文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、ヘアデザイナーを通じて、美しい生き方を応援する事業を展開しております。
顧客と長期的な信頼関係を結ぶため、当社グループは顧客との約束をコーポレートステートメントに表し、
その象徴としてスローガンを制定しております。
―コーポレートステートメント―
すべては、美しく生きるために。
私たちは、一人ひとりに、
自分らしさ、心の豊かさ、人生の彩りを価値にして届けます。
ヘアデザイナーと向き合い、ともに教え育み、
今を超えようと、磨き上げた結晶から、生まれ落ちる美しさ。
それは、私たちだけが創れる確かな価値。
美しい髪を自信に、新しい世界にはばたけるよう、
私たちは、今ここにない未来を創り続けます。
―コーポレートスローガン―
『美しさを拓く。』 Find Your Beauty
当社グループにとって企業価値の源泉は、以下の①から③と考えています。
①販売力=フィールドパーソンシステム
当社グループは、美容室とヘアデザイナーを支援するために、独自の営業体制を確立しています。単なる商品販売ではなく、美容室、エンドユーザーの声を真摯に聴き、課題を発見、対処法を考え提案します。美容室への教育活動を中核に、美容室の増収・増益に貢献します。当社グループでは、そのような活動を行う営業部員をフィールドパーソンと呼んでいます。
フィールドパーソンを育てるために、9ヶ月間に及ぶ社内研修を実施しています。ヘアケアやカラーリング、パーマなどの基本的な美容技術に加え、美容業界の幅広い知識・経営分析・企画立案などの様々なスキルを習得しています。競合他社が真似のできない、当社グループ独自のビジネスモデルとなっています。
②商品開発力=TAC製品開発システム
美容室の現場で成功しているヘアデザイナー、さらにエンドユーザーに学びながら、美容ソフトと製品を開発するのが当社グループ独自の「TAC(Target Authority Customer)製品開発システム」です。
ヘアカラー客が他店と比べて飛びぬけて多い美容室、ヘアケア客が飛びぬけて多い美容室など、テーマによって顧客からダントツの人気を集めている美容室・ヘアデザイナーには、成功技術(哲学、考え方、ヘアデザイン、美容技術)が存在しています。その成功技術を一般の美容室でも使えるように標準化し、それをサポートする製品を創ります。
③市場戦略=フィールド活動システム
どのような市場環境においても、成長する美容室は存在しています。当社グループでは、成長している、または、成長する可能性の大きい美容室にフィールドパーソンの活動を集約することで、市場環境が悪化しても、当社グループも一緒に成長できるマーケティングを展開しています。
(2)中期事業構想(2022-2026)
当社グループは、2022年度(第63期)より、次の未来を見据えた中期事業構想(2022-2026)「Stage for the Future」を策定し、2022年2月10日に公表いたしました。
中期目標として「本質的な社会・生活者視点での“プロフェッショナル価値”を生み出し、グローバルメーカーとしての企業体を創造し、アジアNo.1、世界ベスト5をめざす」と掲げました。
また、中期目標の実現に向けて、グローバル戦略においては、グローバル市場を7つのリージョン(日本、韓国、中華圏、ASEAN、北米、EU,中東)として捉え、長期のグローバル戦略として、リージョン毎の開発・生産体制の構築に取り組み、髪質や文化・価値観の違いに対応し、地域の美容産業の発展に貢献します。
一方、日本市場においては、事業基盤の強化から、時代に呼応した美容室のあり方改革「サロンソーシャルイノベーション」を掲げ、美容室の新たな形「ビューティプラットフォーム構想」と、美を通じた心の豊かさの実現を中核とした「サステナビリティコミットメント5つの最重要課題」の推進を連動させ、実現していきます。
「ビューティプラットフォーム構想」においては、デジタルとリアルが融合した顧客体験の場をつくる「スマートサロン戦略」、そして、ヘアケア・スキンケア・ビューティヘルスケアという3つのケア構想による「ビューティライフケア戦略」の推進によりこれを実現していきます。
「サステナビリティ5つの最重要課題」においては、①美しさを通じた心の豊かさの実現、②再生・循環型の生産・消費活動、③人にやさしい調達活動、④公正かつ柔軟な経営体制、⑤働きがいのある職場環境、の5つを最重要課題として設定し、取り組みを進めてまいります。
そして、これらの実現の先に、美容室と共に地域の人々の美しい生き方を応援し、未来に繋がる豊かな社会と、住み続けられる街づくりの創造を目指しております。
<中期目標>
本質的な社会・生活者視点での“プロフェッショナル価値”を生み出す
グローバルメーカーとしての企業体を創造し、アジアNo.1、世界ベスト5をめざす。
<中期方針>
Stage for the Future
「サロンソーシャルイノベーション」×「サステナビリティコミットメント」
ミルボンは美容室と共に、地域の人々の美しい生き方を応援し、未来につながる豊かな社会と、
住み続けられる街づくりをめざします。
①美しさを通じた心の豊かさの実現
②再生・循環型の生産・消費活動
③人にやさしい調達活動
④公正かつ柔軟な経営体制
⑤働きがいのある職場環境
(3)対処すべき課題
国内経済の先行きについては、物価上昇の継続が個人消費に影響を与える可能性があるものの、雇用環境や所得環境の改善が継続することにより、国内の経済は緩やかな回復が続くことを見込んでおります。一方、中国や米国などの海外市場の動向については依然として注意が必要であり、米国のインフレ長期化、紛争や地政学リスクの継続、それらが消費マインドに与える影響などを含め、先行き不透明な状況が続くと想定しております。
当社は2025年度に中期事業構想(2022-2026)の4年目を迎えますが、昨今のコスト構造を勘案し、2026年度における利益目標を引き下げると同時に、収益性改善のための施策を立案し、これを実施することを公表いたしました。そのような状況のもと、海外市場においては、7つのリージョンにおける投資の優先順位を改めて検証し、市場性と成長力の高い米国、EU、韓国を重点エリアとして設定し、活動を強化してまいります。2025年度は特に、米国における人員強化と製品ブランディングに注力する計画です。
国内市場においては、美容室の新しいあり方を目指す「ビューティプラットフォーム構想」実現に向けて「スマートサロン」と「milbon:iD」を一層推進することで、店販品購入のインフラを強化してまいります。さらに、美容室における業務メニューの高付加価値・高単価化を実現するために、高付加価値カラー戦略を継続するとともに、入店教育をベースとした技術教育サポートと美容師の専門性を向上させるためのソムリエ教育を推進いたします。美容室における高付加価値・高単価化を進めることで、「スマートサロン」と「milbon:iD」の効果を最大限に高めてまいります。
これらと並行して、引き続きサステナビリティコミットメント5つの最重要課題の実現に向けた取り組みを推進し、社会課題の解決にも取り組んでまいります。
なお、見直し後の中期事業構想(2022-2026)中期末の目標値は下記のとおりであります。
|
|
2026年度中期末目標 (修正前) |
2026年度中期末目標 (修正後) |
||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
|
|
売上高 国内 海外 |
58,000 43,700 14,300 |
100.0 75.3 24.7 |
58,000 43,700 14,300 |
100.0 75.3 24.7 |
|
売上総利益 |
38,160 |
65.8 |
37,600 |
64.8 |
|
販管費 |
27,360 |
47.2 |
29,200 |
50.3 |
|
営業利益 |
10,800 |
18.6 |
8,400 |
14.5 |
|
経常利益 |
10,810 |
18.6 |
8,340 |
14.4 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
7,670 |
13.2 |
5,940 |
10.2 |
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)サステナビリティに関する考え方及び基本方針
当社は、創業以来受け継がれる経営理念のもと美容市場に絞った事業を展開しております。持続可能な美容産業を創造していくことこそが、ひいては持続可能な社会の実現につながるものと信じております。経営陣を含めた一人ひとりが、持続可能な社会の実現に向けて考え、行動することでこれに取り組んでおります。
~サステナビリティ基本方針~
ミルボンは、ヘアデザイナーを通じて
美と心の豊かさに繋がる美容産業を創造することで、
持続可能な社会の実現をめざします。
(2)サステナビリティ共通
①ガバナンス及びリスク管理
当社は、サステナビリティに関する課題を重要な経営課題の1つとして捉え、その解決に向けた推進体制を整えております。具体的には、常務取締役が委員長を務める「サステナビリティ推進委員会」を隔月1回開催しております。サステナビリティ推進委員会では、サステナビリティに関するリスク及び機会を特定し、当社に与える影響を評価しております。その評価をもとに対応方針や取り組みに向けた課題等を検討・協議し、その内容は必要に応じて、経営会議または取締役会へ付議または報告され、取締役会はこのプロセスを定期的に監督し、対応の指示及び戦略への反映を行っております。
(サステナビリティに関するガバナンス体制図)
②戦略
1)「5つの最重要課題(マテリアリティ)」の設定
当社は、2022年2月10日に公表した中期事業構想(2022-2026)において、「サステナビリティコミットメント5つの最重要課題」として以下の5つを設定し、持続可能な社会の実現に向けて優先的に取り組みを進めております。
1.美しさを通じた心の豊かさの実現
2.再生・循環型の生産・消費活動
3.人にやさしい調達活動
4.公正かつ柔軟な経営体制
5.働きがいのある職場環境
2)「5つの最重要課題」の選定プロセス
「5つの最重要課題」の選定に向けては、ISO26000、SDGs17原則、ESGの3つの視点から当社で推進すべき課題の検討を行い、SDGs/ESGマトリックス(
③5つの最重要課題におけるテーマ毎の指標(KPI)及び目標
当社は、5つの最重要課題それぞれに重点取り組みテーマを掲げ、テーマ毎にKPIと具体的な数値目標を設定しております。設定したKPIは、サステナビリティ推進委員会で定期的にモニタリングを実施し、進捗状況を確認するとともに、必要に応じてKPIの追加、見直しを検討しております。
|
重点取り組みテーマ |
KPI |
2024年 実績 |
2026年 目標 |
2030年 目標 |
|
1.美しさを通じた心の豊かさの実現 |
||||
|
リアルとデジタルを活用した知販ビジネスの確立 |
milbon:iD会員登録者数 |
87万人 |
100万人 |
- |
|
ミルボン知販メソッド(スマートサロン)の 展開都市数(日本) |
50都市62軒 |
100都市 500軒 |
- |
|
|
ライフタイムビューティーパートナー育成 |
スタジオ・イベント教育動画年間延べ利用人数 |
24.4万人 |
33.5万人 |
- |
|
エデュケーションiD会員登録者数 |
5.1万人 |
10万人 |
- |
|
|
2.再生・循環型の生産・消費活動 |
||||
|
カーボンニュートラル生産体制の構築 |
ゆめが丘工場のCO2排出量削減率 (2019年比) |
82.2%削減 |
75%削減 |
カーボンニュートラル実現 |
|
サステナブルな容器包装の設計 |
石油由来バージンプラスチック使用量削減率 (2020年比、売上高原単位) |
11.6%削減 |
15%削減 |
30%削減 |
|
3.人にやさしい調達活動 |
||||
|
サステナブルなパーム油の調達 |
RSPO認証パーム油採用率(MB+B&C) |
24.4% |
50% |
100% |
|
サプライチェーンにおける人権の尊重 |
デューデリジェンスによる人権侵害発生数 |
0件 |
可能な限り人権侵害ゼロ |
可能な限り人権侵害ゼロ |
|
4.公正かつ柔軟な経営体制 |
||||
|
取締役会の多様性の推進 |
社外取締役の登用 |
5名(5/12) |
継続的に3分の1以上登用 |
- |
|
女性役員の積極登用 |
3名(3/15) |
継続的に登用 |
- |
|
|
国際性を含む、多様なスキルの確保 |
外国籍役員 0名(0/15) |
確保の実現 |
- |
|
|
取締役会の実効性向上 |
第三者機関評価を通じた、重要課題の選定と改善活動の進捗 |
継続実施中 |
毎年の課題設定に対して継続的な改善活動を行う |
- |
|
5.働きがいのある職場環境 |
||||
|
働き続けられると感じる体制・制度の実現 |
若手社員の離職率(直近5年の若手社員(新卒~3年目)の離職率平均) |
11.7% |
9% |
6% |
|
有給休暇取得率 |
72.9% |
70% |
80% |
|
|
エンゲージメントサーベイ |
エンゲージメントサーベイの継続 |
重要指標3領域が「強み」として機能している状態 |
- |
|
(3)気候変動への対応
①ガバナンス及びリスク管理
当社は、気候変動を中長期にわたり経営戦略や財務計画に影響を与える現実的なリスクと捉え、サステナビリティコミットメントにおいて最重要課題の1つとして位置づけております。
サステナビリティに関する取り組みの内、気候変動に関するリスク及び機会については、サステナビリティ推進委員会の下にTCFDワーキンググループを設置し、気候変動に関するリスク等をTCFDワーキンググループが特定しております。同ワーキンググループは活動状況を半期に1回サステナビリティ推進委員会を通じて経営会議及び取締役会へ報告し、取締役会の監督を受けております。
②戦略
2023年度に実施したシナリオ分析では、ミルボングループの中核である株式会社ミルボン単体を対象範囲として、平均気温が1.5℃及び4℃上昇することを想定し、2025年時点(短期)・2030年時点(中期)・2050年時点(長期)の3つの時期に関して、気候変動によるリスクと機会を検討しました。分析にはIEA・IPCCが示したシナリオを使用しており、1.5℃シナリオでは脱炭素社会への移行に伴う政策、規制、技術、市場、消費者意識の変化による影響を、4℃シナリオでは急性の変化(大雨や洪水の発生等)、慢性的な変化(平均気温の上昇や年間降水量の変化等)の双方による物理的影響を分析しています。
今回のシナリオ分析では、約40のリスクと機会が存在することが明らかになったため、これらのリスクと機会に対する当社への影響の大きさを評価し、対応策を決定しました。シナリオ分析結果から、当社は1.5℃と4℃の双方のシナリオにおいて原料調達コスト増による影響を大きく受ける可能性があり、さらに1.5℃シナリオでは自社操業コスト増による影響も大きくなる可能性があることが分かりました。また、これらのリスクと機会については、5つの最重要課題にて設定した「再生・循環型の生産・消費活動」、「人に優しい調達活動」の推進が、リスクの低減と機会の獲得に資するということも分かりました。今後は、定期的に状況をモニタリングし、必要に応じて新たな対応策を講じることでリスクの低減に努めていきます。
(シナリオ分析結果)
|
|
リスク機会の内容 |
リスク/機会 |
時間軸 |
影響度 |
|
1.5℃シナリオ |
||||
|
原 料 調 達 |
サプライヤーへのカーボンプライシングの導入・拡大による調達コスト増 |
リスク |
2030年 |
大 |
|
森林保護への法規制による土地利用への制限に伴う調達コスト増 |
リスク |
2025年 |
中 |
|
|
原料のトレーサビリティに関する法規制強化による調達コスト増 |
リスク |
2030年 |
中 |
|
|
自 社 操 業 |
自社へのカーボンプライシングの導入・拡大による操業コスト増 |
リスク |
2030年 |
小 |
|
電力小売価格の上昇によるエネルギーコスト増 |
リスク |
2030年 |
中 |
|
|
各国拠点での法規制強化によるコンプライアンスコスト増 |
リスク |
2030年 |
中 |
|
|
サーキュラーエコノミーへの対応コスト増 |
リスク |
2030年 |
中 |
|
|
他社がカーボンプライシングの影響を受け、自社の競争が向上することによる売上増 |
機会 |
2030年 |
中 |
|
|
自家発電導入による排出量とエネルギーコスト減 |
機会 |
2030年 |
中 |
|
|
商品需要 |
環境配慮商品の売上増 |
機会 |
2030年 |
中 |
|
4℃シナリオ |
||||
|
原料調達 |
気候変動によるパーム油等植物由来原材料の調達コスト増 |
リスク |
2050年 |
大 |
|
安定した原料調達のための取り組みによる調達コスト減 |
機会 |
2030年 |
中 |
|
|
自社操業 |
損傷した生産設備の修復にかかるコスト増 |
リスク |
2050年 |
小 |
|
洪水や台風被害による配送への影響による、売上減や在庫毀損によるコスト増 |
リスク |
2050年 |
小 |
|
(想定する対策等)
|
1.5℃シナリオ |
||
|
原 料 調 達 |
植物由来 原料 |
・国際情勢リスク、気候変動リスクにおいて、調達ルートやトレーサビリティを調査 ・原料確保のため、効率的な調達購買手法の検討 ・カーボンプライシングによるサプライヤーへのコスト増を概算、商品価格への上乗せ検 討、代替原料の検討 ・RSPO認証パーム油の積極採用。2030年までに認証パーム油、マスバランス品を100%採用目標 |
|
容器包装 原料 |
・石油由来バージンプラスチックを2030年までに30%削減する目標に向け、新製品容器への植物由来プラスチックや樹脂量削減の成型方法を積極採用 ・プラスチック容器のリサイクル処理方法の研究 ・カーボンプライシングによる容器包装原料のコスト増を概算、商品価格への上乗せ検討、代替原料の検討 |
|
|
自 社 操 業 |
自社の エネルギー使用 |
・WEO2021,2022のNZEシナリオにおける炭素価格を用いて、Scope1・2にかかるカーボンプライシングコストを試算 ・電力コスト上昇の見通しから自家消費発電の割合を拡大 |
|
法規制対応 |
・各種規制の把握、コスト増の影響度によっては、他原料への切り替えや製品への転嫁も想定 ・EUを中心とした法規制への対応コストと社内体制の確立 |
|
|
商品需要 |
商品開発 |
・生活者ニーズに対応した、商品機能向上と環境負荷低減する商品開発 |
|
4℃シナリオ |
||
|
原料調達 |
調達 |
・代替パーム油の研究や処方対応を検討 ・気候変動によるパーム油調達価格変動を概算 ・原料や調達ルート確保の研究 ・原料毎の気候変動による影響度を確認 ・主要天然原料の原産国における気候変動調査や保護活動 |
|
自社操業 |
災害対応 |
・被災によって生産設備が損傷した場合でも、保険の適用内で修復が可能であることを確認 ・災害時は一部物流倉庫への影響が懸念される為、代替輸送を予め想定 |
③気候変動に関する取り組みの指標(KPI)及び目標
気候変動に関する取り組みのKPIについては、1.5℃・4℃シナリオの分析結果から、最も影響が大きいと考えられる原材料調達コストの増加に対しては、5つの最重要課題に掲げている、石油由来バージンプラスチック容器包装の削減率や、RSPO認証パーム油採用率の達成を通じて引き続きリスク低減を図ります。
また、カーボンプライシング導入や電力価格高騰等による操業コストの増加リスクに対しては、5つの最重要課題に掲げているゆめが丘工場における2026年、2030年のCo2排出量削減目標に加えて、2050年のミルボングループのカーボンニュートラル目標を設定しました。ミルボングループにおけるScope1・2排出について、まずは、国内事業所の中で最もCO2排出量が多い当社生産拠点である、ゆめが丘工場の30年カーボンニュートラルを 達成します。さらに、50年までにミルボングループのカーボンニュートラルを目指します。
今後も、定期的にカーボンニュートラルの達成へ向けた取り組み状況をモニタリングし、対応策を講じることでリスクの低減に努めます。
(Co2排出量の実績及び目標(単位:t-Co2)
|
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2019年 (基準年度) 実績 |
2023年 実績 |
2024年 実績 |
2026年 目標 |
2030年 目標 |
2050年 目標 |
|
ミルボン単体 Scope1 |
|
|
|
- |
- |
- |
|
Scope2 (マーケット基準) |
|
|
|
|||
|
ゆめが丘工場 Scope1 |
502 |
461 |
443 |
75%削減 (2019年比) |
カーボン ニュートラル |
|
|
Scope2 (マーケット基準) |
1,931 |
0 |
0 |
|||
|
ミルボングループ Scope1,2 |
- |
- |
- |
- |
- |
カーボン ニュートラル |
(4)人的資本、多様性に関する取り組み
①人的資本に関する基本的な考え方
ミルボンには、「すべては、ヘアデザイナーとともに」という創業以来の想いとともに、「つぶれない会社を創る」という信念があります。これは創業者・鴻池一郎が当社の創業前、企業の倒産劇に巻き込まれた親しい方々の悲惨な姿を目の当たりにした際に固く誓った想いであり、そこには「社員とその家族の幸せと仕事のやりがいの実現」という決意が込められています。だからこそ当社では創業以来、一貫して「人」を大切にした経営にこだわり続けています。
また、当社の美容室に徹底的に寄り添う独自のビジネスモデルの遂行には、「人」を起点とした独自の価値創造が不可欠であり、当社の歩みは、「人の成長こそが企業の成長につながる」ということを体現してきた歴史でもあります。そのため当社では、「人的資本」を経営及び企業の持続的成長に必要不可欠な最重要資本と捉え、 経営戦略と連動した人材戦略に取り組んでいます。
②中期事業構想(2022-2026)における人的資本に関する戦略、指標(KPI)及び目標
中期事業構想(2022-2026)の実現に向け、人材戦略基本方針~社員一人ひとりがミルボンのエンジンになる~「社員一人ひとりが、自主自立の精神で、“やりがい”をもって、ミルボンの持続的成長を支え、働き続けられる企業風土を醸成する」を掲げ、「5つの人材戦略重要テーマ」を設定し、社員の“働きがい”の醸成と“働き続けられる環境”の整備を進めております。「5つの人材戦略重要テーマ」と中期事業構想(2022-2026)を密接に連携させることで、持続的な成長の源泉となる新たな付加価値を創造し続け、美容室の増収増益に貢献します。
5つの人材戦略重要テーマにおける具体的な取り組み内容、指標(KPI)及び目標は以下のとおりです。
1)次期後継リーダー育成
当社は、2014年に10年後の後継体制を見据えて、独自の次期経営責任者育成プログラム「ミルボンコーポレートユニバーシティ(以下、MCU)」を立ち上げ、2015年から4年間で受講した42名のうち、取締役3名、執行役員8名の任命につながりました。体制移行が果たされた現在は、次の10年、20年先を見据え、サクセッションプランの再構築を進めています。2025年には、次期MCUのスタートに先駆け、30代の若手リーダー候補を対象とした「MCU-Prep」を、公募を通じて選ばれた24名を対象に実施する計画となっております。
2024年には人材開発委員会を新設し、人と組織にまつわる課題・施策の継続的な議論等を行う体制を整えています。今後も、全社視点でのリーダー育成、一人ひとりの働きがいと活躍につながる研修・配置の実施を通じて、リーダーが流れるように生まれる企業体の実現に向けて改革を続けていきます。
(次期後継リーダー育成の指標(KPI)及び目標)
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指標(KPI) |
2024年 目標 |
2024年 実績 |
2025年 目標 |
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次期後継リーダー育成 |
次期MCUの開発 |
MCU-Prep の企画・設計 |
MCU-Prepの実施 |
2)働きがいの醸成
当社では、2022年にエンゲージメントサーベイを導入し、コンプライアンス意識調査を含め、経営会議及び各部門への報告・対話、アクションプランの作成・実践を行っています。総合のエンゲージメントスコアは他社と比較しても高い組織状態を維持しており、エンゲージメントレーティングでも11段階中で上から2番目のAAに位置しております。その上で当社では、そうした評価に驕ることなく「理念経営」「外部適応」「変革活動」の3領域を「つぶれない会社」を体現するための重要指標に定め、それらの3領域の「期待度」「満足度」の双方が高く、強みとして機能している状態を目指すことを、2026年の目標として設定しました。
若手社員の離職率は、コロナ禍に採用活動を実施した2021年入社社員の離職率の上昇に伴い、全体の実績値が上昇しました。採用募集・選考時におけるミスマッチ防止策の強化、入社3年目までのフォロー研修の開発、教育職の役割の再定義を含めた活躍促進などの多様な施策を通じて、重要課題の1つとして改善に取り組みます。
有給休暇所得率は、多様な働き方を推進するために、年次有給休暇の計画的付与制度の拡充、フレックスタイム制度の対象部門の拡張、衛生委員会での啓発活動強化などを実施した結果、2024年の実績は72.9%となりました。
今後も、エンゲージメントサーベイを通じた定量・定性データから得られる結果を踏まえ、さらなる働きがいの醸成と働き続けられる環境づくりを進めていきます。
(働きがいの醸成の指標(KPI)及び目標)
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指標(KPI) |
2023年 実績 |
2024年 実績 |
目標 |
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|
10.8% |
|
|
|
|
67.8% |
|
|
|
エンゲージメントサーベイ |
エンゲージメント サーベイ及び 目標設定等の実施 |
エンゲージメント サーベイの継続 |
重要指標3領域が「強み」として機能している状態 |
3)タテヨコナナメの対話増進
当社では、直近10年間で従業員数が連結1.8倍となり、部門・階層の広がりや多様な属性を持つメンバーの増加に伴い、関係性の希薄化によるリスクが懸念されることから、当社指針である「ミルボンウェイ」の共有会を全社や組織毎に定期的に実施しております。
また、2024年は新たに代表取締役社長となった坂下秀憲による全部門との対話の場づくりの初年度として、国内の全営業所に自ら足を運んで、当社営業職と対話するフィールドパーソンディスカッションを行い、相互理解を深めました。
2025年は販売部門を除く国内全部門に対象を広げ、ミルボンパーソンディスカッションを実施する予定です。あわせて、社内コミュニケーションコンテンツの新設に向けた検討も進めていきます。
(タテヨコナナメの対話増進の指標(KPI)及び目標)
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指標(KPI) |
2024年 目標 |
2024年 実績 |
2025年 目標 |
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社内コミュニケーションの円滑化 |
社内コミュニケーションコンテンツの新設及びフィールドパーソンディスカッションの実施 |
フィールドパーソンディスカッションの実施(20回) |
ミルボンパーソンディスカッションの実施(21回予定) |
4)DE&Iの推進
当社では、2023年に全社プロジェクトとして「DE&I推進プロジェクト」を発足し、当社で働く女性社員の「美しい生き方」を応援することが、経営理念やコーポレートスローガンの体現となる、との考えのもと、まずは人数・割合ともに多い女性フィールドパーソンの活躍とキャリア継続にフォーカスした活動に取り組み、2023年12月には経営幹部向けの勉強会を実施しました。2024年は、プロジェクトを通じて、女性フィールドパーソンにおける活躍とキャリア継続における5つの課題を特定し、施策の方向性の合意に至りました。その結果、2024年の女性管理職比率の実績は14.5%となりました。
2025年は、課題解決に向けた具体化フェーズとして、ワーキングマザー向け施策や上長向けのイクボス研修など、全社一丸となって取り組みを進め、2030年女性管理職比率20%という目標実現に向け、継続的な検討と施策の実行を図っていきます。
(DE&Iの推進の指標(KPI)及び目標)
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指標(KPI) |
2023年 実績 |
2024年 実績 |
目標 |
|
|
10.3% |
|
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5)提供価値向上への人・組織の強化
当社では、1984年から40年続く9か月間の新入社員研修(ミルボンパーソン・フィールドパーソン研修+部門別研修)をベースに、価値を提供する「人材」の育成に力を入れ続けております。2024年12月には、当社社員が入社から定年退職まで生涯学び続ける風土づくりの拠点となる、小田原人材開発センターの研修等が完成し、2025年から次期リーダ―育成を目的とした研修の実施が始まるほか、秋入社社員を対象とした新入社員研修でも活用する予定となっております。
また、ヘアカラーを起点とした感動の連鎖の創造(高価値提案)に向けた営業体制の再構築、顧客体験価値の創造・継続、グローバルでの社員研修開発に繋がるプロジェクトの継続、ミルボン流マネジメント体系化プロジェクトの発足など、美容師からの支持率No.1の体現に向けた挑戦を続けていきます。
(5)水資源に関する取り組み
①水資源に関する基本的な考え方
当社では、主力であるヘアケア用剤をはじめとして、多くの製品において水を使用しており、お客様が製品を使用される際にはすすぎを必要とするなど、事業活動のあらゆる場面で水は切り離せない存在であると認識しております。水資源の保全においては、各事業地域の水ストレスの詳細把握や、節水、循環利用などの有効活用に努め、積極的な保全活動を推進していきます。
2024年現在においては、ミルボングループのなかで水資源の利用が最も多い当社基幹生産拠点であるゆめが丘工場において、取水・排水量の把握、所在地域における水ストレスの調査、保全活動の推進を行っております。
今後は、連結子会社の生産拠点をはじめ、国内外の事業拠点を含めたグループ全体の取水・排水量の把握や所在地域ごとの水ストレス調査及び対応策の検討に努めていきます。
②水資源に関する具体的な取り組み
・ゆめが丘工場における水ストレス調査
2023年にゆめが丘工場における水ストレスの調査を実施しました。調査の結果、ストレス度は「低(Low)」と判定されています(Aqueduct Country RankingにおけるBaseline Water Stressを用いて評価)。
今後は、国内だけでなく、タイや中国などの海外工場においても、水ストレス調査を実施する予定です。
・水消費量削減の取り組み
ゆめが丘工場において、環境負荷軽減の観点から2021年に新たな純水装置を導入しました。以前の装置と比較して純水の回収率が20%向上したことで、製造に使用する純水の使用量が2022年の1年間で昨年対比約2,000m³の削減を実現しました。その後、生産設備部品の洗浄をより効率的、効果的に改善させることを目的として2023年に新たに部品洗浄機を導入しました。手洗浄と比較し、洗浄力の向上、節水及び洗浄時間の短縮に繋がり、生産性の向上と合わせ、水使用量の削減を実現いたしました。
・排水への配慮
ゆめが丘工場では、公害を未然に防止し、地域住民の健康と生活環境の保全を目的とした環境保全協定を伊賀市と結んでおります。毎月、放流水が協定で定められた規制値内の値であるかの分析を第三者機関へ依頼しております。日常点検においては自社で検査を行い、規制値を下回る状態を維持するための取り組みを行っております。こうした対応のもと、河川放流と同等の処理基準をクリアした状態で下水への放流を行っております。
・排水経路の水質調査
ゆめが丘工場がある三重県伊賀市において、市民団体「魚と子どものネットワーク」とともに、工場で使用した水が海へ至るまでの直接的な排水経路となっている、久米川及び木津川の水質調査活動を行っております。2023年及び2024年に行ったパックテストによる調査の結果では、久米川及び木津川の水質は化学的酸素要求量(水中に含まれる有機物による汚濁を測る指標)測定において数値に異常がないことを確認しました。
今後も、環境保全協定に基づき、地域とともに本調査をはじめとした環境負荷軽減に向けた活動に取り組んでいきます。
③水資源に関する取り組みの指標(KPI)及び目標
2024年に水使用量削減目標を設定し、2026年までに国内生産拠点のゆめが丘工場において、水使用量原単位(水使用量(㎥)/ 生産量(t))を2021年対比4%以上の削減を維持することを目指します。
(水使用量原単位の実績)
|
|
2021年(基準年度) 実績 |
2023年 実績 |
2024年 実績 |
2026年 目標 |
|
ゆめが丘工場 |
4.900 |
4.665 |
4.366 |
2021年対比4%以上の削減を維持 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクを、以下のとおりリスクマップとして抽出し、分析しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。
(1)リスクマネジメントの考え方と体制
当社グループでは、経営理念の実現及び事業継続に多大なる負の影響を及ぼす事項を「リスク」と定義し、これの発生可能性を低減すること、及びリスクが顕在化し危機発生した場合の損害の拡大を防止し、当社グループの企業価値を向上することをリスクマネジメント基本方針と定め、リスクマネジメントの推進体制や仕組みの整備・改善に取り組んでおります。
この方針に基づいて、各部門及び子会社は、当社グループで発生しうるリスクをまとめた「リスク事項一覧表」の見直しを行い、また業務の遂行によって発生した事象を把握・対応し、社内取締役、常勤監査役及び執行役員から構成される経営会議にて四半期毎に報告しております。当連結会計年度においては主に、物流コスト高騰への対応、事業投資効率の評価・モニタリングフローの整備、商品及び当社グループのブランド価値向上について、管理部及び各部門が連携し、これらのリスク低減のための体制の整備、ルールの明確化及び改善を行い、また社員に対するコンプライアンス研修(倫理行動指針、メンタルヘルスやハラスメント、著作権及び肖像権)などの活動を実施しました。
また、当社グループは、代表取締役社長を委員長とし、社内取締役、常勤監査役及び執行役員を委員とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、原則として年3回開催することとしております。この委員会では、当社グループを取り巻くリスクのうち、重要度と優先度、リスクの顕在化可能性や時期、中期事業構想の達成を阻害する可能性と影響度等を踏まえ、特に全社で対応を進めるべきリスクである「全社リスク」を特定し、リスクマネジメント委員会の委員の中から各全社リスクの責任者を選任し、対策を進めております。全社リスクの対応における進捗等は、リスクマネジメント委員会より、半期に一度、取締役会に報告し、同委員会が取締役会の監督・モニタリングを受ける体制を整えております。
(2)リスクの抽出と分析
当連結会計年度においては、当社グループ重要リスクカテゴリを影響度と発生可能性でマッピングしたリスクマップについて、社内取締役、常勤監査役及び執行役員が議論を行い、改定を実施しました。2024年12月時点におけるリスク評価と全社リスクは下記のとおりであります。なお、リスク評価は一般的指標に基づくものではなく、当社グループにおける状況から独自に評価したものであります。改定したリスクマップ及び部門長に実施したリスクアンケートに基づき、当連結会計年度末開催のリスクマネジメント委員会において決定された、「地政学」、「品質管理」、「販売戦略(特にブランド保護、当連結会計年度から継続)」の3カテゴリを2025年度全社リスクとして決定し、引き続き全社でリスク低減活動を推進していくこととしております。
(影響度の目安)
|
レベル |
レベルの意味 |
(定量的)売上への影響 |
(定性的)影響範囲 |
|
大 |
重大な影響 |
1%以上の影響がある |
社会全体 |
|
中 |
中程度の影響 |
1%未満の影響がある |
業界・関係者 |
|
小 |
軽微な影響 |
ほとんど影響がない |
社内のみ |
(発生可能性の目安)
|
レベル |
発生時期 |
|
大 |
1年以内に発生する可能性がある |
|
中 |
3年以内に発生する可能性がある |
|
小 |
5年以内に発生する可能性がある |
なお、下記のとおり、当連結会計年度においては、2023年度まで使用しておりました当社グループ重要リスクカテゴリの見直しを行いました。リスクマネジメント事務局が主体となり、従来から取り組んできたリスクを網羅しつつ、複雑化していた各カテゴリの定義を明確化するとともに、社内外の環境変化に合わせてリスクカテゴリを統合しました。2025年度以降は新たな当社グループ重要リスクカテゴリを使用してリスクの抽出と分析を行うことで、前年度対比や中長期間に渡るリスク発生可能性、影響度の変化を掴み、さらなるリスクの低減を目指してまいります。
(3)全社リスク
当連結会計年度において、当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があり、特に全社で検討すべきとして、リスクマネジメント委員会にて決定され対策を検討した全社リスクは以下のとおりであります。
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1)物流コストの上昇 |
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重要リスクカテゴリ:原材料・資材・物流コスト上昇 |
影響度:大 |
発生可能性:大 |
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(リスク内容と影響) 当社グループは、当社顧客に対して、製品の安定的な供給を持続することを目指しております。しかし、地政学的リスク、為替の変動、物流にかかる人件費の高騰等の影響により、物流費のコスト上昇が製品の安定的な供給の持続性及び既存運送体制の継続性に影響を与えている状況です。 |
||
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(対応) 物流業界の変化、物流費の高騰、物流量の制限等、物流に関わる様々なリスクの洗い出しと整理を行うとともに、物流ルート別の顧客ニーズや物流会社のサービスレベルを把握することで、社会情勢に合わせたサービスの最適化を進めました。当社顧客の注文回数等を分析し、可能な限り配送をまとめた場合の運用方法とコスト試算、送料の再検討を行い、それら物流網やサービスレベル、配送方法の見直しを進めるとともに、梱包資材や包装形態も工夫することによって、今後も継続して、コスト削減と環境への負荷軽減も目指してまいります。 |
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|
2)事業投資 |
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重要リスクカテゴリ:事業投資 |
影響度:中 |
発生可能性:中 |
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(リスク内容と影響) 国内外における事業への投資は事業の収益性や経営戦略に合致した成長投資の推進が重要ですが、投資判断時のプロセスが不明確であることや、投資判断時に想定していなかった市場環境や経営環境の変化により、当初計画から大きく乖離することで、減損損失が生じ、当社業績に影響を及ぼす可能性が考えられます。 |
||
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(対応) 企画、投資計画作成、内容審議、投資決定からその後の評価といった、事業への投資に関わるプロセスをフロー化するとともに、どの部門がどのプロセスに責任を持つかを明確化し、企画段階においては、事業投資時の判断項目に金額要件を追加、評価段階では投資経営計画から5年経過ごとに計画を見直し、投資対効果の計画値と実際値の乖離率が一定以上になった時点で投資計画自体を見直す方針などを新たに定めました。また、海外事業投資においては、進出国の様々な状況を調査し、それに合わせて投資計画を立案し、進出国個別の状況や投資対効果を分析したうえで、事業継続の判断を行ってまいります。 |
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3)ブランド保護 |
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重要リスクカテゴリ:販売戦略 |
影響度:大 |
発生可能性:中 |
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(リスク内容と影響) 当社グループ製品の模倣品流通や契約外販路における非正規流通、当社国内向け製品が海外へ非正規に輸出されることによって輸出国及び輸出地における化粧品規制等への違反が発生し、結果的に当社ブランドや製品ブランドの価値が棄損されかねない状況です。 |
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(対応) 当社ブランド及び製品ブランドの保護を目的として、関係部門と連携しながら、美容師による対面カウンセリングを行う美容室専売品としての価値を改めて訴求する為に、当社グループ社員だけではなく当社顧客やその他ステークホルダーに対しても定期的かつ効果的な情報発信を行うとともに、当社ブランド及び製品ブランドの保護に対する当社グループとして統一されたポリシーの策定や対応指針の検討を行いました。今後も継続した取り組みを行い、当社ブランド及び製品ブランドの保護を推進し、各国地域の化粧品規制を遵守した安心かつ安全な商品をお客様に届けてまいります。 |
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
①売上高及び売上総利益
当連結会計年度の連結売上高は513億16百万円(前期比7.4%増)となりました。この主な要因は、国内において、ヘアケアのプレミアムブランド「オージュア」、プロフェッショナルブランド「エルジューダ」が堅調に推移したことによるものです。また、高付加価値カラーメニューの提案により、「ヴィラロドラ」の導入店舗が増加したことで、国内ヘアカラー売上に回復の兆しが見えたこと、髪と眉のトータルカラー提案により、化粧品ブランド「アイエム」の新製品が計画以上の売上を達成するなど、2024年度に実施した新たな施策も売上伸長に貢献しました。海外においては、韓国におけるヘアケア・パーマ市場の活動強化による増収及び染毛剤売上の回復が続いたことで高い成長率を維持し、海外売上の成長を牽引しました。
②販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は257億58百万円(同7.3%増)、営業利益は68億39百万円(同23.8%増)となりました。この主な要因は昨年実施したドライヤーの在庫評価損の反動により売上総利益率が向上したほか、販管費のコントロールや増収に伴う販管費率低下により、利益水準が回復したことによるものであります。
③営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は1億71百万円、営業外費用は42百万円となりました。この結果、経常利益は69億68百万円(同24.7%増)となりました。
④特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は19百万円、特別損失は19百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は50億17百万円(同25.4%増)となり、1株当たり当期純利益金額は154円12銭となりました。
連結品目別売上高、国内海外別売上高及び生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
(連結品目別売上高)
|
(単位:百万円) |
|
品目 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率(%) |
||
|
金額 |
構成比(%) |
金額 |
構成比(%) |
|||
|
ヘアケア用剤 |
28,355 |
59.4 |
31,324 |
61.1 |
2,969 |
10.5 |
|
染毛剤 |
16,953 |
35.5 |
17,200 |
33.5 |
247 |
1.5 |
|
パーマネントウェーブ用剤 |
1,463 |
3.0 |
1,547 |
3.0 |
83 |
5.7 |
|
化粧品 |
571 |
1.2 |
868 |
1.7 |
296 |
51.9 |
|
その他 |
418 |
0.9 |
375 |
0.7 |
△42 |
△10.1 |
|
合計 |
47,762 |
100.0 |
51,316 |
100.0 |
3,553 |
7.4 |
(国内海外別売上高)
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率(%) |
||
|
金額 |
構成比(%) |
金額 |
構成比(%) |
|||
|
国内売上高 |
36,502 |
76.4 |
38,684 |
75.4 |
2,182 |
6.0 |
|
海外売上高 |
11,260 |
23.6 |
12,631 |
24.6 |
1,371 |
12.2 |
|
合計 |
47,762 |
100.0 |
51,316 |
100.0 |
3,553 |
7.4 |
(生産、受注及び販売の実績)
①生産実績
当連結会計年度の品目別内訳を示すと、次のとおりであります。
|
(単位:千円) |
|
品目 |
当連結会計年度 (自 2024年 1月 1日 至 2024年12月31日) |
増減率(%) |
|
ヘアケア用剤 |
35,405,609 |
12.3 |
|
染毛剤 |
16,867,638 |
5.6 |
|
パーマネントウェーブ用剤 |
1,602,625 |
1.3 |
|
その他 |
683,841 |
48.9 |
|
合計 |
54,559,714 |
10.2 |
(注)金額は販売価格で表示しております。
②受注実績
当社グループは見込み生産を行っておりますので、該当する事項はありません。
③販売実績
当連結会計年度の品目別内訳を示すと、次のとおりであります。
|
(単位:千円) |
|
品目 |
当連結会計年度 (自 2024年 1月 1日 至 2024年12月31日) |
増減率(%) |
|
ヘアケア用剤 |
31,324,151 |
10.5 |
|
染毛剤 |
17,200,898 |
1.5 |
|
パーマネントウェーブ用剤 |
1,547,204 |
5.7 |
|
化粧品 |
868,261 |
51.9 |
|
その他 |
375,898 |
△10.1 |
|
合計 |
51,316,414 |
7.4 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年 1月 1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年 1月 1日 至 2024年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社トピー商事 |
5,199 |
10.9 |
5,781 |
11.3 |
|
株式会社ガモウ |
3,947 |
8.3 |
4,384 |
8.5 |
|
株式会社MASS-HD |
3,310 |
6.9 |
3,575 |
7.0 |
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して55億7百万円増加の588億99百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末と比較して47億57百万円増加の309億35百万円となりました。主な変動要因は、現金及び預金が24億92百万円、受取手形及び売掛金が6億92百万円、商品及び製品が8億76百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末と比較して7億49百万円増加の279億63百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末と比較して26億40百万円増加の92億8百万円となりました。主な変動要因は、未払金が8億80百万円、未払法人税等が8億18百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して17百万円減少の8億73百万円となりました。
純資産は前連結会計年度末と比較して28億84百万円増加の488億17百万円となりました。主な変動要因は、利益剰余金が21億53百万円、円安により為替換算調整勘定が8億65百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の86.0%から82.9%となりました。期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,411円56銭から1,499円20銭となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べて24億86百万円増加し、137億78百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は76億25百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益69億68百万円の計上、減価償却費22億89百万円、売上債権の増加額6億46百万円、棚卸資産の増加額10億53百万円、法人税等の支払額11億12百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は25億31百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出21億94百万円、無形固定資産の取得による支出3億46百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は28億62百万円となりました。これは主に株主さまへの配当金支払額28億61百万円によるものであります。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。
連結財務諸表の作成に際し、決算日現在における資産・負債の報告事項及び偶発債務の開示並びに連結会計期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。ただし、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
(5)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
(6)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備投資需要であります。
運転資金需要のうち主なものは、当社グループの原材料の仕入れ等の製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。また、設備投資需要につきましては、主に新拠点設立、既存拠点の移転・増強、生産設備の取得等に伴う固定資産の購入によるものであります。なお、一般的な余剰資金の運用につきましては、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行っております。
(7)経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課
題等(1)経営方針」に記載しております。
2024年度の実績につきましては、売上高513億16百万円(目標比1.4%増)、営業利益68億39百万円(同3.6%増)、経常利益69億68百万円(同6.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益50億17百万円(同7.9%増)となりました。
2025年度の目標につきましては、売上高542億50百万円(前期比5.7%増)、営業利益70億円(同2.3%増)、経常利益70億円(同0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益52億円(同3.6%増)を計画しております。
2024年度の計画、実績及び2025年度の計画につきましては以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
2024年度 計画 |
構成比 (%) |
2024年度 実績 |
構成比 (%) |
増減額 |
増減率 (%) |
2025年度 計画 |
構成比 (%) |
|
売上高 国内 海外 |
50,620 38,620 12,000 |
100.0 76.3 23.7 |
51,316 38,684 12,631 |
100.0 75.4 24.6 |
696 64 631 |
1.4 0.2 5.3 |
54,250 40,850 13,400 |
100.0 75.3 24.7 |
|
売上総利益 |
32,400 |
64.0 |
32,597 |
63.5 |
197 |
0.6 |
35,000 |
64.5 |
|
販管費 |
25,800 |
51.0 |
25,758 |
50.2 |
△41 |
△0.2 |
28,000 |
51.6 |
|
営業利益 |
6,600 |
13.0 |
6,839 |
13.3 |
239 |
3.6 |
7,000 |
12.9 |
|
経常利益 |
6,560 |
13.0 |
6,968 |
13.6 |
408 |
6.2 |
7,000 |
12.9 |
|
親会社株主に 帰属する 当期純利益 |
4,650 |
9.2 |
5,017 |
9.8 |
367 |
7.9 |
5,200 |
9.6 |
中期事業構想につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題(2)中期事業構想(2022-2026)」に記載しております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。
当社グループは、顧客から支持されるヘアデザイナーなど、高い美容のノウハウを持つ方に、顧客の代表として参画していただく「TAC製品開発システム」という仕組みで製品開発を行っております。ヘアデザイナーのデザインづくりなど、感性的な美容のノウハウを科学的な手法で解明し、製剤化技術によって製品に反映させることで製品を創り出しております。
当連結会計年度におきましては、基礎・基盤研究に注力することでヘアケア分野を強化し、サステナビリティの観点から環境に配慮した研究開発活動に取り組みました。日本・米国・中国・タイの4拠点において、連携体制を強化したグローバルな研究開発にも取り組んでおります。また、2023年12月より長期的な視点での製品・サービス開発に向けた新たな研究拠点として、東京・羽田に「イノベーションセンター」を開設しました。他社協業、産官学連携などの推進や、最先端の研究技術を活用する場として、将来の事業の芽となる機密性の高い研究を推進していきます。
今後は、変化の早い市場ニーズにいち早く対応するため、海外市場に向けては、従来の日本発のグローバル製品に加えて、各地の特性に合わせたローカル製品の開発に取り組み、世界の美容師、その先の顧客に喜ばれる製品を創り出したいと考えております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1)ヘアケア分野
最新の毛髪研究成果と革新的な製剤開発技術の融合によってサロン品質を実現し、美容師の施術によって悩みを本質的に解決するサロンケア製品と、お客様の価値観やライフスタイルに合わせた美しい髪の実現を提案するホームケア製品の開発に取り組んでおります。
プレミアムブランドの「オージュア」からは、先端のスカルプ知見と確かな実感効果を兼ね備えた「オージュア プレセディアライン」、ミルボンのタンパク質科学の知見と製剤化技術を活用したオージュア初のボディケアシリーズとして「フェリアージュライン」を発売。「ミルボン」からは幅広いヘアカラー顧客の褪色悩みに対応した「カラープリザーブシリーズ」、サブブランドである「ミルボンアンド」から2種類の香りの追加アイテムを発売いたしました。
プロフェッショナルブランドからは、くせとうねりのある髪をまとまりやすい髪へ導く「エルジューダ フリッズフィクサー」、エイジング×カラーダメージ毛を根元はふんわり、毛先はさらっとおさめる「グランドリンケージ エクスフィーク」、ヘアアイロン前に使用することでサラサラとしたレイヤースタイルを実現し、カールも持続する「ミインカール スムースシアー プライマー」を発売しました。
「ヴィラロドラ」からは、睡眠時間を有効活用し、髪にうるおいしみ込む「ヴィラロドラ プロフェッショナル デレクタス ナイトスリープミルク」を発売しました。
また、オーガニックやエシカルに興味がある顧客に向けて、髪と頭皮に効果のある植物由来成分や環境負荷の少ないパッケージなどを採用した「プジョリ」を発売しました。
エルミスタからは髪質別に選定できる2種類の美容液「エルジューダ エアコンク」を発売いたしました。
(2)ヘアカラー分野
顧客に新たなヘアカラーデザインを提供する追加アイテムの開発と、最新の毛髪研究成果に基づいた付加価値の高い製剤開発に取り組んでおります。
ヘアカラーブランド「オルディーブ」から、光に透ける透明感を表現し肌映えとグレージュを両立した3色相、全30色の「シェルライン」を発売しました。「オルディーブ アディクシー」からは、待望の暖色系ラインとして、奥行きある暖色で褪色過程までオレンジをかき消すボルドールビーとスモーキーアンバーの2色相、全10色を発売しました。
また「ヴィラロドラ」からは、ブラウン味を抑えた鮮やかな色味表現を叶える「ヴィラロドラ カラー パレット」にヘアカラーデザインの表現幅を広げるカーキとカシスピンクの2色相、全7色を発売しました。
(3)ビューティヘルスケア分野
ビューティライフケア戦略における重点分野の一つであり、顧客の健康的で美しい生活を支えるビューティヘルスケア商品について、臨床研究などによる安全性と効果を確認しながら開発に取り組んでいます。
「生命エネルギーの根源物質」とも呼ばれる5-ALAに、血流量を高め肌温度の回復を助けるクロロゲン酸を組み合わせることで、髪と肌の美しさの土台づくりをサポートするパーソナル対応型ビューティサプリメント「ラシカル」を発売しました。
(4)基礎研究分野
最先端の研究を製品開発に応用するため、毛髪や細胞をナノレベルで観察できる大型放射光実験施設「SPring-8」の利用や、大学との共同研究を積極的に進めております。これらの成果は、「オージュア」や「ミルボン」などの新製品開発に活かされております。今後、お客様に喜ばれ続ける製品を連続的に創造すべく、最先端の研究を製品開発に応用していきたいと考えております。
(5)イノベーション研究分野
ビューティプラットフォーム構想の実現に向け、ヘア領域の深化だけでなく、研究開発における他分野の知見の獲得及び独自性を持った他企業との機密性の高い研究など、中長期的な視点での製品・サービス開発に向けた、当社のイノベーションにつながる研究を推進しております。
(6)その他の研究開発
環境に配慮した研究開発活動として、2030年目標石油由来バージンプラスチック使用量30%削減目標に対し、4R(Reduce、Replace、Reuse、Recycle)の取り組みを実施しております。
新製品では、ポンプ付きボトルと詰め替えパウチ仕様の採用により、ボトルの継続使用を推進しております。
さらに、詰め替えパウチのキャップ小型化、キャップレスパウチへの切り替え及びボトル成型方法の変更で品質を維持したままプラスチック使用量の削減に取り組みました。これらの取り組みは2024年度の新製品と既存製品に順次展開しております。