当社の本有価証券報告書の提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下のとおりであります。また、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。
(1)当社グループのミッション
当社グループのミッションは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」です。当社グループの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」をビジネスモデルに適用し、組織や個人が「夢」や「生きがい」によって、たくさんの意味をくみ取っている社会を実現してまいります。
(2)経営の基本方針
当社グループは、創業当初より「社員のモチベーションこそが会社の成長エンジン」であると考えております。この基本的な考え方を前提に、企業理念の実現に向けた会社の経営においては、以下の3点を重要視しております。
1.人的資本を最重要視し、人的資本及びその他の資本の最大化を図ること
当社グループのビジネスはソフトビジネスであり、人的資本が様々な資本の価値創造の源泉であると考えております。具体的には、人的資本がビジネスを通して財務資本を、技術開発を通して知的資本を、顧客開発を通して社会関係資本を創造し、増大させております。だからこそ、人的資本投資を加速させることで、その他の様々な資本を持続的に増強し続けることを目指しております。
2.「モチベーションエンジニアリング」をビジネスモデルに徹底活用すること
「モチベーションエンジニアリング」は、経営学・社会システム論・行動経済学・心理学などの学術的成果をもとに創られた当社グループの競争優位性となる基幹技術です。「診断技術」と「変革技術」から構成されたこの技術を全ての事業、商品サービスに組み込むことで、顧客価値を最大化しております。
3.事業戦略と組織戦略を常につなげて捉え、顧客価値と人的資本価値の最大化を同時実現すること
当社グループは、顧客価値の最大化を実現するための事業戦略と人的資本価値の最大化を実現するための組織戦略を対等に捉え、常に双方をつなげて考えております。そして、そのバランス度合いを示す生産性(人的資本ROI、社員1人当たりの売上総利益)をモニタリングすることで、環境変化に応じて適切な経営判断を行っております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
ⅰ経営環境
近年、労働力人口の減少やビジネスのソフト化、ワークモチベーションの多様化が進む中で、企業が従業員や応募者から選ばれ続ける重要性と難易度は加速度的に高まっております。さらにAIの技術的発展が進む中で、優秀な人材の獲得競争がより一層激化していくことが想定されております。こうした環境下において企業は、既存社員がパフォーマンスを発揮するための人材力の向上や、人材の維持と獲得のための従業員エンゲージメントの向上に取り組む必要があることから、このような環境変化は当社グループにとって非常に重要な機会であると認識しております。
ⅱ事業戦略及び目標とする経営指標、対処すべき課題
人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」の機運が高まっている中、当面の間は、成長可能性の高い組織開発Divisionのコンサル・クラウド事業に注力する方針です。企業の「人的資本経営」を総合的に支援できる、他にはない優位性を発揮することで支援を拡大し、当社グループの成長ドライバーとしてまいります。
目標とする経営指標
事業の収益性・生産性を重視した経営を行うべく「売上収益営業利益率」を重要な経営指標として位置づけております。加えて、規模の拡大に向けて「売上収益」「営業利益」「親会社の所有者に帰属する当期利益」、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて「ROE」も重要な経営指標として位置づけております。そして、組織戦略とのバランス度合いを示す生産性(人的資本ROI、社員1人当たりの売上総利益)も重要指標としております。
事業戦略及び対処すべき課題
<組織開発Division>
人的資本経営においては、定期的なエンゲージメントの診断と組織課題に応じた変革が不可欠ですが、当事業は人的資本経営を総合的に支援できる、他にはない競争優位性を有しております。今後はさらなる成長実現に向けて、各支援内容における重点テーマを設定し、クラウドとコンサルティングの両面における拡大を目指してまいります。
コンサル・クラウド事業の重点テーマ
支援内容 |
クラウドによる 組織診断 |
クラウドによる 変革支援 |
コンサルティングによる 変革支援 |
|
重点 テーマ |
継続 |
国内大手企業への注力 |
変革サービスのクラウド化によるアップセル |
顧客深耕による 単価向上 |
強化 |
さらなる販路拡大 |
サービス拡充による アップセル |
生産性向上による キャパシティ拡大 |
① クラウドによる組織診断
人的資本経営やその情報開示の機運が高まる中、すでに企業の営業利益率や労働生産性との相関も明らかになっている従業員エンゲージメントへの注目はますます高まっており、モチベーションクラウドは従業員エンゲージメント市場において売上シェア7年連続1位を獲得しております。一方で、現在の導入企業数は上場企業約4,000社のうち未だ5%程度であり、拡大余地は充分にあると認識しております。引き続き国内大手企業への導入を推進するとともに、今後は「さらなる販路拡大」を進めてまいります。具体的には、中小企業への導入に向けて、2024年8月に業務提携契約を締結した株式会社FCEの顧客基盤を活用するとともに、海外日系企業への導入に向けては、2025年1月より営業を開始した4か国(シンガポール、ベトナム、タイ、フィリピン)の海外子会社を通じて、導入を推進してまいります。
② クラウドによる変革支援
これまで、人材育成支援の「ストレッチクラウド」やコミュニケーション支援の「コミュニケーションクラウド」といった、変革サービスのクラウド化を進めてまいりましたが、2025年3月より、「コミュニケーションクラウド」「ストレッチクラウド」を「モチベーションクラウド」に集約し、2024年8月に業務提携契約を締結した株式会社FCEが提供している「RPA Robo-Pat DX」や「FCEプロンプトゲート」などの生産性向上のサービスについても、モチベーションクラウドの変革サービスとして追加いたします。今後は、「サービス拡充によるアップセル」に向けて、フリーキャッシュフローの一定割合を投下し、M&Aや事業提携等を通じて変革サービスをさらに拡充する予定です。これらの取り組みを進めることで、圧倒的な競争優位性を確立してまいります。
③ コンサルティングによる変革支援
当社グループは、採用・育成・制度・風土といった組織人事に関わる変革ソリューションをワンストップで提供できることが大きな競争優位性となっています。コンサルティングについては、これまで顧客単価の向上を目的に、顧客深耕に注力しておりましたが、今後は「生産性向上によるキャパシティ拡大」も推進してまいります。すでに生成AIの活用をはじめとした生産性向上に取り組んでおりますが、2024年12月期はコンサルティング専門部隊の一部において、前年比約25%の業務時間削減を実現するとともに、社員1人当たりの売上高は前年比約140%を実現しました。今後はさらなる生産性の向上に努めるとともに、生産性向上によって生まれたキャパシティで顧客深耕に注力することで、さらなるコンサルティング売上の増加を目指します。
<個人開発Division>
オンライン講座の売上拡大
キャリアスクール事業では、コロナ禍における学びのニーズの変化に合わせ、IT・資格・英会話のオンライン講座を提供し、オンラインにおいても「挫折させない」支援を継続しています。2022年から2023年にかけて、校舎を移転・撤退してオンラインへと移行する構造改革を推進した結果、売上総利益率は大きく向上し、オンライン講座の売上は順調に伸長しております。今後は注目度の高い生成AIの活用や生産性向上をテーマとした講座開発に注力することで、さらなる拡大を実現してまいります。
<マッチングDivision>
① ALT配置事業の安定的な成長
当社グループで最も売上収益の大きいALT配置事業については、引き続き安定的な成長を目指します。事業環境としては、2022年10月より、週20時間以上働くALTを社会保険の加入対象とする法令が、従業員数の多い企業から順次適用されることとなり、民間企業として最もシェアを持つ当社グループは競合他社に比して先行して適用されたことで一時的に厳しい状況となりました。しかし、2024年10月からの適用範囲拡大によって競争環境がフラット化したことで、2024年12月期のALT配置人数は想定通り回復しました。引き続き、強みであるALTの質の向上に加えて、トップシェア企業としてオンライン化やICT活用といった多様化する顧客ニーズへの対応も進めることで、さらなるシェア拡大を実現してまいります。
② 人材紹介事業における「OpenWorkリクルーティング」の価値向上
「OpenWorkリクルーティング」とは、国内最大級の社員クチコミ数を有する情報プラットフォーム「OpenWork」を活用したダイレクトリクルーティングサービスで、転職市場の活況を背景に、現在急成長しています。今後さらに成長を加速させるためには、積極的なキャリア形成に向けて情報収集や転職活動を行うユーザーを増加させていく必要があると考えています。また、社員クチコミデータや企業情報などの蓄積データを解析し、求職者と求人企業のマッチングの最適化を推進させることも重要だと考えています。サービス上での求職活動を活性化させること、マッチングの最適化を進めること、入社後の求職者と企業のミスマッチの発生を抑制し企業・求職者双方の満足度を向上させることで「OpenWorkリクルーティング」の価値を向上させてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(サステナビリティに関する考え方)
当社グループのミッションは、「モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」というものです。持続可能な社会創りへの貢献は、当社グループがミッション実現を目指していく上でも必須のテーマであり、真摯に向き合い責任をもって取り組んでいくべき課題であると考えております。なお、当社グループにとってのサステナビリティとは、持続可能な社会を目指すなかで生じる様々な社会課題を事業によって解決することであり、同時に、その事業の発展が当社グループの持続的な成長にも寄与するといった関係を構築することにあります。
サステナビリティの実践に際しては、当社グループとして変わらない経営の考え方である「LMGの経営方針3カ条」を全社員と共有するとともに、刻々と変化する社会の流れを見極めつつ、対応すべき課題に対峙しております。
LMGの経営方針3カ条
第1条 「一点の曇りもない経営」
第2条 「ひとりひとりが主役の経営」
第3条 「運動神経の良い経営」
第1条は「一点の曇りもない経営」です。当社グループでは、顧客、取引先、従業員、株主など全てのステークホルダーに対して、法令違反や不誠実が一切存在しない経営を目指しております。良好なガバナンスを実現し、社会的責任を果たす上で最も大切な考え方として社内に深く浸透しております。また、企業にとって人材が最大・最強の資本であるという考えのもと、第2条には「ひとりひとりが主役の経営」を掲げております。経済のソフト化、サービス化に伴い、人材資源に備わるアイデア、モチベーション、ホスピタリティなどのソフト力が企業の命運を握る中、共通のゴールに向けて多様な人材がひとりひとりモチベーション高く活躍できる組織を目指します。そして、第3条は「運動神経の良い経営」を掲げております。企業を取り巻く環境変化のスピードが速まる中、継続的に社会課題に貢献していくためには、企業としての環境適応力が不可欠です。マーケットや法令の変化に応じて迅速な経営判断を行い、変化を自ら創り出していくことで、企業の持続的な成長を目指します。
(サステナビリティに係るマネジメント体制)
(1)ガバナンス
当社は、「モチベーションエンジニアリング」によって意味のあふれる社会を実現する、という創業以来の経営理念を追求することで社会の活性化に貢献すべく、公正で透明性の高い経営に取り組むことを基本的な考えとしております。その実現のため、株主の皆様やお客様をはじめ、取引先、地域社会、従業員等各ステークホルダーと良好な関係を築き、長期的視野の中でグループ企業価値の向上を目指すべく経営活動を推進しております。
取締役会を経営の基本方針や重要課題並びに法令で定められた重要事項を決定するための最高意思決定機関と位置づけ、原則月1回開催しております。取締役会においては、サステナビリティに関する重要方針を含む経営戦略を審議・決定し、持続可能な企業価値の向上を図っております。
また、事業経営にスピーディーな意思決定と柔軟な組織対応を可能にするため、取締役、常勤監査役、執行役員及び事業責任者等が出席する経営会議を原則月2回開催しております。加えて、業務執行に関する監視、コンプライアンスや社内規程の遵守状況、業務活動の適正性かつ有効性を監査するため、監査役が取締役会に出席することで議事内容や手続き等につき逐次確認しております。また、内部監査人を置き、内部監査を実施し、監査結果を定期的に代表取締役会長・社長に報告しております。
なお、当社はサステナビリティについても「LMGの経営方針3カ条」に基づいて実践していることから、現状ではサステナビリティ関連のリスク及び機会、管理するためのガバナンス過程、統制及び手続等の体制をその他のコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりません。詳細は、
(2)リスク管理
当社は、グループ経営に関するさまざまなリスクを審議するため、主要なリスクの状況について定期的にモニタリング、評価・分析し、グループ各社に必要な指示、監督を行うとともに、その内容を定期的に取締役会に報告する体制を整えております。
(サステナビリティに係る個別テーマと取組状況)
(1)気候変動に関する取組み
なお、GHG排出量は以下のとおりです。当連結会計年度末時点におきましては、目標の策定には至っておりませんが、継続的にGHG排出量を削減するよう取り組んでおります。
GHG排出量 (単位:tCO2)
|
2023年12月期 |
2024年12月期 |
Scope1 |
|
|
Scope2(ロケーション基準) |
|
|
Scope2(マーケット基準) |
|
|
当社グループは新型コロナウイルス感染症拡大を機会に、テレワークとオフィスワークのメリットを活かし、生産性の向上を目的とした「Compatible Work」という働き方のモデルを推進しております。さらなる事業推進に向け、現場部門のみ2023年9月よりオフィスワーク比率を向上させた結果、2024年12月期は、GHG排出量が昨年比で増加する結果となりました。引き続き、当社グループ全体で環境負荷軽減に取り組んでまいります。
(2)人的資本に関する取組み
<人的資本経営方針と基本戦略>
当社グループのビジネスはソフトビジネスであり、人的資本が様々な資本の価値創造の源泉であると考えております。そのため、顧客価値を最大化する事業戦略と人的資本価値を最大化する組織戦略を対等に捉え、双方をリンクさせながら経営をしております。組織戦略においては、採用・育成・制度・風土に投資をして、人材力と組織力(エンゲージメント)を高め、人的資本投資のリターンを示す生産性を最大化させることに注力しております。
<人的資本経営に関する指標・目標>
生産性
人的資本投資のリターンを示す生産性の重要指標として、「人的資本ROI(※)」と「社員1人当たりの売上総利益」を掲げ、事業戦略と組織戦略のバランス度合いをモニタリングしております。
※人的資本ROI
人的資本ROI=調整後営業利益÷人的資本投資額
調整後営業利益は、営業利益から、のれん、使用権資産、固定資産の減損等の一時的要因を排除した事業の業績を測る利益指標。人的資本投資額は、従業員の給与や賞与、法定内外福利費、通勤交通費、その他役員報酬等を含んだ費用の合計で算出。
▶2024年結果
売上総利益は前年比112.3%、営業利益は前年比118.6%と大幅に伸長し、「人的資本ROI」「社員1人当たりの売上総利益」は大きく向上しました。引き続き、人材力と組織力(エンゲージメント)について目安を設定し、採用・育成・制度・風土に投資することで、生産性のさらなる向上を目指してまいります。なお、生産性は継続的な向上を目的としており、目安値は策定しておりません。
人材力
組織の求める能力と個人の保有する能力の合致度を示す「人材力」を重視しております。人材力においては、各階層に求められる階層別の役割の遂行状況について、周囲の期待と満足の一致度合いをもとに算出したスコアに応じて11段階でランクづけした「役割サーベイ・レーティング」を、注力指標としてモニタリングしております。
▶2024年結果
Aランク以上の割合は全体で55%超、管理職においては70%超となり、高い人材力を維持しております。
▶2025年目安
Aランク以上の割合 全体 57%、管理職 75%
組織力(エンゲージメント)
組織のありたい姿と個人のモチベーションの合致度を示す「組織力(エンゲージメント)」を重視しております。エンゲージメントにおいては、従業員の会社・上司・職場への期待と満足の一致度合いをもとに算出したエンゲージメントスコアに応じて11段階でランクづけしたエンゲージメント・レーティングを注力指標としてモニタリングしております。
▶2024年結果
グループ会社7社のうちAAAが5社、AAが2社となりました。目安である「7社(※)すべてがAAランク以上」を満たし、引き続き高いエンゲージメントを維持しております。
※2025年1月1日を効力発生日として株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズを吸収合併存続会社、株式会社リンクイベントプロデュースを吸収合併消滅会社とする吸収合併を実施しました。当該吸収合併の効力発生後、株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズは、株式会社リンクソシュールに名称変更しているため、株式会社リンクソシュールと記載しております。
▶2025年(2026年2月)目安
7社/7社がAAランク以上の高い水準を維持。
<人的資本の増加に関する取組み>
当社グループでは、人材力と組織力(エンゲージメント)の向上に向けて、自社ソリューションを徹底的に活用し、定期的な課題の特定(診断)、課題の解決(変革)のサイクルを回しております。
人材力の向上
人材力の向上に向けては、人材育成クラウドサービスである「モチベーションクラウド ロールディベロップメント」を活用しております。部下や上司からの360度サーベイにより、期待度・満足度の指標で個人の評価を定量化。結果をもとに個々人の成長プランを設計し、行動変容を実現する育成サイクルを実現することで、人材力の向上につなげております。当社グループでは、定期的にサーベイを実施し、算出された役割サーベイ・レーティングをもとに、人材力の状況をモニタリングしております。
組織力(エンゲージメント)の向上
組織力(エンゲージメント)向上に向けては、従業員エンゲージメント向上クラウドサービスである「モチベーションクラウド エンゲージメント」を活用しております。延べ12,650社・509万人以上という国内最大級のデータベースをもとに組織状況を可視化し、課題に応じたアクションプランを実行していくことで、エンゲージメントの向上につなげております。当社グループでは、半年に1回サーベイを実施し、算出されたエンゲージメント・レーティングをもとに、組織力の状況をモニタリングしております。
採用・育成・制度・風土に関する施策
人材力と組織力(エンゲージメント)の向上に際して、採用・育成・制度・風土に関する施策を実施し、各種スコアをモニタリングしております。なお、注力事業であるコンサル・クラウド事業においては、「顧客深耕への投資」「DX推進による業務改革への投資」「採用競争力強化への投資」をテーマに各種施策を実施しております。
▶詳細
(参考)人的資本に関する指標
項目 |
小項目 |
単位 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
補足 |
1.倫理とコンプライアンス |
||||||
提起された苦情の種類と件数 |
合計 |
件 |
11 |
13 |
10 |
従業員に対して公開しているホットライン窓口に相談があった件数。 総従業員(役員、社員、アルバイト、ALT)を集計対象として算出。 |
ハラスメント |
件 |
6 |
7 |
7 |
||
職場環境 |
件 |
2 |
2 |
1 |
||
その他 |
件 |
3 |
4 |
2 |
||
懲戒処分の種類と件数 |
合計 |
件 |
6 |
3 |
3 |
総従業員(役員、社員、アルバイト、ALT)を集計対象として算出。 |
譴責・減給 |
件 |
6 |
1 |
1 |
||
出勤停止・停職・降格 |
件 |
0 |
2 |
2 |
||
諭旨解雇・懲戒解雇 |
件 |
0 |
0 |
0 |
||
倫理とコンプラ研修を受けた従業員の割合 |
コンプライアンス研修受講率 |
% |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
社員に実施している研修内容を集計。 |
情報管理研修受講率 |
% |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
||
ハラスメント研修受講率 |
% |
98.5 |
100.0 |
100.0 |
||
外部監査で指摘された事項のうち未解決の件数 |
件 |
0 |
0 |
0 |
労働基準監督署等、外部の監査で指摘を受けた事項のうち、未解決の件数。 |
項目 |
小項目 |
単位 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
補足 |
2.コスト |
||||||
総労働力コスト |
百万円 |
21,445 |
21,424 |
23,411 |
会社が従業員に対して直接支払った費用の総額。直接雇用している従業員に限らず、外部労働力も集計の対象とする。 |
|
外部労働力コスト |
百万円 |
11,793 |
11,790 |
13,100 |
会社が直接雇用していない、外注先や派遣社員等に対して支払う費用の総額。 |
|
総給与に対する役員報酬の割合 |
% |
5.2 |
5.0 |
5.4 |
役員報酬を全従業員の報酬額合計で割って算出。 |
|
総雇用コスト |
百万円 |
10,373 |
10,337 |
11,148 |
従業員を雇用する上でかかる費用の総額。従業員が間接的に恩恵を受けているものも集計の対象とする(育成費や福利厚生費等)。 |
|
1人当たり採用コスト |
新卒 |
千円 |
- |
- |
- |
当該年の採用コストを採用人数で割って算出。新卒採用は、当該年に投資した金額だけが採用人数に直結しているわけではないため、算出していない。 |
中途 |
千円 |
2,535 |
2,401 |
3,149 |
||
採用コスト |
新卒 |
千円 |
336,989 |
341,092 |
403,979 |
当該年で計上した採用にかかる費用を集計。 |
中途 |
千円 |
159,704 |
163,287 |
192,102 |
項目 |
小項目 |
単位 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
補足 |
3.ダイバーシティ |
||||||
労働力のダイバーシティ(年齢) |
70~ |
% |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
|
60~69 |
% |
2.4 |
2.5 |
2.2 |
|
|
50~59 |
% |
8.9 |
9.6 |
8.8 |
|
|
40~49 |
% |
25.2 |
25.2 |
23.6 |
|
|
30~39 |
% |
25.2 |
25.4 |
24.6 |
|
|
20~29 |
% |
38.2 |
37.2 |
40.6 |
|
|
0~19 |
% |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
|
|
労働力のダイバーシティ(性別) |
男性 |
% |
56.0 |
56.0 |
55.0 |
未回答を除く。 |
女性 |
% |
44.0 |
44.0 |
45.0 |
||
労働力のダイバーシティ(障がい者) |
% |
1.4 |
1.5 |
1.5 |
毎年、厚生労働省に報告する「障害者雇用状況報告書」の内容に準じて集計。上記の報告内容に合わせ、6月1日時点の結果を記載。 |
|
労働力のダイバーシティ(その他) |
日本 |
% |
95.0 |
94.7 |
94.9 |
|
北米 |
% |
2.0 |
1.9 |
1.9 |
|
|
欧州 |
% |
1.0 |
0.9 |
0.8 |
|
|
その他 |
% |
2.0 |
2.5 |
2.4 |
|
|
4.リーダーシップ |
||||||
リーダーシップに対する信頼 リーダーに対して求められる「影響力の5つの源泉」 |
専門性 |
- |
4.5 |
4.4 |
4.4 |
管理職に対する役割サーベイ(リンカーンサーベイ)にて測定される「総合満足度」の数値結果。各項目について、対象管理職の部下や上司が1~5の5段階(「1:全く満足していない」~「5:非常に満足している」)で評価しており、上記は全ての管理職の平均値である。 |
魅了性 |
- |
4.5 |
4.4 |
4.4 |
||
返報性 |
- |
4.5 |
4.4 |
4.5 |
||
一貫性 |
- |
4.4 |
4.3 |
4.4 |
||
厳格性 |
- |
4.3 |
4.1 |
4.1 |
||
管理職1人当たり部下数 |
取締役・執行役員 |
名 |
55.7 |
61.2 |
59.4 |
各社によって階層の名称が異なるため、一定の基準のもと階層にあてはめて算出。各階層の人数には、社外取締役、アルバイト、ALTは含んでいません。 |
カンパニー長 |
名 |
35.7 |
27.8 |
27.5 |
||
ユニットマネジャー・ グループマネジャー |
名 |
16.0 |
15.1 |
15.7 |
||
リーダーシップ開発 |
新任管理職研修 (管理職に求められる役割理解) |
% |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|
管理職対象階層別研修 (現状把握・課題設定・目標設定) |
% |
87.9 |
97.6 |
95.7 |
|
|
マネジャー総会 (管理職としての視界向上) |
% |
94.1 |
95.5 |
98.8 |
|
項目 |
小項目 |
単位 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
補足 |
5.組織風土 |
||||||
エンゲージメント |
㈱リンクアンドモチベーション |
- |
AAA(437) |
AAA(458) |
AAA(496) |
()内数値は、対象者数。 詳細は「(サステナビリティに係る個別テーマと取組状況)(2)人的資本に関する取組み <人的資本経営に関する指標・目標> 組織力(エンゲージメント)」を参照。 |
㈱リンクソシュール (※) |
- |
- |
- |
AAA (99) |
||
㈱リンクアカデミー |
- |
AAA(456) |
AAA(426) |
AAA(399) |
||
㈱モチベーションアカデミア |
- |
AAA (50) |
AAA (53) |
AAA (54) |
||
㈱リンク・インタラック |
- |
AAA(159) |
AA (155) |
AA (164) |
||
オープンワーク㈱ |
- |
AA (71) |
AA (88) |
AA (109) |
||
㈱リンク・アイ |
- |
AAA (20) |
AAA (31) |
AAA (21) |
||
6.健康・安全・幸福 |
||||||
労災により失われた時間 |
時間 |
82.8 |
24.7 |
92.8 |
総従業員(役員、社員、アルバイト、ALT)を集計対象として算出。 |
|
労災の件数 |
件 |
3.2 |
4.1 |
5.4 |
||
労災による死亡者数 |
名 |
0 |
0 |
0 |
||
傷病休職発生率 |
% |
2.3 |
1.9 |
3.0 |
|
|
健康・安全研修の受講割合 |
% |
88.2 |
91.6 |
92.0 |
毎年、社員に対して実施しているストレスチェックの受講結果を算出。 |
|
7.生産性 |
||||||
社員1人 当たりの業績 |
売上 |
千円 |
19,067 |
20,328 |
22,729 |
フルタイム(週40時間)に換算した時の従業員数で算出。 |
売上総利益 |
千円 |
9,347 |
10,595 |
12,065 |
||
当期利益 |
千円 |
1,225 |
1,877 |
2,459 |
||
|
|
41.1 |
48.4 |
|
人的資本ROI=調整後営業利益÷人的資本投資額 調整後営業利益は、営業利益から、のれん、使用権資産、固定資産の減損等の一時的要因を排除した事業の業績を測る利益指標。人的資本投資額は、従業員の給与や賞与、法定内外福利費、通勤交通費、その他役員報酬等を含んだ費用の合計で算出。 |
※2025年1月1日を効力発生日として株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズを吸収合併存続会社、株式会社リンクイベントプロデュースを吸収合併消滅会社とする吸収合併を実施しました。当該吸収合併の効力発生後、株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズは、株式会社リンクソシュールに名称変更しているため、株式会社リンクソシュールと記載しております。
項目 |
小項目 |
単位 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
補足 |
8.採用・異動・退職 |
||||||
採用社員の質 |
新卒 |
- |
10.0 |
10.1 |
10.0 |
入社後6カ月間を試用期間と設定し、試用期間終了後に、10を「期待どおり」として2~18の幅で評価。 |
中途 |
- |
9.8 |
10.0 |
10.1 |
||
採用にかかる 平均日数 |
新卒 |
日数 |
55.2 |
72.4 |
76.0 |
当該年に入社した人員の採用にかかった日数を集計。応募日から内定承諾日までの期間の日数で算出。中途採用は通年で採用を行う法人もあるため算出していない。 |
中途 |
日数 |
- |
- |
- |
||
重要ポストが埋まるまでの平均日数 |
日 |
0 |
0 |
0 |
重要ポストを「子会社も含めた当社グループの取締役・執行役員(社外は除く)」と定義。ポストに空きが生じる場合、同時に代わりの人材の登用、もしくは対象ポストの消滅のいずれかを行っているため、空席ポストが発生しません。 |
|
内部登用率 |
% |
78.3 |
76.2 |
75.0 |
空席ポストに対する内部登用者数÷空席ポストに対する(内部登用者数+外部登用者数)として算出。 |
|
重要ポストの内部登用率 |
% |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
1年間に発生した重要ポストに対する登用における内部比率。重要ポストの登用に関しては、すべて内部の人材が登用されている。 |
|
重要ポストの割合 |
% |
1.7 |
1.6 |
1.6 |
重要ポスト数を総ポスト数で割って算出。 |
|
全空席ポスト中の重要ポストの空席率 |
% |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
|
|
内部異動数 |
同領域在籍期間平均 |
年 |
3.6 |
4.0 |
4.1 |
当社グループの事業を一定の領域で区分し、個人の各領域における在籍期間を算出。 |
内部異動率 |
% |
68.8 |
58.6 |
62.8 |
上記の領域や職種をまたぐ異動、及び昇降格による役割変更を内部異動と定義し、1年間の内部異動率を算出。 |
|
経営人材 育成施策 TOPGUNSELECTION参加者数 |
執行役員(執行役員としてのレベルアップ) |
名 |
5 |
0 |
0 |
|
カンパニー長・管理職(将来の役員候補の育成) |
名 |
14 |
10 |
4 |
|
|
メンバー(次期マネジャー候補の育成) |
名 |
6 |
4 |
4 |
|
項目 |
小項目 |
単位 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
補足 |
経営人材準備数 |
役員候補者 |
名 |
22 |
27 |
29 |
|
役員現就任者 |
名 |
27 |
24 |
25 |
|
|
役員準備度 |
% |
81.5 |
112.5 |
116.0 |
|
|
退職率 |
合計 |
% |
13.3 |
13.2 |
10.4 |
月間退職率(月間退職者数÷月間平均従業員数)の年間(12カ月分)の総和で算出。 |
自発的退職率 |
% |
13.0 |
12.4 |
10.4 |
対象人材の月間退職率(月間退職者数÷月間平均従業員数)の年間(12カ月分)の総和で算出。 |
|
自発的退職率(管理職) |
% |
0.7 |
0.6 |
0.8 |
||
自発的退職率 (ITエンジニア) |
% |
0.4 |
0.5 |
0.3 |
||
9.スキルと能力 |
||||||
人材開発・ 研修の総費用 |
実際の費用 |
千円 |
190,536 |
190,587 |
194,691 |
|
顧客への提供金額に換算 |
千円 |
325,239 |
467,657 |
402,327 |
|
|
研修への参加率 |
テクニカルスキル (TOP GUN講座) |
% |
- |
100.0 |
- |
|
ポータブルスキル (ネゴシエーション研修) |
% |
- |
97.6 |
100.0 |
|
|
ポータブルスキル (ロジカルシンキング研修) |
% |
- |
99.7 |
100.0 |
|
|
ポータブルスキル (セルフモチベーションコントロール研修) |
% |
- |
98.7 |
100.0 |
|
|
ポータブルスキル (リーダーシップ研修) |
% |
- |
96.6 |
98.5 |
|
|
ポータブルスキル (キャリアデザイン研修) |
% |
- |
98.0 |
98.6 |
|
|
スタンス(新任カンパニー長研修) |
% |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|
|
スタンス (新任管理職研修) |
% |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|
|
スタンス(新入社員スタンス研修) |
% |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|
|
サーベイ研修(上級管理職向けサーベイ研修) |
% |
91.1 |
95.9 |
97.2 |
|
|
サーベイ研修(管理職向けサーベイ研修) |
% |
87.9 |
97.6 |
95.7 |
|
|
サーベイ研修(シニア向けサーベイ研修) |
% |
85.7 |
93.3 |
100.0 |
|
|
サーベイ研修(リーダー向けサーベイ研修) |
% |
84.9 |
98.5 |
96.0 |
|
|
サーベイ研修(中堅向けサーベイ研修) |
% |
88.8 |
97.5 |
96.7 |
|
|
サーベイ研修(若手向けサーベイ研修) |
% |
95.9 |
96.4 |
98.4 |
|
項目 |
小項目 |
単位 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
補足 |
DX研修受講者数 |
名 |
1,499 |
1,381 |
1,185 |
|
|
DXスコア |
合計 |
点 |
123.3 |
124.3 |
131.2 |
|
PPTスキル |
点 |
57.9 |
56.3 |
60.4 |
|
|
Excelスキル |
点 |
65.4 |
67.9 |
70.8 |
|
|
10.後継者計画 |
||||||
内部継承率 |
% |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
年末時点の重要ポストに対する登用における内部比率。 |
|
後継者候補 準備率 |
カンパニー長候補者 |
名 |
106 |
104 |
99 |
|
カンパニー長現就任者 |
名 |
41 |
51 |
52 |
|
|
カンパニー長準備度 |
% |
259.0 |
203.9 |
190.4 |
|
|
後継者の継承準備度(即時) |
1年以内 |
名 |
5 |
5 |
5 |
|
後継者の継承準備度(1-3年/4-5年) |
1~3年 |
名 |
29 |
27 |
25 |
|
4~5年 |
名 |
72 |
72 |
69 |
|
|
11.労働力 |
||||||
総従業員数 |
役員 |
名 |
32 |
30 |
32 |
社外取締役を含め、取締役と執行役員の合計。 |
社員 |
名 |
1,505 |
1,470 |
1,484 |
|
|
アルバイト |
名 |
381 |
385 |
442 |
|
|
ALT |
名 |
2,857 |
2,875 |
3,149 |
ALT配置事業で雇用するAssistant Language Teacherの略。 |
|
合計 |
名 |
4,775 |
4,760 |
5,107 |
|
|
フルタイム /パートタイム |
フルタイム |
名 |
1,567 |
1,530 |
1,546 |
雇用形態によらず、契約上の就業時間が週40時間以上を「フルタイム」、週40時間未満を「パートタイム」と定義する。(ALTは除く) |
パートタイム |
名 |
351 |
355 |
412 |
||
フルタイム当量 |
FTE |
1,719 |
1,671 |
1,648 |
フルタイム(週40時間)に換算した時の従業員数。全従業員の1週間当たりの総勤務時間を40時間で割って算出。(ALTは除く) |
|
欠勤率 |
% |
0.9 |
0.5 |
0.8 |
|
以下において、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある特に重要なリスクを記載しております。但し、全ての重要なリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性がございます。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。
(1)経済状況等の変動等、マクロ環境に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
(リスクの内容)
当連結会計年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善に伴い、緩やかな景気回復が見られました。しかし、円安に伴う物価上昇のほか、米国の政治動向に伴う世界経済への影響や、不安定な国際情勢による地政学的リスクの存在により、その先行きは依然として不透明な状況です。このような経済状況等の停滞・悪化により、サービスに対する需要が低迷する場合には、当社グループの経営成績等も影響を受ける可能性があります。
具体的には、組織開発Divisionの特に中小ベンチャー企業へのコンサルティングにおける、事業環境の悪化に伴うプロジェクトの休止等の影響や、マッチングDivisionの人材紹介事業における、企業の雇用環境の変化の影響が想定されます。
(主な対応策)
当社グループでは、企業を取り巻く環境変化のスピードが速まる中、その変化に柔軟に、素早く対応し、影響を最小化できるよう、「経営方針3カ条」において「運動神経の良い経営」を掲げております。この方針に基づき、経済状況等についても適宜経営会議にて議論することで即時の意思決定を行っております。
同時に、経済状況等の影響を受けにくいALT配置事業やキャリアスクール事業を2010年代に開始し、景気変動に耐えうる事業ポートフォリオの構築をしております。また、特に当社グループの売上総利益の約50%を占める組織開発Divisionにおいて、モチベーションクラウドの展開によりストック売上の比率を高めることで、ビジネスの安定化を図っております。
(2)知的財産権に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
(リスクの内容)
当社グループは、モチベーションエンジニアリングを基軸とした事業展開によってブランドを確立しておりますが、本技術を模倣した企業の出現によって、競合事業者に対する当社グループの優位性を顧客に対して十分に訴求できなくなった場合に、売上の減少等、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、事業規模の拡大やテレワークの導入に伴って、コンサルティングノウハウや顧客事例等、知的財産の流出・漏洩が発生しやすい環境となっており、ブランド棄損や風評リスクも高まっております。加えて生成AI技術の急速な発展により、AIが基幹技術を模倣したコンテンツ等を生成するといったリスクが高まっております。
(主な対応策)
モチベーションエンジニアリングの模倣可能性の低減に向けては、R&D部門が主導となり本技術を常に進化させるとともに、法務部門を中心に商標権や特許権、著作権等複数の知的財産権を組み合わせて知的財産を多面的に保護しております。
また、知的財産の流出・漏洩に対しては、法令から要請される合理的な情報管理措置及びデータガバナンスの構築のみに留まらず、流出・漏洩を検知する仕組みの構築や生成AI技術の利活用等について社員向けの啓発を強化することで、営業秘密をはじめとした情報資産保護の実効性を向上させてまいります。
(3)データセキュリティ・データプライバシーに関連するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
(リスクの内容)
当社グループでは、事業運営に関し、顧客企業の組織人事情報(組織開発Division)、氏名・生年月日等の顧客情報(個人開発Division)、求職者・求人情報・その他企業情報(マッチングDivision)等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。また、近年の生成AI技術の発展により、従業員が生成AIを利活用する頻度が高まっていることから、個人情報及び機密情報が漏洩するリスクが高まっております。
サイバー攻撃等の外部の不正や、内部の不慮が原因で個人情報が漏洩し、情報主体ないしは顧客企業等に被害が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(主な対応策)
当社グループでは、プライバシーマークに準じた情報管理規定及び管理手法を策定し、組織面・技術面ともにその遵守に努めております。具体的には、管理規程に則り各就業規則を策定し、全役職員及び全従業員に個人情報保護管理に関する定期的な教育を徹底しております。
また、機密性・完全性・可用性を考慮したセキュリティ要件を策定し、環境構築・運用時の遵守を徹底するとともに、ランサムウェア、不正アクセス等の外部脅威の防御や内部の不慮の防止のための技術的対策を講じております。加えて、日々高度化する外部からの脅威に備えて必要な対策を取るべく、外部機関からの情報収集及び中長期的な視点での情報セキュリティの向上にも継続的に取り組んでおります。また、生成AI技術の利活用に関しても、適切なガバナンスを確立し、社員向けの啓発を強化することで、外部への流出・漏洩を防止しております。
(4)人材確保に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
(リスクの内容)
当社グループは、人的資本を最重要視し、人的資本をもとに顧客価値を創出し続けております。そのため、持続的な成長を遂げるためには、優秀な人材の確保が肝要です。大幅な成長を見込んでいる組織開発Divisionにおいては、プロジェクトマネジャーやエンジニアの確保及び育成が重要となっておりますが、かかる人材の確保ができない場合は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(主な対応策)
当社グループは創業以来、「優秀な人材をエンゲージメント高く採用するために投資を惜しまない」という考えを前提とし、自社の採用コンサルティングナレッジを用いながら、優秀な人材の確保を重ねております。また、優秀な人材の獲得に向けて、応募者から「選ばれる企業」であるべく、従業員エンゲージメントの向上やブランディングに取り組み続けております。同時に、組織・人事に関するコンサルティングサービスの一部クラウド化を推進することで、テクノロジーを活用して必要人員の最小化を図っております。
(5)資産の減損等に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
(リスクの内容)
当社グループは、M&A等による新たな領域への積極展開や新たな商品サービスラインナップの拡充を進めることで、事業の拡大スピードを速めてまいりました。結果として、連結財務諸表にM&A等による株式取得に伴うのれんを相当額計上しております。今後、取得済みの株式に係る事業について、経営環境や事業状況の変化等により事業収益性が著しく低下した場合等には、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、最悪の場合には債務超過に陥る可能性があります。
(主な対応策)
減損損失額を最小限にするべく、M&A後のシナジー実現に向けたフォローアップや経営成績の定期的なモニタリングを強化しております。また、M&A後にコンサルティングナレッジを当該事業に適用し、人材力と組織力(エンゲージメント)を徹底的に向上させることで、人的資本をもとにした収益力の向上を図っております。
経営成績等の状況の概要
1.業績
当社グループは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」というミッションのもと、経営学・社会システム論・行動経済学・心理学等の学術的成果を取り入れた当社グループの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を用いて、多くの組織と個人の変革をサポートしております。当連結会計年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善に伴い、緩やかな景気回復が見られました。しかし、円安に伴う物価上昇のほか、米国の政治動向に伴う世界経済への影響や、不安定な国際情勢による地政学的リスクの存在により、その先行きは依然として不透明な状況です。このような経済状況下、企業が変化に適応するための人的資本経営推進のニーズ、具体的には、従業員エンゲージメント(会社と従業員の相互理解・相思相愛度合い)の向上や人材確保・育成のニーズはますます高まっていると認識しております。
このような経営環境下、当社グループの売上収益は37,458百万円(前年比110.3%)、売上総利益は19,884百万円(同112.3%)、営業利益は5,485百万円(同118.6%)となりました。なお、親会社の所有者に帰属する当期利益は、賃上げ促進税制の税額控除等により3,691百万円(同129.9%)となりました。
2024年12月期の業績予想は、売上収益36,900百万円(前年比108.6%)、売上総利益19,830百万円(前年比112.0%)、営業利益5,330百万円(同115.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益3,248百万円(同114.3%)を見込んでおりました。売上収益及び全段階利益で予想値を超え、前年比で大幅に増加しました。また、営業利益については、2023年12月期の4,623百万円を超え、2期連続で過去最高益を更新しました。加えて、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は、親会社の所有者に帰属する当期利益が大幅伸長した結果、34.4%と大きく向上しました。
当社グループのセグメント区分と事業区分は次のとおりであり、当連結会計年度におけるセグメント・事業別の概況は以下のとおりであります。
《組織開発Division》
組織開発Divisionでは、個人から選ばれる組織(モチベーションカンパニー)創りを支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である「モチベーションエンジニアリング」を適用し、従業員・応募者・顧客・株主等の企業を取り巻くステークホルダーとのエンゲージメント向上を支援するサービスを提供しております。
当該セグメントでは、当連結会計年度における売上収益は14,854百万円(同115.2%)、セグメント利益は10,254百万円(同113.5%)となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。
(コンサル・クラウド事業)
当該事業は、企業の人的資本経営の推進のため、独自の診断フレームに基づいたエンゲージメント状態の診断、及び組織人事に関わる採用・育成・制度・風土といった変革ソリューションをワンストップで提供しております。また、企業が従業員エンゲージメントをマネジメントできるクラウドサービス「モチベーションクラウドシリーズ」を展開しております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は12,556百万円(同115.5%)、売上総利益は9,165百万円(同112.0%)となりました。
当連結会計年度においては、「モチベーションクラウドシリーズ」が成長を牽引した結果、売上収益、売上総利益ともに前年比で大幅に増加しました。
コンサルティングについては、プロダクト軸から顧客軸への組織体制の変更により顧客深耕が進んだ結果、売上収益は前年比で増加、顧客単価も想定通り向上しました。来年度も引き続き、大手企業に対する人的資本経営の総合支援に注力してまいります。
また、当社グループは、2000年の創業以来、企業と従業員のエンゲージメント状態を「診断」するだけでなく、「変革」まで支援してまいりました。「モチベーションクラウドシリーズ」は、従業員エンゲージメント向上を実現するHRTech(人材×テクノロジー)領域のクラウドサービスです。創業以来提供してきた組織診断サービスをクラウド化し、2016年7月よりサービス提供を開始いたしました。モチベーションクラウドは現在、株式会社アイ・ティ・アールが発行する市場調査レポート「ITR Market View:人材管理市場2024」において、従業員エンゲージメント市場のベンダー別売上金額シェアで7年連続1位(2017~2023年度予測)を獲得しております。
2024年12月末における「モチベーションクラウドシリーズ」の月会費売上は515,823千円(同120.7%)となり、月会費売上目標の530,000千円を下回ったものの、大幅な成長を実現いたしました。引き続き開拓余地の大きい大手企業への導入に注力することで、成長を加速してまいります。なお、2025年12月末における月会費売上は、前年比120.2%の620,000千円を見込んでおります。
(IR支援事業)
当該事業は、企業の人的資本経営の公表のため、IR領域を中心に様々なメディアやイベントを通じて、コーポレートブランディング構築をワンストップで支援しております。具体的には、株主・投資家向けの統合報告書・株主通信等の紙メディア制作やIRページ等のWEBメディア、決算説明会の動画配信等の映像メディア制作に加えて、株主総会等の場創りを行っております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は2,467百万円(同112.8%)、売上総利益は1,207百万円(同125.9%)となりました。
当連結会計年度においては、注力サービスである統合報告書制作の売上が過去最高となった結果、売上収益、売上総利益ともに前年比で大幅に増加しました。
有価証券報告書における人的資本開示の義務化を受け、非財務情報、特に人的資本情報の開示ニーズは引き続き高まっております。また、当社グループが提供しているモチベーションクラウドにおける診断結果の公表社数は2024年12月末時点で153社となり、従業員エンゲージメントの開示も着実に進んでおります。今後も、コンサル・クラウド事業とのシナジーを創出することで、企業価値向上に向けた本質的な開示を支援してまいります。
《個人開発Division》
個人開発Divisionでは、組織から選ばれる個人(アイカンパニー)創りを支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である「モチベーションエンジニアリング」をキャリアスクール・学習塾のビジネスに適用し、小学生から社会人までを対象に、目標設定から個人の課題把握、学習プランの策定・実行に至るサービスをワンストップで提供しております。
当該セグメントの当連結会計年度における売上収益は6,421百万円(同100.1%)、セグメント利益は3,033百万円(同103.5%)となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。
(キャリアスクール事業)
当該事業は、大学生や社会人の「キャリア向上」のため、パソコンスクールの「AVIVA」、資格スクールの「DAIEI」、外国語スクールの「ロゼッタストーン・ラーニングセンター」、「ロゼッタストーン Premium Club」及び「ハミングバード」の5つのサービスを提供しております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は5,536百万円(同98.6%)、売上総利益は2,616百万円(同101.8%)となりました。
当連結会計年度においては、売上収益は前年比で微減となったものの、売上総利益は前年比で増加、売上総利益率は47.3%となり、想定通り向上しました。また、オンライン化に注力した結果、当連結会計年度のオンライン講座の売上高は553百万円と、前年を上回る結果となりました。2025年12月期は、引き続きオンラインでのサービス拡大に注力してまいります。
(学習塾事業)
当該事業は、小・中・高校生の「学力向上」のため、中学受験を目指す小学生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」と、中高生向けの学習塾「モチベーションアカデミア」の2つの進学塾を、通学・オンラインの形態にて展開しております。特に「モチベーションアカデミア」では、一般的な学習塾とは異なり単なる学力向上にとどまらず、社会で活躍するためのスキル獲得も支援しております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は885百万円(同110.4%)、売上総利益は417百万円(同115.8%)となりました。
当連結会計年度においては、在籍者数と顧客単価がいずれも想定通り増加した結果、売上収益、売上総利益ともに前年比で大幅増加となりました。引き続き、オンライン授業による学びの機会を通塾可能地域にとどまらない幅広い層に提供し、新規入会者数を伸長させることで、継続的な成長を実現してまいります。
《マッチングDivision》
マッチングDivisionでは、組織と個人をつなぐ機会提供としてALT(Assistant Language Teacher)配置事業と人材紹介事業を展開しております。当社グループの基幹技術である「モチベーションエンジニアリング」を適用し、企業や自治体が求めるスキル要件にとどまらず、データをもとに個人の特性とのマッチングを可能にする「フィッティング」も行うことで、定着率の高いマッチングを実現しております。
当該セグメントの当連結会計年度における売上収益は16,821百万円(同109.2%)、セグメント利益は7,163百万円(同112.3%)となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。
(ALT配置事業)
当該事業は、日本で働きたい外国籍人材と自治体のフィッティングとして、全国の小・中・高等学校へのALTの派遣及び英語指導の請負をサービスとして提供しております。本事業は、顧客との信頼関係や実績が重視されるため参入障壁が非常に高く、当社グループは民間企業で圧倒的No.1のシェアを確立しております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は12,873百万円(同107.2%)、売上総利益は3,266百万円(同107.2%)となりました。
当連結会計年度においては、ALT配置人数が想定通り増加した結果、売上収益、売上総利益ともに前年比で増加しました。当該事業は、2023年12月期までALTの社会保険加入義務化の影響を受けていましたが、2024年10月からの適用対象拡大によって競争環境がフラット化したことで、過去12ヶ月平均ALT配置人数は3,000人を超える結果となりました。引き続き、質の高いALTの派遣という強みを活かすとともに、オンライン化やICTの活用も進めることで、シェアの拡大を目指してまいります。
(人材紹介事業)
当該事業では、求職者と企業のフィッティングとして、事業成長に必要な人材を企業に紹介する人材紹介サービスを展開しております。就職・転職の情報プラットフォームをはじめ、大学生を対象とした人材紹介など幅広いマッチング機会を提供しております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は3,968百万円(同116.3%)、売上総利益は3,917百万円(同116.8%)となりました。
当連結会計年度においては、特に成長率の高いオープンワークにて、登録ユーザー数、社員クチコミ・評価スコア数を着実に積上げております。中でもダイレクトリクルーティングサービス「OpenWorkリクルーティング」は、積極的なマーケティング投資により、Web履歴書登録数が増加し、累計Web履歴書登録数(社会人・学生)が約134万件まで増加しました。また、既存顧客の採用活動の活性化、求人数の増加等の取り組みの結果、求人企業の採用活動、求職者からの応募も活発に行われ、当該サービスの売上収益は2,420百万円(同129.6%)となりました。
今後も引き続き、組織開発Divisionとのシナジーを拡大しながら、フィッティング支援を加速してまいります。
《ベンチャー・インキュベーション》
当社グループでは、各Divisionの他に、ベンチャー・インキュベーションを展開しております。ベンチャー・インキュベーションでは、出資に加え、当社グループの組織人事コンサルティングのノウハウ等を提供し、上場を目指す成長ベンチャー企業を組織面からも支援しております。出資先の主な選定基準は、「“モチベーションカンパニー”創りへの共感」「株式上場を目指していること」の2点です。なお、ベンチャー・インキュベーションにて発生した売却益等は、連結財政状態計算書の利益剰余金、又は連結損益計算書のその他の収益・その他の費用に計上いたします。
これまで12件のイグジットに成功しておりますが、引き続き投資先企業に対する支援を通じて、モチベーションカンパニー創り、及び人的資本経営の浸透を加速させてまいります。
生産、受注及び販売の実績
1.生産実績
当社グループは、コンサルティング業等を主体としており、生産実績の記載はしておりません。
2.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
組織開発Division |
16,503 |
122.4 |
9,282 |
126.8 |
|
個人開発Division |
6,253 |
104.8 |
987 |
92.6 |
|
マッチングDivision |
17,107 |
115.0 |
7,944 |
107.1 |
|
その他 |
6 |
97.8 |
- |
- |
|
合計 |
39,871 |
116.1 |
18,214 |
115.3 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
組織開発Division |
14,539 |
116.0 |
|
個人開発Division |
6,332 |
100.9 |
|
マッチングDivision |
16,580 |
109.4 |
|
その他 |
6 |
97.8 |
|
合計 |
37,458 |
110.3 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
1.財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,335百万円増加し、33,178百万円となりました。これは主として、使用権資産が520百万円減少した一方で、現金及び現金同等物が1,217百万円、持分法で会計処理されている投資が1,981百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ890百万円増加し、18,793百万円となりました。これは主として、リース負債が599百万円減少した一方で、有利子負債及びその他の金融負債が1,131百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ1,444百万円増加し、14,384百万円となりました。これは主として、自己株式の取得、剰余金の配当により減少した一方で、当期利益を計上したこと等によるものです。
2.経営成績の分析
(1)売上収益
当連結会計年度の売上収益は、前年比10.3%増の37,458百万円となりました。セグメント別には、組織開発Divisionで前年比15.2%増の14,854百万円、個人開発Divisionで前年比0.1%増の6,421百万円、マッチングDivisionで前年比9.2%増の16,821百万円となりました。
(2)売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前年比8.1%増の17,574百万円となり、原価率は46.9%となりました。
(3)販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前年比8.1%増の14,196百万円となりました。
(4)営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前年比18.6%増の5,485百万円となりました。
(5)親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年比29.9%増の3,691百万円となりました。
3.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度において、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,217百万円増加し、当連結会計年度末の残高は8,607百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により獲得した資金は前年より1,295百万円増加し、5,638百万円となりました。これは主として、税引前当期利益が前年に比べ853百万円増加、法人所得税の還付額が前年に比べ440百万円増加したことにより資金が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により使用した資金は1,938百万円となりました(前年は286百万円の獲得)。これは主として、持分法で会計処理されている投資の取得による支出が1,992百万円発生したことにより資金が減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により使用した資金は前年より867百万円減少し、2,486百万円となりました。これは主として、短期借入金の純増減額が前年に比べ5,400百万円減少、長期借入金の返済による支出が前年に比べ574百万円増加したことにより資金が減少した一方で、長期借入れによる収入が前年に比べ7,080百万円増加したことにより資金が増加したこと等によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループの資金需要は、人件費等の運転資金のほか、ソフトウエア開発費用、M&A費用等の事業投資資金があります。これらの資金需要に対して、自己資本又は金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1.財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「経営成績等の状況の概要 1.業績」、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.財政状態の分析」、及び「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 2.経営成績の分析」に記載しております。
2.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 3.キャッシュ・フローの分析」に記載しております。
3.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価の主な構成要素であります人件費、ソフトウエア開発費等の外注費、及び有利子負債の返済及び利息の支払い等があります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は11,630百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8,607百万円となっております。なお、安定的な運転資金の調達方法として、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当該契約の借入未実行残高は8,400百万円となっております。
今後の動きについては引き続き注視しつつ、財政状態へ重大な影響を与える可能性のある事象が生じた場合等においては、適時に対応の検討を行ってまいります。
また、当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。