオ分析では、国際エネルギー機構(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数のシナリオを参照の上、パリ協定の目標である「産業革命以前の水準より1.5℃の上昇に抑える」こと等を想定した政策移行の影響が大きいシナリオ(1.5℃から2℃シナリオ)及び環境規制が強化されず物理的リスクが高まるシナリオ(4℃シナリオ)の2通りにより気候変動した世界を想定しております。この2つのシナリオに基づき気候変動が当社グループの事業にもたらすリスクと機会を特定し、その財務的な影響の定量化に取組んでおります。

また、当社グループは気候変動に関するリスクを重要リスクと位置付けており、特定したリスク及び機会への対応は、「マテリアリティ」に連動させ、事業戦略として気候変動への対応を進めております。

 

<気候変動に関するリスク・機会と経済的(財務的)影響>

 

 

●期間設定

短期:1年  中期:3年  長期:3年超

 

 

項目

区分

主なリスク・機会の内容

と経済的(財務的)影響

影響期間

影響度

(1.5-2℃)

影響度

(4℃)

関連する主な

「マテリアリティ」

移行リスク

新たな規制リスク

炭素税の導入がもたらす建築資材価格の高騰による、物件建築コストの増加

長期

気候変動の緩和への貢献

市場の需要リスク

不動産市場における環境配慮型不動産への要請の高まりへの対応の遅れによる、売上機会の喪失

中期

長期

環境配慮型不動産の企画開発・運用

物理リスク

急性リスク

突発的な異常気象がもたらす災害による、物件対策コストの増加

短期

中期

長期

安全・安心な不動産の提供

慢性リスク

中長期的な気候変動がもたらす被害による、物件対策コストの増加

中期

長期

環境配慮型不動産の企画開発・運用

機会

製品とサービス

投資用不動産市場における、環境配慮型不動産の需要の増加による売上機会の増加

短期

中期

長期

中~大

環境配慮型不動産の企画開発・運用

資本市場

気候関連等の情報開示の充実によるESG投資の資金還流機会の増大及び時価総額の向上

中期

長期

誠実かつ透明性の高い企業行動

金融

積極的な環境配慮型不動産の開発、及びGHG排出量の削減がもたらすサステナブル・ファイナンスを通じた資金調達機会の増加

短期

中期

長期

資本効率の最適化と財務健全性の両立

 

 

 

④ 気候変動に関する指標及び目標

当社グループでは、Scope1、Scope2及びScope3について温室効果ガス排出量を算定し、2023年度を基準年度として削減目標を設定、気候変動の対応を更に加速化、責務を果たしていきたいと考えております。

なお、温室効果ガス排出量の削減目標については、現在検討しており、決定次第Webサイト等を通じて公表する予定であります。

 

<温室効果ガス排出量(当社グループ※1)>(単位:t-CO₂)

 

 

2023年度(基準年度)※2

2024年度 ※3

Scope1

 

0

0

Scope2

マーケットベース ※4

80

123

ロケーションベース※5

82

132

Scope3

 

117,664

143,878

※1.当連結会計年度より、当社単体に加え、連結子会社であるAtPeak株式会社も算定対象としております。

なお、当社の関係会社で、排出量が僅少かつ算定が困難な2社(株式会社G&G Community、SAGLアドバイザーズ株式会社)は算定の対象から除外しております。

※2.2023年度(基準年度)の排出量は、第三者認証を取得した数値を記載しております。

詳細は、https://www.global-link-m.com/sustainability/environment/tcfd/よりご確認ください。

※3.当連結会計年度における温室効果ガス排出量は、暫定値を記載しております。確定数値につきましては、第三者認証取得後、当社グループWebサイトを通じて公表する予定であります。

※4.電力等の契約に基づいて購入した電力等の排出係数により排出量を算定しております。

※5.国や地域の特定のロケーションにおける平均的な発電排出係数に基づいて排出量を算定しております。

 

<CDPスコア>

当社は、2024年度より国際的な環境調査・情報開示を行う非政府組織であるCDP(Carbon Disclosure Project)の気候変動調査への回答を実施し、「B」スコアを取得しております。

今後も、CDPにおける質問事項等を参考にしながら、気候変動対応に関する取組みを強化すると共に、情報開示の充実化も進めてまいります。

 

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(3) 人的資本経営の推進に対する基本的な考え方

当社グループは、人的資本を最重要資本の一つとして位置付けております。当社グループの人的資本経営のあるべき姿/ありたい姿は、多様な従業員一人ひとりがスキルを磨き生き生きと活躍できる環境を整え、成長意欲がある人材に選ばれる企業となり、多様性に富んだ組織を構築することであります。こうした人的資本の充実への絶え間ない取組みが事業の価値創造をもたらすものと考えております。

こうした基本的な考え方のもと、当社グループが求める人材像について経営会議で議論を重ね、2023年度において Valueとして掲げた「NO.1」「挑戦」「共創」に共感する「人材育成方針」「社内環境整備方針」を策定するとともに、「人的資本経営の推進」を[マテリアリティ]の一つとして特定し、積極的に推進しております。

さらに、2024年度は、人的資本経営推進の全体像を設計いたしております。

当社グループは、人的資本推進に対する基本的な考え方を定め、その内容を可視化し、タウンホールミーティング、投資家説明会等を通じて、従業員をはじめとするステークホルダーと積極的にコミュニケーションを取っております。

今後は、「心理的安全性の高い」環境のもと、「組織」と「個々」の成長により、「企業価値の向上」を実現してまいります。

 

<人的資本経営の全体像>

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<「人材育成方針」>

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<「社内環境整備方針」>

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① 人的資本経営の推進に関するガバナンス

人的資本経営の推進における人材の育成・社内環境整備等の人事施策は、代表取締役社長、人事総務部門の担当役員、人事総務部長が出席する定例会議(週次開催)にて審議・協議し、その内容を経営会議に諮り、取締役会で決議する体制となっております。これらの施策については、代表取締役社長と従業員とのタウンホールミーティングを実施し、また、事業部門や現場の意見を反映できるよう、事業部門の執行役員が参加するプロジェクトでの意見、提案等を踏まえ、企画立案し、見直しを行っております。当社グループは、従業員数が200名以下の少数精鋭のチームであります。よって、人的資本経営を全社で推進する体制を構築することで、Value(NO.1・挑戦・共創)に共感し成長意欲のある人材に選ばれる、多様性に富んだ組織となる環境が整えられるものと考えております。

また、2024年度は、人的資本経営の根幹となるべき執行役員の選任プロセスの透明性向上のため「執行役員審議会」を設置いたしました。「執行役員審議会」は、任意の指名報酬諮問委員会の委嘱により開催し、複数の執行役員が部室長を執行役員の候補者として推薦し、全執行役員が候補者の適正性を評価する審議会であります。適正と評価された候補者は、指名報酬諮問委員会にてプレゼンテーション及び面談を行い、総合的な評価判定がなされ、最終的には取締役会にて選任の決議を行っております。

 

② 人的資本経営に関するリスク管理

当社グループでは、人的資本経営の推進に関するリスクを「戦略リスク」と位置付け、全社的に共有・議論することで、実効的なリスク管理を行っております。

なお、人事総務部は、人的資本経営にかかるリスクと機会の特定並びに定期的なモニタリングを実施しております。

詳細は、「3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

③ 人的資本経営の推進に関する戦略

当社グループでは、2024年11月14日に公表した2025年中期経営計画「GLM100」(対象期間:2025年12月期から2027年12月期)及びグループ方針「GLM1000」の策定に伴い、人的資本経営の推進に関する基本的な考え方を踏まえた「人材戦略」を策定いたしました。

当社グループは、創業以来、コンパクトマンション市場においてシェアを伸ばすことで成長してまいりました。2025年からは、昨今のコンパクトマンションを取り巻く環境の変化に鑑み、高い成長性が見込める土地企画事業及び再生事業を一層強化し、多様な不動産事業領域において成長強化を図ってまいります。さらに、DXと不動産のシナジー創出のためのAtPeak株式会社をはじめグループ会社との連携も強化し、複数の事業ポートフォリオを展開することで成長を実現してまいります。こうした成長戦略においても、中期経営計画「GLM100」はオーガニック成長で達成する戦略であり、その実現のためには、必要なポストとスキルを可視化し、現状とのギャップを埋めることが急務と考えております。一方、人的資本に関する経営環境は大きく変化しており、中でも人手不足の深刻化と労働人口構成の変化は、当社グループにとって最も重要な戦略リスクであり機会であると認識しております。

こうした社内外の環境変化を踏まえて、「人材戦略」のKGIとして「平均給与業界ランキング」を設定し、上位になることをゴールに、新事業での成長と合わせて、既存事業や業務プロセスの生産性を向上させてまいります。また、スキルマネジメント、従業員エンゲージメントを重要施策事項と位置付け各種施策を展開してまいります。

 

 

<「人的資本経営における人材戦略」>

 

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現在、次の施策を同時に進めております。

イ.女性、外国籍、異業種経験者等、様々なバックグランドを持つ人材の採用、起用を積極的かつ継続的に実施

ロ.それぞれが自分らしく、個々の特性や能力を最大限に発揮できるよう、人材育成、職場環境の整備、公平公正な人事評価制度の見直し

ハ.従業員インセンティブとしてストック・オプションの付与及び持株会奨励金付与率の見直し

ニ.従業員エンゲージメントの向上を目的とするエンゲージメント調査の導入

 

今後も引き続き、「マテリアリティ」として定めた「人的資本経営の推進」を実現するため、「成長意欲がある人材に選ばれる企業になり、多様性に富んだ組織である」ことを目指し、取組んでまいります。

 

 

<人的資本経営の推進のための取組み>

イ.「人材育成方針」と「社内環境整備方針」

当社グループは、多様な従業員一人ひとりがスキルを磨き生き生きと活躍できる環境を整えることが、事業価値創造や生産性の向上をもたらし、成長意欲がある人材に選ばれる企業となり、多様性に富んだ組織となりうる最も重要な要因であると考えております。

「Value」に掲げた「No.1」「挑戦」「共創」を踏まえ、当社グループが求める人材像について経営会議で議論を重ね、以下のとおり、「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」を策定いたしております。

 

ロ.人材育成

当社グループにおける事業の成長には、「人材」が必要不可欠と考えております。

従業員が目指すキャリアプランを実現することが、モチベーション向上、早期成長に繋がると考え、2021年度より、従業員自らが働きたい職務/部署を申請できる「キャリアチャレンジ制度」を導入しております。現在の部署で培ったスキル・経験を活かしつつ、他部署でのキャリアアップサポートを継続的に提供する取組みを行っております。2021年から2024年までの同制度を活用した部署異動者は25名となっており、それぞれ新たな部署にて活躍しております。

また、従業員の能力開発を促進するための社内研修制度では、階層別研修、コンプライアンス研修、E-ラーニング研修、サステナビリティに関する研修等を行っており、業務に関係する資格については、資格取得者へ一時金の支給や登録料・更新料の会社負担等の支援を行っております。

今後は、さらに次世代を担う幹部育成研修・管理職育成研修や、異動せずに他部署の業務を経験できるスキルチャレンジ制度等、人材育成に関わる施策の充実を進めてまいります。

 

ハ.職場環境の整備

当社グループは、社内環境整備方針に基づき、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、仕事とプライベートを両立できる環境づくりを重視しております。

ワークライフバランスの実現は、従業員の幸福度とモチベーションの向上のみならず、生産性向上とイノベーション創出にもつながると考え、フレックスタイム制や在宅勤務の導入、有給休暇取得の推奨、長時間労働の削減、育児・介護支援等、多様な働き方を支援する施策や制度を積極的に推進しております。

また、内部通報窓口(常勤監査等委員及び人事総務部長による社内窓口並びに外部弁護士による社外窓口)を設置し、ハラスメント研修の実施や、ハラスメントに関する調査を外部弁護士に委託して年2回行う等、ハラスメントのない環境づくりの整備に努めております。

 

ニ.ダイバシティ&インクリュージョン

当社グループでは、人的資本経営の推進には、ダイバシティの実現が肝要であると考えており、女性活躍推進法及び次世代育成支援対策推進に基づく行動計画を策定・公表し、従業員がともに仕事と子育てを両立させ、従業員全員が働きやすい環境をつくることによって、その能力を十分に発揮できるように努めており、2022年4月に従業員の育児休業の取得の促進等を目的に「育児休業等に関する相談窓口」を設置する等、その対応を行ってきております。

今回の計画期間は2025年1月から2027年12月の3年間となっており、具体的には以下の3つの目標を公表しておりますので、その達成に向けて進めてまいります。

(a) 女性管理職比率20%以上及び女性採用比率40%以上

(b) 男性の育児休業休暇取得率75%以上

(c) 産前産後・育児休業取得前の相談とは別に、職場復帰時や復帰後の不安を低減するための施策の実施

 

また、当社は、女性活躍推進に関する優良な取組み実績が認められ、厚生労働省が推進する「えるぼし」の2段階目の認定を2025年2月6日に取得しました。えるぼし認定の5つの評価項目のうち、「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「多様なキャリアコース」の4項目が、基準を上回りました。今後も「えるぼし」3段階目を目指すため取組みの充実に努めてまいります。

 

ホ.従業員インセンティブの充実

当社グループは、2024年11月14日に2025年中期経営計画「GLM100」を発表し、この中期経営計画における業績目標の達成に向けて、当社又は当社子会社の取締役及び執行役員並びに従業員のコミットメントを更に高め、当社の業績向上と企業価値向上への貢献意欲や士気を一層向上させることを目的として、新株予約権(ストック・オプション)を発行いたしました。行使条件を、中期経営計画における業績目標の達成としていることから、当社グループの企業価値・株主価値の向上に資するものと考えております。

 

また、従業員の資産形成及び経営参画意識向上のため、従業員持株会制度(毎月の給与の一定額から当社株式を購入する制度)を導入しており、持株会への加入を推奨しております。定期的な制度の周知及び加入者に会社が購入費用の一部を奨励金として補助しておりますが、この奨励金付与率の見直しを行うことで、加入の推進とエンゲージメント向上に努めております。

 

ヘ.公平公正な処遇(人事制度の見直しと早期管理職登用の実現)

当社グループでは、年齢、社歴、性別、新卒・異業種経験者等を問わず、高い成果を出した従業員に、より報いることができる仕組みをつくるべく、2024年度は人事制度改定のプロジェクトチームを設置いたしました。プロジェクトチームでは、社長と従業員との会話の場である「タウンホールミーティング」や、従業員に対して毎年実施している「働き方に関する調査」等で洗い出された人事評価制度に関する課題をもとに議論を行い、主に若手従業員(下位等級)層の社内外の競争力が担保できるための給与レンジ改定をはじめとする人事制度の大幅な改定を行っております。

人事評価制度においては、当社では、半期毎にMBO評価とコンピテンシー評価を実施しておりますが、これに加えて、課長代理以上を対象に、上司だけでなく同僚や部下も評価を行う「多面的調査」を採用し、昇降格の判断基準や、本人へのフィードバックによる課題認識に活用しております。

今後も、同制度に基づき納得感のある評価や適材適所の抜擢人事を積極的に行うことで、人事制度に対する従業員の満足度向上を目指してまいります。

 

ト.エンゲージメント調査の実施

当社では、従業員のエンゲージメントの向上を目的に、2024年10月にエンゲージメント調査を採用いたしました。

同調査の回答率は、96.1%(育児休業取得者を除く。)と高く、従業員のエンゲージメント調査に対する関心が高いことが確認できております。本調査の項目は、「心理的安全性」「働く環境」「人事評価制度」「企業理念やValueの浸透」「ダイバシティ&インクリュージョン(以下、本項では「D&I」という)」等、12カテゴリー×各5問=合計60問について、1~5(5が最高評価)の5段階で調査を行った結果、今回のトータル平均スコアは3.8点となっております。

今回、全回答に対する4及び5の高評価の回答比率にて分析してみると総合スコアとしては68.5%となり、カテゴリー別では「法令遵守(コンプライアンス)」が82.4%と最も高く、続いて「心理的安全性(話しやすさ・助け合い)」77.3%、「働く環境」75.4%の順となっております。一方で、「人事評価制度」56.6%、「D&I」58.6%については、60%を割る結果となっております。

 

◎カテゴリー別高スコア(4又は5)比率)

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「人事評価制度」及び「D&I」カテゴリーの詳細は次のとおりとなります。

 

◎「人事評価制度」カテゴリー詳細

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◎「D&I」カテゴリー詳細

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これらのスコアを総合すると、当社はコンプライアンス意識が高くルールを遵守し、働く環境は概ね整備され、心理的安全性が高いことが強みと言えます。

一方で、人事評価制度や自分への評価に対する満足度が低く、D&Iについては従業員に浸透をさせ、取組みにおいても改善余地があると言えます。

 

高評価であった「法令遵守(コンプライアンス)」については、当社では、人事総務部によるコンプライアンス研修の実施、法務部による各部署の業務に関連する法改正等の説明会の実施、外部弁護士に委託し毎年2回実施しているハラスメント調査等の施策を継続して行ってきた結果、従業員のコンプライアンス意識が高まったものと考えております。「働く環境」については、定期的に「働き方に関する調査」を実施し、従業員の働く環境に関する意見を吸い上げ、働く環境の更なる改善を目指し継続して課題解決に努めております。

 

 

低評価であった「人事評価制度」については、前述のとおり、人事制度改定のプロジェクトチームにより、人事評価制度の改定を行っておりますが、「D&I」については、まずは経営層からD&Iの重要性を理解し、会社として積極的に推進していくことで、従業員への意識の浸透が進むものと考えております。

 

続いて、全60問における、4及び5の高評価の回答比率が80%以上の高評価項目と、60%以下の低評価項目を見てみると、「企業理念やValueへの共感」のカテゴリーの中で、「当社の企業理念、Vison、Valueに共感している」は80.8%と高評価である一方で、「当社の企業理念、Vision、Valueにマッチした人材が採用できている」が全設問の中で最も低い36.0%となっております。

当社ではこの結果も踏まえ、2025年1月に「新卒採用プロジェクトチーム」を設置し、人事担当部門のみならず、経営企画部や事業部門の人員を交えて、求める人材像等の議論を重ねており、「当社の企業理念、Vision、Value」にマッチした人材採用の具体化を目指してまいります。

 

今回結果を基本とし、2025年度は本調査で検出された課題点を改善することで更なる従業員のエンゲージメント向上を目指してまいります。

 

チ.その他

これらの他、全社共通のポータブルスキル項目及び部署ごとに作成するテクニカルスキル項目によるスキルシートを整備し、全従業員のスキルの可視化を行い、全社のトータルスコアを人的資本経営の推進の指標の一つとするべく準備を進めております。

 

④ 人的資本経営の推進に関する指標と目標

当社グループでは人的資本に関する指標については、前述のとおり以下のとおり定めておりますが、今後、その他の指標及び目標についても更なる検討を行ってまいります。

指標

目標

管理職に占める女性労働者の割合

2027年12月末時点20以上

女性労働者採用比率

2027年12月期40以上

男性労働者の育児休業取得率

2027年12月期75以上(維持)

 

 

3 【事業等のリスク】

 

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) リスク管理方針

当社グループでは、中期経営計画の達成や「マテリアリティ」への対応をより確実なものとするため、戦略の遂行において克服すべきリスク領域(「戦略リスク」)や、事業の円滑な運営を阻害するリスク領域(「オペレーショナルリスク」)に、各種のリスク区分を設定し、機会への取組みやリスクへの対策を強化しております。

取締役会は、「グループを取り巻く各種リスクを可視化し、リスクコミュニケーションを深化させることを通じて、不測の損失を回避し健全性を確保する「守り」の姿勢と、適切にリスクテイクし成長する「攻め」の姿勢を追求する」というリスク管理方針を決議しております。

 

(2) リスク管理体制

上記方針の下、当社グループでは、ボトムアップ及びトップダウンの両面から、定期的にリスクを把握・評価し、リスクへの対策と機会への取組みを推進しております。

ボトムアップにおいては、「戦略リスク」「オペレーショナルリスク」の全てのリスク区分において、各々のリスク管理部署が、リスクアセスメントやリスク事象報告によるリスクの把握、評価を通じて、優先的に対策し取組むべきリスクを特定しております。

トップダウンにおいては、ボトムアップで洗い出された優先的に対策し取組むべきリスクを参考に、経営陣としての中長期の戦略的視点や環境認識も含め、新たにリスクの把握、評価を行っております。その後、リスク対策・コンプライアンス委員会や取締役会での審議を経て、当社グループとして重点的に対策し取組むべき「重要リスク」を決定しております。「重要リスク」にはKRI(キー・リスク・インジケーター:顕在化の兆候に係るモニタリング指標)を必要に応じて設定し、予兆の把握と未然防止対応の強化に努めております。

リスク対策・コンプライアンス委員会は、四半期毎に開催され、「重要リスク」の審議やKRIを活用したモニタリング等を行っております。

 

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(3) 重要リスク

当社グループとして決定した「重要リスク」は下表のとおりです。影響度や将来の見通しの評価は、概ね前事業年度と同一であります。

これらのリスクの内容と対応策は「(4) 重要リスクの内容と対策・取組み」に記述しております。

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(4) 重要リスクの内容と対策・取組み

 

1.気候変動リスク

関連マテリアリティ

環境配慮型不動産の企画開発・運用

気候変動の緩和への貢献

影響度

<経済損失>中、<信用・評判>大

将来の見通し

内容

気候変動がもたらす風水害等の物理的リスクや、諸制度の変化等の移行リスクが顕在化した場合、当社グループの事業環境が想定を超えて変化する可能性や、リスクへの対応の不十分性が発露する可能性があり、売上高の減少や信用・評判の毀損等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対策・

取組み

当社グループでは、事業活動を通じた気候変動対応により持続的成長を目指すことが重要と認識し、気候変動の緩和への貢献を「マテリアリティ」として位置付けております。具体的には、TCFDのフレームワークに基づき、重要な気候変動関連のリスク及び機会を特定し、アクションプランを実行しております。またCDP(Carbon Disclosure Project)の格付け取得への対応を通じて、自社の取組みのレベルを客観的に評価し改善しております。

 

 

2.人材に関するリスク

関連マテリアリティ

人的資本経営の推進

影響度

<経済損失>中、<信用・評判>小

<事業継続>中

将来の見通し

内容

当社グループは、事業領域の更なる拡大を展望しており、人的資本経営の推進を重要なマテリアリティと認識しております。新たな価値を創造し続け、競争優位性を確保していくための原動力は人材であると考えております。人手不足の深刻化により人材が獲得できなくなり、また労働人口の構造変化がもたらす価値観の多様化に応えられず従業員が能力を発揮できなくなる場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対策・

取組み

当社グループでは、従業員エンゲージメントの向上を重要課題と認識し、エンゲージメント調査や従業員との対話を踏まえた各種施策を推進しております。具体的には、平均年収業界NO.1をKGIに掲げ、スキルを拡充/研鑽するキャリアチャレンジ制度や教育研修制度を整備し、多様な専門人材を積極的に登用しております。また心理的安全性の高い環境を整備する等、ダイバシティ&インクルージョンを推進しております。

 

 

 

3.新規事業等に関するリスク

関連マテリアリティ

収益構造の最適化

不動産×DXの推進

影響度

<経済損失>大、<信用・評判>小

将来の見通し

内容

収益構造の多様化による安定的な事業基盤の構築に向け、新規事業の立ち上げ等に積極的に取組んでおります。中期経営計画においては、オーガニック領域での取組みが中心ですが、将来的なノンオーガニック領域での取組みでは、不動産領域以外にも投資していく計画です。これらの領域ではノウハウの不足から想定外のリスクも懸念され、リスクが顕在化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対策・

取組み

当社グループでは、リスクを極小化し、またリスクが顕在化した場合の影響を最小限にとどめるため、「事業投資等に関する規程」を制定し、その推進体制や参入・撤退基準、並びにモニタリング方法を明確化する等の内部管理体制を整備しております。また新たな関係会社の増加に備え、「経営計画規程」や「関係会社管理規程」を見直し、関係会社の成長を促し、適切に管理する体制を整備しております。

 

4.建築コスト上昇・金利上昇等のリスク

関連マテリアリティ

収益構造の最適化

影響度

<経済損失>大

将来の見通し

内容

当社グループはレジデンスの開発事業による収益を柱としております。資材価格の高騰や人手不足を背景とした建築コストの上昇、金利の上昇、世界的な景気後退、地政学的リスクの顕在化等により、レジデンスに対する投資家の投資意欲が低下した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対策・

取組み

当社グループでは、レジデンスの環境対応等により、差別化・高付加価値化等を図り、投資家への訴求力の最大化に努めております。また2023年に立ち上げた土地企画事業・不動産再生事業により収益構造の多様化に取組んでおり、着実に成果をあげております。中長期的には、新規事業やストックビジネスの強化により、景気変動等の外部環境変化に対応可能なビジネスモデルへの変革に取組んでまいります。

 

5.有利子負債への依存リスク

関連マテリアリティ

資本効率の最適化と財務健全性の両立

影響度

<経済損失>中、<信用・評判>大

<事業継続>大

将来の見通し

内容

当社グループは、物件の仕入等において、必要資金の大部分を、金融機関からの有利子負債により賄っております。そのため財務の安全性指標の悪化等により、資金調達に支障を来した場合、事業継続や信用・評判への影響が生じる可能性があります。また市場金利の上昇局面では、資金調達コストが増加する可能性があります。これらの顕在化により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対策・

取組み

当社グループでは、オフバランス開発の強化に加え、収益化までの期間が半年から1年である、土地企画事業や再生事業の割合を増やすことで資金効率を高める施策を推進しております。また、中長期的な財務戦略のもと、一定の財務規律を設けたうえで、P/L、B/S、C/Sをトータルにマネジメントした運営により、財務健全性の確保に努めると同時に、安定的な調達体制を確保するため、取引金融機関構成の見直しに取組んでおります。

 

 

6.重大な法令違反リスク

関連マテリアリティ

影響度

<経済損失>小、<信用・評判>大

<事業継続>大

将来の見通し

内容

当社は、宅地建物取引業法、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律等、不動産業に係る多数の法的規制を受けており、法令違反等が生じた場合、業務停止等の行政処分が下される可能性があります。また事前検証が困難な不芳属性先等との取引から信用・評判への影響が生じる可能性があります。関係会社であるAtPeak株式会社には、AI等の活用において知的財産権の侵害・被侵害等のリスクがあります。これらの顕在化により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対策・

取組み

当社グループでは、常時、法令等改正に係る情報収集に努めており、これらに迅速に対応する社内体制を整備しております。個別取引においては、法務・コンプライアンス所管部がリーガルチェックやコンプライアンスチェックを実施し、リスクの極小化に努めております。

また全社員に対しコンプライアンス研修を定期的に行う等、コンプライアンスの徹底に努めております。

 

7.サイバーセキュリティリスク

関連マテリアリティ

影響度

<経済損失>小、<信用・評判>大

<事業継続>中

将来の見通し

内容

サイバー攻撃や不正アクセス等により、情報システムが正常に利用できない場合や個人情報等が漏えいした場合、事業継続への影響や信用・評判への影響が生じ、売上高の減少等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対策・

取組み

当社グループでは、DX領域の新規事業(AtPeak株式会社)に取組んでおり、情報セキュリティの重要性はこれまで以上に高まっております。ハード面では、ネットワーク防御機器(UTM)の強化等を推進し、サイバー攻撃に対する防御力の向上に努めております。ソフト面では、情報セキュリティ基本方針やプライバシーポリシー等を整備し、社員への定期的な教育・啓蒙を図ることで、セキュリティレベルの向上に努めております。

 

8.災害・パンデミックリスク

関連マテリアリティ

影響度

<経済損失>大、<事業継続>中

<生命・身体>中

将来の見通し

内容

発生が想定されている南海トラフ地震等の大地震や風水害等の自然災害、戦争やテロ等の人為的災害、並びに感染症の蔓延により、従業者や当社グループが保有・管理する資産が被災した場合、当社グループの事業継続や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対策・

取組み

当社グループでは、災害発生時の防災や減災を推進するため「事業継続管理規程」を制定し、各種の災害に対する事業継続計画(BCP)の策定や、緊急事態発生時の指揮命令系統等を定めております。平時においては、同規程に基づき定期的に訓練を実施し、事業継続計画(BCP)の実効性や、緊急対策本部の設置運営について確認を行っております。

 

 

9.品質不良等に関するリスク

関連マテリアリティ

安全・安心な不動産の提供

影響度

<経済損失>大、<信用・評判>大、

<生命・身体>小

将来の見通し

内容

不動産開発事業及び不動産再生事業において設計・施工等の不備が発生した場合、信用の毀損、想定外の費用発生及び各種計画の遅延等が生じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対策・

取組み

不動産開発事業及び不動産再生事業においては、一定の信用力・技術力を有する第三者に建物の設計・施工業務等を発注しております。またその設計・施工における品質を確保するため、独自の品質基準を定め、設計・施工業務等の発注先による遵守徹底を図るとともに、発注者として施工状況の確認及び品質検査を実施しております。

 

(5) 危機管理体制

当社グループでは、リスク事象が発生した場合に備え「リスク事象報告」制度を設け、リスク管理部署による適切な原因分析と再発防止策の実施を推進しております。

またリスク事象が当社の定める緊急事態に相当する場合には、事業継続管理体制(BCM)に基づく緊急対策本部が設置され、経営陣の指揮の下、トラブル対応、再発防止対応がなされる体制を整備しております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

イ.財政状態

(資産)

流動資産は34,043,112千円(前連結会計年度末比5,810,746千円増)となりました。主な内訳は、仕掛販売用不動産15,923,834千円(同1,118,488千円増)、販売用不動産3,875,136千円(同736,268千円増)、現金及び預金11,291,524千円(同2,642,614千円増)、前渡金2,369,186千円(同956,064千円増)であります。

当連結会計年度末において、固定資産は2,371,524千円(同1,433,644千円減)となりました。主な内訳は、有形固定資産1,320,920千円(同1,888,498千円減)、投資その他の資産1,000,414千円(同481,075千円増)であります。

 

(負債)

流動負債は14,033,648千円(同8,090千円減)となりました。主な内訳は、短期借入金6,288,702千円(同3,660,659千円増)、1年内返済予定の長期借入金4,218,358千円(同4,012,549千円減)、未払金1,366,591千円(同262,323千円減)、未払法人税等1,290,077千円(同236,563千円増)であります。

当連結会計年度末において、固定負債は10,762,993千円(同1,696,713千円増)となりました。主な内訳は、長期借入金10,525,859千円(同1,818,004千円増)であります。

 

(純資産)

純資産合計は11,617,995千円(同2,678,478千円増)となりました。主な内訳は、利益剰余金10,606,606千円(同2,613,972千円増)であります。

 

ロ.経営成績

当連結会計年度の連結業績は、当社グループの主力商品である「レジデンス」物件の竣工と引渡し、及び当連結会計年度より収益貢献を計画していた土地企画事業(土地企画販売)並びにビルディング事業(再生事業)が計画通りに進捗いたしました。

当社グループが企画開発から販売を手掛ける、環境配慮対応かつ東京23区内を中心とする「レジデンス」については、1棟バルク販売(まとめて販売)を主体として、当連結会計年度においては、1,228戸の引渡しが完了いたしました。土地企画事業については、当連結会計年度において19件の土地企画販売を完了いたしました。当社が仕入れをした土地を物件建設前に販売することで、資本効率を高め、建築費高騰等に伴う原価上昇に対応する取組みを継続するとともに、新たに仕入れた土地の隣地等の所有者権利調整等によりバリューアップを実現する取組みも行いました。また、ビルディング事業については、当連結会計年度において4棟のオフィスビルの販売を完了しております。なお、DX事業領域においてIT関連事業を行う子会社であるAtPeak株式会社については、当連結会計年度における先行投資により、2025年12月期以降の黒字化が展望できる状況になっております。

このように各事業が順調に進捗した結果、当連結会計年度の業績は、売上高64,482,059千円(前年同期比56.3%増)、営業利益5,732,390千円(同25.0%増)、経常利益5,138,033千円(同20.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,413,613千円(同18.6%増)となり、期初の業績予想及び2024年11月に公表した修正予想を上回り、過去最高の売上高と利益を更新いたしました。

また、2022-24年中期経営計画(以下、「前中計」という)の最終年である2024年12月期のKGIとして掲げている経常利益50億円を上回り、前中計期間の各期において、売上高・利益ともに計画を上回る成績を実現いたしました。前中計にて成長戦略として掲げた、環境配慮型物件企画開発、機関投資家への1棟バルク販売、オフバランス開発、非レジデンス領域の新規事業を推進しながら、事業環境の変化に柔軟かつスピード感を持った対応を進めることで、計画を上回ることができました。

2025年中期経営計画「GLM100」(3ヶ年計画)及び当社グループ方針「GLM1000」については、2024年11月14日に公表いたしましたが、その実現に向けた各事業における仕入れやパイプラインの積み上げは順調に推移しております。

 

なお、当社グループは、不動産ソリューション事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの開示上の重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、11,285,524千円(前年同期比31.7%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動により得られた資金は731,361千円(前年同期は10,360,296千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5,273,714千円を計上した一方で、棚卸資産の増加額1,860,595千円、前渡金の増加額956,064千円、法人税等の支払額1,719,319千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動により得られた資金は1,559,088千円(前年同期は1,986,986千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入2,054,942千円があった一方で、投資有価証券の取得による支出410,000千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動により得られた資金は423,166千円(前年同期は3,253,136千円の支出)となりました。これは主に、短期借入れによる収入20,024,427千円、長期借入れによる収入16,300,158千円があった一方で、短期借入金の返済による支出16,188,043千円、長期借入金の返済による支出18,827,663千円があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当社グループの生産実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

ロ.受注実績

当社グループの受注実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは、不動産ソリューション事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの開示上の重要性が乏しいため、単一の報告セグメントとして記載しております。

区分

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

 至 2024年12月31日)

戸数

金額(千円)

前年同期比(%)

不動産ソリューション事業

1,228

64,482,059

156.3

合計

1,228

64,482,059

156.3

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

販売先

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

 至 2024年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

JMガンマメンサ2合同会社

9,629,000

23.3

-

-

合同会社オルタナ16

6,336,800

15.4

-

-

JMガンマメンサ1合同会社

5,982,000

14.5

-

-

合同会社Typhoon

-

-

6,557,000

10.2

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度においては、非レジデンス領域の新規事業である土地企画事業(土地企画販売)並びにビルディング事業(再生事業)を含め、事業規模拡大・収益獲得に向けて物件の仕入を積極的に行う一方、資産の効率性を意識した運営に努めてまいりました。その結果、販売用不動産及び仕掛販売用不動産の期末残高は19,798,970千円と前連結会計年度末対比10.3%の増加に止まる一方、売上高は56.3%、経常利益は20.6%、親会社株主に帰属する当期純利益は18.6%と対前期比大幅に増加いたしました。これに伴い、総資産は前連結会計年度末対比4,367,102千円増加し36,414,637千円となりましたが、それと同時に自己資本も、親会社株主に帰属する当期純利益を3,413,613千円計上したことを主要因として2,641,701千円増加し、11,570,834千円となったため、自己資本比率は31.8%と前年同期対比+3.9ポイントとなり、事業規模拡大と効率性・安全性の確保を同時に達成することができております。

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の概要は以下のとおりです。

 

イ.財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の資産については、前連結会計年度末に比べて4,367,102千円増加し、36,414,637千円となりました。これは主に前連結会計年度末に比べて現金及び預金が2,642,614千円、仕掛販売用不動産が1,118,488千円それぞれ増加したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債については、前連結会計年度末に比べて1,688,623千円増加し、24,796,642千円となりました。これは主に前連結会計年度末に比べて長期借入金が1,818,004千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産については、前連結会計年度末に比べて2,678,478千円増加し、11,617,995千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益3,413,613千円を計上したことによるものであります。

 

ロ.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は64,482,059千円となり、過去最高を更新いたしました。売上高の約7割となる開発事業におけるレジデンス販売は、2022年中期経営計画の成長戦略として進めていた1棟バルク販売に加え、主な販売先である機関投資家の需要に応じた物件エリアや規模にて提案を行うことで、販売に関する売買契約については概ね計画通りの進捗となりました。竣工時期の見直し等により決済時期が2025年12月期になった物件があったため、レジデンス販売戸数が期初計画を下回ったものの、土地企画事業における土地企画販売を、計画から追加して販売することで、計画通りの売上高となりました。土地企画事業は、期初販売計画15件に対し19件の販売実績となりました。ビルディング事業(再生事業)については、当連結会計年度において初めて仕入及び販売を行いましたが、期初販売計画3棟に対して4棟の販売となりました。開発事業を主力としながらも、土地企画・ビルディング(再生)事業の実績に積み上げたことにより、更なる業績成長と収益の安定化に向けて順調な進捗であると認識しております。

 

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益率は15.2%となり、前連結会計年度の売上総利益率18.7%から3.5ポイント低下いたしました。この主要因は、建築費の高騰による影響から、開発事業におけるレジデンス販売の売上総利益率が低下したことによるものであります。このような環境下におきましても、環境配慮型レジデンス開発による高付加価値化や機関投資家の需要に応じた提案を行うことで利益の最大化に向けた取組みを強化し、また、建築費の高騰が大きく見込まれる物件については建築前に土地企画販売に柔軟に切り替えることで、将来的な利益率の低下を抑制いたしました。更に、建築費高騰の影響を受けにくい、土地企画事業や再生事業を積極的に推進いたしました。これらの取組みによる利益貢献により、売上総利益計画を達成いたしております。引続き、金利上昇や建築費高騰による原価の上昇に対応するとともに、開発事業においても利益率改善のための施策を戦略的に進めてまいります。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4,062,230千円となりました。当連結会計年度の営業利益率は8.9%となり、前連結会計年度の営業利益率11.1%から2.2ポイント低下いたしましたが、これは売上総利益率の低下が主要因であります。開発事業における1棟バルク販売をはじめとして、販売単価の向上により効率化な販売が実現できており、売上高及び売上総利益の伸長に対して販売費及び一般管理費の増加が抑制できております。そのため、営業利益率の低下幅は売上総利益率の低下幅より緩やかになっております。

 

(営業外損益及び経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は受取配当金1,790千円、雑収入5,424千円の計上等により7,887千円となりました。当連結会計年度の営業外費用は支払利息468,184千円、支払手数料106,373千円の計上等により602,244千円となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は5,138,033千円となり、期初に予想した計画である5,000,000千円を138,033千円上回りました。また、固定資産売却益の計上により特別利益は140,824千円、固定資産除却損の計上により特別損失は5,144千円となりました。

この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は3,413,613千円となり、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、過去最高となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、上記「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、下記のとおりであります。

当社グループの資金需要の主なものは販売用不動産・仕掛販売用不動産取得に伴うものであり、その調達手段は主として金融機関等からの借入金によっております。販売用不動産・仕掛販売用不動産取得以外の運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則としつつも一部借入を行っております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制、不動産市況、事業体制等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、仕入ルートの拡充、優秀な人材の育成・採用、財務体質の強化、コーポレート・ガバナンスの強化等によりこれらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

   当社は、2024年4月16日開催の取締役会において、譲渡制限付株式報酬として新株の発行を行うことを決議し、

  2024年5月7日に払込が完了いたしました。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、DX領域におけるIT関連事業を展開するAtPeak株式会社において、AIを組込んだソフトウェア及びデバイスの開発等に係る研究開発活動を行っております。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は87,672千円であります。

なお、不動産ソリューション事業においては、研究開発活動を行っておりません。