独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

 

 

 

2025年3月19日

株式会社エラン

 

 

取締役会 御中

 

 

 

有限責任監査法人トーマツ

 

 

   長 野 事 務 所

 

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

朽木 利宏

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

吉崎  肇

 

<連結財務諸表監査>

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社エランの2024年1月1日から2024年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。

 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社エラン及び連結子会社の2024年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

CSセットサービスに係る売上

(【注記事項】セグメント情報等)

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

連結財務諸表における【注記事項】(セグメント情報等)に記載のとおり、当社グループは介護医療関連事業を主な事業としており、当セグメントにかかる連結損益計算書の売上高は47,243,915千円である。

 

当該介護医療関連事業の中核サービスとして当社グループが展開するCSセットサービスは、病院や介護老人保健施設等の利用者が衣類・タオル類や日常生活用品を用意する代わりに、当社グループが衣類・タオル類の貸与と日常生活用品の販売を組み合わせて提供するサービスである。CSセットサービスは、セットプラン単価にサービス利用期間を乗じた金額を売上として計上しており、多数少額の取引により構成されている。

 

CSセットサービスの売上計上に係る主な業務プロセス及び関連する内部統制の内容は、以下のとおりである。

 

・担当者は、CSセットサービスのセットプラン単価及びサービス利用期間を請求管理システムに登録する。また、その登録結果は、入力者以外の別の担当者により入力元資料とシステム入力結果の照合が行われる。

・請求管理システムに入力されたセットプラン単価及びサービス利用期間に基づき、売上がシステム上の所定のロジックにより自動で算定される。

・請求管理システムの売上データをもとに、CSセットサービスの売上が会計システムに登録される。請求管理システムの売掛金残高と会計システムの売掛金残高は、担当者により両者の差異の合理性を検討するため、毎月照合が行われる。

 

このように、セットプラン単価及びサービス利用期間の情報を基に売上が自動計算されることから、請求管理システムへの登録誤りや請求金額の算定ロジックに誤りがあった場合には、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性がある。

また、売上高は、企業の事業活動の規模を示すとともに経営者及び投資家にとって当社グループの業績達成度を測定する上で、特に重要な指標であると考えられる。

 

以上から、当監査法人は介護医療関連事業セグメントのCSセットサービスに係る売上が監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

左記の監査上の主要な検討事項に対して、当監査法人は、主に以下の監査手続を実施した。

 

(内部統制の評価)

・請求管理システムへのセットプラン単価及びサービス利用期間の登録について、その正確性を担保するための内部統制の整備状況及び運用状況を評価した。

・請求管理システムの売掛金残高と会計システムの売掛金残高の照合に係る内部統制の整備状況及び運用状況を評価した。

・当監査法人内のIT専門家と連携して、売上の自動算定に係るIT業務処理統制の整備状況及び運用状況を評価した。具体的には、請求管理システムにおける売上データの自動算定のロジックについて担当者に質問を実施するとともに、システム説明書を閲覧し、対象となるプログラムの仕様を確かめることにより整備状況の評価を実施した。また、日割計算や月割計算など、売上の主要な計算パターンごとに再計算を実施することで、運用状況の評価を実施した。

なお、IT業務処理統制の評価を実施するにあたり、請求管理システムに係るアクセス・セキュリティ、プログラム変更、データ・センターとネットワークの運用などのIT全般統制について、観察、文書の閲覧によりその有効性を評価した。

 

(リスク評価手続及び実証手続)

・リスク評価手続として、支店別の売上高及び1施設当たりの売上高の趨勢分析並びに各施設における利用者1人当たり平均月次請求金額の分析等を実施し、通常の想定を超える支店及び施設の有無を検討した。その上で、通常の想定を超える場合には、質問及び証憑の閲覧等により当該取引の妥当性を検討した。

・請求管理システムと会計システムの売上金額の整合性を検討した。

・請求管理システムの売上データについて、サンプリングにより証憑突合及び再計算を行い、売上高の正確性及び期間帰属の妥当性を検討した。

 

 

 

 

GREEN LAUNDRY JOINT STOCK COMPANY株式の取得原価及びのれんの評価の検討

(【注記事項】企業結合等)

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

連結財務諸表における【注記事項】(企業結合等関係)に記載のとおり、会社グループは2024年8月27日に病院向けランドリーサービスを行うGREEN LAUNDRY JOINT STOCK COMPANY(以下、GREEN社)の株式を875,699千円にて取得し、当連結会計年度において連結子会社としている。

会社グループはGREEN社株式の取得原価について、同社の事業計画を基礎としたインカムアプローチのDCF法により算定された株式価値を参照しており、株式価値の算定には外部専門家を利用している。

また、会社グループは当連結会計年度末において取得原価の配分が完了していないため、その時点で入手可能な合理的な情報等に基づき暫定的な会計処理を行った結果、当連結会計年度末においてのれんが813,938千円計上されている。

企業結合取引は経常的に生じる取引でなく、その処理には専門的な知識が必要であり、当該企業結合取引により認識されたのれんは金額的重要性が高い。また、株式価値算定やのれんの評価の基礎となるGREEN社の事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの割引現在価値には、将来の売上高、営業損益、売上高成長率、割引率等の重要な仮定が含まれており、当該重要な仮定は、外部環境の変化等による不確実性を伴い、経営者による主観的判断が含まれる。

 

以上から、当監査法人はGREEN社の株式の取得原価の合理性及びのれんの評価について監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

 左記の監査上の主要な検討事項に対して、当監査法人は、主に以下の監査手続を実施した。

 

・株式の取得原価の算定に関する内部統制及びのれんの評価に関する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。

・GREEN社の株式取得の目的、その事業内容、事業環境等を理解し、取引の合理性及び取得原価の決定過程を理解するために、取締役会議事録、株式価値評価書等の閲覧及び経営者への質問を実施した。

・将来キャッシュ・フローにおける重要な仮定である将来の売上高、営業損益及び売上高成長率については、経営者への質問、利用可能な外部データとの比較及び過去実績との比較等の趨勢分析を実施し、当該仮定の合理性を検討した。また、過去の計画についてバックテストを実施することにより、将来計画の精度を検討した。

・当監査法人が属するネットワーク・ファームの内部専門家を関与させ、株式価値の評価技法の選択及び適用、並びに株式価値算定の主要な前提である割引率の算定の合理性を評価した。

・連結会計年度末におけるのれんの減損の兆候の有無を把握するため、経営者への質問、取締役会議事録等の閲覧を実施し、経営環境の著しい変化がないか検討した。また連結会計年度末において、当初事業計画と取得後の実績の比較分析を実施した。

・暫定的な会計処理によるのれんが適切に算定されていることを確かめるため、取得価額と企業結合日に受け入れた資産及び引き受けた負債との差額がのれんの計上額になっているか否か検討した。

 

その他の記載内容

 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任

 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

連結財務諸表監査における監査人の責任

 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<内部統制監査>

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社エランの2024年12月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。

 当監査法人は、株式会社エランが2024年12月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任

 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

 

内部統制監査における監査人の責任

 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

 

<報酬関連情報>

 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】に記載されている。

 

利害関係

 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以 上

 

 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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