第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは世界最高のゲーム会社を目指しています。新規のゲームタイトルにおいては楽しくて、独創的で他のゲームと異なる高品質なゲームを提供すること、既存ゲームタイトルにおいては、魅力的なコンテンツアップデートとユーザーを満足させるゲーム運用を通じて、ユーザーに長期間にわたり継続的にゲームプレイを楽しんでもらうことを当社の基本方針としております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループが重視している経営指標は、売上収益及び営業利益であります。売上収益及び営業利益を継続的に成長させることにより、企業価値の向上を実現してまいります。

 

(3) 経営環境

当社グループは、マルチプレイヤー・オンラインゲームにおけるグローバルリーダーです。強固なファンベースを有する人気タイトルを制作し、業界トップクラスのライブ運用力を通じて、これらを長期間にわたって成長させてきました。多様なタイトルで構成されるポートフォリオを強固で安定的な収益基盤としております。

現在、世界のエンターテインメントの中心は、リアルの世界に根ざしたエンターテインメントからバーチャルのエンターテインメントへ、また受動的な体験から参加型の体験に移行しております。この構造的な変化に加えて、モバイル技術の飛躍的な進歩により、当社の得意とするマルチプレイヤー・オンラインゲームを高性能PCやコンソールのみでなく、モバイル端末でも提供できるようになりました。そのため、当社の潜在的市場規模は高性能PCを保有するゲームプレイヤー数億人から、モバイル端末を保有する世界数十億人規模にまで拡大いたしました。こうしたことを背景に、当社最大の強みであるマルチプレイヤー・オンラインゲームに対する需要が世界中で高まっており、今後この動きは益々加速していくと考えております。さらに、この分野において、面白いゲームを作り、持続的に成長させる運用力を持つ企業は世界でも非常に稀なため、この状況を大きなチャンスとして捉えております。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

このような経営環境の中、売上収益と営業利益を持続的に成長させていくため、当社IPを軸とした未来成長戦略を策定しました。当戦略は、大ヒットIPをより成長させる垂直方向への成長と次世代の大ヒットIPを育成する水平方向の成長の二軸で構成され、これらを同時に推し進めることで大ヒットIPを複数有する会社に成長させることを意図しております。

以上を踏まえ、以下の事項を対処すべき課題として取組んでいく方針であります。

 

① 当社IPを垂直方向及び水平方向へ成長させ、自社IPを拡張する

当社グループは、世界中に何億人ものファンを有し、また、世界的大ヒット映画やゲームのシリーズと並ぶ、又はそれらを超える規模のゲームIPを複数保有しております。これらのタイトルは、ユーザーに楽しんでいただける魅力的かつ継続的なコンテンツアップデート及び業界トップクラスのライブ運用を通じて長期にわたり成長し、安定的な売上収益を創出しております。特に『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)『メイプルストーリー』(MapleStory)『EA SPORTS FC™』の三大フランチャイズを成長させることで、安定的な収益基盤を更に強固なものとし、三大フランチャイズから生み出される売上収益及びキャッシュ・フローをもとに、次世代の大ヒットIP創出へ投資することで柱となる大ヒットIPを増やしてまいります。大ヒットIPをより成長させる垂直方向への成長と次世代の大ヒットIPを育成する水平方向の成長の具体的な施策については以下のとおりであります。

 

イ. 大ヒットIPの活用による垂直方向の成長

当社事業の柱である『メイプルストーリー』(MapleStory)、『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)及び『EA SPORTS FC™』の三大フランチャイズをより大きく、より長期的に成長させることを、垂直方向の成長と定義しております。これら三大フランチャイズのライブサービスに注力するだけでなく、以下の四点を具体的な施策としてこれらIPを雪だるま式に成長させてまいります。

(a) 既存IPを基にした新規タイトルの展開

(b) プラットフォームの拡大

(c) 新しい市場への進出

(d) ハイパーローカライゼーション戦略

 

ロ. 次世代の大ヒットIPの育成による水平方向の成長

三大フランチャイズから生み出される売上収益及びキャッシュ・フローをもとに、次世代の大ヒットIP創出へ投資することで、『マビノギ』(Mabinogi)や『ブルーアーカイブ』(Blue Archive)などの当社グループのその他のゲームフランチャイズや、『ARC Raiders』など現在開発中の新規IPを、三大IPに続く四つ目、五つ目の柱となるよう育成することで、水平方向の成長を実現してまいります。

 

② サステナビリティに関する取組

当社は世界最高のゲーム会社を目指し、新規のゲームタイトルにおいては楽しくて、独創的で他のゲームと異なるゲームを提供すること、既存のゲームタイトルにおいては、魅力的なコンテンツアップデートとユーザーを満足させるゲーム運用を通じて、ユーザーに長期間にわたり継続的にゲームプレイを楽しんでもらうことを基本方針としております。そのような基本方針のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために、サステナビリティに関する各種課題への適切な取組を経営の重要課題の一つとしてとらえております。

そのため、当社は持続可能性の観点から企業価値を向上するため、サステナビリティ推進体制を強化しており、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は当社グループの持続可能性に関する様々なテーマについて主要なリスク及び機会を監視・管理し、戦略の策定、取組の決定を行っております。サステナビリティ委員会で決定した戦略や取組は、取締役会に定期的に報告され、その監督を受けております。

サステナビリティ委員会が、中長期的な観点から当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえて、優先的に対応すべきリスクと機会を検討した結果、主に気候変動、人的資本、知的財産権(IP)の三つの項目を当社グループの重要なサステナビリティ課題として認識し、戦略及び取組を設定しております。

当社グループのサステナビリティに関する取組につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは世界最高のゲーム会社を目指し、新規のゲームタイトルにおいては楽しくて、独創的で他のゲームと異なるゲームを提供すること、既存のゲームタイトルにおいては、魅力的なコンテンツアップデートとユーザーを満足させるゲーム運用を通じて、ユーザーに長期間にわたり継続的にゲームプレイを楽しんでもらうことを基本方針としております。そのような基本方針のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために、サステナビリティに関する各種課題への適切な取組を経営の重要課題の一つとしてとらえております。

 

(1) ガバナンス

当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上するため、サステナビリティ推進体制を強化しております。当社は2024年12月10日付で、取締役会の諮問機関として代表取締役最高財務責任者 植村 士朗が委員長を務めるサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、代表取締役最高財務責任者 植村 士朗のほか、社外取締役(監査等委員)本多 慧及び社外取締役(監査等委員)国谷 史朗を含む委員6名で構成されております。サステナビリティ委員会は当社グループの持続可能性に関する様々なテーマについて主要なリスク及び機会を監視・管理し、戦略の策定、取組の決定を行っております。サステナビリティ委員会で決定した戦略や取組は、取締役会に定期的に報告され、その監督を受けております。また、サステナビリティ委員会の下部組織としてサステナビリティ事務局を設置しており、法務、経理財務、人事等の関連部署と協力して当社グループにおけるサステナビリティ方針及び戦略に沿った取組を実施しております。

 

(2) リスク管理

サステナビリティに係るリスク及び機会に関しては、サステナビリティ委員会がサステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、管理しております。そのうえで、優先的に対応すべきリスクと機会の絞り込みについては、中長期的な観点から当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえてサステナビリティ委員会の中でより詳細な検討を行います。

サステナビリティ委員会は、企業におけるサステナビリティに係る開示ガイドラインを示すSASB (Sustainability Accounting Standards Board)等の基準を参考に、当社グループが取組むべきリスクと機会を識別し、その重要性を鑑みたうえで、以下の項目を重要なサステナビリティ課題として認識し、戦略及び取組を設定しております。サステナビリティ委員会で決定した戦略や取組は、取締役会に定期的に報告され、その監督を受けております。また、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応状況についても、サステナビリティ委員会においてモニタリングされ、その内容は取締役会へ報告されます。

 

重要項目

リスク

機会

気候変動

・温室効果ガス排出に関する規制強化等に伴う費用及び投資の増加(移行リスク)

・自然災害に伴う資産価値の損失及び資源の枯渇(物理的リスク)

・環境に配慮した活動による企業イメージの向上

・エネルギー削減施策によるコスト低減

人的資本

・人材の多様性が不足することで生じる課題や業務効率の低下

・人材育成に関する投資の拡大

・多様性を重視した人的資本の活用により、創造的なアイディアが生まれる業務環境を実現

・人材育成への投資を拡大することで、従業員のモチベーションを向上させる

IP(知的財産権)

・IP創出における競争の激化

・IPの創出、取得、管理への投資の増加

・IPの継続的な活用によるビジネス機会の拡大

・新規IPの創出を通じたブランド価値の向上

 

 

(3) 気候変動

当社グループでは、中長期的な視点で気候変動がバリューチェーン全体に及ぼす影響やもたらす機会を的確に見極め、適切に対応する必要があると考えております。その一環として、温室効果ガスの削減目標を設定し、気候変動が経営に与えるリスクと機会を分析したうえで、最適な対策を講じることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

① 戦略

当社グループでは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、(1)低炭素経済への移行に伴うリスクと(2)気候変動による自然災害などがもたらす財産損失等の物理的リスクを把握し、これらに対応するための戦略を策定・推進しております。今後も気候変動の影響を定期的に評価し、必要に応じて当社グループ全体の戦略、指標、目標に適切に反映するとともに、関連情報の開示を積極的に行ってまいります。

 

(ⅰ) 主要な設備における使用エネルギーの削減

気候変動に伴う自然災害の発生は、NEXON Korea Corporationの社屋を含む当社グループの主要設備に対し、多額の損失や復旧費用の発生、サービスの中断による事業運営への支障などのリスクをもたらします。当社グループでは、こうしたリスクに対応するため、主要設備で排出される温室効果ガスを削減し、使用エネルギーを抑制する方策を検討しております。具体的には、GHGプロトコルに基づいて算定が必要な活動を特定し、主要設備から排出される温室効果ガスの把握・管理を進めております。

 

(ⅱ) 再生可能エネルギーの活用

脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーへの移行を通じて環境負荷を低減するため、温室効果ガス排出量の削減に取組んでいます。その一環として、太陽光パネルの設置や電気自動車への移行など、再生可能エネルギーの利用割合を拡大するための施策を検討しております。

 

(ⅲ) エネルギーの再利用による費用の削減

当社グループでは、気候変動がもたらす機会の一つとして、省エネルギーによるコスト削減を目指すため、水資源と廃棄物の再利用に取組んでいます。また、水資源の取水量及び再利用量、並びに廃棄物の廃棄量及び再利用量の変動を継続的に把握・管理し、さらなる改善に努めてまいります。

 

(ⅳ) 環境教育の実施及び環境負荷軽減への取組

当社グループでは、気候変動への取組みとして、環境と調和した企業活動の推進が、将来の脱炭素化社会に対する適応力を高めるとともに、企業イメージの向上につながる好機であると認識しております。これに向けて、従業員を対象とした環境教育の実施、使い捨てカップの使用量削減、退勤時の事務機器の電源オフ、不要なEメールの削除など、環境負荷の軽減に向けた取組みを進めております。

 

(ⅴ) データセンターにおけるエネルギー消費量の削減

当社グループの主な事業は、PCオンラインゲーム及びモバイルゲームの制作・開発・配信であり、一般的な製造業と比べるとエネルギー消費量はそれほど大きくないと考えられます。一方で、データセンターにおけるエネルギー消費割合が高いことから、当社グループではGHGプロトコルに基づいて温室効果ガス排出量を把握し、データセンターでのエネルギー消費量の削減に努めております。

 

② 指標及び目標

当社グループの気候変動に関する指標及びその実績は、以下のとおりであります。なお、気候変動に関する戦略をモニタリングするために、具体的な目標の設定を検討していることから、当該目標は記載されておりません。

 

 

・温室効果ガス排出量

指標

2023年度実績

2024年度実績

Scope 1 (tCO₂e)

141

147

Scope 2 (tCO₂e)

5,946

6,018

 

(注) 1. Scope 1については、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のガイドラインが提示した排出係数を適用し算定しております。

2. Scope 2については、各国の当局が定めるガイドラインに準拠して排出量を算定しております。

3. 上記の温室効果ガス排出量は、当社グループが所有する主要設備(社屋等)に関して算出したものであります。

 

(4) 人的資本

当社グループは世界中でオンラインゲームのサービスを展開しており、年齢や性別、国籍、障害の有無を問わず、各拠点で多様な人材活用を進めております。また、国境を跨いだ優秀人材の配置・活用を進めており、技術・ノウハウの横展開を通じて、グローバルレベルでの開発水準の底上げに取組んでおります。当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。

 

① 戦略

(ⅰ) 人材の多様性

当社グループは、高品質なゲームコンテンツを創造し、楽しい体験を提供するため、人材を重要な資本と考えております。そのため、従業員の個性と才能を尊重し、多岐にわたる分野で様々な人材を採用しております。また、外部からの採用に加え、ゲーム業界で活躍できる人材の発掘と育成にも力を入れております。韓国では、オンライン及びオフラインの採用説明会やゲーム制作サークルへの支援、産学連携プログラムを通じて、ゲーム業界に関心を持つ大学生を支援しております。これらの取組みを通じて、多様なバックグラウンドと経験を持つ人材を採用しており、その結果として、性別、年齢、国籍、宗教、LGBTQの有無、障害の有無に関わらず、多様な価値観、考え方、専門知識、経験を持つ人材が自己の個性と能力を発揮し、活躍できる環境を構築し、維持しております。

 

(ⅱ) 人材の育成

当社グループは従業員の成長を全面的に支援し、「クリエイティブな人材」の育成に注力しております。知識と能力の向上を目的とした教育支援に加え、創造力を刺激する文化芸術プログラムや、組織全体の成長を促す開発プログラムを提供しております。韓国における社内eラーニングシステムでは、従業員専用のオンライン教育プラットフォームを通じて、職務能力、リーダーシップ、経営学、新入社員教育を含む多様なコースを提供しております。さらに、クリエイティブな文化風土を育成し、創造性を高める目的で、社内の専用フォーラムでは文化芸術体験プログラムを実施しております。これらの多様な社内人材育成プログラムを通じて、従業員の個々の成長を促進し、結果としてユーザーに対してより高品質でクリエイティブなコンテンツを提供する基盤を築いております。

 

(ⅲ) 働きやすい職場環境

当社グループは、多様な人材が健康的に働ける職場環境を整えることに注力しております。特に韓国の従業員に対しては、個々の勤務パターンに合わせた柔軟な労働時間の選択が可能な制度を実施しております。さらに、ワークライフバランスを支援するため、韓国では社内託児所を自ら運営し、従業員の家庭と仕事の両立を積極的に支援しております。

 

② 指標及び目標

当社グループの人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標及びその実績は、以下のとおりであります。なお、かかる方針に関する戦略をモニタリングするために、具体的な目標の設定を検討していることから、当該目標は記載されておりません。

 

(ⅰ) 男女別従業員比率・管理職に占める女性従業員の割合(人材の多様性の確保)

指標

2023年度実績

2024年度実績

男女別従業員比率

男性65%・女性35%

男性66・女性34%

管理職に占める女性従業員の割合(注)

24%

23

 

(注)「管理職」とは、当社の場合はリーダー以上のライン管理職をいい、当社以外の連結子会社(全て海外法人)の場合は各社の組織や職務状況などを考慮し決定しております。

 

(ⅱ) 育児休業取得率(社内環境整備)

指標

2023年度実績

2024年度実績

男性従業員の育児休業取得率

4%

5

 

(注) 男性従業員の育児休業取得率は、当社及び当社グループの主要拠点である韓国所在の子会社を対象にしております。なお、当社グループの総従業員数のうち当社及び当該子会社の従業員数が占める割合は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ84%及び88%であるため、当該実績は連結ベースに近いものとなっております。

 

(5) 知的財産権 (IP)

当社グループはオンラインゲームの制作・開発・配信を行う企業として、現在のゲーム業界における競争の激化を深く認識しております。技術の進化に伴い新たな競争相手が絶えず市場に登場し、ユーザーの期待も日々高まっております。長年にわたる多様なIPの蓄積を活用して新しい事業機会を創出し、新規IPの開発を通じてブランド価値を向上させる努力を続けております。このような環境の中で、適切なIP投資と保護が持続可能な事業成長と中長期的な企業価値の向上に不可欠であると認識し、これを経営戦略の重要な課題として位置づけております。

 

① 戦略

(ⅰ) 既存IPの強化と拡大

当社グループは、自社の二大タイトル『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)と『メイプルストーリー』(MapleStory)を中心に、自社のIPを育成してきました。これらの既存ゲームを継続的に運営しながら、そのIPを活用した新作ゲームの開発を進め、ユーザーに新鮮なゲーム体験を提供するよう努めております。その一環として、『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)のIPをベースにした新作『The First Berserker: Khazan』、『Project OVERKILL』、及び『Project DW』を開発しております。また、ゲーム以外の分野でも自社IPを積極的に活用し、ビジネス機会を拡大しております。特に、『ブルーアーカイブ』(Blue Archive)、『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)、及び『メイプルストーリー』(MapleStory)のゲームストーリーを基にしたWeb漫画、Web小説、アニメーションを制作し、魅力的なストーリーラインとキャラクターで利用者を惹きつけ、IPの活用範囲を拡大しております。

 

(ⅱ) 新規IPの創造

当社グループは、「Big & Little」戦略を通じて、大規模プロジェクトと実験的な小規模プロジェクトを並行して進行し、多様なジャンルの新作ゲームを発表しております。Bigプロジェクトにおいては、『The First Descendant』(ルートシューター)、『NAKWON: LAST PARADISE』(エクストラクションRPG)、『Project DX』(MMORPG)、そして『ARC Raiders』(サバイバルシューター)など、複数のタイトルを開発しております。一方、Littleプロジェクトでは、自由な開発環境のもとで挑戦的かつクリエイティブなゲームを創出しております。特に、Mintrocket社(元はNEXON Korea Corporationの社内部門で、当連結会計年度に完全子会社として法人化)は、ハイブリッド・海洋アドベンチャーゲーム『デイヴ・ザ・ダイバー』(DAVE THE DIVER)を発売し、Steamでのグローバルローンチ後、累計販売本数500万本を突破いたしました。今後も新たなコンテンツのリリースを計画しております。

 

(ⅲ) 研究開発部門への投資

当社グループは次世代技術をリードするため、研究開発担当の新たな組織を設立し、技術革新への投資を強化しております。この取組みの一環として、2017年にゲーム開発における技術的な多様性と変化に対応し、独自の研究開発ニーズに応えるため「インテリジェンスラボ」というデータサイエンス研究組織を創設いたしました。現在、インテリジェンスラボは業界最大規模である700人以上のメンバーを擁し、ゲーム内機能の高度化はもちろんのこと、マシンラーニングやディープラーニングを活用した先進的なシステムの開発にも着手しております。これにより、ユーザーにより楽しいゲーム体験を提供するための環境を整え、積極的に研究開発活動を進めております。

 

(iv) IPの保護

当社グループは、自社IPの保護を図るため、特許や商標の出願を積極的に進めております。さらに、侵害行為への対策を強化し、第三者によるゲームコンテンツを含む各種IPの侵害が確認された場合には、迅速に対応し侵害要因を排除するための措置を講じております。

 

② 指標及び目標

当社グループは、世界最高レベルのIPを持続的に創出し維持する開発力と技術力を備えており、これを基盤にビジネス機会を拡大し、ブランド価値を着実に向上させております。当社は、今後も持続的な成長を目指し、IP創出への継続的な投資の重要性を認識しております。そのため、様々な指標及び実績を管理しておりますが、具体的な数値目標は設定しておりません。これは開発やリリースの状況によって目標値が頻繁に変動する可能性があるためです。

 

(ⅰ) 研究開発費

指標

2023年度実績

2024年度実績

研究開発費の金額(百万円)

24,618

24,944

研究開発費の割合(%)

(研究開発費÷売上収益)

5.8

5.6

 

 

(ⅱ) 特許登録件数

指標

2023年度実績

2024年度実績

新規登録件数

63

65

期末登録件数

330

385

 

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。

① 事業環境に関わるリスク

ⅰ) PCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲーム市場の成長性について

アジア地域におけるインターネット利用率の上昇や中国、欧州及び北米地域におけるブロードバンド普及率の拡大に伴い、インターネット市場は拡大していくことが予測されております。また、世界的に見ても、スマートフォンやタブレットの普及率は上昇していくことが予測されております。中でも当社グループが事業を展開しているPCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームの世界市場は拡大するものと当社では予測しております。

しかしながら、当社の予想どおりにPCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲーム市場が成長しない場合や、ゲームライセンス料の高騰、ゲーム開発期間の長期化による配信遅延や停滞が発生した場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

ⅱ) PCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲーム市場の環境について

当社はPCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームを主たる事業としております。PCオンライン事業の拡大に当たっては、ブロードバンド環境の普及によりインターネット市場が拡大していくことを事業展開の基礎条件として考えております。モバイルゲーム事業に関しては、今後も世界的にスマートフォンの普及は拡大し、モバイルゲーム市場も拡大していくものと見込んでおります。コンソールゲーム事業についても同様、世界的にゲームコンソールの普及が拡大し、コンソールゲーム市場も拡大していくものと見込んでおります。

しかしながら、今後新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ、インターネットや携帯電話利用料金の改定を含む通信事業者の動向など、当社の予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅲ) 新規参入や競合他社の存在について

当社グループの主要事業であるPCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲーム市場には、多くの競合企業が存在しております。

PCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームのみならず、PCパッケージゲーム、ソーシャルネットワーク向けのゲーム等さまざまなジャンルのゲームと競合しており、ソーシャルネットワークや動画及び音楽ストリーミングサービスの利用などゲーム以外のオンラインサービスともユーザーの時間を奪い合う競合関係にあります。これら競合するゲームやオンラインサービスをユーザーが利用する時間が増えた場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループといたしましては、長年のPCオンライン事業で培った経験、ノウハウやブランドをもとに、特色あるサービスやゲームタイトルの配信による競合他社との差別化を図り、継続的に魅力的で競争力ある新規PCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームタイトルの開発と配信を行うことによる安定的な新規ユーザーの獲得を通じて、市場における優位性の構築を推進してまいります。

しかしながら、競合他社との競争の激化や風評被害により、当社グループのPCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームのユーザー数が減少した場合やゲームコンテンツの配信遅延等が生じた場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅳ) 技術革新について

当社グループが事業展開しているPCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲーム市場は、インターネット環境やネットワーク技術に密接に関連しており、技術革新の速度が極めて速いことから、日進月歩でプログラム等が高度化するという特徴があります。

当社グループはそうした技術革新に合わせてサービスモデルの変更や新機能に対応したソフトウェア及びコンテンツの開発等を随時行ってまいりますが、想定外の新技術や競合他社が開発した新サービスにより、適時な対応ができない場合、当社グループが提供するサービスの競争力が相対的に低下し、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループのサービスに関わるリスク

ⅰ) 海外市場への進出について

当社グループは、日本、韓国、中国、米国等、世界各国でPCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームを配信又はライセンスを供与しており、当社グループの経営成績及び財政状態は、様々な国や地域、特に韓国や中国における政治的、経済的、地政学的状況の変化による影響を受ける可能性があります。

海外新規市場への進出を推進するに当たり、必要に応じて他社との業務提携、合弁会社の設立、M&A等を検討してまいりますが、その過程においてさまざまな不確実要素により遅延等が生じた場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅱ) 主要フランチャイズへの売上集中について

当社グループの売上収益においては、一部の主要フランチャイズへの依存度が高くなっており、2024年12月期では、『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)、『メイプルストーリー』(MapleStory)及び『EA SPORTS FC™』が連結売上収益のうち、一定の高い割合を占めております。当社グループは競争力のある新規ゲームタイトルの開発及び他社開発品のライセンスの授与又は買収によりポートフォリオの多角化を推進してまいりますが、ユーザー嗜好の変化、サーバー等システムにおける予期できない障害、知的財産に関わる紛争等が発生した場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅲ) 業績の季節変動及び事業特性について

当社グループが事業展開しているPCオンラインゲーム市場は、日本、韓国、中国、欧米など世界各地の年末年始や夏休み期間、大型連休及び旧正月などの祝祭日に売上収益が上昇する傾向があります。このような季節変動要因をゲーム・ユーザー数の変動要因のひとつと認識しておりますが、その変動が大きい場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅳ) PCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームのポートフォリオの拡充について

当社グループは、ユーザー数の増加に向けて、継続的に新規PCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームタイトルの開発によるポートフォリオの拡充を行っておりますが、新規開発が計画どおりに進まない可能性があります。また、他社が開発したPCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームタイトルのライセンスを受ける、又は買収することによるポートフォリオ拡充にも努めておりますが、計画どおりにPCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームタイトルを開発及び獲得できない場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅴ) 既存PCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームタイトルの更新について

当社グループは、既存PCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームタイトルをユーザーに継続的に利用してもらい製品のライフサイクルを伸ばすために、新規ストーリーの更新や定期的なエンターテインメント性の高いゲーム内イベントの開催等を行っております。

しかしながら、既存PCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームタイトルの更新や拡充が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅵ) サービス展開に伴うリスクについて

当社グループは、PCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームの開発を主に自社内で行うことで、独自の開発ノウハウを蓄積し、各国別に異なるユーザーの嗜好性の変化へ即時に対応できる柔軟な開発体制を構築しております。

しかしながら、何らかの事情により顧客ニーズの適時・的確な把握等が困難となり、既存ゲームタイトルにおける適切なサービスの拡充や嗜好性に合致した新規ゲームタイトルの開発に支障が生じる可能性は否定できません。そのような場合には、ユーザーに対する訴求力の低下を招き、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅶ) アイテム課金モデルについて

当社グループは、主にPCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームをユーザーが無料でプレイできる形式でサービスの提供を行っており、ユーザーがゲームを楽しむための仮想の服、アクセサリー、武器、その他アイテム等の販売に対して課金することで収益を得る事業モデルとなっております。当社グループといたしましては、ユーザーのアイテム購入のトレンドを分析することで、最適な収益モデルの構築に努めてまいりますが、異なる収益モデルを競合他社が開発し、それがユーザーに受け入れられる可能性は完全には否定できません。当社グループが新規モデルに対応できない場合には、ユーザーに対する訴求力の低下を招き、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅷ) 風評被害及び不正行為等について

当社グループの配信するPCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲームに関するユーザーの根拠の乏しい風説により、当社グループのレピュテーションが傷付くとともに業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、一部の悪質なユーザーが、当社グループ配信ゲーム内における、アイテム、キャラクター、換金性を持たない通貨等のコンテンツを不正な方法で入手して利用及び譲渡するといったリアル・マネー・トレーディング(注)と呼ばれる不正行為を行っていることが発覚しており、当社グループの米国子会社においてサーバーに対する外部からのハッキング行為により特定のユーザーのゲーム内通貨が異常に増加し、当該ユーザーの接続を遮断する事態も過去に生じております。当社グループは、ゲーム内部においてユーザー間でコンテンツの取引が可能なシステムを導入すること等により、不正な方法によるコンテンツの利用や取引が行われることの防止に努めておりますが、不正行為の方法は当社グループの想定を超えて多様であり、これらへの対策は必ずしも万全であるとは限りません。

万が一、当社サービスを利用した不正行為が発生した場合には、当社グループ及び当社サービスの信頼性が毀損すること等により、事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(注) リアル・マネー・トレーディング:オンラインゲーム上のキャラクターやアイテム、ゲーム内通貨等を現実の通貨等と取引する行為。

ⅸ) ブランドの毀損について

当社グループは韓国、中国及び日本などにおいて高いブランド認知度を有していると考えており、その維持と強化が顧客基盤の拡大と新たな事業パートナーの獲得において重要であると考えております。

当社グループがブランド認知度の維持及び強化に必要な投資を行えない場合、競合会社がより競争力あるブランドを確立した場合、PCオンラインゲーム、モバイルゲーム及びコンソールゲーム業界に対するイメージが低下した場合等、当社グループのブランドが毀損し、事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 法的規制に関わるリスク

当社グループは、日本、韓国、中国、米国、欧州等、世界各国でPCオンラインゲーム及びモバイルゲームを配信し又はライセンスを供与しており、当社グループの事業展開は、これらの国及び地域における法的規制の対象となっております。当社グループは、法令遵守を意識した誠実な事業展開を行っておりますが、万が一当該規制や判例等に抵触しているとして当社グループが何らかの行政処分等を受けた場合、また、今後関連法令が強化等され、又は新たな法令や判例が定められる等の理由により、当社グループの事業が制約を受ける場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

特に重要であると認識している法的規制は、以下のとおりです。

ⅰ) 未成年者に関する法的規制について

2019年5月25日、世界保健機関(WHO)総会は「gaming disorder(ゲーム障害)」を新たな依存症として認定した「国際疾病分類」を承認しました。この新疾病分類は、2022年1月から施行され、世界中の医療関係者に診断や調査で使用されています。 また、各国においてはゲーム中毒や暴力等過激な刺激から青少年を保護する規制があります。例えば、韓国では、青少年のゲームへの過剰な没入を防ぐため、ゲーム事業者は16歳未満のユーザーの親に対して、ゲームの特性、レーティング、課金体系、及び決済履歴などの利用履歴を報告する義務があります。また、本人又は親の要請に応じて、ゲームの利用方法や利用時間を制限することが可能です。中国でも、中国内で配信されるゲームコンテンツの適切性を審査するための機関「Online Games Ethics Committee (OGEC)」が設立され、また、未成年者がオンラインゲームをプレイする時間や課金額が年齢に応じて制限されるなどの未成年者対策がとられています。さらに、オンラインゲームをプレイする時間に関して、2021年8月30日、中国国家新聞出版署は未成年の心身の健康に影響を及ぼすとされるゲーム依存症への対策をまとめ、通達しています。この通達により、ゲーム会社は18歳未満の青少年におけるオンラインのゲームの利用時間を、金曜日、土曜日、日曜日及び祝日の午後8時から午後9時の間の各1時間に限定することが義務付けられており、当該規則は2021年9月1日付で施行されております。

当社グループは、自主的にゲーム疲労度システムの導入や、ゲーム中毒防止のための社会活動に積極的に参加することにより、上記規制による影響を最小化するよう努めておりますが、今後、各国において法令や判例の解釈が変更される場合、又は新たな法令等が定められた場合には、当社グループの事業が制約を受け、又はその遵守のため更なる対応及び費用を要する可能性があります。

また、スマートフォンの普及に伴い、家族のスマートフォンを利用する未成年者ユーザーも増加しております。当社グループのスマートフォンゲームでは、ゲーム内で有料アイテムを購入する際、通信キャリア決済又はスマートフォンに紐づいた配信プラットフォーム決済等の決済手段があり、家族のスマートフォンを利用した決済を用いて、未成年者が誤って有料アイテムを購入するなどにより、多額の請求がなされるといった、課金に関するトラブルが発生することがあります。

当社グループでは、監督官庁と情報交換を行うなどして、健全な市場環境の形成に取り組んでおりますが、課金に関するトラブルが増大した場合や想定外の大規模なトラブルが発生した場合又はそのようなトラブルに対応するための新たな法令、自主規制等が制定された場合は、当社グループの事業成績、財政状況及び将来の事業展開に影響を与える可能性があります。

ⅱ) ゲーム内容の審査について

当社グループは、ゲームをリリースするに当たり、その国で求められる監督官庁、第三者機関又はそのゲームが配信されるプラットフォームによる審査を受けております。万が一、審査において暴力性、射幸性や扇情性等における問題が指摘された場合には、特定年齢層のアクセス制限やゲーム内容の修正等が求められる可能性があります。また、ローンチ後に審査内容に対する重大な違反が指摘された場合には、何らかの行政処分や該当のプラットフォームにおける配信の停止措置等を受ける可能性があります。そのような場合には、当社グループ及び当社サービスの信頼性やブランドが毀損することなどにより、事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅲ) ランダム型アイテムに関する法的規制について

一般的にルートボックスやガチャと呼ばれる、偶然性を利用してアイテム等の種類が決まる方法によってオンラインゲーム上で使用できるアイテム等を提供するサービスについて、その射幸性や賭博性等に着目して確率表記を義務付けるなどの規制を強化する動きが多くの国、州又は地域においてあります。特に、ベルギー及びスロバキアにおいては、有料で提供されるルートボックスがギャンブルに該当し、ギャンブル規制に服することが明確化されました。また、2022年、オランダの上級審は、ルートボックスがギャンブルに該当するという2020年の下級審判決を覆しましたが、立法府はルートボックスを違法にする法案を可決しようとしています。さらに、韓国においても、確率型アイテムの確率表示の公開を義務化する「ゲーム産業振興に関する法律」の一部改正が2024年3月22日に施行されました。当社グループがオンラインゲームを配信する国、州又は地域において一層厳格な規制や司法判断がなされた場合には、当社グループの事業が制約を受け、又はその遵守のため更なる対応及び費用を要する可能性があります。

ⅳ) 中国における法的規制について

中国においては、政府による自国のオンラインゲーム業界の育成が推進されており、外国企業によって開発されたゲームの国内での事業展開を規制しています。また、2017年5月1日付にて中国文化部よりオンラインゲームの標準的な運用に関して規制及び行政の監督機能が強化される法律が施行されており、2018年12月には、中国内で配信されるゲームコンテンツの適切性を審査するための機関「Online Games Ethics Committee (OGEC)」が設立されました。

当社グループは、中国の現地ゲーム配信会社とのパートナーシップ構築等を通じて、上記法的規制による影響を最小化しておりますが、不測の事態により、万が一当該規制等に抵触しているとして当社グループが何らかの行政処分等を受けた場合、また、中国当局のゲームの認可手続が遅延ないしは凍結された場合、さらには今後関連法令が強化され、又は新たな法令等が定められ、当社グループの事業が制約を受ける場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

ⅴ) 日本における法的規制について

日本国内では、「コンプガチャ」が不当景品類及び不当表示防止法で禁止されている「カード合わせ」に該当することが明確になり、業界団体等が中心となり自主規制のためのガイドラインを策定し、公開しております。また、ゲーム内通貨については「前払式支払手段」として資金決済に関する法律の適用を受ける場合があります。従来から、当社グループでは、法令を遵守したうえで、利用者に継続的に利用、支持していただけることを最重要視して事業に取り組んでおりますが、今後施行又は改正・変更される法律や判例、策定される業界団体等のガイドライン等を遵守するために、新たなシステム対応や体制整備が必要になる可能性があります。これらのシステム対応や体制整備が遅れた場合、また必要な措置のために想定以上のコストが発生した場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

vi) 韓国における法的規制について

韓国では、ゲーム産業及び電子商取引分野における消費者保護を目的として、法的規制が継続的に強化されています。「ゲーム産業振興に関する法律」は、ゲーム事業者に対し、確率型アイテムの種類及び種類別の供給確率情報を明確に開示することを義務付けています。この法律は2025年8月1日に改正される予定で、施行後はゲーム事業者が確率型アイテムの表示義務に違反した場合、故意又は過失がないことを立証する責任を事業者が負うことになります。故意の表示義務違反の場合には、実際の損害額の最大3倍までの懲罰的損害賠償制度が導入されます。

また、2025年2月14日から施行された改正「電子商取引等における消費者保護に関する法律」は、消費者を欺いたり、不利な判断を誘導するインターフェース設計である「ダークパターン」を禁止しており、サブスクリプション料金の引き上げや無料サービスの有料化の際に事前同意を得ることを義務付けています。

④ 事業体制に関わるリスク

ⅰ) 人的資源について

当社グループのPCオンラインゲーム及びモバイルゲーム事業は近年急速に成長してまいりましたが、今後のさらなる事業の拡大及び多様化に対応するためには、創造性、技術力、実行力及び管理能力等さまざまな能力を有する人材の増強が必要と考えられます。また、海外子会社が事業展開において重要な役割を担っていることから、各海外子会社の内部統制整備をはじめ、管理部門の人材確保等ガバナンス体制の整備、拡充も重要であると考えております。

しかしながら、事業規模の拡大と多様化に応じた、外部からの人材登用やグループ内における人材育成の遅延、中核社員の退職等により運営・管理体制に問題が生じた場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅱ) 内部管理体制について

当社グループは、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスや内部統制システムが有効に機能することが不可欠であると認識しております。

業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

ⅲ) 個人情報の保護について

当社グループは、PCオンラインゲーム及びモバイルゲームの配信やその他サービスの提供に当たり、またPCオンラインゲーム及びモバイルゲームのプロモーションのためにユーザー及び潜在的ユーザーの住所、氏名、電話番号及びメールアドレス等の個人情報を取得することがあります。かかる行為に関して、日本では「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されており、また海外においても多くの国で個人情報保護に係る法律が制定されつつあり、個人情報の取得や保管についての法令違反がある場合には行政処分や制裁金、刑事罰の対象となる場合もあります。当社グループでは相当数の個人情報をサーバー内に保管・管理しており、近時世界的規模で増加しているハッキング行為等に鑑み、高度な情報セキュリティ対策を担当する「Global Security Center」の設置、情報セキュリティ管理システム(ISMS)の認証取得等のセキュリティ強化対策を実施しております。また、当社ウェブサイト上でもプライバシーポリシーを掲示し、当社グループの取組み姿勢を示しております。

また、欧州では、個人データの処理やEU域外への移転を厳格に定めた「EU一般データ保護規則(General Data Protection Regulation)」が2018年5月25日に施行されました。米国でも「カリフォルニア州消費者プライバシー法(California Consumer Privacy Act)」が2020年1月1日に施行され、さらに「カリフォルニア州プライバシー権法(California Privacy Rights Act)」が「カリフォルニア州消費者プライバシー法」を改正する形で2023年1月1日に施行され「カリフォルニア州プライバシー権法」の施行規則も2023年3月29日に発効されました。また、カリフォルニア州に続き、約20州でプライバシー関連の法律が施行されています。さらにプライバシー関連の法律が各州で異なるため、統一した連邦法の制定を求める動きもありますが、未だ実現するに至っておりません。それぞれの法令に違反した場合には巨額の制裁金を課せられることがあり、域外の事業者にも適用される場合があるため、当社グループでは当該法令を遵守し、違反を防止するための体制の整備・強化を継続的に進めております。

当社グループは、継続的にセキュリティ強化対策を行うとともに、社員教育を徹底することで個人情報の流出を未然に防げるよう細心の注意を払っておりますが、これまでに、社員の不注意による氏名等の個人情報の漏洩や当社グループのサーバーに対する外部からのハッキングにより多くのユーザーの氏名及び暗号化済みの住民登録番号といった個人情報の流出が確認されたことがあります。このような外部からのハッキング行為や従業員の故意又は過失により個人情報が漏洩した場合には、ユーザーからの損害賠償請求、行政処分、刑事罰及びそれらに起因する信用低下等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅳ) 特定人物への依存について

当社グループの経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において、PCオンラインゲーム及びモバイルゲームサービスに関する豊富な経験と知識を有した一部の役員及び主要ゲーム開発者を始めとする従業員が極めて重要な役割を担っており、当社グループの事業の成功はこれら特定の役員及び従業員に依存しています。

当社グループでは、特定の人物に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同役員及び従業員が退職をする、又は業務を続けることが困難になり、適時に代わりとなりうる人物の採用ができない場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、一定の制約は設けておりますが、重要な役割を担う役員及び従業員が競合会社に移動、又は競合する事業を営む会社を設立した場合、当社グループの事業に関するノウハウが流出し、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 知的財産権に関わるリスク

当社グループの保有するゲームタイトルに関わる特許権、著作権及び商標権等の知的財産権は、事業展開に欠かせないものであり、その保護管理に努めております。また、当社グループが配信するPCオンラインゲーム及びモバイルゲームは、第三者保有の知的財産権を利用することもあるため、その侵害に特に留意し事前に様々な調査を行っております。ライセンサーとの契約においても、第三者の権利侵害がない旨の保証と責任を条項に組み込むことで、当社グループが展開する事業が安全に遂行されるよう留意しております。

しかしながら、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、当該第三者に対し適切な措置を講じるものの、排除できない可能性があります。また、当社グループの調査が万全ではないことなどにより、万一、第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より損害賠償請求及び使用差止等の訴えを起こされる可能性並びに当該知的財産権に関する差止め、対価や賠償の支払い等が発生する可能性があります。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ システム等に関わるリスク

ⅰ) システム障害について

当社グループが提供するPCオンラインゲーム及びモバイルゲームはネットワークシステムを利用しているため、自然災害、コンピュータウィルス、電力供給の停止、サーバーへの過剰負荷又は第三者によるハッキング等の不正行為等の不測の事態によるシステム障害が発生した場合、当社グループの営業が停止するおそれがあります。

当社グループといたしましては、24時間管理体制や監視要員等への迅速な通知体制等を整備することで遅滞なく復旧対応ができるように努めておりますが、何らかの理由により復旧作業を行うことができずサービスが提供できない場合、あるいはデータの消失・漏洩が生じた場合には、損害賠償請求や信用の低下等が発生し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅱ) プログラムの不具合について

当社グループが提供するPCオンラインゲーム及びモバイルゲームは複雑なプログラムにより構成されており、新規ゲームタイトルのリリースや既存ゲームタイトルのアップデート等においては、プログラムに不具合が発生する可能性があります。当社グループはゲームの品質向上とリリース前のテストによる不具合の防止に努めておりますが、人的エラー等による不具合の発生可能性を完全に排除することは困難であります。

プログラムの不具合がゲームに与える影響は年々大きくなる傾向にあり、不具合を未然に防止できなかった場合や発生した不具合に適切に対処できなかった場合等には、PCオンラインゲーム及びモバイルゲームのゲーム性と信頼性を毀損し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

⑦ ゲームの不正利用に関わるリスク

PCオンラインゲームは、一部のユーザーにより違法サーバーや違法コピー等を通じて不正にゲームが利用される場合があります。当社グループは、PCオンラインゲームを構成するプログラムのソースコードを保護するセキュリティシステムを構築することで、PCオンラインゲームの不正利用防止に努めておりますが、セキュリティシステムにおける人的エラー等を原因とする、第三者によるプログラムの不正取得及び不正利用行為を完全には排除できない可能性があります。また、違法サーバーや違法コピー等により、それらユーザーからアイテム購入を通じた収益を失うだけでなく、品質に劣る違法コピーによりユーザーの正常利用が阻害され、当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。

⑧ 訴訟に関わるリスク

当社グループは法令遵守を基本としたコンプライアンス体制を整備しているものの、その事業運営に当たり、契約の不履行、知的財産権の侵害、個人情報の漏洩、下請法違反、景品表示法違反及び労務問題等に関し、第三者から訴訟を提起されたり、監督庁から調査を受けたりする可能性があります。多大な訴訟・調査対応の負担に加え、仮に当社グループに不利益な内容の判決、決定又は裁定等がなされた場合には、経済的損失のみならず、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。

⑨ M&Aや業務・資本提携に関わるリスク

ⅰ) M&Aによる事業拡大について

当社グループは、効果的な事業体制の確立や事業拡大を加速するための有効な手段のひとつとして、PCオンラインゲームやモバイルゲームの開発会社や運営会社等を対象とするM&Aを有効に活用してきており、今後もM&A及び投資活動を通じて競争力のある事業ポートフォリオ、IP及び開発人員の確保、拡充を継続していく方針です。その際、対象企業の事業計画、財務内容や法務関係等について、事前に必要かつ十分と考えられる情報を収集、精査、検討をすることにより、可能な限りリスクを回避することに努めております。

しかしながら、PMI段階における偶発債務の発生や未認識債務の判明等事前の調査、検討で把握できなかった問題が生じた場合、市場環境や競合状況の変化及びPMIの遅延・失敗により事業統合が計画どおりに進まない場合又は対象企業における投資価値の減損処理を行う必要が生じた場合等、当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。

ⅱ) 他社との業務・資本提携について

当社グループでは、中国における『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)の独占ライセンス契約をはじめ、事業進出先の現地企業にライセンスを供与して、オンラインゲームを配信しています。今後もこれらの業務提携を通じた事業の拡大に取り組んでまいりますが、当初見込んだ効果が発揮されない場合、又はこれらの提携等が解消された場合やライセンス契約が更新されなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

⑩ 為替変動に関わるリスク

海外における事業展開には外国為替相場の変動によるリスクがあり、主として韓国ウォン、米ドル、人民元の為替レート変動による影響を受けます。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されており、換算リスクと取引リスクという形で、外国為替相場の変動は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑪ 保有上場株式の株価変動に関わるリスク

当社グループは、国内外の上場株式に対する投資を行っており、これらは株式市場において相場価格の変動によるリスクを有しております。よって、国内外の株式市場が低迷した場合、当社グループが保有する上場株式の公正価値の下落により、当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。

⑫ 暗号資産に対する投資に関わるリスク

当社グループは、暗号資産取引所を通じて暗号資産に対する投資を行っており、暗号資産の取引価格は短期間に大きく変動することがあります。また、暗号資産は、一般的にセキュリティ違反、サイバー攻撃その他悪意のある活動によるリスクに晒されており、かかる活動から生じた損失は、暗号資産の管理者により補償されない可能性があります。このような結果、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

⑬ 法令・会計基準等の変更

当社グループが予期しない法律や規則の施行・変更、会計基準や税制の新たな導入・変更等により、業績や財務状況等に影響が及ぶ可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、追加の税負担が生じる可能性があります。

⑭ 自然災害や疾病の蔓延に関わるリスク

当社グループといたしましては、24時間管理体制の整備、クラウドサービスの利用等で遅滞なく復旧対応ができるように努めておりますが、地震や台風等の自然災害により、当社グループの主要な設備等が損害を被った場合又は従業員が被害を受けた場合は、当社グループが提供するオンラインゲームの運用及び配信サービスに影響を与える可能性があります。また、損害を被った設備等の修復及び被害を受けた従業員に対する補償等の費用が発生し、当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。

また、インフルエンザや新型コロナウイルス等の疾病の蔓延が発生した場合、従業員による業務遂行に支障が生じ、サービスの提供や当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑮ 新株予約権による希薄化に関わるリスク

当社グループは、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。今後の権利行使により、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2024年12月31日現在、新株予約権(自己新株予約権を除く)は発行済株式総数の1.9%の割合で付与されております。

⑯ NXC Corporationとの関係について

NXC Corporationの保有株式数は、2024年12月31日現在、248,462,800株(議決権比率30.1%)であり、間接所有割合を含めても、同社は、会社法及び金融商品取引法上、当社の親会社ではありません。

本書提出日現在、NXC Corporationは、当社の主要株主かつ筆頭株主ですが、投資事業その他当社グループの主力事業であるオンラインゲーム事業と関連のない事業を行っております。また、NXC Corporationが保有している日本地域における社名商標「NEXON」については、同社と当社との間で、商標権使用許諾契約を締結し、当社から同社に使用料を支払うことを合意しておりますが、使用料における支払金額は当社の売上高に対して一定の比率で算出された金額になっております。なお、同社とは、当社が社名商標「NEXON」の使用許諾契約の延長権限を保有することで合意しております。当社子会社(NEXON Korea Corporation、Nexon America Inc.等)においても、NXC Corporationと同様の契約を締結しております。

上記使用許諾契約を除き、当社グループとNXC Corporationとの間において重要な財務及び事業の方針に関する経常的な取引はありません。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響による下振れリスク、中東地域における紛争の長期化など、先行き不透明な状況が続いております。我が国経済は、不安定な国際情勢による資源・エネルギー価格の高騰や、為替変動による物価の上昇などがあったものの、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続きました。

このような状況の中、当社グループは、ライブ運用を基盤とし、IP成長戦略に沿った組織再編を行っております。これにより主要IPを著しく成長させるとともに、新たな大ヒット作の開発を進めてまいります。新たに策定したIP成長戦略は、垂直及び水平方向の成長で構成される戦略です。垂直方向の成長とは、『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)や『メイプルストーリー』(MapleStory)などの大ヒットフランチャイズを新しいコンテンツ、プラットフォーム、地域を通じて提供し、再活性化及び拡張することで成長させる戦略です。この戦略の重要な要素として、市場間の文化的違いを認識し、各地域のプレイヤーの好みに合わせてコンテンツをカスタマイズするハイパーローカライゼーションが含まれます。また、水平方向の成長とは、『マビノギ』(Mabinogi)など、当社グループのその他のゲームフランチャイズ、また『ARC Raiders』など開発中の新作から新たな大ヒット作を創出することを目的とした戦略です

上記の結果、当連結会計年度の売上収益は446,211百万円(前期比5.4%増)、営業利益は124,176百万円(同7.8%減)、税引前当期利益は195,987百万円(同55.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は134,848百万円(同91.0%増)となりました。

 

報告セグメントの業績は、次のとおりであります。

イ. 日本

当連結会計年度の売上収益は6,123百万円(前期比23.3%増)、セグメント損失は2,633百万円(前期は4,553百万円の損失)となりました。

ロ. 韓国

当連結会計年度の売上収益は413,098百万円(前期比3.9%増)、セグメント利益は154,434百万円(同2.8%減)となりました。韓国セグメントの売上収益には、連結子会社であるNEXON Korea Corporationの傘下にあるNEOPLE INC.の中国におけるライセンス供与に係るロイヤリティ収益が含まれます。

ハ. 中国

当連結会計年度の売上収益は2,617百万円(前期比17.9%減)、セグメント利益は560百万円(同56.9%減)となりました。

二. 北米

当連結会計年度の売上収益は17,609百万円(前期比17.8%増)、セグメント損失は4,059百万円(前期は8,363百万円の損失)となりました。

ホ. その他

当連結会計年度の売上収益は6,764百万円(前期比173.5%増)、セグメント損失は9,188百万円(前期は9,796百万円の損失)となりました。

 

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の総資産は1,256,771百万円であり、前連結会計年度末に比べて158,668百万円増加しております。主な増加要因は、現金及び現金同等物の増加(前期末比51,416百万円増)、営業債権及びその他の債権の増加(同50,844百万円増)及びその他の金融資産の増加(同97,000百万円増)によるものであり、主な減少要因は、その他の預金の減少(同47,309百万円減)によるものであります

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は226,246百万円であり、前連結会計年度末に比べて34,718百万円増加しております。主な増加要因は、リース負債の増加(前期末比10,274百万円増)、引当金の増加(同16,666百万円増)及び繰延税金負債の増加(同7,637百万円増)によるものであります

(資本)

当連結会計年度末における資本の残高は1,030,525百万円であり、前連結会計年度末に比べて123,950百万円増加しております。主な増加要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等に伴う利益剰余金の増加(前期末比72,970百万円増)及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の計上等によるその他の資本の構成要素の増加(同47,241百万円増)によるものであります

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ51,416百万円増加し、331,931百万円となりました。当該増加には資金に係る為替変動による増加の影響7,780百万円が含まれております。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は100,968百万円(前期は128,712百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期利益195,987百万円によるものであり、主な減少要因は、営業債権及びその他の債権の増加53,822百万円及び法人所得税の支払額43,740百万円によるものであります。

前期と比べて、営業債権及びその他の債権が増加したことから、営業活動による収入が減少いたしました

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は7,445百万円(前期は188,367百万円の支出)となりました。主な収入要因は、定期預金の純減少額40,653百万円によるものであり、主な支出要因は、連結子会社である投資ファンドを通じた有価証券の取得による支出13,091百万円、有価証券の取得による支出12,419百万円及び拘束性預金の純増加額9,221百万円によるものであります。

前期と比べて、定期預金への預入れが減少したことにより、投資活動による収入が増加いたしました

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は64,777百万円(前期は78,554百万円の支出)となりました。主な支出要因は、自己株式の取得による支出54,564百万円及び配当金の支払額10,295百万円によるものであります。

前期と比べて、自己株式の取得による支出が減少したため、財務活動による支出が減少いたしました

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

当連結会計年度における報告セグメントごとの情報を記載しております。

イ. 生産実績

当社グループの生産実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

ロ. 受注実績

当社グループは、受注活動は行っていないため、該当事項はありません。

 

ハ. 販売実績

当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

報告セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

 至 2024年12月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

6,123

123.3

韓国(百万円)

413,098

103.9

中国(百万円)

2,617

82.1

北米(百万円)

17,609

117.8

その他(百万円)

6,764

273.5

合計(百万円)

446,211

105.4

 

(注) 1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 最近二連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

 至 2024年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Tencent Holdings Limited及びその子会社

80,189

18.9

143,300

32.1

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

2024年12月期における当社グループの売上収益は446,211百万円(前期比5.4%増)、営業利益は124,176百万円(同7.8%減)、税引前当期利益は195,987百万円(同55.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は134,848百万円(同91.0%増)となりました。

 

イ. 売上収益の分析

2024年12月期における売上収益は446,211百万円となり、前期比で5.4%増加いたしました。

当連結会計年度においては、5月21日に中国で配信を開始した『アラド戦記モバイル』(Dungeon&Fighter Mobile)の増収寄与により、三大フランチャイズである『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)、『メイプルストーリー』(MapleStory)及び『EA SPORTS FC™』の総売上収益が成長いたしました。また、7月2日に配信を開始した『The First Descendant』が大きく増収寄与した結果、過去最高の連結会計年度の売上収益を達成いたしました。主要フランチャイズ別の売上収益は、以下のとおりです。

『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)においては、フランチャイズを中国のモバイル市場に展開することで、多くの新規プレイヤーの獲得だけでなく、PC版の休眠ユーザーの掘り起こしに成功いたしました。その結果、フランチャイズ全体の売上収益は前期比で成長いたしました。中国のPC版『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)においては、2023年12月にゲーム内の経済バランスが悪化して以降、売上収益及びアクティブ・ユーザー数の回復に向けて継続してバランス改善及びプレイヤーエンゲージメントの向上に取組んでおります。しかし、売上収益が成長軌道に戻るにはまだ時間を要する見込みであり、前期比で減少いたしました

『メイプルストーリー』(MapleStory)においては、既存ゲームのライブ運用を改善すると共に、ハイパーローカライゼーション戦略による地域展開や、IPを新作ゲームとして拡張する取組みを行っております。しかし、韓国におけるPC版の大型アップデートや中国におけるモバイル版の配信開始により、フランチャイズ全体として過去最高の連結会計年度の売上収益を記録した前期の高い水準との比較で売上収益が減少いたしました。韓国の『メイプルストーリー』(MapleStory)では、1月に公正取引委員会から課徴金納付命令を受けたことをきっかけにユーザーのセンチメントが悪化したことから、売上収益は前期比で減少いたしました。しかし、プレイヤーエンゲージメントの改善に努めた結果、プレイヤー満足度を示す指標であるネットプロモータースコアが第1四半期連結会計期間から第4四半期連結会計期間にかけて継続的に上昇し、来年度の成長に向けた土台を築きました。韓国以外の地域においては、各地域のプレイヤー嗜好に合わせた地域独自のコンテンツ開発やイベント及びプロモーションを行うハイパーローカライゼーション戦略が功を奏し、前期比で成長いたしました。また『メイプルストーリーM』(MapleStory M)もグローバルでの売上収益が前期比で増加いたしました。加えて、『MapleStory Worlds』を4月に韓国で正式ローンチし、また、10月に北米及び南米にてソフトローンチしたことから、売上収益への寄与だけでなくメイプルストーリーIPのファン層拡大に貢献いたしました

『FC ONLINE』及び『FC MOBILE』においては、過去最高の連結会計年度の売上収益を記録した前期の高い水準との比較で減少いたしました

その他の主要タイトルにおいては、7月2日に配信を開始した『The First Descendant』が欧米を中心に好評を博したことから、大きく増収に寄与いたしました

ロ. 売上原価の分析

売上原価は164,838百万円(前期比19.5%増)となりました。これは主に、従業員数の増加や定期昇給、好業績による業績連動賞与により人件費が増加したことによるものです。

ハ. 販売費及び一般管理費の分析

販売費及び一般管理費は142,176百万円(前期比3.8%減)となりました。これは主に、従業員数の増加や定期昇給により人件費が増加したものの、プラットフォーム利用料や広告宣伝費が減少したことによるものです。

 

二. その他の収益(費用)の分析

その他の収益は1,039百万円(前期比40.1%減)となりました。これは主に、雑収入が減少したことによるものです。

その他の費用は16,060百万円(同244.2%増)となりました。これは主に、第1四半期連結会計期間において債務超過の持分法適用会社を連結子会社化しのれんの減損損失を認識したこと、及び前払ロイヤリティから生じた減損損失が増加したことによるものです。

ホ. 金融収益(費用)の分析

金融収益は79,698百万円(前期比98.5%増)となりました。これは主に、外貨建ての現金預金等で発生した為替差益が前連結会計年度に認識した金額を上回ったこと、及び市場性のある株式の市場価格の上昇により、前連結会計年度に認識した金額を上回る有価証券評価益を計上したことによるものです

金融費用は3,400百万円(同53.3%減)となりました。これは主に、損失評価引当金繰入額が減少したことによるものです。

へ. 持分法による投資損益の分析

持分法による投資損失は5,179百万円(前期比47.5%増)となりました。これは主に、持分法適用会社の業績の変動によるものです。

ト. 持分法による投資の減損損失の分析

持分法による投資の減損損失-百万円となりました。これは、前連結会計年度に計上した持分法による投資の減損損失が当連結会計年度では認識されなかったことによるものです。

チ. 法人所得税費用の分析

法人所得税費用は59,771百万円(前期比9.0%増)となりました。これは主に、金融収益が前期比で増加したことによるものです。

 

②  経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③ 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度における財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループにおける中長期的な事業拡大と企業価値向上のために必要な資金需要の主なものは、外注費、人件費等の原価、販売費及び一般管理費、研究開発費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。これらの運転資金及び設備投資資金については、自己資金を充当しておりますが、必要とされる資金水準を満たす十分な流動性を保持していると考えております。

 

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境及び(4) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

ライセンス契約

2024年12月31日現在

契約会社名

相手方の名称

国名

契約

締結日

契約内容

契約期間

NEXON Korea Corporation

(連結子会社)

Shanghai Posts & Telecommunications Technology Co., Ltd.

中国

2005年

11月18日

PCオンラインゲーム「カートライダー」のライセンス独占契約(ライセンス・アウト)

自2005年11月18日

至2026年11月17日

(注)1

NEOPLE INC.

(連結子会社)

Tencent Technology (Shenzhen) Co., Ltd.

Shenzhen Tencent Computer Systems Co., Ltd.

中国

2007年

11月16日

PCオンラインゲーム「ダンジョン・アンド・ファイター(日本名:アラド戦記)」のライセンス独占契約(ライセンス・アウト)

自2007年11月16日

至2026年6月16日

(注)2

NEXON Korea Corporation
(連結子会社)

Lansha Information Technology (Shanghai) Co., Ltd.

中国

2004年

4月21日

PCオンラインゲーム「メイプルストーリー」のライセンス独占契約(ライセンス・アウト)

自2004年4月21日

至2025年6月30日

(注)3

NEXON Korea Corporation

(連結子会社)

NXC Corporation

全世界

 2017年
4月30日

社名商標のライセンス契約(ライセンス・イン)

自2017年5月1日
至2018年12月31日
以後3年ごとの

自動更新

NEXON Korea Corporation
(連結子会社)

Electronic Arts, Inc.

韓国

2017年

7月10日

オンラインゲーム「FC ONLINE」のライセンス独占契約(ライセンス・イン)

自2017年7月10日

2027年10月31日

(注)4

NEOPLE Inc.

(連結子会社)

Shenzhen Tencent Computer Systems Co., Ltd.

Tencent Technology (Shenzhen) Co., Ltd.

Shenzhen Tencent Information Technology Co., Ltd.

中国

2018年

10月8日

オンラインゲーム「ダンジョン・アンド・ファイター(日本名:アラド戦記)」のライセンス独占契約(ライセンス・アウト)

自2018年10月8日至最初の商用化開始日より

10年間経過日

NEOPLE Inc.

(連結子会社)

Shenzhen Tencent Computer Systems Co., Ltd.

 

Hainan Tencent Network Information Technology Company Limited

中国

2024年

12月6日

ゲーム「The First Berserker : Khazan」のライセンス独占契約(ライセンス・アウト)

自2024年12月6日至最初の商用化開始日より

5年間経過日

その後1年間の自動延長

Embark Studios AB

(連結子会社)

 

NEXON Korea Corporation

(連結子会社)

Shenzhen Tencent Computer Systems Co., Ltd.

 

Hainan Tencent Network Information Technology Company Limited

中国

2024年

8月7日

オンラインゲーム「THE FINALS」のローカライズ及びライセンス独占契約(ライセンス・アウト)

自2024年8月7日至最初の商用化開始日より

3年間経過日

その後2年間の自動延長

Embark Studios AB

(連結子会社)

 

NEXON Korea Corporation

(連結子会社)

 

Shenzhen Tencent Computer Systems Co., Ltd.

 

Hainan Tencent Network Information Technology Company Limited

中国

2024年

8月7日

オンラインゲーム「ARC Raiders」のローカライズ及びライセンス独占契約(ライセンス・アウト)

自2024年8月7日至最初の商用化開始日より

3年間経過日

その後2年間の自動延長

NEOPLE Inc.

(連結子会社)

Tencent Technology (Shenzhen) Co., Ltd.

 

Shenzhen Tencent Computer Systems Co., Ltd.

中国

2015年

4月1日

モバイルゲーム「ダンジョン・アンド・ファイター(日本名:アラド戦記)」のライセンス独占契約(ライセンス・アウト)

自2015年4月1日至最初の商用化開始日より

3年間経過日

その後1年間の自動延長

(注)5

 

(注) 1. 2023年11月16日付更新契約により、本契約の有効期間は、2026年11月17日までに改定されました。

2. 2015年5月1日付更新契約により、本契約の有効期間は、2026年6月16日までに改定されました。

3. 2022年6月29日付更新契約により、本契約の有効期間は、2025年6月30日までに改定されました。

4. 2024年11月1日付更新契約により、本契約の有効期間は、2027年10月31日までに改定されました。

5. 2024年5月21日付商用化開始により、本契約の有効期間は、2027年5月20日までです。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動の概要は以下のとおりです。

(1) 研究開発体制

当社グループにおいては、基礎研究及び新技術開発等のいわゆる研究開発に相当する活動を行っていないため、独立した研究開発組織を有しておりません。

しかしながら当社グループにおいては、グループ内で開発しているオンラインゲームコンテンツが企画され商用化に至るまでの過程を「研究開発」と捉えており、グループ内の開発人員による通常の開発業務の中で行われております。

 

(2) 研究開発方針

当社グループにおける研究開発活動は、グループ内の開発人員による通常の開発業務の中で行われているため、特段の研究開発活動の方針を設定しておりません。

 

(3) 研究開発費

当社グループにおける研究開発費には、グループ内で開発するオンラインゲームコンテンツの企画承認時から商用化日までの費用(労務費、外注費及びその他経費)を計上しており、当連結会計年度における研究開発費は24,944百万円となっております。

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

当連結会計年度の研究開発費を報告セグメントごとに示すと、下記のとおりであります。なお、当連結会計年度において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

報告セグメントの名称

研究開発費(百万円)

日本

韓国

21,757

中国

北米

674

その他

2,561

報告セグメント計

24,992

調整額

48

合計(連結)

24,944