文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「市場と顧客に対し、常に第一級の商品とサービスを創造し、日本及び海外市場に広く提供することによって、人類の豊かな生活の実現に寄与する」ことを経営理念として掲げ、ステークホルダー(お客様、株主の皆様、お取引先様、社員、社会)に対し、常に新しい価値創造に努め社会的責任を果たすことを目指した企業活動を基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、継続的な「売上高」「利益」の成長と「ROE」の向上により、持続的な成長の土台形成やグローバル競争に勝ち抜くことができる資本効率の高い経営体質の構築を目指しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2024年1月から2026年12月の3ヵ年を期間とする第12次中期経営計画を現在遂行しております。その内容は、2024年2月7日に公表した「2023年12月期 決算説明資料」に記載しております。
当該決算説明資料は、次のURLからご覧いただけます。
(当社ウェブサイト)
https://www.unicharm.co.jp/ir/library/investors/index.html
(4)会社の対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境は、参入国・地域ごとに景況感に差が見られ、予測困難な状況が続いています。海外においては、アジア地域で経済の不確実性が依然として残存していることに加え、COVID-19の影響を経て、特にベビーケア関連商品において、消費者の間で手頃な価格の商品への需要が高まりつつあります。また、eコマースにおける新興チャネルが急成長するなど、市場環境は目まぐるしく変化しています。
国内においては、ウェルネスケア関連商品やペットケア関連商品への引き合いは強いものの、景気の先行き不透明感に加え、競争が激しい販売環境のなか、為替や原油価格に起因する輸入原材料価格の上昇が懸念されるとともに、パーソナルケア業界においては、ベビーケアやフェミニンケア関連商品の対象人口減少が今後も見込まれております。
こうした課題を背景に、当社グループは経営理念に則り、常に新しい市場創造及び価値創造に努め、日本製需要の最大化、アジアでの急速な高齢化への対応、感染症予防関連や顧客インサイトに応える商品ラインアップの拡大をスピーディーに進めてまいります。海外ではリスク管理を強化しながら積極的なエリア展開と成長市場におけるカテゴリーリーダーとしての地位を確立し、国内では市場の活性化による業界総資産の拡大により、「共生社会」の実現を目指します。
当期は、2024年5月より国内の新基幹システムを稼働させたことに伴い、製品の入出荷情報の不整合や各種データ連携のエラー等の不具合が生じました。これらの不具合については、原因の特定に努め、システム改修や補完的内部統制の追加等、暫定対応並びに恒久的な対応を講じ、連結財務諸表等の関連する勘定科目及び開示に重要な誤謬が発生するリスクを回避、低減しました。今後同様の事象を発生させないよう、引き続き、システム開発や運用に関する内部統制の強化に努めてまいります。
今後もより一層の企業変革に努め、全ての事業において、絶え間ない商品革新による価値向上に一層注力するとともに、原価低減と経営資源の効率的活用をさらに強力に推進してまいります。
一方、非財務面においても、環境(E)社会(S)ガバナンス(G)を中長期的かつ持続的な企業価値向上のための重要な基盤と位置付け、環境への配慮やガバナンス体制の強化等の施策推進を継続してまいります。また、企業経営の健全性と透明性をより高めるために、子会社の内部統制体制について、業務プロセスの適正性を検証する手続きの改善を推し進め、ガバナンスの強化を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する記述は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ経営
①ガバナンス
当社グループでは、ステークホルダーに期待されるサステナビリティに関する取り組みを円滑に推進するべく、以下のような体制を構築しています。まず、社長執行役員を委員長としたグループ横断の推進組織「ESG委員会」を四半期に1度、年4回開催し、サステナビリティ全般及びガバナンスに関する方針及び活動内容について審議・決定し、その進捗状況をモニタリングしています。ESG委員会には、取締役や執行役員といった経営層に加えて、営業部門や開発部門、マーケティング部門、コーポレート部門、国内外の連結子会社の責任者が出席することで、決定したサステナビリティ関連の諸活動を迅速に実行できる体制を構築しています。なお、ESG委員会での審議・決定内容については、ESG担当執行役員より年1回以上取締役会に報告しています。
>>サステナビリティ推進体制図
>>ESG委員会における主な取り組みテーマと分類
|
ISO26000 中核主題 |
組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティ参画および開発 |
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主な取り組みテーマ |
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E |
・気候変動: 温室効果ガス、エネルギー使用管理、気候変動リスク ・水資源:水使用、水使用量削減 ・汚染と資源:廃棄物、資源使用、リサイクル ・サプライチェーン:サプライヤー方針、環境問題、持続可能な森林資源・持続可能なパーム油調達 ・生物多様性 ・環境配慮型商品の開発 |
|
S |
・労働基準:児童労働の禁止、強制労働の禁止、差別禁止、結社の自由、団体交渉権、最低賃金、ハラスメントの防止 ・健康、安全 ・人権:デュー・ディリジェンス、子どもの権利、児童労働の禁止、地域雇用、苦情処理 ・社会:コミュニティ投資、社会貢献活動 ・顧客に対する責任:責任ある広告とマーケティング、顧客満足 ・サプライチェーン:児童労働の禁止、強制労働の禁止、差別禁止、結社の自由、団体交渉権、最低賃金、健康安全、デュー・ディリジェンス、能力開発 ・商品品質、商品安全 |
|
G |
・腐敗防止:贈収賄、インサイダー取引、内部通報制度、教育、リスク評価 ・コーポレート・ガバナンス ・全社的なリスクマネジメント:環境、社会、コーポレート・ガバナンス ・コンプライアンス ・税の透明性 |
②戦略
>>中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」
当社グループはコーポレート・ミッションに「『共生社会』の実現に寄与する」を掲げ、事業活動によって自然環境問題や社会課題の解決に貢献することを目指しています。具体的には、2020年10月に中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030 ~ For a Diverse, Inclusive, and Sustainable World ~」(以下、「Kyo-sei Life Vision 2030」)を公表しました。この「Kyo-sei Life Vision 2030」の策定では、当社が想い描く『2030年のありたい姿』を具体化し、この将来像と現状のギャップを埋めるために必要なアプローチを整理しました。「Kyo-sei Life Vision 2030」を着実に実行することによって、自然環境問題や社会課題の解決はもちろん、消費者や地域社会へ継続的に貢献します。
>>「Kyo-sei Life Vision 2030」の位置付け
当社グループはSDGsの達成に貢献することを「パーパス」(存在意義)と考えています。このパーパスを「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3つに分けて具体化しました。
まず「ミッション」とは「何を成したいか」を示したもので、具体的には「『共生社会』の実現に貢献すること」です。なお「共生社会」とは、「全ての人が自立し、互いに助け合うことで、自分らしく暮らし続けられる社会」です。
続く「ビジョン」とは「どのようにして『共生社会』を実現するか」を示すもので、当社の理念である「NOLA & DOLA (Necessity of Life with Activities & Dreams of Life with Activities)」を実践するとしています。この「NOLA」には、「生活者がさまざまな負担から解放されるよう、心と体をやさしくサポートする」ことを、「DOLA」には「生活者一人ひとりの夢を叶えることに貢献する」という想いを込めています。
そして「バリュー」とは「ミッション」「ビジョン」を支える根底にある「志」「使命感」で、全世界のユニ・チャームグループ社員全員で「共振の経営」という統一されたマネジメントモデルを推進することです。
以上の「パーパス=ミッション・ビジョン・バリュー」をより強力に推進することを目的に、「Kyo-sei Life Vision 2030」を策定しました。
>>2050年・「共生社会」の実現に必要なアプローチ
「『Kyo-sei Life Vision 2030』の位置付け」に記したように、当社のミッションは「共生社会」の実現に貢献することです。2050年に「共生社会」が実現されると仮定して、「理想の将来像」を具体化し、この将来像と現状のギャップを埋めるために必要なアプローチを整理しました。
>>Kyo-sei Life Vision 2030策定プロセス
③リスク管理
当社グループでは、中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」の着実な推進にあたって、取締役会の下に設置されている「ESG委員会」(委員長・社長執行役員)が全体の管理・監督を行っています。日々の業務と密接に関連する重要取り組みテーマの運用は、関連部門が主体的に推進し、あらかじめ設定した管理項目・KPIに照らしてゲート管理を行い、PDCAサイクルを回しています。重要取り組みテーマの進捗状況の把握はESG本部が担い、四半期に1度、年4回開催しているESG委員会に報告します。ESG委員会での報告内容、討議事項については、ESG担当執行役員より年1回以上取締役会に報告しています。
また、「Kyo-sei Life Vision 2030」の重要取り組みテーマは、各部門の目標に落とし込み、部門から個人の目標や、週単位の行動計画に紐づけるといったきめ細かい活動を行っています。
④指標及び目標
>>「Kyo-sei Life Vision 2030」重要取り組みテーマ・指標・目標・実績一覧
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重要取り組みテーマ |
指 標 |
実績 |
中長期目標 |
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2022年 |
2023年 |
目標値 |
目標年 |
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私たちの健康を守る・支える 全ての人が「自分らしさ」を実感し、日々の暮らしを楽しむことができる社会の実現に貢献する商品・サービスの展開を目指します。 |
||||||
|
|
健康寿命延伸/QOL向上 |
どのようなときも、誰もが“自分らしさ”を実感して暮らすことのできる社会の実現に貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
性別や性的指向等により活躍が制限されない社会への貢献 |
世界中全ての人が、性別や性的指向等によって制限を受けることなく活躍できる社会の実現に貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
|
パートナー・アニマル(ペット)との共生 |
パートナー・アニマル(ペット)が、家族はもちろん、地域に暮らす人々から歓迎される社会の実現に貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
|
育児生活の向上 |
赤ちゃんと家族が、すこやかに、かつ、ほがらかに暮らすことのできる社会の実現に貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
|
衛生環境の向上 |
一人ひとりの努力で、予防可能な感染症(接触感染、飛沫感染)を抑制する活動に貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
|
社会の健康を守る・支える 提供する商品・サービスを通じて、お客様の安全・安心・満足の向上と、社会課題の解決や持続可能性への貢献の両立を目指します。 |
||||||
|
|
「NOLA & DOLA」を実現するイノベーション |
さまざまな負担からの解放を促し、生きる楽しさを満足することに貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
持続可能なライフスタイルの実践 |
持続可能性に貢献する社内基準「SDGs Theme Guideline」に適合した商品・サービスの展開比率。 |
10.5% |
5.9% |
50% |
2030年 |
|
|
持続可能性に考慮したバリューチェーンの構築 |
環境・社会・人権の観点を踏まえ、地域経済に貢献する『地産地消』で調達した原材料を用いた商品・サービスの展開比率。 |
開発継続中 |
開発継続中 |
倍増 (2020年比) |
2030年 |
|
|
顧客満足度の向上 |
消費者から支持を獲得している(=No.1シェア)商品・サービスの比率。 |
23.7% |
23.2% |
50% |
2030年 |
|
|
安心な商品の供給 |
品質に関する新たな安全性の社内基準を設定し、認証を付与した商品の比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
|
地球の健康を守る・支える 衛生的で便利な商品・サービスの提供と、地球環境をより良くする活動への貢献の両立を目指します。 |
||||||
|
|
環境配慮型商品の開発 |
今までにないユニ・チャームらしい考え方で「3R+2R」を実践する商品・サービスの展開件数。 |
2件 |
2件 |
10件 以上 |
2030年 |
|
気候変動対応 |
事業展開に用いる全ての電力に占める再生可能電力の比率。 |
11.0% |
22.8% |
100% |
2030年 |
|
|
リサイクルモデルの拡大 |
紙おむつリサイクル設備の導入件数。 |
1件 |
1件 |
10件 以上 |
2030年 |
|
|
地球の健康を守る・支える 衛生的で便利な商品・サービスの提供と、地球環境をより良くする活動への貢献の両立を目指します。 |
||||||
|
|
商品のリサイクル推進 |
資源を循環利用した不織布素材商品のマテリアル・リサイクルの実施。 |
開発継続中 |
開発継続中 |
商業利用開始 |
2030年 |
|
プラスチック使用量の削減 |
プラスチックに占めるバージン石化由来プラスチックの比率。 |
開発継続中 |
開発継続中 |
半減 (2020年比) |
2030年 |
|
|
ユニ・チャーム プリンシプル 全てのステークホルダーから信頼を得られるような公正で透明性の高い企業運営を目指します。 |
||||||
|
|
持続可能性を念頭においた経営 |
外部評価機関による評価レベルの維持・向上の推進。 |
- |
- |
最高レベル |
26年から毎年 |
|
バリューチェーンにおける重大な人権違反の発生件数。 |
1件 (是正済) |
1件 (是正済) |
発生 ゼロ |
毎年 |
||
|
適切なコーポレート・ガバナンスの実践 |
重大なコンプライアンス違反件数。 |
発生 ゼロ |
発生 ゼロ |
発生 ゼロ |
毎年 |
|
|
ダイバーシティマネジメントの推進 |
女性社員に様々な機会を提供することによる管理職における女性社員比率。 |
23.2% |
24.7% |
30% 以上 |
2030年 |
|
|
優れた人材の育成・能力開発 |
社員意識調査の「仕事を通じた成長実感」における肯定的な回答の比率。 |
89.2% |
88.7% |
80% 以上 |
2030年 |
|
|
職場の健康と労働安全システムの構築 |
心身ともに社員が健康で安心して働くことができる職場環境整備による心身の不良を原因とした休職者の削減比率。 |
7名 (日本) |
9名 (日本) |
半減 (2020年比) |
2030年 |
|
2024年度の実績は2025年6月発行予定の当社「
(2)気候変動対応
文中の将来に関する事項は、事業年度末時点において当社グループが判断したものです。
①ガバナンス
当社グループでは、気候変動に関するリスクと機会の評価、CO₂排出量削減目標の設定と施策に関する責任は社長執行役員が担っています。また、社長執行役員が委員長を務め、社内の取締役及び全執行役員が委員を務めるESG委員会を四半期に1度、年4回開催し、気候変動関連を含む自然環境活動全般(当社グループ中長期環境目標「環境目標2030」及び中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」の進捗状況も含む)及び社会課題への対応やガバナンス上の重点について報告・審議を行っています。開催にあたっては、全社の自然環境関連問題対応部門であるESG本部で各拠点の自然環境データ、活動状況の情報を毎月収集しチェックを行っています。その情報をESG担当執行役員と協議して、ESG委員会の議題を選定しています。
ESG委員会の活動状況は、ESG担当執行役員より年1回以上取締役会に報告し、取締役会の監督を受けています。ESG委員会や取締役会では、「環境目標2030」「Kyo-sei Life Vision 2030」の進捗状況に応じてチェックや指導、活動の指示を行います。加えて目標を達成するために投資回収年数や投資判断を適宜検討して必要な施策を実行し、目標達成を目指しています。具体的な計画については、TCFD※1の提言に基づき2021年から「環境目標2030」「Kyo-sei Life Vision 2030」をベースに情報公開を行っています。
また、取締役や執行役員が先頭に立ちESG戦略・目標の完遂を実行するために、2020年より取締役(監査等委員である取締役を除く)及び執行役員の評価指標にESG項目を導入しました。また、2023年より人事評価指標のESG項目導入を一般社員にまで拡大しました。
※1 TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures/気候関連財務情報開示タスクフォース
②戦略
当社グループは1年ごとの状況(短期)、経営計画に合わせた状況(3~5年の中期)、国際的な見通し(SDGsやパリ協定などのように10年、20年といった長期)に応じてリスクや機会を捉えています。また、ERM※2の考え方を踏まえ、全社的なリスクを抽出し、その中のひとつとして気候変動のリスクに取り組んでいます。抽出したリスクや機会に対応するために、財務計画とも連動して対応していきます。
>>シナリオ・プランニング
推定される物理的影響を計算するためのベースとして、RCPシナリオ※3を使用します。これには、海面が上昇する沿岸地域でのプラントの運用に関連するリスク、サイクロンなどによって引き起こされるサプライチェーンの混乱に関連する運用リスク、熱波による赤道地域のGDP低下のリスク、陸上生態系の変化による森林資源の生育や、農作物等の収穫の遅れのための原材料コスト上昇の影響などが含まれます。地球温暖化は地球環境だけでなく、当社の事業展開にも深く影響を及ぼします。パリ協定を遵守すべく、さまざまなステークホルダーと協働して対応を進めます。また、このような地球温暖化問題が深刻化する状況は、当社が有する「使用済み紙パンツ(紙おむつ)のリサイクル技術」を広める機会でもあります。この技術によって森林保護や脱炭素といった取り組みに貢献していきます。
気候変動に関する最も重要なビジネス上の戦略への影響は、COP21パリ協定の2℃目標に科学的アプローチで参加することだと考えています。当社はSBT※4で2030年の削減目標の承認を受けたことから、2030年に向けた「Kyo-sei Life Vision 2030」と、当社の2050年のあるべき姿である「2050ビジョン」に向けたグループ全体の自然環境重点目標「環境目標2030」の目標達成に向けて、マーケティング部門と開発部門においては商品開発戦略の中に環境配慮を掲げ、生産部門においては省エネ活動、再生可能電力の導入など短期・長期それぞれの視点で計画を戦略に落とし込み、実施しています。
※2 ERM:Enterprise Risk Management/統合型リスク管理
※3 RCP(Representative Concentration Pathways/代表濃度経路)シナリオは、代表濃度経路を複数用意し、それぞれの将来の気候を予測するとともに、その濃度経路を実現する多様な社会経済シナリオを策定できる
※4 SBT:Science Based Targets/科学的根拠に基づく目標
③リスク管理
当社グループは、ERMの考え方を踏まえ、全社的なリスクを抽出し、その中のひとつとして気候変動のリスクにも取り組んでいます。グループ全体での気候関連のリスク評価は、ESG本部が行います。まず、TCFDの推奨に基づいて、重大度、範囲、移行リスク(カーボンプライシング、エネルギー価格など)を含む気候変動の影響のシミュレーションを行い、IPCC※5気候変動レポートやIEA※6のWorld Energy Outlook 2021などの情報を使用して、2050年までの複数の定性的なシナリオを構築します(1.5℃目標シナリオと4℃目標シナリオ)。
これらのシナリオと、サイトレベルのリスク評価の一部として計算された被害の推定値は、グループ各社の被害の合計値を推定するために使用します。評価の結果はESG委員会及び取締役会に報告され、それに応じて事業戦略及び事業計画の策定にリンクされます。取締役及び全執行役員が参加するESG委員会が上記のシナリオに影響を与えると判断した場合は、対応担当部門を設定し、 ESG本部を事務局として計画を立案します。次回のESG委員会で承認後、担当部門が計画を実施します。さらに、担当部門はESG委員会で計画の進捗状況を報告します。
※5 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change/気候変動に関する政府間パネル
※6 IEA:International Energy Agency/国際エネルギー機関
④指標及び目標
当社グループは気候変動緩和策の具体的な対応計画立案のため、国際的イニシアチブであるSBTに2017年5月より賛同し、2045年までのシミュレーションを行い、削減計画を立案しました。SBTと協議し2℃目標に整合した計画として、2018年6月に日本で17番目の認定を受けました。このため具体的なCO₂排出量削減の長期目標はScope1※7及びScope2※8のそれぞれについて設定しています。また、COP26を受け、1.5℃目標への修正を申請し、2024年10月にSBTより認定されました。
また、当社グループは「2050ビジョン」と「環境目標2030」で、気候変動に関する中長期のビジョンと目標を定めています。気候変動対応に関する目標としては、ライフサイクルにおけるCO₂の排出量の割合が高い「原材料調達時CO₂排出量削減(Scope3 Category1※9)」「製造時CO₂ 排出量削減(Scope1、Scope2)」「使用済み商品廃棄処理時CO₂排出量削減(Scope3 Category12※9)」を設定しています。Scope1及びScope2については、各拠点の活動推進者と年4回省エネ推進・再エネ導入ワーキング活動を行い、年間計画と進捗を確認しています。Scope3の大部分を占める購入した資材のCO₂排出量については、商品機能とCO₂排出量の観点より設計段階から商品ごとのLCA※10によるCO₂排出量を計算し、商品開発者とESG本部で協議して対策を検討します。
※7 Scope1:自社の工場・オフィス・車両などからの直接排出
※8 Scope2:電力など自社で消費したエネルギーを起源とする間接排出
※9 Scope3:Scope1、2以外の間接排出(事業活動に関連する他社の排出)。企業活動を分類した15個のCategoryから構成される。Category1は購入した商品・サービス、Category12は販売した製品の廃棄
※10 LCA:Life Cycle Assessment/製品の原材料調達から、生産、流通、使用、廃棄に至るまでのライフサイクルにおける投入資源、環境負荷、及びそれらによる地球や生態系への潜在的な環境影響を定量的に評価する手法
>>当社グループにおけるScope1、2、3の全体像
>>環境目標2030「気候変動対応」
|
実施項目 |
基準年 |
2022年 実績 |
2023年 目標 |
2023年 実績 |
2024年 目標 |
2030年 目標 |
2050 ビジョン |
|
|
原材料調達時CO₂ 排出量削減 Scope3 Category1 |
原単位 |
2016年 |
▲12.6% (日本) |
▲14.3% (日本) |
▲4.1% |
▲5.9% |
▲17% |
CO₂排出 “0”社会の実現 |
|
製造時CO₂ 排出量削減 Scope1,Scope2 |
▲35.2% |
▲38.6% |
▲55.4% |
▲57.8% |
▲34% |
|||
|
使用済み商品 廃棄処理時CO₂ 排出量削減 Scope3 Category12 |
▲11.6% (日本) |
▲14.2% (日本) |
▲35.1% |
▲37.0% |
▲26% |
|||
>>Kyo-sei Life Vision 2030「地球の健康を守る・支える」
|
指標 |
2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
2030年度目標 |
|
事業展開に用いる全ての電力に 占める再生可能電力の比率 |
7.3% |
11.0% |
22.8% |
100% |
>>当社グループにおけるScope別、カテゴリー別CO₂排出量 (千ton)
|
Scope |
カテゴリー |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
備考 |
|
Scope1 |
直接排出 |
|
|
|
|
|
Scope2 |
エネルギー起源の 間接排出 |
|
|
|
|
|
Scope3(注)1 |
1 購入 |
3,781.6 |
3,774.1 |
3,400.5 |
|
|
2 資本財 |
140.6 |
85.2 |
100.8 |
|
|
|
3 その他燃料 |
62.2 |
59.1 |
52.9 |
|
|
|
4 上流輸送 |
364.2 |
376.4 |
348.5 |
|
|
|
5 事業廃棄物 |
43.1 |
45.0 |
28.7 |
|
|
|
6 従業員の出張 |
2.1 |
2.1 |
2.1 |
|
|
|
7 従業員の通勤 |
12.5 |
12.7 |
13.1 |
|
|
|
8 上流のリース資産 |
- |
- |
- |
(注)2 |
|
|
9 下流輸送 |
108.3 |
110.5 |
111.3 |
|
|
|
10販売した製品の加工 |
- |
- |
- |
(注)2 |
|
|
11製品の使用 |
- |
- |
- |
(注)2 |
|
|
12販売した製品の廃棄 |
2,033.4 |
2,138.0 |
1,896.3 |
|
|
|
13下流のリース資産 |
- |
- |
- |
(注)2 |
|
|
14フランチャイズ |
- |
- |
- |
(注)2 |
|
|
15投資 |
40.2 |
39.6 |
34.7 |
|
|
|
Scope3合計 |
|
|
|
|
|
|
合計 |
7,088.9 |
7,128.8 |
6,395.0 |
|
|
2024年度の実績は2025年5月発行予定の当社「
(注)1.海外分はScope3-1、3-2、3-3、3-5、3-6、3-7、3-12は活動量から算出しましたが、その他のカテゴリーは売上高比率による推計値としています。
2.対象となる業務はありません。
(3)人的資本
文中の将来に関する事項は、提出日時点において当社グループが判断したものです。
①ガバナンス
当社グループの人材育成については、社長執行役員を最高責任者として、グローバル人事総務本部が中心となり、「BOP-Ship※1を体現できる『共振人材』を世界中で育成する」ことを基本戦略として経営層へ定期的に報告し、承認を得て、グループ全体で人材育成戦略・人事施策の立案・実行を行っています。各種人材育成戦略や人事施策は、関連部門の人事担当者及びグループ関係会社の人事部門等が連動し、グループ全体に展開しています。
※1 BOP-Ship(ビーオーピーシップ):当社グループの活動の根幹を成す価値観
Best Practiceship(ベストプラクティスシップ):ベストプラクティスを集め、今までのこだわりを捨て、常にアップデートし、そのときの最高のものをスピード重視で取り入れていくこと
Ownership(オーナーシップ):何事も“自分事”として捉え、主体的に考え行動し、困難を突破していくこと
Partnership(パートナーシップ):利他の心で常に仲間と協働を重んじること
②戦略
当社グループ社員一人ひとりの「三つの豊かさ」を追求することを、人材育成の基本方針としています。「三つの豊かさ」とは、「志」「経済」「心と体」を指し、それぞれにバランスよく施策を運用することが肝要と考えています。
「志の豊かさ」では、高く広い視座を持ち、仕事を通じて社会全体に貢献することを目指します。当社では「私のキャリアビジョン&キャリアプラン」という独自のフォーマットを用いて、社員一人ひとりが主体的に自身のキャリア開発の計画を立案します。具体的には、まずは自身の価値観や大切にしたい事柄などを棚卸しし、これに基づいて10年後、3年後の「ありたい姿」をライフビジョンとキャリアビジョンに描きます。その後、そのビジョンを実現するためのキャリアプランを立案します。この際、社員一人ひとりの自己実現を支援するべく、各種教育メニューの充実を図り社員の学習意欲や成長意欲を高めるようにしています。
「経済の豊かさ」においては、常に業界トップクラスの報酬制度を構築・運用し、さらには中長期的なインセンティブが働くよう、譲渡制限付株式報酬制度を導入するなど、社員とのエンゲージメントの醸成・強化に努めています。
「心と体の豊かさ」においては、年1回の健康診断をはじめとした社員の健康維持・増進のためのさまざまな施策に加えて、メンタルヘルス対策に関する研修や、ストレスチェックによるモニタリングを通じて、社員が心身ともに健康で安心して働くことができる職場環境の整備に努めています。
以上のような取り組みを通じて、多様な人材がそれぞれの強みを最大限に発揮できる働きがいのある職場にすることによって、多様な人材一人ひとりを業績の達成と企業価値向上につなげるべく、人的資本への投資強化を推進しています。
>>ユニ・チャーム独自の経営手法「共振の経営」
当社グループは「共振の経営」と名付けた独自の経営手法を展開しています。具体的には「社員一人ひとりが革新の震源となり、個々の振動がより大きく会社全体で共鳴・変化しあい、それぞれのビジョンを実現できる企業経営の実践及び企業文化を創造すること」です。「共振の経営」の実践によって、経営陣は現場の生の情報や本音に頻度・鮮度良く触れることができ、現場の社員は経営陣との対話を通じて「経営者の視点、視座、時間軸」を学ぶことができるなど、それぞれに理解が進みます。こうして現場の社員と経営陣が目的や目標をしっかりと共有することによって、厳しくも心地よい一体感が醸成されます。このような、日々の工夫や知恵が現場と経営の間を行ったり来たりする「振り子」のような共振を目指しています。
>>人材育成プラットフォーム「KYOSHIN」
人材育成には、上司の適切な指導が欠かせません。この指導力をグループ全体で高めるべく、人材育成プラットフォーム「KYOSHIN」を2021年から運用しています。「KYOSHIN」の活用により、育成者による指導のバラつきを是正し、社員一人ひとりの成長履歴が確認できる体制をグローバル全体で整えています。具体的には「KYOSHIN」上に設定したフォーマットに半期毎に目標を入力し、上司は面談で内容を確認した後に承認します。その後、四半期ごとの面談で進捗確認とフィードバックを行います。上司と部下のコミュニケーションの頻度と質を高め、高い目標にチャレンジすることへの理解と納得を促すとともに、人材育成力を組織的に強化しています。
③リスク管理
>>OODA-Loop(ウーダループ)メソッド
当社グループは、2003年よりPDCAサイクルを主体的に回し、目標完遂に自発的に取り組む「SAPS経営モデル」を運用し、社員の能力向上と組織力向上に活用してきました。しかしながら、環境変化が常態化した今日においては、より機敏に変化に対応するモデルへの修正が必要となりました。
このような課題認識に基づき、2019年に「SAPS経営モデル」から「OODA-Loopメソッド」へと、アップグレードを図りました。
「OODA-Loop」とは、「現状観察(Observation)」によって変化を素早く察知し、適切な「状況判断(Orientation)」と「意思決定(Decision)」を行い、「行動(Action)」に移すという一連の流れをループを描くようにくり返しながら「やり方自体」を常に見直し、抜本的に変革を続ける仕組みです。この「OODA-Loop」を回すことによって、環境変化に素早く適応した状況判断と意思決定に基づく行動を自律的に行える人材を育成しています。
④指標及び目標
>>ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社グループは、「ユニ・チャームグループ行動憲章」に則り、多様な人材が国籍・人種・宗教・性別・性的指向・年齢・家系・障がいの有無などの違いを認め、互いに尊重し合うことで、個性や能力を最大限に発揮し、活躍できる企業を目指しています。
1.女性の活躍推進
当社は、性別に関係なく、どのようなライフステージにおいても常に活躍できる職場環境と人事制度の整備を進めています。また、若手社員の交流会など、女性活躍推進に向けた取り組みを強化しています。
女性社員のネットワークづくりにつながる支援策として、2021年度に女性メンター制度「Room L+(ルームエルプラス)」を開始し、メンタリングや座談会を通じてキャリアやライフの悩みの払拭・解消につなげています。産休や育休からの復帰を準備する社員を対象とした「産休育休Room L+」も設置し、職種に合わせた情報交換の場を提供し復職後の安心感を醸成しています。さらに、女性の部門長・役員候補者への個別支援として「エンパワーメント制度」を導入し、育成責任者(直属の上司)ではない執行役員との1対1での面談を実施するなど、情報交換会を通じて、役員候補者の育成を推進しています。2023年度からは、社長と女性リーダーのランチ会を開催し、経営トップとの直接対話で経営者の視座を学ぶ機会を設けています。
>>Kyo-sei Life Vision 2030「ユニ・チャーム プリンシプル」
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指標 |
2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
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女性社員にさまざまな機会を提供 することによる管理職における 女性社員比率 |
22.5% |
23.2% |
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>>女性活躍推進関連実績
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2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
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36.8% |
35.8% |
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3.7% |
3.4% |
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2名 |
2名 |
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14名 |
12名 |
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2024年度の実績は2025年5月発行予定の当社「
(注)対象役員は、取締役(Director)、監査役とし、国内外問わず社外取締役・社外監査役を含めて選任された役員
但し日本においては、2023年11月に政府が公表した「女性版骨太の方針2023」に準じ、執行役員を含む。
2.多様な国籍の社員の採用と管理職登用
さまざまな国・地域で展開している現地法人では、経営幹部・管理職ともに、海外現地法人で採用された現地社員を中心としています。また、日本においても国籍・人種を問わない人材採用と幹部社員への登用を進めています。グループ全体でグローバルな人材交流を実施し、国籍・人種を問わず活躍できる体制づくりと、企業文化の醸成に努めています。
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2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
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45.5% |
52.2% |
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2024年度の実績は2025年5月発行予定の当社「
3.経験者採用と管理職登用
当社では、多様な経験やスキル、専門知識を有する経験者採用を進めています。経験者採用で入社した社員は、能力発揮や適性などを見極めつつ、積極的に管理職への登用を推進しています。また、家庭の事情等を理由に当社を一度退職した社員の再雇用も進めています。
4.障がい者雇用の促進
障がいの有無にかかわらず、意欲ある人材を積極的に雇用し、一人ひとりが能力を発揮し、成長意欲を充足できる職場を目指しています。具体的には、それぞれの能力と意欲に合わせた適切な目標設定を行い、成果を期待することによって、チームで達成感を味わう組織風土づくりを推進しています。2023年には、本社オフィスでマッサージルームを新設し、視覚障がいがあり国家資格を持つ専属のあん摩マッサージ指圧師を採用しました。
職場環境においては、スロープや手すりの設置、動線上の障害物の撤去による移動の安全確保、メールやチャットを用いた業務指示の配慮など、障がいの特性に応じて、一人ひとりが能力を発揮できる適切な労働環境の提供に努めています。
また、ユニ・チャーム株式会社の水戸サテライトオフィスでは、障がいのある社員がスキャン業務等に従事しています。
5.年齢を問わず活躍できる職場
50代社員を対象に、これまでのキャリアを棚卸しし、Will(やりたいこと)・Can(できること)・Must(やらなければならないこと)を明確にした上で、異なる部門に応募することができる「Re-Create」制度を導入しています。また、定年を迎えても、次世代の社員へ技術やノウハウを伝承できるよう、能力を活かして働き続けられる環境を整え、継続勤務を希望したベテラン社員をプロフェッショナル社員として引き続き雇用しています。
これまでの経験・スキル・知識、新たに身につけたスキル・知識等を活かせる職務役割に応じて処遇を決定し、職務内容と処遇の一致を図っています。なお、プロフェッショナル社員の処遇決定においては、発揮し得る能力の市場での評価を参照しています。また、この雇用による若年層の採用への影響はありません。
6.性的指向への配慮
社員一人ひとりの性的指向や性自認を含む多様な性を尊重し、自分らしい環境で能力を発揮できる職場環境を整備しています。2022年に「ハラスメント防止規程」を見直し、SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity/性的指向・性自認)・ハラスメントの禁止規定を追加した他、性的マイノリティへの理解を深めるためにeラーニングや階層別研修での啓発を進めています。
2023年は、ダイバーシティ&インクルージョン教育の一環として、性的マイノリティに関する基礎知識を深めるためのeラーニング、ハラスメントについて具体例を紹介し自分事として考えるためのeラーニング、アンコンシャス・バイアスについて動画を視聴しスクラム※2単位で事例や対処の仕方について話し合う勉強会を実施しました。また、2024年には、性的マイノリティも異性婚と同様の福利厚生を受けられるように「同性パートナーシップ制度」を導入するとともに、「アンコンシャス・バイアス勉強会」を開催し、無意識の偏見が組織に与える影響を知り、社員一人ひとりが自身の行動を見直す契機とすることで、多様性を活かす職場風土づくりを進めています。
※2 スクラム:グループや課といった最小単位の組織
>>優れた人材の育成・能力開発
当社グループは、人事理念に「企業価値の源泉は人にあり」を掲げており、これを具現化し続けるには次世代を担う人材育成が欠かせません。このため当社では、デジタル技術を駆使した教育プログラムを充実させ、いつでもどこでも学習できるようにサポートすることで、社員の自主性を尊重しつつ、一人ひとりが自分の夢やありたい姿に向かって自己研鑽に取り組める人事施策を拡充し、事業を通じて自然環境問題や社会課題の解決に貢献できる人材の創出につなげています。具体的には、社員の仕事に関する意識や満足度などを確認することを目的に、グループ全社で「社員意識調査」を毎年実施しています。海外現地法人で働く社員からも回答を得られるように8つの言語に翻訳し、継続的に調査することで、社員の活性化や、組織改革に活かすことはもちろん、さまざまな人事・経営施策を検討する際の参考にしています。当社は、「仕事を通じて社員が育ち、社員の成長によって業容が拡大する」といった好循環を目指しています。そのため、「社員意識調査」を活用して「仕事を通じた成長実感における肯定的な回答」の比率を確認しており、2023年は88.7%でした。
>>Kyo-sei Life Vision 2030「ユニ・チャーム プリンシプル」
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指標 |
2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
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81.4% |
89.2% |
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2024年度の実績は2025年5月発行予定の当社「
>>リスキリング
仕事も環境も激しく変化するVUCA時代において新たな価値を創出するには、これまで以上に最新情報を学び続けることが重要です。
当社グループでは、全社員がデジタルを武器として課題解決できる人材に成長する土台づくりを実現するため、2023年度は営業社員を対象に「Python中級研修」を開催し11名が修了しました。さらに、ITのリテラシーを高めDX人材創出の底上げと資格取得を目標にリスキリングを推進するため、「ITパスポート」の取得を奨励し、資格取得者にはスキル手当を支給しています。2023年度は、200名を超える社員が「ITパスポート」を取得しました。
また、AIの基本的な活用方法を学び、業務で効果的に活用することを目的に、DX eラーニング「クイズで学ぶAI活用術」を2023年度は4回実施しました。ユニ・チャーム株式会社社員の72.5%、国内グループ社員の61%が受講し、生成AIの利用率が高まっています。
さらには、社員一人ひとりに成長機会を提供するために、時間や場所に縛られず自分のペースで受講できるオンライン学習プラットフォーム「LinkedIn Learning」を日本および12の現地法人で導入しており、2023年度は3,000名以上の社員が利用し、一人当たりの年間平均学習時間は約4.5時間でした。
今後も社員が継続的に学習し、スキル習得等の意欲を維持できるよう定期的な情報発信を行います。
>>社員の能力開発にあてられた時間/費用
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2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
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45,018時間 |
49,824時間 |
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4,200万円 |
8,400万円 |
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一人当たり研修日数 |
3.9日 |
4.4日 |
3.5日 |
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一人当たり研修時間 |
31時間 |
35時間 |
28時間 |
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一人当たり研修費用 |
28,669円 |
58,618円 |
42,119円 |
2024年度の実績は2025年5月発行予定の当社「
>>職場の健康と労働安全システムの構築
当社グループが「『共生社会』の実現に貢献する」には、社員が健康でいきいきと活躍することが不可欠です。このため、健康診断をはじめとするさまざまな健康管理に関する取り組みや、メリハリのある働き方の推進、メンタルへルスケアなどを通じて、社員が心身ともに健康で、最大限に能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。
具体的には、健康診断や体力測定会、パーソナルストレッチなどの社員の健康維持・増進に加え、毎月健康に関する旬なテーマをとりあげた「健康ラボニュースレター」を発行し、健康維持のポイントやメンタルヘルス維持のための情報提供、身体活動量の低下を防ぐための適度な運動推奨などを行っています。このような活動を通じて社員の健康リテラシーを高め、自らの健康を維持・増進できるように取り組んでいます。また、社員の健康を管理する状況から、さらに一歩踏み込み「予防」へと移行するために、メンタルヘルス対策に関する研修の実施や、ストレスチェックを年に1回実施しています。ストレス度合が高い社員を早期に発見し、産業医や保健師の健康相談につなげることで、社員が心身ともに健康で安心して働くことができる職場環境の整備に努めています。
当社グループは、経営の基本方針(1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針をご参照下さい)としております企業活動の遂行・達成に影響を及ぼす様々なリスクを適切に把握し、その未然防止及び発生時の影響最小化と再発防止を、経営における重要な課題と位置付けております。その上で、当社全体のリスクマネジメント体制を構築し、「企業価値に影響を与えうる不確実性(事象)」をリスクと定義し、戦略リスク、重要なオペレーショナルリスク、オペレーショナルリスクの3つに区分し、管理しています。
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区分 |
定義 |
管理方法 |
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戦略リスク |
経営戦略、事業計画その他のユニ・チャーム株式会社の取締役会が決定する重要戦略・事項の決定又は実行に影響を与えるリスク |
取締役会における決議の際に、リスクを考慮したうえで重要戦略・事項の決定を行います。また、決定後の状況については、定期的に取締役会への報告又は全取締役による討議を実施し、取締役会がモニタリングします。 |
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重要なオペレーショナルリスク |
顕在化した場合に当社グループの事業遂行やレピュテーションを著しく阻害するおそれがあるリスク |
ESG本部が深刻度(影響度×発生可能性)及び対応準備度を取りまとめます。経営監査部のCSA(Control Self-Assessment)、業務監査結果を対応準備度として考慮します。深刻度の変化、対応準備の方針に問題はないか等の観点で定期的に検証の上、1年に1回以上取締役会へ報告を行い、取締役会がモニタリングします。 |
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オペレーショナルリスク |
日常の事業活動において定められた方針、規程、ガイドライン、業務プロセスを遵守すること等により、許容できる範囲内に防止・軽減できるリスク |
担当執行役員が責任をもってリスク管理を行い、リスクを踏まえた経営資源の配分や経営判断を実行します。 |
(1)リスクマネジメント体制
当社グループでは、下記図の通りリスクマネジメント体制を構築しています。ユニ・チャーム株式会社の取締役会の監督の下、代表取締役社長執行役員は、ユニ・チャームグループのリスク管理に関する基本的な方針を決定します。また、効果的かつ効率的なリスク管理が行われるようにするため、ユニ・チャーム株式会社の執行役員に必要な権限、責任ならびに経営資源を割り当てるとともに、ESG本部は当社グループ全体のリスク情報を取りまとめ、取締役会へ定期的な報告を行います。また、独立した内部監査部門を設置し、これらを監督する体制としています。
(2)戦略リスク及び重要なオペレーショナルリスクの状況
戦略リスク及び重要なオペレーショナルリスクは、1年に1回以上見直し、取締役会へ報告が行われます。当連結会計年度において特定した戦略リスク、重要なオペレーショナルリスク、並びにこれらの対応策は以下のとおりです。
①戦略リスク
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戦略目的 |
既存市場の成長牽引、市場シェアの拡大、既存市場での収益確保 |
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リスク事象・影響 |
市場の縮小や市場シェアの喪失が売上・利益に影響を及ぼすおそれがあります。 |
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要因 |
・競争的な市場環境(例:競合企業の低価格攻勢) |
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リスクアペタイト |
市場の縮小を招きかねない価格競争は回避します。ブランド価値毀損のおそれがある場合を除き、成功・不成功が不確実な場合であっても、商品やブランドの差別化戦略を推進します。 |
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対応策 |
・商品・サービスの差別化 ・コスト効率性の向上 |
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戦略目的 |
新市場(新規国・地域、新規事業分野)への参入及び売上拡大 |
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リスク事象・影響 |
特定の国・地域に適した製品を提供できず、販売機会の損失に影響するおそれがあります。 |
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要因 |
・新市場における既存の競合企業の優位性 ・新市場に関する専門性や必要な経営資源(有形・無形)の不足 ・既存のR&Dおよび製造基準の遵守 |
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リスクアペタイト |
ブランド価値を毀損するおそれがある事項については、目的の重要性やブランド価値への影響を考慮して慎重に判断します。新市場への参入時の財務的な成功に関するリスクアペタイトは中程度です。 |
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対応策 |
・対象地域や参入カテゴリーの精査 ・独自性のある商品開発、開発スピードの向上 ・新市場の顧客のための設計・品質基準の確立 |
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戦略目的 |
コーポレートブランドの強化 |
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リスク事象・影響 |
ステークホルダーの共感を得られない商品、サービス、オペレーション(例:低品質、高環境負荷)がブランド価値に影響するおそれがあります。 |
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要因 |
・ステークホルダーに対する配慮不足 ・不適切なマーケティングコミュニケーション(例:グリーンウォッシュ等) |
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リスクアペタイト |
ブランド価値を毀損するおそれがある事項については、目的の重要性やブランド価値への影響を考慮して慎重に判断します。ブランド価値を向上させる商品、サービス、オペレーションに対しては、財務的な成果が不確実であっても、積極的に経営資源の配分を行います。 |
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対応策 |
・女性を起点とした商品の提供 ・リサイクルモデルの拡大 ・効果的なマーケティングコミュニケーション |
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戦略目的 |
ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の最大化 |
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リスク事象・影響 |
不十分なカテゴリー・ブランド横断マーケティングが、顧客のリテンション、ロイヤリティ、及びライフタイムバリューに影響するおそれがあります。 |
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要因 |
・商品ラインアップの空白 ・長期的な顧客との関係構築を可能とするビジネスモデルの欠如 |
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リスクアペタイト |
ブランド価値を毀損するおそれがある事項については、目的の重要性やブランド価値への影響を考慮して慎重に判断します。顧客のリテンション、ロイヤリティ及びライフタイムバリューを高めるため、単独で見ると財務的な成果が不確実な場合であっても、積極的に経営資源の配分を行います。 |
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対応策 |
・生理管理アプリ『ソフィBe』を通じた新たな顧客体験価値の提供 ・新領域の研究開発、新セグメント創造 ・カテゴリー・ブランド横断のマーケティングプラン開発 |
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戦略目的 |
デジタル技術及びデータの活用 |
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リスク事象・影響 |
デジタル技術及びデータ活用の劣位が競争劣位につながるおそれがあります。 |
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要因 |
・データ収集を可能とするビジネスモデルの欠如 ・保有しているデータを分析し意思決定に活かすためのデータ基盤整備の遅れ |
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リスクアペタイト |
情報セキュリティリスク・個人情報漏洩リスク等の最小化を図ります。財務的な成果が不確実であっても、データ基盤整備のために積極的に経営資源の配分を行います。 |
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対応策 |
・データ基盤の構築・改良 |
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戦略目的 |
スピード優位性の確保 |
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リスク事象・影響 |
意思決定や実行スピードの遅れが競争劣位につながるおそれがあります。 |
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要因 |
・個人のインサイト発見能力の欠如 ・迅速に実行する組織能力の欠如 |
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リスクアペタイト |
競合企業に対してスピード優位に立つための手段を積極的に講じます。 |
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対応策 |
・多様な経験を促進する人事制度 ・OODAループメソッド ・リスク管理態勢の高度化 |
②重要なオペレーショナルリスク
重要なオペレーショナルリスクは、影響度、発生可能性、対応準備度の観点で評価を行い、残余リスク状況に応じて優先順位付けをして対応しています。
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項目 |
サイバーセキュリティ |
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説明 |
サイバー攻撃によるデータの漏えいやシステムの停止・誤作動が、損害賠償責任の負担、復旧・対応費用の発生、オペレーションの混乱・停止に伴う逸失利益、中長期的な信用失墜をもたらすリスクがあります。 |
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評価 |
影響度 |
3 |
発生可能性 |
3 |
残余リスク |
3 |
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サイバー攻撃が世界的に活発化していること、当社がデータを積極的に活用する戦略を推進していることから、サイバーセキュリティ・リスク管理の重要性が高まっています。 |
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リスクアペタイト |
「サイバー空間における先進的なセキュリティ管理の体制構築に積極的に取り組みます。」と定めるユニ・チャームグループ行動憲章に従って、リスクの最小化を目指します。 |
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対応策 |
2024年1月に情報セキュリティ規程を改正し、国内外全てのグループ会社が満たすべき基準を明文化しました。また、2024年7月には情報セキュリティ部を新設しました。2024年を通じて、グループ全体のリスク評価をアップデートし、ウェブサーバのセキュリティ対策、インシデント対応マニュアルの整備など最優先で取り組むべき対策を進めました。2025年は、引き続き、IT資産・構成管理の強化、早期検知の強化、グループ会社のリスク管理体制・インシデント対応体制強化などを推進します。 これらの取組みのマネジメントについては、四半期ごとに開催される情報セキュリティ委員会で、セキュリティ・インシデントの共有、対策の優先度や対応方針の審議などを行うとともに、1年に1回以上、課題や取組み状況を取締役会に報告します。 |
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項目 |
個人情報保護 |
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説明 |
個人情報の外部流出のリスクは、損害賠償の負担、中長期的な信用失墜をもたらすリスクがあります。 |
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評価 |
影響度 |
3 |
発生可能性 |
3 |
残余リスク |
3 |
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サイバー攻撃が世界的に活発化していること、当社がデータを積極的に活用する戦略を推進していることから、個人情報外部流出リスクが高まっています。 |
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リスクアペタイト |
「当社は、お客様の個人情報を扱う際には、プライバシーの侵害が生じないよう、適切に取得、利用、管理、廃棄します。」と定めるユニ・チャームグループ行動憲章に従って、リスクの最小化を目指します。 |
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対応策 |
個人情報外部流出には、不注意によるもの、不正持ち出しによるもの、委託先の要因によるもの等、発生要素が様々です。これらを踏まえ、当社グループ内における個人情報取扱規程の改定やグループ各社の個人情報の取扱状況の調査・必要な是正を行った上で、発生要素に見合った個々に対応策の強化をグループ各社で進めています。 |
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項目 |
気候変動 |
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説明 |
炭素税の導入、ならびに税率の引き上げ、エネルギー価格の大幅な変動による操業コストの上昇と、原材料価格の高騰による調達コスト上昇をもたらすリスクがあります。また、温室効果ガス排出量削減を考慮しない商品開発は、中長期的な信用失墜をもたらすリスクがあります。 |
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評価 |
影響度 |
2 |
発生可能性 |
2 |
残余リスク |
2 |
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地球温暖化により異常気象の発生頻度が世界的に増加していること、企業の持続的成長の観点から気候変動に関するリスク管理の重要性が高まっています。 |
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リスクアペタイト |
「地球温暖化を抑制するために、バリューチェーン上の温室効果ガスを可視化し、正しく把握し、削減に取り組み、排出量ネットゼロの実現を目指します。」と定めるユニ・チャームグループ行動憲章に従って、リスクの最小化を目指します。 |
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対応策 |
資材別のGHG排出量の一次データを活用し、効率的な資材活用とGHG排出量削減を両立する商品開発を進めます。また、持続可能性に貢献する社内基準「SDGs Theme Guideline」に適合した商品の開発と販売を継続します。 省エネ機器の導入、機器の効率的運用によるエネルギー使用量削減を推進するとともに、事業展開に用いる全ての電力に占める再生可能電力比率100%達成を目指して、グループ会社内各拠点と切り替え計画に対するマネジメントを継続します。 |
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項目 |
為替変動 |
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説明 |
当該国・地域の規制、経済環境及び社会的・政治的情勢によっては、市場が大きく変化し当社の事業活動や保有資産の価値に影響を与える恐れがあります。在外連結子会社の当該国・地域通貨建での財務諸表は、連結財務諸表作成に際し円に換算されるため、円高時には当社の財政状態及び経営成績にマイナスの影響を与えるおそれがあります。 |
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評価 |
影響度 |
2 |
発生可能性 |
2 |
残余リスク |
2 |
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海外売上比率が6割を超える当社においては、為替変動に伴う影響がグループ全体の業績に及びます。 |
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リスクアペタイト |
「収益性の向上のため、知恵を出し合い行動し、株主の期待に応えます。」と定めるユニ・チャームグループ行動憲章に従って、リスクの最小化を目指します。 |
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対応策 |
原材料仕入を含めた外貨建取引や保有債権・債務を総合的に勘案した為替ヘッジにより、リスクの最小化に努めます。また、安定的な株主還元や当社内資金循環にも寄与するよう、投資予定を上回る資金を保有する在外連結子会社からは配当を積極的に実行し、在外資産の円高でのマイナス影響を抑制します。 |
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項目 |
不正・腐敗防止 |
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説明 |
横領、贈収賄、購買不正等のリスクは社内風土の悪化、企業価値の低下、中長期的な信用失墜をもたらします。 |
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評価 |
影響度 |
2 |
発生可能性 |
2 |
残余リスク |
2 |
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海外売上比率が6割を超える当社においては、海外子会社における不正での人的・財務的損失がグループ全体に及ぶことが想定されます。 |
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リスクアペタイト |
「当社は、人間尊重の精神と、高い倫理観を合わせ持ち、公正な企業活動を行います。」と定めるユニ・チャームグループ行動憲章に従って、リスクの最小化を目指します。 |
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対応策 |
子会社各社内で不正を防止するための制度、仕組みの見直しを通じた牽制機能強化ならびに、本社によるモニタリング体制を強化し、不正が発生する機会を低減できるように努めます。内部通報制度が有効に機能するように継続的に運用を改善し、また、グループ内でコンプライアンスに関する定期的なアンケート調査を行うことで、コンプライアンス遵守状況の掌握に努めます。 |
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項目 |
商品の信頼性 |
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説明 |
製品不良・設計不備のリスクはブランド毀損・売上低下をもたらす恐れがあります。また、不実表示、虚偽広告のリスクは損害賠償、刑事罰、ブランド毀損売上低下をもたらす恐れがあります。 |
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評価 |
影響度 |
2 |
発生可能性 |
2 |
残余リスク |
1 |
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近年、SNS の普及やデジタル化加速に伴う情報伝達のスピードが加速しかつ、誰もがどこでも情報を入手できる中で、企業にとって商品の信頼性維持はこれまで以上に重要となっています。 |
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リスクアペタイト |
「常に高度な安全性を追求し、お客様に安心して使っていただける商品・サービスを提供します。法令、業界自主基準、社内自主基準を遵守し、事実と異なる情報や、誤解を招く情報は提供しません。」と定めるユニ・チャームグループ行動憲章に従って、リスクの最小化を目指します。 |
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対応策 |
各国・地域における法規制に準拠した製品をお客様に提供するため、現地法人と密に連携をとり、各国・地域の法規制を網羅しかつ、品質や製品安全性の観点も加えた厳しい自社基準を設定し、グループ会社全体でその基準を遵守する運用としています。 正しい情報伝達のために、関連法規制遵守並びに、エビデンスに基づく適正な広告・表記となるよう、ゲート会議、表示審査の仕組みを設けて厳しいチェックを行っています。当社商品に関するクレームがあった場合は、その多少にかかわらず、迅速な原因究明や改善対処をし、商品の信頼性が低下しないよう体制を整えております。 |
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項目 |
災害・事故等インフラ |
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説明 |
大規模な自然災害・事故の発生時に、人的ならびに物的被害が生じ、経営に大きな影響を及ぼすリスクがあります。 |
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評価 |
影響度 |
2 |
発生可能性 |
2 |
残余リスク |
1 |
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気候変動に伴い異常気象現象が世界的に増加しており、予測を上回る災害や事故等の発生時における製造の継続、原材料の確保、商品の安定供給に向けた備えの重要性が高まっています。 |
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リスクアペタイト |
「災害、感染症、テロ等のリスクの発生時には、定められた危機管理マニュアルに従って、適切な行動をとります。」と定めるユニ・チャームグループ行動憲章に従って、リスクの最小化を目指します。 |
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対応策 |
自然災害・事故の発生を想定した対応体制の整備と社員の教育・啓発、定期訓練を行います。国内拠点のみならず、海外拠点におけるBCP強化を推進します。 設備については、グローバルでの防火基準を設定し、グローバルの各拠点において基準適合状況のチェックと継続的な改善を行っています。 |
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項目 |
特許、商標等知的財産権 |
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説明 |
当社の保有する知的財産権に関して、第三者等が何らかの侵害を行った場合、期待される収益が失われる恐れがあります。また、当社が認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害した場合、多額の損害賠償責任を負う可能性や当社の事業活動が制限される可能性があります。 |
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評価 |
影響度 |
2 |
発生可能性 |
1 |
残余リスク |
1 |
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|
グローバル化やデジタル化の進展に伴い、企業間の競争が激化し、技術革新が加速しています。このような環境下、特許・商標等の知的財産権の重要性はますます高まっています。 |
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リスクアペタイト |
「他者の知的財産権(特許権・意匠権・商標権・著作権等)を尊重します。」と定めるユニ・チャームグループ行動憲章に従って、リスクの最小化を目指します。 |
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対応策 |
第三者等の特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう、及び、表示法に違反する広告物等が発生しないよう、商品開発、コミュニケーション開発の段階で侵害予防調査を実施しています。また、 開発部門、マーケティング部門に対して、特許、意匠、商標、表示法等に関するOJT、勉強会など社内コンプライアンス教育を実施しています。 第三者による当社の知的財産件権の侵害、当社への不当な権利行使に対しては訴訟など断固とした姿勢で臨みます。 |
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<重要なオペレーショナルリスクの評価方法>
・影響度:人的リソースへの影響、有形/無形資産への影響、金額的な影響、レピュテーションへの影響などを考慮し、3段階(3:深刻な影響、2:一定程度の影響、1.軽微な影響)で評価しています。
・発生可能性:発生頻度を3段階(3:顕在化している、2:3年以内に顕在化する可能性がある、1:顕在化可能性が低い)で評価しています。
・残余リスク:影響度及び発生可能性並びに対応準備度(対応策の整備が不十分である、対応策は部分的に整備されている、対応策は概ね整備されている)を考慮し、3段階で評価しています。
(1)経営成績等の状況の概要
コア営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した利益であり、IFRSで定義されている指標ではありませんが、当社グループの経常的な事業業績を測る指標として有用な情報であると考えられるため、自主的に開示しております。
①財政状態及び経営成績の状況
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前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
売上高 |
941,790 |
988,981 |
47,191 |
5.0 |
|
コア営業利益 |
127,974 |
138,463 |
10,489 |
8.2 |
|
税引前当期利益 |
132,308 |
134,537 |
2,229 |
1.7 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
86,053 |
81,842 |
△4,212 |
△4.9 |
|
基本的1株当たり当期利益(円) |
48.47 |
46.41 |
△2.1 |
△4.3 |
(注)当社は、2025年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を実施しました。当該株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定して、基本的1株当たり当期利益を算定しております。
当連結会計年度の業績は、売上高988,981百万円(前連結会計年度比5.0%増)、コア営業利益138,463百万円(前連結会計年度比8.2%増)、税引前当期利益134,537百万円(前連結会計年度比1.7%増)、当期利益95,227百万円(前連結会計年度比2.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益81,842百万円(前連結会計年度比4.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(a)パーソナルケア
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|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
売上高(注) |
789,238 |
826,100 |
36,862 |
4.7 |
|
コア営業利益 |
103,368 |
110,883 |
7,516 |
7.3 |
(注)外部顧客に対する売上高
●ウェルネスケア関連商品
海外においては、大人用排泄ケア用品の需要が高まっているタイやインドネシア、ベトナムなどの東南アジア地域で、商品ラインアップの拡充やパッド型と紙パンツの併用などによる日本式ケアモデルの普及促進に努めました。日本以上のスピードで高齢化が進行し、大人用排泄ケア用品の対象人口が多い一方で、専用品の認知や普及が進んでいない中国では、現地のニーズを捉えた商品ラインアップで積極的なマーケティング投資を継続しました。
国内においては、“できるはふやせる、ひとつずつ。”の想いのもと、健康寿命の延伸につながる軽度・中度商品を中心に豊富なラインアップで消費者の多様なニーズに応え続けました。なかでも軽い尿もれ専用品の軽度商品では、「夜用」をラインアップに加え、軽度商品の認知拡大に努めた結果、高い売上高成長を実現しました。また、中度商品でも引き続き好調な、ウエスト部分に“超音波接合”に関する特許技術を搭載した紙パンツに加え、世界で初めて※1の特許技術である「ピタッと足周りまで吸収体」※2を搭載した夜用紙パンツを発売するなど、幅広い消費者ニーズに応え、高い売上高成長を実現しました。
マスクカテゴリーにおいては、『超快適』・『超立体』両ブランドの多様な商品ラインアップで市場の活性化を図りました。引き続き、感染症や花粉対策としての需要が高まる秋から春に向けて、消費者ニーズを捉えた商品ラインアップで市場シェアの拡大を目指します。
※1 主要グローバルブランドにおける大人用パンツおむつ対象(2024年4月ユニ・チャーム㈱調べ)
※2 吸収コアの両側縁と重なる一対の着色領域と、その間の非着色領域を有し、吸収コアは長手方向中央部で防漏ギャザーの幅方向最内端よりも広く、着色領域の着色部より肌面側のシート資材数は非着色領域のそれ以下である構造
●フェミニンケア関連商品
海外においては、クールタイプナプキンやショーツ型ナプキンなど地域の特性や消費者ニーズに応じた独自性のある高付加価値商品を開発し、他の国・地域へ順次横展開することで高い売上高成長を実現しました。
中国では、景気の先行きに対する不透明感が続くなか、流通在庫は低水準で安定的に推移しています。このような状況のなか、3月8日の婦人節イベントを皮切りにプレミアム商品で多くの新商品を継続的に投入しました。特に、新コンセプトの昼用ショーツ型ナプキンは高い評価を受け、安定的な売上高成長を実現しました。また、厳しい雇用環境が続く若年層を中心にお手頃価格の商品への需要が高まっていることを踏まえ、お手頃価格のショーツ型ナプキンを発売するなど、消費者ニーズへの対応を強化しましたが、2024年11月に発生した生理用品の品質に関する報道と、それにともなう消費者の慎重な購買行動の影響を一部で受けました。
引き続き、日々変化する消費者ニーズに迅速かつ的確に対応した商品戦略を進めるとともに、沿岸部の都市部を重点に販売エリアと取扱店舗の拡大に注力します。また、成長著しいクイックコマースなどの新たな販売チャネルを活用した販売強化を図り、消費者満足度の向上及び市場シェアの拡大を目指します。
タイ、インドネシア、ベトナムといったアジア地域では、清涼感のあるつけ心地を実現したクールタイプナプキンや活性炭配合のナプキンなどの高付加価値商品の展開を進め、安定した売上高成長を実現しました。
インドでは、生理用品の普及率が依然として低い状況にあるなか、都市部を中心にアンチバクテリアをコンセプトにした商品や、使用実態や経済状況を踏まえたフラットタイプ商品の導入など、現地のニーズに応じた商品ラインアップの拡充と取扱店舗数の拡大を進めた結果、売上高は大きく成長し、収益性が改善いたしました。
中東では、現地の習慣を捉えたオリーブオイルを配合した新商品などへの積極的なマーケティング投資により、サウジアラビア国内販売が順調に推移したほか、近隣諸国への輸出も伸長しました。
国内においては、対象人口が減少傾向にあるなか、健康意識や安心志向の高まりに合わせた高付加価値商品の展開を進めました。また、店頭での陳列提案に加え、SNSを活用した消費者との継続的なコミュニケーション戦略を推進した結果、高い売上高成長を実現しました。さらに、ホルモンの変化に着眼することで体調をモニタリングする生理管理アプリ『ソフィBe』のサービスを開始しました。女性を取り巻く環境や価値観が変化し、ライフスタイルが多様化するなか、女性一人ひとりが自ら心身の管理を行い、健康と生活の質を向上させることができるよう、生理期だけではなく女性の毎日をトータルでサポートすることでライフタイムバリューの最大化を目指します。
●ベビーケア関連商品
海外においては、当社の強みとなるパンツタイプ紙おむつを中心に普及促進と独自性のある商品展開を進めました。参入国のなかでも紙おむつの普及率が低いインドでは、パンツタイプ紙おむつの普及促進と販売エリアの拡大に努めた結果、高い売上高成長と収益性の改善を実現しました。
タイ、ベトナム、インドネシアなどの市場では、eコマースを活用した新興企業による価格攻勢が続き、市場の伸び悩みが見られる状況下において、当社は、プレミアム志向層と価格志向層、それぞれの消費者ニーズに応じた商品を展開する2ブランド戦略を推進しました。また、eコマースの強化を図り、収益の確保に努めました。
ベトナムでは、昨年、世界初※3の片側が開閉できる新生児用パンツタイプ紙おむつを発売し、紙おむつの認知向上と使用開始を早める施策を展開しました。さらに8月には価格志向層向けに高月齢期サイズの商品を追加し豊富な商品ラインアップで多様なニーズに応えました。また、社内に配信スタジオを開設し、急速に成長するeコマースへの対応を進めました。
中国では、少子化の進行とローカル企業の台頭が著しく厳しい競争環境が続いているなか、中国ならではのニーズを捉えた新たなコンセプトの中国製プレミアム商品『ムーニー』ブランドへのシフトを進めた結果、収益性が改善しました。引き続き、中国消費者のニーズを捉えた独自価値の商品を展開することで消費者満足度の向上と収益性の改善を目指します。
サウジアラビア国内販売に加えて近隣諸国への輸出も堅調な中東では、現地の習慣を捉えたオリーブオイルを配合した新商品などへの積極的なマーケティング投資を継続し、高い売上高成長と市場シェアの拡大を実現しました。
少子化が進行し市場が縮小傾向にある国内においては、“笑顔あふれる育児生活”という事業理念のもと『ムーニー』と『マミーポコ』の2ブランドで価値伝達を続けてきました。『ムーニー』では、昨年新生児・Sサイズに搭載した、初めてのおむつ替えでも正しく簡単に装着できる「おしりガイド」が好評であることに加え、パンツタイプでは「肌にやさしいこと」と、「モレないこと」を両立した商品を発売し、高い売上高成長を実現しました。『マミーポコ』では2022年に発売した「夜用」の販売が引き続き好調に推移し、国内のベビーケア関連商品は安定した売上高成長と収益性の改善を実現しました。
また、BABY JOB株式会社と協働で展開する「手ぶら登園Ⓡ」※4を導入している保育施設を対象に、使用済みの紙おむつから取り出した「再生パルプ」を使用した施設専用品の導入を進めるなど、商品とサービスの両面で消費者の満足度向上と環境負荷低減に積極的に取り組みました。
この結果、パーソナルケアの売上高は826,100百万円(前連結会計年度比4.7%増)、セグメント利益(コア営業利益)は110,883百万円(前連結会計年度比7.3%増)となりました。
※3 主要なグローバルメーカーで販売されるベビー用パンツタイプ紙おむつブランドにおいて、片方の胴回りの側面が開閉可能で、なおかつ、他方側の長さより長い構造体(2022年10月ユニ・チャーム㈱調べ)
※4 「手ぶら登園Ⓡ」とは、保護者が紙おむつやおしりふきを準備する手間や、かさばる荷物を持っての登園、保育士による紙おむつやおしりふきの管理業務など、保護者と保育士双方の負担を軽減する保育施設向けの定額制サービス
●Kireiケア関連商品
当期よりグローバルKireiケアマーケティング本部を廃止しております。これまで国内において、『シルコット』ブランドを中心に事業を展開してきました。今後は、日本だけではなく世界的にも衛生意識の高まりによる使用の定着が見込まれるため、グローバルKireiケアマーケティング本部の機能をウェルネスケア、フェミニンケア、ベビーケアの各マーケティング本部へ移管し、グローバル展開の加速を目指します。
(b)ぺットケア
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
売上高(注) |
139,446 |
148,673 |
9,227 |
6.6 |
|
コア営業利益 |
23,083 |
25,840 |
2,756 |
11.9 |
(注)外部顧客に対する売上高
“もっと一緒に、ずっと一緒を。”というスローガンのもと “ワンちゃん、ネコちゃんが社会とつながりながら、幸せな一生を全うできる社会”の実現をペットケア事業は目指しています。
国内ペットフードにおいては、犬・猫ともに、さまざまな食感や味を楽しんでもらいたいというニーズや健康志向の高まりに対応し、総合栄養食としてのおやつを展開しました。猫用では『銀のスプーン お魚味クリームどーにゃつ』を、犬用では、『グラン・デリ ワンちゃん専用 サッポロポテト』など独自性の高い新商品を発売し、多様なニーズに応えた豊富なラインアップで、それぞれ高い売上高成長を実現しました。
国内ペットトイレタリーにおいては、インテリアと調和するデザインが欲しいというニーズの高まりに応えた猫用のシステムトイレを発売するなどの商品ラインアップの拡充に加え、2022年より推進している『GO WITH わんこプロジェクト』を継続し、飼い主とワンちゃんが共に楽しめる社会の実現を目指しています。
また、ペットのQ&Aサービス『DOQAT』に加えて、AIを活用したキャットフード提案サービス『ごはんマッチング』を開始し、商品・サービスの両面から市場活性化に取り組みました。
北米では日本の技術を搭載した新たなコンセプトの猫ウェットタイプ副食などの販売が引き続き好調に推移した結果、高い売上高成長を実現しました。
北米に次ぐ世界第2位の市場規模を有し、今後も市場の成長が期待される中国では、2022年11月に中国現地法人にて資本業務提携を締結した江蘇吉家寵物用品有限公司(以下JIA PETS社)で、当社の独自コンセプトや技術を搭載したペットフード商品のラインアップを拡充しました。
引き続き日本の消費者に支持された当社グループの製造技術及び生産管理ノウハウとJIA PETS社が保有する生産体制や研究開発、eコマースチャネルにおける販売力などを活用することで、重点都市での市場シェアNo.1を目指します。
また、今後の市場成長が期待される東南アジア地域においても、タイやインドネシア、ベトナムなどでペットケア市場が顕在化していることから、フード、トイレタリーともに積極的に経営資源を投下することで、飛躍的な事業成長を目指します。
この結果、ペットケアの売上高は148,673百万円(前連結会計年度比6.6%増)、セグメント利益(コア営業利益)は25,840百万円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。
(c)その他
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
売上高(注) |
13,106 |
14,208 |
1,102 |
8.4 |
|
コア営業利益 |
1,522 |
1,740 |
217 |
14.3 |
(注)外部顧客に対する売上高
主に不織布・吸収体の加工・成形技術を活かした業務用商品分野において、産業用資材を中心に販売を進めました。
この結果、その他の売上高は14,208百万円(前連結会計年度比8.4%増)、セグメント利益(コア営業利益)は1,740百万円(前連結会計年度比14.3%増)となりました。
当期の財政状態の概況は次のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減額 (百万円) |
|
資産合計 |
1,133,627 |
1,239,973 |
106,346 |
|
負債合計 |
345,377 |
366,263 |
20,885 |
|
資本合計 |
788,250 |
873,711 |
85,460 |
|
親会社所有者帰属持分比率(%) |
61.4 |
62.3 |
- |
当連結会計年度末の財政状態は、資産合計が1,239,973百万円と前連結会計年度末に比べ106,346百万円増加いたしました。主な増加は、投資有価証券等のその他の金融資産45,586百万円、棚卸資産18,168百万円、売上債権及びその他の債権17,070百万円、長期前払税金等のその他の非流動資産13,260百万円によるものです。負債合計は、366,263百万円と前連結会計年度末に比べ20,885百万円増加いたしました。主な増加は、仕入債務及びその他の債務20,434百万円によるものです。資本合計は、873,711百万円と前連結会計年度末に比べ85,460百万円増加いたしました。主な増加は、親会社の所有者に帰属する当期利益81,842百万円によるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の61.4%から62.3%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減額 (百万円) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
162,415 |
137,099 |
△25,316 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△67,527 |
△73,838 |
△6,311 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△67,007 |
△66,794 |
213 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
253,770 |
261,054 |
7,284 |
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は261,054百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,284百万円増加しております。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られたキャッシュ・フローは、137,099百万円の収入(前連結会計年度は、162,415百万円の収入)となりました。主な収入は、税引前当期利益によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用したキャッシュ・フローは、73,838百万円の支出(前連結会計年度は、67,527百万円の支出)となりました。主な支出は、金融資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用したキャッシュ・フローは、66,794百万円の支出(前連結会計年度は、67,007百万円の支出)となりました。主な支出は、親会社の所有者への配当金支払額、自己株式の取得による支出、非支配持分への配当金支払額によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
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セグメントの名称 |
生産高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
パーソナルケア |
851,342 |
8.6 |
|
ペットケア |
159,021 |
23.7 |
|
その他 |
14,784 |
87.7 |
|
合計 |
1,025,146 |
11.4 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
(b)受注実績
受注生産を行っていないので、該当事項はありません。
(c)販売実績
|
セグメントの名称 |
販売高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
パーソナルケア |
826,100 |
4.7 |
|
ペットケア |
148,673 |
6.6 |
|
その他 |
14,208 |
8.4 |
|
合計 |
988,981 |
5.0 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、参入国・地域ごとに景況感に差が見られ、予測困難な状況が続いています。
海外においては、アジア地域で経済の不確実性が依然として残存していることに加え、COVID-19の影響を経て、特にベビーケア関連商品において、消費者の間で手頃な価格の商品への需要が高まりつつあります。また、eコマースにおける新興チャネルが急成長するなど、市場環境は目まぐるしく変化しています。当社は、これらの変化に柔軟かつ迅速に対応すべく戦略を展開し、計画達成に向けて取り組んでまいりました。
国内においては、物流の2024年問題など懸念材料がありましたが、当社が取り扱う商品は生活必需品であることに加え、消費者のニーズに合わせた高付加価値商品の連続提案と価格の引き上げにより、売上高成長は堅調に推移しました。
このような経営環境のなか、当社グループは“世界中の全ての人々のために、快適と感動と喜びを与えるような、世界初・世界No.1の商品とサービスを提供しつづけます”という基本方針に基づき、当期より第12次中期経営計画が始まることを契機に新たなコーポレート・ブランド・エッセンス「Love Your Possibilities」を掲げ、世界中の全ての人々が平等で不自由なく、その人らしさを尊重し、やさしさで包み支え合う、心つながる豊かな社会である「共生社会」=Social Inclusionの実現に向けて取り組みました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高988,981百万円(前連結会計年度比5.0%増)、コア営業利益138,463百万円(前連結会計年度比8.2%増)、税引前当期利益134,537百万円(前連結会計年度比1.7%増)、当期利益95,227百万円(前連結会計年度比2.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益81,842百万円(前連結会計年度比4.9%減)となりました。
(b)経営成績に重要な影響を与える要因
「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
(c)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度においては、一部海外連結子会社において為替リスク軽減等の観点から外部借入を行った以外は、営業キャッシュ・フロー(当連結会計年度は137,099百万円のプラス)を主要な財源としております。また、事業活動や投資、自己株式取得を含めた株主還元を目的とした資金需要はできる限り自己資金で対応できるように資金の流動性を十分確保するように努めております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
2025年度の設備投資資金についても、自己資金をもって充当する予定であります。
(d)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度から始動した第12次中期経営計画が目標とする主な指標の状況は次のとおりであります。
初年度である当連結会計年度は、価値転嫁の推進、原材料関連費用の低減により、売上高、コア営業利益は過去最高更新を更新しましたが、物流費の高騰や、アジア地域での新興企業による価格攻勢の影響などにより、中期経営計画の目標に対して未達となりました。ROEについては税負担率の上昇により前連結会計年度比で悪化しました。
次期連結会計年度は、市場環境の変化が想定されるなか、持続的な高成長へ向け消費者ニーズを捉えた衛星関連用品の開発及び市場創造に努め、参入国・地域の経済レベルや人口動態などに適した事業戦略を実施し、中期計経営計画の目標達成を目指してまいります。
|
|
前連結会計年度 (2023年度) |
当連結会計年度 (2024年度) |
第12次中期経営計画 目標(2026年度) |
|
売上高 |
941,790百万円 |
988,981百万円 |
1,150,000百万円 |
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売上高成長率 |
4.9% (前年度比) |
5.0% (前年度比) |
(注)6.9% CAGR (年平均成長率) |
|
コア営業利益率 |
13.6% |
14.0% |
15.8% |
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ROE (親会社所有者帰属持分 当期利益率) |
13.1% |
11.1% |
15.0% |
(注)売上高CAGR(年平均成長率)は、為替変動の影響を除いた数値を目標としております。
(e)戦略的現状と見通し
当社グループを取り巻く経営環境は、参入国・地域ごとに景況感に差が見られ、予測困難な状況が続いていますが、主要参入国においては、経済状況の不透明感は残るものの、緩やかな景気回復を見込んでおります。
このような経営環境のなかで、海外では、各国・地域のニーズを捉えた商品の提供と、積極的な販売活動を通じて、市場を上回るスピードで成長し、活性化を図ってまいります。国内パーソナルケアにおきましては、インフレーションに関連してコスト高が見込まれることから、消費者ニーズを捉えた高付加価値商品の提供による価値転嫁を推進し、安定的な成長と収益性の改善に努めてまいります。
(f)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。
なお、重要性がある会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に対する注記」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、“尽くし続けてこそNo.1”の理念のもと、“テクノロジーイノベーションで新たな価値を創造し続ける”を基本に、香川県観音寺市のテクニカルセンター及びエンジニアリングセンターを中心として、不織布技術、特殊高分子吸収技術、紙並びにパルプに関するノウハウの開発と改良を絶え間なく行い、カテゴリーNo.1製品の育成と製品開発から市場導入までのリードタイム短縮による効率化に取り組んでまいりました。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
(1)パーソナルケア
●ウェルネスケア関連商品
大人用排泄ケアブランド『ライフリー』より、『ライフリー 夜用あんしんパンツ(M/L)』を新発売いたしました。加齢に伴う足周りの筋力低下に着目し、世界で初めて※1「特許技術 ピタッと足周りまで吸収体」※2を採用しました。股下の吸収体幅を約2倍に広げ、足周りにフィットする設計により、すきまなく吸収体を密着させることで、夜間のモレを防止し、高齢者本人だけでなく、介護する家族も安心して眠ることができます。
高齢者の体型や寝姿勢でも正しく簡単に装着できる「ウエスト止め位置マーク」を採用した『ライフリー のび~るフィットうす型軽快テープ止め(S~M/L)』を改良発売いたしました。
また、『ライフリー おしり洗浄液エッセンス』を、介護施設・病院限定で発売いたしました。従来品より濃縮率を1.5倍にすることで、使用量を約6割削減しながらも高い洗浄力を有し、コンパクトな容器で省スペース化も実現しました。天然ひまわり油石鹸による洗浄力、オウバクエキスによる保湿力、リピジュア®(ポリクオタニウム-51、日油株式会社の登録商標)による肌保護機能も備え、すすぎ洗い不要で効率的な排泄ケアをサポートします。
海外においては、タイにて、薄さとしなやかさでつけている感じがしない軽失禁パッド『SofyAile Light incontinence pad(30㏄)』を新発売いたしました。ベトナムにおいては、ミントの香りのテープタイプおむつ『Caryn tape Day&Night』、5秒で引き上げ簡単に着用できるパンツタイプおむつ『Caryn Pants Day&Night』をそれぞれ新発売いたしました。また、インドネシアにおいては、全面通気で肌荒れしないパンツタイプおむつ『Certainty popok celana(M/L/XL)を新発売いたしました。インドにおいては、インドのお客様の使用実態に合わせて製品寸法を改良した『Lifree Extra Absorb Super Pants 12H(S/M/L/XL)』と『Lifree Extra Absorb Pants 10H(S/M/X/XL)』をそれぞれリニューアル発売いたしました。各国の開発拠点にて現地のニーズにあった製品開発を行い、ラインアップの拡充を図るなど市場の活性化に努めてまいりました。
※1 主要グローバルブランドにおける大人用パンツおむつ対象(2024年4月ユニ・チャーム㈱調べ)
※2 吸収コアの両側縁と重なる一対の着色領域と、その間の非着色領域を有し、吸収コアは長手方向中央部で防漏ギャザーの幅方向最内端よりも広く、着色領域の着色部より肌面側のシート資材数は非着色領域のそれ以下である構造
●Kireiケア関連商品
「シルコットⓇ」ブランドから、『シルコットⓇフェイシャルタオル 無添加タイプ』を新発売いたしました。昨年発売した『シルコットⓇフェイシャルタオル素肌おもい』は、若年層を中心にSNSで話題となりました。一方で、若年層の間で肌荒れやニキビで悩まれている方も多く、今回の無添加タイプでは、デリケートな敏感な肌※1でも安心してご使用いただけるよう、ふんわりと柔らかいシートを採用しました。また、無添加・石化由来原材料不使用であり、ノンコメドジェニックテスト※2に対応済み※3です。
また、中国では、フェイシャルコットンカテゴリーにおいて、『尤妮佳Silcot 1/2可拉伸化粧棉』を新発売いたしました。このコットンは伸縮性があり、好きな長さに調整できるため、顔の形状にフィットさせて全顔パックすることができます。
このように国内外にてブランドのラインアップの拡充を図ることで、お客様満足度の向上とともに、新規市場の拡大・活性化に努めてまいりました。
※1 洗顔後、肌のバリア機能が低下した状態
※2 「コメド」とは、「初期段階のニキビ」「毛穴詰まりを起こした状態」を指すもので、「ノンコメドジェニックテスト」とは「コメドを発生させにくい製品か否かを判定する試験のこと
※3 全ての方にコメド(ニキビのもと)が発生しないということではありません。
●フェミニンケア関連商品
生理ケア用品ブランド『ソフィ』から、『ソフィ 超熟睡おやすみプレミアム(36cm/40cm/42cm)』を新発売いたしました。女性は睡眠不足になりやすい※1ことに加え、生理中の経血モレ不安を抱えている人が多いという背景から、安心して眠れるよう、シリーズ最厚の極厚※2クッションを採用し、体への密着性を高めることで、スキマモレを防止します。また、吸収スピードも従来品の2倍で、経血を素早く吸収し、お腹側から背中までフィットする形状により、一晩中安心できる商品です。
海外においては、中国にて、わずか0.06㎝の厚さの超薄型吸収構造である『蘇菲 裸感S鎏光仙紙薄(25cm/29cm)』を、また、ショーツ型のナプキンで、外出時でもズボンを完全に脱がずに、手軽に交換できる着脱可能な開閉用タブ付きである『蘇菲 早安日早安袴(M/L)』をそれぞれ新発売いたしました。インドネシアにおいては、ダウンシリという防臭効果のあるハーブを用いた『CHARM Daun Sirih(35cm/42cm)』を、また、ショーツ型のナプキン『Sleep protect+(L-XL)』を、それぞれ長さのラインアップを追加して新発売いたしました。また、タイにおいては、出産前後の特別な時期に使用されるお産パッドのショーツ型タイプとして『Sofy Mamy Pants(M-L/L-XL/XL-XXL)』を新発売いたしました。産後の非常に敏感な肌にもやさしいオーガニックコットン入りの柔らかい素材を使用しており、多量の悪露を吸収することができます。このほか、インド・ベトナム・サウジアラビアなどの開発拠点を中心に、品質機能面での改良を図ってまいりました。
※1 OECD調べ、西川睡眠白書2023
※2 現超熟睡シリーズ吸収体中央部分
●ベビーケア関連商品
紙おむつ『ムーニー』ブランドから、共働き世帯の増加に伴い、乳幼児の肌トラブルや漏れなどの問題を未然に防ぎたいという保護者のニーズが高まっていることを背景に、『ムーニーマン マシュマロ肌ごこちモレ安心(Mたっち/L/ビッグ)』を新発売いたしました。この商品は、「肌にやさしい」と「モレない」を両立させるため、マシュマロのように抜群に柔らかい伸縮不織布を採用し、赤ちゃんの体に優しくフィットする設計がされており、お腹と足まわりに隙間を作らないことで、肌への負担と漏れを防ぎます。
『マミーポコ』ブランドからは、環境に配慮した紙パンツ『マミーポコパンツRefF※1(リーフ)(L/Big)』を一部地域・店舗限定で発売いたしました。この商品は、使用済み紙パンツをリサイクルしたパルプを使用しているのが特徴です。独自のオゾン技術によって高品質なリサイクルパルプを生成する「RefFプロジェクト」※1が2015年から始まり、2022年にはリサイクル原材料を用いた大人用紙パンツが好評を得ております。ベビーケア商品にも展開することで、持続可能な社会の実現に努めてまいりました。
海外においては、インドにて、『MamyPoko Pants All Night Absorb(NB/S/M/XL/XXL)』を新発売いたしました。拡大するスタンダードな価格帯の市場に、最大12時間吸収のラインナップを追加することで、市場の拡大と活性化に努めてまいりました。中国においては、腰の部分に24mmのハート型の大開口通気孔を搭載した『moony小風窗(L/XL/XXL)』を新発売いたしました。また、サウジアラビアでは、水遊び用パンツ『Baby Joy Swim Pants(3-4/4-5/5-7)』を新発売し、夏季を中心とした水遊びパンツ市場に対して新規参入いたしました。
また、お尻拭きのカテゴリーにおいては、ベトナムにて、『Bobby Antimos Wipes』と『Baby Love Wet Wipes』をそれぞれ新発売いたしました。 Antimos Wipesは、蚊に刺されることによるデング熱の感染を防止できるよう、嫌蚊効果の有るレモングラスの香り付きお尻拭きです。現地のニーズにあった製品開発を行い、お客様満足度の向上と市場の活性化を図ってまいりました。
※1 「Recycle for the Future」の頭文字をとったもので、ユニ・チャームが展開する水平リサイクルのブランド名です。当社は持続可能な社会の実現に貢献するべく「使用済みの紙パンツを捨てないみらい」に向けてリサイクルに取り組んでいます。
●研究成果
第77回日本保育学会にて、BABY JOB株式会社・昭和大学・東京大学との共同研究から、保育施設における子どもの成長発達を踏まえたトイレトレーニング開始指標と保育者と保護者の連携の重要性の検証結果を発表いたしました。本研究では、「トイレトレーニング開始判断表」を用いた介入群と対照群の比較検証の結果、介入群ではトイレトレーニングの実施期間が有意に短縮され、保護者の不安や負担感も軽減されることが確認されました。これは、保育者が具体的な進め方を理解し、根拠を持って保護者に説明できることで、信頼関係が築かれたことが影響したと考えられます。このように、より楽しく、笑顔があふれる育児環境の実現に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度のパーソナルケアにおける研究開発費は、
(2)ペットケア
ペットケアにおける研究開発活動は、事業理念である“ペットが心身ともに健康で、ずっと一緒にいることができる幸せに溢れた生活を創造する”を基本に、ペットフード製品は兵庫県伊丹市にある当社工場内にて、ペットトイレタリー製品は香川県観音寺市にて、開発を行っております。
猫用フードにおいて、猫が食べやすく、飼い主様にとっても中身がこぼれにくいと好評のスプーン容器入りのウェットおやつ『銀のスプーンにゃんSpoon』から、ペットの健康を意識する飼い主が増加していることを受け、猫用おやつ『銀のスプーンにゃんSpoon(総合栄養食/腎臓の健康維持用)』を新発売いたしました。どちらも着色料不使用で、猫の健康維持に配慮した設計となっております。また、『銀のスプーン三ツ星グルメ にっぽんSelect(腎臓の健康維持用)』を新発売いたしました。リンとナトリウムの含有量を調整し、腎臓への負担を軽減します。猫用健康機能食の『AllWell』ブランドからは、愛猫の「ひざ・関節の健康維持」をサポートする『AllWell ひざ・関節の健康維持用』を新発売いたしました。DHA+EPAを配合し、健康的な動きをサポートします。
犬用フードにおいては、早食いが気になる愛犬向けに『グラン・デリ Frecious 早食い軽減設計 チキン&ビーフ入り』を新発売いたしました。独自の「たわら型」の粒設計で早食いを軽減し、粒の大きさや厚みにこだわった形状により、よく噛むことを促します。また、飼い主様の「愛犬といっしょに食事やおやつを楽しみたい」という意識の高まりを受けて、カルビー株式会社と共同開発した『グラン・デリ ワンちゃん専用 サッポロポテト(つぶつぶベジタブル/つぶつぶベジタブルチーズ味/バーベQあじ/バーべQあじチーズ味)』を新発売いたしました。
海外においては、タイにて、猫用フード『GINNO FOR ADULT CAT CHICKEN AND TUNA FLAVOR』を新発売いたしました。高蛋白33%で、皮膚や被毛、眼の健康を守り、免疫をケアしてくれる総合栄養食です。インドネシアにおいては、猫用ウェットタイプおやつ『Deli-Joy Stick 2Pack Creamy Tuna & Salmon』『Deli-Joy Stick 2Pack Creamy Tuna』『Deli Joy Stick Variety Pack Creamy Tuna-Salmon, Tuna-Katsuo, Tuna-Ayam』『Deli Joy Stick Variety Pack Creamy Tuna, Tuna-Salmon, Jelly Tuna』をそれぞれ新発売いたしました。
ペットトイレタリー製品においては、猫用システムトイレ『デオトイレ® 脱臭ファン+(プラス)』を新発売いたしました。飼い主様の悩みの種である猫の「排泄直後の臭い」に焦点を当て、高密度の活性炭フィルターを搭載した吸引ファンが、“したてウンチ”の臭いも逃さず吸着し続けることで、消臭効果を発揮します。また、長時間トイレシートの交換ができない飼い主様のために犬用トイレシステム『デオシート 消臭ラボ』を新発売いたしました。3日間交換無しでもにおわない※1トイレシステムで、ニオイ菌の増殖を抑える「抗菌ドライフィルター※2」と、尿を素早く吸収し長時間消臭効果を発揮する「強力吸収・消臭マット」の2層構造が特徴です。
ペット用吸収ウェアにおいては、『マナーウェア 虫よけオムツ(男の子用/女の子用)(SS/S/M)』を夏季限定品として発売いたしました。おむつに虫よけ効果のある優しいボタニカルハーブの香料を配合することで、夏場の散歩中の虫対策として、ペットとの快適な散歩をサポートします。また、『デオシート キレイパッド(S/M)』を新発売いたしました。ワンちゃんのオシッコ跡に貼るだけで、シート全体を交換する手間を省ける、新しいタイプのペットシートです。本製品を使用すれば、シートを有効活用できるため、ゴミの量を約25%削減※3できます。
海外においては、中国で成長している全自動猫用トイレに最適な猫砂『佳楽滋智能全自動盆専用猫砂』を新発売いたしました。素早く固まり壁面が汚れず、収納容器内で16日間消臭ができます。また、インドネシアにて、猫用システムトイレ『Deo Toilet Non Cover (Ivory) Set』を、犬用おむつ『MannerWear Anti Bocor(男の子用/女の子用)(SS/S/M)』をそれぞれ新発売いたしました。
このように世界各国にてラインアップの拡充を図り、世界各国のペットの健康で幸せな毎日をサポートできるよう取り組んでまいりました。
※1 愛犬1頭(レギュラー:体重4kg以下、ワイド:体重10kg以下)の尿吸収時、ユニ・チャーム㈱調べ
※2 ニオイ菌とは尿からアンモニアを発生させやすい菌を指します。第三者機関による抗菌性試験結果。なお、すべての菌を抑制するものではありません。
※3 ユニ・チャーム㈱調べ(デオシートしっかり超吸収レギュラーサイズの場合。使用枚数は事前の製品テストにおける代表的な例を参照)
以上の結果、当連結会計年度のペットケアにおける研究開発費は、
(3)その他
不織布・吸収体の技術を活かした業務用製品分野の製品ラインを拡充いたしました。
以上の結果、当連結会計年度のその他における研究開発費は、