文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出時点において、当社グループが判断したものであります。
当社は、「テクノロジーで社会を豊かにする会社」から「テクノロジーで持続可能な未来を築く会社」に変革していくため、令和6年4月1日より商号を「株式会社sMedio」から「GreenBee株式会社」へ変更し、再生可能エネルギー関連製品をワンストップで提供する「GXサービス事業」、AIとシステムで情報活用可能なサービスを提供する「DXサービス事業」、競争力の高い自社テクノロジー製品をライセンスする「テクノロジーライセンス事業」を事業領域として事業展開しております。
当社グループは、中長期的な事業拡大と企業価値向上のため、営業利益を重要な指標としております。また、顧客別、製品別の売上および出荷台数を重要な構成要素として重要な指標としております。
当社は、自社保有技術を活用したテクノロジーソフトウェア・サービス開発を強みとし、ライセンス提供することを主な事業としてきました。しかしながら、当社の主戦場としているパソコン・デジタル家電領域では、消費者ニーズの変化や製品のコモディティ化が進んでいる状況にあり当社製品を搭載する顧客製品の出荷数が伸び悩んでいる現状があります。
一方で、社会全体は大きな変革期にはいり、AI、IoT、ビッグデータなどを活用した既存システムからの脱却や新たなビジネスモデルの創出(DX:デジタルトランスフォーメーション)、気候変動や環境破壊の抑制を目指す再生可能エネルギーの導入(GX:グリーントランスフォーメーション)が急速に進んでいます。
このような事業環境の中で、当社が対処すべき課題は次のようにまとめられます。
当社グループは、ハードウェア製品に搭載するソフトウェアを開発してきた経緯からデジタル家電、パソコン等の電子機器の出荷数に応じて受け取るロイヤリティ収入を主な収益源としてきました。しかしながら、「GXサービス事業」と、「DXサービス事業」においては、サービスに対して料金を課金する収益モデルへの移行を進める必要があります。
② 製品構成の充実
サービスに対して料金を得るために必要な製品群の開発が必要になります。顧客ニーズを的確に捉えた製品・サービスを適宜、市場に投入していくことで、会社の永続的な成長基盤を強固にしていく必要があります。
当社グループは、自社開発の製品・サービスの販売を主として行ってきておりますが、「GXサービス事業」事業領域に参入するにあたり、社内開発者、外部協力者を合わせた開発管理体制を構築し、品質担保していく必要があります。
当社グループは、製品開発で生まれる独自の差別化できる知的財産を特許や登録商標の形で効率的に登録管理し、市場競争における優位性を一層確保する必要があります。
また、ソフトウェア業界においては、他社の知的財産を、主に有償で利用して、製品を完成させることが一般的となっていますが、他社の知的財産を侵害しないようにする必要があります。
当社グループが注力しようとしているAI、IoT分野では、個人情報を取り扱う機会をゼロにすることは現実的ではありません。
主要国・地域において、インターネット上も含めて、個人情報保護規制は強化される流れにあり、当社グループは、より一層、個人情報の管理体制を強化する必要があります。
⑥ 優秀な人材の確保
ソフトウェア業界では、ソフトウェア開発・技術者が慢性的に不足しており、特にAI、クラウド分野での優秀なソフトウェア開発・技術者の確保は難しい状況にあります。当社グループが、より競争力のあるソフトウェアを継続的に開発していくためには、国内外で優秀なソフトウェア開発・技術者および製品企画者を確保していく必要があります。
⑦ 内部管理体制の強化
コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップ・コード、フェアディスクロージャールールといった資本市場の健全な発展に資すると考えられる施策が導入される中、それらが意図する投資家及び資本市場との建設的な対話を実現するため、適切な情報を、適時、公平に開示することができるよう内部管理体制を強化していく必要があります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1) ガバナンス
当社では、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスに関しては、コーポレート・ガバナンス体制と同様となります。当社のコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「
(2) 戦略
当社グループが成長していくためには優秀な人材が必要不可欠であると考えております。一人ひとりが自律し、高い技術品質を提供するプロフェッショナル人材への成長を支え、グループ及び部署間の交流を促進し、相互の専門性やノウハウ・ナレッジの共有により新たな価値創造を組織にもたらす人材育成に取り組んでおります。また、年齢、国籍、性別等を問わず意欲、能力、実績に応じた平等な人事評価に基づき管理職登用を行っております。さらに、フレックスタイム制により柔軟な働き方を実現するなど、優秀な人材が定着するような環境整備を行っておりますが、今後も継続して働きやすい職場環境づくりを推進してまいります。
(3) リスク管理
当社では、事業を取り巻く様々なリスクに対応するため、「リスク管理規程」を定め、リスクを的確に把握・対応する体制を構築しております。サステナビリティに関連するリスクにつきましても、当該規程に基づきリスク管理を行い、必要に応じて専門家の助言・指導を受けております。
(4) 指標及び目標
当社グループは、企業理念である「テクノロジーで、持続可能な未来を築く」に基づき、顧客や社会から信頼される企業としての地位を築くため、人材育成と社内環境整備について、以下のように考えております。
①人材育成方針
従業員一人ひとりが自律し、スキルや経験が生かされ、従業員が会社とともに発展していくことを目指しており、そのための研修、資格取得の支援として受験料等の補助も行っております。また、新しい業務に挑戦しやすい環境が整っております。
②社内環境整備方針
当社グループは、経営陣との距離が近く、従業員の意見が経営に反映されやすい環境を強みとしています。また、少人数であることを活かし、意思決定のスピードが速く、柔軟な対応が可能です。こうした環境のもと、従業員一人ひとりが主体的に業務に取り組むことを支援し、働きがいのある職場を目指しています。
③指標及び目標
人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標及び目標などについては、今後、慎重に検討してまいります。当社は、少人数ならではの風通しの良さを活かし、意見が通りやすく、年齢、国籍、性別等を問わず成果を正当に評価する文化を持っています。現状では女性管理職は少ないですが、実力に応じた登用を推進し、今後さらにダイバーシティを強化していく方針です。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に判断した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出時点において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅したものではありません。
以下のリスクが顕在化した場合の影響度は、当該リスクが顕在化した際の内容・規模により異なるため、見積もりは困難であると考えております。
祖業であるマルチメディア関連技術に関しては、技術が成熟しており、大きな成長性は見込めませんが、デジタル家電の買い替え需要に下支えされながら、漸減していくと見込んでいます。
DXサービス事業は、新規有償ユーザーを獲得するにあたり、マーケティング費用や販売パートナーへのインセンティブの支払いなどの獲得コストが増加することにより、短期的な利益を圧迫する恐れがあります。
GXサービス事業は、営業・サポート体制の構築、開発投資が必要となります。
当社グループが属するソフトウェア業界は、技術革新のスピードが速く、また、陳腐化も早いため、①想定以上の技術進歩、②製品が市場ニーズに適応しない、③新製品・サービス開発の遅れや投入時期の遅れ等により、当社グループが保有する技術や製品が陳腐化し競争力を失い、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
新規事業・サービスの将来性・採算性を慎重に検討し、継続的な技術開発に取り組んでおります。
当社グループは、棚卸資産、有形固定資産(建物附属設備、工具器具備品等)、無形固定資産(ソフトウェア等)を保有しており、今後も事業進捗に応じて新規に取得してまいります。
当該資産に関して、収益性の低下や時価の著しい下落といった事象が生じた場合には、会計基準に基づき、評価減・減損の可否を判断しますが、特に、販売数量の見込みが、実際の販売数量を大きく下回ることになり、原材料(当連結会計期間末時点の簿価で64百万円)の評価減・減損の必要が生じた場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
環境変化による収益性の低下を回避できるよう、過剰投資の防止に努めてまいります。
当社グループが製品化しているソフトウェア製品は、プロジェクト毎に開発から納品までのプロジェクト管理を行っており、十分な品質管理を行っていると考えます。しかしながら、関連する製品および技術の複雑化、開発から納品までの短納期化、使用される環境の多様化、複雑化等、様々な理由で品質問題を起こし、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
品質管理を徹底するよう努めてまいります。
当社グループが関係する業界は、国内外の大手企業やベンチャー企業等が様々な領域において特許等の知的所有権を保有している可能性があります。当社では関連技術における知的所有権やライセンスに関する情報収集に努め、また、自社における特許等の知的所有権確保を進めていきますが、他社の知的財産権の侵害等に関してすべてを網羅する事は現実的に不可能であり、他社からのライセンス料請求や損害賠償等の請求を受ける場合もありえるので、それらが当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
知的財産に関する情報収集に努めております。
当社グループは、保有する個人情報および個人識別情報の取扱いにつきまして、十分な注意を払っておりますが、不測の事態等での外部漏洩および結果として日本や欧州等における個人情報保護法令に違反したことなどに起因する信用失墜や損害賠償金、制裁金の支払等が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
個人情報保護方針を定め、個人情報保護の仕組みを構築し、全従業員に個人情報保護の重要性の認識と取組みを徹底させることにより、個人情報保護に努めております。
また、当社グループは、今後の事業の拡大に伴い、優秀な人材を確保することおよび社内において育成することが必要不可欠と考えております。これらの人材確保・育成・定着がうまくいかない場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
人材確保・定着のための労働環境の整備に努めてまいります。
当社グループは特定の国内外大手企業にソフトウェア製品を販売しております。令和6年12月期の実績では上位3社で売上の51.9%を占めております。顧客との関係は良好でありますが、主要販売先である顧客の業績不振、経営方針の変更、自然災害や事故を含む事業活動の停止や減速化、取巻く市場環境の変化等により将来の売上見込が大きく変動する可能性があります。
(リスクへの対応策)
主要販売先以外への売上を増やすよう、新製品や既存製品の採用に継続して取り組んでおります。
当社グループのロイヤリティ単価は各顧客との間で協議し、期間、数量、仕様等に基づいて決定されライセンス契約として締結されます。当社グループの属するソフトウェア業界では、顧客が販売する製品単価の下落、競合他社との競合による価格競争の激化、市場拡大と数量増加による価格改定等により想定の範囲以上にロイヤリティ単価が下落することがありえます。当社グループでは継続的な製品の付加価値向上により想定外のロイヤリティ単価の下落による業績への重大な影響がないよう企業努力を行っておりますが、前述したような理由により想定外のロイヤリティ単価の変動が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
継続的な製品の付加価値向上に努めてまいります。
ブルーレイディスクをはじめとする当社グループが属する開発、製品分野では製品の開発、納入の為に第三者が権利を有する知的所有権に対してライセンス料を支払う必要があります。第三者とのライセンス利用許諾契約では通常1~5年の期間でライセンス価格等の条件を定め当該契約に基づき当社の売上からこれらのライセンス料を複数社に対して支払っております。当社グループでは、ライセンスホルダーの都合等の事由による、これらの契約の取消、更新の停止、重大な契約内容の変更要請等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
ライセンスホルダーとの良好な関係維持に努めてまいります。
当社グループは、業務・資本提携、合弁事業、M&A等を事業拡大の有効な手段として活用する方針であります。
当社グループと対象企業の事業運営ノウハウ等を融合することによって、より大きなシナジーを生み出すことを目指しております。しかしながら、当初見込んだ効果が発揮されない場合やこれらの提携が解消された場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、M&A等は、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細な事前審査を行い、十分にリスクを検討した上で決定しておりますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、事業の展開等が計画通りに進まない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じた場合等には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
業務提携、M&Aによるシナジー効果とリスクを慎重に検討しております。
当社グループは、恒常的に外貨建取引をしている結果、為替相場の影響を受けることになります。保有外貨預金の圧縮、為替予約の活用を始め、その影響を軽減することに努めますが、為替変動が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
保有外貨預金の圧縮や為替予約の活用に努めてまいります。
当社は、株主に対する利益還元を重要課題と位置付けていると同時に、経営体質の強化および将来の事業規模の拡大に備えて財務体質を強化することを重要課題として位置づけております。今後の事業への投資および研究開発のため、内部留保の充実を図り、将来の成長戦略と業績を勘案しつつ、配当の実施時期を定めたいと考えております。現在の当社の財務状況を勘案し、財務健全性を維持する観点をより重視し、配当実施の可能性およびその時期に関しましては未定であります。
(1) 業 績
当連結会計年度における我が国経済は、不安定な国際情勢等による原材料価格の高止まりや、世界的な金融引き締めに伴う景気下振れリスク等、依然として先行きが不透明な状況が継続しております。一方で、AI、IoT、ビッグデータなどを活用した既存システムからの脱却や、新たなビジネスモデルの創出(DX:デジタルトランスフォーメーション)、気候変動や環境破壊の抑制を目指す再生可能エネルギーの導入(GX:グリーントランスフォーメーション)が急速に進んでおり、関連市場は良好な状況が続いています。
このような状況下において、当社は、「テクノロジーで社会を豊かにする会社」から「テクノロジーで持続可能な未来を築く会社」に変革していくため、令和6年4月1日より商号を「株式会社sMedio」から「GreenBee株式会社」へ変更し、「テクノロジーライセンス事業」、「DXサービス事業」、「GXサービス事業」を事業領域として事業展開しております。
当社グループの事業領域の概要は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1) 当社グループの事業内容について」をご参照ください。
「テクノロジーライセンス事業」領域においては、令和6年5月よりシャープ株式会社AQUOS 4K液晶・有機ELテレビに「tourbillon BMLブラウザー」のライセンス提供を開始、令和6年10月より富士通クライアントコンピューティング株式会社FMVパソコンに「スマホConnect」のライセンス提供を開始しました。当社が従前より展開している4K/8Kプレミアコンテンツ再生プレイヤーは、市場ニーズの変化により当該製品を搭載する顧客製品の出荷数の減少を受けライセンス提供数が低調に推移しておりますが、代わってデバイス間高速データ転送・バックアップ製品、AIメイクアップアプリなどの利益率の高いライセンス製品の積極的な市場投入を進めております。
「DXサービス事業」領域においては、クラウドデータバックアップサービス「sMedio Cloud Backup」が、継続性と収益性の高いストック型のビジネスとして急成長しております。令和6年12月の月間リカーリング収益(MRR)*1は、令和5年12月との比較で、400%となり大きな伸びを記録しました。令和6年12月末時点の有償サブスクリプション契約者数*2は、期初計画では80,000名を目標としていましたが、128,000名に到達しました。建設DXサービスでは、あらたな自社サービス製品として2製品の提供を開始しました。「インバート掘削打設管理サービス」は、戸田建設株式会社、青木あすなろ建設株式会社、岩田地崎建設株式会社で採用いただき、「4K鏡クラックAI検出システム」は、清水建設株式会社で採用いただきました。累積採用企業社数は15社、累積採用トンネル数は62本となりました。
*1 月間リカーリング収益(MRR)とは、対象月の月末時点における継続課金ユーザーに係る月額料金の合計額のこと(一時収益は含まない)。MRRとはMonthly Recurring Revenueの略。
*2 有償サブスクリプション契約者数とは、月額利用料金等の支払いを伴う契約を締結している利用者数のこと。
「GXサービス事業」領域は、当連結会計年度より新たに開始した事業で蓄電池システム関連からの収益を上げていくことに注力しております。当連結会計年度は事業基盤構築フェーズと位置付け、GX戦略パートナーとGX製品ラインナップの強化に取り組んでおります。令和6年5月8日にBeijing Green Vanadium New Energy Technology社のバナジウムレドックスフロー蓄電池の販売を発表し、令和6年7月12日に太陽光発電開発の最大手企業であるウエストホールディングス社(以下、ウエスト社)との資本業務提携の締結を発表しました。また、令和6年8月9日には電気自動車向け充電器・充電インフラを開発している台湾のeTreego社の日本子会社となるeTreego Japan株式会社に出資を実施し、電気自動車向け充電器関連製品の販売を発表しました。ウエスト社とは、自家消費型太陽光発電の導入を検討している企業向けに最適な設備規模を提案するためのシステム、業務の効率化・見える化するための業務管理DXシステム、営業情報を蓄積し活用するためのシステム等、ウエスト社の太陽光発電事業向けのシステムの共同開発を開始しております。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高806百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益50百万円(前年同期は41百万円の営業損失)、経常利益60百万円(前年同期は3百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益63百万円(前年同期は163百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(単位:百万円未満切捨て)
(2) 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の純資産は、1,191百万円であり、前連結会計年度末と比べ126百万円増加しました。これは主に、自己株式の処分による自己株式の減少(純資産は増加)137百万円および資本剰余金の減少89百万円、利益剰余金の増加63百万円、為替換算調整勘定の増加14百万円によります。
当社グループは、現預金を932百万円保有しており、流動負債102百万円を差し引いても、830百万円相当の手元流動性があります。
また、当社グループの売上高は、販売先上位4社合計で6割程度を占めておりますが、いずれも販売代金回収に懸念するべき点はなく、その点においても、手元流動性には大きな懸念はないと考えております。
当社グループの投資は、主として、人材に対するものとなり、有形固定資産の取得に多額の支出をする予定はありませんが、企業価値向上に資すると考えるM&Aなどへの投資は必要に応じ適宜実施する意向であります。また、その際に必要となる資金には、保有する現預金を活用し、機動的に対応することを基本としますが、場合によっては、金融機関からの借入や新株発行を実施することも検討いたします。
(単位:百万円未満切捨て)
① 流動資産
当連結会計年度末の流動資産は、1,229百万円であり、前連結会計年度末と比べ84百万円増加しました。これは主に、現預金が151百万円増加した一方で、原材料及び貯蔵品が52百万円減少したことによります。
② 固定資産
当連結会計年度末の固定資産は、75百万円であり、前連結会計年度末と比べ30百万円増加しました。これは主に、繰延税金資産が14百万円増加、投資有価証券が13百万円増加したことによります。
③ 流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、102百万円であり、前連結会計年度末と比べ12百万円減少しました。これは未払法人税等が11百万円減少したことなどによります。
④ 固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、11百万円であり、前連結会計年度末と比べ0百万円増加しました。
⑤ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、1,191百万円であり、前連結会計年度末と比べ126百万円増加しました。これは主に、自己株式の処分による自己株式の減少(純資産は増加)137百万円および資本剰余金の減少89百万円、利益剰余金の増加63百万円、為替換算調整勘定の増加14百万円によります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローが121百万円のプラス(収入超過)、投資活動によるキャッシュ・フローの22百万円のマイナス(支出超過)、財務活動によるキャッシュ・フローの43百万円のプラス(収入超過)によって、前連結会計年度末に比べ151百万円増加し、当連結会計年度末には932百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、121百万円のプラス(収入超過)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を55百万円計上したことに加え、棚卸資産の減少59百万円、売上債権の減少19百万円、法人税等の支払22百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、22百万円のマイナス(支出超過)となりました。これは主に、投資有価証券の取得13百万円、有形固定資産の取得5百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、43百万円のプラス(収入超過)となりました。これは主に、自己株式の処分による収入43百万円によるものであります。
当連結会計年度の受託開発に係る生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
当連結会計年度の受託開発に係る受注状況は、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度の販売実績を事業領域別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度の経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる各種の要因に関して仮定設定、情報収集を行い、見積金額を算出しておりますが、実際の結果は見積り自体に不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (2)資産、負債及び純資産の状況」をご参照下さい。
(3) 経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (1)業績」をご参照下さい。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、主にマルチメディアとワイヤレスコネクティビティの要素技術を駆使した分野でスマートデバイス向けのソフトウェア製品を提供することにより、事業規模を拡大させてまいりました。当該市場は買い替え需要が下支えするものの漸減していくと見込んでいるため、新たな事業領域に、付加価値の高い製品・サービスをタイムリーに投入する必要があります。
また、経済のデジタル化が進み、モノからコトへと経済価値の源泉が移りつつあると言われておりますので、当社グループも、従来の受託開発収入、ライセンス収入また保守サポート収入以外に、サブスクリプションモデルやサービスモデルの収入を伸ばしていく必要性があると考えております。
当社グループでは、これらの市場環境の変化に迅速に対応し技術的な優位性を維持しつつ、かつ市場ニーズに適応した付加価値の高い競争力のある製品を投入することおよび変化した市場ニーズに応じた収益モデルの構築が重要であることを認識し、事業運営を行っておりますが、これらの市場の変化、事業環境の変化に当社グループが迅速かつ柔軟に対応できなければ、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
その他の経営成績に重要な影響をあたえるリスクに関しては、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
(5) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(6) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7)経営者の問題意識と今後の方針
当連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純利益63百万円を計上しました。前連結会計年度まで継続して赤字となっておりましたが、当期は黒字転換となりました。自己資本比率は引き続き91.3%と健全な水準を保っており、また翌連結会計年度(令和7年12月期)の親会社株主に帰属する当期純利益は77百万円を見込んでおり、増益の見通しとなっております。
当社グループが重要な指標と考えている営業損益は、当連結会計年度では50百万円の利益を計上しました。予期していない事態やリスクが顕在化した場合に、その影響を吸収するには、営業利益の水準を上げる必要があると考えております。翌連結会計年度(令和7年12月期)の営業利益は、75百万円を予想しております。
上位四社の顧客に対する売上高の売上高全体に占める割合が依然高いため、全体の売上増加を目指しつつ、上位四社の顧客に対する依存度は低下させる必要があると考えております。
ストック収入の底上げ、原価低減や経費節減の効果が現れ、数年来の赤字体質からの脱却が見えてきている状況で、新製品・新サービスを通じて、新規顧客の開拓を推進することに加え、上位四社以外の顧客への既存製品の横展開で販売の底上げを図り、売上高の集中度合を減らすと同時に営業利益水準の向上を目指してまいります。
今後も、現在の保有技術、事業環境および入手可能な各種情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めてまいります。
詳しくは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社の事業におきましては、以下の契約を「経営上の重要な契約」として認識しております。これらの契約が解除されたり、その他の理由により解除または終了した場合、または円滑にその契約が更新されなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社が、技術等を受け入れている重要な契約は、以下の通りです。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
主な内容は、AI関連製品およびブラウザ関連製品(4K/8K高解像度関連製品等)の開発になります。