当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションの下、キャリアに関するデータを公開することで誰もが自由に働き方を選択できる社会を目指す「キャリアデータプラットフォーム」事業を運営しております。これまでHRマーケットにおいて、仕事選びに関するデータ(キャリアデータ)が集積していなかった課題に対し、当社は採用メディア「ONE CAREER」を運用することで、求職者の声を中心とした就職活動の体験情報や求職者の行動履歴等のキャリアデータの蓄積に注力してまいりました。国内最大級の質と量を持つ「キャリアデータプラットフォーム」を通じて、最適な「仕事(職)」と巡り合える機会を創出することで、求職者の人生をより豊かなものにしていきたいと考えております。また、企業に対しては、企業が発展する上で必要不可欠な採用活動・人事業務のDXを推進するサービスを提供しております。企業の採用活動においてもキャリアデータを有効活用することで、効率よく自社にあった人材を獲得する採用活動を支援しております。
(2)経営戦略等
当社は「キャリアデータプラットフォーム」を、キャリアに関するデータを公開し、仕事選びにおける不透明さを解消するプラットフォームであると定義し、これまで事業を推進してまいりました。その上で、企業に対して、会社情報や求人広告を掲載できるメディアや、採用計画をクラウド上で簡単に作成できるツール、場所や時間にとらわれず候補者に自社の魅力を伝えることができるオンライン企業説明会サービスなどを展開してまいりました。企業は、当社サービスを活用することで採用活動や人事業務において、キャリアデータを用いた採用活動のDXを推進し、データに基づく意思決定と大幅な業務効率化、そして新たな採用活動手法の選択肢を増やすことが可能になります。
今後もキャリアデータの更なる拡充を目指すとともに、蓄積したキャリアデータを活用して、求職者の採用支援、企業の採用活動・人事業務のDXを推進するサービスの開発を行ってまいります。幅広い企業に利用されるために、応募者管理システムや適性検査などの商品ラインナップの拡充、営業戦略を通じた顧客基盤の拡大に経営資源を投下することにより事業拡大を目指します。これら既存事業の強化と新領域拡大を図り、収益基盤を強化していく方針であります。
また、現在当社の強みとなっている、新卒採用を中心とする若年層採用マーケットを軸足として、今後更に対象となる採用マーケットを拡大することで、求職者の仕事選びの機会により長く寄り添うことを目指し、収益機会の長期化を図る方針であります。
更に、キャリアデータを拡充することで、人々のライフスタイルに関わる情報へのアクセスが可能になるため、教育や金融、販促などの採用マーケット以外の領域でキャリアデータの利活用を見据えて、事業領域の拡大を目指します。
特に日本では学生がキャリアに向き合う機会が乏しく、若年層に向けたキャリア教育が不十分であることも課題となっており、当社のキャリアデータプラットフォームを通じて多様なキャリアのロールモデルや、HRマーケットに関する統計情報などをキャリア教育に活用することも考えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、継続的な売上高増加を実現するために、顧客基盤の拡大を図る経営に努めてまいります。その上で主要な経営指標として、売上高の対前期増加率と法人取引累計社数を重要指標としております。新卒採用領域においては企業の採用活動が季節性や年度ごとの採用方針により流動的であり、取引窓口を有している企業については常に営業活動を行うことで売上拡大の機会があるため、法人取引社数についてはその累計数を重要指標としております。
(4)経営環境
当社が属する人材ビジネス業界は、およそ10兆円の市場規模があると想定しております。しかし、その大半は労働集約型の旧態依然としたビジネスモデルによって成り立っています。近年、少子高齢化による「労働力人口の減少」、働き方改革の影響による「働き方の多様化」、終身雇用崩壊による「雇用の流動化」といった急速に変化する社会の流れを受けて、顧客のニーズや課題感にも変化が生まれつつあります。また、人的資本開示が義務化される等、企業の「人への投資」に注目が集まっています。「労働生産性の向上」や「働く人々の満足度の向上」といった新しい課題に順応するため、HR(Human Resource:人的資材)マーケットにおいてもDX推進が求められ、特にHRTech領域に注目が集まっています。労働生産性の向上が求められることにより、今後の企業の採用戦略が大きく変容していくと認識しております。
当社の「キャリアデータプラットフォーム」で実現しているキャリアデータの透明化に加え、ワンキャリアクラウドシリーズの各サービスは採用DXを促進し、企業の採用活動・人事業務の負担削減に役立つため、企業側の限られた採用予算で効率的に求職者の採用を行うことが可能なサービスであると考えております。
また、地理的な制限や会場の収容人数の制限を受けることなく、求職者と企業双方にとって効率的な就職活動を行うことができるため、オンライン企業説明会サービスへのニーズも堅調に推移しております。実際に働いている社員や会社の雰囲気を知りたい学生のニーズに応える商品として、オフラインイベントへのニーズも堅調に推移しております。
このように当社は、市場の拡大・変化及び競合企業の増加等の経営環境の変化に対応すべく、様々なサービスを創出し、社会的需要に合致した事業戦略で持続的な成長の実現に取り組んでまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が優先的に対処すべき課題は以下のとおりです。
①新規ビジネスの創出と顧客基盤の拡大
当社は、創業以来、HRマーケットにおいて様々な新規サービスを開発し、新たな収益機会を創造してまいりました。今後も競争優位性を確保し長期的に成長し続ける組織であるためには、既存サービスの新規機能追加やUI/UXの改善に加え、企業のニーズを的確に捉え、新たなビジネスやサービスを創出することが極めて重要であると考えております。具体的には、「キャリアデータプラットフォーム」におけるキャリアデータの拡充と、保有するキャリアデータを活用することで採用活動を効率化できる「採用DX支援サービス」の新規機能開発に注力していくことで、新規顧客基盤の拡大を目指す方針であります。
②優秀な人材の確保と育成
当社は、今後の更なる事業拡大を目指すうえで、システムの開発部門及び営業部門等における優秀な人材の確保並びにその人材の育成が重要な課題であると認識しております。
人材の確保については、新卒・中途の両方において、積極的な採用活動を実施し、当社のミッションに共感を持つ人材の採用を行ってまいります。人材の育成に関しては、採用した人材のオンボーディング施策(入社後の定着施策)を強化し、定着率を向上させるとともに、一人ひとりが強みを活かして活躍ができるように、研修・教育の強化、組織体制の強化及び最適な人員配置を実施してまいります。
③認知度の向上
当社は、これまで求職者会員の獲得及び法人顧客の獲得を目的としてWEBマーケティング等を活用した広告宣伝活動を行ってきました。求職者会員の認知は得られている一方で、新聞、テレビ等の大規模なマスメディア向け広告を打ち出しておらず、法人顧客からの当社の認知度は大手の同業他社と比較してまだ高くありません。既存事業の更なる拡大及び競合企業との差別化を図るに当たり、当社ブランドのより一層の認知度向上とブランド力強化が重要であると認識しております。こうした背景から、広告宣伝への投資や積極的なPR活動を実施し、キャリアデータのプラットフォーマーとして確立した当社ブランドの、認知度の向上を図ってまいります。
④内部管理体制の強化
当社が今後更なる業容拡大、持続的な成長をするためには、リスク管理体制の強化と、確固たる内部管理体制構築を通じた業務の標準化及び効率化の徹底が重要であると考えております。当社は、更なる内部管理体制の強化によって、より一層のコーポレート・ガバナンス機能の充実を図り、経営の公正性・透明性の確保及び企業価値の最大化に努めてまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)当社の重要課題(マテリアリティ)
当社は、「人の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションに掲げ、キャリアにまつわる課題を事業を通じて解決することで成長してきました。今後も持続的に発展していくために、環境や社会との調和を重視しながら、事業を通じた社会課題の解決に取り組み続けることが現代社会において不可欠であると考えております。
当社は、社会的責任ある企業として、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引など、サステナビリティに関連する対応を重要な経営課題とし、積極的・能動的に取り組んでいます。
人的資本に関しては、すべての個人のキャリアに向き合い、キャリアデータを集め、多様化する世の中において仕事選びと採用活動をアップデートすることで、誰もが自分らしく働ける持続可能な未来を実現したいと考えております。
当社は、2領域で6つの重要課題(マテリアリティ)を定め、当該重要課題の解決に向けた具体的取り組みを推進していきます。
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領域 |
マテリアリティ |
具体的取り組み |
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事業を通じた社会貢献 |
キャリア支援 |
・若年層のキャリア選択にまつわるデータの収集・可視化 |
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採用業務のDX |
・企業へのキャリアデータプラットフォームの提供 ・アナログな採用業務のデジタル化 |
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個と多様性を尊重する社会の実現 |
・ダイバーシティ&インクルージョン ・労働安全衛生 ・従業員研修と能力開発 |
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事業基盤 |
安全で使いやすいデータプラットフォーム |
・データセキュリティ・プライバシー対策への投資 |
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脱炭素社会の実現 |
・再生可能エネルギーの利用 |
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透明・公正なビジネス |
・コーポレート・ガバナンス |
(2)ガバナンス
当社は、サステナビリティに関する基本方針及びリスク・機会認識に基づく対応方針・施策等について当社の取締役会にて監督しております。サステナビリティへの対応方針・施策等は、各担当部門が主体となって推進し、これらの進捗状況等を定期的に取締役会に報告します。
(3)戦略
①気候変動
気候変動は、持続可能な社会を実現する上で最も差し迫った課題の一つであり、当社の対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず事業運営に支障をきたす可能性があります。当社は気候変動対策として、本社オフィスの使用電力を実質再生可能エネルギーに切り替えるとともに、採用活動のDX推進を支援する「ONE CAREER CLOUD」をはじめとする各種オンラインサービスの提供により、顧客のペーパーレス推進や不要な移動の削減の一翼を担うことで、社会全体の環境負荷低減に貢献していきたいと考えております。
②人的資本
当社は、高い成長を維持し、ミッションである「人の数だけ、キャリアをつくる。」を実現するために、多様な人材が最大限に能力を発揮することが不可欠であると考えております。ミッションに共感する優秀な人材を集め、成長させ、一人ひとりが個の強みを安心して発揮できる職場を提供し、組織として高いパフォーマンスを継続的に発揮し続けていくことが不可欠であると考え、以下のような様々な施策や制度策定をしております。
a.採用活動
新卒採用及び中途採用によって多様なバックグラウンドや専門性を有した人材の採用を行っております。採用においては応募者の適性、能力、カルチャーマッチなどの多面的な観点から、公平公正な審査を行っております。
b.人事制度
高い成長による急速な変化に対応するため、年2回の査定を実施し、半期ごとに社員の成果を評価する仕組みを導入しております。社員一人ひとりに合わせて設定された目標の達成度と会社が定めるコアバリューの体現度に応じて評価が決定します。
c.キャリア開発
入社時には「社員の強みをどのように伸ばし、どのような活躍を目指すか」といったキャリア開発計画の設計を行い、入社後も上長との定期的な1on1を通して社員一人ひとりのキャリア開発のサポートを行っています。またキャリア開発の実現に向けてスキルアップのための各種研修の提供や、人事部門による面談なども実施しています。
d.社内交流
所属部署を超えた社員同士のコミュニケーションから日常の業務につながる気づきを得ることを目的として、社員同士の交流の活性化を図っています。具体的には、毎月全社員が参加する全社会議の開催や、オフィス共用部で定期的に開催される交流会などを企画し、業務外でのつながりを増やしております。
e.エンゲージメント
当社はエンゲージメントサーベイツールを導入し、毎月のサーベイにより社員個人やチームごとのエンゲージメントスコアを可視化して観測を行っております。これにより組織の状態を常に把握し、先回りしたフォローアップを行っております。
f.ワークライフバランス
フレックスタイム制度とリモートワークを採用している他、時短勤務制度や時間単位での有給休暇の取得などによって多様な働き方を許容し、ワークライフバランスの実現に努めております。また男性の育休取得も積極的に推奨しており、高い取得率を実現しています。
③情報セキュリティ
安心で安全なキャリアデータプラットフォームを提供するため、セキュリティの確保は必要不可欠であると考えております。利用者の個人情報をはじめとする各種情報の管理・保管等に関して、規程の策定、業務従事者に対する教育、役職員からの誓約書の提出、業務委託先企業に対する管理監督、その他情報セキュリティの確保に関して可能な限りの取り組みを継続的に行っております。
(4)リスク管理
当社は、サステナビリティ対応におけるリスク等については、経営や事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスク等と同義あるいは密接な関係にあると捉えており、分析や把握については、全社的なリスク管理の一環として実施しています。リスク等の内容については、「
(5)指標及び目標
①電力使用量および温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量
当社の2024年12月期の電力使用量および温室効果ガス排出量実績は以下のとおりです。
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2023年12月期 |
2024年12月期 |
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Scope1 (kg-CO₂) |
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Scope2 (kg-CO₂)(注1) |
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総CO₂(Scope1+2)排出量 (kg-CO₂) |
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電力使用量(kwh) |
136,594 |
185,927 |
(注)1.対象は株式会社ワンキャリアの東京本社及び大阪営業所。
2.東京本社において、実質再生可能エネルギー由来の電力の利用により、CO₂排出係数は0として計算。
②人的資本
当社は、「(3)戦略」において記載した人材の多様性確保を含む、人材の採用、育成及び社内環境整備の指標について、以下の指標を設定しております。一方で、各指標について、具体的な取り組みを行っているものの、本報告書提出日現在においては、当該指標の目標を設定しておりません。
今後、関連する指標のデータの収集と分析を進め、目標及び開示項目を検討してまいります。
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2023年12月期 |
2024年12月期 |
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155 |
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40.6% |
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26.3% |
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30.0 |
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100.0% |
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83.3% |
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労働者の男女の賃金の差異 ※正社員のみ |
- |
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当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)事業環境に由来するリスクについて
①インターネット関連市場について
当社は、インターネットメディア事業を主たる事業対象としているため、インターネットの活用シーンの多様化、利用可能な端末の増加等のインターネットの更なる普及が成長のための基本的な条件と考えております。インターネットの利用は日常生活の中でごく当たり前のことにはなってきましたが、今後どのように進展していくかについては不透明な部分もあります。
インターネットに関する何らかの弊害の発生や利用等に関する新たな規制の導入、その他予想しなかった要因によって、今後の普及に大きな変化が生じた場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②技術革新について
当社が事業を展開するインターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それに基づく新サービスの導入を行ってまいりました。当社はこれらの変化に対応するため、技術者の確保や必要な研修活動を行っておりますが、これらが想定通りに進まない場合等、変化に対する適切な対応に支障が生じた場合、当社の業界における競争力が低下し、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、インターネットユーザーの多くは、検索エンジンを利用して必要な情報を入手しております。当社のサービスにおきましても、集客の一定割合は検索エンジンを経由しております。検索エンジンからの集客は、表示結果に左右される側面があり、その表示順位に関しては各検索エンジンの運営者側の仕様によって異なります。当社におきましても、検索エンジンに適切な順位で表示されるように必要な対策を講じておりますが、各検索エンジンの運営者側の仕様変更などにより、集客に大きな影響を与える場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、近年では生成AIの台頭を背景に、ユーザー体験の向上や業務効率の改善を目的としたAI技術の活用が広がっております。しかし、生成AIを含むAI技術には、誤情報の生成や不適切な出力、著作権・プライバシーの侵害、機密情報・個人情報の入力による情報漏洩の懸念等、利用方法を誤ると当社の信頼性を毀損する可能性があります。当社は「AIサービス利用ガイドライン」を定め、これに基づくAIの効果的な利用を推進しております。また、最新のAIの普及状況や技術の進展を注視し、競争優位性の確保に努めております。
③四半期毎の業績変動について
当社のキャリアデータプラットフォーム事業は、登録会員・募集企業等のトラフィックの変動に連動して当社の収益も大きく増減します。具体的には、インターンの募集や新卒学生の就職活動が本格化し本選考の集客が行われる第2四半期会計期間及び第4四半期会計期間の時期において当社の収益が大きく増加する傾向にあります。一方で企業の集客需要が少ない第1四半期会計期間及び第3四半期会計期間は収益が上がりにくい傾向にあります。そのため、当社の売上高の成長は、年間を通じて標準化されずに、四半期決算の業績が著しく変動する可能性があります。
なお、前事業年度及び当事業年度における売上高は以下のとおりであります。
(前事業年度)
(単位:千円)
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第1四半期会計期間 (自 2023年1月1日 至 2023年3月31日) |
第2四半期会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) |
第3四半期会計期間 (自 2023年7月1日 至 2023年9月30日) |
第4四半期会計期間 (自 2023年10月1日 至 2023年12月31日) |
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売上高 |
823,369 |
1,360,389 |
716,051 |
1,070,482 |
(当事業年度)
(単位:千円)
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第1四半期会計期間 (自 2024年1月1日 至 2024年3月31日) |
第2四半期会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年6月30日) |
第3四半期会計期間 (自 2024年7月1日 至 2024年9月30日) |
第4四半期会計期間 (自 2024年10月1日 至 2024年12月31日) |
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売上高 |
1,009,385 |
1,761,073 |
1,159,361 |
1,471,546 |
④少子化の影響について
我が国においては少子化が進展しておりますが、当社が提供するサービスの利用が想定される学生等の若年層の数は安定的に推移しており、今後5年~10年程度の中期的なスパンでの少子化の進行による影響は少ないものと考えております。しかし、少子化が更に進行し、当社の認識とは相違して対象ユーザーである学生等の人口が急激に減少した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤景気変動と雇用情勢について
当社が運営する採用DX支援サービスは、景気変動や雇用情勢等の動向に影響を受けやすい特性があります。当社は、幅広い採用領域においてサービスを提供することや顧客基盤の拡大によって環境変化に影響を受けにくい収益構造を目指しておりますが、何らかの要因により、企業の人材採用需要が減退した場合や経済情勢の変化等が当社サービスの需要低下や収益性の低下等を招いた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥その他法的規制について
当社が運営する就活サイト「ONE CAREER」や転職サイト「ONE CAREER PLUS」等の採用に関するプラットフォームは、「職業安定法」が定める募集情報等提供事業および職業紹介事業として個人情報の適切な管理等の義務が課され、関連法令を順守し、継続的な健全な運営を確保できる仕組みが求められております。
また、職業紹介事業は「職業安定法」が定める有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受け事業を行っております。有料職業紹介事業の許可について、取得後の初回については3年、それ以後は5年ごとの更新が義務付けられており、本書提出日現在の許可の有効期限は2025年9月1日であります。
当社は、規制に準拠したサービス運営を実施しており、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施等を行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われた場合、又は既存法令等の解釈変更等がなされ当社が運営するサービスが新たな法規制の対象となり事業構造や業務オペレーションの変更が求められる場合、許可の追加取得が必要となる場合、許可の取消し、業務停止命令若しくは業務改善命令の対象となる場合等には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容に由来するリスクについて
①他社との競合について
当社は「ONE CAREER」の管理運営を通じたキャリアデータプラットフォーム事業を主たる事業領域としておりますが、当事業領域においては大手企業を始めとして多くの事業者が事業の展開をしております。当社は、キャリアデータの質と量を有したメディアの構築と当該データを活用した企業の採用活動・人事業務のDX推進等に取り組み、これら多くの事業者が提供するサービスとの差別化を図っております。
しかしながら、当社と同様のサービスを展開する事業者との競合激化や、競合事業者が提供するサービスに対し十分な差別化が図れなかった場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②機能の充実について
当社は利用者のニーズに対応するため、新卒採用支援メディア「ONE CAREER」及び中途採用支援メディア「ONE CAREER PLUS」における機能の拡充を進めております。当社は機能の拡充や有料機能の導入については利用者のニーズの分析により的確な把握を行った上で実行をしてまいりますが、今後において、利用者のニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能の拡充に支障が生じた場合、利用者への訴求力の低下等により、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③継続的なシステムコストについて
当社は、今後の利用者数及びアクセス数の拡大に備え、継続的かつ柔軟にシステム上の対応措置を講じる方針を取っておりますが、当社の計画を上回る急激な利用者数及びアクセス数の増加等があった場合、クラウドサーバーの処理量に一定の負荷をかける機能開発の実装を行う場合もあります。このような事態が生じた場合には、サーバー利用料が大幅に変動することにより、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④知的財産権について
当社は、運営サイト及びサービス名称等について積極的に商標権を取得しています。独自に開発したシステムまたはビジネスモデルに関しても、特許権等の対象となる可能性があるものについては積極的に出願に努めてまいります。また、第三者の特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っております。また、当社が提供するサービスにおいて、当社が所有する知的財産権を第三者に使用許諾する場合や、第三者の所有する知的財産権の使用許諾を受ける場合があり、その場合は使用許諾契約の締結等により適切な管理を行っております。
しかしながら、知的財産権の範囲や契約条件の解釈の齟齬等により、認識外で第三者の知的財産権を侵害した場合、当社は第三者から知的財産権侵害の訴訟、使用差止請求等を受ける可能性があります。その結果、解決に多額の費用と時間がかかり、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤特定のサービスへの依存について
当社のキャリアデータプラットフォーム事業は、現在、新卒採用支援メディア「ONE CAREER」から派生する特定のサービスに大きく依存した事業となっております。当社は今後も「ONE CAREER」のコンテンツ価値向上に努めるとともに、ワンキャリアクラウドシリーズの採用計画機能などの他サービス・派生サービスを積極的に展開し、競合企業のサービスとの差別化を図ってまいりますが、競合企業との競争激化等が、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥新規事業等について
当社は、業容拡大に向けて、ワンキャリアクラウドシリーズの各サービスに続く新たなサービスの創出を目指しております。新規サービスにつきましては、予め回収可能性を十分に調査・検討し実行してまいりますが、安定収益を創出するにはある程度の期間を要する場合があり、その期間において人件費等の先行投資により一時的に利益率が低下し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、想定していた成果を上げることができない場合、撤退コストが発生することがあり、結果として当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦グループイン(M&A)、資本業務提携について
当社は事業基盤の拡大のため、グループイン(M&A)及び資本業務提携を推進事項としております。グループイン(M&A)及び資本業務提携により想定した収益性やシナジー効果が得られない場合、また当初想定し得ない債務等が発生した場合は当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクに対処するために、社内で収益性やシナジー効果の分析を十分に検討し、社外の税務・財務・法務等の専門家と十分協議し、リスクの低減に努めます。
⑧広告宣伝の効果について
当社は、既存事業の更なる拡大及び競合企業との差別化を図るために、広告宣伝活動を効率的に実施し、会員数及び法人顧客数の増加を図っております。
広告宣伝活動に関しては、当社が想定する会員及び顧客の属性に可能な限りアプローチできるよう最適な施策を実施しておりますが、会員数及び法人顧客数の増加が、必ずしも当社の想定通りに進捗しない可能性があります。この場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨風評について
当社及び当社が提供するサービスに対する否定的な書き込みがインターネット上等で発生し、その書き込みを要因としたSNS等での拡散やマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散された場合には、それが事実に基づくものであるかどうかに関わらず、当社の社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、定期的にインターネット上の風評を調査し、これらの風評の早期発見及び影響の極小化に努めておりますが、外的要因・予測不可能な要因により発生するものも多く、本リスクの顕在化する可能性、程度及び時期を具体的に予測することは困難であります。
(3)当社の事業体制について
①人材の確保・育成について
当社の事業が継続的に成長していくためには、優秀な人材の確保、育成及び定着は経営上の重要な課題であります。当社は、必要な人材を確保するため十分な採用予算を確保し、また入社社員に対する研修の実施を通じ、当社の将来を担う優秀な人材の確保・育成に努め、社内研修やレクリエーション等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。
しかしながら、必要な人材の採用が想定通り進捗しない場合、採用し育成した役職員が当社の事業に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が退職した場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②内部管理体制について
当社は、今後の事業運営及び事業拡大に対応すべく、内部管理体制について一層の充実を図る方針であります。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅延が生じた場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③個人情報保護について
当社は、利用者の登録情報等の個人情報を取得し、利用しているため、個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。当社は、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、個人情報保護規程を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びに当社に適用される関連ガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。なお、当社は2020年3月にプライバシーマークの認証を受けております。しかしながら、悪意のある第三者による外部から当社システムへの不正アクセスや、内部における情報の不適切な取扱い等によって、当社が保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえません。従って、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、当社への損害賠償請求、当社の信用の低下等によって、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④サイトの健全性及び適切性について
「ONE CAREER」及び「ONE CAREER PLUS」では信頼性の低い情報の投稿や、人を傷つける投稿、採用とは関係のない内容を理由とした評価・感想の投稿によって、求職者に誤解を招く情報を与える危険性が存在しております。このため、禁止事項を利用規約に明記するとともに、利用規約に基づいた利用がされていることを確認するためにユーザーサポート体制を整備しております。投稿されたクチコミ情報に関しては全件審査を実施しており、明らかに不適切な投稿を発見した場合には、当該情報を公開中止した上で、利用規約に違反した利用者に対してはユーザーサポートから改善要請を行っているため、一定の健全性は維持されているものと認識しております。
しかしながら、急速な利用者の増加による規模拡大に対して、サービス内における不適切行為の有無等を完全に把握することは困難であり、サービス内においてトラブルが発生した場合には、規約の内容に関わらず、当社が法的責任を問われる可能性があります。一方、当社の法的責任が問われない場合においても、トラブルの発生自体がサイトのイメージ悪化を招き、当社の経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、就職活動に役立つ記事を「ONE CAREER」上に掲載しております。記事制作にあたっては、マニュアルを整備し、当該マニュアルに沿って適切に運用することにより記事の正確性を担保しておりますが、万一事実と異なる記事が掲載されることや、誤解を招く表現が掲載された場合、社会的信用が毀損され、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、今後想定される業容拡大への対応も含めて、監視機能強化のためのユーザーサポートにかかる人員増強等、サービスの健全性や適切性の維持のために必要な対策を講じていく方針でありますが、これに伴うシステム対応や体制強化の遅延等が生じた場合や、対応のために想定以上に費用が増加した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤システム障害について
当社のサービスは、インターネットを介して提供されておりますが、大規模なプログラム不良や自然災害、事故の発生、不正アクセス、その他システム障害やネットワークの切断等が発生する可能性があります。当社は、定期的なバックアップや稼働状況の監視、システム運用・更改手続きの整備により事前防止及び回避に努めておりますが、こうした対応にも関わらず、システム障害が発生し、サービス提供に障害が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥情報セキュリティについて
当社は、利用者の個人情報をはじめとする各種情報の管理・保管等に関して、規程の策定、業務従事者に対する教育、役職員からの誓約書の提出、業務委託先企業に対する管理監督、その他情報セキュリティの確保に関して可能な限りの取り組みを継続的に行っております。しかし、このような情報セキュリティ対策の実施にも関わらず、悪意のある第三者による外部から当社システムへの不正アクセスや、内部における情報の不適切な取扱い等によって情報漏洩等が発生した場合、当社の信用毀損につながり、当社の経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑦コンダクトリスクについて
当社あるいは当社役職員が、法令違反ではないものの社会規範や商習慣に反する、またはユーザー視点の欠如した行為を行うことにより財務的・社会的影響を被るリスクがあります。当社は、こうしたミスコンダクトを防ぐため、リーガルチェック体制の整備、各種研修を通じた従業員教育の徹底、内部通報制度の整備などに取り組んでおります。しかしながら、ミスコンダクトが生じる可能性が完全に排除されているとはいえません。従って、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、当社への損害賠償請求、当社の信用の低下等によって、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他のリスクについて
①大株主について
当社の代表取締役社長である宮下尚之は、当社の大株主であり、同氏の資産管理会社である株式会社MTMの所有株式数を含めると当事業年度末日現在で発行済株式総数の61.2%を所有しております。
同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同氏の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
②株式価値の希薄化について
当社は、役職員に対するインセンティブを目的とした譲渡制限付株式制度及びストック・オプション制度を採用しております。また、今後においても譲渡制限付株式制度及びストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、譲渡制限付株式の付与又は現在付与している新株予約権等及び今後付与される新株予約権等についての行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
なお、当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式数は252,110株であり、発行済株式総数5,943,590株の4.2%に相当しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(総資産)
当事業年度末における総資産は5,733,406千円となり、前事業年度末に比べ1,543,402千円増加しました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は4,683,196千円となり、前事業年度末に比べ1,248,230千円増加しました。これは主に現金及び預金1,122,991千円の増加、売掛金87,393千円の増加によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は1,050,210千円となり、前事業年度末に比べ295,172千円増加しました。これは主に投資有価証券118,540千円の増加、敷金及び保証金99,389千円の増加によるものであります。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は1,689,283千円となり、前事業年度末に比べ555,470千円増加しました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は1,684,925千円となり、前事業年度末に比べ551,112千円増加しました。これは主に契約負債282,394千円の増加、未払金105,470千円の増加、未払法人税等67,076千円の増加によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は4,357千円となり、前事業年度末に比べ4,357千円増加しました。これはリース債務4,357千円の増加によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は4,044,123千円となり、前事業年度末に比べ987,932千円増加しました。これは主に当期純利益の計上による利益剰余金923,371千円の増加、ストックオプションの行使による新株の発行及び、譲渡制限付株式報酬としての新株の発行による資本金並びに資本剰余金64,625千円の増加によるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな回復傾向で推移しました。しかしながら、金融資本市場の変動、物価高騰など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
人材採用領域においては、有効求人倍率(季節調整値)は2024年12月には1.25倍となり、人材需要は継続して堅調に推移しております。
また新型コロナウイルス感染症の影響で増えたオンラインでの採用活動が、企業の採用プロセスとして定着したことにより、企業の採用DXへの需要は堅調に推移しております。また、就職活動における学生の動きが早期層と後期層で二極化しており、企業の採用活動は早期化、長期化する傾向が続いております。
このような環境の中、当社は積極的な法人向けのマーケティング活動等で新規取引先との接点を増やし、求人掲載サービスやスカウトサービスの販売に繋げました。さらに、地域・業界・職種等の特定カテゴリの学生・企業の抱えるニーズに合致したサービスを強化し、会員数及び法人顧客数拡大に注力しております。
当事業年度において会員数は1,962千人(前期比382千人増)、法人取引累計社数は4,294社(前期比1,391社増)となりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は5,401,367千円(前期比36.0%増)、営業利益1,296,146千円(前期比30.1%増)、経常利益1,297,224千円(前期比30.1%増)、当期純利益923,371千円(前期比32.9%増)となりました。
なお、当社はキャリアデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて、1,122,991千円増加し、4,309,661千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,452,714千円(前事業年度は916,972千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額341,235千円、売上債権の増加額87,393千円があった一方で、税引前当期純利益1,297,224千円、契約負債の増加額282,394千円、減価償却費113,393千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は374,419千円(前事業年度は362,188千円の支出)となりました。これは、投資有価証券の取得による支出119,571千円、敷金及び保証金の差入による支出105,608千円、無形固定資産の取得による支出86,514千円、有形固定資産の取得による支出62,725千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は44,695千円(前事業年度は25,996千円の支出)となりました。これは主に、ストックオプションの行使による収入44,960千円があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスには生産に該当する事項がないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当社の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は、キャリアデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
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事業の名称 |
当事業年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
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金額(千円) |
前期比(%) |
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キャリアデータプラットフォーム |
5,401,367 |
+36.0 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
新規取引社数が大きく成長し、既存の顧客との取引も継続し、取引単価のアップを実現したことで、ほとんどの商品の売上高が堅調に推移し、売上高は5,401,367千円(前期比36.0%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上高の増加に伴う労務費及び外注費等の増加があった一方で、規律ある投資と継続的な費用の見直し等、筋肉質な事業運営を行ったことにより、売上原価は前期比19.0%増の837,306千円、売上原価率は2.2ポイント減少して15.5%となりました。この結果、売上高の増加と合わせて売上総利益は4,564,060千円(前期比39.7%増)と増大しました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
中途採用を積極的に行ったことによる給料及び手当の増加364,792千円、法人向けの営業活動への投資による販売手数料の増加163,670千円などにより、販売費及び一般管理費は3,267,914千円(前期比43.9%増)となりましたが、売上高の増加に伴い、営業利益は1,296,146千円(前期比30.1%増)と増大しました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は雑収入3,353千円、助成金収入1,000千円の計上などにより4,409千円(前期比87.6%増)となり、営業外費用は譲渡制限付株式報酬償却損1,307千円、投資事業組合運用損910千円の計上などにより3,331千円(前期比222.0%増)となりました。この結果、経常利益は1,297,224千円(前期比30.1%増)となりました。
(特別損益及び当期純利益)
法人税等合計が373,852千円となり、当期純利益は923,371千円(前期比32.9%増)となりました。
なお、当社の財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社においては、顧客獲得、受注拡大のための人件費や広告宣伝費、人員獲得のための採用費への資金投下は継続的に実施する方針です。必要な資金については、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としています。
資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考慮して実施してまいります。また、内部留保については、将来の成長のための事業展開と経営体質の強化に優先的に充当してまいります。既存事業の成長に加え、今後の事業展開の過程において、出資、アライアンス、グループイン(M&A)等の投融資の可能性も積極的に追求してまいります。
④経営上の目標及び達成状況の分析
当社は、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、売上高の対前期増加率と法人取引累計社数を重要な経営指標と位置付けております。売上高の対前期増加率については、細分化して売上高対前年同四半期増加率の達成状況の分析をおこなっております。
当該指標については、下表のとおり売上高対前年同四半期増加率は四半期毎での変動はあるものの堅調に推移しており、法人取引累計社数も継続的に増加しております。今後も営業活動及び広告宣伝活動の強化により新規法人取引社数の拡大に努め、安定的な前期比売上高の増加を目指してまいります。
(前事業年度)
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第1四半期会計期間 (自 2023年1月1日 至 2023年3月31日) |
第2四半期会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) |
第3四半期会計期間 (自 2023年7月1日 至 2023年9月30日) |
第4四半期会計期間 (自 2023年10月1日 至 2023年12月31日) |
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売上高対前年 同四半期増加率(%) |
61.3 |
37.0 |
28.0 |
37.8 |
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法人取引累計社数(社)(注) |
2,024 |
2,274 |
2,553 |
2,903 |
(注)法人取引累計社数:各四半期会計期間末時点の数値となります。
(当事業年度)
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第1四半期会計期間 (自 2024年1月1日 至 2024年3月31日) |
第2四半期会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年6月30日) |
第3四半期会計期間 (自 2024年7月1日 至 2024年9月30日) |
第4四半期会計期間 (自 2024年10月1日 至 2024年12月31日) |
|
売上高対前年 同四半期増加率(%) |
22.6 |
29.5 |
61.9 |
37.5 |
|
法人取引累計社数(社)(注) |
3,186 |
3,632 |
3,964 |
4,294 |
(注)法人取引累計社数:各四半期会計期間末時点の数値となります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営上の重要指標としている売上高の対前期増加率及び法人取引累計社数は、今後も成長させていく必要があると認識しており、マーケティング強化による知名度の向上、サービス機能の強化、安定的なサービス提供の施策を引き続き行っていきます。
また、その他で当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおり様々な要因があると認識しています。そのため、当社は市場動向に留意しつつ、求職者や企業に求められる機能やサービスを開発していくとともに、優秀な人材の採用、新規サービスの開拓、内部管理体制強化をしていくことにより、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスクに適切に対応していく所存であります。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
当社が継続的に成長していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の解決策を実施していく方針であります。
該当事項はありません。
当社は、さらなるサービス拡充・事業規模拡大のために、保有するキャリアデータを活用した研究開発活動を行っております。
当事業年度における研究開発費の総額は
なお、当社はキャリアデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。