第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社は、経営理念として「夢現 -夢を現実に-」を掲げ、お客さまの夢を実現することで企業としての成長を遂げ、ひいては株主・投資家の皆さまを含むすべてのステークホルダーの価値向上に貢献することを目指しております。

この理念のもと、当社は『不動産に新たな価値を創造し、すべての人の豊かな暮らしと夢に挑戦する』というミッションを掲げ、事業活動を通じて地球温暖化や少子高齢化、空き家問題、住宅ストックの老朽化など、不動産業界が直面する社会課題の解決に取り組んでおります。これにより、持続的な企業価値の向上を図り、長期的な成長を実現してまいります。

また、このミッションの実現に向け、『速さを追求』『あくなき挑戦』『多様な連携』『先を見通す』『貫く責任』の5つのバリューを行動指針とし、企業の競争力を高めてまいります。

そして、2030年に向けた長期ビジョンとして「不動産事業を通じた持続可能な経済価値・社会価値の創造」を掲げております。この目標を達成するため、2025年12月期から始まる第3次中期経営計画において、「資本コストと株価を意識した経営」と「サステナビリティ経営」の2軸を経営方針として据え、企業価値のさらなる向上に努めてまいります。

 

(2)経営環境と中期的な会社の経営戦略

[経営環境]

当社グループが属する不動産業界におきましては、日本銀行によるマイナス金利政策の解除や追加利上げが実施されたものの、不動産需要への影響は限定的であり、需要は引き続き堅調に推移しております。
 居住用不動産に関しましては、インバウンド需要の回復が鮮明となり、商業地を中心に地価が大きく上昇したことに加え、継続する円安基調や働き方改革関連法の施行に伴う建築コストの上昇により、不動産価格は上昇基調が継続しております。近年では、リノベーション技術の向上により、新築不動産と遜色ないデザイン性・機能性を備えた中古不動産が供給されており、比較的低価格な中古不動産へ需要がシフトしております。2016年以降、首都圏においては中古マンションの契約件数が新築マンションの供給戸数を上回る状況が続いております。

2025年には省エネ基準への適合義務に伴い、新築マンションの建築コストは更なる増加が予想され、中古マンションの需要は引き続き高い水準を維持すると想定しております。
 投資用不動産に関しましては、日米金利差に伴う円安や低金利環境の継続により、国内外の不動産投資家の投資意欲は高い水準を維持しております。特に、首都圏や主要都市のオフィス市場ではオフィス回帰の本格化に伴う空室率の低下が続いており、賃料の上昇が見込まれるなど、安定的な収益性が期待され、オフィス投資への関心度も高まり続けております。
 一方で、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクや物価上昇、供給面での制約並びに金融資本市場の変動の影響等、多岐にわたる要因によって引き起こされる不動産市場への影響について注視が必要と認識しております。

 

[中期的な会社の経営戦略]

<第2次中期経営計画 2022年~2024年>

当社グループは、2022年12月期を初年度とする3カ年の第2次中期経営計画を進め、この3カ年では、「事業拡大に向けた収益基盤の強化」「収益機会を捉えるネットワークの構築」「事業成長を支える組織力の向上」「事業拡大・成長を支えるDXの推進」を経営の基本方針として掲げ、大きく飛躍することを目指しました。

主力の買取再販事業は、積極的な人材採用で営業力の強化を図るとともに、営業エリアを1都3県から地方都市へと拡大させることで居住用・投資用不動産の取引量を増やし、事業の成長を成し遂げました。2023年5月の大阪進出を皮切りに、2024年1月に札幌・名古屋・福岡、8月には仙台へ出店し、営業エリアを拡大しております。各地方都市は、企業の誘致や国際的イベントの招致、交通網の整備等で、今後も経済活動の活況が見込めると想定しております。また、首都圏の更なる営業力強化を目的として、2024年5月に渋谷へ出店しております。

成長事業の一つである不動産開発事業は、これまで当社グループが長年培ってきたノウハウを活かしつつ、環境に配慮した賃貸マンションやオフィスビルの開発を当社グループ間のシナジーを活かし拡大を図りました。この3カ年で10棟を開発し9棟の販売実績となっております。もう一つの成長事業である不動産特定共同事業は、販売ネットワークの拡充をしつつ、組成商品の多様化、規模の拡大を図り大きく成長しました。この3カ年では4物件の組成に留まりましたが、アセットタイプは賃貸マンション・介護施設・宿泊施設と多様で、その地域の特性を活かした商品構成を意識しております。

これらの事業戦略を支える、経営基盤の強化として、人材の採用・拡充と育成、ガバナンスの強化、DXの推進、財務健全性の確保、株主還元の強化に加えて、非財務情報の開示を充実させ、また上場企業に求められるサステナビリティ水準も充足してまいりました。

 

<第3次中期経営計画 2025年~2027年

当社グループは、2025年2月14日に2025年12月期を初年度とする3カ年の第3次中期経営計画を発表しております。

第3次中期経営計画では、「資本コストと株価を意識した経営」「サステナビリティ経営」を経営方針として掲げ、「事業領域の拡大」と「新たな価値創造」の2つを事業戦略の軸とおき、更なる企業価値の向上に取り組みます。事業によって創出された利益は株主の皆さまへ還元するとともに、人材・DXへの投資や新規事業創出・M&Aにも積極的に配分し、既存事業の更なる成長につなげる好循環を生み出します。

主力の買取再販事業は、営業生産性の向上と営業エリア拡大で組織力の向上を図るとともに、営業チャネル及び取り扱うアセットタイプを拡充することで、事業の更なる成長を推進してまいります。

不動産開発事業及び不動産特定共同事業は、仕入・販売力の強化や両事業部の連携強化で事業領域を拡大するとともに、物件価値の向上・アセットタイプの多様化を図ることで、事業を大きく成長させてまいります。

 

(3)目標とする経営指標

第3次中期経営計画では、事業の「成長性」「資本効率性」「財務健全性」「株主還元」を重要な経営指標としております。経営指標の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。また、第3次中期経営計画の1年目である2025年12月期の連結業績見通しにつきましては、足元の事業環境を鑑み、売上高は806億94百万円(前期比29.8%増)、営業利益は109億61百万円(同13.9%増)、経常利益は99億55百万円(同12.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は65億4百万円(同6.9%増)を予想しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

[経営環境]及び[中期的な会社の経営戦略]に記載の経営方針及び中期的な会社戦略を実行する上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

 不動産売買事業における新規物件の取得

当社グループは、2022年から開始した3カ年の第2次中期経営計画において「事業拡大に向けた収益基盤の強化」を掲げ、不動産買取再販事業を主力とした事業拡大を計画し、更なる事業成長のためには営業エリアの拡大を進めてまいりました。また、昨今の不動産価格の高騰が止まらない厳しい市況の中、新規物件の取得には幅広く情報収集し、スピード感を持った判断が必要となってまいります。
  2023年、西日本エリアへの初進出として大阪営業所を開設し、2024年には札幌・名古屋・福岡・仙台の4都市に新たな営業所を開設しました。これにより営業エリアを大幅に拡大し、多様なアセットタイプの取り扱いを強化しております。各営業所では地域に根ざした活動を通じて、豊富な物件情報の収集に努めています。また、ITを活用した仕入判断力の向上と迅速な意思決定により、新規物件の仕入を積極的に推進しております。

2025年から開始する第3次中期経営計画では、コア事業である買取再販事業の更なる強化と成長を目指し、以下の施策を推進します。営業生産性の向上、営業チャネルの拡充、取り扱うアセットタイプの拡充、継続した営業エリアの拡大を通じて、新規物件の取得を一層加速してまいります。

 

② 販売用不動産の在庫回転率の向上

2025年12月期は、インバウンド需要の活性化などを背景に、国内外の投資家需要は底堅く、不動産市況は好調が続くと見込まれております。一方で、金利上昇、資材高騰による建築コストの増加、米国の新政権による政策の影響など、不動産市況は不透明な要素が多い状況が予想されます。このような環境において、不動産の保有期間を短期化し在庫回転率を高めることで、市場変化に迅速な対応が可能であると認識しております。

当社グループでは、2024年に工事部門を子会社から当社へ移管し、より強固な施工体制を構築することで、内外装工事の短期化を図り、早期の商品化に取り組んでまいります。また、仲介会社向けの物件紹介サイトの機能充実や、不動産テックを活用した販売活動の効率化や顧客の購入意欲向上を図る等、投資家・エンドユーザーに対して情報を提供する環境を整備していくことで、早期の販売を行ってまいります。

 

③ 工事原価削減による収益性の向上

国際情勢不安の長期化や円安による資材高騰、昨年から続く運輸業・建設業の人員不足に起因する労務費の高騰により、工事原価が増加する傾向にあります。

当社グループでは、常に資材調達先や工事協力会社の拡充を行うことで調達コストや委託費用の適正化を図り、加えて、業務オペレーションの見直しによる労務費単価の低減や、価格及び品質の統一化によるコスト低減、工期短縮に努め、利益率の維持・改善に取り組んでおります。

 

成長を支える安定収益の拡大

当社グループは、主力の不動産売買事業が連結売上高及びセグメント利益全体の90%以上を占めており、将来的な不動産市況の変化に備えるための安定収益の確保が課題となっております。

そのため、長期・安定的な収益確保の機会として、優良資産の取得と管理戸数の増加に取り組んでおります。優良資産の取得に関しましては、不動産動向を見極めた上で、各年度のキャッシュ・フローや手元資金の水準を考慮し取得を決定しております。管理戸数の増加に関しましては、当社保有不動産の売却時にアセットオーナーからの受託を得られるよう営業部門と連携し、契約獲得に取り組んでおります。加えて、当社グループの収益拡大に向け、アセットマネジメント事業に参入し、出口戦略の多様化によるリスク分散と安定した収益の確保に取り組んでまいります。

 

既存事業及び新規事業への積極的な投資

当社グループは、主力事業である不動産買取再販事業へこれまで以上に積極的な投資を行うとともに、外部環境の変化を踏まえた成長分野への新規参入を慎重かつ積極的に行うことにより、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築することを目指しております。

足許では、成長事業である不動産開発事業・不動産特定共同事業の収益を拡大させて、新たな事業の柱として構築することを目指してまいります。不動産開発事業は、資材高騰や工賃の上昇などにより収益性を確保することが難しい状況が続いておりますが、立地の選定や品質の向上だけではなく、環境に配慮したプランニングを行い、付加価値の高い商品開発に取り組んでまいります。不動産特定共同事業は、組成商品・組成スキームの多様化や出口戦略の拡充、販売ネットワークの拡大を図り、年間組成数の増加、組成枠の拡大に取り組んでまいります。

また、当社グループの収益拡大を目的として、不動産アセットマネジメント事業に参入いたします。不動産アセットマネジメント事業は、今後数年間で段階的に私募ファンドを組成し運用残高の拡大に取り組んでまいります。

新規事業に関しましては、全てを内製化して単独での事業推進に固執することなく、事業化や収益化までの期間を考慮し、他社との業務提携やM&Aなどの戦略的投資も併せて活用しながら推進してまいります。

 

サステナビリティ経営の強化と推進

当社グループは、持続可能な成長の実現に向けて、気候変動をはじめとする環境課題への対応、人材の採用・育成、組織力の強化が重要であると認識しております。これらを軸としたサステナビリティ経営を推進することで、社会やステークホルダーの皆さまからの信頼を揺るぎないものとし、新たな価値創造を創出する企業でありたいと考えております。

環境課題への対応としては、脱炭素社会への移行に対応すべく、環境に配慮した事業活動への取り組みを推進してまいります。具体的には、再生可能エネルギーの利用促進や建物の省エネルギー性能向上を積極的に進め、環境負荷の一層の低減に取り組んでまいります。また、金融安定理事会(FSB)により設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFD提言に基づく透明性の高い情報開示を継続し、環境保全に向けた取り組みを深化させてまいります。

人材・組織力の強化については、新卒及びキャリア採用の強化に加え、社内外の教育研修プログラムの充実やOJTを活用した中核人材の育成、専門スキルの取得支援を通じて、従業員の生産性向上を図っております。また、ダイバーシティの推進や多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境の整備、挑戦を後押しする風土の醸成に取り組み、組織力の向上を図っております。こうした取り組みを支えるため、全社的な組織文化調査を継続的に実施し、従業員の声を反映させながらエンゲージメントの向上にも努めております。

 

コーポレート・ガバナンスの強化

当社グループは、企業価値の最大化を図るために、経営の透明性と健全性の確保及び環境の変化に迅速・適切に対応することが重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスはその重要な経営課題の一つと位置付けており、業務執行役員に対する監督・牽制の強化、情報開示による透明性の確保、業務執行の管理体制の整備を推進して、ガバナンス機能の強化を図ってまいります。

2021年11月に設置した任意の指名・報酬委員会をはじめ、2022年1月には執行役員制度の導入、同年7月にはサステナビリティ委員会を設置するなど、社外取締役による監督や牽制の強化、経営の意思決定の迅速及び機動的な業務執行の実現、並びに持続可能な社会の実現に向けたサステナビリティ課題への対応を図ることで、コーポレート・ガバナンス体制をより一層充実させ、中長期的な企業価値向上に努めております。

取締役会の構成に関しては、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む多様性が求められており、また独立社外取締役を少なくとも3分の1以上(プライム市場上場会社においては過半数)選任することが求められております。また、政府が発表した「女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針)」によれば、プライム市場の上場会社について、女性役員の比率を2030年までに30%以上とする目標が示される等、多様な価値観や考え方を企業に取り入れ、成長につなげることが求められております。

当社は、役員の選任にあたり、優れた人格、見識、能力、豊富な経験を有していることを選任の基準としております。従来、当社の取締役会は全員男性かつ日本人で構成されている点が課題と認識しておりましたが、2024年3月には、女性の社外監査役を選任し、2025年3月には、女性の社外取締役を選任しております。引き続き、ジェンダーや国際性及び、知識・経験・能力のバランスに留意し、多様性の確保に努めてまいります。

当社は2022年4月の市場区分見直しにより、プライム市場を選択いたしました。その後、上場維持基準の適合状況を踏まえ、今後の適合に向けた計画について協議した結果、2023年10月にスタンダード市場を選択しております。今後は、プライム市場再上場を目標に、業績の向上、IR活動の推進、株主への利益還元及びコーポレート・ガバナンスの強化を図ることで、上場維持基準の安定的な充足を目指してまいります。

 

資本効率の改善
当社グループは、事業規模の拡大と高い財務健全性を維持しつつ、主力事業及び成長事業への投資を実行するとともに、株主還元の充実を図ることを経営戦略の基本方針としております。また、「資本コストと株価を意識した経営」に向けた対応として、資本コストや資本収益性の改善、株主との対話の推進が求められております。

資本収益性の改善策として、環境変化に対応するための財務余力を確保しつつ、資本と負債のバランスを意識しながら、株主資本コストを上回るROEの持続的な向上に取り組んでまいります。また、市場評価の改善策として、PBR1倍超を目標に株主・投資家への適切な情報開示と、積極的な対話を進めてまいります。

 

金利の上昇

2024年は、3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除し、7月に政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%引き上げました。

当社グループのビジネスモデルにおいて金利の上昇は、物件仕入資金の借入コスト増加、住宅ローン等の金利上昇による顧客の購入意欲の低下、不動産市場の需要低下等が想定されます。現時点で追加利上げによる大きな影響は見込まれておりませんが、金利の動向を注視するとともに、資金調達の多様化、需要動向を注視した価格設定の見直し、在庫回転率の向上等を図り事業の安定性を確保してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ共通

① ガバナンス

当社グループは、事業を通して持続可能な社会の実現を推進するために、代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ委員会」を設置しております。

同委員会は原則年に2回以上開催するものとし、当社グループのサステナビリティ課題について審議・検討を行い、サステナビリティ活動に関する全体計画の立案、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価を行っております。

また、サステナビリティ委員会にて審議された重点課題及び対応方針については、取締役会にその推進状況を報告し、必要に応じて取締役会にて審議及び対応の決定を行っております。当社グループの取締役会については「第4 提出会社の状況 第4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況」にある「スキル・マトリックス」に記載の通り、豊富な経験、サステナビリティに関する高い見識や専門性を有する人物が参画しており、当社グループのサステナビリティ戦略を監督しております。

役割

担当

委員長

代表取締役社長

委員メンバー※

取締役会が選任した委員及び事業部門責任者や社外取締役

事務局

経営企画部門

設置時期

2022年7月

 

※必要に応じて社外専門家の招集を行う。

 

当事業年度では、サステナビリティ委員会で以下の議題に関して審議・検討を行い、取締役会に付議・報告しております

開催月

議題

2024年3月

2023年度GHG排出量実績報告(Scope1~3)

CDP・人的資本調査の結果報告

女性活躍推進プロジェクトについて

2024年10月

第3次中期経営計画における人材戦略について

従業員エンゲージメント調査結果について

女性活躍推進プロジェクトの活動報告

 

 

 

サステナビリティ推進体制


 

② 戦略

当社グループは、不動産事業を通じて環境・社会の課題解決に取り組むサステナビリティ経営を推進し、ステークホルダーの皆さまとともに持続可能な社会の実現を目指してまいります。また、当社グループが持続的成長を遂げるため、経営重要課題となるマテリアリティを5項目特定しております。「持続可能な未来の実現」をマテリアリティの主軸に据え、「企業価値向上」「不動産の再生」「ダイバーシティ&インクルージョン」「ガバナンス」をその中核に位置づけ、さらなる価値創出に取り組んでおります。

 

 

当社のマテリアリティ


マテリアリティ

取り組み方針

 

持続可能な未来の実現

企業価値向上

・企業価値の向上とステークホルダーへの還元

・顧客満足度の追求

・DXの推進

不動産の再生

・環境に配慮した事業活動

・良質な不動産の提供

・不動産再生事業を通じた社会貢献

・地域社会との共生

ダイバーシティ&インクルージョン

・誰もが活躍できる組織風土の構築

・優秀な人材の確保と育成

・良好な労働環境の構築と従業員の健康促進

ガバナンス

・人権の尊重

・コーポレート・ガバナンスの強化

・不正・違反行為の防止とコンプライアンスの強化

 

 

各マテリアリティに対する取り組み内容

<企業価値向上>

・企業価値の向上とステークホルダーへの還元

自社の利益を追求するだけでなく、すべてのステークホルダーに対して適正な利益の還元が重要と認識しており、継続的に実現することが企業価値の向上につながります。

・顧客満足度の追求

顧客の要望を真摯に受け止め、商品とサービスの質を向上させ、顧客満足度を高めるよう努力してまいります。

・DXの推進

デジタル技術を積極的に取り入れることで、競争力の向上・顧客満足度の向上・社会課題の解決を図れるよう、業務の変革を推進してまいります。

 

<不動産の再生>

・環境に配慮した事業活動

環境への負荷を減らす積極的な取り組みを行い、不動産の再生事業を通して環境問題に対する社会的な責任を果たします。

・良質な不動産の提供

顧客への信頼構築や社会的責任を果たすため、事業を通じて物件の価値向上に寄与し、快適で心地よい不動産の提供に注力してまいります。

・不動産再生事業を通じた社会貢献

社会の多様なニーズを捉え、不動産再生事業を通じて環境問題などの社会課題の解決に貢献してまいります。

・地域社会との共生

不動産の再生を通じて地域の魅力を高め、雇用創出や地域の活性化に寄与してまいります。

 

<ダイバーシティ&インクルージョン>

・誰もが活躍できる組織風土の構築

すべての人々が活躍できる組織を構築するために、多様なバックグラウンドや経験を持つ個人を尊重し、公平に評価することが重要と認識しており、様々な意見・視点が活かされる職場環境を醸成してまいります。

・優秀な人材の確保と育成

競争力の強化とイノベーションを促進するために、優秀な人材の採用と育成が重要と認識しております。従業員の能力を最大限に活かし、企業価値の向上のみならず、社会課題解決にも寄与してまいります。

・良好な労働環境の構築と従業員の健康促進

従業員の健康と安全を大切にし、快適な職場環境を提供してまいります。また、各従業員が自身の健康維持に積極的に取り組めるようサポートすることで、業務の生産性を高め、働きやすい環境を実現します。

 

<ガバナンス>

・人権の尊重

人権尊重は社会的責任を果たし、ステークホルダーとの信頼関係を築く上で重要な役割を果たすと認識しております。すべての人々の権利と尊厳を尊重し、差別や虐待、その他不当な取り扱いを行うことを容認しません。

・コーポレート・ガバナンスの強化

コーポレート・ガバナンスや内部統制を強化し、公正で透明な経営を行うことで、すべてのステークホルダーの期待に応える経営を目指します。

・不正・違反行為の防止とコンプライアンスの強化

事業運営において、如何なる理由があろうとも不正・違反行為を容認しません。コンプライアンスを強化し、従業員の教育を継続的に実施し、事業の透明性と公正さを維持してまいります。

 

③ リスク管理

当社グループにおけるリスク管理は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りです。サステナビリティに起因するリスクについては「サステナビリティ委員会」にて、各部門よりリスクを抽出し、定性・定量の両面から評価を行った上、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会に報告を行うことで、当社グループ全体のリスクマネジメントに統合をしております。

 

サステナビリティに起因するリスク管理体制図

 


 

(2)気候変動関連

近年、気候変動は大きな社会経済リスク及び機会をもたらす要因となっており、世界各国で脱炭素化の動きが広がっています。

当社グループの主力事業である買取再販事業は、中古不動産の再生・流通を促し、今ある資源を有効活用する環境に優しいビジネスモデルであります。一方で、水害など気候変動によるさまざまな影響を受ける可能性もあり、気候変動への対応が事業の持続可能性に不可欠であると認識しております。持続可能な社会の実現のため、環境に配慮した事業活動への取り組みの一環として、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、気候変動に起因する事業等のリスク・機会の把握と適切な情報開示を行ってまいります。

 

① ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは「(1)サステナビリティ共通 ① ガバナンス」をご参照ください。

 

② 戦略

TCFD提言では、気候変動に起因する事業への影響を考察する為、複数の気候関連シナリオに基づき検討を行う「シナリオ分析」を行うことが推奨されており、当社グループでも不確実な将来に対応した戦略立案・検討を行うため、下記のようにシナリオ分析を実施いたしました。

当社グループでは、2050年時点を想定し、現状を上回る気候変動対策が行われず、異常気象の激甚化が想定される「4℃シナリオ」と、脱炭素に向けて野心的な気候変動対策の実施が想定される「1.5℃シナリオ」を参考に、定性・定量の両面から考察を行いました。

 

 

■4℃シナリオ(脱炭素社会への移行に伴うリスク:小  異常気象などの物理的なリスク:大)

2100年時において、産業革命時期比で3.2℃~5.4℃(約4℃)の平均気温上昇が想定されるシナリオ。

気候変動問題を軽減するための積極的な政策・法規制等は敷かれず、異常気象の激甚化が顕著に表れる。「参考シナリオ」IEA Stated Policies Scenario、RCP8.5

 

■1.5℃シナリオ(脱炭素社会への移行に伴うリスク:大  異常気象などの物理的なリスク:小)

2100年時において、産業革命時期比で1.5℃未満の平均気温上昇が想定されるシナリオ。

カーボンニュートラル実現を目指し、気候変動問題を抑制するために現状以上の厳しい政策・法規制等が敷かれる。「参考シナリオ」IEA Net Zero Emissions by 2050、Sustainable Development Scenario、RCP2.6

 

考察の結果、いずれのシナリオにおいても、気候変動起因による主なリスクとして、洪水や高潮による保有資産への物理的な被害が想定されております。今後の対応として、ハザードマップを意識した不動産立地選定基準の強化等、事業のレジリエンス性を高めるためにより一層の災害対策を講じてまいります。

一方、機会として1.5℃シナリオにおいては、脱炭素社会への移行に伴うZEB・ZEH化による再エネ・省エネ関連のリフォーム工事の需要増加や、中古不動産の環境価値向上による事業収益機会の増加が想定されております。今後も環境に配慮した事業活動を通じて、脱炭素社会への貢献を行うとともに、気候変動の抑制に寄与してまいります。

当社グループに想定される気候関連リスク及び機会の詳細につきましては、下記の通りとなります。尚、想定される発生期間及び財務影響は、以下の定義により区分・評価しております。

想定される発生期間長期:11年~30年後  中期:4年~10年後  短期:3年以内

財務影響評価大:1億円超  中:1,000万円超~1億円以内  小:1,000万円以内

 

「脱炭素社会への移行に伴い発生するリスク」

想定される事象
 想定される発生期間

当社事業への影響
 及び対応

財務影響評価

4℃

1.5℃

事業活動に伴うGHG排出量に対する、炭素税や排出権取引などのカーボンプライシングの公布
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 当社事業活動に伴うGHG排出量(Scope1・2)に対して、カーボンプライシングが発生し、操業コストが増加
 対応
 社有車の電気自動車への変更を検討、建物の省エネ化・再生可能エネルギー由来の電力メニューへの変更を進め、GHG排出量を削減

再エネ政策やエネルギーミックスの変化による電力価格の増加
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 再エネ需要の高まりに伴った電力価格の増加による、操業コストの増加
対応
 固定資産物件において、照明のLED化や日照センサーを導入し、省エネを推進

省エネルギー政策によるZEB及び、ZEH-Mに関する規制強化
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 開発事業において、建築物の省エネ性能に対する規制が強化もしくは義務化された場合、工事コストが増加
対応
 環境に関連する行政動向や関連技術の把握、及び工事コストの最適化を進めるとともに、ZEB・ZEH-M基準を満たす物件の開発を検討

 

 

 

 

想定される事象
 想定される発生期間

当社事業への影響
 及び対応

財務影響評価

4℃

1.5℃

プラスチック規制や建築リサイクル法の強化による資材コストの変化
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 資源循環に関する規制強化により、施工に用いる資材の価格高騰や、環境負荷が高い建築材料のコストが増加
対応
 使用資材について、環境配慮型資材への転換を検討

不動産・建築業に関する脱炭素技術の進展
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 環境性能に優れた建築材料や技術を導入しない場合、ステークホルダーからのサービス需要が低下
対応
 環境に配慮した事業活動の継続と適切な開示

脱炭素社会に伴う顧客の行動変化
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 ZEH-M以外の環境性能に優れていない物件の需要が減少し、空室の発生や賃料の減少が発生
対応
 環境性能に配慮した物件づくり、及び仕入

ステークホルダーのESG/サステナビリティに起因する評判変化
 
 (短期~長期)

当社事業への影響
 気候変動を含むESGへの取り組みが不十分である場合、顧客や投資家からのレピュテーションが低下する
対応
 環境に配慮した事業活動の継続と適切な開示

 

 

「気候変動起因で発生する物理的なリスク」

想定される事象
 想定される発生期間

当社事業への影響
 及び対応

財務影響評価

4℃

1.5℃

異常気象の激甚化による物理的被害の増加
 
 (短期~長期)

当社事業への影響
 台風や高潮などの発生頻度や強度が強まることで、自社拠点及び保有資産への物理的被害が発生。また、自社及びサプライチェーンの営業停止により収益機会の損失が発生
対応
 保有資産のうち、災害関連を起因として物理的被害の発生可能性について、適切な情報を開示

海面の上昇及び水害リスクの増加
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 沿岸部や水害ハザードマップの該当地域に位置する在庫物件の資産価値が減少
対応
 不動産の立地選定基準強化及び保有資産の災害対策強化

平均気温の上昇
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 平均気温の上昇により、店舗運営における空調コストが増加。また、屋外作業可能時間の短縮など、労働・施工条件への影響が発生
対応
 気象パターンの変化に配慮した働き方・労働条件の検討

 

 

「機会」

想定される事象
 想定される発生期間

当社事業への影響
 及び対応

財務影響評価

4℃

1.5℃

脱炭素政策に伴う、関連施工及び物件の需要増加
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 省エネ政策の強化に伴い、関連のリフォーム工事需要が増加。また、環境性能に優れた物件(ZEB、ZEH-M)の需要も増加
対応
 環境に関連する行政動向や、関連技術の把握及び導入の検討

脱炭素社会への移行に伴う、買取再販事業の需要増加
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 新築不動産の建設と比較し、買取再販が資源保全や産廃及びGHG排出量が削減されることから需要が増加
対応
 環境性能に配慮した物件づくり、及び仕入

平均気温の上昇
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 温度上昇の抑制に寄与する保水タイル設置物件の販売機会増加や室内の断熱性を高めるリフォームの需要が増加
対応
 買取再販事業及び開発事業での物件工事の際に、「環境に優しい設備の設置」を推進

 

 

③ リスク管理

リスク管理体制は、「(1)サステナビリティ共通 ③ リスク管理」をご参照ください。

気候変動に起因するリスクについては「サステナビリティ委員会」にて、各部門よりリスクを抽出し、定性・定量の両面から評価を行った上、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会に報告を行うことで、当社グループ全体のリスクマネジメントに統合をしております。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、自社事業活動におけるGHG排出量(Scope1・2)、及び自社事業活動に関連する他社のGHG排出量(Scope3)を指標とし、環境に配慮した事業活動を推進してまいります。

Scope1・2に関しては中期的な削減目標として、2030年度に排出原単位(事業活動に伴う温室効果ガスの排出量を、連結売上高にて割った数値)で46%削減(2021年度比)を掲げるとともに、長期的な目標として、パリ協定の目標を参考に2050年度カーボンニュートラルを目指してまいります。

今後、事業の成長や新規事業への参入に伴い、GHG排出量の増加が見込まれる一方で、当社は引き続き、排出量削減に向けた取り組みを強化してまいります。エネルギー効率の向上をはじめとする多角的な施策を推進するとともに、環境価値を最大限に活かしながらエネルギー利用の低炭素化を進め、さらなる削減手法の検討を重ねることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 

2024年度のScope1は20.9t-CO2の排出量となり、昨年度の排出量を下回ると共に、排出原単位では2021年度比で55.9%減となりました。環境負荷の低減と運用コストの削減を目的として、保有車両の見直しを実施し燃費性能の高い車両への入れ替えや売却を実施した結果、排出量の低減へと結びついております。

 

Scope1

 

排出量(t-CO2)

排出原単位

(t-CO2/億円)

2021年度比

2021年度

25.9

0.076

2022年度

27.1

0.087

+13.8%

2023年度

24.7

0.048

△37.3%

2024年度

20.9

0.034

△55.9%

 

 

 

2024年度のScope2は153.1t-CO2の排出量となり、昨年度を僅かに上回る結果となりましたが、排出原単位では2021年度比で49.9%減となりました。増加の主な要因は、新たに営業拠点を増設したことによる電力使用量増であります。一方で、固定資産の一部を販売用不動産に切り替えた結果、固定資産に関連する排出量は減少いたしました。

 

Scope2

 

排出量(t-CO2)

排出原単位

(t-CO2/億円)

2021年度比

2021年度

166.8

0.491

2022年度

215.5

0.690

+40.5%

2023年度

145.9

0.282

△42.5%

2024年度

153.1

0.246

△49.9%

 

 

 

2024年度のScope3の排出量は66,505.9t-CO2となり、昨年度対比で4.5%減少いたしました。主な要因としては、カテゴリ2・11・13における排出量の減少であります。特に、Scope3の6割を占めるカテゴリ11については、長期保有物件の販売を推進した結果、法定耐用年数の残存年数が短い物件の割合が高まり、排出量が減少する結果となりました。

今後も排出量のさらなる削減に向けて環境性能評価の高い不動産の取引や不動産開発を行うなど、排出量増加を抑制する取り組みを進めると同時に、売上高を拡大していくことが不可欠であると認識しております。

 

Scope3

 

2022年度

排出量

(t-CO2)

2023年度

排出量

(t-CO2)

2024年度

排出量(t-CO2)

前年比

Scope3合計

45,915.7

69,659.6

66,505.9

△4.5

カテゴリ1

購入した製品・サービス

13,134.1

17,784.2

20,286.3

+14.1

カテゴリ2

資本財

117.7

1,194.5

501.0

△58.1

カテゴリ3

燃料及びエネルギー関連活動

43.6

37.7

35.9

△4.8

カテゴリ4

輸送、配送(上流)

26.9

25.9

22.7

△12.5

カテゴリ5

事業から出る廃棄物

1,066.5

940.1

777.0

△17.4

カテゴリ6

出張

32.9

38.5

51.0

+32.5

カテゴリ7

雇用者の通勤

98.9

115.9

151.9

+31.0

カテゴリ8

リース資産(上流)

カテゴリ9

輸送、配送(下流)

カテゴリ10

販売した製品の加工

カテゴリ11

販売した製品の使用

26,805.6

44,450.6

40,224.0

△9.5

カテゴリ12

販売した製品の廃棄

1,234.8

1,842.6

1,861.3

+1.0

カテゴリ13

リース資産(下流)

3,354.8

3,229.6

2,595.0

△19.7

カテゴリ14

フランチャイズ

カテゴリ15

投資

 

※カテゴリ3にはScope1・2に該当するものは含まれておりません。

※カテゴリ8・9・10・14・15は、当社グループの事業活動において算定対象外となります。

 

 

(3)人的資本・多様性

① ガバナンス

人的資本・多様性に関するガバナンスは「(1)サステナビリティ共通 ① ガバナンス」をご参照ください。

 

② 戦略

当社グループは、「不動産に新たな価値を創造し、すべての人の豊かな暮らしと夢に挑戦する」というミッションを実現するため、付加価値の源泉となる人材の確保と育成を最重要課題の一つと位置づけています。2022年12月期を初年度とする第2次中期経営計画において、当社グループの「人材ビジョン」と「求める人物像」を策定しました。これらの実現に向け、人的資本6つのカテゴリーに分類し、それぞれの「あるべき姿」を人材ポリシーとして定め、企業方針に組み込んでおります。この方針のもと、多様な従業員が働きがいを感じ、一人ひとりが最大限の能力を発揮できる環境づくりを推進しております。

2025年2月14日に発表いたしました2025年12月期を初年度とする第3次中期経営計画では、人材戦略の方針を「サステナビリティ経営の実現に向けた多様な人材の獲得と育成を強化」と掲げ、さらなる施策を展開してまいります。専門性を持つ多様な人材の採用強化、マネジメント層の育成や次世代リーダーの早期発掘に向けたプログラムの充実、戦略的人材配置による最適な人材ポートフォリオの構築により、従業員が目標や夢に向かって挑戦できる環境を整備します。さらに、多様性を活かした組織作りを目指し、女性社員やグローバル人材のキャリア形成支援を推進することで、従業員のエンゲージメント向上に取り組みます。これらの施策を通じて、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、多様な人材の活躍でイノベーションが創出される組織風土の醸成に取り組んでまいります。

 

「人材ビジョン」

ムゲンエステートグループの原動力は、自ら構想し、挑戦し、変化に対応できる人の力です。

多様な価値観を認め合い、誠実に、粘り強く、強い覚悟を持つ人材を輩出することで、社会に新たな価値を創造し、提供してまいります。

 

 

求める人物像

 


 

 

「人材ポリシー」

「人材ビジョン」の達成と「求める人物像」の採用・育成を実行するために、人的資本に係るカテゴリーを6項目に分け、それぞれの「あるべき姿」を人材ポリシーとして策定し企業方針として定めております。この方針に基づき、多様な従業員が働きがいを持ち、一人ひとりの能力を最大限に発揮できる環境づくりに取り組んでまいります。

 

人材ポリシー

 


 

 

また、人的資本の強化・人材戦略を支える3つの柱として「人材獲得の強化」「人材育成の強化」「リテンションの強化」を据えています。当社グループに必要なスキルを特定し、計画的に人材の「獲得」「育成」「リテンション」のための施策を展開してまいります。

 

「人材獲得の強化」

第2次中期経営計画期間では、必要な人材の質と量を充足するために、採用活動における柔軟性と戦略性を高め、組織の最適化を推進しました。

2024年12月期の新卒採用は64名を数え、前年の33名を大きく上回る採用となりました。さらに、マネジメント層の強化を目的として、各部門のハイクラス人材をキャリア採用し、組織の専門性とリーダーシップを強化しております。事業拡大に向けた営業力の強化にも注力し、2024年12月期の営業職中途採用は84名となり、直近3年間で営業職人員を2倍以上に増やして、成長を牽引する人材の確保を推進いたしました。

これらの取り組みを通じて、未来を担うポテンシャルが高い人材と即戦力の2軸で採用を進め、当社グループの人員は450名を超えるまでに成長いたしました。

第3次中期経営計画期間では、採用チャネルの拡大と人材を見極める採用者の精度向上を図り、当社のカルチャーに沿う優秀な人材の確保を行い、組織体制の強化を図ってまいります。

 

 

ⅰ 知・経験のダイバーシティ&インクルージョン

当社グループの多様な人材による発想は、持続的成長の基盤となるイノベーションの源泉であり、ダイバーシティの推進は重要な経営戦略の一つだと考えております。

グループが成長していくためには、変化し続ける社会や多様な価値観に柔軟に対応し、潜在的な市場を発掘できる新たな価値の創出が必要となってきます。それには従業員の多様な価値観、ジェンダー、世代、民族、言語、文化、障がいの有無、ライフスタイルなどを活かした視点や発想を活用することができる職場風土を醸成し、今までの常識や既成概念にとらわれない発想を継続的に生み出すことができる組織を形成していかなければなりません。

当社グループでは多様な人材が個性や能力を発揮できる機会と環境の整備に取り組んでおり、役割と成果、能力に応じた公正な評価に基づいて役職や処遇が決定されております。

 

ⅱ 女性活躍推進

女性活躍推進の社内文化を醸成するため、女性社員を中心とした社内横断プロジェクトを社長直下で始動しており、社員への啓蒙と意識醸成に向け様々な働きかけを継続的に取り組んでおります。

また、女性が能力を十分に発揮できるようなキャリア支援を実施しております。具体的には、女性従業員を対象としたキャリア研修、リーダーシップ研修の継続実施、及び従業員のコミュニティづくりの支援等を実施しており、女性が能力を十分に発揮できるようなキャリア支援を継続的に実施してまいります。

 

「人材育成の強化」

当社グループの企業理念である『夢現 -夢を現実に-』に込められた思いを実現するため、様々な育成プログラムを提供し、能力を最大限に発揮し多様な人材の活躍でイノベーションが創出される組織風土の醸成に取り組んでおります。今後も国籍・年齢・性別など様々な違いを問わず、あらゆる階層の従業員に幅広く育成の機会を提供し、多様な人材がやりがいと誇りを持って仕事に取り組み、能力を最大限に発揮しながら継続的に成長・活躍できるよう、キャリア自律を後押しする取り組みを拡充し、強靭な組織力の構築や企業価値の向上につなげてまいります。

 

当社グループの研修体系は、「階層別研修」「人材育成研修」「目的別研修」「職能別研修」の4つで構成され、2024年には従業員一人当たりの年間研修時間が54時間27分(eラーニングを含む)と昨年対比で約14時間増となり、人材育成の機会を着実に拡大いたしました。

第2次中期経営計画期間では、人員の採用を積極的に行ったため、新しい人材の早期戦力化を命題と掲げました。その為、新卒及び若手社員向けの体系的な研修を、基礎スキルの習得から実務経験の向上まで包括的に支援する内容に見直しております。特に、新卒を含む新人営業社員の研修体制を強化する目的で、営業人材の育成に特化した専門組織を立ち上げ、実践的な営業スキルの習得を重視することで、早期戦力化を実現する仕組みを構築しております。

この他にも、中間層にはチームの統率力、意思決定力、問題解決能力の向上を図ることで、次世代を担うリーダーの育成を目的とした研修を推進いたしました。加えて、将来の経営を担う幹部候補者を対象とした特別研修を新設し、経営視点での課題解決能力や戦略構築力、全社的な視座を養う機会を提供することで、次世代経営陣の育成を加速させております。

また、資格取得助成や表彰制度の導入を通じ、従業員が自ら学び成長する風土の醸成にも注力しております。

 

研修分類

内容

階層別研修

各階層の従業員で必要となる知識・スキルを習得するため、キャリアに合わせた研修プログラムを受講します

人材育成研修

主に配属部署でのOJT(On the job training)を中心に行われます。携わる業務について目標設定・振返りを実施することによって職務遂行の過程で取り組み姿勢等を指導してまいります。また各階層で選択・選抜型研修を構築し、経営幹部や従業員のリスキリング研修機会を提供しております

目的別研修

全従業員が受講する研修プログラムです。業務遂行の基盤となるコンプライアンス、ハラスメントについて遵守すべき規程やサステナビリティ課題について学んでまいります

職能別研修

配属部門で必要となる専門知識を習得し、会社経営へ貢献できるプロフェッショナルを目指す研修となります

 

 

「リテンションの強化」

当社グループが、変化の激しい事業環境・社会情勢の中で企業価値を向上させていくには、多様な価値観を持った様々な従業員一人ひとりが、当社グループのミッションを共通の価値観とし、仲間やパートナーと連携して挑戦を続けることが重要であると認識しております。企業理念の浸透と実践の場を提供し、従業員が成長を実感することで、エンゲージメントの向上、ひいては人材のリテンションにつなげてまいります。

 

ⅰ 多様な働き方の推進

多様な人材の活躍には、従業員の働き方改革や様々な両立支援の取り組みが重要であると認識しております。当社グループでは、妊娠(配偶者の妊娠を含む)・出産・育児・介護・疾病治療など、ライフステージの様々な変化に左右されることなく、多様で柔軟な働き方で能力を発揮できる環境整備に努めております。

育児と仕事の両立については両立支援面談などの導入により、出産・育児休業後の従業員への復職サポートや、男性育児休業取得促進に向けた社内醸成の強化を図っております。その結果、2024年度の男性育児休業取得率は44.4%、女性育児休業取得率は100%となっております。また、育児休業を取得した従業員の全員が復職しております。

このような取り組みの結果、2023年4月に次世代育成支援対策推進法に基づく基準を満たした「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けました。今後もさらなるワークライフバランスの向上を目指し、育児・介護休業法で定められた短時間勤務の対象年齢の拡充等の制度整備に加え、子どもを安心して出産し育てられる職場環境づくりの醸成を図ってまいります。

 

ⅱ エンゲージメント向上への取り組み

企業価値向上のためには、一人ひとりがやりがいを持って活き活きと働き、個々の能力を最大限発揮していくことが重要だと認識しております。そのためには組織と個人が共に成長・貢献し合う信頼関係が必要不可欠であります。

当社グループでは、2022年より従業員エンゲージメントサーベイを定期的に行っており、従業員が仕事に対してどの程度の関心を持っているか、どの程度満足しているかなどを定量的に把握し、組織のパフォーマンスの向上、生産性の向上、従業員のモチベーションの向上、離職率の低減などにつなげております。

更には、強い組織づくりとモチベーション向上のため1on1ミーティングなどの対話を通じ理念の浸透や組織風土の醸成、上長と部下のコミュニケーション促進、自己成長や健康に配慮し従業員エンゲージメントの向上につなげております。

これらの結果を踏まえて人材の確保や定着に関するリスクを適切に把握することで、従業員の活力と会社の業績向上、事業の持続的な成長を支える優秀な人材の定着へと結び付けております。

また、タウンホールミーティングを定期的に開催し、経営陣と従業員が直接対話できる場を設けております。社長を含む経営陣が現場の声をダイレクトに聴き、素早く経営に反映させることを目的とするとともに、経営陣と現場の円滑なコミュニケーションの場として活用されております。

 

 

③ リスク管理

リスク管理については、「(1)サステナビリティ共通 ③ リスク管理」をご参照ください。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、上記「② 戦略」において記載した人材の採用・育成に関する方針、及び社内環境整備に関する方針について次の指標を用いております。当該指標に関する主要な目標及び実績は次のとおりでございます。目標については、当社グループの事業運営状況や社会環境の変化に応じて、検討及び目標の設定を進めてまいります。

指標

実績

2022年度

2023年度

2024年度

新卒採用比率

16.8

34.4

42.1

キャリア採用比率

83.2

65.6

57.9

女性社員採用比率

30.1

44.7

38.1

離職率

12.8

9.5

12.1

男性管理職比率

94.3

95.9

97.8

女性管理職比率

5.7

4.1

2.2

女性育児休業取得率

100.0

100.0

100.0

男性育児休業取得率

33.3

66.7

44.4

有給取得率

81.7

91.7

89.1

平均残業時間時間

17

17

19

 

 

3 【事業等のリスク】

[基本方針]

当社グループでは、物理的・経済的若しくは信用上の損失又は不利益を生じさせる要因となりうる事象をリスクと特定し、経営への影響度と発生可能性で評価し、アセスメント結果を基に当社グループとしての重要リスクを決定しております。その中でも、リスクが顕在化した場合に事業に重大な影響を及ぼすものをモニタリング対象リスクとして特定し、リスク対策の進捗などを重点的にモニタリングすることで、全社的なリスク対策の強化を図っております。

経営戦略を実行する上で、潜在するリスクが顕在化しないよう、適切な対応を定めるリスクマネジメント体制を構築するとともに、重大なリスクが発現した場合の損失を最小限に抑えるクライシスマネジメント体制も整えております。

 

[リスク管理体制]

当社グループのリスクマネジメントの推進にあたっては、管理本部長を委員長とし、各部門及びグループ会社の責任者が出席する「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」を当連結会計年度中に5回開催し、同委員会において、外部環境、内部環境、業務プロセスの各項目にリスクを分類し、各分類から抽出されたリスクを影響度と発生可能性の観点からリスクアセスメントを実施し、企業活動に重大な影響が想定されると評価したリスク項目をモニタリング対象リスクとして特定しております。さらに特定したモニタリング対象リスクごとに関連部門から担当責任者が任命され、委員会下部にある分科会においてリスク対応策を検討・実行しております。進捗状況は、四半期ごとにモニタリングを通じて確認され、必要に応じた是正・改善が行われ、取締役会に報告しております。

 

[リスク管理体制図]

 


 

[主要なリスクとして認識している事項]

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)経済動向・社会・制度等の変化に関するリスク

当社グループの事業は、不動産という社会インフラ、税や各種規制といった法制度、株式市場などの経済動向、最近では海外投資家への販売が増加していることから、各国の法規制など、様々な要因の影響下にあります。これらに変化が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、2022年12月期を初年度とする第2次中期経営計画において、「事業拡大に向けた収益基盤の強化」「収益機会を捉えるネットワークの構築」「事業成長を支える組織力の向上」「事業拡大・成長を支えるDXの推進」の4つの経営方針を掲げ、経営基盤の強化を進めてまいりました。2025年2月14日に策定した第3次中期経営計画においては、「資本コストと株価を意識した経営」「サステナビリティ経営」を経営方針として掲げ、「事業領域の拡大」と「新たな価値創造」の2つを事業戦略の軸とおき、更なる企業価値の向上に取り組みます。

当社グループは、これまで買取再販事業を中心に成長を続けてきたため、本事業に対する様々なリスクへの影響が大きくなっていることから、多様な不動産関連商品・サービスを提供し、特定の事業に依存しないポートフォリオとすることで、そのリスク発生時の影響を最小化する取り組みを行っております。

 

(2)仕入・販売に関するリスク

当社グループの主力事業である不動産売買事業は、首都圏1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)を中心に展開しており、居住用不動産の買取再販については参入障壁も低いため、各社との競争環境が厳しくなっております。投資用不動産に関しましても大手不動産会社が新たに事業参入するなど、競争環境は年々厳しさを増しており、当社グループが目標とする利益率の確保が行えない環境となり、計画どおりの仕入・販売が行えない場合には、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、幅広いアセットタイプや価格帯を取り扱うこと、スピード感のある契約・決済手続きを行うことに加えて、2023年からは地方への営業所の展開も開始することで、不動産仲介会社及びアセットオーナーの幅広いニーズに応え、競合他社との差別化を図っております。他社では仕入が困難な物件でも、当社グループが長年培った経験及びデータに基づき、その立地・エリアの特性に合わせた物件に再生することで、厳しい条件下においても幅広く仕入・販売が行えるよう努めております。

 

(3)有利子負債への依存と金利変動に関するリスク

当社グループは、不動産売買事業における中古不動産の買取資金を主に金融機関からの借入金によって調達しており、当連結会計年度末における有利子負債依存度は55.8%となっております。このため、今後、金融情勢の変動によって金利上昇や金融機関の融資姿勢が変化した場合には、支払利息の増加や仕入計画の変更等により当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

有利子負債依存度に関しましては、その数値を65%以下とすることを財政健全性の一つの指標としており、自己資本比率やネットD/Eレシオを含めた指標を常に管理することで、財政状態を強化しております。加えて、当社グループは特定の金融機関に依存することなく、個別案件毎に販売計画の妥当性を分析したうえで借入金の調達を行うことで、取引金融機関との円滑な取引関係を構築しております。

 

(4)販売用不動産の評価損に関するリスク

当社グループが保有する販売用不動産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 2019年7月4日改正分)を適用しております。期末に保有している販売用不動産のうち、投資用不動産については、減価償却を考慮した簿価と正味売却価額を比較し、正味売却価額が簿価を下回っている場合には商品評価損を計上することとしております。また、販売用不動産のうち、区分所有マンション、戸建等の居住用不動産については、取得価額と正味売却価額を比較し、正味売却価額が取得価額を下回っている場合には商品評価損を計上することとしております。今後、経済情勢や不動産市況の悪化等により、当初計画どおりに販売が進まない場合、販売用不動産が在庫として滞留する可能性があり、滞留期間が長期化した場合等は、期末における正味売却価額が簿価または取得価額を下回り、商品評価損を計上することも予測され、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、不動産売買市場の動向を注視し、業績への影響の把握と事業の進捗管理や精度の向上に努めております。買取再販事業は、仕入から販売まで短期間のサイクルではありますが、長期間滞留する在庫も一部あるため、保有中に市況変動があった場合でも一定程度の利益が確保できるよう、仕入れ時には仕入価格を厳正に精査し決定しております。また、長期在庫となった場合でも、正味売却価額の低下を極力抑制できるよう適切なリフォーム計画と賃料設定による投資利回りの改善・向上に努めています。

 

(5)開発行為における取引先倒産等に関するリスク

当社グループにおいて、販売用の一棟建物を建設する場合は、外部の建設業者へ発注しております。社員や取引先等の関係者を通じて建設業者を紹介していただくなど積極的な新規開拓に取り組むとともに、既存建設業者との良好な関係の維持・強化を図っております。しかしながら、当社グループの選定基準に合致する建設業者を十分に確保できなかった場合や、発注先建設業者の経営困難又は労働者不足により工期遅延並びに外注価格の上昇が生じた場合には、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)法的規制に関するリスク

当社グループの属する不動産業界は、「宅地建物取引業法」「建設業法」「建築基準法」「都市計画法」「国土利用計画法」「借地借家法」「不当景品類及び不当表示防止法」「不動産の表示に関する公正競争規約」等により法的規制を受けております。今後、これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、法的規制の遵守を徹底しておりますが、将来何らかの理由により法令違反の事象が発生し、監督官庁より業務の停止や免許の取消し等の処分を受けた場合には、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、法務コンプライアンス部門が中心となって各種法的規制に対応し、従業員へのコンプライアンス研修やセミナーなどを実施して法令遵守・コンプライアンス意識を高めるとともに、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会の運営により、リスクマネジメント及びクライシスマネジメントの観点から、当社グループ全体の主要リスクに対する対応策の検討や、コンプライアンス違反の未然防止策の制定等を行っております。各種法的規制に改正がある場合などには、社内弁護士、外部機関、及び顧問弁護士とも連携して最新の情報を把握するよう努め、当社グループ内での周知徹底を図っております。

 

なお、法的規制に関して、許認可等の有効期間が関係法令により定められているものは下表のとおりであります。

 

(当社)

許認可等の名称

許認可

(登録)番号

有効期間

関係法令

許認可等の取消又は
更新拒否の事由

宅地建物取引業者免許

国土交通大臣

(3)第7987号

2020年5月14日から

2025年5月13日まで

宅地建物取引業法

同法第5条及び第66条

一級建築士事務所登録

東京都知事登録

第51257号

2020年7月20日から

2025年7月19日まで

建築士法

同法第26条

不動産特定共同事業者許可

東京都知事

第105号

不動産特定共同事業法

同法第36条

特定建設業許可

国土交通大臣

第028616号

2024年10月1日から

2029年10月1日まで

建設業法

同法第29条、第29条の2

 

 

(㈱フジホーム)

許認可等の名称

許認可

(登録)番号

有効期間

関係法令

許認可等の取消又は
更新拒否の事由

宅地建物取引業者免許

東京都知事

(6)第75654号

2022年10月4日から

2027年10月3日まで

宅地建物取引業法

同法第5条及び第66条

マンション管理業者登録

国土交通大臣 (01)第034574号

2021年6月25日から

2026年6月24日まで

マンション管理業法

同法第47条

賃貸住宅管理業者登録

国土交通大臣

(01)第0002623号

2021年11月17日から

2026年11月16日まで

賃貸住宅管理業法

同法第6条

 

 

(7)契約不適合責任,訴訟等に関するリスク

当社グループでは、販売する中古再生不動産について、民法及び宅地建物取引業法の規定に基づき、引渡し後最低2年間以上の契約不適合責任を負っております。また、販売する新築住宅については、民法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律の規定に基づき、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、引渡後10年間の担保責任を負っております。当社グループにおいては、品質管理を徹底するために、リフォーム工事の施工前及び完了時に独自のチェックリストを用いて品質のチェックを行っておりますが、販売した物件に契約不適合があった場合には、当該不適合部分の補修や損害賠償、契約の解除等により予定外の費用を負担せざるを得ないことがあります。また、販売した物件について、現時点で業績に直接影響を及ぼす重要な訴訟を提起されている事実はありませんが、業務手続に適法性や適切性を欠いた場合にはクレーム等を受け、それらの係争に起因する訴訟が発生する可能性があります。

当社グループとしては、このような訴訟・係争ないしは請求が生じることのないよう、クレーム対応の専門部署を設置してクレーム低減に向けた施策を講じる等、社内体制の整備に努めております。しかしながら、今後そのような事態が発生した場合、その内容及び結果によっては、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)情報セキュリティ等に関するリスク

当社グループでは、各事業において個人情報をはじめとする多くの機密情報を取り扱っております。これらの機密情報に関しては、「個人情報の保護に関する法律」をはじめ、関連する諸法令の遵守と適正な取り扱いの確保に努めておりますが、情報セキュリティインシデント発生等の不測の事態により、万一、機密情報が外部へ漏えいした場合、社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、サイバー攻撃等により情報システム障害その他の損害が発生した場合、当社グループの事業継続に重大な影響が生じる可能性があります。

 

(9)自然・人為的災害に関するリスク

当社グループは、首都圏1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)を中心に不動産買取再販事業を展開しており、取り扱う中古不動産も同エリアを中心に所在しております。首都圏において、地震・火災・水害等の自然災害、大規模な事故やテロ等の人為的災害が発生した場合、当社グループの所有する中古不動産が滅失、毀損または劣化し販売価値や賃貸収入が著しく減少する可能性があります。

また、首都圏以外の地域で自然・人為的災害が発生した場合にも、消費マインドの冷え込みから当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

特に地震対策については、旧建築基準法適用時に建設された物件は保有を控え、保有した場合でも耐震性に関する診断を厳密に行うことで、リスク発生時の影響の最小化を図っております。

 

(10)人材の確保に関するリスク

当社グループは、様々な経営課題克服のため、優秀な人材を継続的に確保・育成していくことが最重要課題であると認識しております。従って、今後も優秀な人材の中途採用、優秀な学生の新卒採用及び教育・研修制度の充実を図り、当社グループの経営理念を理解した責任ある社員の育成を行っていく方針であります。しかしながら、当社グループの求める人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合には、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの人事制度におきましては、当社グループの更なる成長に向けた取り組みとして、人事評価制度を刷新することにより、求める人材を明確にし、一人ひとりの成長をサポートできる仕組み(仕事に基づく人事体系、成長を促す評価体系及びやりがいのある賃金体系)を構築しております。しかし、評価者の能力不足や部下とのコミュニケーション不足等で当社グループの人事制度が上手く機能しない場合、社員のモチベーションダウンや人材の流出につながる可能性があります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に足踏みが残るものの、雇用・所得環境の改善により、緩やかに回復しております。一方で、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクや、物価上昇、アメリカの政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動の影響など、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループが属する不動産業界におきましては、日本銀行によるマイナス金利政策の解除や追加利上げが実施されたものの、不動産需要への影響は限定的であり、需要は引き続き堅調に推移しております。

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によれば、2024年における首都圏の中古マンション成約件数は37,222件(前年比3.4%増)で、2年連続で前年を上回りました。成約平米単価は76.88万円(同6.9%増)で、12年連続の上昇となり、この12年で101.3%増と2倍を超える上昇となりました。また、成約価格においても4,890万円(同6.9%増)と成約平米単価と同様に12年連続で上昇しました。成約物件を価格帯別に見ると、5,000万円超の各価格帯が成約件数、比率とも拡大しています。12月の在庫件数は、44,981件と前年比で3.3%減少しました。

このような事業環境の下、当社グループの主力事業である不動産買取再販事業は、日米金利差による円安の効果や低金利環境を背景に、投資用不動産の販売が好調に進捗し、売上高は前期を超える水準で着地しました。また、安定した利益率が確保できる大型物件の販売が堅調に推移したことから、営業利益、経常利益、当期純利益の全てにおいて前期を大幅に上回り、過去最高益を達成しました。仕入面は、積極的な仕入活動により、投資用不動産・居住用不動産のいずれも大きく伸長しております。特に収益性に優れた大型物件の仕入に注力することで、買取再販事業における競争力と収益性の一層の強化を図ってまいりました。

不動産開発事業は、当社オリジナルブランドである「サイドプレイス」シリーズのリーシング及び販売活動を積極的に推進することで前期を大きく上回る売上高を達成いたしました。工程管理に引き続き注力するとともに、買取再販事業と綿密に連携することで、開発用地の仕入強化を進めてまいります。

不動産特定共同事業は、多様なアセットタイプの提供に注力し、ナーシングホーム、賃貸レジデンス、ホステルの3商品を販売しました。その結果、前期を上回る売上高で着地することができました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は621億87百万円(前期比20.4%増)、営業利益は96億23百万円(同62.1%増)、経常利益は88億58百万円(同68.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は60億86百万円(同66.6%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(不動産売買事業)

不動産買取再販事業におきましては、投資用不動産の販売が177件(前期比47件増)、平均販売単価は1億52百万円(同3.6%減)となり、売上高は270億43百万円(同31.2%増)となりました。また、居住用不動産の販売は、481件(前期比49件増)、平均販売単価は58百万円(同1.7%減)となり、売上高は279億57百万円(同9.4%増)となりました。

不動産開発事業は、販売が5件(前期比2件増)、平均販売単価は5億1百万円(同54.2%増)となり、売上高は25億9百万円(同157.0%増)となりました。

不動産特定共同事業は、プロジェクト2件の組成と札幌ホステルプロジェクトの第一期募集が終了し、売上高は21億41百万円(前期比11.5%増)となりました。

以上の結果、売上高は597億58百万円(前期比21.1%増)、セグメント利益(営業利益)は112億67百万円(同56.6%増)となりました。

 

 

(賃貸その他事業)

賃貸その他事業におきましては、不動産賃貸収入が22億20百万円(前期比4.8%増)となりました。

以上の結果、売上高は24億29百万円(前期比6.2%増)、セグメント利益(営業利益)は7億36百万円(同4.6%減)となりました。

 

(注)「投資用不動産」は、一棟賃貸マンション及び一棟オフィスビル等の賃貸収益が発生する物件を購入者が主に投資用として利用する不動産として区分し、「居住用不動産」は、区分所有マンションを中心に購入者が居住用として利用する不動産、及び土地等も含まれております。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における財政状態は、総資産は875億3百万円(前期比8.9%増)、総負債は554億26百万円(同5.5%増)、純資産は320億76百万円(同15.2%増)となりました。

(資産)

総資産の主な増加要因は、現金及び預金が15億95百万円、販売用不動産(仕掛販売用不動産も含む)が77億71百万円増加した一方、有形固定資産が23億83百万円減少したことによるものであります。

(負債)

総負債の主な増加要因は、長期借入金(1年内返済予定を含む)が26億93百万円増加した一方、短期借入金が13億34百万円、社債(1年内償還予定を含む)が1億87百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

純資産の主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が60億86百万円増加した一方、利益剰余金の配当により14億84百万円減少したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ14億62百万円増加し、205億円となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動の結果、獲得した資金は、26億円(前連結会計年度は、53億74百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益88億53百万円の計上があった一方、棚卸資産の増加額59億23百万円、法人税等の支払額21億89百万円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動の結果、使用した資金は、3億12百万円(前連結会計年度は、4億98百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入19億57百万円があった一方、定期預金の預入による支出20億86百万円、有形固定資産の取得による支出1億76百万円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動の結果、使用した資金は、8億25百万円(前連結会計年度は、21億53百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入268億20百万円、社債の発行による収入9億36百万円があった一方、長期借入金の返済による支出241億26百万円、配当金の支払額14億84百万円、短期借入金の純減額13億34百万円、社債の償還による支出11億37百万円があったことによるものであります。

 

④ 仕入及び販売の状況

(生産実績)

当社グループは、中古不動産の売買事業及び賃貸その他事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、該当事項はありません。

(受注実績)

当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

(販売実績)

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

 

 

 

セグメントの名称

 販売件数

前年同期比

(%)

 販売高(百万円)

前年同期比

(%)

不動産売買事業

666

117.5

59,758

121.1

賃貸その他事業

2,429

106.2

合計

666

117.5

62,187

120.4

 

(注) セグメント間取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

① 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して105億47百万円増加621億87百万円(前連結会計年度比20.4%増)となりました。これは、不動産売買事業の売上高が104億4百万円増加597億58百万円(同21.1%増)となったことによります。この不動産売買事業の内、投資用不動産は、日米金利差による円安の効果や低金利環境を背景に、国内外の投資家への販売が好調に進捗し、売上高は64億34百万円増加の270億43百万円(同31.2%増)と前期を上回る結果となりました。居住用不動産につきましても、高級戸建を中心とした高価格帯の物件販売が堅調に推移し、売上高は24億3百万円増加の279億57百万円(同9.4%増)と前期を上回る結果となりました。

賃貸その他事業の売上高は、1億42百万円増加24億29百万円(同6.2%増)となりました。賃貸その他事業の売上高の殆どを占める賃貸収入は、投資用不動産の仕入から販売までの保有期間中、及び当社が固定資産として保有する物件から計上されますが、投資用不動産の在庫が昨年並みの水準で進捗したことから、賃貸その他事業の売上高も前期並みの水準で着地しております。

詳しくは「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して53億88百万円増加456億22百万円(前連結会計年度比13.4%増)となりました。また、売上総利益は前連結会計年度と比較して51億58百万円増加165億64百万円(同45.2%増)となりました。なお、売上総利益率は、4.5ポイント上昇して26.6%(前連結会計年度は22.1%)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して14億71百万円増加69億41百万円(前連結会計年度比26.9%増)となりました。これは主に、人員採用に伴う人件費及び採用教育費が7億81百万円、販売増加に伴う販売手数料が3億45百万円増加したことによります。営業利益は投資用不動産の販売が高い収益性を確保できたことから、36億86百万円増加96億23百万円(同62.1%増)となりました。なお、売上高営業利益率は4.0ポイント上昇して15.5%(前連結会計年度は9.5%)となりました。

(営業外損益、経常利益)

営業外収益は、前連結会計年度と比較して45百万円減少の86百万円(前連結会計年度比34.4%減)となりました。これは主に雑収入が49百万円減少したことによります。

営業外費用は、前連結会計年度と比較して25百万円増加の8億51百万円(同3.1%増)となりました。これは主に、仕入に係る借入金の増加により、支払利息が27百万円増加したことによります。

以上の結果、経常利益は、前連結会計年度と比較して36億15百万円増加88億58百万円(前連結会計年度比68.9%増)となりました。なお、売上高経常利益率は4.0ポイント上昇して14.2%(前連結会計年度は10.2%)となりました。

 

(特別利益、親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して24億32百万円増加の60億86百万円(前連結会計年度比66.6%増)となりました。なお、売上高当期純利益率は2.7ポイント上昇して9.8%(前連結会計年度は7.1%)となりました。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

また、当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産買取再販事業に係る販売用不動産の仕入れであります。販売用不動産の仕入れは、個別の販売用不動産を担保とした金融機関からの借入金及び販売活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金によって行っております。当該販売用不動産は一年以内を目途に販売することとし、借入金は、月例約定返済を織り込みつつ、販売用不動産の販売時に一括返済することを基本方針としており、資金の流動性は十分に確保されております。

また、上記のほか資金調達の手段として、社債の発行、不動産特定共同事業の運営及びクラウドファンディングを活用したファンドの組成等を行い、資金調達の補助的な役割を担っております。これらで得た資金については、事業拡大のための投資資金及び安定した賃貸家賃収入を獲得するための長期保有目的不動産の購入等に充てられております。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 

第2次中期経営計画の経営指標(2022年12月期~2024年12月期)

2024年12月期は、棚卸資産回転率及びネットD/Eレシオは目標を下回る結果となりました。一方で、成長性を示す売上高平均成長率(CAGR)及びEPS成長率、効率性を示すROE、健全性を示す自己資本比率は目標を超える結果となり、株主還元は、計画通りの配当性向を達成しました。

EPS成長率は、主力事業である不動産買取再販事業の収益拡大と成長事業の強化により、業績が好調に推移し、大きく増加しました。

株主資本コスト(CAPM)は、当社認識で9%~11%と高い水準でありますが、ROEはこれを上回る20.4%と、資本効率を重視した経営を推進しております。

長期借入金の返済に伴う有利子負債の減少により、ネットD/Eレシオは1倍を下回りましたが、今後の事業規模の拡大に向け、財務の健全性にも留意しながら、最適な資金調達を行ってまいります。

 

 

経営指標

目標数値

当連結会計年度

成長性

売上高成長率(CAGR)(注)1

15.0%以上

22.3%

EPS成長率(注)2

30.0%以上

67.1%

効率性

ROE

11.0%以上

20.4%

棚卸資産回転率

1.5回/年以上

1.1回/年

健全性

自己資本比率

30.0~35.0%

36.6%

ネットD/Eレシオ

1.2倍~1.5倍

0.8倍

株主還元

配当性向

30%以上

40.1%

自己株式取得

機動的に対応

400,100株

 

 (注)1.当連結会計年度の売上高成長率は、2021年度の売上高を基準年度として計算しております。

    2.当連結会計年度のEPS成長率は、2023年度との比較で計算しております。

 

2025年12月期から2027年12月期の第3次中期経営計画期間では、経営指標を以下のとおりに設定しております。

経営指標

目標数値

成長性

売上高成長率(CAGR)(注)1

20.0%以上

EPS成長率(注)2

15.0%以上

資本効率性

ROE

20.0%以上

財務健全性

自己資本比率

30.0~35.0%

ネットD/Eレシオ

1.2倍~1.5倍

株主還元

配当性向

40%以上

中間配当の実施

中間・期末の年2回の実施を基本方針とする

 

  (注)1.売上高成長率は、2024年度の売上高を基準年度としております。

    2.EPS成長率は、2024年度のEPSを基準年度としております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。