当社グループをめぐる環境は、世界的なインフレや金利上昇、為替変動、持続的な資源・エネルギー価格の上昇、さらにはロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫化、地政学リスクの顕在化など、依然として先行きは不透明なまま推移しております。一方、わが国経済では、円安や資源価格上昇等による影響を受けつつも、好調な企業業績や政府の緩和的な金融政策を背景に緩やかな回復基調が続いており全般に底堅く推移しております。そのような経営環境の下で、当社グループは、株主価値を最大化し、株主の皆様に報いる株価となるよう最大限の努力を行ってまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2025年3月26日)において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」のビジョンのもと、景気動向に業績が左右されることがないように、銀行業、債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスを目指してまいります。収益モデルにつきましては、既存の事業ポートフォリオの価値や将来性を徹底的に見直すことにより収益構造の改善を図ってまいります。今後はこの方針をさらに加速させ、聖域を設けることなく、事業ポートフォリオの価値を見直し、新たな成長戦略を構築することにより、株主価値の最大化に努めてまいります。さらには、コンプライアンスやガバナンスを第一に考えた経営を基軸におき、お客様に付加価値の高い金融サービスを提供するなど地域とともに共存共栄で発展していく企業体を目指してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
(日本金融事業)
信用保証業務では、当連結会計年度は主力商品であるアパートローン・海外不動産・有価証券担保ローンに対する保証への選択と集中による施策を実施し大きく実績に反映させることができました。翌連結会計年度につきましてもアパートローン、有価証券担保ローン、海外不動産担保ローンに対する保証を中心に収益拡大を図るべく推進してまいります。信用保証業務における主要な課題、対策は以下のとおりです。
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項目 |
課題 |
対策 |
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アパートローンに 対する保証事業 |
アパートローンの更なる成長 |
① エリア拡大 顧客層、エリアの見直し 仕入価格高騰、金利上昇の局面で、投資意欲の減退又はエリア対象外となり、保証実行が不調となることを防ぐ ② アパートローン仲介案件の取扱い 買取再販業者だけでなく、新たに一棟物の仲介業者が扱う良質物件の取扱いを目指す ③ 指定業者の拡大 ④ 借換え需要に対する営業促進 |
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有価証券担保ローンに 対する保証事業 |
グループ間相互の顧客の連携による保証商品の開発 |
・有価証券担保ローンの収益改善と銘柄追加 ① 適用金利の変更と取扱い銘柄(投資信託)を追加することで収益拡大を目指す ② 他の金融機関と有価証券担保ローンの商品化 |
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その他の保証事業 |
海外不動産担保ローン等保証商品の開発(多角化) |
・海外不動産担保ローンの普及強化 ① 大口個別案件の取り込み ② バックファイナンス案件の促進 ・新規保証商品の開発 |
債権回収業務では、円安などによる物価高騰がまだ終わりが見えない状況にありますが、当社グループの債権買取実績は、そのような状況下でも売上が増加しているネット系のカード・信販等が多く、順調に債権残高の増加が続いております。今後も高い回収力を背景として安定的・継続的な仕入れを実現し事業拡大を図ってまいります。また、債務者の返済状況に影響が及ぶことになれば回収の減少に繋がります。今後も債務者状況の把握、月次で期末業績の着地を予測し、未達が予測されれば即座に修正対策を講じてまいります。
また、証券業務では、Jトラストグローバル証券株式会社(JTG証券)において、預り資産1兆円を目指して「海外投資のJTG証券」「ベンチャー企業を応援するJTG証券」「ウェルスマネジメントのJTG証券」という3つのコア領域において付加価値創造に取り組んでまいります。証券業務における主要な課題、対策は以下のとおりです。
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項目 |
課題 |
対策 |
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海外投資のJTG証券 |
個人向け債券ビジネスのトップハウス |
① 豊富な米ドル建て投資商品やインドなど成長国への投資商品を中心に、多様な投資機会をお客様に提供 ② さらに5バリュー社との業務提携等により、今まで以上に外国債券の商品ラインナップやサービスの強化に努め、個人向け債券ビジネスのトップハウスを目指す |
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ベンチャー企業を応援するJTG証券 |
アントレプレナーズ(起業家)へのサポート体制の充実 |
・アントレプレナーズ(起業家)プライベートバンカ―として、起業家の要望に対して一気通貫で応対できる体制の充実 ① ベンチャー企業の発掘、上場支援、上場後の資本政策等 ② 上場したアントレプレナーズの資産保全並びに相続事業承継のサポート等 |
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ウェルスマネジメントのJTG証券 |
富裕層顧客との長期的な信頼関係の構築 |
・富裕層顧客との長期的な信頼関係の構築 ① 担当営業員を変えることなく、資産管理や事業承継といったウェルスマネジメントのアドバイスを行う ② 子どもの教育支援や高度医療サービスの情報提供、非日常を体験できるイベントの開催など、外部のプロフェッショナルと提携した非金融サービスの提供にも注力 ③ 富裕層顧客のニーズをさらに満たす独自性のある新しい金融サービスの導入等により顧客獲得に注力 |
(韓国及びモンゴル金融事業)
当連結会計年度に引き続き、貯蓄銀行業務からの収益の確保に努めてまいります。
韓国経済におきましては、基準金利が2024年11月に3.0%まで引き下げられましたが、貯蓄銀行の調達金利には金利引き下げの影響がすでに一定部分反映されていると考えられ、現状では基準金利が引き下げられても調達金利の引き下げ幅は制限されたものとなっています。また、韓国全体でコロナ禍以降、延滞債権や、個人回生・信用回復が増加の傾向にあることや、貯蓄銀行業監督規程が改正され、貯蓄銀行の健全性管理の強化を目的として多重債務者に対する貸倒引当金(損失評価引当金)の追加引当の段階的適用が予定されるなど厳しい状況が続いております。韓国及びモンゴル金融事業における主要な課題、対策は以下のとおりです。
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項目 |
課題 |
対策 |
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不透明な韓国経済 |
収益確保に向けての対策 |
① 短期延滞債権の回収強化による貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の減少及び大型不良債権のリファイナンシング等による貸倒引当金(損失評価引当金)戻入の発生 ② COF(調達金利)の低下 ③ 不良債権の戦略的な売却及び償却による利益創出の最大化 |
債権回収事業におきましては、コロナ禍以降、売却制限が継続しており、こちらも厳しい状況にありますが、これまでに培った高い回収力と遵法性を背景に事業拡大を図ってまいります。
(東南アジア金融事業)
当連結会計年度に引き続き、PT Bank JTrust Indonesia Tbk.(以下、「Jトラスト銀行インドネシア」という。)及びJ Trust Royal Bank Plc.(以下、「Jトラストロイヤル銀行」という。)による銀行業務からの利息収益を中心に収益拡大を見込んでおります。インドネシアでは、2024年9月に基準金利が3年7ヶ月ぶりに6.0%に引き下げられたものの、調達金利の高止まりが収益の押し下げ要因となっておりますが、市場実勢に合わせて貸出金利を引き上げたことにより一定の利益水準を維持したことや、銀行業における貸出金残高が順調に増加していることから利息収益も増加しております。なお、基準金利につきましては、インフレ率が低水準にあることから、2025年1月に5.75%に利下げが実施されましたが、今後、追加利下げも予測されることから、定期的に調達金利、貸出金利の調整を行ってまいります。
Jトラスト銀行インドネシアでは、収益確保のため、積極的な貸出残高の増強、NPL(不良債権)比率の低下による貸倒費用の削減、COF(調達金利)の低下を主要課題としております。Jトラスト銀行インドネシアにおける主要な課題、対策は以下のとおりです。
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項目 |
課題 |
対策 |
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貸付債権の 積み上げ |
収益基盤の強化 |
貸出増強に向けたミーティングをビジネス部門と日次実施、ビジネス/審査部門の連携強化により体制を見直し、不良債権リスク低減を図りつつ金利収入を最大限享受するため積極的にローン残高、社債残高の積み上げを図る |
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自己資本の拡充 |
規制改正に伴い、インドネシア金融庁(OJK)が自己資本比率11.0%(規制上の基準値)の達成を要請 |
2024年12月末の自己資本比率は13.83%となり現状クリア 規制等改正に柔軟に対応 |
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マーケティング活動、流動性の確保 |
① 新規預金口座獲得、CASA (流動比率)の獲得 ② ブランド認知度向上 ③ 住宅ローン提携 |
新規預金口座獲得を積極推進 ・預金プログラムの実施 ① 「Tora Green Saving」預金利息の0.5%をマングローブの植樹活動に寄付 ② 「Tora Blue Ocean」預金利息の0.5%をプラスチック廃棄物の管理とリサイクルのために充当 ・ブランドアンバサダー契約を締結したアイドルグループ「JKT48」とのコラボ預金商品の発売やイベントへの出展 ・インドネシアプロサッカーチーム「Persija」とパートナーシップ契約を締結、公式ファンクラブ「Jakmania」会員に対する様々な特典の付与 ・日系大手デベロッパーの現地法人及びインドネシア大手デベロッパーと住宅ローン業務提携を展開(2024年12月末現在プロジェクト数:43カ所) |
また、日本の地方銀行3行と、当該銀行の取引先事業者でインドネシアへ進出中、又は進出を予定している取引先をJトラスト銀行インドネシアへ紹介する業務提携契約を締結しております。新首都移転が計画されており、今後40年以上にわたり人口ボーナス期に入ることが予想されているインドネシアにおいて、それぞれの経営資源の相互活用をすることにより、インドネシアへ進出する事業者の企業価値を高めるとともに、インドネシアの経済発展にも寄与すると考えております。
インドネシアでは、近年、急速な人口増加と都市化によって不動産価格と需要が上昇するなか、不動産市場規模の拡大が続いており、不動産市場は最も好調なセクターのひとつとなっております。そのため好調な不動産市況を背景に債権売却市場も活性化しており、PT JTRUST INVESTMENTS INDONESIAでも債権回収事業は順調に推移しております。回収金額の最大化を図るための主要な課題、対策は以下のとおりです。
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項目 |
課題 |
対策 |
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新規買取 |
債権の新規買取強化 |
・DD(デューデリジェンス)の正確性、スピード ・グループ内でのネットワーク強化、PT TURNAROUND ASSET INDONESIAとの連携他 |
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回収 |
法的回収の強化等 |
・回収困難債権に対する掘り起こし強化 ・競売会社との連携強化 ・人材育成、回収ノウハウの平準化他 |
カンボジアにおいては、Jトラストロイヤル銀行が、2025年のスローガンとして「Now,ACE Forward」を掲げ、敏捷性、一貫性、卓越性を活用して成功を達成するための積極的かつ進歩的なアプローチを行ってまいります。引き続き富裕層顧客を主な基盤とし、RM(顧客担当)と顧客との強固なリレーション力による貸出並びに運用提案により他行との差別化を図るとともに、ニーズを汲み取った商品開発やデジタル対応にも注力していく方針であります。2024年10月より新たに分割払い選択機能を付加したVISAクレジットカード利用率の向上、生命保険販売強化による手数料収入の増強等を具体的に進め、さらに、不良債権の回収、新規不良債権の抑制にも取り組み、収益拡大を目指してまいります。
(不動産事業)
不動産事業において、Jグランド株式会社(以下、「Jグランド」という。)では、不動産と金融のノウハウで築く投資用一棟マンション「J-ARC」シリーズ、IoTを標準搭載し付加価値付けした新築アパート「J-Maison」、中古アパートを取得し、外部によるホームインスペクションとリフォームを施した後販売する商品「Vintage Residence」を展開しており、今後も富裕層向けビジネスの拡大を図ってまいります。Jグランドにおいては、富裕層を対象とした投資用物件をメインの事業に据えることで、事業規模が順調に拡大することが見込まれており、今後の信用力の向上を目指して上場に向けた準備を進めていきたいと考えております。
また、株式会社グローベルスにおいても、土地・戸建・マンション・収益物件・クラウドファンディングに携わる総合不動産会社として着実に実績を積み重ねており、さらに、事業規模を拡大するためにも、当社グループの商品ブランドの認知に力を入れていく方針です。安定的な収益を確保するために、日銀の金利政策等を注視して、市況の潮流・変化を読み違えないように、マーケティング調査等をより一層慎重に行ってまいります。また、同社が当連結会計年度に株式会社東京証券取引所が開設しているTOKYO PRO Marketに上場を果たしたことにより、今後、上場会社としての信用力が増加することから、新規取引業者の開拓や優秀な人材の確保が期待できるほか、エンドユーザーからの安心感が購入決断にも繋がるものと考えております。
(投資事業)
投資事業においては、Group Lease PCL(以下、「GL」という。)からの債権回収に努めてまいります。2025年1月にもシンガポールの裁判所の確定判決に基づき3,729,608ユーロ(約607百万円 1ユーロ=163円で換算)を差し押さえにより回収しており、今後も裁判費用等の回収コストを抑制しつつ、回収強化を図ってまいります。なお、GLに対する債権につきましては、すでに全額引当を行っていることから、回収がなされる都度、収益計上されます。
当社グループは、株主の皆様への利益還元の充実と、資本効率の改善を通じた持続的な企業価値の向上を重要な経営課題と認識しており、自己株式の取得及び消却については業績や資本政策、株価など市場環境等を考慮して実施することとしています。近年は東南アジア金融事業への資本増強を含めた資本政策と株主還元とのバランスをとりながら決定してまいりましたが、現在は、拡大・成長モードに入っているとの認識のもと、当連結会計年度において、株主の皆様への更なる利益還元と、資本効率の向上により、適切な株主価値の実現を図ることを目的に自己株式の取得及び消却を行いました。また、配当につきましては、2025年1月1日から始まる本事業年度において、当社は第50期を迎えることから、これを記念して1株当たり1円の記念配当の実施を予定しており、普通配当と合算すると、2025年12月期の年間配当は、1株当たり17円(中間無配、期末17円(普通配当16円+記念配当1円))となる予定であります。今後も企業価値を高め、株主の皆様の期待に応えていきたいと考えております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
当社グループは、サステナビリティに関する基本的な考え方として、企業理念である「お客様のため、株主様のため、私たち自身のため、いかなるときも迅速に、誠実にチャレンジし続け、皆様とともに世界の未来を創造します。」に基づいて行う経営が、当社グループの永続的な成長と持続可能(サステナブル)な社会の実現につながるものと認識しております。お客様、株主様、従業員、ビジネスパートナー、地域社会などのステークホルダーとのつながりを大切にしながら、それぞれに与える影響に配慮して経営上の意思決定を行うことや、地球環境に配慮するとともに、積極的に社会貢献活動に参加し、社会の一員としての責任を果たすことにより、お客様や地域社会との信頼関係を構築してまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取り組みについては、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.jt-corp.co.jp/sustainability/
① ガバナンス
当社グループにおいて、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスに関しては、コーポレート・ガバナンス体制と同様であります。当社グループのコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「
② 戦略
当社グループでは、中長期的な企業価値の向上を見据え、また持続可能な視点に立ち、「ESG投融資方針」を新たに策定したほか、持続可能な社会の実現のため気候変動に関連するリスクと機会を特定し、当社グループ一丸となってサステナビリティに取り組んでおります。
人的資本や知的財産への投資等について、企業の持続的な成長に資するよう、自社の経営戦略・経営課題との整合性をとりつつ、これらをはじめとする経営資源の配分や、事業ポートフォリオに関する戦略の実行について、分かりやすく具体的な情報開示に努め、また取締役会はその実効性を監督してまいります。
a.ESG投融資方針
当社グループは、環境・社会に対し影響を与える可能性がある事業・セクターへの投融資について、取組方針を定めております。
詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.jt-corp.co.jp/sustainability/
b.気候変動への対応
当社グループでは、下記のとおり気候関連のリスクと機会を特定し、対応しております。
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リスク・機会の種類 |
内容 |
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リスク |
移行リスク |
<銀行業> ・気候変動問題の高まりを受け、監督当局より環境に配慮した金融事業(グリーンファイナンス等)に関する規制を受けるリスク |
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物理的リスク |
<債権管理回収事業> ・被災地域向けの督促を一時的に停止することにより回収実績が低下するリスク ・債務者の経済環境悪化によりデフォルト債権が増加するリスク <不動産事業> ・販売用不動産や所有不動産が被災・毀損することにより物件価値が低下するリスク ・建設予定、若しくは建設中物件について、建設計画の変更(工期の延期)若しくは中止による損失発生リスク ・建築資材産出地域、若しくは運搬ルートの被災により資材が高騰、若しくは運搬が困難となるリスク ・賃貸管理物件が被災し、損害が発生するリスク ・管理物件に設置されている広告物等が剥離、落下することにより、近隣住民や通行人へ被害が発生するリスク <業態問わず> ・事業拠点の被災により業務システムが稼働しなくなるリスク |
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機会 |
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<銀行業> ・メガバンクと比較した際の機動性、柔軟性の高さを生かし、気候変動や環境変化の影響が特に大きい東南アジア地域や地球上の島嶼地域における環境保全等の取り組みにも積極的に関与できる。 <業態問わず> ・グループ内に、金融事業だけでも銀行業務、証券業務、信用保証業務、クレジット・信販業務、債権回収業務と多岐にわたり、他にも不動産事業、システム事業、投資事業が存在している。事業展開をしている日本国内や東南アジア地域は、特に気候変動の影響を受けやすく、環境保全への取り組み、災害の被害を防ぐための取り組みが活発であるが、グループ内に様々な事業を有していることにより、それらのノウハウを結集して柔軟に対応していくことが可能である。 |
c.地球環境への取り組み
当社グループは、事業活動や社会貢献活動を通じて、温室効果ガスの削減やエネルギー使用量の削減に取り組んでおります。
主な取り組みは以下のとおりであります。
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テーマ |
取組内容等 |
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①グリーンボンドへの投資 |
韓国 |
韓国の発電用水素燃料電池事業者 |
環境に配慮した水素社会実現を目指す取り組みを支援 |
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②ソーシャルボンドへの投資 |
韓国地方銀行 |
地域経済の活性化、地域社会の課題解決に寄与する活動を支援 |
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韓国中小ベンチャー企業振興公団が選定した複数の中小企業 |
中小企業の成長及び雇用創出といった地域社会の改善に貢献 |
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③グリーンローン等の融資 |
インドネシア |
インドネシア金融当局(OJK)のガイドラインに基づく持続可能な事業活動に対する融資 |
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④太陽光発電事業への投資 |
日本 |
再生可能エネルギーの利用促進、環境負荷低減への貢献(岡山県美作市、広島県広島市) |
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⑤環境・社会に配慮した預金プログラムの実施 |
インドネシア |
(1)Deposit Referral Save |
Covid-19への対応支援 マングローブ植林による環境支援 |
顧客は預金額の年率0.1%をインドネシアの支援活動に寄付 |
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(2)Tora Green Savings |
マングローブ植林による沿岸生態系の回復 農家への経済、福祉支援 |
顧客は預金利息の年率0.5%をマングローブの植樹活動に寄付 |
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(3)Tora Blue Ocean Savings |
プラスチック廃棄物の管理とリサイクルを通じて、海洋と沿岸の環境を改善する活動 |
顧客が預金利息の年率0.5%を廃棄物管理業者に寄付、さらにPT Bank JTrust Indonesia Tbk.が追加で0.38%を寄付 |
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③ リスク管理
サステナビリティに関する重要課題に関する各種リスクについては、財務部(広報・IR担当)が主管となりリスク及び機会の識別及び評価を行い、その管理方法について検討のうえ、関係部署と連携し、対応することとしております。具体的には、全社的なリスク管理のためにコンプライアンス・リスク管理委員会を設置しており、原則として3ヶ月に1度の頻度で開催され、サステナビリティ関連を含めリスク評価とモニタリング、及びリスクの見直しを実施し、重要なリスクとして認識された場合は、その内容について取締役会へ報告を行なっております。取締役会は、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有していることから、コンプライアンス・リスク管理委員会から報告のあった内容を含め、当社グループのサステナビリティに関するリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての討議・監督を行なっております。
④ 指標及び目標
当社グループでは、サステナビリティ関連の具体的な戦略及び目標は、現時点において定めておりません。今後、関連する指標のデータ収集及び分析を進め、その進捗に合わせて開示項目を検討してまいります。
取組状況については、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.jt-corp.co.jp/sustainability/
(2)人材の多様性の確保を含む人材育成の方針や社内環境整備の方針の策定
・人材の多様性の確保、人材育成の方針や採用及び維持並びに従業員の安全及び健康に関する方針等
① 戦略
「Jトラストグループ行動理念」では、経営の根幹である「人」の個性を活かした組織を作ることを定めております。
当社グループは、人権尊重の取り組みを推進するため、事業活動を行う国又は地域の法令等の社会のルールを遵守するとともに、人権に関する国際規範である「国際人権章典」を支持・尊重し、「ビジネスと人権に関する指導原則」及び「子どもの権利とビジネス原則」に基づき事業活動を行います。
基本的な方針は以下のとおりです。
・年齢、国籍、性別、人種、信条、宗教、障がい、性的指向及びその他の理由による差別、ハラスメント及び非人道的扱いの一切を禁止します。
・あらゆる形態の強制労働や児童労働を禁止します。
・結社の自由と団体交渉権に関する当社グループ従業員の基本的な権利を尊重します。
・同一労働同一賃金を遵守します。
・当社グループ従業員の健康と安全のため、最低賃金額以上の賃金を支払うとともに、事業活動を行う国又は地域の法令等で定められた労働時間及び休日・休暇の取得について適用される法規制を遵守し、過剰労働を防止します。
(人材の多様性の確保を含む人材育成方針)
当社グループでは、様々な立場の従業員が生き生きと働き、キャリアアップできる職場環境づくりに努めております。在籍する社員一人ひとりが持つ個性や考え方を尊重するとともに、長く健康的に勤務できる環境づくりの一環として、効果的な人員配置や適性検査の実施に取り組んでおります。
また、会社は育成すべき人材像を明確にし、それに沿った教育を計画的に実施するとともに、一人ひとりのより高い目標達成を援助するための自己啓発支援を行っております。
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教育の種類 |
研修内容 |
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a.実地研修 |
職場において日常業務を通じて行う教育 |
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b.階層別研修 |
従業員を階層別に分け、それぞれの階層に必要な知識及び技術・技能を付与し、能力の開発・向上を図る教育研修 |
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c.職能別研修 |
部門別又は職種別に、それぞれ必要とされる専門的な知識及び技術・技能を付与し、能力の開発・向上を図る教育研修 |
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d.課題別研修 |
コンプライアンスや内部統制、情報管理等社員として必須の知識で、定期的に周知が必要な教育研修 |
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e.その他会社が必要と認める教育研修、社外研修(eラーニング含む) |
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(社内環境整備方針)
当社グループは、自らの業務に目的を持ち、主体性高く働くことができる職場環境こそが企業成長を遂げるうえで必要不可欠であると考えており、様々な個性・能力・知見を備えた社員一人ひとりの長期的なキャリア形成を適えられる環境づくりに取り組んでおります。当社グループの更なる企業価値向上のためには、女性の活躍が不可欠であり、様々な局面において多様な意見を反映することが重要であるとの認識のもと、女性の管理職への登用を進めると同時に、女性がキャリア形成を目指しやすい職場づくりを推進しております。出産・育児・介護に関する諸規程を充実させるとともに、その諸規程に沿った各制度の運用を推進しており、具体的には、育児休業及び育児短時間勤務、介護休業及び介護短時間勤務の利用推進や、復職時の教育研修の実施等によるフォローを行っております。
採用活動においては、年齢、国籍、性別等区別することなく、能力や適性などを総合的に判断したうえで決定しており、従業員が最大限の力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に努めております。
また、定年再雇用制度を導入し、定年により退職した熟練人材の再雇用により、企業の成長を支えるとともに、知識とスキルの継承、人材基盤の強化、さらには時代の変化に適応できる柔軟な組織づくりに努めております。
さらに、当社グループでは、コンプライアンス遵守の重要性を強く認識し、職場環境におけるハラスメントの防止を徹底するため、管理職向けの研修を年に数回、計画的に実施しております。本研修では、管理職の適切な対応、及び正しい知識と判断力の向上を目的としており、法令や社内規範に基づいた短答問題やケーススタディ等を取り入れております。これにより、全従業員にとって働きやすい環境の整備を推進し、コンプライアンス遵守の実現とコーポレート・ガバナンス体制の強化に努めております。
② 指標及び目標
当社グループでは、社内環境整備方針において記載した方針に基づき、人材の育成・強化に取り組み、成長戦略の実現及び企業価値向上に繋げていくためには、以下のとおり、管理職に占める女性労働者の割合を指標として、維持・向上させていくことが重要であると考えております。なお、当社グループでは、上記「① 戦略」において記載した内容に係る指標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は提出会社のものを記載しております。
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実績 |
2023年度 |
2024年度 |
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22.2% |
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目標 |
2024年度 |
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2026年度 |
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管理職に占める女性労働者の割合 |
24.4% |
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28.8% |
(注)管理職に占める女性労働者の割合における従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。
年間2.2%ポイントの上昇を目標と定め、2027年~2028年度には30%を達成できる見込みです。
上記に付随し、社内女性労働者の比率向上を進めており、2024年度の女性社員の比率は以下のとおりであります。
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実績 |
2023年度 |
2024年度 |
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28.6% |
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(注)女性社員比率における従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。
女性管理職・女性社員比率について取り上げておりますが、国籍や職歴にとらわれない採用活動を目指し、多様性の尊重及び確保を実現するため、より一層取り組んでまいります。
なお、当社連結子会社における管理職に占める女性労働者の割合につきましては、「
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。ただし、業績に影響を及ぼしうる要因の全てを網羅するものではありません。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努めてまいる所存であります。
本項におきましては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、有価証券報告書提出日現在(2025年3月26日)において判断したものであります。
当社グループの中長期的な成長を図るための経営方針・経営戦略との関連性を示し、主要なリスクが顕在化した場合に、当社グループの中長期的な成長に与える影響範囲とその程度を記載し、さらに、その対応策を記載しております。当該リスクが顕在化する可能性の程度につきましては、以下に記載した対応等を行うことにより、合理的に予見している限りにおいて低いものと考えられることから、顕在化の時期等も含めて具体的な言及は行っておりません。
<経営方針>
①総合金融サービスグループとして事業基盤の強化
②事業ポートフォリオの価値の見直しによる収益構造の改善
③株主価値の最大化
④コンプライアンスやガバナンスを経営の基軸とし、地域とともに共存共栄で発展
<経営戦略>
①日本金融事業
②韓国及びモンゴル金融事業
③東南アジア金融事業
④不動産事業
⑤その他
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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(1)法的規制等に関するリスクについて |
①銀行業務に関連する業務規制について |
当社グループは、韓国の貯蓄銀行業務において、「貯蓄銀行法」及び関連法令に基づく各種規制を受けております。また、インドネシア及びカンボジアの銀行業務において、「銀行法」及び関連法令に基づく各種規制を受けております。万が一、法令に抵触する行為が発生し、業務の全部又は一部停止等の行政処分を受けた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「業績」という。)に影響を及ぼす可能性があります。 |
法令及び各種規則を遵守し、コンプライアンス体制の整備に努め、業務を行ってまいります。 |
①④ |
②③ |
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②貸金業法の業務規制について |
2007年12月に改正・施行された「貸金業法」に基づき、行為規制の強化、業務改善命令の導入、強力な自主規制機関として日本貸金業協会の設立等が実施され、2010年6月より、上限金利引下げ、総量規制の導入等が行われております。今後、各種規制がさらに強化された場合、利益の減少や新たな規制への対応コストの増加など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
日本貸金業協会作成の貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則において定められた過剰貸付防止等の規定に基づき、与信の厳格化に努めてまいります。 |
①④ |
① |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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③債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)の業務規制について |
当社グループは、債権回収業務において、「サービサー法」に基づく各種規制を受けております。これらの法令等が改正された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
法令等の改正内容に迅速及び適切に対処してまいります。 |
①④ |
① |
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④不動産事業並びに不動産関連業務等の業務規制について |
当社グループは、不動産事業並びに不動産関連業務等において、「宅地建物取引業法」、「建築基準法」、「都市計画法」、「不動産特定共同事業法」及び「金融商品取引法」、その他様々な不動産関連法制、建設関連法制等に基づく各種規制を受けております。これらの法令等の解釈の変更や改正並びに新法令の制定等がなされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
法令等の改正内容に迅速及び適切に対処してまいります。 |
①④ |
①④ |
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⑤個人情報保護法について |
当社グループは、2005年4月1日に施行された「個人情報の保護に関する法律」における個人情報取扱事業者に該当しております。万が一不測の事態により、個人情報の漏洩又は個人情報保護法等に違反した場合には、同法による制裁を受けるだけでなく、社会的信用の失墜や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
個人情報及び特定個人情報等の取扱い等に関する「個人情報保護方針」を定め、個人情報漏洩を未然に防ぐための規程並びに社内体制の整備を図っております。これに基づき個人情報の取扱いに関する社員教育の徹底や、個人情報へのアクセス管理、セキュリティシステムの改善など、内部の管理体制について強化しております。 また、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者に対して認定される「プライバシーマーク」の取得等を通じて、お客様に一層の安心と継続的なサービスの提供が可能となるよう、さらに日々業務の遂行に努めてまいります。 |
①④ |
①④ ⑤ |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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⑥証券業務に関連する業務規制について |
当社グループは、金融商品取引法に基づく金融商品取引業(以下、「証券業務」という。)において、金融商品取引法及び関係法令、金融商品販売法等の消費者保護に関する法令、市場秩序に関する法令等、幅広い規制を受けており、これらの規制が変更された場合、規制に対応するためのコストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、証券会社は、金融商品取引法及び関係法令に基づき、証券会社の自己資本規制比率を一定以上維持することを義務付けられております。今後何らかの理由により当該比率が120%を下回った場合には、監督官庁の指導、命令等を通して当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
金融商品取引法及び関係法令その他諸規則を遵守し、自己資本規制比率の維持に努めるとともに、コンプライアンス体制の整備に努め、業務を行ってまいります。 |
①④ |
① |
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⑦割賦販売法の業務規制について |
当社グループは、クレジットカード業務及び信販業務(個別クレジット)において「割賦販売法」に基づく各種規制を受けており、これらの法令等が改正された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、割賦販売法に係る個別・包括信用購入あっせん業者登録につきましては、事業主として欠格事由及びこれらの許認可(登録)の取消事由に該当する事実はないことを認識しておりますが、今後、欠格事由又は取消事由に該当する事実が発生し、許認可(登録)取消等の事態が発生した場合には、当社グループの事業に支障をきたすとともに業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
法令等の改正内容に迅速及び適切に対処してまいります。 |
①④ |
① |
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(2)信用リスクについて |
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当社グループは、貸出金等の信用リスクのある金融商品を保有しております。国内外の経済情勢並びに金融情勢の大幅な変化等により債務者等の状況が悪化し、報告日において著しい信用リスクの増加や信用毀損が生じた場合、事業環境の悪化により、割賦事業における加盟店の経営が悪化もしくは倒産が増加した場合や、又は会計基準の変更等により、貸倒引当金(損失評価引当金)が増加した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
貸出金等の債権について、劣化に対する予防策やリスク管理を強化する等、信用リスクに対して様々な対策を講じており、今後も貸出金等の信用リスクのある金融商品のリスク管理には十分留意してまいります。 |
① |
①② ③④ ⑤ |
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(3)為替リスクについて |
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当社グループは、グローバルに事業を展開しており、為替相場の変動リスクに晒されております。在外子会社においては、収益、費用、資産等を連結財務諸表の作成時に円換算するため、換算時の為替相場が予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
為替動向に留意し、為替変動リスクの軽減を図ってまいります。 |
① |
②③ ④⑤ |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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(4)ビジネスリスクについて |
①業務拡大のリスクについて |
当社グループでは、新たな事業ポートフォリオの構築に向け、国内外問わず、当社グループが展開する金融事業との相乗効果が見込まれる事業へ積極的に事業再編や業務拡大等を行っておりますが、事前に十分な分析・調査等を実施したにもかかわらず、これらの事業再編や業務拡大等がもたらす影響について、想定したビジネス戦略が有効に機能せず、戦略自体の変更を余儀なくされるなど、当社グループが予め想定しなかった結果が生じる可能性も否定できず、以下のようなリスクや課題を抱えております。 ・新たなビジネス戦略が想定どおり機能するとは限らず、収益があがらないこと。 ・新たなビジネスを統轄・管理・遂行する能力を持った人材を確保し、育成していかなければならないこと。 ・新たな事業に取り組むに当たり、法的及びその他のリスクに直面する可能性があること、またその管轄当局から指導を受ける可能性があること。 また、上記以外にも事業再編や業務拡大等について、当社グループがかつて経験したことがない、また経験の乏しいリスクや課題に直面する可能性もあります。このような事象に適切に対処することができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針であります。加えて、進出国の経済、政治、社会的状況、紛争情報についても当社グループ内で共有化を図っており、これまで行ってきた海外M&Aで得たノウハウや知見を活かしながら、グループ横断的なリスク管理体制を構築しております。 |
①②③④ |
①② ③④ ⑤ |
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②業務提携先のリスクについて |
当社グループは、国内において複数の金融機関や、貸金業者及び不動産特定共同事業認可会社等と信用保証業務等において業務提携を行っております。また、東南アジアにおいても財閥グループ系・銀行系若しくは日系を中心とした協力先企業や住宅販売業者等と提携し事業展開を行っております。当社グループ又は業務提携先の業績が悪化した場合、業務提携先の事業に関わる法制度等の変更により事業の安定性が損なわれた場合、業務提携先との合弁事業や提携事業が期待した業績を達成できなかった場合、又は提携に関して予め想定しなかった事象が生じた場合など、合弁事業又は提携事業が順調に進まなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
業務提携先との友好な関係とコミュニケーションの維持を図ってまいります。また、業務提携先について、業績や財政状態等についての詳細な調査に加えて、シナジー効果等について事前に検討することによって可能な限りリスクを回避するように努めてまいります。 |
①②③④ |
①② ③④ ⑤ |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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③不動産事業におけるリスクについて |
(ア)住宅市場の変動 当社グループの不動産事業は、マンション分譲及び戸建分譲が中心であり、地価動向や建築コスト動向及び競合他社の供給動向・価格動向等の影響を受けやすく、また、景気停滞やそれに伴う企業収益及び個人消費の悪化、金利上昇、不動産関連税制の変更など経済情勢の変化があった場合には、住宅購入顧客の購買意欲の減退や商品・保有資産の価値が減少する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(イ)リーシングの変動 当社グループが保有している不動産のリーシングにおいて、賃貸先の業績状況等によって賃貸収入の貸倒リスクが発生するほか、在宅ワークの普及に伴い、首都圏において事務所等の退去が続くなどして賃貸収入が減少するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)建築資材価格及び建築工事費の変動 当社グループが展開している不動産事業では、木材や鉄筋及びコンクリート等、多くの建築資材を使用しますが、原油高による輸送コストの上昇等により建築資材全般について価格の上昇が続いております。また、慢性的な作業員不足による人件費の高騰も含め、建築工事費全体の高騰が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(エ)販売用不動産等の在庫過多 当社グループでは、販売用不動産等を保有しており、開発・販売計画に基づいて適切に工程・販売管理をしておりますが、開発及び建設の遅延等により、当初の販売計画から大幅な乖離が発生する可能性があります。また、市場動向によっては在庫の滞留又は販売価格の見直しが発生する可能性もあります。このような場合には、不動産の評価損の計上が必要となるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
マンションにおいては個別分譲ではなく一棟販売による売上比率を高め、外部要因に左右されない事業収益構造を確立してまいります。
リーシング時において、賃貸先の財務状況や勤務先など必要な調査及びヒアリング等を適宜行い、リスク回避に努めるほか、自己所有物件のラインナップを事務所や住宅に限定せず、店舗その他の用途の不動産の取得・運用を検討してまいります。
建築仕様の見直しや、個別現場ごとの発注ではなく、複数現場をまとめて同一の建築業者に発注する等、少しでも原価圧縮に努めてまいります。
開発期間が長期間にわたる物件や大規模物件ではなく、着工から竣工までの期間が1年半から2年程度の物件を主に選定してまいります。 |
①② ③④ |
④ |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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(オ)クラウドファンディング 当社グループでは不動産投資型クラウドファンディング事業を展開しております。同事業は不動産特定共同事業法及び金融商品取引法等の規制を受けており、当社グループでは法令に則り、顧客からの預り資産の分別管理等の必要な対応を実施しておりますが、今後現行法令の解釈の変更や改正並びに新法令の制定等により、当該事業に新たな規制を受ける可能性があります。規制の改正等に対し適切な対応ができなかった場合や、その他不測の事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
法令改正など最新の情報を入手・把握するように努めております。 |
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④不動産関連業務に関するリスクについて |
当社グループは、不動産担保貸付及び不動産担保貸付に対する信用保証業務を行っており、当該不動産の担保価値が毀損した場合には、貸倒引当金(損失評価引当金)の設定額に影響するなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
貸付先及び保証先の状況等をモニタリングし、不動産の担保価値について定期的に検証するなど、適切に対処してまいります。
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①②③④ |
①② ③④ |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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⑤プロジェクト開発リスクについて |
マンション分譲を中心とする不動産事業等は、開発用地の調査・取得から商品設計、施工、販売活動を経て売上代金の回収にいたるまで、長期間にわたるプロジェクトであり、かつ建築確認等に必要な許認可の取得や近隣住民への説明をはじめ様々な手続きを必要とするため、以下に記載するリスク要因が想定され、最終的に開発・販売計画の変更等が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (ア)近隣住民との紛争 建築基準法、都市計画法その他関係する法令及び行政の指導要綱等開発に必要な許認可を取得することに加えて、周辺地域の暮らしや景観との調和、自然環境の保護などに十分配慮し、近隣住民の意見、要望を反映することに努めておりますが、近隣住民との協議の結果によっては、開発に必要な許認可を取得している場合においても、当初の開発・販売計画に変更が生じることも想定されます。
(イ)地中障害、土壌汚染等の発生 当該リスクを排除するために売主に契約不適合責任を負担させる等、事業上のリスク回避に努めておりますが、予想外の損害が発生した場合や、その場合に売主の損害賠償責任の負担能力が欠落する等の事態が発生した場合、当初の開発計画の工程遅延、コストの増加等が発生する可能性があります。
(ウ)瑕疵等の発生 十分な建築技術を有する施工会社に発注を行うとともに、分譲マンションの建築工事については国の定める第三者機関による「住宅性能評価書」を取得する等、品質や安全の確保に十分な対応を行っておりますが、設計・施工不良等の瑕疵を起因とした不測の事態が発生する可能性があります。
(エ)取引先の信用リスク 施工会社が信用不安に陥った場合には、工期延期等の問題が発生するなど、取引先の信用力の低下が懸念されます。 |
プロジェクト選択時において必要な調査及びヒアリングを徹底してまいります。 |
①② ③④ |
④ |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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⑥投資事業におけるリスクについて |
当社グループは、経営戦略上、今後も大きな経済成長が期待できるアジア地域において事業基盤の拡大を図るため、積極的にM&Aを推進し、新会社の設立や既存の会社の買収等の投資を行っております。しかしながら、当社グループが想定する時期若しくは方法により投資を回収できないなど、これらの投資から期待どおりの成果を上げられない可能性があります。また、投資先の選定にあたっては、国内外の金融市場に加えて、政治・産業、風評等の動向に大きく影響を受けることが考えられるため、これらの外部要因により投資環境が悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
投資事業において事業のシナジー効果、商品力やサービス力などを総合的に判断した後、投資先を選定しております。また、投資を伴う買収等の業務提携を行う際には、デューデリジェンスなどを通じて相手方企業の分析を行い、リスク等を加味したうえで適切な投資額となるよう努めております。 |
①②③④ |
⑤ |
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⑦株価に関するリスクについて |
当社グループは、資本性金融商品を保有しております。市場経済の動向や投資先の財政状態等により、株価及び評価額に著しい変動が生じる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
保有株式の株価変動が当社グループの財政状態に重要な影響を及ぼす可能性を察知するため、定期的に時価や発行体の財務状況を把握しております。 |
①②③④ |
①② ③④ ⑤ |
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⑧関係会社の事業に関するリスクについて |
当社グループは、関係会社を通じて、信用保証業務や、債権回収業務、銀行業務、貯蓄銀行業務、証券業務、クレジット・信販業務、投資事業、不動産事業、さらにはシステム関連業務など幅広い事業を展開しております。これらの事業には様々な不確実性が存在するため、今後、想定を超えるリスクが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
各関係会社に向けて、「グループ規程管理規程」に基づき体制の整備・強化を図るとともに、「関係会社管理規程」及び「関係会社専決事項運用基準」を定め、重要な事項については、当社への報告を義務付け、必要に応じて関係会社に適宜、指導・支援等を実施することにより、当社との緊密な連携のもと、当社グループ全体でリスク管理の高度化を図っております。 |
①②③④ |
①② ③④ ⑤ |
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⑨持分法適用関連会社に関するリスクについて |
当社グループは、主に総合エンターテインメント事業を営む持分法適用関連会社を傘下に保有しております。持分法適用関連会社が損失を計上した場合は、当社の持分比率に応じて連結財務諸表に悪影響を及ぼします。また、持分法適用関連会社の業績が著しく悪化した場合、当該持分法適用関連会社の株式等について減損損失を計上する可能性があり、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当該持分法適用関連会社は通常、自らの方針のもとで、経営を行っているため、持分法適用関連会社の収益向上の取り組みをモニタリングするとともに、必要な諸施策を実施し、リスク低減に努めてまいります。 |
①②③④ |
⑤ |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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⑩のれんの減損リスクについて |
当社グループは、連結財務諸表について国際財務報告基準(以下、「IFRS」という。)を適用しております。IFRSにおいては、日本において一般に公正妥当と認められる会計基準とは異なり、のれんの定額償却は不要となりますが、一方、のれんの対象会社における経営成績悪化等により減損の兆候が生じた場合、減損テストを実施し、回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、のれんの減損処理が必要となる可能性があります。また、日本基準ではのれんの償却が規則的に行われるため、時の経過に伴いのれんの残高は減少し減損リスクも小さくなりますが、IFRSではのれんの規則的な償却が行われないため、減損リスクは将来にわたり残り続けることになることから、減損処理を行った際の損益に与える影響は大きなものとなる可能性があり、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
事業拡大を加速する手段の一つとして、M&Aを有効に活用しております。買収価格については、対象企業の財務内容や契約関係等について詳細な事前調査を行い、過度なリスクを取ることのないよう妥当性を十分検討した上で決定しております。出資後においても買収時の収支計画実現に向けたフォローアップや経営環境の定期的なモニタリングを行っております。 |
①②③④ |
③ |
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⑪訴訟等のリスクについて |
将来において法令違反や不完全な契約締結といった法律上の問題を原因とした重要な訴訟等が発生した場合や、各地域の裁判制度の違いや手続き等について見通しがつきにくいことから、通常の想定を超えた不利益な判決や金額の支払いが命じられた場合、現在係争中の重要な事案で敗訴となった場合、さらに営業行為規則違反、インサイダー取引違反、反社会的勢力関与など不正な行為により、訴訟が発生した場合等において、訴訟対応に関する費用の増大、不利な判決による賠償金の支払い及び社会的信用の低下等により、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
訴訟等のリスクを回避するために、重要な契約書の作成等に当たり、弁護士等の専門家からの助言を得ながら、リスクの最小化を図ってまいります。また、当社グループは国内のみならず、韓国、モンゴル、東南アジアにおいても事業展開しており、各地域の弁護士等の専門家と連携を密にとりながら、リスクの最小化を図ってまいります。また、コンプライアンスマニュアルや各種業務マニュアルに則り業務を行っておりますが、訴訟の発生を予測することは困難で、その影響額を客観的に見積ることは現段階では困難であります。 |
①②③④ |
①② ③④ ⑤ |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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⑫証券業務に関するリスクについて |
(市場リスクについて) 自己の計算において株式・債券・為替等の金融資産を保有しておりますが、急激な市況変動・金利変動等によりこれらの金融資産の価値が変動した場合、取引先が決済を含む債務不履行に陥り又は保有する有価証券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合、加えて、市場の混乱等により市場において取引ができない場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされ当社グループが損失を被る場合等において、元本の毀損や利払いの遅延等による損失に対応するため、リスク限度額等を定め、日々モニタリングしております。 しかしながら、予想を超えた急激な市況変動・金利変動といった当社の想定を超える不測の事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(信用取引について) 信用取引については、株式市場の変動に起因して、顧客が損失を被った場合又は代用有価証券の評価額が下落した場合、受け入れている担保が十分でなくなる可能性があります。リスク管理は徹底しておりますが、顧客からの信用貸付金の回収が想定以上に滞る場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主幹事業務について) 主幹事業務において、当社グループが主幹事証券会社を務める企業が新規上場する過程あるいは上場後に社会的評価が低下するような事態を招いた場合には、その主幹事証券会社の評価にも影響を与える可能性があります。その場合、主幹事業務の推進に支障をきたすことに加えて、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。 |
諸外国の法令等の改廃や政治、経済情勢の急激な変動、為替動向等注視し対応を検討してまいります。 市場リスクは、あらかじめ定めた限度額の範囲内(市場リスク枠)に収めることで管理を行っております。
顧客との接触回数を増やすことで、適正な投資金額を守っていただきながら、担保不足による回収不能という不測の事態を防ぐとともに、担当部署による日々のモニタリングによりリスクの最小化に努めております。
一般市場への株式上場の主幹事証券会社としての豊富な実績を活かし、株式上場を目指す企業に対して適時適切なサポートを行うとともに、上場後においても当該企業との間で引き続き良好な関係を維持し、社会的評価の低下に繋がるようなリスクの最小化に努めてまいります。 |
①③ ④ |
① |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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(ウェルスマネジメントについて) 市況の低迷により顧客の証券投資需要が低調となったり、証券市場のリスクを避ける投資行動が強まったり、リスク資産を保有することそのものに対して消極的な傾向が強まったりすると、収益が大きく低下する可能性があります。また、顧客と長期的な信頼関係を構築し、更なるニーズに応えるためには、業務に精通した人材を育てる必要がありますが、人材が育たずニーズに対応できない又は対応が遅れる事態等が発生した場合は、顧客の信頼を毀損し、ビジネス機会を喪失するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
顧客と長期にわたり伴走し、痒いところに手が届いてこそプライベートバンカーであり、顧客の信頼を得るために今まで培ってきた知見と経験を活かし、独自のサービスを開発・提供してまいります。 人材の育成につきましては、営業スタッフのプライベートバンカーとしてのプロ化を進め、この一環として日本証券アナリスト協会が制定したプライベートバンカーの認定資格「プライマリーPB」の取得を推進しております。顧客のニーズに応えるには資格取得が必要であり、そのために教材の支給や勉強会の実施により、早期に取得率を80%(2024年12月末現在70%超)まで高めてまいります。 |
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(5)資金調達に関するリスクについて |
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当社グループの銀行等からの借入金につきましては、変動金利の借入金も含まれております。金融情勢の変化による調達コストの上昇や資金調達そのものが困難となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは、不動産事業におけるプロジェクトの事業資金の一部を金融機関からの借入れにより調達しているため、借入れ当初に想定した事業期間が長期化する場合、借入金に係る返済期日の延長が必要となります。また状況に著しい変化が生じ、返済期日の延長が困難となる場合には、資金繰りに影響を与え、他のプロジェクトの工期の変更、その他資産処分等、事業計画の変更を余儀なくされる可能性があります。 |
金融機関からの借入や社債、コマーシャルペーパーの発行、貸付債権の流動化(証券化)等、資金調達方法の多様化を図っております。今後も資金調達環境や条件等を総合的に勘案して対応してまいります。 また、当社グループでは、各プロジェクトにおいて専任担当者による日々の工程管理を徹底し、定期報告の機会を設け、工程に大幅な変更が生じる場合は速やかに報告しております。 |
①② ③④ |
①② ③④ ⑤ |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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(6)経済環境・外部環境に関するリスクについて |
①競争に関するリスクについて |
当社グループの主要事業である金融業界は、金融業界再編に伴う合併や、業務提携による異業種からの新規参入、優良顧客層への営業力強化などによる顧客獲得競争等が一層激化する可能性があります。また証券業界では、近年、インターネット証券会社を中心に手数料・サービス競争は過熱しており、今後の他社動向によっては、商品提供や新サービスの提供を含み、より厳しい競争も想定されます。このような事業環境において、優位な競争力を得られない場合に、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
顧客の利便性に貢献する付加価値サービスの提供を強化することにより、競合他社との差別化や競争力向上に努めてまいります。また、証券業務では、他社との差別化を図るために、当社グループ独自の強みを用いた革新的なプライベートバンキングサービスを提供してまいります。 |
①② ③④ |
①② ③④ ⑤ |
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②風評等に関するリスクについて |
当社グループは、当社グループに損害を与えかねない風評等には十分留意しておりますが、風評等やそれによって当社グループの経営の根幹に関わるような問題が発生する可能性があります。また、将来においては、必ずしも当社グループの責めによらない、またコントロールすることが困難な様々なトラブルに巻き込まれる可能性もあります。 このような事象が発生した場合、又は適切に対処することができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
風評等やそれによって当社グループの経営の根幹に関わるような問題に対して、迅速かつ適切に対応することでその損害を最小限度に止める体制を取っております。また、ソーシャルメディアに対しては、「ソーシャルメディアポリシー」及び「ソーシャルメディアガイドライン」を策定し、誹謗中傷や風評被害などソーシャルメディアの不適切な利用による当社グループ役職員と当社グループへの悪影響に対し防止に努めてまいります。 |
①④ |
①② ③④ ⑤ |
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③自然災害等に関するリスクについて |
大規模な地震、津波、台風等の自然災害や事故、火災、テロ等の人的災害、疫病の発生・蔓延等により、当社グループの保有する店舗や施設等への物理的な損害、役職員への人的被害又は顧客への被害があった場合や、災害及び疫病等に起因する社会的要請等があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響につきましては、感染対策の定着やワクチン接種の普及等により落ち着きを見せ、感染症法上の位置付けが5類感染症へ変更されたことにより社会経済活動は正常化に向かっております。しかしながら、新たな変異株の出現など完全に収束する時期を予測するのは困難であり、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業への影響により見積り及びその基礎となる仮定に関する不確実性が高まった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
災害や事故、新型コロナウイルス等の感染症の流行などの緊急時に備えて、人命・安全の確保及び事業の継続に向けたBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に基づく災害対策本部の設置や緊急連絡体制の整備など、社員啓蒙を含め、迅速かつ円滑に対処ができる体制を強化してまいります。 |
①④ |
①② ③④ ⑤ |
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リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
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経営 方針 |
経営 戦略 |
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④カントリーリスクについて |
当社グループは、新たな収益基盤の確立を目的として、海外市場に進出し事業展開を行っております。これらの在外子会社につきましては、所在国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣、自然災害や疫病の発生、為替、その他の様々なカントリーリスクが存在しております。法律・規制の変更や、予期せぬ政治・経済の不安定化及びテロ・戦争・その他社会的混乱や大規模な自然災害、疫病等が実際に発生した場合、当社グループの事業活動が期待どおりに展開できない、若しくは事業の継続が困難となり、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 |
在外子会社等を通じて現地の情報収集及びリスクの洗い出しなどに努めるとともに、グループ内での対応策の検討及び実施により、グループ間の相互補完体制を活用しながら適切に対処してまいります。 |
①④ |
②③ ④⑤ |
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⑤株式市場に関するリスクについて |
株式市場において相場の低迷、取引の停滞・減少があった場合には、当社グループの証券会社の顧客数又は一人当たり取引高も停滞・減少する事態が想定され、株式売買手数料の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
株式市場の取引高及び売買高は一般的には株価が下がると縮小する傾向があります。株価は様々な要因の影響を受けており、今後、株式市場が活況を続ける保証はなく、その影響額を客観的に見積もることは現段階では困難であります。 |
①④ |
① |
|
リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
||
|
経営 方針 |
経営 戦略 |
||||
|
(7)オペレーショナルリスクについて |
①財務報告における内部統制について |
「金融商品取引法」における開示制度拡充の一環として、2008年4月以降開始する事業年度より上場企業等に対し、内部統制の構築・評価とその開示を求める「内部統制報告制度」が導入されております。監査法人による内部統制監査の結果、当社グループ内の内部統制に開示すべき重要な不備等が指摘され、限定意見等が付された場合には、市場等からの当社に対する評価や企業イメージ等の低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
財務報告の信頼性に係る内部統制の構築及び運用を重要な経営課題の一つとして位置付け、管理体制等の点検・改善等に継続的に取り組んでまいります。 |
①④ |
①② ③④ ⑤ |
|
|
②コンプライアンスリスクについて |
当社グループは、「金融商品取引法」「貸金業法」等の各種法令を遵守する必要があります。また、法令に限らず、社会の良識や常識といった社会規範や倫理観など広く社会のルールを遵守することが求められております。 不祥事が発生した場合や社会規範が遵守されなかった場合には、罰則の適用や社会的信用の失墜などにより当社グループの営業に影響を及ぼすほか、市場等からの当社グループに対する評価や企業イメージ等の低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、証券会社においては、法令遵守のために内部管理体制の見直しを随時行い、営業上のコンプライアンス指針の周知徹底を図っております。しかしながら、今後何らかの理由により行政上の指導、勧告を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
国内外の法令・規制を遵守するため、グループ・コンプライアンス規則を制定し、また、コンプライアンス・リスク管理委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを、全社をあげて実施しております。 |
①④ |
①② ③④ ⑤ |
|
リスク項目 |
リスクが顕在化した場合の 経営成績等の状況に与える影響等 |
当該リスクへの対応等 |
経営方針、 経営戦略との 関連性 |
||
|
経営 方針 |
経営 戦略 |
||||
|
|
③情報ネットワークシステム、インターネットサービス等又は技術的システムに生じる混乱、故障、その他の損害について |
当社グループは、災害発生時の被害を最小限に留めるべく対策を講じておりますが、想定を超える規模の地震、台風等の自然災害等が発生した場合には、営業の中断を余儀なくされる可能性があります。 また、当社グループは業務を適切に管理・運営するために内部及び外部の情報及び技術システムに依存しております。証券会社においては、業務を運営するために基幹システムをはじめとした様々なコンピュータシステムを利用しており、顧客からのインターネットによる取引の受注や取引の執行・決済に関するデータ処理を行っております。当社グループが使用するハードウェア及びソフトウェアは、人為的過誤、自然災害、停電、サイバー攻撃、テロ活動、コンピュータウイルス及びこれに類する事象等や、電話会社及びインターネットプロバイダー等の第三者からのサポートサービスの中断等によって悪影響を被る可能性があります。さらにこれら事由によりサービスの停止や機能低下が生じた場合には、収益機会の喪失や、当社グループのシステム自体への信頼性の低下及び損害賠償請求等が生じる可能性があるほか、監督官庁からの処分等を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
セキュリティ対策プログラムを有するとともに、事業継続に重大な影響を及ぼす自然災害や火災、事故等の発生時に被害を最小限に留めることができるよう、コンピュータシステムについて、安定稼動のためのシステム運用やバックアップシステムの構築などの対策を講じており、当該リスクの顕在化の抑制に努めております。 |
①④ |
①② ③④ ⑤ |
|
|
④人材の育成及び確保について |
当社グループでは、豊富な経験、各事業分野における高度な商品知識など専門性を持った人材を必要としております。しかしながら、重要な人材を十分に確保できない場合や、雇用している有用な人材が退職した場合、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。 |
教育・研修制度の充実、年俸制の導入や内部昇格制度の見直しを図るなど、優秀な人材の確保・育成に尽力しております。 |
①④ |
①② ③④ ⑤ |
|
|
⑤情報セキュリティについて |
不正アクセス、権限設定不備、不正利用、スパムメール脅威などによる情報セキュリティ上の問題が発生した場合や、外部委託先による問題が発生した場合、故意又は過失等にかかわらず、顧客の個人情報や当社グループの情報等が漏洩し、損害賠償責任が発生するなど、社会的信用が損なわれる事態となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
システム監査を定期的に行うなど問題発生を未然に防ぐ対策を実施しております。 |
①④ |
①② ③④ ⑤ |
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における営業収益は、PT Bank JTrust Indonesia Tbk.(以下、「Jトラスト銀行インドネシア」という。)において順調に貸出金残高が増加したことにより利息収益が増加したことや、株式会社グローベルス(以下、「グローベルス」という。)及びJグランド株式会社(以下、「Jグランド」という。)において販売用不動産における販売収益が増加したこと等により、業績は順調に拡大を続け、128,170百万円(前年同期比12.2%増)と過去最大となりました。営業利益は、韓国及びモンゴル金融事業において業績が回復傾向にあることや、日本金融事業や東南アジア金融事業の銀行2行が着実に利益を計上したこと等により増加した一方で、前連結会計年度において株式会社ミライノベート(以下、「ミライノベート」という。)の吸収合併に伴い負ののれん発生益10,113百万円を計上したことに比べ減少したことにより、6,252百万円(前年同期比22.4%減)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度にNexus Bank株式会社(以下、「Nexus Bank」という。)を吸収合併したことに伴い、Nexus Bank株式に係る繰延税金負債6,548百万円を取り崩したことに比べ減少したことにより、6,040百万円(前年同期比63.0%減)となりました。
当連結会計年度における当社グループの新たな事業展開の詳細は以下のとおりとなります。
a.日本での事業展開について
Jトラストグローバル証券株式会社(以下、「Jトラストグローバル証券」又は「JTG証券」という。)では、従来の個人金融資産5,000万円~1億円を保有する準富裕層向けビジネスに加え、個人金融資産1億円~5億円を保有する富裕層を新たなターゲットと捉え顧客開拓に乗り出すとともに、プライベートバンキングサービスを提供できる人材の獲得・育成に力を入れてまいりました。2024年12月26日時点で公益社団法人日本証券アナリスト協会(以下、「アナリスト協会」という。)が制定したプライベートバンカー(PB)の認定資格である「プライマリーPB(以下、「本資格」という。)」保有者数は71名(在籍する営業スタッフの本資格取得率70.7%)となっており、アナリスト協会のウェブサイトで公表されている本資格所有者の所属企業上位10社にランクインしております。また、2024年6月に債券ビジネスの拡大を目指して5バリューアセット株式会社と業務提携を行い、オンデマンドセミナーの開催、グローバルな債券情報に特化した特設ページの開設、投資セミナーの開催等を行っております。
グローベルスは、株式会社東京証券取引所が開設しているTOKYO PRO Market(以下、「TPM」という。)に、2024年6月20日付けで株式の上場を果たしました。今後、同社の知名度、認知度及び信用度の向上を見込むとともに、同社が展開する総合不動産企業として不動産開発事業、不動産ソリューション事業における今後の成長に向けた投資資金の調達力アップに繋がるよう努めてまいります。
当社は、株主の皆様への更なる利益還元と、資本効率の向上により、適切な株主価値の実現を図ることを目的に、2024年2月に自己株式の取得及び消却を行うことを決議し、2024年3月27日から2024年11月30日の間に自己株式4,728,600株を取得いたしました。また、消却につきましても、2024年2月29日付けで自己株式9,380,000株の消却を完了しております。
b.海外での事業展開について
インドネシアでは、Jトラスト銀行インドネシアにおいて、前連結会計年度に引き続き、日系大手デベロッパーの現地法人やインドネシアの大手デベロッパーとの住宅販売に係る業務提携を拡大しており、当連結会計年度においては、新たに20プロジェクトを提携先に加え、2024年12月末現在、43カ所の住宅ローン提携先プロジェクトを実現いたしました。また、マーケティング活動の一環として、環境保護に関心がある顧客に対し植樹活動やプラスチック廃棄物の管理・リサイクル活動が預金利息の一部を寄付することで貢献できる預金プログラムの実施や、ブランドアンバサダー契約を締結している「JKT48」とのコラボ預金商品の発売やイベントへの出展、パートナーシップ契約を締結したインドネシアプロサッカークラブチーム「Persija」(ペルシージャ、Liga1所属、ホーム:ジャカルタ)の公式ファンクラブ「Jakmania」会員に対する様々な特典の付与等、各種企画を展開し新規預金口座獲得に努めました。また、同行及びPT JTRUST CONSULTING INDONESIAは、インドネシアランドバンク機構「Badan Bank Tanah」と、インドネシアの新首都「ヌサンタラ」のエコシティプロジェクトを含む土地利用に関する基本合意書を締結し、同機構が管理する土地管理権(HPL)に投資する日本関連投資家の紹介と対応、サポート等を行うこととなりました。さらに、Jトラスト銀行インドネシアは株式会社香川銀行との間で、同行の取引先に対しインドネシア人材の紹介のほか、インドネシアへの進出や企業マッチング等を支援する業務提携契約を締結いたしました。これは、日本の銀行では株式会社四国銀行、株式会社西京銀行に続き3行目となります。
カンボジアでは、加盟店QR決済促進キャンペーンや、分割払い選択機能が付加され、より使い勝手が向上したクレジットカードの利用促進キャンペーン等を展開し、普通預金、決済資金の獲得に取り組んでおります。
シンガポールでは、JTRUST ASIA PTE.LTD.(以下、「Jトラストアジア」という。)が提起した訴訟の確定判決に基づく債権の一部、5,069,281ユーロ及び7,253米ドル(合計855百万円)を、2024年5月、キプロスにおいて預金差押えにより回収いたしました。また、2024年8月28日付けで、シンガポール高等法院においてJトラストアジアが申立てを行っておりましたGroup Lease Holdings Pte.Ltd.の清算手続開始決定が確定しております。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績の詳細は次のとおりです。
なお、文中の営業債権の残高につきましては、貸倒引当金(損失評価引当金)控除前の残高で記載しております。
(日本金融事業)
信用保証業務につきましては、株式会社日本保証(以下、「日本保証」という。)が、国内の債権回収業務につきましては、主に日本保証、パルティール債権回収株式会社(以下、「パルティール債権回収」という。)が、その他の金融業務につきましては、日本保証が、クレジット・信販業務につきましては、Nexus Card株式会社(以下、「Nexus Card」という。)及びMIRAI株式会社(以下、「MIRAI」という。)が、金融商品取引法に基づく金融商品取引業(証券業務)につきましては、Jトラストグローバル証券が行っております。
営業債権の残高は以下のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
2023/12 |
2024/12 |
増減額 |
増減率 |
主な増減要因 |
|
|
債務保証残高 |
223,048 |
243,588 |
20,539 |
9.2% |
|
|
|
|
有担保 |
220,585 |
241,389 |
20,804 |
9.4% |
有価証券担保ローン及びアパートローンに対する保証の増加 |
|
|
無担保 |
2,463 |
2,198 |
△264 |
△10.8% |
――――― |
|
買取債権残高 |
16,447 |
18,193 |
1,746 |
10.6% |
債権買取による増加 |
|
|
営業貸付金残高 |
1,807 |
2,193 |
386 |
21.4% |
譲受割賦立替金譲渡による取得(MIRAI) |
|
|
割賦立替金残高 |
13,192 |
16,339 |
3,146 |
23.9% |
割賦取扱高の増加 |
|
|
証券業に関連する資産 |
27,445 |
28,353 |
908 |
3.3% |
信用取引資産が減少するも、預託金が増加 |
|
営業収益は、Nexus Cardにおいて、割賦取扱高の増加により割賦立替手数料が増加したことや、Jトラストグローバル証券において堅調な株式市場を受けて役務収益等が増加したことにより、16,618百万円(前年同期比17.7%増)となりました。セグメント利益は、Jトラストグローバル証券においてIFA事業者支援サービス関連の支払手数料が増加したものの、前期、Nexus Cardにおける割賦取扱高の増加やMIRAIの新規連結により、割賦立替金残高が大幅に増加したことに対して貸倒引当金(損失評価引当金)を積み増したことに比べ増加したこと等により、7,040百万円(前年同期比51.2%増)となりました。
(韓国及びモンゴル金融事業)
韓国において、JT親愛貯蓄銀行株式会社及びJT貯蓄銀行株式会社が貯蓄銀行業務を、TA資産管理貸付株式会社が不良債権の買取及び回収業務を行っております。また、モンゴルにおいて、J Trust Credit NBFIが金融業務を行っております。なお、J Trust Credit NBFIにつきましては、2024年10月16日にモンゴル当局の承認を前提として、全株式を株式会社エスビーティー(本社:神奈川県横浜市、代表取締役 稲見太郎)へ譲渡することを決議し、条件付株式譲渡契約を締結しております。
営業債権の残高は以下のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
2023/12 |
2024/12 |
増減額 |
増減率 |
主な増減要因 |
|
銀行業における貸出金残高 |
392,443 |
383,745 |
△8,697 |
△2.2% |
延滞率を考慮のうえ収益性を判断し貸出を選別したことにより減少 |
|
営業貸付金残高 |
1,123 |
1,105 |
△17 |
△1.6% |
――――― |
|
買取債権残高 |
2,662 |
2,711 |
49 |
1.8% |
――――― |
営業収益は、貯蓄銀行業務において、銀行業における貸出金残高の減少に伴う貸出金利息収入の減少や、銀行預け金の平残の減少等に伴う預金利息収入の減少等により、46,299百万円(前年同期比2.6%減)となりました。セグメント損益は、債権売却損が増加した一方で、銀行業における預金について適正な残高維持に努め減少したことにより預金利息費用が減少したことや、銀行業における貸出金残高の減少に伴い貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額が減少したこと等により、964百万円のセグメント利益(前年同期は3,334百万円のセグメント損失)となりました。
(東南アジア金融事業)
インドネシアにおいて、主にJトラスト銀行インドネシアが銀行業務を、PT JTRUST INVESTMENTS INDONESIA及びPT TURNAROUND ASSET INDONESIAが債権回収業務を行っております。また、カンボジアにおいて、J Trust Royal Bank Plc.(以下、「Jトラストロイヤル銀行」という。)が銀行業務を行っております。
営業債権の残高は以下のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
2023/12 |
2024/12 |
増減額 |
増減率 |
主な増減要因 |
|
|
銀行業における貸出金残高 |
354,867 |
415,150 |
60,283 |
17.0% |
インドネシアにおける積極的な貸出残高増強策 |
|
|
|
インドネシア |
216,042 |
256,403 |
40,360 |
18.7% |
厳格な審査体制の下で積極的な貸出増強策を推進 |
|
|
カンボジア |
138,824 |
158,747 |
19,922 |
14.4% |
預金残高とのバランスを考慮した貸出残高計画に基づく |
|
買取債権残高 |
28,753 |
31,198 |
2,445 |
8.5% |
債権買取による増加 |
|
営業収益は、銀行業における貸出金の増加に伴う貸出金利息収入の増加や銀行預け金の増加に伴う預金利息収入の増加により、47,740百万円(前年同期比24.3%増)となりました。また、セグメント損益は、銀行業における預金が増加したことにより預金利息費用が増加したものの、積極的なマーケティング戦略を継続し、資金調達コストの抑制や経費の削減を進めたことや、徹底した不良債権管理を行ったことにより貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額が減少したこと等により、1,509百万円のセグメント利益(前年同期は1,019百万円のセグメント損失)となりました。
(不動産事業)
不動産事業につきましては、主にJグランド、グローベルス及び株式会社ライブレントが国内での不動産事業を行っており、Prospect Asset Management,Inc.が米国ハワイ州での不動産事業を行っております。
営業収益は、主にJグランド及びグローベルスにおいて販売用不動産における販売収益が増加したことにより、17,396百万円(前年同期比23.9%増)となりました。また、セグメント利益は、前連結会計年度にミライノベートの吸収合併に伴い負ののれん発生益10,113百万円を計上したことに比べ減少し、361百万円(前年同期比96.7%減)となりました。
(投資事業)
投資事業につきましては、主にJトラストアジアが投資事業などを行っております。
営業収益は、11百万円(前年同期比92.5%減)、セグメント損失は、借入金に係る利息費用が増加した一方で、Jトラストアジアがシンガポールにおいて提起した訴訟の確定判決に基づく債権の一部を回収したこと等により、1,595百万円(前年同期は2,072百万円のセグメント損失)となりました。
(その他の事業)
その他の事業につきましては、主にJ Sync株式会社が当社グループのシステム開発、コンピュータの運用及び管理業務を行っております。
営業収益は、603百万円(前年同期比0.8%増)、セグメント損失は、211百万円(前年同期は55百万円のセグメント損失)となりました。
② 資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ55,752百万円増加し1,270,467百万円となりました。これは主に、韓国の貯蓄銀行における内国為替決済金額の減少等によりその他の金融資産が30,523百万円減少した一方で、現金及び現金同等物が19,587百万円、銀行業における有価証券が5,823百万円、銀行業における貸出金が53,605百万円増加したこと等により増加したものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ47,312百万円増加し1,093,811百万円となりました。これは主に、銀行業における預金が39,527百万円、借入金の増加等により社債及び借入金が7,790百万円増加したこと等により増加したものです。
資本につきましては、前連結会計年度末に比べ8,440百万円増加し176,656百万円となりました。これは主に、自己株式の消却等により資本剰余金が7,447百万円減少した一方で、自己株式の消却及び取得等により自己株式が5,589百万円増加したことに加え、親会社の所有者に帰属する当期利益を6,040百万円計上したことにより利益剰余金が4,255百万円増加したことや、海外子会社等の換算差額の増加等によりその他の資本の構成要素が3,284百万円増加したこと等により増加したものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19,587百万円増加し、125,327百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、17,124百万円(前年同期は47,079百万円の資金の減少)となりました。これは主に、銀行業における貸出金の増加額が36,422百万円と資金が減少した一方で、税引前利益8,368百万円を計上したことや銀行業における預金の増加額が9,872百万円、その他の金融資産の減少額が20,865百万円、制限付預金の減少額が13,480百万円とそれぞれ資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、7,403百万円(前年同期は501百万円の資金の減少)となりました。これは主に、銀行業における有価証券の取得による支出174,201百万円が、銀行業における有価証券の売却及び償還による収入171,613百万円を上回ったことにより資金が減少したものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、2,228百万円(前年同期は4,344百万円の資金の増加)となりました。これは主に、長期借入による収入32,708百万円が、長期借入金の返済による支出27,888百万円を上回ったことにより資金が増加したものです。
(2)営業実績
① 貸付金残高の内訳
|
区分 |
前連結会計年度末 (2023年12月31日現在) |
当連結会計年度末 (2024年12月31日現在) |
||||
|
金額(百万円) |
構成割合(%) |
金額(百万円) |
構成割合(%) |
|||
|
国内 |
消費者向 |
無担保貸付 |
47 |
0.0 |
32 |
0.0 |
|
有担保貸付 |
350 |
0.0 |
290 |
0.0 |
||
|
小計 |
398 |
0.0 |
323 |
0.0 |
||
|
事業者向 |
無担保貸付 |
0 |
0.0 |
0 |
0.0 |
|
|
有担保貸付 |
1,409 |
0.2 |
1,870 |
0.2 |
||
|
小計 |
1,409 |
0.2 |
1,870 |
0.2 |
||
|
合計 |
1,807 |
0.2 |
2,193 |
0.2 |
||
|
海外 |
消費者向 |
無担保貸付 |
628 |
0.1 |
542 |
0.1 |
|
有担保貸付 |
1,553 |
0.2 |
1,175 |
0.2 |
||
|
小計 |
2,182 |
0.3 |
1,717 |
0.3 |
||
|
事業者向 |
無担保貸付 |
- |
- |
- |
- |
|
|
有担保貸付 |
18 |
0.0 |
17 |
0.0 |
||
|
小計 |
18 |
0.0 |
17 |
0.0 |
||
|
営業貸付金 合計 |
2,200 |
0.3 |
1,734 |
0.3 |
||
|
銀行業における貸出金 |
韓国 |
392,443 |
52.2 |
383,745 |
47.8 |
|
|
インドネシア |
216,042 |
28.8 |
256,403 |
31.9 |
||
|
カンボジア |
138,824 |
18.5 |
158,747 |
19.8 |
||
|
小計 |
747,311 |
99.5 |
798,896 |
99.5 |
||
|
合計 |
749,511 |
99.8 |
800,631 |
99.8 |
||
|
総合計 |
751,319 |
100.0 |
802,825 |
100.0 |
||
(注)貸倒引当金(損失評価引当金)控除前の貸付金残高であります。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本金融事業(百万円) |
- |
- |
|
韓国及びモンゴル金融事業(百万円) |
- |
- |
|
東南アジア金融事業(百万円) |
- |
- |
|
不動産事業(百万円) |
10,426 |
87.2 |
|
投資事業(百万円) |
- |
- |
|
その他の事業(百万円) |
- |
- |
|
内部取引消去(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
10,426 |
87.2 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、有価証券報告書提出日現在(2025年3月26日)において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ55,752百万円増加し1,270,467百万円となりました。これは主に、Jトラスト銀行インドネシアにおいて、インドネシア銀行へ預け入れた当座預金が減少したことや、韓国の貯蓄銀行において、内国為替決済金額が減少したこと等によりその他の金融資産が30,523百万円減少した一方で、Jトラストロイヤル銀行において海外金融機関や地元金融機関等への預け入れが増加したこと等により現金及び現金同等物が19,587百万円、Jトラスト銀行インドネシアにおいて、積極的に貸出残高の増強に努めたことにより銀行業における貸出金が53,605百万円、銀行業における有価証券が5,823百万円増加したこと等により増加したものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ47,312百万円増加し1,093,811百万円となりました。これは主に、韓国金融事業では、銀行業における預金につきまして、韓国経済の悪化のなか、健全性管理に重点を置き、適切な流動資金調整のため預金獲得を削減したことにより減少した一方で、東南アジア金融事業では、COF(調達金利)の低下や預貸スプレッド等の改善を目指し、環境保護活動への貢献に繋がる預金プログラムの開発や、アイドルグループ「JKT48」とのブランドアンバサダー契約の締結及びコラボ商品の販売、インドネシアプロサッカーチームとのパートナーシップ契約の締結及び公式ファンクラブ向け様々な特典の付与等、各種企画の実施により新規預金口座獲得に努めたこと等により、39,527百万円増加いたしました。加えて、パルティール債権回収における債権買取に伴う長期借入金の増加等により社債及び借入金が7,790百万円増加したこと等により増加したものです。
資本につきましては、前連結会計年度末に比べ8,440百万円増加し176,656百万円となりました。これは主に、当連結会計年度において、適切な株主価値の実現を図ることを目的に、自己株式の取得及び消却を実施した結果、自己株式の消却等により資本剰余金が7,447百万円減少した一方で、自己株式の消却及び取得等により自己株式が5,589百万円増加いたしました。加えて、親会社の所有者に帰属する当期利益を6,040百万円計上したこと等により利益剰余金が4,255百万円増加したことや、海外子会社等の換算差額の増加等によりその他の資本の構成要素が3,284百万円増加したこと等により増加したものです。
b.経営成績
営業収益は、過去最高となる、128,170百万円(前年同期比12.2%増)となりました。
主な内訳は以下のとおりです。
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営業収益 |
増加 |
東南アジア金融事業 |
Jトラスト銀行インドネシアにおいて、銀行業における貸出金の増加に伴い貸出金利息収入が増加 |
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Jトラストロイヤル銀行において、銀行預け金の増加に伴い預金利息収入が増加 |
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日本金融事業 |
Nexus Cardにおいて、割賦取扱高の増加により割賦立替手数料が増加 |
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Jトラストグローバル証券において、堅調な株式市場を受けて役務収益等が増加 |
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日本保証において、信用保証残高の増加により保証料収益が増加 |
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不動産事業 |
販売用不動産における販売収益が増加 |
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減少 |
韓国及びモンゴル 金融事業 |
貯蓄銀行業務において、銀行業における貸出金残高の減少に伴い貸出金利息収入が減少 |
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貯蓄銀行業務において、銀行預け金の平残の減少等に伴い預金利息収入が減少 |
営業費用は、84,734百万円(前年同期比4.4%増)となりました。
主な内訳は以下のとおりです。
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営業費用 |
増加 |
韓国及びモンゴル 金融事業 |
貯蓄銀行業務において、コロナ禍から続く景気の悪化や債権の不良化により債権売却損が増加 |
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東南アジア金融事業 |
銀行業における預金が増加したことに対して、積極的なマーケティング戦略を継続し、資金調達コストの抑制を進めたものの預金利息費用が増加 |
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不動産事業 |
販売用不動産における販売原価が増加 |
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減少 |
韓国及びモンゴル 金融事業 |
貯蓄銀行業務において、適正な残高維持に努め銀行業における預金が減少したことにより預金利息費用が減少 |
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貯蓄銀行業務において、銀行業における貸出金残高の減少に伴い貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額が減少 |
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東南アジア金融事業 |
徹底した不良債権管理を行ったことにより貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額が減少 |
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日本金融事業 |
前連結会計年度に、Nexus Cardにおける割賦立替金残高の大幅な増加や、新規連結したMIRAIに対して貸倒引当金(損失評価引当金)を積み増したことに比べ減少 |
販売費及び一般管理費につきましては、Jトラストロイヤル銀行において無形資産の償却が一部終了し減価償却費が減少した一方で、Jトラストグローバル証券においてIFA事業者支援サービス関連の支払手数料が増加したこと等により、37,986百万円(前年同期比3.0%増)となりました。
その他の収益につきましては、前連結会計年度にミライノベートを吸収合併により取得したことで生じた負ののれん発生益を計上したことに比べ減少し、1,251百万円(前年同期比89.7%減)となりました。
その他の費用につきましては、447百万円(前年同期比44.1%増)となりました。
以上の結果、営業利益につきましては、6,252百万円(前年同期比22.4%減)となりました。
金融収益につきましては、株式会社エスポア株式の売却に伴い投資有価証券売却益を計上したこと等により2,169百万円(前年同期比43.1%増)となりました。
金融費用につきましては、416百万円(前年同期比0.6%減)となりました。
持分法による投資利益は、362百万円(前年同期比41.1%減)となりました。
以上の結果、税引前利益につきましては、8,368百万円(前年同期比14.4%減)となりました。
法人所得税費用につきましては、1,483百万円(前連結会計年度は、Nexus Bankを吸収合併したことに伴う繰延税金負債の取崩しを行ったこと等により、7,199百万円の費用の戻し)となりました。
以上の結果、継続事業からの当期利益は、6,885百万円(前年同期比59.4%減)となりました。
非支配持分に帰属する当期利益につきましては、844百万円の非支配持分に帰属する当期利益(前年同期比84.0%増)となりました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、6,040百万円(前年同期比63.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(日本金融事業)
営業収益は、Nexus Cardにおいて、割賦取扱高の増加により割賦立替手数料が増加したことや、Jトラストグローバル証券において堅調な株式市場を受けて役務収益等が増加したこと、日本保証において信用保証残高の増加により保証料収益が増加したこと等により、16,618百万円(前年同期比17.7%増)となりました。セグメント利益は、Jトラストグローバル証券においてIFA事業者支援サービス関連の支払手数料が増加したものの、前期、Nexus Cardにおける割賦取扱高の増加やMIRAIの新規連結により、割賦立替金残高が大幅に増加したことに対して貸倒引当金(損失評価引当金)を積み増したことに比べ増加したこと等により、7,040百万円(前年同期比51.2%増)となりました。
信用保証業務では、アパートローン、有価証券担保ローン、海外不動産担保ローンの保証を中心に信用保証残高が増加しており、安定的な保証料収益の計上が図れました。債権回収業務も好調に推移しており、高い回収力を背景として安定的・継続的な仕入れを実現し買取債権残高も増加しております。
クレジット・信販業務では、エステ等の割賦取扱いが好調に推移し、クリアグループ他との割賦債権の取扱い拡大に伴い割賦立替金残高は継続的に増加しております。
証券業務につきましては、経済環境及び市場環境の変化により業績が大きく変動する可能性はあるものの、得意とする「海外投資のJTG証券」から「ベンチャー企業を応援するJTG証券」「ウェルスマネジメントのJTG証券」の3つのコア領域への拡大を図り、個人金融資産1億円~5億円を保有する富裕層顧客を新たなターゲットとして加速度的に新規顧客開拓を進めております。富裕層顧客のニーズをさらに満たす独自性のある新しい金融サービスの導入により顧客獲得数が増加するとともに預り資産も増加し、収益拡大に繋がるものと考えております。
(韓国及びモンゴル金融事業)
営業収益は、貯蓄銀行業務において、銀行業における貸出金残高の減少に伴う貸出金利息収入の減少や、銀行預け金の平残の減少等に伴う預金利息収入の減少等により、46,299百万円(前年同期比2.6%減)となりました。セグメント損益は、債権売却損が増加した一方で、銀行業における預金の減少に伴い預金利息費用が減少したことや、銀行業における貸出金残高の減少に伴い貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額が減少したこと等により、964百万円のセグメント利益(前年同期は3,334百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度において、基準金利が一部引き下げられたものの、調達金利の上昇による預金利息費用の増加や、コロナ禍以降の韓国経済の悪化に伴う債権の不良化に対する貸倒引当金(損失評価引当金)の追加引当等の影響により、貯蓄銀行業務において赤字が続いておりましたが、ようやく改善が見られ黒字転換を達成いたしました。調達金利の高止まりの中で、預貸金利スプレッドの拡大により営業費用の最小化を図るため、銀行業における預金について、適正な残高維持に努めるとともに、預金金利等について他行状況を勘案し、預金利息費用の削減を図りました。また、経費削減に努めるとともに、貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額を減少させるため、短期延滞債権の回収強化や、大型不良債権のリファイナンシング等を通じた戻入れ等対策を行っております。今後も各種金融政策により厳しい状況が続くものと予想されますが、徹底した延滞管理を通じて貸倒費用の抑制に努めるとともに、COF(調達金利)の低下、不良債権の戦略的な売却及び償却による利益創出の最大化等、収益確保に向けて対策を講じてまいります。
(東南アジア金融事業)
営業収益は、銀行業における貸出金の増加に伴う貸出金利息収入の増加や銀行預け金の増加に伴う預金利息収入の増加により、47,740百万円(前年同期比24.3%増)となりました。また、セグメント損益は、銀行業における預金が増加したことにより預金利息費用が増加したものの、積極的なマーケティング戦略を継続し、資金調達コストの抑制や経費の削減を進めたことや、徹底した不良債権管理を行ったことにより貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額が減少したこと、Jトラストロイヤル銀行において無形資産の償却が一部終了し減価償却費が減少したこと等により、1,509百万円のセグメント利益(前年同期は1,019百万円のセグメント損失)となりました。
Jトラスト銀行インドネシアでは、収益確保のため、貸出増強に向けたミーティングをビジネス部門と日次実施し、ビジネス/審査部門の連携強化による体制の見直しにより、不良債権リスク低減を図りつつ金利収入を最大限享受するため積極的に貸出残高、社債残高の積み上げを図っており、この結果、銀行業における貸出金残高が順調に増加しております。インドネシアでは、2024年9月に基準金利が3年7ヶ月ぶりに6.0%に引き下げられたものの調達金利が高止まりの状況で推移している中でも、市場実勢に合わせて貸出金利を調整したことにより一定の利益水準を維持することができました。なお、基準金利につきましては、インフレ率が低水準にあることから、2025年1月に5.75%に利下げが実施されましたが、今後、追加利下げも予測されることから、定期的に調達金利、貸出金利の調整を行ってまいります。また、利益確保のため、厳格な審査体制のもと不良債権管理強化に努め不良債権比率の低下や貸倒費用の削減を図るとともに、マーケティング活動の一環として、様々な預金プログラムや特典付きイベント等の企画を通じて、新規預金口座開設を積極的に推進し、COF(調達金利)の低下、CASA(流動比率)の増加を図りました。さらに大手デベロッパーとの間で積極的に住宅販売に係る業務提携を推進しており、更なる収益拡大に繋げてまいります。
債権回収業務では、債権の新規買取を強化するとともに、債権回収について回収困難債権に対する掘り起こしの強化等により買取債権回収益の増加が図れました。今後、収益機会の拡大や回収の最大化に努め、貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の削減に努めてまいります。
Jトラストロイヤル銀行では、事業環境の落ち着きを踏まえ、貸出残高をコントロールする方針から徐々に増やしていく方針への展開を図っており、担保物件の競売や法的手続き等による回収とモニタリングを強化し、不良債権化の抑制に努めてまいります。
(不動産事業)
営業収益は、主にJグランド及びグローベルスにおいて販売用不動産における販売収益が増加したこと等により、17,396百万円(前年同期比23.9%増)となりました。また、セグメント利益は、前連結会計年度にミライノベートの吸収合併に伴い負ののれん発生益10,113百万円を計上したことに比べ減少し、361百万円(前年同期比96.7%減)となりました。
不動産事業では、資材高騰による費用負担の増加や金利上昇に伴う投資家の投資意欲減退による営業収益の減少が課題となっておりますが、そのような中でもJグランドにおいては、業績が毎年順調に拡大しており、当連結会計年度では、前年同期比146%の営業収益を計上いたしました。今後も、富裕層を対象とした投資用物件をメインの事業に据えることで、事業規模の拡大を目指してまいります。また、グローベルスにおいてもマンション開発と賃貸業を並行して強化しております。当連結会計年度につきましては、建築費(資材、人件費)高騰による販売価格の上昇等により、営業利益は前年同期比減少となりましたが、TPMに上場を果たしたことで、上場会社としての信用力により商品ブランドの認知度向上に努めてまいります。
(投資事業)
営業収益は、11百万円(前年同期比92.5%減)、セグメント損失は、借入金に係る利息費用が増加した一方で、Jトラストアジアがシンガポールにおいて提起した訴訟の確定判決に基づく債権の一部を回収したこと等により、1,595百万円(前年同期は2,072百万円のセグメント損失)となりました。Group Lease PCLに対する債権回収に重点を置き、訴訟費用等を抑制しつつ回収強化を図ってまいります。
(その他の事業)
営業収益は、603百万円(前年同期比0.8%増)、セグメント損失は、211百万円(前年同期は55百万円のセグメント損失)となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、Jトラスト銀行インドネシアで銀行業における貸出金が増加し資金が減少した一方で、税引前利益を計上したことに加えてJトラスト銀行インドネシアで銀行業における預金が増加したことや、制限付預金が減少したこと、Jトラスト銀行インドネシア及び韓国金融事業でその他の金融資産が減少したこと等により資金が増加した結果、前連結会計年度末に比べ19,587百万円増加し、125,327百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
・財務政策
当社グループの資金需要の主なものは、当社グループ各社の経常的な運転資金のほか、当社グループの長期的な成長に資する企業のM&Aに要する資金であります。
資金需要に対しては、原則としてグループ各社の営業活動により生ずる手元流動資金を充当する方針としており、グループ全体の効率的な資金活用に努めておりますが、必要に応じて外部からの資金調達を検討することとしております。
外部からの資金調達の手法としては、金融機関からの借入や社債、コマーシャルペーパーの発行、貸付債権の流動化(証券化)等であり、今後も資金調達環境や条件等を総合的に勘案して対応してまいります。
なお、当連結会計年度末においての社債及び借入金の残高は69,308百万円となっており、前連結会計年度末と比較し7,790百万円増加しております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
該当事項はありません。