第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項の記載内容に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

当社グループは、「生命科学の進歩に資する」をグループの目的とし、生命科学に携わるすべての人に科学を届けるための機能的な組織となり、生命科学に携わるすべての皆様から信頼されるパートナーとして、生命科学の進歩の一助になるよう、製品やサービス、情報の品質を高め、社会から認められる付加価値を誇りに持続的成長を目指します。

当連結会計年度における我が国経済は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東での紛争の激化、原材料価格の上昇により回復基調に水を差す状況であり、また円安の継続により、当社グループの事業においても大きく影響を受けました。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、3ヶ年計画の2期目として、自社開発品の拡充や、海外展開の強化による既存事業の一層の拡大などを目的として、組織体制の見直しを行いました。また、2024年8月5日に開示した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応方針(※)」に基づき、企業価値の向上に向け株主還元の強化や既存ビジネスの高収益化、新規ビジネスの創出による収益源の拡大を目指し、将来を見据えた以下の活動に取り組んでまいります。

(※)https://ssl4.eir-parts.net/doc/3386/tdnet/2483274/00.pdf

 

1.新たな事業基盤の創出

 (1) 既存事業の発展に加え、シーズ探索強化、産学官連携への積極参画、並びにプラットフォームビジネス「Scientist³」の展開を図り、次世代の収益の柱となり得る新規事業を開拓してまいります。

 (2) 市場競争力の維持・強化、事業拡大やコスト削減効果の客観的評価を行い、他企業との協働の機会を最大限に活用するため、資本提携や業務提携を積極的に推進し、事業拡大を図ります。

 (3) 生命科学分野の基礎研究だけでなく、直接的に健康や社会に関わる広い分野での可能性を追求し、研究用試薬以外の市場にも進出することを目指します。

 

2.既存事業基盤の強化

 (1) 最新のデジタル技術を導入し、商社機能を強化することで国内外における提案力、情報力、商品力をさらに高めます。また、顧客ニーズの的確な把握、ユーザーの満足度向上を目指し、研究活動の促進・サポートを迅速に実現できるよう最良のサービスを提供してまいります。

 (2) 札幌事業所(札幌ラボ)では、自社製品の開発・製造に加え、ペプチド合成や抗体作製受託サービス事業における新技術の導入や効率化を進め、収益性と付加価値の向上を図ります。また、食品や化粧品の原料供給事業など、広範な市場への事業拡大も進めていきます。そのため、新たなビジネスモデルの構築や適切なビジネスパートナーの探索を推し進めてまいります。

 (3) 海外市場に向けては、特にマーケティング機能を強化し、日本国内メーカーの優れた商品や自社製品・サービスの販売拡大を目指し、収益構造の体制を整えてまいります。

 

3.企業価値の向上

 (1) 企業グループ全体で業務効率化を推進し、シナジーを創出します。具体的には、営業活動や受注業務の効率化、販促ツールの制作、法令対応の強化を進めます。また、グループ会社間での共同事業を通じて生産性向上を図ります。

 (2) 人材基盤の強化のため、就業制度改革や積極的な採用活動を継続します。特に、多様な働き方を支援する施策や研修の充実を進めてまいります。

 (3) テレワーク制度については、業務効率と生産性向上を目的とした柔軟な運用を続け、災害時や感染症拡大時の事業継続計画(BCP)にも対応してまいります。

 (4) 譲渡制限付株式報酬/付与制度は、役員については中長期のインセンティブのため、従業員については自身が自社の株主となることで、株主様と同じ目線で当社の事業経営を支える意識づけとして設けました。これは当社へのコミットメントを高め、中長期的に株主価値を向上させることを目的としております。

 (5) サステナビリティに配慮した事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献し、信頼される企業ブランド価値の向上を推進してまいります。

 (6) 資本コストを意識した経営の実現に向け、株主還元の強化やITを活用した現在のビジネスの高収益化、新規ビジネスの創出による収益源の拡大に取り組みます。

 (7) 当社グループでDXを推進し、付加価値の向上や既存ビジネスの業務効率化を通した高収益体質への転換に取り組みます。

2024年度は、2023年度に特定したマテリアリティに対し、サステナビリティに配慮し具体的な施策の推進に取り組んでまいりました。今後も引き続き以下の活動を推進することで、社会課題の解決やSDGsの達成に貢献するとともに、当社グループの持続的な成長の実現を目指します。

 

重要課題(マテリアリティ)

内  容

E

環境への取り組み

製造事業における環境汚染の防止

・研究開発及び製造施設での排水基準の遵守、水質汚染の防止

・廃棄物関連の法令遵守及び排出削減

・製造プロセス及び研究プロセスにおける資材等の適切な管理

流通改革・在庫施策・環境負荷の低減

・配送業務工程の見直し(過剰包装の抑制、緩衝材の再利用及び商品パッケージの素材変更(FSC認証紙)等)

・産業廃棄物の管理及び処理の徹底

S

持続的成長を支える

事業活動

研究活動のサポート・パートナーシップ(ライフサイエンス研究への支援)

 

・日本全国をカバーする販売代理店網による研究者のサポート

・世界中の信頼できるメーカーとの仕入網の構築

・新商品情報、最新の技術情報の発信及び各商品の法令情報提供

新規事業基盤・イノベーション

・産学官連携によるオープンイノベーションの推進

・資本提携及び業務提携への取り組み

・自社製品としての開発、製造及び販売

・研究者と受託サービスのマッチングプラットフォーム「Scientist³」の構築(2025年運用開始予定)

次世代への支援

・生命ロボットコンテスト(iGEM)への支援

・Tools for School 公開講座応援団(ライフサイエンス関係の市民体験講座へ教材及び費用の一部を提供)

・「Science Signaling」日本語サイトの運営

働きがいのある

職場づくり

労働環境とワークライフバランスの実現

・テレワーク制度、フレックス勤務制度、介護休暇制度などのサポート

・選択制確定給付企業年金制度の導入

・ハラスメント防止への取り組み(研修及び内部通報体制)

人的資本の拡充・生産性の向上

・採用の強化(新卒、多様なキャリア及び背景をもつ人材)

・教育研修制度の実施(選択型研修及び階層別研修)

・属人的業務の改善

G

ガバナンスの強化・充実

 

ガバナンスの向上

・取締役会実効性評価アンケート実施による改善

・「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応方針」の開示

・事業継続計画(BCP)を策定し継続的に運用

コンプライアンスの徹底

・各種法令に関する社内教育、勉強会の実施及びそれら専門知識に基づく迅速な対応

 

 当社グループでは、企業価値の向上を核となる目標とし、ROE8%以上の達成と資本コストの低減により、早期にPBR1倍以上の株価水準を目指します。そのために、IR活動の充実や株主還元の強化、DXによる業務効率化を通した既存ビジネスの高収益化や付加価値の向上、新規ビジネスの創出による収益源の拡大などに取り組みます。

 

 私たちは、どのような環境の中でも、生命科学の進歩発展のすべての場面において求められる責任ある事業者として、最前線で活躍される研究者を支えるパートナーであり続けたいと考えております。

 

 今後も、社会の課題解決やSDGsに寄与し、持続的な成長の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の取り組みを推進してまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 私たちコスモ・バイオグループ(以下、当社グループ)のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その実現を保証するものではありません。

 

 当社グループは、ライフサイエンス分野において研究者に信頼される事業価値を高め、技術や商品・サービスを通じて社会に貢献することを目指しています。企業としての社会的責任(CSR)を果たしていくことは、重要な経営課題の一つであり、当社グループの事業活動そのものがCSRへの取り組みであると位置づけています。

詳細につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

(1)ガバナンス

 当社グループにおけるサステナビリティに関するガバナンス体制は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のコーポレート・ガバナンスの体制と同様であり、各機関が責任を持ってその取り組みを推進しております。サステナビリティに関する具体的な戦略や、サステナビリティを推進するために必要な諸施策に関しては、幹部会等での審議を経て取締役会において決定され、取締役会が監督を行うこととしております。

 

(2)リスク管理

 当社グループでは、「リスク管理規程」を制定しており、リスク管理体制に関しては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 B.リスク管理体制の整備の状況」に記載の通りです。また、当社幹部会において、サステナビリティに関連するリスクを含め特定したリスクや対応状況を共有し、必要な対策を議論し検討しております。

 

(3)人的資本

 ①戦略

  当社グループでは、2023年度からの3ヶ年計画において、人的資本の拡充を重要課題(マテリアリティ)の一つと位置づけています。その中でも、事業成長に必要な人材育成を重点施策とし、従業員がその能力を十分に発揮できる環境整備や、多様な働き方への対応を積極的に進め、ワークライフバランスの向上を図るためにテレワーク制度やコアタイムのないフレックス制度を導入しております。

  また、持続的成長を実現するために、従業員の人権を尊重し、国籍・性別・年齢・文化的背景等に拘らず、創造性に富む多様な人材を採用・育成・登用することが重要であると考えております。その一環として、従業員の能力向上を目的とした教育制度として、目的別研修や階層別研修などを実施し、一人ひとりが成長できる環境を提供しています。

  さらに、従業員のエンゲージメント向上を重要視しており、定期的なエンゲージメントサーベイを実施しております。この結果をもとに、従業員が働きやすい環境を整え、心理的安全性の向上を図るとともに、生産性向上につながる施策を講じております。加えて、ハラスメント防止のための施策として、社内研修や相談窓口の設置を行い、安心して働ける職場環境を提供できるよう努めております。

 

 ②指標及び目標

 当社グループは、前述の戦略に基づき、人的資本の拡充と社内環境整備を進めておりますが、現時点において、管理職における女性・外国人・経験者採用の割合に関する数値目標は定めておりません。管理職への登用に関しては、年齢・性別・社歴等に依存することなく、従業員一人ひとりの能力等を公正に評価する制度を整えております。

 当社では、2024年末時点で従業員の女性比率は54%であり、管理職の女性比率は44%、経験者採用の割合は68%を占めております。現時点では外国人管理職の登用実績はありませんが、今後も多様な人材が活躍できる環境を整え、事業成長に必要な人材の確保と育成を進めてまいります。

 今後も、数値目標を設定することにとらわれることなく、職場環境や人事評価制度を公正かつ適切に見直しながら、従業員が働きがいを持てる企業文化の醸成に努めてまいります。

 

柔軟な働き方を可能とするための制度と実績は、当社コーポレートサイトでも記載しております。

 https://www.cosmobio.com/jp/sustainability/social/diversity/

 

 

 

3【事業等のリスク】

 以下におきましては、当社グループの事業展開上における現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループでは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、以下の記載は本株式の投資に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。

 なお、本項中の記載内容につきましては、特に断りがない限り、本有価証券報告書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は同報告書提出日現在におきまして当社が判断したものであります。

 

(1) ライフサイエンス研究関連費用の支出動向にかかわるリスク(特に重要なリスク)

 当社グループの既存事業のエンドユーザーは、大学・公的研究機関及び企業における研究者が大きな比重を占めております。そのため、既存事業の発展に加え、新たな事業の育成・拡大に取り組んでおりますが、公的研究費や企業の収益・研究開発支出の減少は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 仕入先M&Aリスク(特に重要なリスク)

 当社グループの仕入先の多くは海外の企業であり、海外仕入先のM&Aやこれに伴う日本における販売体制の改編等により、仕入価格や国内販売権に影響を受けます。商品の安定確保のため、仕入先との関係には、単なる販売者と購入者の関係にとどまらない良好な信頼関係の構築・維持、あるいは資本提携・業務提携等の特別な業務提携関係の構築に取り組んでおります。しかしながら、主要な仕入先のM&Aにより商権が喪失・縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替リスク(特に重要なリスク)

 当社グループの商品の多くは外貨で決済される輸入品であり、為替変動によって売上原価が変動します。そのため、為替変動の影響をヘッジするために、当社では社内方針に基づき実需の一定の範囲内で為替予約を実施しております。しかしながら、急激な為替相場の変動や会計基準の大幅な変更が生じる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 業界における競合リスク(特に重要なリスク)
 ライフサイエンス研究関連商品の国内市場においては、業界内の競合激化から価格競争に陥り、結果として当社グループは、競合他社の活動状況の影響を受けます。マーケティング力の強化、タイムリーな新商品の導入、顧客に対する提案営業活動の強化に努める等の差別化を図っておりますが、他社との更なる競合の激化が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 法規制リスク

 当社グループの商品の中には、薬機法、毒物及び劇物取締法や他の関連法規等に該当するものも含まれております。当社グループでは、専門部署を設け法令遵守の徹底に努めておりますが、事故等により法規制に違反する事由が生じた場合には、当社グループの事業活動が一部制限される可能性があります。また、これらの法規制が改正された場合、又は予期し得ない法令、規制等が新たに導入された場合には、その対応のための投資が必要になるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) グループ会社リスク

 当社グループは、複数の関係会社から成っており、グループとしてライフサイエンス研究関連の幅広い商品・サービスの提供を進めシナジー効果を上げグループ企業価値を向上すべく、グループのコーポレート・ガバナンスの充実を図る施策を実施しております。今後、事業の急速な拡大等により、関係会社の統治ガバナンスに不足が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 会計基準・税制等の変更によるリスク
 当社グループは安定的な業績を目的として、社内方針に基づき事業投資や資金運用投資等を行っておりますが、金融動向や市場動向が急変して、保有資産価格に想定外の変動が生じる場合、或いは会計基準や税制等の大幅な変更が生じる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

1)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は7,229百万円となり、前連結会計年度末に比べ127百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が433百万円減少し、受取手形及び売掛金が151百万円増加、有価証券が100百万円増加、その他に含まれる預け金が155百万円増加したことによるものです。固定資産は4,493百万円となり、前連結会計年度末に比べ722百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が525百万円増加したことによるものです。

 この結果、総資産は前連結会計年度末の10,872百万円から850百万円増加して11,723百万円となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は1,166百万円となり、前連結会計年度末に比べ42百万円増加いたしました。これは主に買掛金が108百万円増加したことによるものです。固定負債は1,001百万円となり、前連結会計年度末に比べ279百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が223百万円増加したことによるものです。

 この結果、負債合計は2,167百万円となり、前連結会計年度末に比べ321百万円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計9,555百万円となり、前連結会計年度末に比べ529百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益262百万円及び剰余金の配当175百万円、自己株式の取得122百万円及びその他有価証券評価差額金502百万円の増減によるものであります。

 この結果、自己資本比率は76.5%(前連結会計年度末は77.7%)となりました。

 

2)経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化といった地政学上のリスクに加え、エネルギー価格や原材料価格の高騰、さらには記録的な円安の進行により、先行きの不透明感が高い状況が継続しております。また、当社グループ関連の、ライフサイエンスの基礎研究分野市場の動向は、大学・公的研究機関において堅調に予算執行がなされているものの、市場環境や同業他社との価格競争は依然として厳しい状況が続いております。

 このような状況下、当社グループにおきましては、3ヶ年計画の2期目として、「生命科学の進歩に資する」という目的のもと、ライフサイエンス領域の研究開発に資する多様な自社製品・商品・サービスの提供と、在庫の適正化及び迅速出荷に取り組んでおります。当連結会計年度の連結売上高は10,037百万円(前年同期比7.5%増)となり、連結売上総利益は3,329百万円(前年同期比2.4%増)、連結売上総利益率は33.2%(前年実績34.8%)となりました。為替レートは、当連結会計年度平均149円/ドル(前連結会計年度140円/ドル)で推移しました。

 連結営業利益は318百万円(前年同期比38.7%減)、連結経常利益は364百万円(前年同期比44.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は262百万円(前年同期比40.8%減)となりました。

 

 品目別の経営成績は次のとおりであります。

 研究用試薬

 研究用試薬につきましては、公的予算を中心に厳しい状況が続く中、先端的な新規の商品及び仕入先の開拓と各種の販売キャンペーン等を開催して販売促進に努めた結果、当連結会計年度の研究用試薬の販売実績は対前年同期比8.0%増の7,944百万円となりました。


 機器

 機器につきましては、販売実績は対前年同期比5.4%増の2,093百万円となりました。

 

 なお、当連結会計年度より、品目区分を変更しており、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ433百万円減少し、当連結会計年度末には2,393百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は241百万円(同67.3%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益369百万円及び減価償却136百万円、売上債権の増減額△140百万円及び法人税等の支払額△193百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は217百万円(同71.3%減)となりました。これは主に、設備投資等のための有形固定資産の取得による支出△216百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は479百万円(同137.2%増)となりました。これは主に自己株式の取得による支出△144百万円、配当金の支払△175百万円及び自己株式取得のための預け金の増減額△155百万円によるものであります。

 

③仕入、受注及び販売の実績

 当社グループは単一セグメントであるため、仕入、受注及び販売の実績については、セグメント別にかえて品目別に示しております。

a.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入及び製品製造原価の実績を商品の品目別に示すと次のとおりであります。

品目別

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

対前期比増減率
(%)

金額(百万円)

構成比(%)

 研究用試薬

5,360

78.7

10.6

 機器

1,453

21.3

71.9

合計

6,813

100.0

19.7

 (注)1.金額は仕入価格及び製品製造原価によっております。

2.当連結会計年度より、品目区分を変更しており、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

b.受注実績

 当社グループでは受注から納品までの期間が短いこと、かつ受注残高が僅少であることから記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を商品の品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

対前期比増減率
(%)

金額(百万円)

構成比(%)

 研究用試薬

7,944

79.1

8.0

 機器

2,093

20.9

5.4

合計

10,037

100.0

7.5

 (注)1.輸出につきましては、売上に占める比率が微小であるため省略しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度において、売上総額の100分の10を超える販売先はありません。

3.当連結会計年度より、品目区分を変更しており、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ③仕入、受注及び販売の実績」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資及び投資有価証券の取得等によるものであります。

 資金調達については、自己資金によって充当することを基本としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積りが必要とされております。これらの見積りにつきましては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なることがあります。

 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕(1)〔連結財務諸表〕の「重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、83百万円であります。
なお、当連結会計年度において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。