当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループの経営方針は、次のとおりです。
「共創」-Co-creation
私たちはワクワクしながら行動や挑戦をする姿勢が、未来を共に創ると信じています。イノベーションを興してきた実績と経験を引き継ぎ、異端と多様性の精神で新たな価値を創造し、グループ一丸となって社会に貢献してまいります。
・Purpose(存在意義)情報技術と決済で豊かな社会を実現し、お客様の感動とその夢を叶えることによって、社会に貢献する。
・Vision (Purpose実現の先の目指す姿)Challenge1000(2027年度売上高1,000億円、営業利益70億円)の達成。サステナブル社会の実現に向けた価値創造企業への変革。DSK Transformation(DX)。
・Mission(Purpose実現のための行動)新しい価値の創造。Challenge、Innovation、Speed。共創。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高及び営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重視する経営指標としております。2025年12月期においては、売上高657億円、ROE(自己資本利益率)11%を確保、中長期目標では売上高営業利益率7.0%以上の達成を目指してまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルス感染症に対する制限の緩和とそれに伴う経済活動の正常化が進む一方で、ウクライナ情勢の長期化とそれに伴うエネルギー価格や原材料価格の高騰など、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続いています。
このような状況の中、当社グループにおいては、新たな経営ビジョン≪Challenge1000≫の達成に向けて、これまで培った情報処理に関するノウハウとIT技術をさらに深化させ、そこにサービスを組み合わせることで生まれる「新しい価値の創造」「DXの進展」を、「情報サービス事業」、「収納代行サービス事業」の2つの事業を通じて実現していきます。
Visionの実現にあたり、グループシナジーの最大化といったグループ全体の経営機能に注力し、株式会社電算システムを中核として環境・気候変動を加味した事業拡大戦略、グループガバナンス体制の強化、人材の改革による組織体制の強化を課題と捉え、今まで以上に積極的に推進できる体制を構築していきます。
①グループシナジーの最大化
持株会社体制へ移行した当社グループは、持続的発展・成長のために、グループ一丸となって迅速かつ効率的に事業運営を行うことが重要であると認識しております。厳しさを増す時代を勝ち抜き生き残るには、絶え間ない「顧客の創造」が当社グループの究極の目的と位置づけ、グループ各社の経営資源、ノウハウを活用したシナジー効果の創出による当社グループの企業価値向上を図ってまいります。
②資本業務提携及びストックビジネスの拡充による成長市場の開拓
当社グループの中長期にわたる安定的な成長を実現するためのエンジン(源泉)は、ストックビジネスを拡充し売上高を拡大していくことにあります。そのためには大きな事業環境の変化の中で、既存のビジネスから脱却し、如何に新たなサービスやビジネスモデルを創出していくかが重要な課題であります。このため、当社グループは、成長著しい分野における積極的な業務提携を進める等、スピーディーに成長戦略の強化を図ってまいります。
③デジタルトランスフォーメーション(DX)推進支援強化
企業や社会の様々な場面でIoTやAI等のデジタル先端技術が活用され、DXが急速に展開する社会において、ビジネスの大きな転換期に入っております。企業における業務効率化・生産性向上にむけたDXへの取組みは、今後も拡大していくと予測されますが、DXに関する悩み・課題を抱える企業が数多く見受けられます。これらを踏まえ、顧客企業との共創やビジネスパートナーの技術・サービスを活用したオープンイノベーションによってDX推進など多様化する顧客のニーズに対応してまいります。
④サステナビリティ経営および人的資本経営の推進
当社グループは、企業価値の向上と社会課題の解決の双方を実現する「サステナビリティ経営」や、人材の価値を最大限に引き出して中長期的な企業価値の向上を実現する「人的資本経営」の推進を経営課題として捉えており、この経営課題に対して、「サステナビリティに関する基本方針」「人的資本経営に関する基本方針」を制定しており、引き続き、持続可能な社会の実現に向けた行動を推進していきます。なお、サステナビリティ経営および人的資本経営に関する詳細につきましては、有価証券報告書「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
⑤DX、AI人材の確保と育成
当社グループの成長のエンジン(源泉)は「人材」であり、新たなサービスやビジネスモデルの創出には人材の確保・育成が必要不可欠であります。一方、今後急速に成長が見込まれるAI、IoT、DXの分野では、人材の獲得競争が過熱しており、人材の差が事業の競争力を決定づける重要な経営要素と考えております。このため、高度・多様化し続ける顧客ニーズに迅速、柔軟かつ的確に対応するためにも、優秀な人材確保及び人材育成による組織体制の強化を重要課題として取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループは、経営理念のもと、提供するサービスを通して情報を発信し行動を起こすことにより、地域社会やステークホルダーのめざす便利で豊かな社会生活を支援することができるものと考え、また、この行動により環境・社会・経済の3つの観点から持続可能な取り組みに貢献できることが重要であるものと考えています。サステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティにかかる活動計画を策定し、適切な対応を検討してまいります。
また、リスクについては、「リスク管理規程」に基づき当社および関係会社全体のリスクを網羅的に把握・管理するとともに経営会議での審議・検討により継続的に監視しております。
(2)重要なサステナビリティ項目
上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
・気候変動
・人的資本
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
① 気候変動への取り組みとTCFDへの対応
当社グループでは、「新たな価値を創造し、社会に貢献する」をミッションとして、事業活動の経済的側面と同時に社会的側面・環境的側面の重要性を認識し、企業の社会的責任を果たす経営に取り組んでおり、気候変動問題を事業に影響をもたらす重要課題の1つと捉え、経営戦略に取り入れ、グループ全体で気候変動対策に取り組んでまいります。
a.ガバナンス
当社グループにとって、重要な気候関連リスク・機会を特定し、適切にマネジメントするために、サステナビリティ委員会を設置しております。気候変動対応など環境問題を含む社会課題から、中長期的視点でサステナビリティ課題を審議・モニタリングし、当社グループのサステナビリティを実行・牽引しております。
サステナビリティ委員会で検討・審議された事項は、取締役会または経営会議へ提言及び報告され、取締役会において当該報告内容に関する管理・監督を行っております。
b.戦略
「情報サービス事業」、「収納代行サービス事業」を対象として、2030年時点での影響を異なるシナリオ(1.5℃/2℃、4℃)における事業インパクト・財務影響を分析・考察・評価するとともに、気候関連リスク・機会に対する事業戦略のレジリエンスを評価することを目的として、シナリオ分析を実施しております。地球環境への影響及び配慮を徹底し、安心安全な未来へ繋げるため、持続可能な社会の構築に貢献することは、当社にとって大きな企業価値向上・保有資産活用の機会であり、ビジネスの機会であると捉えております。
c.リスク管理
・認識・評価プロセス
事業の推進に伴う気候関連リスクについては、「リスク管理規程」に基づき当社グループのリスクを網羅的に把握・管理するとともに、経営会議・経営戦略会議等での審議・検討による意思決定、予算・実績比較によるコントロール、内部監査、法令遵守通報制度、財務報告の信頼性確保に関する諸規程の導入、並びにモニタリング、俯瞰的精査を行い、グループ戦略などにより、継続的に監視してまいります。
・管理プロセス
経営戦略会議で確認された気候関連のリスク及び機会を踏まえ、各部門は目標達成に向けた活動を推進しております。環境目標の達成度は半期ごとに開催される経営戦略会議にて進捗管理を行っております。
d.指標と目標
気候関連のリスク対応において、GHG排出量の削減および再生可能エネルギーの重要性を考慮し、Scope 1,2については、「2030年に2022年比、総量75%削減」「2050年にカーボンニュートラル」を設定しております。気候変動に関連する「リスクの抑制」と「機会の創出・獲得」に向けた計画を作成し、再エネ・GHGに関する法改正や技術革新等の動向を注視して、更に取り組みを加速させてまいります。
②人的資本経営への取組
a.戦略
当社グループは、社員一人ひとりの多様な個性や価値観を尊重し、互いの力を最大限に活かすことが、多様化するお客様ニーズに応える価値あるサービスを提供し続ける上で必要不可欠であることから、人材の確保・育成、ダイバーシティを重要な経営戦略の一つと位置付けています。「人」という経営資産を活かして、新たな価値を創造し続けるとともに、当社事業に関わる皆さまとともに持続可能で豊かな社会の実現に努めています。
ⅰ)人材の確保と育成
DXが急速に展開する社会において、ビジネスの大きな転換に対応するための様々な経験を持つキャリア採用など、多様な人材の採用、起用を行ってまいります。また、社員が問題提起や情報収集、活用や課題解決等共通のスキル・マインドを持つことにより、DX経営の実践につなげることを目指します。
ⅱ)女性活躍推進
女性活躍を促進する上で、就労継続や職場活躍度の男女格差を解消し、組織全体の活性化や成長を促進します。女性管理職比率の向上の前段として、新卒及び中途採用者の女性比率を45%以上、管理職候補となる課長代理級の女性比率は20%以上を目標に取り組んでおります。
ⅲ)育児等支援
男性社員の育児休業の利用促進に取り組み、男女を問わず育児と仕事の両立を支援し女性の活躍の機会を後押しします。当事者だけでなく社員一人ひとりが理解を深め、互いに支え合える企業風土を目指します。
ⅳ)健康経営の推進
社員やその家族の幸福を組織で支える健康経営を推進し、活力ある企業として持続的に成長し続けることを目的として、「社員のウェルビーイング向上」を実現する為に、一人ひとりが能力を十分に発揮し、安全で快適な環境づくりを目指します。
b.指標及び目標
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指標 |
目標 |
2024年12月期実績 |
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平均所定外労働時間を10時間未満 |
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(注)指標及び目標については、当社グループの中核会社である電算システムにおける状況を記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(当社グループ全体)
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リスク項目 |
リスク内容 |
主要な取り組み |
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気候変動等の影響 |
気候変動に伴う自然災害や異常気象等の増加に起因する物理的な被害の可能性や低炭素社会への移行に対応できずに原燃料価格や電力価格が上昇するリスクは、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループでは、地球環境の保全を重要課題と認識し、環境に配慮した事業活動を通じて、脱炭素社会と循環型社会の実現を目指すとともに、これらの取組みについて適切な開示に努めてまいります。 |
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事業環境等の影響 |
競合商品とのサービスや価格競争の激化、急速な技術革新、お客様の属する業界の経営環境、業容及びニーズ等の変化が続いており、著しい経済情勢の変化等により、当社グループを取り巻く事業環境が急激に変化した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、各事業領域において顧客価値を高める新商品・製品を企画し、継続的に導入することに努めてまいります。また、高品質、高付加価値の製品を提供することで、顧客満足を獲得し、新たな顧客を創造してまいります。 |
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事業拡大における組織体制の影響 |
当社グループの事業拡大に応じた十分な人材、優秀な人材の確保は必須ではありますが、確保及び育成ができるかは不確実であり、これらが不十分な場合は、当社グループの業務遂行に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、多様な人材が活躍できる風土づくり、報酬体系の見直し、新卒及び中途採用の積極的な取組み等を通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、資格取得支援、研修制度の体系化をする等、事業拡大に応じた或いは高付加価値の提供できる人材の確保、育成に注力しております。具体的な人材配置については、社内外から適材の手配を行っております。 |
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投資有価証券の減損についての影響 |
取引関係の維持・強化のために、特定の顧客・仕入先・金融機関の株式を保有しております。将来、株式市場の悪化または投資先企業の業績不振により、投資の減損が必要となる場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、金融商品に係る会計基準等に従い、定期的に時価の推移、業績などをモニタリングしております。また、投資委員会へ政策保有株式の状況について確認し、取締役会に答申しております。 |
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のれんの減損についての影響 |
事業の成長のためM&Aを必要に応じて実施しており、その結果としてのれんが発生しております。将来、十分な将来キャッシュ・フローを生み出さないと判断された場合、のれんの減損が必要になり、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、固定資産の減損に係る会計基準に従い、資産に対する減損テストや資産評価を行っております。また、投資委員会において買収金額等の妥当性審議を行い、M&A後も進捗モニタリングを行い、事業を執行、管理する体制を整備しております。 |
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ソフトウエアの減損についての影響 |
大規模なソフトウエア開発において計画の変更、使用状況の見直し等により収益獲得または費用削減効果が損なわれ、資産の償却または減損が必要となる場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定を含む)について、将来の収益獲得または費用削減が確実であるものかどうかを慎重に判断し資産計上しております。 |
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為替の変動による影響 |
当社グループは海外からサービス、製品を仕入れており、外貨建てでの取引に関しては為替の変動が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは為替変動による経営成績への影響を軽減する目的で、一部の取引に為替予約を利用したリスクヘッジを実施しております。 |
(情報サービス事業)
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リスク項目 |
リスク内容 |
主要な取り組み |
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システム開発の受託における影響 |
受託システム開発においては、契約の受注時に採算性が見込まれるプロジェクトであっても、開発中の大幅な仕様変更等が発生し、作業工数が当初の見積り以上に増加することにより、最終的に案件が不採算化することがあります。また、長期のプロジェクトは環境や技術の変化に応じた諸要件の変更が生ずる可能性があると考えられます。このような大幅な仕様変更や諸要件の変更あるいは品質上のトラブルが発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、プロジェクト管理者が品質・納期・コスト・リスク等の管理を行うとともに、プロジェクト管理システム等で工期や費用の費消の状況をモニタリングしております。 |
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技術者確保等の影響 |
情報サービス事業において、案件が技術的にも高度化・複雑化することに伴い、当社グループが必要とする適材の確保が難しい場合、失注や受注規模の縮小などによる売上減少など当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、多様化するニーズにお応えするためには、優秀な技術者の確保が最重要課題であり、採用活動への積極的な取り組み、人材の育成と実務能力の向上を目的とした教育制度を充実させるとともに、具体的な人材配置においても適材の手配を行っております。 |
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情報漏洩等の影響 |
情報サービス事業において、大規模な災害による人的・設備資源の滅失、当社グループの情報セキュリティ管理策を破る予想し得ない悪意による行為等により、情報資源の漏洩、破壊等の事故が発生した場合、当社グループの信用を失墜させることになりかねないとともに、損害賠償等により当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、プライバシーマーク認定事業者の資格、ISO/IEC27001(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証及びPCIDSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)の認証を取得し、それらの規格基準に沿って日常業務で各種のセキュリティ管理策を講じ、個人情報を含む情報資源管理を実施し、情報漏洩等のリスクの回避を行っております。 |
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データセンター障害の影響 |
情報サービス事業において、サイバーアタック、情報セキュリティ事故、システム・ハードの不具合、地震・台風等の自然災害、大規模停電などが発生した場合、お客様からの損害賠償請求や当社グループの信用失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、データセンターの障害リスクを回避するために、ISO/IEC27001(情報セキュリティマネジメントシステム)の適用はもとより、建物の耐震及び免震構造化、自家発電装置による無停電電源の確保や防犯設備を完備するなど、設備環境を整備しております。 |
(収納代行サービス事業)
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リスク項目 |
リスク内容 |
主要な取り組み |
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法的規制について |
収納代行サービス事業において、2010年4月に施行された「資金決済に関する法律」は、資金決済システムの安全性、効率性及び利便性の向上に資することを目的とするとしており、さらに、「金融商品取引法等の一部を改正する法律」及び「資金決済に関する法律」に対する附帯決議において、資金移動業者に対する検査・監督を適切に実施するとともに、これらの業者を含めた新しいサービスの担い手について、その実態を適切に把握し、滞留資金の保全・返金、資金決済の確実な履行の確保等の資金決済に関する制度について検討し、決済システムの安全性、効率性及び利便性の一層の向上を図るよう努めることとされていることから、将来において本法の改正等により収納代行サービス事業の運営が制約された場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、「資金決済に関する法律」の制定時に将来の課題とされ、それ以降の検討においても、中でもコンビニエンスストアによる収納代行は、利用者保護の観点から適切な対応が図られていることから、これまでと同様の扱いが適当であるとされておりますので、常に情報収集に努めております。 また、当社グループでは、第一に消費者利益の保護(安全性)の確保と利便性の向上を図るとともに、公共の利益に反する利用を排除することを目的として、収納代行会社とコンビニエンスストアが加盟する日本代理収納サービス協会に加入し、業界の健全な成長・発展を促進しております。 |
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コンビニエンスストアへの依存度の影響 |
収納代行サービス事業において大手コンビニエンスストアを含む全国のコンビニエンスストア本部と料金収納契約を結んでおりますが、何らかの事情で契約の継続が困難な状況が発生しますと、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、コンビニエンスストアの経営状況をチェックし、倒産に至る前に料金収納契約を終了することができるようにしております。 |
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ユーザーとコンビニエンスストアの直接契約への切り替えについての影響 |
収納代行サービス事業においてユーザーの開拓に努め、継続的なサービスの提供を意図しておりますが、特定のユーザーにおけるコンビニエンスストアでの取扱件数が突出して増大化し、当該ユーザーとコンビニエンスストアとの直接契約への切り替えが生じた場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、全国のコンビニエンスストアとの料金収納契約を結んでおり、また、コンビニエンスストア以外の決済事業者とも幅広く契約を結んでおりますので、利用ユーザーのご要望に対して、より適切なサービスをご提供することができます。 |
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革新的技術の出現についての影響 |
収納代行サービス事業において払込票によるコンビニエンスストア店頭や郵便局窓口でのサービス形態を主体としておりますが、フィンテックという言葉に代表される何らかの革新的な暗号資産(仮想通貨)や電子マネー技術及びモバイル技術の出現とそれらが収納代行の中心的な方法に置き換わったり、それに伴う強力な収納代行業者の進出などの状況が発生しますと、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、常に新しい収納代行(決済サービス)の取組みへの情報収集に努め、必要に応じて採用できるように準備をしております。 |
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リスク項目 |
リスク内容 |
主要な取り組み |
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システム障害についての影響 |
収納代行サービス事業の拡大に伴い、多額の預り金を一時的に当社グループの銀行口座(金銭信託)に預け入れ、当社グループの取引先に送金しておりますが、何らかの事情でコンビニエンスストアの倒産に伴う未入金や当社グループシステム障害などでの誤送金などのトラブルが生じますと、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
収納代行サービスのシステムは、弊社データセンターに格納しております。また、収納金送金業務は、システム統制されており、銀行(金銭信託)とも日々の処理をワークフロー管理のうえ、行っております。 |
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債権保証型後払いサービスにおける貸倒引当の影響 |
債権保証型後払いサービスは、当社グループが加盟店に対して売上代金の立て替えをしたのち、消費者に売上代金を請求して回収を行います。このため、経済環境の悪化等により想定以上の貸倒が発生しますと、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
定期的に貸倒引当率のモニタリングを行い、与信審査システムを調整することで、想定以上の貸倒が発生しないよう管理を行っております。 |
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善などにより景気は緩やかな回復傾向が続いている一方、不安定な為替相場や原材料の価格高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような経営環境において当社グループは、「共創」で新たな価値を創造し、社会に貢献することを経営理念のもと、さらなる業容の拡大と成長を志向し、継続的な営業努力と効率的な事業運営に努め、経営計画の達成を目指してまいりました。
この結果、当連結会計年度における経営成績につきましては、売上高61,256百万円(前年同期比2.8%増)、営業利益2,311百万円(前年同期比41.7%減)、経常利益2,534百万円(前年同期比36.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,850百万円(前年同期比7.7%減)となりました。
各セグメント別の概況は以下のとおりとなっております。
(情報サービス事業)
情報処理サービスでは、BPO(業務処理アウトソーシング)事業において、各種業務の主力拠点である東濃BPOセ ンターでの運用業務を基軸として、引き続き堅調に稼働しております。SI・ソフト開発では、各種業務システム案件や、Google Workspace、GoogleMaps、Google Cloud Platformなどのクラウドサービス分野、GoogleGemini生成AIの新規分野が好調に推移しました。一方、継続的な仕入れ原価の増加やソフト開発プロジェクトの不採算案件において工数の発生および更なる工数見直しが発生したことにより、営業損失となりました。
以上の結果、情報サービス事業の売上高は37,281百万円(前年同期比4.7%増)、営業損失は278百万円(前年同期は営業利益1,416百万円)となりました。
(収納代行サービス事業)
主力の収納・集金代行サービスでは、引き続き地方自治体を中心とした新規顧客の受注や稼働が好調であったものの、一部の既存顧客での取扱い件数の減少や大型新規顧客の稼働時期が当初想定より遅延したことにより、売上高は前年とほぼ同じ水準で推移しました。また、一部の仕入れ単価の上昇、及び新たな収納代行サービスの環境整備コストが継続したものの、顧客との契約単価の見直しにより、営業利益は微増となりました。
以上の結果、収納代行サービス事業の売上高は23,974百万円(前年同期比0.0%増、6百万円の増収)、営業利益は2,579百万円(前年同期比1.3%増)となりました。
当社グループのセグメントごとの業績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
前年同期比増減 |
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売上高 (百万円) |
構成比 (%) |
売上高 (百万円) |
構成比 (%) |
増減金額 (百万円) |
増減率 (%) |
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情報サービス事業 |
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SI・ソフト開発 |
25,158 |
42.2 |
27,188 |
44.3 |
2,030 |
8.1 |
|
情報処理サービス |
6,031 |
10.1 |
5,850 |
9.6 |
△181 |
△3.0 |
|
商品及び製品販売 |
4,341 |
7.3 |
4,138 |
6.8 |
△203 |
△4.7 |
|
その他 |
92 |
0.2 |
104 |
0.2 |
12 |
13.7 |
|
小計 |
35,623 |
59.8 |
37,281 |
60.9 |
1,658 |
4.7 |
|
収納代行サービス事業 |
|
|
|
|
|
|
|
収納・集金代行サービス |
22,000 |
36.9 |
22,204 |
36.2 |
204 |
0.9 |
|
オンライン決済サービス |
993 |
1.7 |
982 |
1.6 |
△11 |
△1.2 |
|
送金サービス |
366 |
0.6 |
226 |
0.4 |
△139 |
△38.0 |
|
収納代行周辺サービス |
317 |
0.5 |
321 |
0.5 |
4 |
1.3 |
|
その他 |
290 |
0.5 |
239 |
0.4 |
△50 |
△17.3 |
|
小計 |
23,967 |
40.2 |
23,974 |
39.1 |
6 |
0.0 |
|
合計 |
59,591 |
100.0 |
61,256 |
100.0 |
1,665 |
2.8 |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して2,508百万円増加し、当連結会計年度末残高は15,324百万円(前期末比19.6%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は3,021百万円(前連結会計年度は5,506百万円の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払額1,359百万円、売上債権及び契約資産の増加952百万円、前払費用の増加762百万円により資金が減少したものの、税金等調整前当期純利益2,626百万円、契約負債の増加1,643百万円、減価償却費780百万円により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、増加した資金は239百万円(前連結会計年度は852百万円の減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出328百万円、有形固定資産の取得による支出295百万円により資金が減少したものの、投資有価証券の売却による収入898百万円により増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は765百万円(前連結会計年度は941百万円の減少)となりました。これは主に「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-ship®)」導入に伴う自己株式の売却による収入108百万円により資金が増加したものの、長期借入金の返済による支出445百万円、配当金の支払い421百万円により資金が減少したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
(情報サービス事業)
情報サービス事業は、情報サービス産業に分類され、いわゆるサービス業であるため、該当事項はありません。
(収納代行サービス事業)
収納代行サービス事業は、収納事業者からの代金回収の代行を委任(準委任)され、継続的に行うサービスであり、該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(情報サービス事業)
|
受注高 (百万円) |
前年同期比 増減(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 増減(%) |
|
40,703 |
21.0 |
11,878 |
40.5 |
(収納代行サービス事業)
収納代行サービス事業は、収納事業者からの代金回収の代行を委任(準委任)され、継続的に行うサービスであり、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比増減(%) |
|
情報サービス事業 |
37,281 |
4.7 |
|
収納代行サービス事業 |
23,974 |
0.0 |
|
計 |
61,256 |
2.8 |
(注)当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性について、連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の見積り及び判断を行っております。当社は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高及び営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重視する経営指標としております。2024年12月期においては、営業利益率3.8%、ROE(自己資本利益率)8.7%となりました。
③財政状態の分析
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比較して4,695百万円増加し、61,747百万円となりました。これは主に、投資有価証券が330百万円、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定が198百万円減少したものの、現金及び預金が3,367百万円、前払費用が762百万円、契約資産が607百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して3,175百万円増加し、39,452百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金が445百万円、未払法人税等が344百万円減少したものの、契約負債が1,643百万円、収納代行預り金が1,139百万円、受注損失引当金が675百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して1,520百万円増加し、22,294百万円となりました。これは主に、利益剰余金が1,429百万円増加したことによるものであります。
④経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度の売上高は61,256百万円となりました。(前年同期比2.8%増)
セグメント別の増減要因につきましては「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b.営業利益
当連結会計年度の営業利益は2,311百万円となりました。(前年同期比41.7%減)
セグメント別の増減要因につきましては「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
c.経常利益
当連結会計年度の経常利益は2,534百万円となりました。(前年同期比36.9%減)
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,850百万円となりました。(前年同期比7.7%減)
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b.財政政策
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入や手数料支払いのほか、受託開発に伴う人件費や外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。運転資金は、自己資金を基本としております。設備資金は、自己資金または借入等により資金調達することを基本としております。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、情報サービス事業において