当社は、2019年12月1日に創業200年を迎えるにあたり、新たな企業理念を制定しました。新たな企業理念では、次の100年に向けて、企業として更なる発展を続け当社グループのめざすべき姿を明確にしています。
<わたしたちの使命>
くらしに彩り、豊かさと安心をお届けします。
私たち石塚硝子はメーカーです。モノづくりを通じて社会に貢献することが私たちの存在意義です。ただし、私たちは単にモノを作って売っている訳ではありません。一つひとつの製品で、より良く、より便利に、より価値のある暮らしをつくり出したいという想いを込めてお客様に製品をお届けしています。当社で働くすべての社員がその想いを共有し、社会とその暮らしになくてはならない企業になりたいと考えています。
<わたしたちのビジョン>
価値あるモノづくりとともに、社会で輝くヒトを育て、未来へ向かうユメを築きます。
ユメには2つの意味を込めています。一つは、価値あるモノづくりを続け、企業として成長すること、もう一つは、一人ひとりが人生に生き甲斐をもち、それぞれの願いを叶えていくことです。また価値あるモノづくりには、人財育成を通じたヒトづくりが欠かせません。これらが重なりあうことでいつの時代にも求められる企業であり続けることができると考えています。
<わたしたちの約束>
「誠実」「挑戦」「成長」
「誠実」は、200年の歴史で培った当社のDNAであり、すべてのステークホルダーに向き合う基本姿勢です。「挑戦」は、常に改善や新たな物事への挑戦を積極的に行うこと、また挑戦による失敗を恐れない風土を大切にしたいという意思を示しています。「成長」は、企業の成長という意味だけではなく、一人ひとりが豊かな人生を過ごすために、公私ともに成長して欲しいという想いを込めました。この3つの約束を合言葉に、私たちは未来に向かって進んでいきます。
① コンセプト
『ISHIZUKA 2021 ~次の100年に向けて~』
2016年度からの中期経営計画『Next Stage ISHIZUKA 84』では、「営業利益の安定確保」、「有利子負債の削減」、「グループを横断した機能強化」に取り組んでまいりました。期間中、営業利益率3%を安定的に確保すること、有利子負債の削減を計画通りに進めることができました。加えてグループを横断した機能強化を進めることでグループが活性化し、新たなステージにおける事業基盤が確立できました。今年、創業200年を迎えるにあたり、次期中期経営計画では『ISHIZUKA 2021 ~次の100年に向けて~』を掲げ、この流れを更に加速し、いつの時代にも求められる企業をめざしていきます。
② 基本方針
『営業利益率5%の達成』
前中期経営計画を通じて安定的に営業利益率3%を確保できる企業体質は構築できました。
もう一段の収益力強化を目標に、3年後の2021年度に営業利益率5%をめざします。
『非容器事業を連結売上高の10%まで拡大』
ガラスびん、ハウスウェア、紙容器、プラスチック容器といった既存の容器事業は一定の基盤があり、今後は一層の付加価値の追求、効率化により収益力を強化していきます。一方、社内技術の応用や研究開発を進めることで非容器事業を推進し、これを3年後の2021年度に連結売上高の10%まで拡大することで、将来の収益源を確保します。
『グループ横断機能の更なる強化』
カンパニーやグループ会社という組織の枠を超え、横断的な課題解決を図るCFP(クロスファンクショナルプロジェクト)活動は社内に定着しつつあります。
今後はこの活動を更に発展させ、事業拡大につなげていきます。
③ 各事業を取り巻く環境と戦略の方向性
<ガラスびん関連事業>
ガラスびん市場は、主力の酒類びん、食料・調味料びんは減少していますが、ドリンク、化粧品類の小型ビンは伸張しています。求められる商品群は、『量産・汎用』の商品から『高付加価値・多様化』のトレンドに変化してきており、高い質感、デザイン性、多品種少量への対応が必要となっています。こうしたことから『量産・汎用』で原価低減を図る一方、『高付加価値・多様化』の対応を加速していきます。
<ハウスウェア関連事業>
ガラス食器は、少子高齢化により国内需要は頭打ちの状況にありますが、こだわり消費へのニーズや、海外でのメイドインジャパン人気がみられます。陶磁器は、個人需要は伸び悩んでいますが、ホテル、エアラインの法人需要は底堅く推移しています。また流通面からみるとネット市場の拡大が顕著です。こうしたなかハウスウェア関連事業では、強みである法人需要を確実に取り込みつつ、ブランド力の強化による付加価値市場での拡販などにより事業ドメインを拡大する一方、生産性向上、物流コスト上昇への対応などに取り組み、事業体質の強化を進めていきます。
<紙容器関連事業>
チルド紙容器の国内市場は縮小傾向にある一方、容器自体の形態・デザインの多様化が進んでいます。こうした背景から、商品ラインナップの拡充や原紙の見直しを通じて、新しい価値の提案や価格是正を進めていきます。また、紙容器の新たな用途開発をおこない、事業ドメインを革新していきます。
<プラスチック容器関連事業>
プラスチック容器需要は、主力の清涼飲料水で他容器からのシフトが進んでいることや化粧品・医薬品向けが増加していることもあり、比較的堅調に推移しています。一方、廃棄プラスチック問題への取り組みが世界レベルでの課題となっており、原料循環型の容器への社会的要請はさらに高まっています。こうした課題にも対処しつつ、設備稼働率アップ、不良化率の低減、固定費削減を通じて原価低減を進め、利益体質への改革を図ります。加えて非清涼飲料水分野への本格参入・拡大を検討していきます。
<産業器材関連事業>
IHクッキングヒーター及びガスコンロ向けトッププレートの販売は、住宅着工の減少や価格競争による単価下落など、厳しい経営環境が続いています。しかしながら、上位機種への参入や生産性向上の余地は残っており、この対応により収益を改善していくとともに、次の収益の柱となりうる応用商材を立ち上げていきます。
<その他事業>
抗菌剤事業は、アジア・中国での需要が堅調で拡大を続けています。引き続きこの需要を満たすべく生産・販売体制を整備する一方、先行する欧米市場での安定的な販売体制も継続していきます。金属キャップ事業はウイスキーなどの酒類向けキャップ需要を確実に捉えており、この需要にしっかりと対応していきます。またこれ以外にも、ガラス技術、紙加工技術を応用した新事業の開発を社外連携も活用して進めていくことにより、非容器事業の拡大と将来の収益源の確保に努めていきます。
(3) 持株会社体制への移行準備
① 移行の背景及び目的
当社は1819年(文政2年)の創業以来、ガラスびん・ハウスウェア・紙容器・プラスチック容器・産業器材と事業領域を拡大し成長してきました。しかしながら経営環境がめまぐるしく変化する昨今、事業毎の一層の意思決定の迅速化や更なる事業領域の拡大へ対応が急務であると判断し、これを実現する組織として持株会社体制へ移行することが妥当と考え、その準備に入ります。これにより、持株会社はグループ全体を最適化する視点のもと経営戦略策定や経営判断及び業務執行の監督を行う一方、各事業会社に裁量を与え、迅速に業務執行を行うことを目的とします。
② 移行スケジュール等
日程としましては、2020年6月開催予定の当社定時株主総会における承認及び必要に応じ所管官公庁の許認可が得られることを前提として、所要の期間を経過後の2021年3月21日迄に持株会社体制へ移行する予定です。なお、具体的な移行スキーム及び移行後の持株会社体制等の詳細につきましては、今後の検討を踏まえ、取締役会で決議次第、開示いたしますが、いずれの方法による場合であっても持株会社が引き続き上場を維持する予定です。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。したがいまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
当社は上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組みとして「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を導入しております。
本プランでは、当社株式に対し議決権割合が20%以上となるような大規模買付行為を行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)が大規模買付行為実施前に遵守すべき、大規模買付行為に関する合理的なルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を定めております。大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、当社株主の皆様が当社取締役会の代替案の提示を受ける機会を確保することを目的としております。また、本プランを適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、当社における決定の合理性・公正性を担保するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外役員並びに社外有識者で構成される独立委員会を設置しております。当社取締役会は、大規模買付者に対し、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に提供することを要請し、当該情報の提供完了後、大規模買付行為の評価検討のための期間を設定し、当社取締役会としての意見形成や必要に応じ代替案の策定を行い、公表いたします。大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守した場合は、当社取締役会は、原則として対抗措置を講じません。しかし、大規模買付ルールを遵守しない場合や、遵守している場合であっても、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断した場合には、例外的に、独立委員会の勧告を最大限尊重し、必要かつ相当な範囲内で、また、必要に応じて株主の皆様のご意思を確認の上で、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置を講じることがあります。
本プランの有効期間は3年間(2022年6月に開催予定の定時株主総会終結時まで)となっておりますが、有効期間中であっても、株主総会又は取締役会の決議により本プランは廃止されることがあります。また、随時見直しを行い、株主総会における株主の皆様のご承認を得て本プランの変更を行うことがあります。
本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続について」(2019年5月9日付)をご参照ください。
(参考URL http://www.ishizuka.co.jp/news/index.html)
本プランは、①買収防衛策に関する指針の要件を充足し、コーポレートガバナンス・コードの「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえていること、②株主共同の利益の確保・向上の目的をもって継続されていること、③合理的な客観的発動要件を設定していること、④独立性の高い社外者の判断を重視し、情報開示をしていること、⑤株主意思を重視するものであること、⑥デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと、の理由から会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループのコア事業製品であるガラスびんは、他素材容器との競合等により業界全体として需要が減少し、年々出荷量が落ち込んでおります。当面この傾向が続くものと想定しておりますが、他素材容器への転換が想定を大幅に上回った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが製造工程で使用している主要な原材料及び燃料等の調達価格は、原油価格、為替相場の変動及び市場の状況等による影響を受けるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは厳格な品質管理のもと製品の出荷を行っております。個々の取引先との規格に従い、全数検査を実施しておりますが、万一賠償問題につながるクレームが発生した場合、損害賠償の負担だけでなく、当社グループへの信用も失うこととなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは多数の取引先と掛売り取引を行っております。当社グループは信用情報の収集、与信限度額の定期的な見直し等を行い、信用リスクの回避に努めておりますが、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、生産活動が中断しないよう、すべての生産設備に対して定期的な防災点検及び設備保守を行っておりますが、当社グループの生産拠点である岩倉・東京・姫路・福崎工場等に大規模な地震等の災害が発生し、生産設備に大きな損害が出たり操業停止した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが調達を行う企業が大規模な地震等に被災し、生産設備に大きな損害が出たり操業が停止し、調達が不可能となった場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは主に飲料容器を製造販売しておりますが、冷夏などにより売上に大きな影響が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
退職給付会計では、退職給付費用等を数理計算により算出しております。割引率等の前提条件が変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
税効果会計では、将来の課税所得の予測に基づき繰延税金資産を計上しております。課税所得の実績が予測と大きく乖離し、回収可能額が減額となる場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、取引金融機関、関係会社、重要取引先等の株式を長期保有目的で所有しております。所有株式の価格が大幅に下落した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、多発した自然災害の影響もありましたが、企業収益は底堅く推移し、雇用環境や個人所得の改善が進み設備投資が増加するなど、緩やかな回復基調で推移しました。一方、英国のEU離脱問題や米国の通商政策を発端とする貿易摩擦の実体経済への影響など、依然として不透明な状況が続くと見込まれます。
このような状況のなか、当社グループは、当期を最終年度とする中期経営計画(第82期~第84期)『Next Stage
ISHIZUKA 84』において、「グループ総合力の結集」をコンセプトとし、営業利益の安定的確保・有利子負債の削
減・グループを横断した機能強化に取り組みました。
売上高につきましては、ハウスウェア関連の子会社の決算期変更による影響もありましたが、プラスチック容器関連が大きく伸張したことなどにより、グループ全体の売上高は71,186百万円(前期比0.3%増)となりました。グループを横断した機能強化によりコスト削減の成果を挙げましたが、原燃料価格の高騰などにより、営業利益は2,355百万円(前期比8.8%減)となりました。受取配当金の増加や支払利息の減少などにより、経常利益は2,144百万円(前期比7.3%増)となりましたが、閉鎖した7号炉の設備撤去を順次進めていることにより撤去費用などが発生し、親会社株主に帰属する当期純利益は1,488百万円(前期比10.7%減)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
<ガラスびん関連事業>
ガラスびんは、食料・調味料びんの一部が他素材容器に移行したことにより出荷が大きく減少したことに加え、業務用ビール値上げ前の受注増加の反動によりビールびんの出荷が減少したことや清酒びんの需要も落ち込み、売上高は17,698百万円(前期比4.5%減)となりました。
<ハウスウェア関連事業>
ガラス食器は、アルコールメーカー向けの業務用品及び貯蔵びんの販売が好調に推移しました。陶磁器は、海外のエアライン向けの受注が増加しましたが、鳴海製陶(株)及び三重ナルミ(株)の決算期の変更による影響により売上高は減少し、セグメント全体の売上高は13,818百万円(前期比2.6%減)となりました。
<紙容器関連事業>
紙容器は、主要ユーザーからの受注が落ち込んだことに加え、一部ユーザーにおいて新形状容器の移行が進んだことなどにより出荷が伸び悩み、売上高は7,046百万円(前期比3.3%減)となりました。
<プラスチック容器関連事業>
プラスチック容器は、主要ユーザー向けの販売が好調で出荷を伸ばしたことに加え、前期の7月に立ち上げた新ラインが順調に稼働し需要の増加に対応できたことなどにより、売上高は26,918百万円(前期比7.0%増)となりました。
<産業器材関連事業>
産業器材は、鳴海製陶(株)の決算期の変更による影響により、売上高は1,708百万円(前期比13.4%減)となりましたが、当該影響を除くと概ね前期並みです。
<その他事業>
抗菌剤は、国内及び海外での販売が順調に拡大しました。一方、金属キャップは医薬品向けの出荷が伸び悩みましたが、セグメント全体の売上高は3,997百万円(前期比4.4%増)となりました。
また、生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。なお、決算期変更を行った上記の連結子会社について、10か月間の損益を連結しております。これに伴い、ハウスウェア関連事業及び産業器材関連事業はこの影響を受けております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.ハウスウェア関連のうち、直需専用品等は受注生産を行っておりますが、一般品等は見込生産を行っております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は81,207百万円(前期比387百万円減)、負債合計は53,610百万円(前期比2,834百万円減)、純資産合計は27,597百万円(前期比2,447百万円増)となりました。資産は、現金及び預金が減少し、その他(未収金)が大きく増加しました。現金及び預金の減少は、有利子負債の返済によるものであり、未収金の増加はプラスチック容器関連の設備投資に伴うリースバックによるものです。負債につきましては、有利子負債が大きく減少し、プラスチック容器関連の設備投資に伴う未払金が増加しました。純資産は、新株の発行、自己株式の処分及び利益剰余金の増加によるものであり、この結果、自己資本比率は30.4%(前連結会計年度末は27.4%)となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,186百万円減少し、3,534百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、6,162百万円(前年同期は6,954百万円の資金増加)となりました。資金増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益、減価償却費及び仕入債務の増加によるものです。
一方、資金減少の主な要因は、たな卸資産の増加及び未収入金の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,674百万円(前年同期は4,861百万円の資金減少)となりました。資金減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、6,676百万円(前年同期は1,276百万円の資金減少)となりました。これは主に、短期借入金の減少及び長期借入金の返済による支出並びに社債の発行による収入及び株式の発行による収入によるものです。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原燃料や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。必要な手元資金を確保しつつ、突発的な資金手当てにつきましては、短期資金調達枠の利用により機動的に対応することで流動性リスクに備えています。
また、今後の事業戦略に必要な設備投資やM&A等の資金需要につきましては、必要に応じて資金調達を行ってまいります。
当社は下記のとおり合弁契約を締結しております。
当社グループの研究開発活動は、主として有価証券報告書提出会社である石塚硝子(株)で行っております。なお、ハウスウェア関連の陶磁器分野及び産業器材関連では鳴海製陶(株)、並びにプラスチック容器関連では日本パリソン(株)においても研究開発活動を実施しております。
当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。
ガラスびん関連
ガラスびん分野においては、品質及び生産効率の向上を目的とした工程改善に取り組みを実施しております。当連結会計年度においては、岩倉・姫路の両工場において検査機の充足、開発による更新及び新設を実施し、不具合品の再発防止及び流出防止を図りました。また、ガラス成形技術を進歩させ、新デザイン形状及び超変形壜の多様なニーズに更に対応可能としました。カラーフィーダー製品の生産増を受け成形技術の向上、生産効率向上に注力し成果を上げています。また、薬品びんの内面化学処理による顧客ニーズに応える高付加価値商品の開発にも取り組んでいます。
当連結会計年度に支出した研究開発費は、123百万円であります。
ハウスウェア関連
ガラス食器分野においては、技術部門が成型機の特徴を活かした特殊な技法を考案し、従来オートメーションでは成形困難であった切り子調彫刻製品を量産することに成功しております。また、墨流し製品の色数を増やすことに成功しており、様々なシーンにマッチできる製品の提供が可能になりました。
陶磁器分野においては、営業、マーケティング、商品開発、研究開発、製造工場及び技術部門が連携して、お客様が求めているテーブルウェアの市場調査、商品開発、材料開発、生産効率及び品質の向上を目的とした取り組みをしております。従来の陶磁器技術にとらわれず、新技法に積極的に取り組んだ結果、当連結会計年度においては、加飾性・機能性の向上が図れた商品化を実現し、新規顧客の創出に寄与しております。
当連結会計年度に支出した研究開発費は、102百万円であります。
紙容器関連
紙容器分野においては、工場生産技術部門にて、生産効率及び品質の向上を目的とした取り組みをしております。当連結会計年度においては、既存紙容器加工の更なる追及と新形状容器の開発、貼り合わせ工程にて検査機器の改善に取り組み、食品容器として更なる衛生面での向上に取り組んでいます。
当連結会計年度に支出した研究開発費は、17百万円であります。
プラスチック容器関連
プラスチック容器分野においては、多様化するニーズに対応すべく、R&Dセンターで各種の技術開発を行っております。当連結会計年度においては、前年度に引き続き、さらなるボトル軽量化技術の開発を進めるとともに、ボトルの意匠性向上のための技術開発にも取り組みました。合わせて、加温販売製品の内容物保護のためのガスバリア技術の開発を進めました。また、新分野向けのPET容器開発も継続して実施しています。
当連結会計年度に支出した研究開発費は、196百万円であります。
産業器材関連
産業器材分野においては、トッププレートの新商品開発及び生産効率と品質の向上を目的とした取り組みをしております。当連結会計年度においては、トッププレートの装飾技術開発に取り組み、新たな機種の受注を獲得しております。また、印刷工程の生産効率向上を目的した設備開発に取り組んでおります。
当連結会計年度に支出した研究開発費は、25百万円であります。
その他
新事業創出カンパニーでは、ガラス・樹脂・紙・陶磁器事業から培ったコア技術をベースに、新規材料開発及び高付加価値商品の提案を実施しております。「有機無機ハイブリッドガラス」のLED封止材や医療用途への応用、「消臭ガラス」のフィルムや繊維への提案を実施する一方、外部との共創を試みるオープンイノベーションを実施しました。「石塚硝子が保有する技術/素材を活用した新たな価値を創造するビジネスのデザイン」として公募をおこない、社内メンバーを加えた概念検証を経て、当カンパニーでの事業化検討を継続しています。また、その他では機能剤の改良及び開発を実施しています。
当連結会計年度に支出した研究開発費は、213百万円であります。
当連結会計年度に当社グループが支出した研究開発費は、合計で678百万円であります。
(注) 金額には消費税等は含まれておりません。